JPH08183733A - β−アミロイドペプチドが関与する生理的障害を処置するための製剤 - Google Patents

β−アミロイドペプチドが関与する生理的障害を処置するための製剤

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JPH08183733A
JPH08183733A JP7163556A JP16355695A JPH08183733A JP H08183733 A JPH08183733 A JP H08183733A JP 7163556 A JP7163556 A JP 7163556A JP 16355695 A JP16355695 A JP 16355695A JP H08183733 A JPH08183733 A JP H08183733A
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amyloid peptide
amyloid
hydroxy
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Jeroen Elisabeth-Joseph Knops
イェルン・エリザベート−ヨーゼフ・クノップス
Stephen Wyatt Queener
スティーブン・ワイアット・クイーナー
Sukanto Sinha
スカント・シンハ
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Athena Neurosciences Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 アルツハイマー病またはダウン症候群といっ
たような、β−アミロイドペプチドが関与する生理的障
害を処置する、または予防するための製剤を提供する。 【構成】 下記式(I): 〔式中、Yは [式中、Wは水素またはC−Cアルカノイルであ
る]であり、Zは などであり、RはヒドロキシまたはC−Cアルカ
ノイルオキシであり、RはC−Cアルキルであ
る]で示され、空胞性アデノシントリホスファターゼ阻
害剤としての活性を有する化合物、または製薬的に許容
し得るそれらの塩、溶媒和物、あるいはプロドラッグの
有効量を含有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】アルツハイマー病はヒトの脳変性障害であ
る。臨床的には、進行性痴呆として現れる。その組織病
理学は、脳内における神経変性、神経膠症、およびタン
パクの異常沈着を特徴とする。タンパク様沈着物(「ア
ミロイド」と呼ばれる)は、神経原線維のもつれ、アミ
ロイド斑核、および先天性血管障害のアミロイドとして
現れる[検閲には、D.J.Selkoe,Neuron,6:48
7−498(1991)を参照]。
【0002】神経原線維のもつれの化学的性質に関する
一般的同意は得られていないが、アミロイド斑核および
先天性血管障害のアミロイドの主成分は共に、元来、β
−タンパクまたはアミロイドA4と称された4500ダ
ルトンのタンパクであることが分かっている。この文献
では終始、このタンパクをβ−アミロイドペプチドまた
はタンパクと称する。
【0003】β−アミロイドペプチドは、アミロイド前
駆体タンパクである膜内外タンパクからタンパク分解に
より誘導される。様々なスプライシング型のアミロイド
前駆体タンパクは、広く表現された遺伝子によりコード
される[例えば、K.BeyreutherおよびB.Mueller-H
ill,Annual Reviews in Biochemistry,58:28
7−307(1989)を参照]。β−アミロイドペプ
チドは、その最長型で42または43個のアミノ酸残基
からなる[J.Kangら,Nature(London),325:
733−736(1987)]。しかし、これらのペプ
チドは、それらのアミノ末端基に関して様々である
[C.Hilbichら,Journal of MolecularBiology
218:149−163(1991)]。
【0004】老人斑は、異栄養神経突起により常に取り
囲まれているので、β−アミロイドペプチドは、アルツ
ハイマー病で起こるニューロン細胞の欠損に関与するこ
とが早くに提唱された。B.Yanknerおよび同僚らは、
合成β−アミロイドペプチドがインビトロおよびインビ
ボにおいて神経毒となり得ることを最初に実証した者達
であった[B.A.Yanknerら,Science,245:41
7(1989);N.W.Kowallら,Proceedings of t
he National Academy of Sciences,U.S.A.,8
8:7247(1991)もまた参照]。しかし、他の
研究グループは、β−アミロイドペプチドが有する直接
毒性を矛盾なく実証することができなかった[例えば、
Neurobiology of Aging,13:535(K.Kosikお
よびP.Coleman編,1992)を参照]。一般原料か
らβ−アミロイドペプチドを得るグループでさえも、矛
盾する結果を示す[P.Mayら,Neurobiology of Agi
ng,13:605−607(1992)]。
【0005】アルツハイマー病に加え、ダウン症候群も
また、β−アミロイドペプチドの蓄積を特徴とする。ダ
ウン症候群を患っている患者では、β−アミロイドペプ
チドが老人斑および脳血管性沈着物の第一成分である。
【0006】アルツハイマー病、ダウン症候群、および
アミロイド形成ペプチドおよびタンパクが関与するこれ
ら他の病態の作用を減弱するために、有効な処置の必要
性が依然として存在する。本発明は、これら障害の処置
および予防に有効な化合物を提供する。
【0007】本発明は、哺乳類においてβ−アミロイド
ペプチドが関与する生理的障害の処置または予防方法で
あって、該処置を必要とする哺乳類に、空胞性アデノシ
ントリホスファターゼ阻害剤、または製薬的に許容し得
るそれらの塩、溶媒和物、あるいはプロドラッグの有効
量を投与することからなる方法を記載する。
【0008】とりわけ、本発明は、哺乳類においてβ−
アミロイドペプチドが関与する生理的障害の処置または
予防方法であって、該処置を必要とする哺乳類に、式
(I):
【化9】 {式中、Yは
【化10】 [式中、W1は水素またはC2−C6アルカノイルであ
る]であり、Zは
【化11】 [式中、W2は水素、ヒドロキシ、またはC1−C6アル
コキシであり、W3はC1−C6アルキルまたはC2−C8
アルケニルであり、W4はヒドロキシ、C1−C6アルコ
キシ、C2−C6アルカノイルオキシ、
【化12】 (ただし、W5はヒドロキシ、C1−C6アルコキシ、ア
ミノ、
【化13】 であり、W6はヒドロキシまたはC2−C6アルカノイル
オキシであり、W7はヒドロキシまたはC2−C6アルカ
ノイルオキシである)である]であり、R1はヒドロキ
シまたはC2−C6アルカノイルオキシであり、R2はC1
−C6アルキルである}で示される化合物、または製薬
的に許容し得るそれらの塩、溶媒和物、あるいはプロド
ラッグの有効量を投与することからなる方法を記載す
る。
【0009】別の態様において、本発明は、哺乳類にお
いてβ−アミロイドペプチドが関与する生理的障害の処
置または予防方法であって、該処置を必要とする哺乳類
に、式(II):
【化14】 で示される化合物、または製薬的に許容し得るそれらの
塩、溶媒和物、あるいはプロドラッグの有効量を投与す
ることからなる方法を記載する。
【0010】本発明の実施例で使用する用語および略語
は、特に指示がない限り、それらの通常の意味を有す
る。例えば、「℃」は摂氏度を示し、「N」は規定また
は規定度を示し、「mmol」はミリモルを示し、「g」は
グラムを示し、「ml」はミリリットルを意味し、「M」
はモルまたは重量モル濃度を示し、「FDMS」はフィ
ールドディソープション質量分析法を示し、「IR」は
赤外分光法を示し、また「NMR」は核磁気共鳴分光法
を示す。
【0011】本明細書で使用する場合、「C1−C6アル
キル」という用語は、1〜6個の炭素原子を有する1価
の直鎖状または分枝鎖状の飽和脂肪族鎖を示し、これら
に制限されるものではないが、メチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、
ペンチル、イソペンチルおよびヘキシルが包含される。
「C1−C6アルキル」という用語には、その定義範囲内
に「C1−C3アルキル」という用語が包含される。
【0012】本明細書で使用する場合、「C2−C8アル
ケニル」という用語は、2〜8個の炭素原子を有する1
価の直鎖状または分枝鎖状の不飽和脂肪族鎖を表す。典
型的なC2−C6アルケニル基には、エテニル(ビニルと
してもまた知られている)、1−メチルエテニル、1−
メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、1−ヘキセニ
ル、2−メチル−2−プロペニル、1−プロペニル、2
−プロペニル、2−ブテニル、2−ペンテニル等が包含
される。
【0013】「C1−C6アルコキシ」は、酸素原子に結
合した、1〜6個の炭素原子を有する直鎖状または分枝
鎖状のアルキル鎖を表す。典型的なC1−C6アルコキシ
基には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポ
キシ、ブトキシ、t−ブトキシ、ペントキシ等が包含さ
れる。「C1−C6アルコキシ」という用語には、その定
義範囲内に「C1−C3アルコキシ」という用語が包含さ
れる。
【0014】「C2−C6アルカノイル」は、カルボニル
基に結合した、1〜5個の炭素原子を有する直鎖状また
は分枝鎖状のアルキル鎖を表す。典型的なC2−C6アル
カノイル基には、エタノイル、プロパノイル、イソプロ
パノイル、ブタノイル、t−ブタノイル、ペンタノイ
ル、ヘキサノイル、3−メチルペンタノイル等が包含さ
れる。
【0015】「C2−C6アルカノイルオキシ」という用
語は、酸素原子を介して結合した、先に定義したような
2−C6アルカノイル基を示す。この群の特に好ましい
基は、−OC(O)CH3という構造を有するアセトキシ
である。
【0016】本明細書で使用する場合、「阻害する」ま
たは「阻害すること」という用語には、その一般に容認
される意味が包含され、進行、重篤度、または結果とし
て現れる症状を妨害すること、予防すること、拘束する
こと、および緩徐すること、阻止すること、あるいは回
復させることを包含する。このように、本発明の方法
は、治療的投与および予防的投与の両方を包含する。
【0017】「β−アミロイドペプチドが関与する生理
的障害」という用語には、例えば、脳、肝臓、腎臓また
は他の臓器等における、β−アミロイドペプチドの不適
当な、あるいは望ましくない沈着に関係のある病気が包
含され、例えば、アルツハイマー病(家族性アルツハイ
マー病を含む)、ダウン症候群、脳の老化進行、オラン
ダ型アミロイド症に伴う遺伝性脳出血(HCHWA−D)
等が包含される。
【0018】本明細書で使用する場合、「有効量」とい
う用語は、β−アミロイドペプチドが関与する生理的作
用または障害を抑制するのに必要な化合物の量、あるい
はβ−アミロイドペプチドの産生もしくは沈着を阻害す
るのに必要な化合物の量、場合によっては、アルツハイ
マー病を抑制するのに必要な化合物の量を示す。
【0019】本明細書で使用する場合、「保存性変異
体」という用語は、ペプチドの一次配列は変えるが、そ
の二次構造は変えない、またはそのアミロイド形成性を
減弱するアミノ酸置換基を示す。
【0020】「β−アミロイド(1−43)」、「β−ア
ミロイド(25−35)」等という用語は、配列番号1で
定義したような、β−アミロイドペプチドのアミノ酸
1−43またはアミノ酸 25−35を示す。この様に
記載した場合、最初に記載する数は、このペプチド配列
のアミノ末端基である。「β−アミロイド(40−1)」
という用語は、β−アミロイドペプチドのアミノ酸 1
−40に対応するアミノ酸を含むが、アミノ酸 40が
アミノ末端基であるという非天然配向をとるアミノ酸化
合物を示す。この化合物は、負の対照として使用される
ことが多い。
【0021】バフィロマイシン(bafilomycins)は、微生
物であるストレプトマイセス・グリセウス(Streptomyc
es griseus)から慣例的に単離された、16員ラクトン
環を有する一連の独特なマクロライド系抗生物質である
[G.Wernerら,Journal of Antibiotics,37:1
00−117(1984)]。これらの抗生物質は、他
のATPアーゼ阻害を適度に示す、または全く示さな
い、空胞性アデノシントリホスファターゼ(V型 ATP
アーゼ)の特異的阻害剤として有効である[S.Droese
ら,Biochemistry,32:3902−3906(19
93);およびE.J.Bowmanら,Proceedings of the
National Academy of Sciences(USA),85:
7972−7976(1988)]。
【0022】最も広く特徴付けられたバフィロマイシン
は、バフィロマイシンA1と名付けられており、以下の
式を有する。
【化15】 有効な空胞性ATPアーゼ阻害剤である他のバフィロマ
イシン族の構成物は、以下の化合物である。
【化16】 該化合物のバフィロマイシンDは、他のバフィロマイシ
ン、特にバフィロマイシンA1より有意に弱い(〜40
倍)空胞性ATPアーゼ阻害剤である。バフィロマイシ
ンは、容易に入手できる微生物を用いて、周知の方法に
より合成することができる[例えば、米国特許第4,5
58,139号,H−P.Hagenmaierらに対し、198
5年12月10日発行(この米国特許に記載された内容
は本発明の一部をなす);およびE.J.Bowmanら,Pr
oceedings of the National Academyof Sciences
(USA),85:7972−7976(1988)を
参照]。さらに、バフィロマイシンは市販の原料から入
手できる。
【0023】空胞性アデノシントリホスファターゼ阻害
剤として有用な別の一連の抗生物質は、コンカナマイシ
ン(concanamycins)であり、この一連のものは、ヒドロ
キシ基が2−デオキシ−β−D−ラムノースによりグリ
コシル化されている18員ラクトン環および6員ヘミケ
タール環を有する[H.Kinashiら,Journal of Anti
biotics,37:1333−1342(1984)]。
コンカナマイシンは、以下の構造を有する化合物である
コンカナマイシンAを典型とする。
【化17】
【0024】特に好ましい本発明の方法は、式:
【化18】 (以下、A87515Aと呼ぶ)で示される化合物を使
用する[R.Bonjouklianら,第204回 American C
hemical Society National Meeting(1992年8
月23−28日)の要約書]。
【0025】この化合物は、放線菌種(Actinomycetes
sp.)であるA87515 1リットルを培養した後、珪
藻土を通してブロス全体を濾過することにより単離され
た。次いで、菌糸ケークをメタノール 1リットルで抽
出した。メタノール中、LH−20カラム( 内径 2.5
cm × 1m )を用いて、その抽出物(580mg)をクロマ
トグラフィーにより分析した。標準ディスクアッセイを
利用して、ニューロスポラ・クラッサ(Neurospora cra
ssa)に対し抗菌活性を示す画分を合わせて、溶媒を減圧
下に除去した。メタノール:0.2% 酢酸が70:30
(水酸化ナトリウムでpHを4.8に調節した)で始まり、
95:5の割合に終わるグラジエントを利用して、C18
疎水性相互作用カラムを用い、その結果得られる残留物
(176mg)をクロマトグラフィーにより分析した。活性
画分を減圧下に濃縮した後、酢酸エチルで抽出した。溶
媒を減圧下に除去すると、精製されたA87515Aが
17mg得られた。
【0026】別の好ましい本発明の方法は、式:
【化19】 で示される化合物を使用する。16員ジラクトン環を有
するマクロジオライド系抗生物質である化合物は、通
常、エライオフィリン(elaiophyline)またはアザロマイ
シン B(azalomycin B)と呼ばれる。本化合物は、19
59年にストレプトマイセス・ビオラセウスニガー(St
reptomyces violaceusniger)株から初めて単離された
が、その構造は、1981年まで完全には明らかにされ
ていなかった[H.Kaiserら,Helvetica Chimica A
cta,64:407−424(1981)]。その抗蠕
虫活性を増強する本化合物の誘導体は、文献において周
知である[例えば、米国特許第5,011,827号,1
991年4月30日発行を参照]。本化合物を製造する
ために使用する出発原料は既知であり、一般の人々が容
易に入手できる。
【0027】別の態様において、本発明は、式(I)で
示される化合物の製薬的に許容し得る塩を使用する方法
を包含する。本明細書で使用する場合、「製薬的に許容
し得る塩」という用語は、実質的には、生体に対して全
く毒性のない、式(I)で示される化合物の塩を示す。
典型的な製薬的に許容し得る塩には、本発明の化合物を
製薬的に許容し得る有機または無機塩基と反応させるこ
とにより製造する塩が包含される。そのような塩は、塩
基付加塩として知られている。
【0028】塩基付加塩には、アンモニウムまたはアル
カリあるいはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、重
炭酸塩等といったような無機塩基から誘導される塩基付
加塩が包含される。従って、本発明の塩を製造するのに
有用な塩基には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
水酸化アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、
重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、水酸化カルシウ
ム、炭酸カルシウム等が包含される。カリウムおよびナ
トリウム塩の形が特に好ましい。メチルアミン、トリエ
チルアミン等といったような第一級、第二級、および第
三級アルキルアミンを含め、有機塩基もまた使用するこ
とができる。
【0029】塩全体が薬学的に許容し得る限り、また対
イオンが塩全体に望ましくない特性を与えない限り、本
発明の塩の一部を形成する個々の対イオンの種類は重要
ではないということを認識すべきである。
【0030】本発明はまた、式(I)で示される化合物
の製薬的に許容し得るプロドラッグも包含する。血液−
脳関門を通って透過する必要があることから、プロドラ
ッグは、中枢神経系においてアミロイド形成ペプチドが
関与する生理的障害の処置または予防に特に有利であ
る。
【0031】血液−脳関門は、脳の毛細管における内皮
細胞が切れ目のない、きっちりとした細胞間結合により
複合することから生じるので、血液から脳へ物質が移行
するには、細胞の間というよりむしろ、細胞自体を通り
抜けなくてはならない。この関門の存在により、容易に
他の器官に入る異質化合物は、中枢神経系をゆっくりと
しか、またはほとんど全く貫入することはできない。こ
の関門の貫入は、幾つかの方法により起こり得る。脂溶
性物質は、受動態で細胞内に貫入することができ、水、
尿素、および他のそのような小さい分子は、孔を通り抜
けることができ、また特定の分子は、能動輸送およびキ
ャリアー媒介法により、関門を通って移行することがで
きる。
【0032】プロドラッグは、化学的に修飾されている
薬物であり、その作用部位では生物学的に不活性となり
得るが、一つまたはそれ以上の酵素処理あるいはインビ
ボにおける他の処理により分解もしくは修飾されて、元
の生物活性型となり得る薬物である。このプロドラッグ
は、粘膜上皮を介してのより容易な吸収、より良好な塩
形成または溶解性、全身安定性改良(例えば、血漿半減
期の増加)を可能とするといった、元のものとは違う薬
物動態学的概要を有すべきである。典型的なそのような
化学修飾には、 1) エステラーゼまたはアミダーゼにより開裂するこ
とのできるエステルまたはアミド誘導体; 2) 特異的または非特異的プロテアーゼにより認識す
ることのできるペプチド;あるいは 3) プロドラッグ型または修飾されたプロドラッグ型
の膜選択性により、作用部位で蓄積する誘導体 もしくは先の1〜3いずれかの組み合わせが包含され
る。適当なプロドラッグ誘導体の選択および製造に関す
る従来の手順は、例えば、「Design of Prodrugs」
[H.Bundgaard編,1985]に記載されている。
【0033】動物実験における現在の研究から、「軟質
(soft)」第四級塩の製造により、ある薬物の吸収および
透過性を増加できることが分かっている[例えば、D.
Horwell,特許協力条約公開 WO 92/04038,
1992年3月19日公開を参照]。通常の第四級塩、
例えば、R−N+(CH3)3とは異なり、該第四級塩は加
水分解で活性薬物を放出することができるので、「軟
質」第四級塩と称される。
【0034】本発明の好ましい態様は、米国特許第4,
900,837号(この米国特許に記載された内容は本
発明の一部をなす)に記載されているプロドラッグを使
用する。これらのプロドラッグは、通例、適当な有機溶
媒中、ジシクロヘキシルカルボジイミドのような適当な
カップリング剤の存在下に、式(I)で示される化合
物、または適当に保護したそれらの誘導体を塩化イソニ
コチノイル、無水イソニコチン酸、またはイソニコチン
酸と反応させることにより製造し、対応するイソニコチ
ンアミドを得る。次いで、一般的には、適当な有機溶媒
中、そのイソニコチンアミドをヨウ化メチルで処置する
ことにより四級化して、第四級誘導体を得る。次いで、
その第四級誘導体をジチオン酸ナトリウムまたはホウ水
素化ナトリウムで処置することにより還元して、所望の
化合物を得る。
【0035】本発明の他の態様において、イソニコチン
酸またはその酸塩化物あるいは無水物の代わりに、ピコ
リン酸またはその酸塩化物あるいは無水物、またはニコ
チン酸あるいはその酸塩化物もしくは無水物を用い、式
(I)で示される化合物を対応するピコリンアミドおよ
びニコチンアミドに転換して、式(I)の誘導化合物を
製造することができる。
【0036】あるいはまた、式(I)で示される化合物
をニコチン酸、ピコリン酸またはイソニコチン酸の活性
エステル、例えば、
【化20】 のようなスクシンイミジルエステルと反応させ、上記手
順を繰り返して、同一生成物を得ることができる。さら
にまた別の場合、(例えば、ヨウ化メチルで処理するこ
とにより)活性エステル、例えば、上記スクシンイミジ
ルエステルを四級化した後、その四級化活性エステルを
式(I)で示される化合物と反応させることができる。
次いで、このようにして得られた第四級化合物を上記の
ように還元することができる。
【0037】これらのプロドラッグには、それらの親油
性増加により、血液−脳関門をより良好に通ることがで
きるという有利な点がある。脳脊髄液または脳の細胞外
液中へ流入するとすぐに、アミダーゼがイソニコチンア
ミド基を開裂して、式(I)の遊離化合物を放出する。
【0038】本発明の他の態様において、プロドラッグ
を使用することができるが、これは、式(I)で示され
る化合物が、通常、能動輸送、またキャリアー非媒介法
により血液−脳関門を通るタンパクと複合したものであ
る。こういった複合は、標準タンパクカップリング法お
よび試薬を用いて、式(I)で示される化合物上の第一
級アミノまたはヒドロキシ基を反応的に有効なタンパク
上のアミノ、ヒドロキシ、またはチオール基とカップリ
ングすることにより、大変容易に成し遂げることができ
る。
【0039】本発明の方法においてプロドラッグとして
使用することのできる、式(I)で示される化合物の別
の誘導化には、米国特許第5,177,064号[199
3年1月5日発行(この米国特許に記載された内容は本
発明の一部をなす)]のホスホン酸塩基を使用する。こ
れらの誘導体は、特に脳への標的薬物導入に適する。
【0040】本発明のプロドラッグが血液−脳関門を通
り抜ける能力は、当業者に知られている多数の方法によ
り見積もることができる。そのような広く使用されるア
ッセイの一つでは、オクタノールと水とに分配するが、
血液−脳関門を通り抜けるのに十分な疎水性を有する化
合物ほど、よりオクタノールに可溶性である。この関門
の通り抜けを非常に正確に予測する別の方法は、インビ
トロにおいて血液−脳関門モデルを使用するものであ
り、米国特許第5,260,210号[1993年11月
9日発行(この米国特許に記載された内容は本発明の一
部をなす)]に記載されている。このモデルから、個々
のプロドラッグが血液−脳関門を透過する能力の迅速な
評価が得られる。
【0041】β−アミロイドペプチドは、39〜43の
アミノ酸長さである一連のペプチドとして自然に生じ、
より短く、より可溶性の形であるものは脳血管性沈着物
で存在し、またより長い形であるものは主として老人斑
に見い出される[F.Prelliら,Journal of Neuroch
emistry,51:648−651(1988)]。43
のアミノ酸長さペプチドの一次構造。
【0042】たとえ、この形のβ−アミロイドペプチド
が自然界に見い出され得るとしても、種々のアミノ末端
基欠失およびカルボキシ末端基欠失もまた見い出され、
このことから、長さの異なる様々な形のβ−アミロイド
ペプチドの混合物が相当量生じる結果となる。これら種
々の形は、集合的にβ−アミロイドペプチドと呼ばれ
る。
【0043】本明細書では終始、先に記載したペプチド
およびこのペプチドの欠失体をβ−アミロイドペプチド
と呼ぶが、この分野に関する文献の本文において、この
ペプチドは、あるいはまた、β−アミロイドタンパク、
アミロイド−β−ペプチド、アミロイド βA4、β−
タンパク、アミロイド A4、β−ペプチドおよび他の
そのような名称で呼ばれる。
【0044】β−アミロイドペプチド産生阻害(細胞ア
ッセイ) CitronらのNature(London),360:672−6
74(1992)に記載されている方法を用いて、二つ
のセルライン(ヒトの腎臓セルライン 293および中国
ハムスターの卵巣セルライン CHO)を、二重突然変異
Lys651−Met652を含有するAPP−751の遺伝子
でしっかりとトランスフェクトして、一般にスウェーデ
ン突然変異と呼ばれるAsn651−Leu652(APP−75
1 ナンバリング)とした。トランスフェクトしたセルラ
インは、293 751 SWEおよびCHO 751 S
WEと名付けられ、各々、10% ウシ胎児血清を加え
たダルベッコの最少必須培地(DMEM)が入ったコーニ
ング(Corning)の96ウェルのプレートに、1ウェルに
つき2.5×104または1×104細胞の割合で播種し
た。次いで、10% 二酸化炭素(CO2)および増湿空気
(humidified air)で平衡としたインキュベーターに入
れ、37℃で一晩インキュベートし、培地を取り除い
て、1ウェルにつきマクロライド系抗生物質を含有する
培地200μlに取り替えた。あらかじめ2時間処置し
た後、培地を再び取り除き、試験化合物を含有する新し
い培地に取り替えて、細胞をさらに2時間インキュベー
トした。
【0045】処置で使用する最終濃度でジメチルスルホ
キシド濃度が0.5%を越えないように、マクロライド
系抗生物質予製液(Macrolide stocks)をジメチルスル
ホキシド中に調製した。処置した後、プレートを室温下
に1200×gで5分間遠心分離して、調整培地から得
られた細胞片をペレット化した。各々のウェルから、あ
らかじめβ−アミロイドペプチド(13−28)に対する
抗体266で被覆したELISAプレートに、調整培地
100μlを移し[Seubertら,上記]、4℃で一晩保
存した。翌日、(β−アミロイドペプチド(1−16)に
対する)標識抗体6C6を使用するELISAアッセイ
を行って、生成したβ−アミロイドペプチドの量を測定
した。
【0046】HansenらのJournal of Immununologica
l Methods,119:203−210(1989)の方
法を変更することにより、該化合物の細胞障害効果を測
定した。組織培養プレート中に残存する細胞に、3−
(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフ
ェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)予製液(5mg/m
l)25μlを加えて、最終濃度を1mg/mlとした。細胞
を37℃で1時間インキュベートして、MTT溶菌緩衝
液(50% DMF中、20% w/v ドデシル硫酸ナト
リウム,pH 4.7)を同容積加えることにより、細胞活
性を停止させた。室温下に一晩振盪することにより、完
全な抽出がなされた。細胞生存率の指標として、OD
562nmおよびOD650nmの差をUVmaxマイクロプレート
読み取り装置で測定した。
【0047】β−アミロイドペプチド ELISAの結
果を標準曲線に照らし合わせ、β−アミロイドペプチド
(ng/ml)として表した。細胞毒性を標準化するために、
これらβ−アミロイドペプチドの結果をMTTの結果で
割り、薬物を含んでいない対照物から得られた結果のパ
ーセンテージとして表した。
【0048】
【表1】
【0049】293 セルラインの「野生タイプ」型の
タンパクのような、他の型のアミロイド前駆体タンパク
を取り扱う幾つかの実験において、先に記載した空胞性
アデノシントリホスファターゼ阻害剤を添加しても、ス
ウェーデン突然変異でトランスフェクトした293細胞
と同じ効果は得られない。
【0050】この現象をもっと良く理解するために、内
因性アミロイド前駆体タンパクのプロセシングの結果と
してβ−アミロイドペプチドを分泌するヒト胎児初代皮
質培養では、1μM バフィロマイシンで処理した。2
4時間−調整培地を合わせ、酵素結合免疫吸着剤アッセ
イ(ELISA)を利用して評価した。これらの培養にお
いて、75%以上のβ−アミロイドペプチド産生阻害が
見られた。これらのレベルでは、細胞毒性は見られなか
った。
【0051】従って、スウェーデン突然変異型のアミロ
イド前駆体タンパクを発現する293細胞のように、ゲ
ノム野生タイプのアミロイド前駆体タンパクを発現する
ヒト胎児初代培養からのβ−アミロイドペプチド産生
は、空胞性アデノシントリホスファターゼ阻害剤の影響
を受け易いらしい。
【0052】これら空胞性ATPアーゼ阻害剤の動物全
体に対する効果をもっと良く研究するために、上記化合
物の幾つかを1mg/kg/日の割合で腹腔内経路によりイ
ンビボにおいてモルモットに投与した。個々の試験化合
物は、0.25mg/kgの服用量を1時間4回に分けて投
与した。最後4回注射してから1時間後、前述のELI
SAアッセイを利用して、脳脊髄液中のβ−アミロイド
ペプチドの量を測定し、そのような化合物を全く投与し
ていない対照動物と比較した。
【0053】化合物 A87515Aを用いる、ある一
つの実験において、このアッセイを利用すると、β−ア
ミロイドペプチドの量に関して有意な低下が見られた。
【0054】式(I)で示される化合物は、通常、医薬
組成物の形で投与する。これらの化合物は、経口、直
腸、経皮、皮下、静脈内、筋肉内、および鼻腔内を含
め、種々の経路により投与することができる。これらの
化合物は、注射用組成物としても、また経口組成物とし
ても有効である。そのような組成物は、製薬技術におい
て周知の方法で製造され、少なくとも一つの活性化合物
を含む。
【0055】本発明はまた、活性成分として、製薬的に
許容し得る担体に加え、式(I)で示される化合物を含
有する医薬組成物も包含する。本発明の組成物を製造す
る際は、通常、活性成分を賦形剤と混合して、賦形剤に
より希釈するか、またはカプセル、サシェ、紙あるいは
他の容器の形態にすることのできる担体内に充填する。
賦形剤が希釈剤として働く場合、固体、半固体、または
液体の物質であり得、活性成分に対してビヒクル、担体
または媒質として作用する。従って、該組成物は、錠
剤、丸剤、粉末剤、トローチ剤、サシェ剤、カシェ剤、
エリキシル剤、懸濁剤、乳剤、溶液剤、シロップ剤、
(固体としての、または液体媒質中の)エアゾール剤、例
えば、活性化合物を10重量%まで含有する軟膏剤、軟
および硬ゼラチンカプセル剤、坐剤、滅菌注射用溶液
剤、並びに滅菌密封粉末剤の形態にすることができる。
【0056】製剤を製造する際は、他の成分と組み合わ
せる前に、活性化合物を粉砕して適当な粒子径にする必
要があり得る。活性化合物が実質的には不溶性であるな
らば、通常、粒子径が200メッシュ未満となるまで粉
砕する。活性化合物が実質的には水溶性であるならば、
通常、製剤中において実質的には均一な分布が得られる
まで、例えば、約40メッシュとなるまで粉砕すること
により、粒子径を調節する。
【0057】適当な賦形剤の幾つかの例には、ラクトー
ス、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マン
ニトール、デンプン、アラビアゴム、リン酸カルシウ
ム、アルギン酸塩、トラガント、ゼラチン、ケイ酸カル
シウム、微晶質セルロース、ポリビニルピロリドン、セ
ルロース、水、シロップおよびメチルセルロースが包含
される。製剤はさらに以下のものを包含し得る:タル
ク、ステアリン酸マグネシウムおよび鉱油といったよう
な減摩剤;湿潤剤;乳化剤および懸濁剤;メチルおよび
プロピルヒドロキシ安息香酸塩といったような保存剤;
甘味料;および香料。患者に投与した後、活性成分を迅
速に、持続的に、または遅延して放出するよう、当業界
で既知の手順を利用することにより本発明の組成物を製
剤化することができる。
【0058】該組成物は、単位用量形態で製剤化するの
が好ましく、各々の用量は、活性成分を約5〜約100
mg、さらに通常は約10〜約30mg含有する。「単位用
量形態」という用語は、対象となるヒトや他の哺乳動物
に対する単位的用量として適当な、物理的に独立した単
位を示し、各々の単位は、所望の治療効果が得られるよ
う、適当な製薬的賦形剤と共に、あらかじめ決定された
量の活性物質を含有する。
【0059】活性化合物は、広い用量範囲にわたって有
効である。例えば、1日の用量は、通常、約0.05〜
約30mg/kg(体重)の範囲内である。成人を処置する際
は、1回の服用量または分割する服用量において、約
0.1〜約15mg/kg/日の範囲であるのが特に好まし
い。しかし、実際に投与する化合物の量は、処置すべき
病態、選択された投与経路、実際に投与される化合物、
個々の患者の年令、体重および反応、並びに患者の症状
の重篤度を含め、関連事情を考慮した上で、医者により
決定されるであろうことから、上記用量範囲は、本発明
の範囲を何ら制限するものではないということが分かる
であろう。ある場合には、前記範囲の下限より低い用量
レベルが十二分に適していることがある一方、他の場合
には、有害な副作用を何ら起こすことなく、なお一層多
い服用量を使用することがあるが、ただし、そのような
多い用量は、1日かけて投与するために、最初に幾つか
のより少ない服用量に分割しておく。
【0060】錠剤のような固体組成物を製造するには、
主要な活性成分を製薬的賦形剤と混合して、本発明の化
合物の均質混合物を含有する固体予製剤組成物を形成す
る。これらの予製剤組成物を均質と呼ぶ場合、組成物
中、活性成分が均等に分散していることを意味するの
で、組成物を容易に錠剤、丸剤およびカプセル剤といっ
たような同じく有効な単位用量形態に細分割することが
できる。次いで、この固形予製剤は、本発明の活性成分
を0.1〜約500mg含有する上記型の単位用量形態に
細分割する。
【0061】本発明の錠剤または丸剤は、被覆して、ま
たは別の方法で配合して、長期作用という利点を与える
用量形態とする。例えば、錠剤または丸剤は、内用量お
よび外用量成分を含み得るが、後者は前者を覆った膜形
態である。その二成分は、胃において崩壊せず、また内
成分が十二指腸を完全に通過できるよう、または放出を
遅延できるよう働く腸層により分けることができる。多
くのポリマー酸、およびポリマー酸とシェラック、セチ
ルアルコール、および酢酸セルロースのような物質との
混合物を含め、種々の物質をそのような腸層またはコー
ティングに使用することができる。
【0062】本発明の新規組成物を経口で、または注射
により投与するために組み込ませることのできる液体形
態には、水溶液、適当には香料添加シロップ(flavored
syrups)、水性または油性懸濁液、および綿実油、ゴマ
油、ヤシ油、または落花生油といったような食用油との
香料添加乳剤(flavored emulsions)、さらにはエリキシ
ル剤および同様な製薬的ビヒクルが包含される。
【0063】吸入薬または吸入剤のための組成物には、
製薬的に許容し得る、水性または有機溶媒、あるいはそ
れらの混合物中の溶液および懸濁剤、および粉末剤が包
含される。液体または固体組成物は、先に記載したよう
な製薬的に許容し得る適当な賦形剤を含有し得る。好ま
しくは、局所または全身効果のため、該組成物を経口、
または鼻腔呼吸経路により投与する。好ましくは製薬的
に許容し得る溶媒中の組成物は、不活性ガスの使用によ
り噴霧化することができる。噴霧化溶液は、噴霧化装置
から直接吸入することができるか、または噴霧化装置に
フェイスマスク、テント、あるいは間欠的陽圧呼吸機を
取り付けることができる。溶液、懸濁液、または粉末組
成物は、適当な方法で製剤を導出する装置から、好まし
くは経口で、または経鼻で投与することができる。
【0064】これらの化合物はまた、脂質乳剤またはリ
ポソーム製剤の形態で投与することもできる。リポソー
ム薬物誘導系において、リポソーム形成の間、薬物を罠
にかけた後、処置すべき患者に投与する。その薬物は、
水または無極性溶媒に可溶性であり得る。
【0065】通例、そのようなリポソームは、水性相中
に導入される「乾燥(dry)」脂質で開始する、種々の方
法により形成することができる。一度脂質が水和される
と、リポソームが自発的に形成される。リポソーム中の
ラメラ数を調節して、限定された粒子径とする方法が開
発されている。リポソームまたは脂質乳剤を使用する医
薬品製剤は、多様な刊行物に記載されている[例えば、
米国特許第4,053,585号、同第4,261,975
号、同第4,522,803号、同第4,588,578
号、同第5,316,771号、同第4,752,425
号、同第5,270,053号、同第5,171,755
号、同第5,234,634号、同第3,993,754
号、および同第4,145,410号を参照]。
【0066】他の方法は、米国特許第5,277,914
号[1994年1月11日発行(この米国特許に記載さ
れた内容は本発明の一部をなす)]に教示されている。
そのような製剤においては、所望により脂質−可溶化量
の低級アルカノールを含有する、ジメチルスルホキシド
のような非プロトン性溶媒にリポソーム形成脂質製剤を
溶解した後、意図する薬物と混合する。次いで、適当な
大きさの開口部を通して、その結果得られる溶液を、撹
拌した、または混合した適当なイオン強度の水溶液およ
び薬物組成物に注入する。
【0067】リポソーム(リン脂質ビヒクル)は、それら
の大きさ、組成物、および電荷により、広範囲にわたる
種々の特色を示す。例えば、不飽和脂質を少ないパーセ
ンテージで有するリポソームは、少しばかり多く透過性
であるという傾向を示す一方、コレステロールまたは他
のステロールを組み込ませたリポソームは、より硬質で
透過性が少ないという傾向を示す。リポソームは、その
親水性基により、電荷が陽性、陰性、または中性であり
得る。例えば、塩素を含む脂質には陽性の電荷が与えら
れ、ホスフェートおよびスルフェートを含む脂質には陰
性の電荷が与えられ、またグリセロールを含む脂質およ
びステロールは、通例、中性である。
【0068】本発明の医薬組成物を以下の実施例で説明
する。
【0069】製 剤 例 1 以下の成分を含有する硬ゼラチンカプセル剤を製造す
る。 成 分 量(mg/カプセル剤) 活性成分 30.0 デンプン 305.0 ステアリン酸マグネシウム 5.0
【0070】上記成分を混合して、硬ゼラチンカプセル
に340mg量を充填する。
【0071】製 剤 例 2 以下の成分を用いて、錠剤を製造する。 成 分 量(mg/錠剤) 活性成分 25.0 セルロース,微晶質 200.0 コロイド二酸化ケイ素 10.0 ステアリン酸 5.0
【0072】各成分を混合し、圧縮して、各々の重量が
240mgである錠剤を成形する。
【0073】製 剤 例 3 以下の成分を含有する乾燥粉末吸入剤を製造する。 成 分 重 量 % 活性成分 5 ラクトース 95
【0074】活性混合物をラクトースと混合し、その混
合物を乾燥粉末吸入器に入れた。
【0075】製 剤 例 4 活性成分を各々30mg含有する錠剤を以下のようにして
製造する。 成 分 量(mg/錠剤) 活性成分 30.0mg デンプン 45.0mg 微晶質セルロース 35.0mg ポリビニルピロリドン(10%水溶液として) 4.0mg カルボキシメチルセルロースナトリウム 4.5mg ステアリン酸マグネシウム 0.5mg タルク 1.0mg 合 計 120 mg
【0076】活性成分、デンプンおよびセルロースを米
国No.20メッシュの篩にかけて、完全に混合する。そ
の結果得られた粉末とポリビニルピロリドン溶液とを混
合した後、これを米国No.16メッシュの篩にかける。
このようにして製造した顆粒を50〜60℃で乾燥し、
米国No.16メッシュの篩にかける。次いで、あらかじ
め米国No.30メッシュの篩にかけておいたカルボキシ
メチルセルロースナトリウム、ステアリン酸マグネシウ
ム、およびタルクを顆粒に加え、混合した後、これを打
錠機で圧縮して、各々の重量が150mgの錠剤を得る。
【0077】製 剤 例 5 薬物を各々40mg含有するカプセル剤を以下のようにし
て製造する。 成 分 量(mg/カプセル剤) 活性成分 40.0mg デンプン 109.0mg ステアリン酸マグネシウム 1.0mg 合 計 150.0mg
【0078】活性成分、セルロース、デンプンおよびス
テアリン酸マグネシウムを混合し、米国No.20メッシ
ュの篩にかけて、硬ゼラチンカプセルに150mg量を充
填する。
【0079】実 施 例 6 活性成分を各々25mg含有する坐薬を以下のようにして
製造する。成 分 活性成分 25mg 飽和脂肪酸グリセリドを加えて2,000mgとする。
【0080】活性成分を米国No.60メッシュの篩にか
け、必要最小限の熱を用い、あらかじめ溶融しておいた
飽和脂肪酸グリセリドに懸濁させる。次いで、その混合
物を容量2.0gの坐薬型に注入して放冷する。
【0081】製 剤 例 7 5.0ml用量につき、薬物を各々50mg含有する懸濁液
剤を以下のようにして製造する。 成 分 活性成分 50.0 mg キサンテンゴム 4.0 mg カルボキシメチルセルロースナトリウム(11%) 微晶質セルロース(89%) 50.0 mg スクロース 1.75g 安息香酸ナトリウム 10.0mg 香料および着色料 適量 精製水を加えて5.0mlとする
【0082】薬物、スクロースおよびキサンテンゴムを
混合して、米国No.10メッシュの篩にかけた後、あら
かじめ製造しておいた、微晶質セルロースおよびカルボ
キシメチルセルロースナトリウムの水溶液と混合する。
安息香酸ナトリウム、香料および着色料を少量の水で希
釈して、撹拌しながら加える。次いで、十分に水を加
え、所望の容量とする。
【0083】製 剤 例 8 薬物を各々15mg含有するカプセル剤を以下のようにし
て製造する。 成 分 量(mg/カプセル剤) 活性成分 15.0mg デンプン 407.0mg ステアリン酸マグネシウム 3.0mg 合 計 425.0mg
【0084】活性成分、セルロース、デンプンおよびス
テアリン酸マグネシウムを混合し、米国No.20メッシ
ュの篩にかけて、硬ゼラチンカプセルに560mg量を充
填する。
【0085】製 剤 例 9 静脈注射用製剤は以下のようにして製造することができ
る。 成 分 活性成分 250.0mg 等張食塩水 1000 ml
【0086】製 剤 例 10 局所製剤は以下のようにして製造することができる。 成 分 活性成分 1〜10g 乳化ワックス 30g 液体パラフィン 20g 白色ソフトパラフィンを加えて100gとする。
【0087】白色ソフトパラフィンが溶融するまで加熱
する。その液体パラフィンと乳化ワックスとを組み合わ
せて、溶解するまで撹拌する。活性成分を添加して、分
散するまで撹拌し続ける。次いで、その混合物が固体と
なるまで冷却する。
【0088】製 剤 例 11 活性成分を各々約10mg含有する舌下錠またはバッカル
錠は以下のようにして製造することができる。 成 分 一錠中の量 活性成分 10.0mg グリセロール 210.5mg 水 143.0mg クエン酸ナトリウム 4.5mg ポリビニルアルコール 26.5mg ポリビニルピロリドン 15.5mg 合 計 410.0mg
【0089】連続的に撹拌して、温度を約90℃で維持
することにより、グリセロール、水、クエン酸ナトリウ
ム、ポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドン
を一緒に混合する。ポリマーが溶液となったら、その溶
液を約50〜55℃まで冷却して、薬物をゆっくりと混
合する。その均質な混合物を不活性材料で作られた型に
流し込んで、厚さ約2〜4mmの薬物含有拡散マトリック
スとする。次いで、この拡散マトリックスを切断して、
各々適当な大きさの錠剤を成形する。
【0090】本発明の方法で使用する別の好ましい製剤
は、経皮吸収形態(「パッチ」)を利用する。そのような
経皮パッチは、調節された量の本発明の化合物が連続的
に、または不連続的に浸出されるよう使用することがで
きる。薬剤導入のための経皮パッチの構成と使用法は、
当業界において周知である[米国特許第5,023,25
2号,1991年6月11日発行(この米国特許に記載
された内容は本発明の一部をなす)を参照]。そのよう
なパッチは、薬剤が連続的に、一定に、または要求あり
次第吸収されるよう構成することができる。
【0091】医薬組成物を脳へ直接、または間接的に取
り入れることが望ましく、または必要であることが多
い。直接法では、通常、血液−脳関門を迂回させるため
に、薬物導入カテーテルを患者の脳室系へ配置する必要
がある。身体の特異的解剖部位へ生理学的因子を輸送す
るのに利用される、そのような移植可能な導入系の一つ
は、米国特許第5,011,472号[1991年4月3
0日発行(この米国特許に記載された内容は本発明の一
部をなす)]に記載されている。
【0092】一般に好ましいとされる間接法では、通
常、親水性薬物を脂溶性薬物またはプロドラッグへと転
換することにより薬物潜在性が得られるよう、組成物を
製剤化する必要がある。潜在性は、通例、薬物上に存在
するヒドロキシ、カルボニル、スルフェート、および第
一級アミン基を遮断し、薬物をより脂溶性として、血液
−脳関門を介して輸送しやすいようにすることにより得
られる。あるいはまた、血液−脳関門を一時的に開放す
ることのできる高張溶液の動脈内潅流により、親水性薬
物の導入を高めることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07H 17/04 (71)出願人 594032791 アテナ・ニュウロサイエンスィズ・インコ ーポレイテッド ATHENA NEUROSCIENCE S,INC. アメリカ合衆国94080カリフォルニア州サ ウス・サンフランシスコ、ゲートウェイ・ ブールバード800エフ番 (72)発明者 イェルン・エリザベート−ヨーゼフ・クノ ップス アメリカ合衆国94107カリフォルニア州サ ン・フランシスコ、ウィスコンシン・スト リート554番 (72)発明者 スティーブン・ワイアット・クイーナー アメリカ合衆国46208インディアナ州イン ディアナポリス、メルボルン・ロード・イ ースト・ドライブ4270番 (72)発明者 スカント・シンハ アメリカ合衆国94127カリフォルニア州サ ン・フランシスコ、ジュニペロ・セラ・ド ライブ808番

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 β−アミロイドペプチドが関与する生理
    的障害を処置する、または予防するための製剤であっ
    て、空胞性アデノシントリホスファターゼ阻害剤として
    の活性を有する化合物を使用する製剤。
  2. 【請求項2】 式: 【化1】 {式中、 Yは 【化2】 [式中、W1は水素またはC2−C6アルカノイルであ
    る]であり、 Zは 【化3】 [式中、 W2は水素、ヒドロキシ、またはC1−C6アルコキシで
    あり、 W3はC1−C6アルキルまたはC2−C8アルケニルであ
    り、 W4はヒドロキシ、C1−C6アルコキシ、C2−C6アル
    カノイルオキシ、 【化4】 (ただし、W5はヒドロキシ、C1−C6アルコキシ、ア
    ミノ、 【化5】 であり、 W6はヒドロキシまたはC2−C6アルカノイルオキシで
    あり、 W7はヒドロキシまたはC2−C6アルカノイルオキシで
    ある)である]であり、 R1はヒドロキシまたはC2−C6アルカノイルオキシで
    あり、 R2はC1−C6アルキルである}で示される化合物、ま
    たは製薬的に許容し得るそれらの塩、溶媒和物、あるい
    はプロドラッグを使用する、請求項1に記載の製剤。
  3. 【請求項3】 β−アミロイドペプチドが関与する生理
    的障害を処置する、または予防するための製剤であっ
    て、式: 【化6】 【化7】 【化8】 から選択される化合物、または製薬的に許容し得るそれ
    らの塩、溶媒和物、あるいはプロドラッグを使用する製
    剤。
JP7163556A 1994-06-30 1995-06-29 β−アミロイドペプチドが関与する生理的障害を処置するための製剤 Withdrawn JPH08183733A (ja)

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