JPH08187799A - スチールワイヤおよびゴム複合体 - Google Patents

スチールワイヤおよびゴム複合体

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JPH08187799A
JPH08187799A JP7002165A JP216595A JPH08187799A JP H08187799 A JPH08187799 A JP H08187799A JP 7002165 A JP7002165 A JP 7002165A JP 216595 A JP216595 A JP 216595A JP H08187799 A JPH08187799 A JP H08187799A
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JP
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steel wire
thiol derivative
plating
wire
rubber
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JP7002165A
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Shunji Hachisuga
俊次 蜂須賀
Hiroshi Kazama
博 風間
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Tokyo Seiko Co Ltd
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Tokyo Seiko Co Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y30/00Nanotechnology for materials or surface science, e.g. nanocomposites

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
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  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高生産性・低コストで生産できるNiめっき
スチールワイヤおよびこのようなスチールワイヤまたは
これを撚り合わせたスチールコードを用いて耐水性、耐
スチーム性、耐熱性に著しく優れたゴム複合体を提供す
る。 【構成】 Niめっきされた1.0〜4.0mm径の原
料スチールワイヤから伸線加工された、0.1〜4.0
g/kgの付着量のNiめっき層を有する0.1〜1.
0mm径のスチールワイヤと、その表面に形成されたス
チールワイヤ重量に対して0.001〜0.1wt%の
S含有量を有するトリアジンチオール誘導体の皮膜とを
有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はタイヤ、高圧ホースなど
に用いられるスチールワイヤ、その製造方法およびスチ
ールワイヤとゴムコンパウンドとを加熱接着させたゴム
複合体に関する。
【0002】
【従来の技術】タイヤや高圧ホースなどにゴム補強材と
して用いられるスチールワイヤまたはこれを撚り合わせ
たスチールコードに関しては、ゴムとの接着性およびス
チールワイヤやコード自体の耐食性が最終製品であるタ
イヤや高圧ホースの耐久性に著しい影響を与える。
【0003】スチールコードとゴムとの接着性を高める
ために、現状ではスチールコードの表面に黄銅(ブラ
ス)めっきを施している。しかし、黄銅はCuとZnと
の合金であり、表面傷などによりスチールコードの鉄地
が露出すると、めっき−鉄地間に局部電池が形成され、
鉄は黄銅よりも自然電位が低くアノードとして作用する
ため溶出して腐食が促進される。通常のスチールワイヤ
やコードの黄銅めっきは数十〜数百nmと非常に薄いこ
とから、製造工程中または製品として使用中に表面傷が
発生しやすく鉄地が容易に露出する。したがって、表面
傷が発生したときには微小であったとしても、ゴム複合
製品として使用中に外界からの水などの侵入により徐々
に拡大し、ワイヤやコードの破損ひいては製品の耐久性
に著しい悪影響を与える。
【0004】また、黄銅めっき自体も空気中に放置され
ると脱亜鉛現象による劣化が生じ、ゴムとの一次接着性
の不良を招きやすい。そこで、現状では表面酸化を防止
するために、スチールワイヤやコードはポリエチレン袋
に入れて脱水剤を共存させ、窒素を封入した状態で出荷
・保存されている。このような過剰包装は、スチールワ
イヤ・コードのコスト高の原因となっている。
【0005】このほかにも、Cu含有量が80%未満の
組成を有する黄銅は、塩基性雰囲気中で応力腐食割れが
生じやすいことが知られている。ところが、通常スチー
ルワイヤ・コードの黄銅めっきには、ゴムとの接着性を
考慮してCu60〜70%の範囲の組成のものが用いら
れる。一方、ゴム中に配合される加硫促進剤には加硫中
に分解してアミンを放出するものがある。そして、製品
として使用している際に外界から水分が侵入すると、ア
ミンが水分とともにゴム中を拡散する。こうしてアミン
がスチールワイヤのめっき表面に到達すると、めっき内
部で割れが生じ、ワイヤとゴムとの接着性を劣化させ、
製品の耐久性に著しい悪影響を与える場合がある。
【0006】このような事情から、これまでスチールワ
イヤの表面処理などの種々の検討がなされてきたが、前
述した問題をすべて解決するには至っていない。例えば
黄銅めっきの短所を補うために、種々の金属の単体めっ
き、2元めっき、3元めっき、4元めっきなどへのめっ
き変更による改良が検討されてきたが、接着の安定性、
耐食性、潤滑接着性などの特性を十分に満足するには至
っていない。
【0007】一般的な金属製品のめっき材料に関して
は、黄銅に代わりうる金属の1つとしてNiが考えられ
る。Niは、その表面に緻密な酸化被膜が形成され不動
態化して安定となり、しかも鉄との自然電位差が小さく
腐食促進効果が小さいため、防錆その他の目的で鉄およ
びさまざまな金属製品のめっきに用いられている。しか
し、ゴム複合体への適用を考えた場合、黄銅めっきはゴ
ムコンパウンドと直接架橋・接着できるのに対し、Ni
めっきはゴムコンパウンドと直接架橋・接着しないこと
から接着剤を用いた間接接着が実施されている。このよ
うな間接接着では、接着剤の溶剤使用による環境問題、
長尺製品への適用による作業性低下・コスト高といった
問題を生じるため、スチールコードのような長尺製品を
使用するゴム複合体の分野においては黄銅めっきに代え
てNiめっきを用いるまでには至っていない。
【0008】最近の研究によれば、無電解Niめっきし
た鋼板にトリアジンチオール誘導体を用いて表面処理を
施し、さらにゴムコンパウンド中にもトリアジンチオー
ル誘導体を混練することにより、Niめっき鋼板とゴム
とを良好かつ安定に接着できることが明らかとなった。
しかし、ゴム−Ni接着界面に良好な接着性を得るのに
十分なトリアジンチオール誘導体の量を存在させるため
に、Niめっき鋼板に表面処理を施すだけでなくゴムコ
ンパウンド中に1〜2wt%というトリアジンチオール
誘導体を混練しているためコスト高を招くとともに、ゴ
ム自体の特性を変えてしまうという問題があった。
【0009】また、スチールワイヤの製造工程中の最終
伸線工程における加工能の観点からも、黄銅めっきをN
iめっきに変更するには問題がある。黄銅めっきスチー
ルワイヤの製造工程では、1〜4mm径の原料スチール
ワイヤに4〜8g/kg程度の比較的高い付着量で黄銅
めっきした後、湿式潤滑剤を収容してダイスを取り付け
た湿式型伸線機で500〜2000m/分の高速度で通
過させ、最終線径の0.1〜1mm径まで伸線する。こ
れは、最終線径でめっきを実施した場合、めっき工程に
長時間を要し、生産性が著しく低下するためである。ま
た、めっきからの鉄地露出部を極力減らすために、4〜
8g/kg程度の比較的高い付着量でめっきを施してい
るが、黄銅めっきは延性が高くダイスとの接触部での摩
擦抵抗を和らげる働きを有するため、前記のような高付
着量でも高速で伸線することが可能である。一方、Ni
は黄銅に比べて延性が低く、黄銅めっきのような高速伸
線を実施した場合、めっきの割れや最悪の場合には断線
が多発するため、品質の低下につながる。このため、N
iめっきスチールワイヤでは低速での伸線しか実現でき
ておらず、生産性が悪いという問題があり、実用化は困
難であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高生
産性・低コストで生産できるNiめっきスチールワイヤ
を提供するとともに、このようなスチールワイヤまたは
これを撚り合わせたスチールコードを用いて耐水性、耐
スチーム性、耐熱性に著しく優れたゴム複合体を提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段と作用】本発明のスチール
ワイヤは、Niめっきされた1.0〜4.0mm径の原
料スチールワイヤから伸線加工された、0.1〜4.0
g/kgの付着量のNiめっき層を有する0.1〜1.
0mm径のスチールワイヤと、その表面に形成されたス
チールワイヤ重量に対して0.001〜0.1wt%の
S含有量を有するトリアジンチオール誘導体の皮膜とを
具備したことを特徴とするものである。前記トリアジン
チオール誘導体の皮膜は、下記一般式
【0012】
【化3】 (式中、Rは−SH、−NHR’、または−N(R’)
2 ;R’はアルキル基、アルケニル基、フェニル基、フ
ェニルアルキル基、アルキルフェニル基、またはシクロ
アルキル基;MはH、Na、Li、K、第一級アミン、
第二級アミン、または第三級アミン)で表されるトリア
ジンチオール誘導体自体または下記一般式
【0013】
【化4】 で表されるその重合体からなる。
【0014】本発明のゴム複合体は、前記スチールワイ
ヤまたはこれを撚り合わせたスチールコードと、ゴムに
対して硫黄、酸化亜鉛、加硫促進剤を添加したゴムコン
パウンドとを加熱接着してなることを特徴とするもので
ある。なお、ゴムに対する添加剤としては上記のほかに
Co塩、メチロールメラミン、レゾルシンなどを用いて
もよい。
【0015】本発明において、スチールワイヤへのNi
めっきの付着量を0.1〜4.0g/kgとしたのは以
下のような理由による。なお、本発明では生産性を考慮
して、従来の黄銅めっきスチールワイヤの伸線速度と同
等の500〜2000m/分でNiめっきスチールワイ
ヤを高速伸線することを前提としている。この場合、N
iめっきは黄銅めっきほどの潤滑効果はないが、スチー
ルワイヤをそのまま伸線するよりはNiめっきを施した
ものの方が良好な伸線性を示す。ただし、Niめっきの
付着量が0.1g/kg未満では十分な潤滑性能が得ら
れず、伸線中に断線が多発する。また、伸線中のめっき
はがれにより伸線後のNiめっきの付着量およびNiめ
っきによるワイヤ表面の被覆率が低下し、鉄地露出部が
増加するため耐食性が低下する。一方、4.0g/kg
を超えると、Niの延性が低いため高速伸線に耐えきれ
ずワイヤの断線が多発する。
【0016】本発明において、スチールワイヤ重量に対
するトリアジンチオール誘導体の皮膜中のS(硫黄)の
含有量を0.001〜0.1wt%としたのは、0.0
01wt%未満または0.1wt%を超える場合には、
ゴムとの接着性が不十分になるためである。0.1wt
%を超える場合にゴムとの接着性が不十分になる原因は
明確になっているわけではないが、めっきとの過剰な反
応が起きているか、または表面に形成されるトリアジン
チオール誘導体の皮膜が厚すぎて引き抜き力を測定する
際に皮膜が内部で破断するためであると考えられる。
【0017】Niめっきスチールワイヤの表面にトリア
ジンチオール誘導体の皮膜を形成するための処理方法と
しては、(1)トリアジンチオール誘導体の溶液に伸線
後のNiめっきスチールワイヤを浸漬する方法、(2)
伸線機にトリアジンチオール誘導体を配合した潤滑剤を
収容し、ワイヤがダイスを通過する際に発生する加工熱
とエキソ電子によりワイヤ表面にトリアジンチオール誘
導体の重合皮膜を形成する方法、(3)トリアジンチオ
ール誘導体を含有する溶液中で、ワイヤと対向電極との
間に電圧を印加し、ワイヤ表面にトリアジンチオール誘
導体の電解重合皮膜を形成する方法、などが挙げられ
る。いずれの方法でも、浸漬液、潤滑剤または電解液中
のトリアジンチオール誘導体の量、処理時間、電解重合
する際の電流密度などを制御することにより、めっき表
面へのトリアジンチオール誘導体またはその重合体の付
着量を制御できる。以下、上記(1)〜(3)の方法に
ついてより詳細に説明する。
【0018】(1)トリアジンチオール誘導体の溶液に
伸線後のNiめっきスチールワイヤまたはそれを撚った
コードを浸漬する方法 この方法では、めっき表面へのトリアジンチオール誘導
体またはその重合体の付着量、反応量を浸漬浴のトリア
ジンチオール誘導体の濃度、温度または浸漬時間により
制御する。生産性は処理時間(浸漬時間)が短いほど有
利であるため、処理温度が高く、トリアジンチオール誘
導体の濃度が高い方がよいが、めっき表面に過剰なNi
−トリアジンチオール誘導体反応物が生成すると、かえ
って接着性が劣化するため、処理温度、浴中のトリアジ
ンチオール誘導体濃度には最適な組み合わせが存在す
る。ここでの処理は、トリアジンチオール誘導体の浴濃
度が0.001〜5.0wt%、さらに0.001〜
2.0wt%であることが好ましく、処理温度は0〜9
9℃、さらに45〜90℃であることが好ましい。
【0019】(2)伸線機にトリアジンチオール誘導体
を配合した潤滑剤を収容し、ワイヤがダイスを通過する
際に発生する加工熱とエキソ電子によりワイヤ表面にト
リアジンチオール誘導体の重合皮膜を形成する方法 ここで使用する潤滑剤はいわゆるエマルジョンタイプで
ある。この潤滑剤は溶媒中に前述したトリアジンチオー
ル誘導体、極圧防止剤、油性剤、乳化剤、発泡抑制剤な
どを分散させた乳濁液からなっている。溶媒としては中
性もしくはアルカリ性の水またはグリコール(例えばエ
チレングリコール誘導体、ポリエチレングリコールもし
くはジグライム)が用いられる。なお、前記成分の他に
も、例えば防錆剤や防腐・防微生物剤を含有させてもよ
い。この潤滑剤は処理時にそのまま使用するかまたは2
0倍以内好ましくは5〜10倍に希釈して使用する。こ
の方法では、Niめっきへのトリアジンチオール誘導体
の付着量、反応量は潤滑液中のトリアジンチオール誘導
体の量により制御する。潤滑剤(未希釈)中のトリアジ
ンチオール誘導体含有量は通常0.001〜20重量
%、さらに0.01〜5重量%であることが好ましい。 (3)トリアジンチオール誘導体を含有する溶液中で、
ワイヤと対向電極との間に電圧を印加し、ワイヤ表面に
トリアジンチオール誘導体の電解重合皮膜を形成する方
法 この方法では、Niめっきへのトリアジンチオール誘導
体の付着量、反応量は電解液中のトリアジンチオール誘
導体濃度、電解液温度、電解重合時間(ライン速度)、
電流密度、電位によって制御する。ここで、電解重合時
間(重合時間=電解槽長さ(m)/ライン速度(m/m
in))が短いほど、設備がコンパクトになり生産性も
よいため、電解重合時間は10(sec)〜10(mi
n)、好ましくは10(sec)〜3(min)に設定
され、電解液温度は0〜80℃、トリアジンチオール誘
導体濃度は通常0.001〜10重量%、好ましくは
0.05〜2重量%に設定される。また、処理時の電解
重合時間、電解液濃度、温度によって電流密度は0.1
〜60(mA/cm2 )、電位は0〜1.5(V)の間
で調整する。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。1.68
mm径の原料スチールワイヤに0.05〜6.0g/k
gの付着量でNiめっきを施した。これらのスチールワ
イヤを潤滑剤中において線速500m/minで湿式伸
線して最終線径である0.30mmまで伸線した。表1
に伸線性を調べた結果を示す。この表において、○は断
線なし、×は断線が多発したものである。表1から明ら
かなように、Niめっきの付着量が0.1g/kg未満
または4.0g/kgを超えた場合には断線が多発し、
伸線性が不良である。
【0021】次に、前記のようにして得られたスチール
ワイヤから所定長さの試料を切り出し、100mlの
0.1wt%NaCl溶液(液温25℃)中に30分間
浸漬し、溶液中に溶出した鉄の量を原子吸光分析装置に
より定量した。なお、1.68mm径の原料スチールワ
イヤに4.0g/kgの付着量で黄銅めっきを施した
後、湿式潤滑剤中において線速500m/minで湿式
伸線して最終線径である0.30mmまで伸線した黄銅
めっきスチールワイヤから切り出したものを参照例とし
て用いた。得られた鉄の溶出量の値を、参照例の値を1
00%として規格化し、腐食性指数を求めた結果を表2
に示す。この腐食性指数が小さいほど、耐食性が良好で
ある。表2から明らかなように、Niめっきスチールワ
イヤは黄銅めっきスチールワイヤよりも耐食性が良好で
ある。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】次に、得られたスチールワイヤを6−R−
1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール・モノナ
トリウム(FN)、6−アニリノ−1,3,5−トリア
ジン−2,4−ジチオール・モノナトリウム(AN)、
6−ジブチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4
−ジチオール・モノナトリウム(DBN)の溶液に浸漬
して、ワイヤの表面にトリアジンチオール誘導体の皮膜
を形成する処理を施した。この際、溶液温度を一定に
し、トリアジンチオール誘導体の濃度および浸漬時間を
変化させて、硫黄(S)の含有量が異なる皮膜を形成し
た。ここで、S含有量は{(皮膜中のS重量)/(スチ
ールワイヤの重量)}×100(%)で表される。これ
らのワイヤを用いてそれぞれ1×2の構成で撚り合わせ
てスチールコードを作製した。
【0025】さらに得られたスチールコードから所定長
さの試料を切りだし、ゴムコンパウンドとともに加熱・
接着してゴム複合体を作製した。用いたゴムコンパウン
ドの組成は、NR:100重量部、HAFブラック:5
0重量部、ステアリン酸:1重量部、ZnO:5重量
部、硫黄:2重量部、加硫剤(DM):1.5重量部、
加硫促進剤(TS):0.5重量部であった。これらの
試料をゴムから引き抜いた時の引抜き力を測定し、参照
例の値を100%として規格化して引抜き力指数(一次
接着性)を求めた結果を表3に示す。表3から明らかな
ように、S含有量が0.001wt%未満または0.1
wt%を超える場合には、ゴムとの接着性が不十分であ
る。また、トリアジンチオール誘導体の種類にかかわら
ず、Niめっきの付着量が0.5〜4.0g/kgの範
囲でかつ皮膜を構成するS(硫黄)の含有量が0.00
1〜0.1wt%の範囲では、従来のようにゴムコンパ
ウンド中にトリアジンチオール誘導体を配合しなくて
も、黄銅めっきスチールワイヤの同程度の一次接着性が
得られる。この理由は現象的には以下のような理由によ
ると推測される。Niメッキしたままの状態ではめっき
内部に歪みが存在しないのに対し、めっき後に冷間で伸
線を施すとめっき内部に歪みが生じる。この歪みエネル
ギーがNiとトリアジンチオール誘導体との反応に要す
る活性がエネルギーの一部として供給され、Ni表面に
効率よくトリアジンチオール誘導体の皮膜が形成される
ため、ゴムと十分に接着する。
【0026】
【表3】
【0027】上記表3のうち、Niめっき付着量が1.
0g/kg、皮膜中のS含有量が0.01wt%のもの
を、それぞれ(1)浸漬法、(2)伸線法、または
(3)電着法により作製し、前記と同様にゴムコンパウ
ンドとともに加熱・接着してゴム複合体を作製し引き抜
き試験を実施した。用いたゴムコンパウンドは前記と同
一の組成を有するものである。表4に処理法による接着
性の違いを示す。表4から明らかなように、処理法およ
びトリアジンチオール誘導体の種類にかかわらず、いず
れの試料も良好な接着性を示した。
【0028】また、上記表3のうち、Niめっき付着量
が1.0g/kg、皮膜中のS含有量が0.01wt%
のものを作製した。一方、ゴムコンパウンドとして、N
R:100重量部、HAF:50重量部、ステアリン
酸:1重量部、ZnO:5重量部を基本配合成分とし、
硫黄の配合量並びに加硫剤および加硫促進剤の種類およ
び配合量を変化させたものを用いた。前記と同様に両者
を加熱・接着してゴム複合体を作製し引き抜き試験を実
施した。表5にゴムコンパウンドの種類による接着性の
違いを示す。表5から明らかなように、ゴムコンパウン
ドの種類およびトリアジンチオール誘導体の種類にかか
わらず、いずれの試料も良好な接着性を示した。
【0029】次いで、表3のうちS含有量が0.001
wt%であるスチールコード試料(1×2構成)につい
て、130℃、相対湿度95%の条件でプレッシャー・
クッカー・エージング(PCA)を行い、前記と同様に
試料をゴムから引き抜いた時の引抜き力を測定し、参照
例の値を100%として規格化し、引抜き力指数(二次
接着性)を求めた結果を表6に示す。表6から明らかな
ように、本発明に係るスチールコードは、参照例のもの
と比較して、PCAを行った場合の経時的な引抜き力指
数の低下の度合が小さく、二次接着性に優れていること
がわかる。
【0030】さらに、前記と同様にS含有量が0.00
1wt%であるスチールコード試料(1×2構成)につ
いて、130℃、相対湿度95%の条件でPCAを行っ
た後、3ロール疲労試験を行い、参照例の値を100%
として規格化して疲労性指数(二次接着性)を求めた結
果を表7に示す。なお、3ロール疲労試験の条件は、ロ
ール径:38mm、荷重:RBS×10%とした。表7
から明らかなように、本発明に係るスチールコードは、
参照例のものと比較して、PCAを行った場合の経時的
な疲労性指数の低下の度合が小さく、二次接着性に優れ
ていることがわかる。
【0031】
【表4】
【0032】
【表5】
【0033】
【表6】
【0034】
【表7】
【0035】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、高
生産性・低コストで生産できるNiめっきスチールワイ
ヤを提供でき、このようなスチールワイヤまたはこれを
撚り合わせたスチールコードを用いて耐水性、耐スチー
ム性、耐熱性に著しく優れたゴム複合体を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 105:24 305:12 B29L 30:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Niめっきされた1.0〜4.0mm径
    の原料スチールワイヤから伸線加工された、0.1〜
    4.0g/kgの付着量のNiめっき層を有する0.1
    〜1.0mm径のスチールワイヤと、その表面に形成さ
    れたスチールワイヤ重量に対して0.001〜0.1w
    t%のS含有量を有するトリアジンチオール誘導体の皮
    膜とを具備したことを特徴とするスチールワイヤ。
  2. 【請求項2】 前記トリアジンチオール誘導体の皮膜
    が、下記一般式 【化1】 (式中、Rは−SH、−NHR’、または−N(R’)
    2 ;R’はアルキル基、アルケニル基、フェニル基、フ
    ェニルアルキル基、アルキルフェニル基、またはシクロ
    アルキル基;MはH、Na、Li、K、第一級アミン、
    第二級アミン、または第三級アミン)で表されるトリア
    ジンチオール誘導体自体または下記一般式 【化2】 で表されるその重合体からなることを特徴とする請求項
    1記載のスチールワイヤ。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のスチールワイヤまたはこ
    れを撚り合わせたスチールコードと、ゴムに対して硫
    黄、酸化亜鉛、加硫促進剤を添加したゴムコンパウンド
    とを加熱接着してなることを特徴とするゴム複合体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10195345A (ja) * 1997-01-10 1998-07-28 Nippon Paint Co Ltd トリアジンチオール含有防錆コーティング剤、防錆処理方法および防錆処理金属材
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