JPH08187858A - インクジェットヘッド及びその製造方法 - Google Patents
インクジェットヘッド及びその製造方法Info
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- JPH08187858A JPH08187858A JP7003260A JP326095A JPH08187858A JP H08187858 A JPH08187858 A JP H08187858A JP 7003260 A JP7003260 A JP 7003260A JP 326095 A JP326095 A JP 326095A JP H08187858 A JPH08187858 A JP H08187858A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 電極材料であるチタン電極層の改良を行うこ
とにより、電極部の酸化や溶解を著しく抑制し印字寿命
の長い実用性に優れたインクジェットヘッド及びその製
造方法を提供することを目的とする。 【構成】 本発明のインクジェットヘッドは、チタン電
極層3の表層部に0.01〜1μmの厚さで熱酸化処理
した酸化チタン層4、又は、チタン電極層3又は酸化チ
タン層4の表層部に0.005〜0.5μmの厚さで白
金族金属又は白金族金属の酸化物を担持させた構成をし
ている。また、本発明のインクジェットヘッドの製造方
法は、チタン電極層3を300〜800℃で熱酸化して
表層部に酸化チタン層4を形成する熱酸化処理工程、又
は、チタン電極層3に白金族金属及び白金族金属の酸化
物を含む溶液を塗布する塗布工程と前記塗布工程後25
0〜600℃の温度で加熱分解する加熱分解処理工程を
有する構成をしている。
とにより、電極部の酸化や溶解を著しく抑制し印字寿命
の長い実用性に優れたインクジェットヘッド及びその製
造方法を提供することを目的とする。 【構成】 本発明のインクジェットヘッドは、チタン電
極層3の表層部に0.01〜1μmの厚さで熱酸化処理
した酸化チタン層4、又は、チタン電極層3又は酸化チ
タン層4の表層部に0.005〜0.5μmの厚さで白
金族金属又は白金族金属の酸化物を担持させた構成をし
ている。また、本発明のインクジェットヘッドの製造方
法は、チタン電極層3を300〜800℃で熱酸化して
表層部に酸化チタン層4を形成する熱酸化処理工程、又
は、チタン電極層3に白金族金属及び白金族金属の酸化
物を含む溶液を塗布する塗布工程と前記塗布工程後25
0〜600℃の温度で加熱分解する加熱分解処理工程を
有する構成をしている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は導電性インクに通電し、
ジュール熱によって導電性インクを吐出させて印刷を行
うインクジェットヘッド及びその製造方法に関するもの
である。
ジュール熱によって導電性インクを吐出させて印刷を行
うインクジェットヘッド及びその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータの高速高性能,小
型,低価格化に伴って、コンピュータの出力装置の1つ
であるプリンタにおいても、高解像度,高密度で、小
型,低価格化が可能な、インクジェットプリンタが種々
開発されている。このインクジェットプリンタに用いら
れるインクジェットヘッドで、インクを吐出させる方法
としては、ピエゾ素子の変形によってインクを押し出す
ピエゾ方式と、一対の電極間に導電性インクを充填し、
この電極間に電流を通電させ、ジュール熱によって導電
性インクを加熱沸騰させ沸騰気泡の圧力により導電性イ
ンクをノズル孔から印刷用紙等の記録媒体に一定量のイ
ンクを付着させる通電加熱型インクジェット方式等が知
られている。通電加熱型インクジェット方式において、
電極間に交流電圧を印加する方法が直流電圧を印加する
方法より電極の耐久性が高いために、主流となってい
る。
型,低価格化に伴って、コンピュータの出力装置の1つ
であるプリンタにおいても、高解像度,高密度で、小
型,低価格化が可能な、インクジェットプリンタが種々
開発されている。このインクジェットプリンタに用いら
れるインクジェットヘッドで、インクを吐出させる方法
としては、ピエゾ素子の変形によってインクを押し出す
ピエゾ方式と、一対の電極間に導電性インクを充填し、
この電極間に電流を通電させ、ジュール熱によって導電
性インクを加熱沸騰させ沸騰気泡の圧力により導電性イ
ンクをノズル孔から印刷用紙等の記録媒体に一定量のイ
ンクを付着させる通電加熱型インクジェット方式等が知
られている。通電加熱型インクジェット方式において、
電極間に交流電圧を印加する方法が直流電圧を印加する
方法より電極の耐久性が高いために、主流となってい
る。
【0003】以下に従来の通電加熱型インクジェットヘ
ッド(以下、通電加熱型インクジェットヘッドを単にイ
ンクジェットヘッドと称す)について図4,図5を用い
て説明する。図4は従来のインクジェットヘッドを用い
たインクジェットプリンタの断面模式図である。図5
は、従来のインクジェットヘッドの一対の電極を有する
電極配線基板の断面模式図である。21は電極配線基
板、2は電極部を形成する絶縁性のガラス基板、23は
ガラス基板2上に形成されるチタン等の金属層をパター
ニングして形成されたチタン電極層であり、そのうち、
25aは第1電極部、25bは第2電極部で、第1電極
部25aと第2電極部25bは所定の間隔をおいて対向
する。また、チタン電極層23と外部との接続を行うパ
ッド(図示せず)を接続するリード線部(図示せず)を
有する。また、チタン電極層23及びリード線部の上部
に有機物よりなる絶縁層(図示せず)が積層してある。
この絶縁層は、導電性インクに通電するための導電性イ
ンクに接する電極部のみパターニングにより除去され
る。このガラス基板2上にチタン電極層23、リード
層、絶縁層を形成したものを電極配線基板21と称す
る。9は電極配線基板21上の絶縁膜と接着されるノズ
ル流路基板、10はインク流路、11はインク流路10
に充填される導電性インク、12は導電性インク11を
吐出させるためのノズル孔、13は第1電極部25aと
第2電極部25bとに印加する交流の駆動電圧を発生さ
せるための電源部である。14は多数配列されている一
対の第1電極部25aと第2電極部25bにおいて電圧
を印加するためのスイッチである。また、15は印字用
紙であり、ノズル孔12の前方に位置し、紙送りにより
情報がインクドットとして順次印字される。
ッド(以下、通電加熱型インクジェットヘッドを単にイ
ンクジェットヘッドと称す)について図4,図5を用い
て説明する。図4は従来のインクジェットヘッドを用い
たインクジェットプリンタの断面模式図である。図5
は、従来のインクジェットヘッドの一対の電極を有する
電極配線基板の断面模式図である。21は電極配線基
板、2は電極部を形成する絶縁性のガラス基板、23は
ガラス基板2上に形成されるチタン等の金属層をパター
ニングして形成されたチタン電極層であり、そのうち、
25aは第1電極部、25bは第2電極部で、第1電極
部25aと第2電極部25bは所定の間隔をおいて対向
する。また、チタン電極層23と外部との接続を行うパ
ッド(図示せず)を接続するリード線部(図示せず)を
有する。また、チタン電極層23及びリード線部の上部
に有機物よりなる絶縁層(図示せず)が積層してある。
この絶縁層は、導電性インクに通電するための導電性イ
ンクに接する電極部のみパターニングにより除去され
る。このガラス基板2上にチタン電極層23、リード
層、絶縁層を形成したものを電極配線基板21と称す
る。9は電極配線基板21上の絶縁膜と接着されるノズ
ル流路基板、10はインク流路、11はインク流路10
に充填される導電性インク、12は導電性インク11を
吐出させるためのノズル孔、13は第1電極部25aと
第2電極部25bとに印加する交流の駆動電圧を発生さ
せるための電源部である。14は多数配列されている一
対の第1電極部25aと第2電極部25bにおいて電圧
を印加するためのスイッチである。また、15は印字用
紙であり、ノズル孔12の前方に位置し、紙送りにより
情報がインクドットとして順次印字される。
【0004】以上のように構成された従来のインクジェ
ットヘッドについて、以下その製造方法について説明す
る。
ットヘッドについて、以下その製造方法について説明す
る。
【0005】まず、図6において、多数の一対の電極層
を有する電極配線基板の製造方法について説明する。図
6(a)に示すように、洗浄されたガラス基板2上に、
真空薄膜形成技術であるDCスパッタリング法を用い
て、チタン電極層23となるチタン薄膜(図示せず)を
形成する。この形成条件としては、純度99.9%以上
のチタン材料を使用し、スパッタリング時の圧力を3P
a以上、基板温度を300℃以上で行い、チタン薄膜の
膜厚が0.1〜5μmに形成する。次に、図6(b)に
示すように、フォトリソグラフィー法を用いて、このチ
タン薄膜をエッチング加工によって、チタン電極層23
を形成する。次に、図6(c)に示すように、リード線
部7となる金をメッキ法により1μmの厚さで蒸着す
る。最後に感光性樹脂を用いて保護膜となる絶縁層8を
3μmの厚さで形成し、フォトリソグラフィー法により
電極部上の絶縁層8を除去することにより、図6(d)
に示す電極配線基板21が形成される。なお、感光性樹
脂として、耐インク性及び絶縁性に優れた材料であるポ
リイミド樹脂を用いる。
を有する電極配線基板の製造方法について説明する。図
6(a)に示すように、洗浄されたガラス基板2上に、
真空薄膜形成技術であるDCスパッタリング法を用い
て、チタン電極層23となるチタン薄膜(図示せず)を
形成する。この形成条件としては、純度99.9%以上
のチタン材料を使用し、スパッタリング時の圧力を3P
a以上、基板温度を300℃以上で行い、チタン薄膜の
膜厚が0.1〜5μmに形成する。次に、図6(b)に
示すように、フォトリソグラフィー法を用いて、このチ
タン薄膜をエッチング加工によって、チタン電極層23
を形成する。次に、図6(c)に示すように、リード線
部7となる金をメッキ法により1μmの厚さで蒸着す
る。最後に感光性樹脂を用いて保護膜となる絶縁層8を
3μmの厚さで形成し、フォトリソグラフィー法により
電極部上の絶縁層8を除去することにより、図6(d)
に示す電極配線基板21が形成される。なお、感光性樹
脂として、耐インク性及び絶縁性に優れた材料であるポ
リイミド樹脂を用いる。
【0006】次に、図7を用いてインク流路10及びノ
ズル孔12を構成するノズル流路基板9の作製工程を説
明する。図7(a)において、ノズル流路基板9の材料
としては、感光性ガラス16を使用し,前処理である洗
浄を行う。次に、感光性ガラス16のインク流路10及
びノズル孔12となるべき溝部に紫外線を照射し、大気
中で400℃,1時間の熱処理を行う。これにより、図
7(b)に示すように紫外線照射部が結晶化される。こ
の結晶化部17は非結晶化部18と比較して100倍以
上エッチング速度が速いためエッチング処理を行うこと
により結晶化部17が溝状にエッチングされ、図7
(c)のように、インク流路10を有するノズル流路基
板9が形成される。なお、エッチング液として、5%沸
化水素水を使用する。
ズル孔12を構成するノズル流路基板9の作製工程を説
明する。図7(a)において、ノズル流路基板9の材料
としては、感光性ガラス16を使用し,前処理である洗
浄を行う。次に、感光性ガラス16のインク流路10及
びノズル孔12となるべき溝部に紫外線を照射し、大気
中で400℃,1時間の熱処理を行う。これにより、図
7(b)に示すように紫外線照射部が結晶化される。こ
の結晶化部17は非結晶化部18と比較して100倍以
上エッチング速度が速いためエッチング処理を行うこと
により結晶化部17が溝状にエッチングされ、図7
(c)のように、インク流路10を有するノズル流路基
板9が形成される。なお、エッチング液として、5%沸
化水素水を使用する。
【0007】最後に、図8に示すように、ノズル流路基
板9と電極配線基板21の接着工程を説明する。図8
(a)及び図8(b)に示すように、ノズル流路基板9
は電極配線基板21の上部に接着剤等にて一体化され、
インクジェットヘッド部が形成される。この時、位置合
わせは、インク流路10内に一対の電極部が配置される
ように接合される。このインクジェットヘッドがインク
タンク(図示せず)に接合される。ここで、インク比抵
抗が10〜100Ω・cmの導電性インク11は共通イ
ンク室(図示せず)から幅、高さ共に30〜80μmの
インク流路10を通り、ノズル孔12の先端まで供給さ
れる。こうして、インクジェットヘッドが完成される。
板9と電極配線基板21の接着工程を説明する。図8
(a)及び図8(b)に示すように、ノズル流路基板9
は電極配線基板21の上部に接着剤等にて一体化され、
インクジェットヘッド部が形成される。この時、位置合
わせは、インク流路10内に一対の電極部が配置される
ように接合される。このインクジェットヘッドがインク
タンク(図示せず)に接合される。ここで、インク比抵
抗が10〜100Ω・cmの導電性インク11は共通イ
ンク室(図示せず)から幅、高さ共に30〜80μmの
インク流路10を通り、ノズル孔12の先端まで供給さ
れる。こうして、インクジェットヘッドが完成される。
【0008】ここで、チタン以外の電極材料としては、
一般に適当な酸素過電圧を持ち耐腐食性に優れた材料で
ある金,白金,ニッケル,パラジウム等が用いられる。
しかし、インクジェットヘッドの動作時には1kA/c
m2以上の大きな電流密度が電極にかかるため、金,白
金,ニッケル,パラジウムを電極材料として使用した場
合、電気化学反応が容易に起こり酸化や溶解が発生しそ
の進行が速い傾向にある。一方、チタンは電極材料とし
て最も安定であり好適に使用されているが、やはり酸化
や溶解は少なからず発生し、印字寿命回数に支障をきた
している。
一般に適当な酸素過電圧を持ち耐腐食性に優れた材料で
ある金,白金,ニッケル,パラジウム等が用いられる。
しかし、インクジェットヘッドの動作時には1kA/c
m2以上の大きな電流密度が電極にかかるため、金,白
金,ニッケル,パラジウムを電極材料として使用した場
合、電気化学反応が容易に起こり酸化や溶解が発生しそ
の進行が速い傾向にある。一方、チタンは電極材料とし
て最も安定であり好適に使用されているが、やはり酸化
や溶解は少なからず発生し、印字寿命回数に支障をきた
している。
【0009】以上のように製造された従来のインクジェ
ットヘッドを用いたインクジェットプリンタについて、
図9を用いて以下その動作について説明する。図9
(a)に示すように、従来のインクジェットヘッドを用
いたインクジェットプリンタは、第1電極部25aと第
2電極部25bとの間に周波数100KHz〜5MH
z,電圧10V〜50Vの交流電圧を印加し導電性イン
ク11中に交流電流を流す。この時の電流は10mA程
度流れる。周波数を2MHzの交流駆動であれば、周期
が500nsとなる。これを5〜10μ秒、連続的に印
加することにより導電性インク11はインク自身のもつ
抵抗Rによって、電力W=(電流I)2×抵抗R×時間
tなるジュール熱を発生し、導電性インク11の温度が
150〜200℃程度に上昇する。こうして、図9
(b)に示すように、この時発生するジュール熱によっ
て、導電性インク11が沸騰し、気泡19が発生する。
さらに、図9(c)に示すように、気泡19は成長し膨
張の圧力エネルギーによって、導電性インク11が押し
上げられて、ノズル孔12からインク滴20がノズル孔
12の前方1mm程度の位置に置かれた印字用紙15へ
と吐出する。次に、図9(d)に示すように、インク滴
20が吐出し、交流信号電圧の印加を停止すると同時
に、気泡19は急激に冷却され縮小消滅し、インク吐出
動作は完了する。また、吐出したインク滴20は、印字
用紙15に付着浸透し印字されることになる。ここで、
導電性インク11は共通インク室(図示せず)より毛細
現象によりインク流路10に供給され、図9(e)に示
すように、導電性インク11が充填される。このように
して、連続印字がなされる。
ットヘッドを用いたインクジェットプリンタについて、
図9を用いて以下その動作について説明する。図9
(a)に示すように、従来のインクジェットヘッドを用
いたインクジェットプリンタは、第1電極部25aと第
2電極部25bとの間に周波数100KHz〜5MH
z,電圧10V〜50Vの交流電圧を印加し導電性イン
ク11中に交流電流を流す。この時の電流は10mA程
度流れる。周波数を2MHzの交流駆動であれば、周期
が500nsとなる。これを5〜10μ秒、連続的に印
加することにより導電性インク11はインク自身のもつ
抵抗Rによって、電力W=(電流I)2×抵抗R×時間
tなるジュール熱を発生し、導電性インク11の温度が
150〜200℃程度に上昇する。こうして、図9
(b)に示すように、この時発生するジュール熱によっ
て、導電性インク11が沸騰し、気泡19が発生する。
さらに、図9(c)に示すように、気泡19は成長し膨
張の圧力エネルギーによって、導電性インク11が押し
上げられて、ノズル孔12からインク滴20がノズル孔
12の前方1mm程度の位置に置かれた印字用紙15へ
と吐出する。次に、図9(d)に示すように、インク滴
20が吐出し、交流信号電圧の印加を停止すると同時
に、気泡19は急激に冷却され縮小消滅し、インク吐出
動作は完了する。また、吐出したインク滴20は、印字
用紙15に付着浸透し印字されることになる。ここで、
導電性インク11は共通インク室(図示せず)より毛細
現象によりインク流路10に供給され、図9(e)に示
すように、導電性インク11が充填される。このように
して、連続印字がなされる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の構成では、チタン電極層である電極部は電流を媒介と
し導電性インクと電気化学反応が起こり易く、さらに導
電性インクがジュール熱を発生し電極部近傍の導電性イ
ンクの温度が上昇するため、電気化学反応は促進され、
電極部の酸化や溶解が発生し進行する。電極部の酸化が
進行した場合、電極部表面に酸化水和物が生成する。こ
の酸化水和物はすかすかな構造を持つため電極部表面か
らさらに内部へと酸化が容易に進行していく。この電極
部の酸化や溶解が大きな抵抗となり十分な電流が導電性
インクに流れなくなり、気泡が生成できずインク滴が吐
出しなくなるという大きな問題点を有していた。
の構成では、チタン電極層である電極部は電流を媒介と
し導電性インクと電気化学反応が起こり易く、さらに導
電性インクがジュール熱を発生し電極部近傍の導電性イ
ンクの温度が上昇するため、電気化学反応は促進され、
電極部の酸化や溶解が発生し進行する。電極部の酸化が
進行した場合、電極部表面に酸化水和物が生成する。こ
の酸化水和物はすかすかな構造を持つため電極部表面か
らさらに内部へと酸化が容易に進行していく。この電極
部の酸化や溶解が大きな抵抗となり十分な電流が導電性
インクに流れなくなり、気泡が生成できずインク滴が吐
出しなくなるという大きな問題点を有していた。
【0011】さらに、従来のインクジェットヘッドで
は、一対の電極部である第1電極部と第2電極部との面
積が異なると面積の小さい電極部に電流が集中して益々
電極部の酸化や溶解が進行し、電極部自体が消滅するこ
ともあり、インクジェットヘッドとしての機能が完全に
損なわれ、印字寿命回数が短く、実用上大きな問題点を
有していた。
は、一対の電極部である第1電極部と第2電極部との面
積が異なると面積の小さい電極部に電流が集中して益々
電極部の酸化や溶解が進行し、電極部自体が消滅するこ
ともあり、インクジェットヘッドとしての機能が完全に
損なわれ、印字寿命回数が短く、実用上大きな問題点を
有していた。
【0012】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、インクジェットヘッドの電極材料にチタンを用いた
電極部に対して、電極部の電気化学反応を抑制し電極部
の酸化や溶解を防止することができ耐久性に優れ、導電
性インクの沸騰時間や吐出特性を長期間安定に維持し
て、高画質な印字を行うことができる信頼性に優れたイ
ンクジェットヘッドを提供することを目的とする。ま
た、高耐久性で高信頼性のインクジェットヘッドを、高
い歩留りで安定して製造することができる生産性に優れ
たインクジェットヘッドの製造方法を提供することを目
的とする。
で、インクジェットヘッドの電極材料にチタンを用いた
電極部に対して、電極部の電気化学反応を抑制し電極部
の酸化や溶解を防止することができ耐久性に優れ、導電
性インクの沸騰時間や吐出特性を長期間安定に維持し
て、高画質な印字を行うことができる信頼性に優れたイ
ンクジェットヘッドを提供することを目的とする。ま
た、高耐久性で高信頼性のインクジェットヘッドを、高
い歩留りで安定して製造することができる生産性に優れ
たインクジェットヘッドの製造方法を提供することを目
的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の請求項1に記載のインクジェットヘッドは、
ノズル孔及びインク流路を有するインク流路基板と電極
部を有する電極配線基板とを備え、前記電極部を用いて
インクに通電して前記インクに気泡を発生させ、前記気
泡の圧力エネルギーによって前記インクを前記ノズル孔
から吐出させるインクジェットヘッドであって、前記電
極層がチタン電極層と、少なくとも前記インクと接する
前記チタン電極層の表層部に、0.01〜1μmの厚さ
の酸化チタン層と、を有する構成を有している。
に本発明の請求項1に記載のインクジェットヘッドは、
ノズル孔及びインク流路を有するインク流路基板と電極
部を有する電極配線基板とを備え、前記電極部を用いて
インクに通電して前記インクに気泡を発生させ、前記気
泡の圧力エネルギーによって前記インクを前記ノズル孔
から吐出させるインクジェットヘッドであって、前記電
極層がチタン電極層と、少なくとも前記インクと接する
前記チタン電極層の表層部に、0.01〜1μmの厚さ
の酸化チタン層と、を有する構成を有している。
【0014】請求項2に記載のインクジェットヘッド
は、請求項1において、少なくとも前記インクと接する
前記酸化チタン層の表層部に0.005〜0.5μmの
厚さの白金族金属又は白金族金属の酸化物が担持されて
いる構成を有している。
は、請求項1において、少なくとも前記インクと接する
前記酸化チタン層の表層部に0.005〜0.5μmの
厚さの白金族金属又は白金族金属の酸化物が担持されて
いる構成を有している。
【0015】請求項3に記載のインクジェットヘッド
は、ノズル孔及びインク流路を有するインク流路基板と
電極部を有する電極配線基板とを備え、前記電極部を用
いてインクに通電して前記インクに気泡を発生させ、前
記気泡の圧力エネルギーによって前記インクを前記ノズ
ル孔から吐出させるインクジェットヘッドであって、前
記電極部がチタン電極層を有し、少なくとも前記インク
と接する前記チタン電極層の表層部に、0.005〜
0.5μmの厚さの白金族金属又は白金族金属の酸化物
が担持されている構成を有している。
は、ノズル孔及びインク流路を有するインク流路基板と
電極部を有する電極配線基板とを備え、前記電極部を用
いてインクに通電して前記インクに気泡を発生させ、前
記気泡の圧力エネルギーによって前記インクを前記ノズ
ル孔から吐出させるインクジェットヘッドであって、前
記電極部がチタン電極層を有し、少なくとも前記インク
と接する前記チタン電極層の表層部に、0.005〜
0.5μmの厚さの白金族金属又は白金族金属の酸化物
が担持されている構成を有している。
【0016】請求項4に記載のインクジェットヘッド
は、請求項2又は3の内いずれか1において、前記白金
族金属として、白金,ロジウム又はイリジウムを用いた
構成を有している。
は、請求項2又は3の内いずれか1において、前記白金
族金属として、白金,ロジウム又はイリジウムを用いた
構成を有している。
【0017】請求項5に記載のインクジェットヘッド
は、請求項2又は3の内いずれか1において、前記白金
族金属の酸化物として、酸化パラジウム又は酸化ルテニ
ウムを用いた構成を有している。
は、請求項2又は3の内いずれか1において、前記白金
族金属の酸化物として、酸化パラジウム又は酸化ルテニ
ウムを用いた構成を有している。
【0018】請求項6に記載のインクジェットヘッドの
製造方法は、絶縁性基板上に電極部を形成する電極形成
工程を備えたインクジェットヘッドの製造方法であっ
て、前記電極形成工程がチタン電極層形成工程と前記チ
タン電極形成工程で形成されたチタン電極層を300〜
800℃の温度で熱処理し前記チタン電極層の表面から
内部に酸化チタン層を形成する熱酸化処理工程を有して
いる。
製造方法は、絶縁性基板上に電極部を形成する電極形成
工程を備えたインクジェットヘッドの製造方法であっ
て、前記電極形成工程がチタン電極層形成工程と前記チ
タン電極形成工程で形成されたチタン電極層を300〜
800℃の温度で熱処理し前記チタン電極層の表面から
内部に酸化チタン層を形成する熱酸化処理工程を有して
いる。
【0019】請求項7に記載のインクジェットヘッドの
製造方法は、絶縁性基板上に電極部を形成する電極形成
工程を備えたインクジェットヘッドの製造方法であっ
て、前記電極形成工程がチタン電極層形成工程と、前記
チタン電極層形成工程で形成されたチタン電極層に白金
族金属又は白金族金属の酸化物を含む溶液を皮膜する塗
布工程と、250〜600℃の温度で前記白金族金属又
は前記白金族金属の酸化物を加熱分解する加熱分解処理
工程と、を有する構成をしている。
製造方法は、絶縁性基板上に電極部を形成する電極形成
工程を備えたインクジェットヘッドの製造方法であっ
て、前記電極形成工程がチタン電極層形成工程と、前記
チタン電極層形成工程で形成されたチタン電極層に白金
族金属又は白金族金属の酸化物を含む溶液を皮膜する塗
布工程と、250〜600℃の温度で前記白金族金属又
は前記白金族金属の酸化物を加熱分解する加熱分解処理
工程と、を有する構成をしている。
【0020】ここで、前記チタン電極層の形成方法とし
てDCスパッタリング法,RFスパッタリング法や真空
蒸着法等が用いられる。また、白金族金属又は白金族金
属の酸化物の塗布工程においては、白金族金属塩又は白
金族金属錯体、還元剤としてラベンダー油又はアニス油
等の未飽和油、有機溶剤としてイソプロピルアルコール
又はブタノール等の多価アルコールを混合した溶液を用
いる。又、チタン電極層の表面酸化を行う熱処理温度は
特に限定されないが好ましくは300〜800℃で行わ
れれ、最適条件は400〜600℃である。この時、最
も印字寿命回数が改善される。300℃以下の温度の熱
処理では、酸化チタン層の厚さが0.01μm未満でし
か形成されず、0.01μm未満の酸化チタン層では、
薄すぎて電極部の電気化学反応の抑制に大きな効果は見
られなかった。また、800℃以上の温度では急速に熱
酸化が進み膜厚の制御が難しく、1μmより厚く膜厚が
形成され、電極間の抵抗が大きくなり、インク中に十分
な電流を供給することが困難になる。従って、チタン電
極層に形成した酸化チタン層の膜厚は、0.01〜1μ
mであることが好ましい。また、加熱分解における加熱
分解温度は特に限定されないが、大気中の炉内で250
〜600℃の温度範囲が用いられることが好ましい。2
50℃未満で加熱分解処理を行った場合、チタン電極層
の表層部に形成される白金族金属又は白金族金属の酸化
物の密着力が弱く、インクジェットヘッドとして動作し
た時、白金族金属または白金族金属の酸化物が剥離しや
すく、電極の電気化学反応の抑制に大きな効果は見られ
なかった。また、加熱分解温度が300℃以上の温度で
かつ温度が高いほどチタン電極層の表層部に酸化チタン
層がより厚く形成されるとともに、白金族金属又は白金
族金属の酸化物とチタン電極層との密着力が向上する傾
向にある。しかし、600℃を超える温度で熱処理を行
った場合、白金族金属または白金族金属の酸化物が酸化
チタン層の表層部に凝集し粒成長しやすくなるため担持
が行われにくく、電極部の電気化学反応の抑制には大き
な効果は見られなかった。また、チタン電極層又は酸化
チタン層の表層部の白金族金属又は白金族金属の酸化物
の担持は0.005〜0.5μmの厚さの範囲で好適に
用いられる。0.005μm未満の厚さでは十分にチタ
ン電極層又は酸化チタン層の表層部に白金族金属または
白金族金属の酸化物の担持させることができず、電極の
電気化学反応の抑制には大きな効果が見られなかった。
また、0.5μmより大きい厚さではチタン電極層の表
層部の白金族金属又は白金族金属の酸化物のみが電極と
して作用し、電極の電気化学反応の抑制には大きな効果
が見られなかった。
てDCスパッタリング法,RFスパッタリング法や真空
蒸着法等が用いられる。また、白金族金属又は白金族金
属の酸化物の塗布工程においては、白金族金属塩又は白
金族金属錯体、還元剤としてラベンダー油又はアニス油
等の未飽和油、有機溶剤としてイソプロピルアルコール
又はブタノール等の多価アルコールを混合した溶液を用
いる。又、チタン電極層の表面酸化を行う熱処理温度は
特に限定されないが好ましくは300〜800℃で行わ
れれ、最適条件は400〜600℃である。この時、最
も印字寿命回数が改善される。300℃以下の温度の熱
処理では、酸化チタン層の厚さが0.01μm未満でし
か形成されず、0.01μm未満の酸化チタン層では、
薄すぎて電極部の電気化学反応の抑制に大きな効果は見
られなかった。また、800℃以上の温度では急速に熱
酸化が進み膜厚の制御が難しく、1μmより厚く膜厚が
形成され、電極間の抵抗が大きくなり、インク中に十分
な電流を供給することが困難になる。従って、チタン電
極層に形成した酸化チタン層の膜厚は、0.01〜1μ
mであることが好ましい。また、加熱分解における加熱
分解温度は特に限定されないが、大気中の炉内で250
〜600℃の温度範囲が用いられることが好ましい。2
50℃未満で加熱分解処理を行った場合、チタン電極層
の表層部に形成される白金族金属又は白金族金属の酸化
物の密着力が弱く、インクジェットヘッドとして動作し
た時、白金族金属または白金族金属の酸化物が剥離しや
すく、電極の電気化学反応の抑制に大きな効果は見られ
なかった。また、加熱分解温度が300℃以上の温度で
かつ温度が高いほどチタン電極層の表層部に酸化チタン
層がより厚く形成されるとともに、白金族金属又は白金
族金属の酸化物とチタン電極層との密着力が向上する傾
向にある。しかし、600℃を超える温度で熱処理を行
った場合、白金族金属または白金族金属の酸化物が酸化
チタン層の表層部に凝集し粒成長しやすくなるため担持
が行われにくく、電極部の電気化学反応の抑制には大き
な効果は見られなかった。また、チタン電極層又は酸化
チタン層の表層部の白金族金属又は白金族金属の酸化物
の担持は0.005〜0.5μmの厚さの範囲で好適に
用いられる。0.005μm未満の厚さでは十分にチタ
ン電極層又は酸化チタン層の表層部に白金族金属または
白金族金属の酸化物の担持させることができず、電極の
電気化学反応の抑制には大きな効果が見られなかった。
また、0.5μmより大きい厚さではチタン電極層の表
層部の白金族金属又は白金族金属の酸化物のみが電極と
して作用し、電極の電気化学反応の抑制には大きな効果
が見られなかった。
【0021】
【作用】この構成によって、チタン電極層の表層部は、
熱処理により酸化チタン層が形成される。この熱処理に
よる酸化チタン層は構造が非常に緻密で化学的に安定し
ているので、導電性インクの通電による化学反応が抑制
されチタン電極層の深部への酸化の進行を防止できる。
従って、安定な電極部を実現できる。つまり、熱処理で
形成された酸化チタンは半導体特性を有し、動作時に電
極部に電圧が印加された時には酸化チタンでは電子の一
部は価電子帯より伝導帯に上昇する。この伝導帯に上昇
した電子が電流となる。この電子は価電子帯の電子より
禁制帯幅の分だけエネルギーが高く、電極部の近傍の導
電性インクに電子を供与する力が強い。その結果、電極
部から導電性インクに流れる電流は導電性インクに対し
て還元力が強い性質をもつことになる。酸化や溶解は広
義の意味で酸化反応であるため、半導体である酸化チタ
ンの電気的性質を利用することにより、電極部は還元力
が強くなり酸化反応が進行することがない。従って、少
なくともインクと接するチタン電極層の表層部に酸化チ
タン層を形成した電極部を使用することにより、酸化反
応が生じない印字寿命の長い実用性に優れたインクジェ
ットヘッドを提供することができる。
熱処理により酸化チタン層が形成される。この熱処理に
よる酸化チタン層は構造が非常に緻密で化学的に安定し
ているので、導電性インクの通電による化学反応が抑制
されチタン電極層の深部への酸化の進行を防止できる。
従って、安定な電極部を実現できる。つまり、熱処理で
形成された酸化チタンは半導体特性を有し、動作時に電
極部に電圧が印加された時には酸化チタンでは電子の一
部は価電子帯より伝導帯に上昇する。この伝導帯に上昇
した電子が電流となる。この電子は価電子帯の電子より
禁制帯幅の分だけエネルギーが高く、電極部の近傍の導
電性インクに電子を供与する力が強い。その結果、電極
部から導電性インクに流れる電流は導電性インクに対し
て還元力が強い性質をもつことになる。酸化や溶解は広
義の意味で酸化反応であるため、半導体である酸化チタ
ンの電気的性質を利用することにより、電極部は還元力
が強くなり酸化反応が進行することがない。従って、少
なくともインクと接するチタン電極層の表層部に酸化チ
タン層を形成した電極部を使用することにより、酸化反
応が生じない印字寿命の長い実用性に優れたインクジェ
ットヘッドを提供することができる。
【0022】更に、白金,ロジウム,イリジウム等の白
金族金属、ルテニウム酸化物、パラジウム酸化物などの
白金族金属の酸化物をチタン電極層の表層部に担持させ
た電極部は、インクジェットヘッドが動作中にチタン電
極層が酸化しても、半導体である酸化チタンに作用して
低い動作電圧でも多くの電流を流すことができるので、
導通不良を防止できる。
金族金属、ルテニウム酸化物、パラジウム酸化物などの
白金族金属の酸化物をチタン電極層の表層部に担持させ
た電極部は、インクジェットヘッドが動作中にチタン電
極層が酸化しても、半導体である酸化チタンに作用して
低い動作電圧でも多くの電流を流すことができるので、
導通不良を防止できる。
【0023】又、白金,ロジウム,イリジウム等の白金
族金属、ルテニウム酸化物,パラジウム酸化物などの白
金族金属の酸化物を酸化チタン層の表層部に担持させた
電極は、仕事関数の異なった金属・半導体接触により酸
化チタン内に電場勾配が生じ禁制帯幅が低下する。その
結果、チタン電極層の表層部に形成された酸化チタン層
のみと比較して、酸化チタン層の表層部に白金族金属や
白金族金属の酸化物が担持された電極部は、電荷分離効
率が改善し低電圧で電流を流すことができる。従って、
インクジェットヘッドの動作電圧を下げることができ、
装置の小型化、省電力化を図ることができる。さらに、
低電圧化により電気化学反応がさらに抑制され電極部の
寸法及び形状に変化が少なく電気的に安定した信頼性の
高いインクジェットヘッドを実現できる。
族金属、ルテニウム酸化物,パラジウム酸化物などの白
金族金属の酸化物を酸化チタン層の表層部に担持させた
電極は、仕事関数の異なった金属・半導体接触により酸
化チタン内に電場勾配が生じ禁制帯幅が低下する。その
結果、チタン電極層の表層部に形成された酸化チタン層
のみと比較して、酸化チタン層の表層部に白金族金属や
白金族金属の酸化物が担持された電極部は、電荷分離効
率が改善し低電圧で電流を流すことができる。従って、
インクジェットヘッドの動作電圧を下げることができ、
装置の小型化、省電力化を図ることができる。さらに、
低電圧化により電気化学反応がさらに抑制され電極部の
寸法及び形状に変化が少なく電気的に安定した信頼性の
高いインクジェットヘッドを実現できる。
【0024】更に、熱酸化処理工程により均一で緻密な
酸化膜を容易に形成でき、歩留りの高いインクジェット
ヘッドの製造方法を実現できる。
酸化膜を容易に形成でき、歩留りの高いインクジェット
ヘッドの製造方法を実現できる。
【0025】また、白金族金属や白金族金属の酸化物を
塗布したのち、加熱分解処理を250℃〜300℃の温
度で行うことにより、チタン電極層の表層部に白金族金
属や白金族金属の酸化物の担持を行うことができ、又、
白金族金属や白金族金属の酸化物を塗布したのち、加熱
分解処理を300℃〜600℃の温度で行うことによ
り、チタン電極層の上層部に酸化チタン層を形成できる
とともに、その内部に白金族金属や白金族金属の酸化物
の担持を同時に行うことができ、歩留りの高い工程が簡
単なインクジェットヘッドの製造方法を実現できる。
塗布したのち、加熱分解処理を250℃〜300℃の温
度で行うことにより、チタン電極層の表層部に白金族金
属や白金族金属の酸化物の担持を行うことができ、又、
白金族金属や白金族金属の酸化物を塗布したのち、加熱
分解処理を300℃〜600℃の温度で行うことによ
り、チタン電極層の上層部に酸化チタン層を形成できる
とともに、その内部に白金族金属や白金族金属の酸化物
の担持を同時に行うことができ、歩留りの高い工程が簡
単なインクジェットヘッドの製造方法を実現できる。
【0026】
【実施例】以下本発明の一実施例について、図面を参照
しながら説明する。
しながら説明する。
【0027】(実施例1)図1は本発明の第1実施例に
おけるインクジェットヘッドの一対の電極部を有する電
極配線基板の断面模式図である。本発明の第1実施例の
インクジェットヘッドを用いたインクジェットプリンタ
の断面模式図は図4の従来例のものと略同様のものであ
る。ここで、従来例と異なるのは、図1における電極配
線基板上の電極部の構成である。2は電極配線基板を形
成するための絶縁性基板であるガラス基板、3はチタン
電極層、4は酸化チタン層で、5a,5bはそれぞれ第
1電極部、第2電極部であり、チタン電極層3及び酸化
チタン層4からなる。ここで、インクジェットヘッドの
電極部は、一対の第1電極部5aと第2電極部5bが多
数整列されてなる。絶縁性基板材料には、ガラス基板2
の他、表面酸化を施した単結晶シリコン等の鏡面を有す
る基板を使用してもよい。
おけるインクジェットヘッドの一対の電極部を有する電
極配線基板の断面模式図である。本発明の第1実施例の
インクジェットヘッドを用いたインクジェットプリンタ
の断面模式図は図4の従来例のものと略同様のものであ
る。ここで、従来例と異なるのは、図1における電極配
線基板上の電極部の構成である。2は電極配線基板を形
成するための絶縁性基板であるガラス基板、3はチタン
電極層、4は酸化チタン層で、5a,5bはそれぞれ第
1電極部、第2電極部であり、チタン電極層3及び酸化
チタン層4からなる。ここで、インクジェットヘッドの
電極部は、一対の第1電極部5aと第2電極部5bが多
数整列されてなる。絶縁性基板材料には、ガラス基板2
の他、表面酸化を施した単結晶シリコン等の鏡面を有す
る基板を使用してもよい。
【0028】以上のように構成された本発明の第1実施
例におけるインクジェットヘッドについて、以下その製
造方法を説明する。図2は本発明の第1実施例における
インクジェットヘッドの製造工程図である。まず、図2
(a)に示すようにチタン電極形成工程として、洗浄し
たガラス基板2上にDCスパッタリング法により、アル
ゴンガス等を用いて、チタン材料を用いて導電性の金属
膜(図示せず)を0.1〜5μmの厚さで積層した後、
図2(b)に示すようにパターニングによりチタン電極
層3を形成する。なお、電極寸法は縦幅20μm、横幅
40μmであり、第1電極部5a及び第2電極部5bの
電極間距離は5μmの間隔で配置されている。この後、
図2(c)に示すように熱処理酸化工程として、熱処理
によりチタン電極層3の表面酸化を行い、0.01〜1
μmの厚さで酸化チタン層4を形成する。電極部の表面
が酸化すると、外観上黒くなる。チタン電極層3を表面
酸化する熱処理温度は特に限定しないが好ましくは30
0〜800℃で行う。次に、図2(d)に示すように、
金を用いてメッキ法により1μmの厚さでリード線部7
を形成する。最後に感光性樹脂からなる絶縁層8を3μ
mの厚さで形成し、フォトリソグラフィー法によりイン
クと接する電極部上の絶縁層8を除去し、図2(e)に
示す電極配線基板1が形成される。ここで、感光性樹脂
として、耐インク性及び絶縁性に優れた材料であるポリ
イミド樹脂を用いた。
例におけるインクジェットヘッドについて、以下その製
造方法を説明する。図2は本発明の第1実施例における
インクジェットヘッドの製造工程図である。まず、図2
(a)に示すようにチタン電極形成工程として、洗浄し
たガラス基板2上にDCスパッタリング法により、アル
ゴンガス等を用いて、チタン材料を用いて導電性の金属
膜(図示せず)を0.1〜5μmの厚さで積層した後、
図2(b)に示すようにパターニングによりチタン電極
層3を形成する。なお、電極寸法は縦幅20μm、横幅
40μmであり、第1電極部5a及び第2電極部5bの
電極間距離は5μmの間隔で配置されている。この後、
図2(c)に示すように熱処理酸化工程として、熱処理
によりチタン電極層3の表面酸化を行い、0.01〜1
μmの厚さで酸化チタン層4を形成する。電極部の表面
が酸化すると、外観上黒くなる。チタン電極層3を表面
酸化する熱処理温度は特に限定しないが好ましくは30
0〜800℃で行う。次に、図2(d)に示すように、
金を用いてメッキ法により1μmの厚さでリード線部7
を形成する。最後に感光性樹脂からなる絶縁層8を3μ
mの厚さで形成し、フォトリソグラフィー法によりイン
クと接する電極部上の絶縁層8を除去し、図2(e)に
示す電極配線基板1が形成される。ここで、感光性樹脂
として、耐インク性及び絶縁性に優れた材料であるポリ
イミド樹脂を用いた。
【0029】最後に、従来例と同様な方法で形成された
ノズル流路基板9を電極配線基板1の上部に接着剤等を
用いて一体化し、インクジェットヘッドを形成する。こ
のインクジェットヘッドがインクタンク(図示せず)に
接合され導電性インク11がノズル孔12の先端まで供
給される。
ノズル流路基板9を電極配線基板1の上部に接着剤等を
用いて一体化し、インクジェットヘッドを形成する。こ
のインクジェットヘッドがインクタンク(図示せず)に
接合され導電性インク11がノズル孔12の先端まで供
給される。
【0030】以上のように製造された本発明の第1実施
例における酸化チタン層4を有する電極部を持つインク
ジェットヘッドを用いたインクジェットプリンタは、従
来例のものと同様に動作する。
例における酸化チタン層4を有する電極部を持つインク
ジェットヘッドを用いたインクジェットプリンタは、従
来例のものと同様に動作する。
【0031】(実験例1)以上のように動作する本発明
の第1実施例におけるインクジェットヘッドを用いたイ
ンクジェットプリンタの耐久性試験を行った。本発明の
第1実施例のインクジェットヘッドの電極部は以下の条
件をもとに作製した。その他の工程は上記の製造方法と
同様なので省略する。まず、ガラス基板2上を、真空圧
力を3Pa、基板温度を300度、アルゴンの雰囲気の
条件でDCスパッタリング法を用いて、2μmの膜厚を
有するチタン薄膜を形成し、パターニングによりチタン
電極層3を形成した。このチタン電極層3に熱処理を施
した。すなわち、熱処理温度を、250,300,50
0,700,800,850℃の6条件のもと熱処理時
間を15分とし、チタン電極層3上に酸化チタン層4を
形成した。
の第1実施例におけるインクジェットヘッドを用いたイ
ンクジェットプリンタの耐久性試験を行った。本発明の
第1実施例のインクジェットヘッドの電極部は以下の条
件をもとに作製した。その他の工程は上記の製造方法と
同様なので省略する。まず、ガラス基板2上を、真空圧
力を3Pa、基板温度を300度、アルゴンの雰囲気の
条件でDCスパッタリング法を用いて、2μmの膜厚を
有するチタン薄膜を形成し、パターニングによりチタン
電極層3を形成した。このチタン電極層3に熱処理を施
した。すなわち、熱処理温度を、250,300,50
0,700,800,850℃の6条件のもと熱処理時
間を15分とし、チタン電極層3上に酸化チタン層4を
形成した。
【0032】(比較例1)比較例として、従来例の熱処
理をしない、つまり酸化チタン層4を形成しないチタン
電極層3のみのインクジェットヘッドを用いたインクジ
ェットプリンタについて耐久性試験を行った。ただし、
寸法・形状等のその他の条件は実験例1と同一にした。
理をしない、つまり酸化チタン層4を形成しないチタン
電極層3のみのインクジェットヘッドを用いたインクジ
ェットプリンタについて耐久性試験を行った。ただし、
寸法・形状等のその他の条件は実験例1と同一にした。
【0033】以上のようにして得られた(実験例1)と
(比較例1)におけるインクジェットヘッドの耐久性試
験として、印字寿命回数の測定を行うと共に酸化チタン
膜の膜厚の測定を行った。印字寿命回数の定義は、紙面
上のインクのドットの大きさが印字開始時と比較して7
0%以下になった時を印字寿命とし、それまでに印字し
たドットの吐出回数とした。なお、測定条件は印加交流
電圧25V、印加交流電圧の周波数を3MHz、印字周
期を5KHzとした。また、導電性インク11として比
抵抗が20Ω・cmのものを用いた。この結果を(表
1)に示す。
(比較例1)におけるインクジェットヘッドの耐久性試
験として、印字寿命回数の測定を行うと共に酸化チタン
膜の膜厚の測定を行った。印字寿命回数の定義は、紙面
上のインクのドットの大きさが印字開始時と比較して7
0%以下になった時を印字寿命とし、それまでに印字し
たドットの吐出回数とした。なお、測定条件は印加交流
電圧25V、印加交流電圧の周波数を3MHz、印字周
期を5KHzとした。また、導電性インク11として比
抵抗が20Ω・cmのものを用いた。この結果を(表
1)に示す。
【0034】
【表1】
【0035】この(表1)から明らかなように、酸化チ
タン層4の厚さが0.01〜1μmのとき、印字寿命回
数が1億ドット以上が得られており、実用上好ましい結
果を得ることができた。一方、比較例1においては2千
回と実用性に適さない結果であった。また、チタン電極
層3に熱処理を行い酸化チタン層4を電極に用いたイン
クジェットヘッドは熱処理を行わないものと比較して印
字寿命回数が改善しているため、熱処理を行い酸化チタ
ン層4を形成することが非常に有効であることが確認さ
れた。
タン層4の厚さが0.01〜1μmのとき、印字寿命回
数が1億ドット以上が得られており、実用上好ましい結
果を得ることができた。一方、比較例1においては2千
回と実用性に適さない結果であった。また、チタン電極
層3に熱処理を行い酸化チタン層4を電極に用いたイン
クジェットヘッドは熱処理を行わないものと比較して印
字寿命回数が改善しているため、熱処理を行い酸化チタ
ン層4を形成することが非常に有効であることが確認さ
れた。
【0036】ここで、チタン電極層3の表面酸化を行う
熱処理温度は特に限定されないが好ましくは300〜8
00℃で行われる。最適条件は400〜600℃であ
る。この時、最も印字寿命回数が改善される。300℃
以下の温度の熱処理では、酸化膜の厚さが0.01μm
未満でしか形成されず、0.01μm未満の酸化膜で
は、薄すぎて電極の電気化学反応の抑制に大きな効果は
見られなかった。従って、0.01μm以上の厚さの酸
化膜が好ましい。また、800℃以上の温度では急速に
熱酸化が進み1μmより厚く酸化膜が形成されるので、
酸化膜の厚みの制御が困難である。この場合、絶縁性の
酸化チタン層4が厚く形成されるため電極間の抵抗が大
きくなり、導電性インク中に十分な電流を供給すること
が困難になり、導電性インクをノズル孔より吐出させる
ことができず、印字不良となる。従って、チタン電極層
3に形成した酸化チタン層4の膜厚は、0.01μm以
上、1μm以下が好ましい。
熱処理温度は特に限定されないが好ましくは300〜8
00℃で行われる。最適条件は400〜600℃であ
る。この時、最も印字寿命回数が改善される。300℃
以下の温度の熱処理では、酸化膜の厚さが0.01μm
未満でしか形成されず、0.01μm未満の酸化膜で
は、薄すぎて電極の電気化学反応の抑制に大きな効果は
見られなかった。従って、0.01μm以上の厚さの酸
化膜が好ましい。また、800℃以上の温度では急速に
熱酸化が進み1μmより厚く酸化膜が形成されるので、
酸化膜の厚みの制御が困難である。この場合、絶縁性の
酸化チタン層4が厚く形成されるため電極間の抵抗が大
きくなり、導電性インク中に十分な電流を供給すること
が困難になり、導電性インクをノズル孔より吐出させる
ことができず、印字不良となる。従って、チタン電極層
3に形成した酸化チタン層4の膜厚は、0.01μm以
上、1μm以下が好ましい。
【0037】また、熱処理で形成された酸化チタン層4
は、非常に緻密な構造を有し化学的に安定なので、酸化
の進行を極めて抑制するため、印字試験途中での電極部
を光学顕微鏡で観察したところ外観上の変化は確認でき
なかった。
は、非常に緻密な構造を有し化学的に安定なので、酸化
の進行を極めて抑制するため、印字試験途中での電極部
を光学顕微鏡で観察したところ外観上の変化は確認でき
なかった。
【0038】ここで、酸化チタン層4の表面から略0.
005μmは、絶縁性の酸化チタンであったが、0.0
05μm以上の深さでは半導体の酸化チタンが形成され
ていた。半導体の酸化チタンは、電圧が印加されたイン
クジェットヘッドの動作時には電子の一部は禁制帯から
伝導帯に励起する。この伝導帯に励起した電子が電流と
なるが、この電子は価電子帯の電子より禁制帯幅の分だ
けエネルギーが高く、電極の近傍のインクに電子を与え
る可能性が高い。その結果、電極部から流れる電流はイ
ンクに対して還元力が強い性質をもつ。酸化や溶解は広
義の意味で酸化反応であるため、半導体である酸化チタ
ンのこの電気的性質を利用することにより、還元力が強
く酸化反応の生じない電気的に安定な電極部を実現でき
た。
005μmは、絶縁性の酸化チタンであったが、0.0
05μm以上の深さでは半導体の酸化チタンが形成され
ていた。半導体の酸化チタンは、電圧が印加されたイン
クジェットヘッドの動作時には電子の一部は禁制帯から
伝導帯に励起する。この伝導帯に励起した電子が電流と
なるが、この電子は価電子帯の電子より禁制帯幅の分だ
けエネルギーが高く、電極の近傍のインクに電子を与え
る可能性が高い。その結果、電極部から流れる電流はイ
ンクに対して還元力が強い性質をもつ。酸化や溶解は広
義の意味で酸化反応であるため、半導体である酸化チタ
ンのこの電気的性質を利用することにより、還元力が強
く酸化反応の生じない電気的に安定な電極部を実現でき
た。
【0039】なお、本発明の第1実施例では、チタン電
極層3の形成方法としてDCスパッタリング法を使用し
たが、他にRFスパッタリング法や真空蒸着法等多く有
り、このような形成方法で作製したチタン電極層を用い
て熱処理を行い本実施例1の電極部を形成しても、同様
の作用効果が得られる。また、熱処理時間を固定した
が、熱処理温度と熱処理時間の調整で適切な膜厚を得る
ことができることは言うまでもない。また、本発明の第
1実施例では、チタン電極層の熱処理を大気圧中で行っ
たが、減圧・加圧状態においても熱処理温度と熱処理時
間等を適切に調整すれば本実施例1と同様な酸化チタン
層4の形成が可能である。また、酸化チタン層4はチタ
ン電極層が少なくともインクと接する表面部に形成され
ることにより、酸化や溶解に対して強い電極を形成でき
ることはいうまでもない。従って、本実施例1で用いた
DCスパッタリング法によるチタン電極層の形成方法は
本発明を限定しない。
極層3の形成方法としてDCスパッタリング法を使用し
たが、他にRFスパッタリング法や真空蒸着法等多く有
り、このような形成方法で作製したチタン電極層を用い
て熱処理を行い本実施例1の電極部を形成しても、同様
の作用効果が得られる。また、熱処理時間を固定した
が、熱処理温度と熱処理時間の調整で適切な膜厚を得る
ことができることは言うまでもない。また、本発明の第
1実施例では、チタン電極層の熱処理を大気圧中で行っ
たが、減圧・加圧状態においても熱処理温度と熱処理時
間等を適切に調整すれば本実施例1と同様な酸化チタン
層4の形成が可能である。また、酸化チタン層4はチタ
ン電極層が少なくともインクと接する表面部に形成され
ることにより、酸化や溶解に対して強い電極を形成でき
ることはいうまでもない。従って、本実施例1で用いた
DCスパッタリング法によるチタン電極層の形成方法は
本発明を限定しない。
【0040】以上のように本発明の第1実施例によれ
ば、チタン電極層3の表層部は熱処理により酸化チタン
層4が形成される。この酸化チタンは半導体特性を有
し、動作時に電極部に電圧が印加された時には酸化チタ
ンでの電子の一部は価電子帯より伝導帯に上昇する。こ
の結果、電極部からインクに流れる電流はインクに対し
て還元力が強い性質をもち、電極部の酸化反応を抑制で
き、印字寿命の長い実用性に優れたインクジェットヘッ
ドを得ることができる。また、熱酸化処理工程により均
一で緻密な酸化膜を容易に形成でき歩留りの高いインク
ジェットヘッドの製造方法を実現できる。
ば、チタン電極層3の表層部は熱処理により酸化チタン
層4が形成される。この酸化チタンは半導体特性を有
し、動作時に電極部に電圧が印加された時には酸化チタ
ンでの電子の一部は価電子帯より伝導帯に上昇する。こ
の結果、電極部からインクに流れる電流はインクに対し
て還元力が強い性質をもち、電極部の酸化反応を抑制で
き、印字寿命の長い実用性に優れたインクジェットヘッ
ドを得ることができる。また、熱酸化処理工程により均
一で緻密な酸化膜を容易に形成でき歩留りの高いインク
ジェットヘッドの製造方法を実現できる。
【0041】(実施例2)以下本発明の第2実施例につ
いて図面を参照しながら説明する。
いて図面を参照しながら説明する。
【0042】図3は、第2実施例におけるインクジェッ
トヘッドの電極部の構成を示す断面模式図である。図3
(a)は第2実施例におけるインクジェットヘッドのチ
タンチタン電極層と担持層を有する一対の電極部の構造
を示す断面模式図であり、図3(b)は第2実施例にお
けるインクジェットヘッドのチタンチタン電極層,酸化
チタン層及び担持層を有する一対の電極部の構造を示す
断面模式図である。2はガラス基板、3′,3″はチタ
ン電極層、4″は酸化チタン層であり、白金属金属又は
白金属金属の酸化物の担持させるための加熱分解処理を
高温で行う際にチタン電極層3′が酸化されることによ
り同時に形成される。5′a,5″aは第1電極部、
5′b,5″bは第2電極部、6′,6″は担持された
白金属金属又は白金属金属の酸化物の担持層である。第
1実施例と異なるのは、チタン電極層3′又は酸化チタ
ン層4″の表層部に白金族金属または白金族金属の酸化
物である担持層6′,6″が形成されている点である。
トヘッドの電極部の構成を示す断面模式図である。図3
(a)は第2実施例におけるインクジェットヘッドのチ
タンチタン電極層と担持層を有する一対の電極部の構造
を示す断面模式図であり、図3(b)は第2実施例にお
けるインクジェットヘッドのチタンチタン電極層,酸化
チタン層及び担持層を有する一対の電極部の構造を示す
断面模式図である。2はガラス基板、3′,3″はチタ
ン電極層、4″は酸化チタン層であり、白金属金属又は
白金属金属の酸化物の担持させるための加熱分解処理を
高温で行う際にチタン電極層3′が酸化されることによ
り同時に形成される。5′a,5″aは第1電極部、
5′b,5″bは第2電極部、6′,6″は担持された
白金属金属又は白金属金属の酸化物の担持層である。第
1実施例と異なるのは、チタン電極層3′又は酸化チタ
ン層4″の表層部に白金族金属または白金族金属の酸化
物である担持層6′,6″が形成されている点である。
【0043】以上のように構成された本発明の第2実施
例におけるインクジェットヘッドについて、以下その製
造方法を説明する。電極部形成以外は従来例と同様なの
で電極部の製造方法を説明する。
例におけるインクジェットヘッドについて、以下その製
造方法を説明する。電極部形成以外は従来例と同様なの
で電極部の製造方法を説明する。
【0044】フォトリソグラィー法によりパターニング
したチタン電極層3′,3″を形成するまでは従来例と
同一の工程である。次に、白金族金属の担持層6′,
6″の形成法を説明する。まず、白金属金属又は白金属
金属の酸化物の塗布工程として、精油のような還元剤を
少量含有した有機溶剤に白金族金属塩を混合した溶液を
回転塗布または浸漬することによりチタン電極層3′,
3″の表層部に白金族金属塩を付着させ、有機溶剤を除
去するために有機溶剤の沸点以上の温度で乾燥させる。
ここで、回転塗布の場合、回転数を調整することにより
担持させる白金族金属又は白金族金属の酸化物の膜厚を
制御することができる。次に、加熱分解処理工程とし
て、白金族金属塩を250〜600℃の温度範囲で大気
中の炉内で加熱分解処理を行うことにより、図3(a)
に示すように、チタン電極層3′の表層部に白金族金属
又は白金族金属の酸化物が担持された担持層6′が形成
される。また、300〜600℃の温度範囲で加熱分解
処理を行うことにより、図3(b)に示すように、同時
にチタン電極層3″の表層部に酸化チタン層4″が形成
される。それと同時に、酸化チタン層4″の上層部内に
白金族金属が担持された担持層6″が形成される。ま
た、白金族金属の酸化物の担持方法も白金族金属と同様
である。白金族金属の酸化物としては、白金族金属で酸
化物を形成しやすい、ルテニウム、パラジウムを用い、
加熱分解において実質的に白金族金属の酸化物が形成さ
れることになる。このように、250〜300℃の温度
範囲で加熱分解処理を行った場合、図3(a)に示すよ
うに、チタン電極層3′の表層部に白金族金属または白
金族金属の酸化物が担持された担持層6′が形成され
る。また、300〜600℃の温度範囲で加熱分解処理
を行った場合、図3(b)に示すように、チタン電極層
3″の表層部に酸化チタン層4″が同時に、酸化チタン
層4″の表層部に白金族金属または白金族金属の酸化物
が担持された担持層6″が形成されることになる。ここ
で、300℃付近の加熱分解処理では、酸化チタン層
4″は非常に薄く形成されることがあるが、この時、酸
化チタン層4″は生じていないと見なしている。
したチタン電極層3′,3″を形成するまでは従来例と
同一の工程である。次に、白金族金属の担持層6′,
6″の形成法を説明する。まず、白金属金属又は白金属
金属の酸化物の塗布工程として、精油のような還元剤を
少量含有した有機溶剤に白金族金属塩を混合した溶液を
回転塗布または浸漬することによりチタン電極層3′,
3″の表層部に白金族金属塩を付着させ、有機溶剤を除
去するために有機溶剤の沸点以上の温度で乾燥させる。
ここで、回転塗布の場合、回転数を調整することにより
担持させる白金族金属又は白金族金属の酸化物の膜厚を
制御することができる。次に、加熱分解処理工程とし
て、白金族金属塩を250〜600℃の温度範囲で大気
中の炉内で加熱分解処理を行うことにより、図3(a)
に示すように、チタン電極層3′の表層部に白金族金属
又は白金族金属の酸化物が担持された担持層6′が形成
される。また、300〜600℃の温度範囲で加熱分解
処理を行うことにより、図3(b)に示すように、同時
にチタン電極層3″の表層部に酸化チタン層4″が形成
される。それと同時に、酸化チタン層4″の上層部内に
白金族金属が担持された担持層6″が形成される。ま
た、白金族金属の酸化物の担持方法も白金族金属と同様
である。白金族金属の酸化物としては、白金族金属で酸
化物を形成しやすい、ルテニウム、パラジウムを用い、
加熱分解において実質的に白金族金属の酸化物が形成さ
れることになる。このように、250〜300℃の温度
範囲で加熱分解処理を行った場合、図3(a)に示すよ
うに、チタン電極層3′の表層部に白金族金属または白
金族金属の酸化物が担持された担持層6′が形成され
る。また、300〜600℃の温度範囲で加熱分解処理
を行った場合、図3(b)に示すように、チタン電極層
3″の表層部に酸化チタン層4″が同時に、酸化チタン
層4″の表層部に白金族金属または白金族金属の酸化物
が担持された担持層6″が形成されることになる。ここ
で、300℃付近の加熱分解処理では、酸化チタン層
4″は非常に薄く形成されることがあるが、この時、酸
化チタン層4″は生じていないと見なしている。
【0045】以上のように製造される本発明の一実施例
におけるインクジェットヘッドを用いたインクジェット
プリンタは、従来例のものと同様に動作する。
におけるインクジェットヘッドを用いたインクジェット
プリンタは、従来例のものと同様に動作する。
【0046】(実験例2)以上のように動作する本発明
の第2実施例におけるインクジェットヘッドを用いたイ
ンクジェットプリンタの耐久性試験を行った。耐久性試
験として、実験例1と同様に印字寿命回数の測定を行っ
た。
の第2実施例におけるインクジェットヘッドを用いたイ
ンクジェットプリンタの耐久性試験を行った。耐久性試
験として、実験例1と同様に印字寿命回数の測定を行っ
た。
【0047】スパッタリング時の真空圧力を3Pa、基
板温度を300℃の条件にて形成した厚さ2μmのチタ
ン電極層の表層部に白金族金属又は白金族金属の酸化物
を担持した電極部を用いたインクジェットヘッドを、担
持金属,加熱分解温度をパラメーターとして形成した。
白金族金属として白金,イリジウム,ロジウムを、白金
族金属の酸化物として酸化ルテニウム,酸化パラジウム
を使用した。
板温度を300℃の条件にて形成した厚さ2μmのチタ
ン電極層の表層部に白金族金属又は白金族金属の酸化物
を担持した電極部を用いたインクジェットヘッドを、担
持金属,加熱分解温度をパラメーターとして形成した。
白金族金属として白金,イリジウム,ロジウムを、白金
族金属の酸化物として酸化ルテニウム,酸化パラジウム
を使用した。
【0048】次に、白金を用いた場合の担持方法を以下
に示す。チタン電極層を形成後、塩化白金酸1g、還元
剤としてラベンダー油10cc、イソプロピルアルコー
ル50ccを混合した電極配線基板上に回転塗布を行っ
た。回転塗布条件は3000rpm,30秒間である。
この後、イソプロピルアルコールを気化させるために8
0℃の炉内で15分の加熱処理を行った。次に、加熱分
解温度を400℃の温度で加熱分解処理時間を15分と
して、図3(b)に示すようなチタン電極層の表面に酸
化チタン層と白金の担持層が形成された。ここで、チタ
ン電極層の厚さは2μmで酸化チタン層の厚さは0.2
μmであった。すなわち、酸化チタンの表層部に白金の
担持層が0.2μm程度の厚さで担持されている。その
他の白金族金属または白金族金属の酸化物の担持には、
上記形成方法と略同様であるが、塩化白金酸の代わり
に、ロジウムの担持には塩化ロジウムを1g、イリジウ
ムの担持には塩化イリジウムを1g、酸化ルテニウムの
担持には塩化ルテニウムを1g、酸化パラジウムの担持
には塩化パラジウムを1gを使用した。
に示す。チタン電極層を形成後、塩化白金酸1g、還元
剤としてラベンダー油10cc、イソプロピルアルコー
ル50ccを混合した電極配線基板上に回転塗布を行っ
た。回転塗布条件は3000rpm,30秒間である。
この後、イソプロピルアルコールを気化させるために8
0℃の炉内で15分の加熱処理を行った。次に、加熱分
解温度を400℃の温度で加熱分解処理時間を15分と
して、図3(b)に示すようなチタン電極層の表面に酸
化チタン層と白金の担持層が形成された。ここで、チタ
ン電極層の厚さは2μmで酸化チタン層の厚さは0.2
μmであった。すなわち、酸化チタンの表層部に白金の
担持層が0.2μm程度の厚さで担持されている。その
他の白金族金属または白金族金属の酸化物の担持には、
上記形成方法と略同様であるが、塩化白金酸の代わり
に、ロジウムの担持には塩化ロジウムを1g、イリジウ
ムの担持には塩化イリジウムを1g、酸化ルテニウムの
担持には塩化ルテニウムを1g、酸化パラジウムの担持
には塩化パラジウムを1gを使用した。
【0049】(比較例2)また、比較例として、白金を
担持し加熱分解温度を200,650℃の温度で、加熱
分解処理時間を15分としてチタン電極層を電極に用い
たインクジェットヘッドと、0.005μm以下または
0.5μm以上の厚さで白金を担持した電極を用いたイ
ンクジェットヘッドの印字寿命回数も同時に測定した。
ここで、担持する白金金属の膜厚は、回転塗布条件の回
転数により決定され、0.005μmの膜厚では回転数
が6000rpm,0.5μmの膜厚では回転数が18
00rpmとして膜厚制御を行った。
担持し加熱分解温度を200,650℃の温度で、加熱
分解処理時間を15分としてチタン電極層を電極に用い
たインクジェットヘッドと、0.005μm以下または
0.5μm以上の厚さで白金を担持した電極を用いたイ
ンクジェットヘッドの印字寿命回数も同時に測定した。
ここで、担持する白金金属の膜厚は、回転塗布条件の回
転数により決定され、0.005μmの膜厚では回転数
が6000rpm,0.5μmの膜厚では回転数が18
00rpmとして膜厚制御を行った。
【0050】更に、チタン電極層には担持処理を行わ
ず、500℃で15分間の熱処理のみを行い表面を酸化
した実施例1の電極部を用いた。印字寿命回数の定義や
印字条件は実施例1と略同様である。但し、実施例1で
は動作電圧が25Vであるが、低電圧動作の効果を調べ
るために実施例2では動作電圧を20Vとした。その結
果を(表2)に示す。
ず、500℃で15分間の熱処理のみを行い表面を酸化
した実施例1の電極部を用いた。印字寿命回数の定義や
印字条件は実施例1と略同様である。但し、実施例1で
は動作電圧が25Vであるが、低電圧動作の効果を調べ
るために実施例2では動作電圧を20Vとした。その結
果を(表2)に示す。
【0051】
【表2】
【0052】この(表2)から明らかなように、白金族
金属又は白金族金属の酸化物を担持した酸化チタン層を
表層部に有するチタン電極層を用いたインクジェットヘ
ッドの3億ドット以上の印字寿命回数を持ち、実施例1
のインクジェットヘッドより更に実用性に適する飛躍的
な結果を得ることができた。このように、加熱分解温度
や担持金属の厚さにかかわらずチタン電極層に白金族金
属又は白金族金属の酸化物を担持したインクジェットヘ
ッドは、印字寿命回数が延びたため、白金族金属又は白
金族金属の酸化物を担持を行うことの有効性を確認でき
た。
金属又は白金族金属の酸化物を担持した酸化チタン層を
表層部に有するチタン電極層を用いたインクジェットヘ
ッドの3億ドット以上の印字寿命回数を持ち、実施例1
のインクジェットヘッドより更に実用性に適する飛躍的
な結果を得ることができた。このように、加熱分解温度
や担持金属の厚さにかかわらずチタン電極層に白金族金
属又は白金族金属の酸化物を担持したインクジェットヘ
ッドは、印字寿命回数が延びたため、白金族金属又は白
金族金属の酸化物を担持を行うことの有効性を確認でき
た。
【0053】ここで、加熱分解における加熱分解温度は
特に限定されないが、大気中の炉内で250〜600℃
の温度範囲が用いられることが好ましいことが判った。
250℃未満、例えば200℃の加熱分解を行った場
合、チタン表面に形成される白金族金属または白金族金
属の酸化物の密着力が弱く、インクジェットヘッドとし
て動作した時、白金族金属または白金族金属の酸化物が
剥離しやすく、電極部の電気化学反応の抑制に大きな効
果は見られなかった。加熱分解温度が高いほど白金族金
属がチタン内部に拡散するため密着力が向上する傾向に
ある。しかし、600℃を超える温度で熱処理を行った
場合、白金族金属または白金族金属の酸化物が酸化チタ
ン層の表面上に凝集し粒成長しやすくなるため担持が行
われにくく、電極の電気化学反応の抑制には大きな効果
は見られなかった。
特に限定されないが、大気中の炉内で250〜600℃
の温度範囲が用いられることが好ましいことが判った。
250℃未満、例えば200℃の加熱分解を行った場
合、チタン表面に形成される白金族金属または白金族金
属の酸化物の密着力が弱く、インクジェットヘッドとし
て動作した時、白金族金属または白金族金属の酸化物が
剥離しやすく、電極部の電気化学反応の抑制に大きな効
果は見られなかった。加熱分解温度が高いほど白金族金
属がチタン内部に拡散するため密着力が向上する傾向に
ある。しかし、600℃を超える温度で熱処理を行った
場合、白金族金属または白金族金属の酸化物が酸化チタ
ン層の表面上に凝集し粒成長しやすくなるため担持が行
われにくく、電極の電気化学反応の抑制には大きな効果
は見られなかった。
【0054】次に、酸化チタン層の膜厚に関して述べ
る。酸化チタン層の表面上の白金族金属または白金族金
属の酸化物の担持は0.005〜0.5μmの厚さの範
囲で好適に用いられる。0.005μm未満の厚さでは
十分にチタン電極の表面上に白金族金属または白金族金
属の酸化物の担持することができず、電極の電気化学反
応の抑制には大きな効果は見られなかった。0.5μm
より大きい厚さではチタン表面上の白金族金属または白
金族金属の酸化物のみが電極として作用し、電極の電気
化学反応の抑制には大きな効果は見られなかった。
る。酸化チタン層の表面上の白金族金属または白金族金
属の酸化物の担持は0.005〜0.5μmの厚さの範
囲で好適に用いられる。0.005μm未満の厚さでは
十分にチタン電極の表面上に白金族金属または白金族金
属の酸化物の担持することができず、電極の電気化学反
応の抑制には大きな効果は見られなかった。0.5μm
より大きい厚さではチタン表面上の白金族金属または白
金族金属の酸化物のみが電極として作用し、電極の電気
化学反応の抑制には大きな効果は見られなかった。
【0055】このように、白金、ロジウム、イリジウム
等の金属、酸化ルテニウム、酸化パラジウム等の導電性
酸化物の担持層を酸化チタン電極の表層部に担持される
と異なった仕事関数の金属・半導体接触により粒子内に
電場勾配に生じ電子を価電子帯から伝導帯に上昇する電
荷分離効率が改善される。その結果、酸化チタン層のみ
と比較して低電圧で同一の電流をインク中に流すことが
できる。また、チタン電極層の表層部に形成された担持
層は、インクジェットヘッドが動作中にチタン電極層が
酸化しても、半導体である酸化チタンに作用して低い動
作電圧でも多くの電流を流すことができるので、導通不
良を防止できる。
等の金属、酸化ルテニウム、酸化パラジウム等の導電性
酸化物の担持層を酸化チタン電極の表層部に担持される
と異なった仕事関数の金属・半導体接触により粒子内に
電場勾配に生じ電子を価電子帯から伝導帯に上昇する電
荷分離効率が改善される。その結果、酸化チタン層のみ
と比較して低電圧で同一の電流をインク中に流すことが
できる。また、チタン電極層の表層部に形成された担持
層は、インクジェットヘッドが動作中にチタン電極層が
酸化しても、半導体である酸化チタンに作用して低い動
作電圧でも多くの電流を流すことができるので、導通不
良を防止できる。
【0056】また、実験例2では実験例1と同様に大気
雰囲気で加熱分解処理を行ったが、減圧雰囲気、加圧雰
囲気においても加熱時間等を調整すれば、白金族金属及
び白金族金属の酸化物の担持が可能である。従って、異
なった加熱分解真空度において白金族金属または白金族
金属の酸化物を担持した酸化チタン層を電極部に使用し
たインクジェットヘッドにおいても印字寿命を長くでき
る。従って、加熱分解圧力及び加熱分解時間を本発明を
限定しない。
雰囲気で加熱分解処理を行ったが、減圧雰囲気、加圧雰
囲気においても加熱時間等を調整すれば、白金族金属及
び白金族金属の酸化物の担持が可能である。従って、異
なった加熱分解真空度において白金族金属または白金族
金属の酸化物を担持した酸化チタン層を電極部に使用し
たインクジェットヘッドにおいても印字寿命を長くでき
る。従って、加熱分解圧力及び加熱分解時間を本発明を
限定しない。
【0057】また、実験例2では白金族金属または白金
族金属の酸化物の担持方法として白金族金属塩、還元剤
としてラベンダー油、有機溶剤としてイソプロピルアル
コールを混合した溶液を用いたが、白金族金属塩の代わ
りに白金族金属錯体、有機溶剤としてブタノール等の多
価アルコール、還元剤としてアニス油等の未飽和油を混
合した溶液を使用しても同等な担持が可能である。この
混合溶液を使用した白金族金属または白金族金属の酸化
物を担持した酸化チタン層を電極部に使用したインクジ
ェットヘッドにおいても印字寿命を長くすることができ
る。従って、白金族金属の酸化物の担持に使用した混合
液の種類は本発明を限定しない。
族金属の酸化物の担持方法として白金族金属塩、還元剤
としてラベンダー油、有機溶剤としてイソプロピルアル
コールを混合した溶液を用いたが、白金族金属塩の代わ
りに白金族金属錯体、有機溶剤としてブタノール等の多
価アルコール、還元剤としてアニス油等の未飽和油を混
合した溶液を使用しても同等な担持が可能である。この
混合溶液を使用した白金族金属または白金族金属の酸化
物を担持した酸化チタン層を電極部に使用したインクジ
ェットヘッドにおいても印字寿命を長くすることができ
る。従って、白金族金属の酸化物の担持に使用した混合
液の種類は本発明を限定しない。
【0058】以上のように本発明の第2実施例によれ
ば、第1実施例のチタン電極層又は酸化チタン層の表層
部に白金族金属や白金族金属の酸化物を担持させること
により、電荷分離効率が改善され、低電圧で電流を流す
ことができる。従って、インクジェットヘッドの動作電
圧を下げることができ、装置の小型化、省電力化を図る
ことができる。さらに、低電圧化により、電気化学反応
がさらに抑制され、電極部の寸法及び形状に変化が少な
く電気的に安定した信頼性の高いインクジェットヘッド
を実現できる。特に、白金族金属や白金族金属の酸化物
を塗布する塗布工程と、加熱処理温度の調整により酸化
チタン電極層とその表層部に担持層の形成を同時に行う
ことができる加熱分解処理工程により、歩留りの高い工
程が簡単なインクジェットヘッドの製造方法を実現でき
る。
ば、第1実施例のチタン電極層又は酸化チタン層の表層
部に白金族金属や白金族金属の酸化物を担持させること
により、電荷分離効率が改善され、低電圧で電流を流す
ことができる。従って、インクジェットヘッドの動作電
圧を下げることができ、装置の小型化、省電力化を図る
ことができる。さらに、低電圧化により、電気化学反応
がさらに抑制され、電極部の寸法及び形状に変化が少な
く電気的に安定した信頼性の高いインクジェットヘッド
を実現できる。特に、白金族金属や白金族金属の酸化物
を塗布する塗布工程と、加熱処理温度の調整により酸化
チタン電極層とその表層部に担持層の形成を同時に行う
ことができる加熱分解処理工程により、歩留りの高い工
程が簡単なインクジェットヘッドの製造方法を実現でき
る。
【0059】
【発明の効果】以上のように本発明は、チタン電極層の
表層部に0.01〜1μmの厚さで熱処理した酸化チタ
ン層を形成したため酸化チタンの安定な化学的性質と電
気的性質を利用することができ、電極部の酸化や溶解等
を抑制でき、印字寿命の長い実用性に優れたインクジェ
ットヘッドを実現できるものである。さらに、白金,イ
リジウムまたはロジウムなどの白金族金属、ルテニウム
酸化物やパラジウム酸化物などの白金族金属の酸化物を
酸化チタン層の表層部に担持することにより、電荷分離
効率が改善され低電圧でインクジェットヘッドが動作可
能となるため、酸化反応の生じない安定なインクジェッ
トヘッドを実現できるものである。また、チタン電極層
の表層部に形成された担持層は、インクジェットヘッド
が動作中にチタン電極層が酸化しても、半導体である酸
化チタンに作用して低い動作電圧でも多くの電流を流す
ことができるので、導通不良を防止でき、酸化反応を抑
制する安定なインクジェットヘッドを実現できるもので
ある。
表層部に0.01〜1μmの厚さで熱処理した酸化チタ
ン層を形成したため酸化チタンの安定な化学的性質と電
気的性質を利用することができ、電極部の酸化や溶解等
を抑制でき、印字寿命の長い実用性に優れたインクジェ
ットヘッドを実現できるものである。さらに、白金,イ
リジウムまたはロジウムなどの白金族金属、ルテニウム
酸化物やパラジウム酸化物などの白金族金属の酸化物を
酸化チタン層の表層部に担持することにより、電荷分離
効率が改善され低電圧でインクジェットヘッドが動作可
能となるため、酸化反応の生じない安定なインクジェッ
トヘッドを実現できるものである。また、チタン電極層
の表層部に形成された担持層は、インクジェットヘッド
が動作中にチタン電極層が酸化しても、半導体である酸
化チタンに作用して低い動作電圧でも多くの電流を流す
ことができるので、導通不良を防止でき、酸化反応を抑
制する安定なインクジェットヘッドを実現できるもので
ある。
【0060】また、熱酸化処理工程により均一で緻密な
酸化膜を容易に形成でき、歩留りの高いインクジェット
ヘッドの製造方法を実現できるものである。
酸化膜を容易に形成でき、歩留りの高いインクジェット
ヘッドの製造方法を実現できるものである。
【0061】また、白金族金属や白金族金属の酸化物を
塗布したのち、加熱分解処理によりチタン酸化電極層と
その内部に担持を同時に行うことができ、歩留りの高い
工程が簡単なインクジェットヘッドの製造方法を実現で
きるものである。
塗布したのち、加熱分解処理によりチタン酸化電極層と
その内部に担持を同時に行うことができ、歩留りの高い
工程が簡単なインクジェットヘッドの製造方法を実現で
きるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例におけるインクジェットヘ
ッドの一対の電極部を有する電極配線基板の断面模式図
ッドの一対の電極部を有する電極配線基板の断面模式図
【図2】(a)第1実施例のインクジェットヘッドにお
ける電極配線基板の前処理工程図 (b)第1実施例のインクジェットヘッドにおける電極
配線基板の電極形成工程図 (c)第1実施例のインクジェットヘッドにおける電極
配線基板の電極酸化形成工程図 (d)第1実施例のインクジェットヘッドにおける電極
配線基板のリード線形成工程図 (e)第1実施例のインクジェットヘッドにおける電極
配線基板の絶縁膜形成工程図
ける電極配線基板の前処理工程図 (b)第1実施例のインクジェットヘッドにおける電極
配線基板の電極形成工程図 (c)第1実施例のインクジェットヘッドにおける電極
配線基板の電極酸化形成工程図 (d)第1実施例のインクジェットヘッドにおける電極
配線基板のリード線形成工程図 (e)第1実施例のインクジェットヘッドにおける電極
配線基板の絶縁膜形成工程図
【図3】(a)第2実施例におけるインクジェットヘッ
ドのチタン電極層と担持層を有する一対の電極部の構造
を示す断面模式図 (b)第2実施例におけるインクジェットヘッドのチタ
ン電極層,酸化チタン層及び担持層を有する一対の電極
部の構造を示すの断面模式図
ドのチタン電極層と担持層を有する一対の電極部の構造
を示す断面模式図 (b)第2実施例におけるインクジェットヘッドのチタ
ン電極層,酸化チタン層及び担持層を有する一対の電極
部の構造を示すの断面模式図
【図4】従来のインクジェットヘッドを用いたインクジ
ェットプリンタの断面模式図
ェットプリンタの断面模式図
【図5】従来のインクジェットヘッドの一対の電極を有
する電極配線基板の断面模式図
する電極配線基板の断面模式図
【図6】(a)従来のインクジェットヘッドにおける電
極配線基板の前処理工程図 (b)電極配線基板の電極形成工程図 (c)電極配線基板のリード線形成工程図 (d)電極配線基板の絶縁層形成工程図
極配線基板の前処理工程図 (b)電極配線基板の電極形成工程図 (c)電極配線基板のリード線形成工程図 (d)電極配線基板の絶縁層形成工程図
【図7】(a)インクジェットヘッドにおけるノズル流
路基板の前処理工程図 (b)インクジェットヘッドにおけるノズル流路基板の
紫外線照射工程図 (c)インクジェットヘッドにおけるノズル流路基板の
エッチング処理工程図
路基板の前処理工程図 (b)インクジェットヘッドにおけるノズル流路基板の
紫外線照射工程図 (c)インクジェットヘッドにおけるノズル流路基板の
エッチング処理工程図
【図8】(a)電極配線基板とノズル流路基板の接着前
の斜視模式図 (b)電極配線基板とノズル流路基板の接着後の斜視模
式図
の斜視模式図 (b)電極配線基板とノズル流路基板の接着後の斜視模
式図
【図9】(a)インクジェットプリンタの交流電圧印加
前を示す動作状態図 (b)交流電圧印加後のインクの気泡発生を示す動作状
態図 (c)交流電圧印加後のインク滴の吐出を示す動作状態
図 (d)交流電圧停止後のインクの気泡消滅を示す動作状
態図 (e)交流電圧停止後のインクの充填を示す動作状態図
前を示す動作状態図 (b)交流電圧印加後のインクの気泡発生を示す動作状
態図 (c)交流電圧印加後のインク滴の吐出を示す動作状態
図 (d)交流電圧停止後のインクの気泡消滅を示す動作状
態図 (e)交流電圧停止後のインクの充填を示す動作状態図
1,1′,1″,21 電極配線基板 2 ガラス基板 3,3′,3″、23 チタン電極層 4,4″ 酸化チタン層 5a 第1電極部 5b 第2電極部 5′a,5″a 第1電極部 5′b,5″b 第2電極部 25a 第1電極部 25b 第2電極部 6′,6″ 担持層 7 リード線部 8 絶縁層 9 ノズル流路基板 10 インク流路 11 導電性インク 12 ノズル孔 13 電源部 14 スイッチ 15 印字用紙 16 感光性ガラス 17 結晶化部 18 非結晶化部 19 気泡 20 インク滴
Claims (7)
- 【請求項1】ノズル孔及びインク流路を有するインク流
路基板と電極部を有する電極配線基板とを備え、前記電
極部を用いてインクに通電して前記インクに気泡を発生
させ、前記気泡の圧力エネルギーによって前記インクを
前記ノズル孔から吐出させるインクジェットヘッドであ
って、前記電極部がチタン電極層と、少なくとも前記イ
ンクと接する前記チタン電極層の表層部に、0.01〜
1μmの厚さの酸化チタン層と、を有することを特徴と
するインクジェットヘッド。 - 【請求項2】少なくとも前記インクと接する側の前記酸
化チタン層の表層部に0.005〜0.5μmの厚さの
白金族金属又は白金族金属の酸化物が担持されているこ
とを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッ
ド。 - 【請求項3】ノズル孔及びインク流路を有するインク流
路基板と電極部を有する電極配線基板とを備え、前記電
極部を用いてインクに通電して前記インクに気泡を発生
させ、前記気泡の圧力エネルギーによって前記インクを
前記ノズル孔から吐出させるインクジェットヘッドであ
って、前記電極部がチタン電極層を有し、少なくとも前
記インクと接する前記チタン電極層の表層部に、0.0
05〜0.5μmの厚さの白金族金属または白金族金属
の酸化物が担持されていることを特徴とするインクジェ
ットヘッド。 - 【請求項4】前記白金族金属として、白金,ロジウム又
はイリジウムを用いたことを特徴とする請求項2又は3
の内いずれか1に記載のインクジェットヘッド。 - 【請求項5】前記白金族金属の酸化物として、酸化パラ
ジウム又は酸化ルテニウムを用いたことを特徴とする請
求項2又は3の内いずれか1に記載のインクジェットヘ
ッド。 - 【請求項6】絶縁性基板上に電極部を形成する電極形成
工程を備えたインクジェットヘッドの製造方法であっ
て、前記電極形成工程がチタン電極層形成工程と、前記
チタン電極層形成工程で形成されたチタン電極層を30
0〜800℃の温度で熱処理し前記チタン電極層の表層
部に酸化チタン層を形成する熱酸化処理工程と、を有す
ることを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。 - 【請求項7】絶縁性基板上に電極部を形成する電極形成
工程を備えたインクジェットヘッドの製造方法であっ
て、前記電極形成工程がチタン電極層形成工程と、前記
チタン電極形成工程で形成されたチタン電極層に白金族
金属又は白金族金属の酸化物を含む溶液を皮膜する塗布
工程と、250〜600℃の温度で前記白金族金属又は
前記白金族金属の酸化物を加熱分解する加熱分解処理工
程と、を有することを特徴とするインクジェットヘッド
の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7003260A JPH08187858A (ja) | 1995-01-12 | 1995-01-12 | インクジェットヘッド及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7003260A JPH08187858A (ja) | 1995-01-12 | 1995-01-12 | インクジェットヘッド及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08187858A true JPH08187858A (ja) | 1996-07-23 |
Family
ID=11552508
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7003260A Pending JPH08187858A (ja) | 1995-01-12 | 1995-01-12 | インクジェットヘッド及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08187858A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1090763A3 (en) * | 1999-10-05 | 2001-08-29 | Canon Kabushiki Kaisha | Ink jet recording head substrate, ink jet recording head, ink jet recording unit, and ink jet recording apparatus |
-
1995
- 1995-01-12 JP JP7003260A patent/JPH08187858A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1090763A3 (en) * | 1999-10-05 | 2001-08-29 | Canon Kabushiki Kaisha | Ink jet recording head substrate, ink jet recording head, ink jet recording unit, and ink jet recording apparatus |
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