JPH08188599A - IgY抗体の分離精製方法 - Google Patents

IgY抗体の分離精製方法

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JPH08188599A
JPH08188599A JP1638895A JP1638895A JPH08188599A JP H08188599 A JPH08188599 A JP H08188599A JP 1638895 A JP1638895 A JP 1638895A JP 1638895 A JP1638895 A JP 1638895A JP H08188599 A JPH08188599 A JP H08188599A
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column
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separation
egg yolk
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JP1638895A
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Mitoshi Kunimatsu
己歳 国松
Minoru Sasaki
實 佐々木
Osamu Takagi
修 高木
Noriyuki Yamamoto
則幸 山本
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Toagosei Co Ltd
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Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】卵黄からIgY抗体を穏和な条件下で簡便に分
離精製することができ、工業的規模で実施可能な方法を
提供する。 【構成】カラム液体クロマトグラフィーにより卵黄から
IgY抗体を分離精製するに際して、六角柱状又は針状
のヒドロキシアパタイトからなり且つ細孔容積が1〜5
ml/gであるヒドロキシアパタイト凝集体を充填したカラ
ムに、リポタンパク質を除去した卵黄成分を通す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、免疫抗原と特異的に反
応するIgY抗体を含む卵黄から、抗原特異性を有する
IgY抗体を、穏和な条件下で簡便に分離精製する方法
に関する。
【0002】
【従来技術】抗原で免疫したニワトリの卵黄から得られ
るIgG抗体は、マウスやラット等の他の哺乳類血清中
のIgGと区別するため、一般にIgY抗体と呼ばれて
いる。IgY抗体は、他の動物血清中に存在するIgG
に比較して、通常、卵黄中に高濃度に存在することや、
鶏卵が比較的安価に且つ大量に入手できることなどか
ら、医薬及び臨床検査などの分野で注目されている。従
来の分離精製方法は、例えばクロロホルム−塩析法や有
機溶媒による方法(免疫化学的同定法 第3版 p.89
東京化学同人)などがあるが、IgY抗体を免疫学的研
究或いは臨床検査に応用するには、数種類の吸着及び分
離操作を施さなければならず、何れの方法も非常に手間
がかかり、工業的規模で実施できる簡便な方法とは言え
ない。
【0003】また、最近発表されたIgY抗体の分離方
法として、卵黄からリポタンパク質を除去して得られる
卵黄成分について、硫酸ナトリウムを用いた塩析分離と
透析を繰り返し、イオン交換樹脂で分離する方法(アク゛リ
カルチャー ハ゛イオロシ゛カルケミストリー vol.54,NO.10,2531〜2535,199
0, 山本武彦等)等があるが、操作が複雑でやはり工業
的規模で実施できる簡便な方法とは言えない。一方、プ
ロテインAなどをセファロースに結合させたアフィニテ
ィゲルを用いるアフィニティクロマト分離法は、IgY
抗体以外の抗体については優れた分離精製方法として注
目されているが、IgY抗体がプロテインAに吸着しな
いため、IgY抗体の分離には適用できない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、卵黄からI
gY抗体を穏和な条件下で簡便に分離精製することがで
き、工業的規模で実施可能な方法を提供するものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、IgY抗
体の分離精製法を種々検討した結果、特定のヒドロキシ
アパタイト凝集体をカラム充填剤とするカラム液体クロ
マトグラフィーが、簡便な方法であり且つ高い分離性能
を発揮する優れた分離精製方法であることを見出し、本
発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明はカラム液体クロマトグラフ
ィーにより卵黄からIgY抗体を分離精製するに際し
て、六角柱状又は針状のヒドロキシアパタイトからなり
且つ細孔容積が1〜5ml/gであるヒドロキシアパタイト
凝集体を充填したカラムに、リポタンパク質を除去した
卵黄成分を通すことを特徴とするIgY抗体の分離精製
方法である。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。 ○IgY抗体 本発明において分離精製の対象となるIgY抗体は、抗
原で免疫した鶏の卵黄からイムノグロブリンとして得ら
れるものである。鶏を免疫する抗原には特に制限はな
く、例えばエイズウイルス、肝炎ウイルス及び腫瘍マー
カー等がある。
【0008】○ヒドロキシアパタイト凝集体 本発明におけるカラム充填剤は、六角柱状又は針状のヒ
ドロキシアパタイトからなり且つ細孔容積が1〜5ml/g
であるヒドロキシアパタイト凝集体である。この凝集体
は特に通液性能に優れているので、工業的規模で分離精
製するのに適している。
【0009】上記凝集体の好ましい製造方法は、特公平
6-24963 号公報に記載されており、具体的には六角柱状
または針状のモネタイトと水酸化カリウム及び/又は水
酸化リチウムを加熱下に反応させる製造方法である。以
下に、更に具体的にヒドロキシアパタイト凝集体の好ま
しい製造方法について説明する。
【0010】<モネタイトの製造方法>ヒドロキシアパ
タイトの出発原料であるモネタイトの好ましい製造方法
としては、燐酸2ナトリウム又は燐酸2カリウムと塩化
カルシウムを、ブラッシャイトの脱水転移温度以上の高
温で混合撹拌して合成する方法がある。
【0011】ヒドロキシアパタイト〔Ca10(PO4)6(OH)2
〕はCa/Pのモル比が1.67であり、かつモネタイト
からヒドロキシアパタイトを得る反応は下式(1) のとお
りであるところから、モネタイトの原料であるカルシウ
ム化合物中のCaとリン化合物中のPのモル比は0.9〜
1.1の範囲にあることが好ましい。 10CaHPO4 → Ca10(PO4)6(OH)2 +4H3PO4 (1) この範囲からずれて製造されたモネタイトを用いて製造
されたヒドロキシアパタイトは、Ca/Pのモル比が1.6
7よりずれ、純粋なヒドロキシアパタイト以外に副生物
が生成し、その性能が低下するおそれがある。
【0012】モネタイトの原料であるカルシウム化合物
とリン化合物は水溶液として供給されるが、その際の濃
度は、各々0.05〜2.0モル/l の範囲が好まし
く、更に好ましくは0.1〜1.0/l である。2.0
モル/l を超えると、モネタイト中に燐酸3カルシウム
等の副生物が混在し、最終的にヒドロキシアパタイトの
純度が落ち、引いては分離用充填剤としての吸着量が減
少する。一方、0.05モル/l 未満では、得られるヒ
ドロキシアパタイトの粒径が細かくなり、通液性能が悪
くなるおそれがある。この濃度範囲では、濃度が高い
程、生成する粒子の粒径が大きくなり通液性能が向上
し、濃度が薄い程、吸着性能が向上する傾向を示し、用
途によって濃度を選べばよい。
【0013】モネタイトを得るためのカルシウム化合物
とリン化合物との反応は、ブラッシャイトの脱水転移温
度である75℃以上で行うことが望ましく、より望まし
い反応温度は90℃以上、特に望ましくは95℃以上で
ある。90℃未満では、一部未反応なブラッシャイトが
残り純粋なモネタイトが得にくく、また100℃を超え
る場合には水の急激な沸騰が起こり、モネタイトの凝集
化が進み難く、微小粒子が生成し易い。しかし、100
℃を超える場合でも、例えば加圧等により沸騰を防ぐ場
合はこの限りではない。
【0014】<モネタイトとアルカリとの反応>上記の
ようにして得たモネタイトと水酸化カリウム及び/又は
水酸化リチウムを加熱下に反応させることで、目的とす
るヒドロキシアパタイト凝集体を得ることができる。具
体的にはモネタイトを存在させた熱水中に水酸化カリウ
ム及び/又は水酸化リチウムの水溶液を滴下する方法、
或いは加熱した該アルカリ水溶液中にモネタイトを添加
してヒドロキシアパタイト凝集体を得る方法がある。反
応温度は、前記のモネタイトの反応と同様に、ブラッシ
ャイトの転移温度以上であることが好ましく、より好ま
しくは90〜100℃の範囲である。転移温度未満で
は、得られるヒドロキシアパタイト凝集体の粒径が小さ
くなる恐れがある。
【0015】水溶液として用いる水酸化カリウム及び/
又は水酸化リチウムの濃度に特に制限はないが、濃度が
低い程、大粒径のヒドロキシアパタイト凝集体を形成す
る。しかし、極端に薄い場合には生産効率が悪くなり実
用的ではない。具体的には、モネタイトを存在させた熱
水中に水酸化カリウム及び/又は水酸化リチウムの水溶
液を添加させる場合、その濃度は、0.1〜5モル/l
の範囲が好ましく、更に好ましくは0.2〜2モル/l
の範囲である。
【0016】水酸化カリウム及び/又は水酸化リチウム
の使用量は、モネタイト1モルに対して、0.4モル/
l以上が好ましく、更に高純度のヒドロキシアパタイト
を得るには、0.6モル/l以上とすることが好まし
い。上記アルカリの使用量の上限は特にないが、あまり
多いと、得られるヒドロキシアパタイトの水洗に手間が
かかり効率的ではなく、好ましくはモネタイト1モルに
対して1モル以下である。
【0017】○前処理 本発明において、卵黄からIgY抗体を分離精製するに
際して、カラム充填層に卵黄を負荷する前に、予め卵黄
に対して以下の前処理を行う。
【0018】<卵白の分離>卵黄を卵白と分離した後
に、卵黄を純水で綺麗に洗浄する。
【0019】<卵黄からのリポタンパク質の除去>卵黄
からリポタンパク質を除去する。既に知られた好ましい
除去方法として、例えばカラギーナンを添加して遠心沈
降させる脱脂質方法(アグリカルチャーバイオロジカル
ケミストリー vol.54,NO.10,2531〜2535,1990, 山本武
彦等)や冷アセトンを添加する方法、その他純水を卵黄
の8倍程度以上に添加し遠心沈降により沈澱除去する方
法などがあり、本発明においていずれの方法でも良い。
【0020】○カラム液体クロマトグラフィー 本発明におけるカラム液体クロマトグラフィーは、通常
の方法に従って行えばよく、先ず前記のヒドロキシアパ
タイト凝集体を溶離液中に分散させ、スラリー状態でカ
ラムに充填する。次に、通常、以下の4工程を実施す
る。
【0021】<カラムの平衡化>溶出開始緩衝液をカラ
ム体積の約3倍以上流し、カラムの中を平衡化する。
【0022】<試料の吸着>分離精製したい試料を溶出
開始緩衝液に分散又は溶解させて、pHが大きく変化せ
ず、沈澱などがないことを確認してから、これをカラム
に注入してヒドロキシアパタイト凝集体からなるカラム
充填材に吸着させる。試料を吸着させた後は、カラムの
平衡化と同様にカラム体積の約3倍以上の溶出開始緩衝
液を流し、ヒドロキシアパタイト凝集体に吸着していな
い部分を流し出す。好ましい溶出開始緩衝液としては、
1〜10mM程度の燐酸ナトリウム緩衝液(pH5〜1
0)及び燐酸カリウム緩衝液等の燐酸塩系緩衝液があ
り、その他上記の緩衝液に塩化ナトリウムを添加したも
のがあり、これらの緩衝液を各々単独で又は併用して用
いることができる。
【0023】<溶出>上記のようにして吸着させた試料
を、溶出液の通液により溶出させる。溶出液は、溶出開
始緩衝液と同様に、種々の燐酸塩系緩衝液及びこれに塩
を添加させたものがあるが、多くの場合、溶出開始緩衝
液よりも濃度が高いか、或いはpHを変化させるなど、
分離精製したい成分が溶出し易い条件を選ぶ。特に好ま
しい溶出液は、300〜500mM燐酸ナトリウム緩衝
液(pH5〜10)である。溶出に際して、試料中の種
々の成分を分離して溶出させるために、溶出開始緩衝液
とこれより燐酸塩濃度の高い溶出原液の2液を混合し、
その混合比率を変化させながら溶出液を通液する。代表
的な溶出方法としては、連続的に2液の配分を変化させ
るリニアグラジエント法と、段階的に変化させるステッ
プワイズ法があり、本発明においていずれの方法でも良
い。
【0024】<再生>こうして、分離精製の対象とした
成分を溶出させた後、なるべく濃度の高い緩衝液〔例え
ば500mM燐酸ナトリウム緩衝液(pH6.8)〕で
全ての成分を溶出させた後に、溶出開始緩衝液で再び平
衡化しておく。
【0025】本発明の方法により得られる抗体は、抗体
を用いる生体成分及び細胞に関する検出や測定全般に用
いることができ、例えばエンザイムイムノアッセイ(E
IA)法及び臨床診断薬などの用途がある。更に、免疫
組織化学、免疫細胞化学の分野おいて、蛍光標識抗体を
用いるフローサイトメトリー及び組織や細胞の免疫染色
等の幅広い用途がある。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳しく説明
する。先ず、以下のようにして、IgY抗体を含有する
鶏卵を得た。
【0027】試料の作成 ニワトリに3種類の抗原を約2週間毎に各々3回免疫
し、3回目の免疫から1週間後の鶏卵を試料とした。
【0028】IgY抗体の確認 上記で得た鶏卵より分離した卵黄に対して、従来法であ
るカラギーナンによる脱脂質法を施した試料(イ)、前
記試料(イ)に対してNa2 SO4 塩析処理を施した試
料(ロ)、及び前記試料(ロ)に対してDEAE(セフ
ァロースゲル)イオン交換処理を施した試料(ハ)の3
種について、還元剤(β−ME)存在下にドデシル硫酸
ナトリウムゲル電気泳動法(SDS−PAGE)を行っ
た(図1)。その結果、試料(イ)では多数の分離帯が
認められたが、試料(ロ)及び(ハ)ではIgY抗体の
分離帯が1本認められた。このように試料(ハ)におい
ては、試料(ロ)に比較して、分離帯の形が殆ど変化し
ていないので、試料(ロ)において、既に比較的高純度
に精製されているように見える。上記試料(イ)、
(ロ)及び(ハ)において認められた各分離帯の成分に
ついて、酵素免疫測定法(EIA法)〔イングバ−ル
ら、「イムノケミストリー」、8巻、871ヘ゜ーシ゛(1971
年) 〕を用いて抗体活性を測定した結果、何れも活性が
認められたことから、上記試料(イ)、(ロ)及び
(ハ)において認められた各分離帯の成分はIgY抗体
を含有していることが確認された。
【0029】次に、上記のようにして得た試料(イ)、
(ロ)及び(ハ)の3種について、針状のヒドロキシア
パタイトからなり、細孔容積が2.4ml/gであるヒドロ
キシアパタイト凝集体を用いて、以下のように液体クロ
マトグラフィーを行った。
【実施例1】 <試料(イ)からの分離精製>先ず、100mMのNa
Clを含み、pH値が6.8である10mM燐酸ナトリ
ウム緩衝液(以下A液と呼ぶ)にヒドロキシアパタイト
凝集体を分散し、これをスラリー状態にして、内径26
mmのポリエチレン製カラムに、ベッドボリュームが10
mlとなるように充填してカラムを調製した。
【0030】上記のようにしてヒドロキシアパタイト凝
集体を充填したカラムをA液で平衡化した後、このカラ
ムに総タンパク質で5mgの試料(イ)を負荷した。
【0031】溶出は、上記A液と100mMのNaCl
を含み、pH値が6.8である500mM燐酸ナトリウム
緩衝液(以下B液と呼ぶ)の2種類の溶液を混合して行
った。即ち、A液とB液を混合して、燐酸ナトリウム緩
衝液濃度を、10,20,50,100,200,30
0及び500mMと段階的に上げていった(ステップワ
イズ法)。なお、通液速度を2.5ml/分として、フラ
クションコレクターにより試験管1本当たり5mlずつ溶
出液を回収した。
【0032】上記のようにして得た各フラクションにつ
いて、蛋白質の濃度及びIgY抗体の活性を測定し、そ
れらの結果を各々図2及び図3に示した。
【0033】図2は、280nmでの吸光度により示し
た各フラクションの蛋白質濃度である。図3は、酵素免
疫測定法(EIA法)により測定し、405nmでの吸光
度により示した各フラクションのIgY抗体活性であ
り、鶏卵の免疫に用いた3種類の抗原(A,B及びC)
に対する抗体活性を示している。これらの結果におい
て、フラクションNo.10 〜40及びNo.125〜135 において
蛋白質濃度が低いのにもかかわらず、強いIgY抗体活
性を示し、フラクションNo.10 〜40、No.100 〜110 及
びNo.125 〜135 の各々のピークにおいて3種類の抗原
に対する抗体活性の強さが異なっている。このことは、
リポタンパク質を除去しただけの卵黄成分をヒドロキシ
アパタイト凝集体を充填したカラムに通し、免疫に用い
たある特定の抗原に対する抗体活性が高いフラクション
を分取すれば、その抗原に対する特異性を有するIgY
抗体を高純度で分離し得ることを示している。
【0034】
【実施例2】 <試料(ロ)からの分離精製>先ず、pH値が6.8で
ある1mM燐酸ナトリウム緩衝液(以下C液と呼ぶ)に
ヒドロキシアパタイト凝集体を分散し、これをスラリー
状態にして内径16mmのポリエチレン製カラムにベッド
ボリュームが6.0mlになるように充填してカラムを調
製した。上記のようにしてヒドロキシアパタイト凝集体
を充填したカラムをC液で平衡化した後、このカラムに
総タンパク質で5mgの試料(ロ)を負荷した。溶出は、
A液と、pH値が6.8である300mM燐酸ナトリウム
緩衝液(D液とする。)の2種類の溶液を混合して行っ
た。即ち、A液とB液を混合して燐酸ナトリウム緩衝液
濃度を1,15,30,45,60及び300mMと段
階的に上げていった(ステップワイズ法)。なお、通液
速度を2.0ml/分とし、フラクションコレクターによ
り試験管1本当たり4mlずつ溶出液を回収した。
【0035】上記のようにして得た各フラクションにつ
いて、実施例1と同様にして、蛋白質濃度及びIgY抗
体の活性を測定した。その結果を図4及び図5に示し
た。
【0036】試料(ロ)は、図1に示したように、SD
S−PAGE(還元剤存在下)による分離では、IgY
抗体のH鎖、L鎖のそれぞれ一本のバンドが示された
が、本発明の分離方法を用いると、図5に示したよう
に、6つの抗体活性の認められるピークに分離された。
図5中の最初のピーク(フラクションNo.1〜10)は、オ
ーバーチャージ(ヒドロキシアパタイト凝集体の吸着容
量を越えたサンプルの負荷による素通り画分)とも考え
られるが、フラクションNo.30 以降のピークは、タンパ
ク質濃度が低いにもかかわらず、強いIgY抗体活性を
示した。また各々のピークにおける3種類の抗原に対す
る活性の強さが違うことが分かった。以上のことから、
リポタンパク質を除去した後、Na2 SO4 塩析処理を
施した卵黄成分を、ヒドロキシアパタイト凝集体を充填
したカラムに通すことにより、リポタンパク質を除去し
ただけの場合に比較して、IgYを更に精製できること
が判る。
【0037】
【実施例3】 <試料(ハ)からの分離精製>ヒドロキシアパタイト凝
集体をA液に分散し、これをスラリー状態にして内径2
6mmのポリエチレン製カラムに、ベッドボリューム10
mlとなるように充填した。
【0038】上記のようにしてヒドロキシアパタイト凝
集体を充填したカラムをC液で平衡化した後、このカラ
ムに総タンパク質で1mgの試料(ハ)を負荷した。溶出
はA液とB液の2種類の溶液を所定量混合して行った。
即ち、B液の濃度を調節することにより燐酸ナトリウム
緩衝液濃度を10,20,50,100,200,30
0,500mMと段階的に上げていった(ステップワイ
ズ法)。なお、通液速度を2.0ml/分とし、フラクシ
ョンコレクターにより試験管1本当たり4mlずつ溶出液
を回収した。
【0039】上記のようにして得た各フラクションにつ
いて、実施例1と同様にして、蛋白質の濃度及びIgY
抗体の活性を測定した。タンパク質濃度の測定結果は図
6に、そして3種類の抗原(A,B,C)を用いて免疫
したニワトリの卵のIgY抗体活性は図7に示した。
【0040】試料(ハ)において、図1に示したよう
に、SDS−PAGE(還元剤存在下)による分離で
は、分離帯はH鎖とL鎖は各1本であったが、本発明の
分離精製方法を用いると、3つの抗体活性の認められる
ピークに分離された(図6,7)。また、各々のピーク
は3種類の抗原に対する活性の強さが違うことから、D
EAEでは識別されなかった抗体活性の違いを、ヒドロ
キシアパタイト凝集体では識別して分離・精製し得るこ
とが判る。以上のことから、ヒドロキシアパタイト凝集
体による分離は、IgY抗体の分離精製能において、D
EAEイオン交換処理より優れた分別手法であることが
判る。
【0041】比較のため、免疫をしていない卵黄試料に
ついて、試料(ロ)と同様にNa2SO4 塩析処理を施
し、ヒドロキシアパタイト凝集体による分離を試み(図
8及び図9)、また図10及び図11には試料(ロ)に
ついてのDEAEによる分離結果を示した。図6と図7
の結果と図8と図9の結果を比較することにより、ヒド
ロキシアパタイト凝集体による分離ではIgY抗体をよ
り精密に分離することができることがわかる。また、図
4と図5の結果と図8と図9の結果を比較することによ
り、図5に示した6本のピークは、免疫により形成され
たIgY抗体の抗体活性(抗原特異性)に基づくもので
あることがわかる。
【0042】
【発明の効果】本発明の方法によれば、穏和な条件下で
従来よりも簡便に、抗原特異性を有するIgY抗体を得
ることができる。しかも、Na2 SO4 塩析処理したサ
ンプルや更にDEAEセルロースで処理したサンプルを
3種の抗原で免疫した鶏卵において、抗体活性の異なる
少なくとも2分画以上に分けることができることから、
本発明の方法は、従来の分離方法より優れた分離精製能
を有している。また、これは抗ペプチドIgY抗体に限
定されるものでなく、抗体を抗原決定基の特異性により
分離することが可能であることを示唆している。
【0043】抗原特異性を有する抗体を得る従来の方法
は、動物に抗原を免疫し、血清から目的とする抗体を分
離精製するものであった。ニワトリの卵の採取は、血清
の採取と比較して、簡便であり、動物愛護の見地からも
好ましい。本発明は、穏和な条件下で簡便に工業的規模
でニワトリ卵黄から抗体を分離精製する方法として有用
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】SDS−PAGEによる電気泳動写真である。
【図2】ヒドロキシアパタイトにより、カラギーナンで
処理した免疫卵黄を分離した結果であり、細線は蛋白質
の濃度を示し、太線は燐酸緩衝液の濃度を示す(以下、
図3〜図11において同じ)。
【図3】ヒドロキシアパタイトにより、カラギーナンで
処理した免疫卵黄を分離した結果であり、細線は抗体活
性を示す。
【図4】ヒドロキシアパタイトにより、硫酸ナトリウム
塩で処理した免疫卵黄を分離した結果であり、細線は蛋
白質の濃度を示す。
【図5】ヒドロキシアパタイトにより、硫酸ナトリウム
塩で処理した免疫卵黄を分離した結果であり、細線は抗
体活性を示す。
【図6】ヒドロキシアパタイトにより、DEAEで精製
したIgYを分離した結果であり、細線は蛋白質の濃度
を示す。
【図7】ヒドロキシアパタイトにより、DEAEで精製
したIgYを分離した結果であり、細線は抗体活性を示
す。
【図8】ヒドロキシアパタイトにより、硫酸ナトリウム
塩で処理した非免疫卵黄を分離した結果であり、細線は
蛋白質の濃度を示す。
【図9】ヒドロキシアパタイトにより、硫酸ナトリウム
塩で処理した非免疫卵黄を分離した結果であり、細線は
抗体活性を示す。
【図10】DEAEにより、硫酸ナトリウム塩で処理し
た免疫卵黄を分離した結果であり、細線は蛋白質の濃度
を示す。
【図11】DEAEにより、硫酸ナトリウム塩で処理し
た免疫卵黄を分離した結果であり、細線は抗体活性を示
す。
フロントページの続き (72)発明者 山本 則幸 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東 亞合成株式会社名古屋総合研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カラム液体クロマトグラフィーにより卵黄
    からIgY抗体を分離精製するに際して、六角柱状又は
    針状のヒドロキシアパタイトからなり且つ細孔容積が1
    〜5ml/gであるヒドロキシアパタイト凝集体を充填した
    カラムに、リポタンパク質を除去した卵黄成分を通すこ
    とを特徴とするIgY抗体の分離精製方法。
JP1638895A 1995-01-09 1995-01-09 IgY抗体の分離精製方法 Pending JPH08188599A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005063818A1 (en) * 2003-12-31 2005-07-14 Council Of Scientific And Industrial Research A process for preparing egg yolk antibodies
US7122641B2 (en) 2001-12-21 2006-10-17 Immunex Corporation Methods for purifying protein
US7393631B2 (en) 2000-11-29 2008-07-01 Schering Corporation Method for purifying adenoviruses

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