JPH0818886B2 - 多孔質炭化ケイ素質材料の製造法 - Google Patents

多孔質炭化ケイ素質材料の製造法

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JPH0818886B2
JPH0818886B2 JP61138351A JP13835186A JPH0818886B2 JP H0818886 B2 JPH0818886 B2 JP H0818886B2 JP 61138351 A JP61138351 A JP 61138351A JP 13835186 A JP13835186 A JP 13835186A JP H0818886 B2 JPH0818886 B2 JP H0818886B2
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晴裕 長田
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、多孔質の炭化ケイ素質セラミックス材料を
製造する方法に関するものである。
従来の技術 炭化ケイ素質材料は、硬度、耐熱性、耐食性等にすぐ
れた材料として近年注目されており、摺動材料、高温用
機械材料など、多くの分野で利用されるようになった。
しかしながら、この炭化ケイ素質材料を多孔質のものに
して利用することはあまり行われていない。多孔質炭化
ケイ素質材料は、高温または腐食性の流体を処理するフ
ィルター等に使用すればすぐれた性能を示すことが期待
されるが、従来提供された多孔質炭化ケイ素質材料とし
ては炭化ケイ素質発熱体や炭化ケイ素質レンガなどがあ
るに過ぎない。そしてこれらは、粘土微粒子等のガラス
質物質を結合剤として炭化ケイ素粒子を成形したもので
あるから、耐熱性や耐食性が結合剤部分のそれにより支
配されてしまい、炭化ケイ素本来の特長を十分に発揮し
得るものではなかった。ガラス質の結合剤を用いない製
法、たとえば炭化ケイ素粒子を焼結させる方法により多
孔質材料を製造することができればよりすぐれた物性の
ものとなることは明らかであるが、そのような製法はま
だ確立されていない。
発明が解決しようとする問題点 したがって本発明の目的は、上記従来品のような欠点
のない多孔質材料を得るための、ガラス質結合剤を用い
ない方法による多孔質炭化ケイ素質材料の製造法を提供
することにある。
問題点を解決するための手段 上記目的を達成することに成功した本発明による多孔
質炭化ケイ素質材料の製造法には、平均粒子径50〜300
μmの炭化ケイ素粒子の表面に炭化物換算量で3〜15重
量%の炭化性有機物をコーティングし、コーティングさ
れた炭化ケイ素粒子からなる粉末を後記有機物炭化処理
後の成形体かさ密度が1.7〜2.1g/cm3になるような条件
で成形し、得られた成形体を非酸化性雰囲気で焼成して
成形体中の炭化性有機物を炭化させ、次いで処理後の成
形体を1450℃以上で溶融ケイ素と接触させて該ケイ素を
成形体中に浸透させることにより成形体中の有機物炭化
物をケイ素と反応させ炭化ケイ素に変換することを特徴
とするものである。
以下、上記本発明の製法について詳述する。
平均粒子径50〜300μmの炭化ケイ素粒子は研削材と
して市販されており、本発明の製法における原料の炭化
ケイ素としてはこれをそのまま用いることができる。一
般に、炭化ケイ素の粒子径が大きいほど製品の気孔径が
大きくなるから、所望の製品気孔径に応じて、用いる炭
化ケイ素の粒子径を適宜選定する。なお平均粒子径が50
μmよりも小さいと、ケイ素溶浸処理を行う成形体にお
ける炭化ケイ素粒子間の空隙が小さくなり過ぎてここが
ケイ素により埋めつくされ易く、必要な気孔を確保でき
なくなる。また反対に粒子径が300μmをこえると、炭
化ケイ素粒子同士の結合箇所が少なくなるため、強度が
不十分な製品しか得られない。
炭化ケイ素粒子のコーティングに用いる炭化性有機物
としては、なんらかの溶剤に溶けてコーテイングが可能
な溶液を形成し且つ非酸化性雰囲気で焼成されると高収
率で炭素化するもの、たとえばフェノール樹脂、フラン
樹脂などの熱硬化性樹脂やピッチを用いる。
コーティングは、炭化性有機物の溶液と炭化ケイ素粉
末とを攪拌機を用いてよく混合した後、引続き攪拌しな
がら加熱して乾燥することにより行うことができる。ま
た、流動層コーティング法によっても可能である。コー
ティングされた炭化性有機物は次の焼成工程で炭化し、
形成された炭化物が溶融ケイ素の反応対象となるので、
炭化性有機物の好適コーティング量は用いる炭化性有機
物の炭素収率により異なる。したがって、包括的な好適
コーティング量は炭化物換算量により示すのが適当で、
その値は炭化ケイ素の重量基準で3〜15%、特に好まし
くは5〜12%である。3%以下では炭化ケイ素粒子上に
形成される炭素被覆が連続相になり得ず、したがって、
反応で生じる炭化ケイ素による炭化ケイ素粒子の結合が
不十分な、強度の低い製品しか得られない。また15%以
上にすることは製品の気孔率を低下させるだけで、無益
である。
なおコーティング工程では、炭化性有機物とともに、
次の成形工程における成形性向上のための助剤を炭化ケ
イ素粒子に付着させてもよい。この助剤としては、炭化
性有機物の炭化温度以下の温度で熱分解を起こし飛散し
てしまうもの、たとえばパラフィン、ワックス、ステア
リン酸、熱可塑性合成樹脂(たとえばアクリル樹脂、メ
タクリル樹脂)などが適当である。
コーティングを終わった炭化ケイ素粒子からなる粉末
は、必要量を金型に入れ、単軸プレスなどを用いて圧縮
成形する。この場合の成形条件は、前述のように、有機
物炭化処理後の成形体かさ密度が1.7〜2.1g/cm3になる
ような条件とする。かさ密度が1.7g/cm3に満たないとき
は、実用上必要な強度を有する製品を得ることが難しく
なる。一方、2.1g/cm3をこえる高密度のものとすると、
それにともない小さくなった粒子間空隙にもケイ素が入
り込むため、多孔質材料を得ることができない。成形体
のかさ密度は、成形圧、成形温度などを調節することに
より、所望の値のものとすることができる。
得られた成形体は、まず非酸化性の雰囲気で約500℃
〜1200℃に加熱し、成形体中の炭化性有機物を炭化させ
る(分解性の成形助剤を用いた場合は、それを炭化性有
機物の炭化に先立って分解させる)。炭化性有機物の炭
化は揮発性物質の遊離をともなうため、形成される炭化
物は多数の微細な連通気孔を有するものとなる。
この後、真空中または不活性ガス中で、成形体を金属
ケイ素の融点である1450℃以上、望ましくは約1450℃〜
1700℃に加熱して、溶融ケイ素と接触させる。このため
の方法としては、粉末状金属ケイ素中に成形体を埋めた
状態で昇温する方法、適当なバインダーで金属ケイ素粉
末をペースト状にしたものを成形体表面に塗布して昇温
する方法、金属ケイ素粉末をシート状に成形したものを
成形体に接触させた状態で昇温する方法、などがある。
このとき溶融状態のケイ素は、成形体の有機物炭化物部
分の連通気孔に毛細管現象により浸入し、次いで炭素と
反応して炭化ケイ素を生じる。有機物炭化物をすべて炭
化ケイ素に変換するのに必要なケイ素の量は、通常、有
機物炭化物重量の2.5倍前後である。上述のような経過
をたどるため、溶融ケイ素の供給量を制限しなくても無
制限にケイ素が成形体中にとり込まれることはないが、
上記必要量の約3倍をこえる量のケイ素を用意すること
は意味がない。
上述のようにして有機物炭化物部分が炭化ケイ素に変
換されると、もともと成形体中にあった炭化ケイ素粒子
はこの反応により生じた炭化ケイ素および未反応のまま
残る少量のケイ素と一体化する。成形体中に存在する炭
化ケイ素粒子間空隙は、前述のような原料および成形条
件が選択されている限り、溶融ケイ素が毛細管現象によ
り浸透するには大きすぎるため、大部分が空隙のまま残
る。以上により、実質的に炭化ケイ素のみからなる多孔
質材料が形成される。
発明の効果 本発明の製法によれば、実質的に炭化ケイ素からな
り、孔径約50〜300μm程度の連通気孔が20〜40vol%程
度均一に分布している多孔質炭化ケイ素質材料を、安定
して製造することができる。本発明の製法の特に有利な
点は、従来法におけるガラス質結合剤のような、異質の
結合剤を用いないため、製品が、炭化ケイ素部分に比べ
て劣る結合剤部分の物性や耐食性が原因の劣化を起こす
ことがなく、すぐれた物性と耐久性を示すことである。
実施例 平均粒子径100μmの炭化ケイ素粒子900gを、500mlの
アセトンに溶解したノボラック型フェノール樹脂100gと
ともに攪拌機付混合機に入れて混合し、引続き攪拌しな
がら加熱してアセトンを蒸発させることにより、炭化ケ
イ素粒子にフェノル樹脂をコーティングした。
次いで、コーティング済み炭化ケイ素の粉末を1ton/c
m2の圧力で直径70mm、厚さ5mmの円板状に成形し、得ら
れた成形体を焼成した。焼成後の成形体は、重量が35.4
g、かさ密度が1.84g/cm3で、94重量%の炭化ケイ素と6
重量%の樹脂炭化物よりなるものであった。
この焼成済み成形体を7.1gの金属ケイ素粉末(成形体
中の炭素2.12gの330%)と接触させた状態で真空下に加
熱し、1500℃に2時間保つことにより、溶融したケイ素
の大部分を成形体中に浸透させた。この溶浸処理後放冷
して得られた成形体は、93.7重量%以上が炭化ケイ素か
らなり、気孔径70〜160μm、気孔量30vol%の、均一な
多孔質のものであった。また、曲げ強度は8.5Kg/mm2
ヤング率は18,400Kg/mmで、フィルター等に使うのに充
分な物性を有するものであった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均粒子径50〜300μmの炭化ケイ素粒子
    の表面に炭化物換算量で3〜15重量%の炭化性有機物を
    コーティングし、コーティングされた炭化ケイ素粒子か
    らなる粉末を後記有機物炭化処理後の成形体かさ密度が
    1.7〜2.1g/cm3になるような条件で成形し、得られた成
    形体を非酸化性雰囲気で焼成して成形体中の炭化性有機
    物を炭化させ、次いで処理後の成形体を1450℃以上で溶
    融ケイ素と接触させて該ケイ素を成形体中に浸透させる
    ことにより成形体中の有機物炭化物をケイ素と反応させ
    炭化ケイ素に変換することを特徴とする多孔質炭化ケイ
    素質材料の製造法。
JP61138351A 1986-06-16 1986-06-16 多孔質炭化ケイ素質材料の製造法 Expired - Fee Related JPH0818886B2 (ja)

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