JPH08193198A - 低離漿性グリースおよびその製造方法 - Google Patents

低離漿性グリースおよびその製造方法

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JPH08193198A
JPH08193198A JP7019977A JP1997795A JPH08193198A JP H08193198 A JPH08193198 A JP H08193198A JP 7019977 A JP7019977 A JP 7019977A JP 1997795 A JP1997795 A JP 1997795A JP H08193198 A JPH08193198 A JP H08193198A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 長時間の使用または保存を経ても、低レベル
の離漿率を示し、しかも、基油の選択の自由度が大き
く、簡単な工程により容易に製造することのできる低離
漿性グリースおよびその製造方法を提供すること。 【構成】 グリースは、有機合成潤滑油、シリコーン系
潤滑油または鉱油から選ばれる1種以上の基油よりなる
(A)成分と、石けん系の増稠剤よりなる(B)成分
と、離漿抑制剤としてベヘニン酸の金属塩よりなる
(C)成分とが含有され、(B)成分と(C)成分との
割合が重量比で 100:1〜 100:230 の範囲にある。製
造方法は、(A)成分と、脂肪酸またはそのエステルよ
りなる(B1)成分と、ベヘニン酸またはそのエステル
よりなる(C1)成分と、(B1)成分および(C1)
成分をケン化させる金属成分を含有する化合物よりなる
(D)成分と混合し、(D)成分により(B1)成分お
よび(C1)成分をケン化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低離漿性グリースおよ
びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、各種の産業機械、その他の装置
の可動部における摺動個所には潤滑剤を適用することが
必要であり、特に注油することが困難な個所には、一般
にグリースが潤滑剤として用いられている。かかるグリ
ースは、基本的に、基油と増稠剤とよりなるものであ
る。
【0003】このようなグリースにおいては、長時間の
使用、保存によって、グリースから油分が分離する離漿
という現象が生ずるという問題があった。従来、離漿性
を改良したグリースとしては、(イ)アルキレンオキサ
イド−アルコール付加重合オリゴマーおよび鎖状炭化水
素オリゴマーよりなる基油と、有機親油性の第4級アン
モニウム塩含有粘土鉱物と、高級脂肪酸のリチウム塩
と、アルキレンビス脂肪族モノカルボン酸アマイドとを
含有してなるグリース(特開平3−84096号公報参
照)、(ロ)特定のシリコーンゲル架橋物を剪断力によ
り液状化させてなるシリコーンと、増稠剤とからなるグ
リース(特開平4−268376号公報参照)が提案さ
れている。
【0004】然るに、上記のグリースにおいては、特定
の種類の基油を用いる必要があってその選択の自由度が
小さく、必要な特性を得ることが困難である。また、
(ロ)のグリースを製造するためには、シリコーンゲル
架橋物を剪断力により液状化する必要があって複雑な工
程が必要である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な事情に基づいてなされたものであって、その目的は、
長時間の使用または保存を経ても、低レベルの離漿率を
示し、しかも、基油の選択の自由度が大きく、簡単な工
程により容易に製造することのできる低離漿性グリース
およびその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の低離漿性グリー
スは、有機合成潤滑油、シリコーン系潤滑油または鉱油
から選ばれる1種以上の基油よりなる(A)成分と、石
けん系の増稠剤よりなる(B)成分と、離漿抑制剤とし
てベヘニン酸の金属塩よりなる(C)成分とが含有され
てなり、前記(B)成分と前記(C)成分との割合が、
重量比で100:1〜100:230の範囲にあること
を特徴とする。
【0007】上記の低離漿性グリースにおいて、前記
(B)成分が、炭素数が10〜20の脂肪酸の金属塩よ
りなるものであることが好ましい。また、前記(C)成
分が、(A)成分100重量部に対して0.1〜10重
量部の割合で含有されていることが好ましい。
【0008】本発明の低離漿性グリースの製造方法は、
有機合成潤滑油、シリコーン系潤滑油または鉱油から選
ばれる1種以上の基油よりなる(A)成分と、増稠剤の
酸成分を形成するための脂肪酸またはそのエステルより
なる(B1)成分と、ベヘニン酸またはそのエステルよ
りなる(C1)成分と、前記(B1)成分および前記
(C1)成分をケン化させるための金属成分を含有する
化合物よりなる(D)成分と混合し、前記(D)成分に
より前記(B1)成分および前記(C1)成分をケン化
する工程を含むことを特徴とする。
【0009】また、本発明の低離漿性グリースの製造方
法は、有機合成潤滑油、シリコーン系潤滑油または鉱油
から選ばれる1種以上の基油よりなる(A)成分と、石
けん系の増稠剤よりなる(B)成分と、ベヘニン酸の金
属塩よりなる(C)成分とを混合する工程を含むことを
特徴とする。
【0010】
【作用】本発明のグリースにおいては、(C)成分であ
るベヘニン酸の金属塩が特定の割合で含有されることに
より離漿性が抑制されたものとなる。
【0011】以下、本発明の低離漿性グリースについて
詳細に説明する。本発明の低離漿性グリースは、基本的
に、基油よりなる(A)成分と、石けん系の増稠剤より
なる(B)成分とにより構成されるグリース組成物に、
ベヘニン酸の金属塩よりなる(C)成分が含有されてな
るものである。
【0012】(A)成分である基油としては、有機合成
潤滑油、シリコーン系潤滑油または鉱油から選ばれる1
種以上のものが用いられる。有機合成潤滑油としては、
エステル油、アルキルベンゼン油、ポリオレフィン油、
ポリアルファオレフィン、フッ素化物、ポリフェニルエ
ーテル、ポリグリコール、ポリブテンなどが挙げられ
る。シリコーン系潤滑油としては、ジメチルポリシロキ
サンなどが挙げられる。鉱油としては、石油系鉱油など
が挙げられる。これらの基油は、単独で若しくは2種類
以上を組み合わせて用いることができる。
【0013】(B)成分である増稠剤としては、脂肪酸
と金属とによる塩が用いられる。脂肪酸としては、炭素
数が10〜20の脂肪酸が好ましく用いられ、通常、ヒ
マシ油脂肪酸や水添ヒマシ油脂肪酸が使用される。その
他の脂肪酸の具体例としては、ウンデシル酸、ラウリン
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、12
−ヒドロキシステアリン酸などが挙げられる。これらは
単独で若しくは2種類以上を組み合わせて用いることが
できる。金属の具体例としては、リチウム、カルシウ
ム、バリウム、カリウム、ストロンチウム、ナトリウ
ム、アルミニウムなどが挙げられる。このような増稠剤
は、単独で若しくは2種類以上を組み合わせて用いるこ
とができる。(B)成分は、得られるグリースの稠度が
JIS K2220に規定される稠度番号で1号または
2号の範囲となるよう含有されていることが好ましい。
具体的には、(B)成分は、用いられる(A)成分およ
び(B)成分の種類またはその組み合わせによって異な
るが、例えば(A)成分100重量部に対して5〜20
重量部となる割合で使用される。
【0014】本発明のグリースにおいては、(C)成分
であるベヘニン酸の金属塩が離漿抑制剤として含有され
ている。このベヘニン酸の金属塩を形成する金属の具体
例としては、(B)成分において例示した金属と同様の
ものが挙げられる。(B)成分と(C)成分との割合
は、(B)成分:(C)成分が重量比で100:1〜1
00:230の範囲とされ、好ましくは100:1〜1
00:100、より好ましくは100:5〜100:8
0、さらに好ましくは100:10〜100:60の範
囲である。(C)成分の割合が過小である場合には、離
漿を抑止する効果が不十分なものとなる。一方、(C)
成分の割合が過大である場合においても、離漿を抑止す
る効果が不十分なものとなる。また、(C)成分の使用
割合は、(A)成分100重量部に対して0.1〜10
重量部、特に0.5〜8重量部であることが好ましい。
【0015】本発明の低離漿性グリースにおいては、必
要に応じて、適宜の添加剤を加えることができる。この
添加剤としては、酸化防止剤、固体潤滑剤、防錆剤、油
性向上剤、極圧剤、増粘剤、分散剤などが挙げられる。
【0016】上記のグリース組成物は、(A)成分と、
(B)成分を形成するための脂肪酸またはそのエステル
よりなる(B1)成分と、ベヘニン酸またはそのエステ
ルよりなる(C1)成分と、(B1)成分および(C
1)成分をケン化させるための金属成分を含有する化合
物よりなる(D)成分と混合し、この(D)成分により
(B1)成分および(C1)成分をケン化することによ
り製造することができる。
【0017】先ず、用いる(A)成分を例えば1/2量
ずつに分割し、その一方の(A)成分に、(B1)成分
および(C1)成分を添加し、加熱処理することにより
(B1)成分および(C1)成分を溶解する。次いで、
(D)成分を添加混合して加熱することによりケン化処
理を行う。
【0018】以上において、(D)成分である金属成分
を含有する化合物としては、前述の(B)成分を形成す
る金属の水酸化物、アルコラートなどが用いられる。ケ
ン化処理の温度は、例えば90〜105℃であり、処理
時間は例えば60〜180分である。
【0019】ケン化処理が完了した後、必要に応じて、
ケン化処理により生じた水分などの脱水処理を行った
後、分割した他方の(A)成分の全量を添加して混合
し、ロールミルなどで混練することにより、本発明の低
離漿性グリースが得られる。
【0020】また、本発明の低離漿性グリースは、
(A)成分、(B)成分および(C)成分を直接混合す
ることによっても製造することができ、例えば、基油と
してエステル油などを用いる場合には、この方法を採用
することが好ましい。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。また、以下の実施例および比較例において、グリー
スの離漿率、稠度および滴点は次の方法により測定し
た。
【0022】(1)離漿率 JIS K2220の離油度測定用ビーカー(内容積3
00cc)および円錐金網を用い、図1に示すように、
約250gのグリースをビーカー10内に充填し、この
グリースの上から円錐金網20をその頂部が下向きとな
るようにかぶせ、10℃で8時間および40℃で16時
間の冷熱処理を1サイクルとして連続して合計5サイク
ル行った後、円錐金網20上に分離した油分をスポイト
で吸い取ってその重量を測定し、下記数1に従って算出
した。
【0023】
【数1】
【0024】(2)稠度 製造直後におけるグリースについて、「JIS K22
20」の「5.3 稠度試験方法」に規定される方法に
基づいて、同試験方法に規定される「不混和稠度」およ
び「多回混和稠度」を測定した。 (3)滴点 製造直後におけるグリースについて、「JIS K22
20」の「5.4 滴点試験方法」に規定される方法に
基づいて、滴点を求めた。
【0025】〔実施例1〕基油として40℃における動
粘度が28.8cStのポリアルファオレフィン(以
下、「ポリアルファオレフィンa」という。)68重量
部を用意し、このポリアルファオレフィンaの1/2量
(34重量部)と、12−ヒドロキシステアリン酸8.
6重量部と、ベヘニン酸0.46重量部とを製造釜に仕
込み、90℃まで昇温して加熱溶解した。次いで、水酸
化リチウム1.25重量部を16重量%水溶液とした状
態で加えて混合し、95〜105℃、120分間でケン
化処理を行い、その後、105〜178℃、90分間で
脱水処理を行った。さらに、ポリアルファオレフィンa
の残りの1/2量(34重量部)と、ジ−2−エチルヘ
キシルアジペート(以下、「DOA」という。)8.7
重量部と、メラミンイソシアヌレート(以下、「MC
A」という。)6.0重量部と、ポリテトラフルオロエ
チレン「TF9202(ヘキストジャパン社製)」(以
下、「ポリテトラフルオロエチレンa」という。)4.
0重量部と、ジアルキルジチオカルバミン酸硫化オキシ
モリブデン「アデカサクラルーブ600(アデカアーガ
ス社製)」3.0重量部と、トリアゾール誘導体「In
ganet39(チバガイギー社製)」0.05重量部
とを加え、189℃、35分間で加熱処理した後、室温
まで冷却し、ロールミルで混練することにより、本発明
の低離漿性グリースを製造した。得られたグリースにお
ける(B)成分と(C)成分との割合は、重量比で
(B)成分:(C)成分が約100:5.4である。こ
のグリースの離漿率、稠度および滴点を表1に示す。
【0026】〔実施例2〜4〕12−ヒドロキシステア
リン酸、ベヘニン酸および水酸化リチウムを表1に示す
量に変更したこと以外は、実施例1と同様にして本発明
の低離漿性グリースを製造した。得られた各グリースに
おける(B)成分と(C)成分との割合は、それぞれ重
量比で(B)成分:(C)成分が、約100:11.1
(実施例2)、約100:24.9(実施例3)、約1
00:100(実施例4)である。これらのグリースの
離漿率、稠度および滴点を表1に示す。
【0027】〔比較例1〕実施例1において、ベヘニン
酸の代わりにラノリン酸を用いたこと以外は同様にして
比較用グリースを製造した。得られたグリースの離漿率
を表2に示す。
【0028】〔比較例2〕実施例1において、ベヘニン
酸の代わりに9,10−ジヒドロキシステアリン酸を用
いたこと以外は同様にして比較用グリースを製造した。
得られたグリースの離漿率を表2に示す。
【0029】〔比較例3〕実施例1において、ベヘニン
酸の代わりに魚油を用いたこと以外は同様にして比較用
グリースを製造した。得られたグリースの離漿率を表2
に示す。
【0030】〔比較例4〕実施例1において、ポリアル
ファオレフィンaの添加量を、それぞれ30.6重量部
で合計61.2重量部、12−ヒドロキシステアリン酸
の添加量を8.1重量部、水酸化リチウムの添加量を
1.1重量部に変更し、ベヘニン酸の代わりにエステル
ワックス7.8重量部を用いたこと以外は同様にして比
較用グリースを製造した。得られたグリースの離漿率を
表2に示す。
【0031】〔比較例5〕実施例1において、ポリアル
ファオレフィンaの添加量を、それぞれ32.3重量部
で合計64.6重量部、12−ヒドロキシステアリン酸
の添加量を8.6重量部に変更し、ベヘニン酸の代わり
にポリエチレン3.9重量部を用いたこと以外は同様に
して比較用グリースを製造した。得られたグリースの離
漿率を表2に示す。
【0032】〔比較例6〕ポリアルファオレフィンa7
0重量部と、オレフィンジカルボン酸7.8重量部と、
ジ−2−エチルヘキシルアジペート8.7重量部と、メ
ラミンイソシアヌレート6.0重量部と、ポリテトラフ
ルオロエチレンa4.0重量部と、ジアルキルジチオカ
ルバミン酸硫化オキシモリブデン3.0重量部と、トリ
アゾール誘導体0.05重量部とを混合することによ
り、比較用グリースを製造した。得られたグリースの離
漿率を表2に示す。
【0033】〔比較例7,8〕実施例1において、12
−ヒドロキシステアリン酸、ベヘニン酸および水酸化リ
チウムの添加量をそれぞれ表1に示す量に変更したこと
以外は同様にして比較用グリースを製造した。得られた
グリースの離漿率、稠度および滴点を表2に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】以上の結果から明らかなように、(C)成
分が含有された実施例1〜5に係るグリースは、十分な
稠度を有し、(C)成分が含有されていない比較例1〜
8に係るグリースに比較して離漿率が小さいものであっ
た。また、(B)成分を含有していない比較例9に係る
グリースにおいては、その離漿の程度が(C)成分が含
有されていないグリースと同じ程度であった。
【0037】〔実施例5〕基油として流動パラフィン7
4.2重量部を用意し、この流動パラフィンの1/2量
(37.1重量部)と、12−ヒドロキシステアリン酸
1.2重量部と、ヒマシ硬化油4.7重量部と、ベヘニ
ン酸1.4重量部とを製造釜に仕込み、90℃まで昇温
して加熱溶解した。次いで、水酸化リチウム1.0重量
部を16重量%水溶液とした状態で加えて混合し、90
〜105℃、120分間でケン化処理を行い、その後、
105〜178℃、90分間で脱水処理を行った。さら
に、流動パラフィンの残りの1/2量(37.1重量
部)と、MCA12.0重量部と、ポリテトラフルオロ
エチレンa5.0重量部と、4,4−ブチリデンビス
(3−メチル−6−ブチルフェニル)テトラ(トリデシ
ル)−ジ−ホスファイト「アデカスタブQL」0.5重
量部とを加え、189℃、35分間で加熱処理した後、
室温まで冷却し、ロールミルで混練することにより、本
発明の低離漿性グリースを製造した。得られたグリース
における(B)成分と(C)成分との割合は、重量比で
(B)成分:(C)成分が約100:24.4である。
このグリースの離漿率を表3に示す。
【0038】〔比較例9〕実施例5において、流動パラ
フィンの添加量を、それぞれ37.3重量部で合計7
4.6重量部、ヒマシ硬化油の添加量を5.8重量部に
変更し、ベヘニン酸を用いなかったこと以外は同様にし
て比較用グリースを製造した。得られたグリースの離漿
率を表3に示す。
【0039】〔実施例6〕基油としてポリ−α−オレフ
ィン「リボルーブ60(ライオン油脂社製)」70.5
重量部を用意し、このポリ−α−オレフィン「リボルー
ブ60」の1/2量(35.25重量部)と、12−ヒ
ドロキシステアリン酸6.6重量部と、ベヘニン酸1.
7重量部とを製造釜に仕込み、90℃まで昇温して加熱
溶解した。次いで、水酸化リチウム1.15重量部を1
6重量%水溶液とした状態で加えて混合し、90〜10
5℃、120分間でケン化処理を行い、その後、105
〜178℃、90分間で脱水処理を行った。さらに、ポ
リ−α−オレフィン「リボルーブ60」の残りの1/2
量(35.25重量部)と、MCA6.0重量部と、ポ
リテトラフルオロエチレンa4.0重量部と、ジアルキ
ルジチオカルバミン酸硫化オキシモリブデン「アデカサ
クラルーブ600」3.0重量部と、ポリブテン「20
00H(出光石油社製)」5.0重量部と、パーフロロ
アルキルアルコキシレート「フロラードFC−171
(住友スリーエム社製)」2.0重量部と、トリアゾー
ル誘導体「Irganet39」0.05重量部とを加
え、189℃、35分間で加熱処理した後、室温まで冷
却し、ロールミルで混練することにより、本発明の低離
漿性グリースを製造した。得られたグリースにおける
(B)成分と(C)成分との割合は、重量比で(B)成
分:(C)成分が約100:25.7である。このグリ
ースの離漿率を表3に示す。
【0040】〔比較例10〕実施例6において、12−
ヒドロキシステアリン酸の添加量を8.3重量部、水酸
化リチウムの添加量を1.15重量部に変更し、ベヘニ
ン酸を用いなかったこと以外は同様にして比較用グリー
スを製造した。得られたグリースの離漿率を表3に示
す。
【0041】〔実施例7〕基油としてポリ−α−オレフ
ィン「リボルーブ60」81.3重量部を用意し、この
ポリ−α−オレフィン「リボルーブ60」の1/2量
(40.65重量部)と、12−ヒドロキシステアリン
酸7.0重量部と、ベヘニン酸1.8重量部とを製造釜
に仕込み、90℃まで昇温して加熱溶解した。次いで、
水酸化リチウム1.20重量部を16重量%水溶液とし
た状態で加えて混合し、90〜105℃、120分間で
ケン化処理を行い、その後、105〜178℃、90分
間で脱水処理を行った。さらに、ポリ−α−オレフィン
「リボルーブ60」の残りの1/2量(40.65重量
部)と、MCA3.0重量部と、ポリテトラフルオロエ
チレン「ルブロンL2(ダイキン工業社製)」(以下、
「ポリテトラフルオロエチレンb」という。)」3.0
重量部と、4,4−ブチリデンビス(3−メチル−6−
ブチルフェニル)テトラ(トリデシル)−ジ−ホスファ
イト「アデカスタブQL」0.1重量部と、3−サリチ
ロイルアミド−1,2,4−トリアゾール「アデカスタ
ブCDA−1M」0.1重量部と、2(2−ハイドロキ
シ−3,5−ジターシャリーアミルフェニル)2H−ベ
ンゾトリアゾール「チヌビン328」0.5重量部と、
パーフロロアルキルアルコキシレート「フロラードFC
−171」2.0重量部とを加え、189℃、35分間
で加熱処理した後、室温まで冷却し、ロールミルで混練
することにより、本発明の低離漿性グリースを製造し
た。得られたグリースにおける(B)成分と(C)成分
との割合は、重量比で(B)成分:(C)成分が約10
0:25.6である。このグリースの離漿率を表3に示
す。
【0042】〔比較例11〕実施例7において、12−
ヒドロキシステアリン酸の添加量を8.8重量部、水酸
化リチウムの添加量を1.22重量部に変更し、ベヘニ
ン酸を用いなかったこと以外は同様にして比較用グリー
スを製造した。得られたグリースの離漿率、稠度および
滴点を表3に示す。
【0043】
【表3】
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、長時間の使用または保
存を経ても、離漿率が0.3%以下という低いレベルに
あり、しかも、基油の選択の自由度が大きく、簡単な工
程により容易に製造することのできる低離漿性グリース
およびその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】グリースの離漿率を測定する手段を示す説明図
である。
【符号の説明】
10 ビーカー 20 円錐金網
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 129:26) C10N 50:10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機合成潤滑油、シリコーン系潤滑油ま
    たは鉱油から選ばれる1種以上の基油よりなる(A)成
    分と、石けん系の増稠剤よりなる(B)成分と、離漿抑
    制剤としてベヘニン酸の金属塩よりなる(C)成分とが
    含有されてなり、 前記(B)成分と前記(C)成分との割合が、重量比で
    100:1〜100:230の範囲にあることを特徴と
    する低離漿性グリース。
  2. 【請求項2】 (B)成分が、炭素数が10〜20の脂
    肪酸の金属塩よりなることを特徴とする請求項1に記載
    の低離漿性グリース。
  3. 【請求項3】 (C)成分が、(A)成分100重量部
    に対して0.1〜10重量部の割合で含有されているこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2に記載の低離漿
    性グリース。
  4. 【請求項4】 有機合成潤滑油、シリコーン系潤滑油ま
    たは鉱油から選ばれる1種以上の基油よりなる(A)成
    分と、増稠剤の酸成分を形成するための脂肪酸またはそ
    のエステルよりなる(B1)成分と、ベヘニン酸または
    そのエステルよりなる(C1)成分と、前記(B1)成
    分および前記(C1)成分をケン化させるための金属成
    分を含有する化合物よりなる(D)成分と混合し、 前記(D)成分により、前記(B1)成分および前記
    (C1)成分をケン化する工程を含むことを特徴とする
    低離漿性グリースの製造方法。
  5. 【請求項5】 有機合成潤滑油、シリコーン系潤滑油ま
    たは鉱油から選ばれる1種以上の基油よりなる(A)成
    分と、石けん系の増稠剤よりなる(B)成分と、ベヘニ
    ン酸の金属塩よりなる(C)成分とを混合する工程を含
    むことを特徴とする低離漿性グリースの製造方法。
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