JPH08196237A - Dha高含有畜肉加工製品の製造法 - Google Patents

Dha高含有畜肉加工製品の製造法

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JPH08196237A
JPH08196237A JP7007266A JP726695A JPH08196237A JP H08196237 A JPH08196237 A JP H08196237A JP 7007266 A JP7007266 A JP 7007266A JP 726695 A JP726695 A JP 726695A JP H08196237 A JPH08196237 A JP H08196237A
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JP
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dha
parts
edible
meat
acid ester
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JP7007266A
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English (en)
Inventor
Toshio Takahashi
敏雄 高橋
Shiyoujirou Hara
詳治郎 原
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ドコサヘキサエン酸を含有する脂質、可食性
界面活性剤および可食性ゾル物質を、畜肉に添加するこ
とを特徴とするドコサヘキサエン酸高含有畜肉加工製品
の製造方法。 【効果】 従来にはない高濃度でDHAを含有せしめる
ことができ、しかも風味が優れたDHA含有の畜肉加工
製品を製造できる。これにより少量の畜肉加工製品の摂
取で十分量のDHAを摂取することができ、食生活を楽
しみながらDHAの好ましい生理作用が期待できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ドコサヘキサエン酸を
含有する脂質を添加した畜肉加工製品の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ドコサヘキサエン酸は(以下、DHAと
略称することがある)、多価不飽和脂肪酸の一種で魚類
の脂質中に多く含まれていることが知られている。DH
Aには血小板凝集抑制作用、血中中性脂肪低下作用、血
中コレステロール低下作用、制癌作用、脳機能向上効果
等の種々の生理活性機能があることが知られている。
【0003】通常DHAは、グリセリンとのエステルで
あるグリセリドの形態で存在することが多く、また、ヒ
トの消化器官での吸収においては、このグリセリドの形
態の方が、DHAのエチルエステルの場合よりも優れて
いることが知られている。(Larry D.et a
l.,Biochemical and Biophy
sical ResearchCommunicati
ons Vol.152,No.1,Page328−
335 (1988)) 従来日本人は、魚中心の食生活でこれらDHAを自然に
摂取してきたが、最近の日本人の食生活は肉類中心の欧
米型に傾いており、それに伴いDHAなど不飽和脂肪酸
の摂取不足による高血圧、心臓病等の循環器系疾患等が
増加して問題となっている。
【0004】DHAを多く含む魚類の油脂は、安定に入
手可能であるが、その製造原料に由来する魚臭を伴うた
め、そのまま食品に添加するのは難しい(丸山一輝、N
ewFoods Industry Vol.34,N
o.10,Page49−54(1992))。また、
DHAは6個の二重結合を持っている多価不飽和脂肪酸
であることから極めて酸化されやすく、酸化後はそれ自
身が不快な臭いや味を呈することも知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述の如くDHAは、
魚臭や酸化による不快な臭いや味を呈するため、DHA
ないしはDHAを含有する組成物を単純に食品に添加す
ることはできず、ましてや、十分量のDHAを食品より
摂取させるためには、これらの不快感がさらに増大し、
食生活本来の楽しみ、即ち食品の風味等を味わうことを
しばしば犠牲にせざるをえなかった。
【0006】肉類中心の食生活においても十分量のDH
Aを摂取できるようにするためには、畜肉加工製品その
ものにDHAを添加するのが最も良い方法である。従
来、DHAを単に畜肉加工製品に添加する方法は知られ
ている(特開平6−292534公報)が、この技術に
おいては、DHAの含有率の上限は原料となる畜肉に対
し3重量%であり、それ以上の添加では製品の外観、風
味とも低下してしまうことが明かであり、DHAの含有
率としては必ずしも満足できるものではなかった。DH
Aを主としてDHAを含有する畜肉加工製品から摂取す
る場合を想定すれば、当然により高いDHA含有率の畜
肉加工製品の提供が望まれていた。したがって本発明
は、食品本来の風味を損なうことなく、DHAを高濃度
に含有した畜肉加工製品の製造方法の提供を課題とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を達成せんとして鋭意検討を重ねた結果、DHAを含有
する脂質と水とを可食性界面活性剤および可食性ゾル物
質で乳化してなる乳化組成物を畜肉に添加することによ
り従来より脂質の添加量を増加させても脂質の製品中の
分離と不均一な分散を防止し得、しかもこのようにして
得られた畜肉加工製品は本来の畜肉加工製品の風味と遜
色ないものであるという知見を得て、本発明を完成した
ものである。
【0008】即ち本発明は、ドコサヘキサエン酸を含有
する脂質、可食性界面活性剤および可食性ゾル物質を、
畜肉に添加することを特徴とするドコサヘキサエン酸高
含有畜肉加工製品の製造方法である。本発明でドコサヘ
キサエン酸を含有する脂質(これらをDHALと略記す
ることがある)としては、ドコサヘキサエン酸を構成脂
肪酸とする脂質や、遊離または塩となったドコサヘキサ
エン酸を意味し、通常は、ドコサヘキサエン酸を構成脂
肪酸とする脂質が好ましく、この場合の脂質としては、
グリセリドやリン脂質等の生体内に存在する脂質が好ま
しく、さらに好ましい例としてはグリセリドが挙げられ
る。また、グリセリドとしては、トリグセリド、ジグリ
セリド、モノグリセリドが挙げられが、本願において
は、これらのグリセリドを構成する脂肪酸(構成脂肪
酸)の少なくとも一つがドコサヘキサエン酸となったも
のが例示される。また、DHALの他に、通常の可食性
油脂を使用することもでき、後述の乳化時において加え
ることもできる。
【0009】本発明で使用されるDHALは、その中の
DHA含有量が30重量%以上であることが好ましく、
60重量%以上あることがさらに好ましい。通常DHA
Lとして簡便に利用し得る脂質は、海産動物油脂、例え
ばイカ油、オキアミ油、カツオ油、サバ油、サンマ油、
タラ肝油、マグロ油等に由来するものが例示されるが、
マグロまたはカツオの眼か脂肪由来のものが好ましく、
またDHAを高度に精製濃縮したものが食品の風味を低
下させずに多くのDHAを含有させることができ都合が
よい。
【0010】通常、DHAとして30重量%以上を含有
する脂質を調製する方法としては、脱酸、脱色した上記
原料由来の油をウインタリングまたは蒸留により濃縮し
た後、脱溶剤、脱臭する方法が挙げられるが、より簡便
には市販品であるハリマ化成株式会社製のDHAー30
M、DHA−35M、DHA−37M あるいは日本化
学飼料株式会社製のDHA−30G、DHA−35G、
DHA−38G等を利用すればよい。
【0011】さらに、DHA含有率60重量%以上の脂
質においても、総グリセリド(トリグリセリド、ジグリ
セリド、モノグリセリドの総量)に対する、ジグリセリ
ドとモノグリセリドの合計量が80重量%以上であるD
HALや、モノグリセリドとジグリセリドの合計量に対
するジグリセリドの比率が70重量%以上のDHALを
使用すると効果はより顕著であり特に好ましい。
【0012】このDHA含有率60重量%以上、且つモ
ノグリセリド、またはモノグリセリドおよびジグリセリ
ドを高い比率で含有するDHALの製造法としては、例
えばDHAを豊富に含む天然油脂を、DHAに対して基
質特異性の低いリパーゼを用いてDHA以外の脂肪酸を
選択的に加水分解する方法により調製できる。リパーゼ
としてはキャンディダ・シリンドラセ由来の酵素(例え
ばシグマ社製 カタログNO.L8525)やキャンデ
ィダ・リポリティカ(ATCC 34088)由来の酵
素が好ましい。上記酵素で加水分解する反応は、酵素の
活性を発現するのに十分な量の水の存在下で行うが、そ
の量は、例えば油脂に対して1−300重量%が挙げら
れ、また40−100重量%程度が好ましい例として挙
げられる。前記酵素の使用量は原料油脂中のDHA含有
率、反応温度、反応pH、反応時間によっても適宜選択
することができるが、通常は油脂1gあたり約10ユニ
ット(U)以上、好ましくは50U以上が例示され、上
限については経済的な必要性から判断することができ、
特に限定されないが、通常は1000U程度、好ましく
は300U程度が例示される。反応温度はリパーゼが失
活しない範囲であれば特に限定されないが、通常は20
℃以上、好ましくは25℃以上が例示され、上限として
は通常は60℃以下、好ましくは40℃以下が例示され
る。
【0013】また、反応媒体としては、水の他、緩衝液
や、場合によっては該反応を阻害しない水性有機溶媒を
使用してもよく、pHとしては通常、7から9までの範
囲が例示され、特に好ましくはpH7.5−8.5が挙
げられる。さらに加水分解の反応を速めるためにカルシ
ウムやマグネシウム等の2価の金属イオンを反応液に添
加することも可能であり、特にカルシウムイオンが好ま
しい。その濃度は通常10−500mMの範囲が例示さ
れ、さらに150−250mMが好ましい例として挙げ
られる。該酵素反応は空気雰囲気下で行ってもよいが、
DHAが酸化されやすいことから、一般的に窒素やアル
ゴンガス等の不活性ガスの雰囲気下、あるいは酸素を制
限した雰囲気下で反応せしめることが好ましい。
【0014】上記の酵素は、原料として用いたDHAL
に含まれるDHAエステルをほとんど加水分解しないか
もしくは加水分解してもその程度はきわめて低い。上記
の酵素を用いることにより、DHA以外の脂肪酸は優先
的に加水分解されるためにこれを除去し、未分解で残存
するグリセリドを分離回収すればDHAを高濃度に含有
するグリセリドが調製され、特にこのグリセリドは、ジ
グリセリド、モノグリセリドを主成分とする。
【0015】上記の反応液よりグリセリド画分を採取す
る方法としては通常行われているアルカリ脱酸法、水蒸
気蒸留法、イオン交換樹脂による分画、分子蒸留、吸着
クロマト等の手段を利用すればよく特にその方法は問わ
ない。本発明においてDHAL中の遊離脂肪酸の含有率
は、通常0.5重量%以下であることが好ましいが、畜
肉加工製品の製造に際し、必要により遊離脂肪酸をあら
ためて加えることもあり、特に限定されるものではな
い。
【0016】本発明で言うDHAは以下のようにして定
量すればよい。 <DHAL中の総DHAの定量>約125mgの試料を
50mlのナス型フラスコにとり0.5Nメタノール性
水酸化ナトリウム4mlを添加し冷却器を付けて水浴上
で均一な溶液になるまで加熱(5〜10分)してケン化
する。冷却器上部より三フッ化ホウ素錯体メタノール溶
液を5ml添加し2分加熱してメチルエステル化する。
次いでヘキサン4mlを添加し1分加熱後冷却し、飽和
食塩水を加えてメチルエステルをヘキサン層へ抽出す
る。上層のヘキサン層の1.0μlをガスクロマトグラ
フィーに供する。面積百分率法では内部標準物質は不要
であるが脂肪酸絶対量を求めるときには内部標準として
リグノセリン酸を使用する。
【0017】ガスクロマトグラフィーの条件は以下のと
うりである。 機器:島津製作所製 GC−12A,カラムサイズ:内
径3mm,長さ2m、充填剤:液相;ジエチレングリコ
ールサクシネート10%、担体;Chromosorb
W・AW・DMCS 60・80meshキャリヤー
ガス:窒素、流量30ml/分、検出器:FID、カラ
ム温度:200℃、注入部温度:250℃、検出部温
度:250℃ <DHAL中の遊離DHAの定量>ケン化操作を行わず
に直接メチルエステル化してヘキサンで抽出し、前記の
<DHAL中の総DHAの定量>の条件でガスクロマト
グラフィーに供し、同様に測定する。
【0018】畜肉加工製品中の総DHAの定量、遊離D
HAの定量、DHAを構成脂肪酸とする脂質に由来する
DHA量の定量等を行うときには、上記の測定法を適宜
利用すればよいが、具体的に示すとすれば、例えば以下
の通りである。 <畜肉加工製品中の総DHAの定量>試料を破砕した
後、試料に対し約5倍容のクロロホルムーメタノール
(2:1)を加え振とう混合して濾液を分離、これを数
回くりかえして集めた抽出液を濃縮する。さらに減圧下
にメタノールとクロロホルムを蒸発除去する。得られた
画分につき、<DHAL中の総DHAの定量>と同様の
操作を行う。内部標準としてリグノセリン酸を使用す
る。
【0019】<畜肉加工製品中の遊離DHAの定量>前
記のクロロホルムーメタノール抽出液の溶媒を蒸発除去
した画分につき<DHAL中の遊離DHAの定量>と同
様の操作を行う。内部標準としてリグノセリン酸を使用
する。なお、DHAを構成脂肪酸とする脂質に由来する
DHA量は、前記の<畜肉加工製品中の総DHAの定量
>と<畜肉加工製品中の遊離DHAの定量>の測定値の
差引により計算される。
【0020】本発明で畜肉加工製品とは牛、豚、羊、
鶏、あひるなどの肉、臓器などの畜肉を加工して得られ
た製品であれば特に限定されるものではないが、例え
ば、細断練り合わせて整形された後、焼成されて得られ
るソーセージ、ハンバーグ等の畜肉練り製品など、ロー
スやバラの肉部位の単身にピックル液を注入して味付け
した後、焼成され、または場合によっては焼成せずに得
られるハム、ベーコン等の畜肉単身製品などが挙げられ
る。また、加熱焼成はされないものの、香辛料や調味料
で味付けした上に酸化防止を目的にアスコルビン酸また
はトコフェロール等を添加したピックル液をこれらの畜
肉に注入した加工肉や牛脂を溶解して脂肪分の少ない牛
肉に霜降り状に注入した人工霜降り牛肉も本発明の畜肉
加工製品の例として挙げられる。
【0021】本発明でこれらの畜肉加工製品を製造する
に際しては、DHALを、可食性界面活性剤と可食性ゾ
ル物質の共存下で乳化せしめた乳化組成物を畜肉に添加
して製造される。可食性界面活性剤としては食品に添加
可能なものであれば、特に限定されるものではないが、
通常はポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ポ
リグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、
ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール酸エ
ステルおよびレシチンからなる群より選ばれる1種以上
のものが例示される(例えば食品添加物便覧(食品と科
学社発行)を参照)。
【0022】可食性ゾル物質は、水溶液としたときに、
粘性の高いまたは高くなる物質であり可食性であれば特
に限定されないが、有機高分子が好ましく、例えばクズ
澱粉、小麦澱粉、デキストリンなどの澱粉系多糖類、ア
ラビアガム、ペクチン、グアラン、グアーガム、ローカ
ストビーンガム、アルギン酸およびその塩、寒天、カラ
ギーナン、コンニャク粉、キサンタンガムなどの非澱粉
系多糖類、脱脂粉乳、卵白などの高蛋白質含有食品、血
漿蛋白、乳清蛋白、小麦蛋白、大豆蛋白、カゼイン、カ
ゼインナトリウム、アルブミン、ゼラチンなどの蛋白
質、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリ
コール、繊維素グリコール酸ナトリウムまたはカルシウ
ム、澱粉グリコール酸ナトリウム、澱粉燐酸エステルナ
トリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、メチルセルロー
スなどの合成糊料を具体例として挙げることができ、こ
れらを複数用いることもできる。この可食性ゾル物質に
より、乳化組成物の乳化安定性と離水防止の効果が向上
する。
【0023】これらの原料や適当量の水から乳化組成物
を調製するに際しては、ホモゲナイザー等を用い、通常
の方法で予備乳化した後、例えば200kg/cm2
度の圧力で本乳化することにより製造される。なおこの
際、ポリリン酸塩、ピロリン酸塩、メタリン酸塩などの
離水防止剤を添加してもよいし、DHALの酸化を防止
するためにトコフェロール、アスコルビン酸、茶カテキ
ン等の可食性酸化防止剤を添加してもよい。
【0024】乳化組成物としてはDHALと水が乳化し
ており、分離しないものであれば、O/W型乳化組成物
またはW/O型乳化組成物いずれでも特に限定されるも
のではないが、ピックル液中に溶解して畜肉組織中への
均一な分散注入を考える場合には、O/W型乳化物が好
ましい。通常DHALは液体として使用されることが多
いが、温度または種類またはその分子形態によっては固
体として使用されることもあり、固体のDHAL微粒子
が水に分散している場合にも、本発明の乳化組成物に含
まれる。さらに、後々の取扱いの簡便さを目的として、
乳化組成物に粉末水飴、デキストランおよびアラビアガ
ム等の乾燥助剤を添加混合して、噴霧乾燥機、真空乾燥
機および真空凍結乾燥機等の乾燥装置により粉末にする
こともできる。
【0025】乳化組成物を製造する場合の上記の構成成
分の配合比は、乳化組成物を100重量部(以下、特に
指定しない限り部と略記する)に対しDHALが、通常
15〜60部、好ましくは30〜50部、より好ましく
は40〜50部であり、可食性界面活性剤が0.1〜3
部、可食性ゾル物質は1〜10部で、残りは水になる。
DHALの含有率は通常、15部以上が好ましい。DH
ALの配合比が大となるほどDHA含有率の低いDHA
Lを使用することができるが、通常はDHALまたは油
脂分としての配合比を60部以下とすることが好まし
い。
【0026】このようにして得られたDHAL含有の乳
化組成物を用いソーセージ、ハンバーグ等の畜肉練り製
品やハム、ベーコン等の畜肉単身製品を製造するために
は、一般的なこれら畜肉加工製品の製造方法を適用する
ことができ、本製造方法工程中に乳化組成物を適宜添加
すればよく、特に限定されるものではないが、通常は畜
肉練り製品の場合には挽き肉の練合工程において用いる
ことが好ましい。畜肉単身製品の場合はピックル液の製
造工程において予め乳化せしめた本発明の乳化組成物を
添加することが好ましく、またこれらすべての組成物を
混合してピックル液としたあと乳化せしめてよい。ピッ
クル液は通常畜肉単身に注入して用いられる。これらの
製造工程において、香辛料および調味料等を添加しても
よいし、畜肉自体の酸化防止を目的にトコフェロールお
よびアスコルビン酸等の酸化防止効果を有する食品添加
物を添加してもよい。さらに畜肉自体の離水防止と結着
力向上を目的として、例えばポリリン酸塩、ピロリン酸
塩、メタリン酸塩、粉末水飴、乳糖、および前記の乳化
組成物の構成成分である可食性ゾル物質の1種または2
種以上の物質を添加しても良い。この場合の可食性ゾル
物質はあくまでも畜肉自体の離水防止と結着力向上を目
的とするものであるが、可食性ゾル物質を使用した方
が、DHALの製品中の分散性はより均一になり好まし
い。
【0027】畜肉原料または最終製品に対する乳化組成
物の添加量の下限は本願の目的とする高いDHA含有率
を満たす範囲であれば、使用するDHALのDHA含有
率に応じて適宜調節することができる。一方、乳化組成
物添加量の上限は最終製品の外観と風味により決まり、
畜肉原料100部に対し100部、最終製品100部に
対し50部が通常である。さらに畜肉練り製品について
は畜肉原料100部に対し70部、最終製品100部に
対し40部、畜肉単身製品については畜肉原料100部
に対し30部、最終製品に対し25部が好ましい例とし
て挙げられる。
【0028】また、乳化組成物を用いて加熱処理をしな
い加工肉を製造する方法としては、特に限定されるもの
ではないが乳化組成物を直接肉に注入する方法と、畜肉
を切片にして練合して吸収させる方法を挙げることがで
きる。この際、畜肉の味付けを行うため香辛料および調
味料等を添加してもよいし、畜肉自体の酸化防止を目的
にトコフェロールおよびアスコルビン酸等の酸化防止効
果を有する食品添加物を添加してもよい。さらに畜肉自
体の離水防止と結着力向上を目的として、例えばポリリ
ン酸塩、ピロリン酸塩、メタリン酸塩、粉末水飴、乳
糖、および前記の乳化組成物の構成成分である可食性ゾ
ル物質の1種または2種以上の物質を添加しても良い。
【0029】畜肉原料または最終製品に対する乳化組成
物の添加量の下限は本願の目的を満たす範囲であれば、
使用するDHALのDHA含有率に応じて適宜調節する
ことができるが、最終製品においてDHAとして3重量
%以上添加されていることが好ましい。一方、乳化組成
物添加量の上限は最終製品の外観と風味により決まり、
畜肉原料100部に対し通常40部、最終製品100部
に対し通常28部、好ましくは畜肉原料100部に対し
30部、最終製品100部に対し23部が例示される。
【0030】斯くして得られた本発明の畜肉加工製品
は、ドコサヘキサエン酸を含有する脂質、可食性界面活
性剤および可食性ゾル物質を含有することを特徴とする
ドコサヘキサエン酸高含有畜肉加工製品であり、DHA
を高濃度に含有することができ、また製品中のDHAL
の均一な分散性およびその分散安定性の良好な、外観、
風味ともに優れた畜肉加工製品である。以下に、実施例
を挙げて、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら
に限定されるものではない。
【0031】
【実施例】
【0032】
【参考例1】DHA含有率35重量%の油脂(日本化学
飼料株式会社製、商品名DHA35G)50部にテトラ
グリセリン縮合リシノレイン酸エステル1部を添加した
ものを60℃で加温融解した。同じく60℃に加温した
水42.8部にデカグリセリンモノステアレート1部、
カゼインナトリウム5部、カラギーナン0.1部、ポリ
リン酸ナトリウム0.1部を添加溶解した。この水溶液
をホモミキサーに入れ上記の加温融解した油脂を暫時添
加混合して予備乳化を行った。次いで、ホモジナイザー
により、200kg/cm2の圧力で本乳化を行い、O
/W型のDHA含有乳化組成物100部を得た。
【0033】
【参考例2】0.2M塩化カルシウム、5%(w/v)
アラビアゴムから構成される水溶液にキャンディダ・シ
リンドラセ由来のリパーゼ(シグマ社製 カタログN
O.L8525)を30ユニット/mlになるように溶
解し、さらにDHA含有率30重量%の精製油脂(日本
化学飼料株式会社製 商品名 DHA−30G)を10
%(w/v)混合し45℃で15時間撹拌し、2N水酸
化ナトリウムで連続的にpHを8.2に調整しながら加
水分解反応を行った。反応終了液と等容量のヘキサンで
油脂を抽出し、遠心分離によりヘキサン層を回収した。
ヘキサン抽出液1容量部に対し、0.4容量部のアセト
ン、ついで0.2容量部の0.3N水酸化ナトリウム水
溶液を加え室温で1時間撹拌した。遊離の脂肪酸が除去
されたグリセリドがヘキサン層に回収でき、溶媒を減圧
下で溜去して原料油脂に対し35重量%の製品油脂が得
られた。本製品油脂のDHA含有率は62重量%であ
り、イアトロスキャンを用いて測定したグリセリドの組
成は、トリグリセリド10%、ジグリセリド63%、モ
ノグリセリド27%であった。このようにして調整した
DHA含有率62重量%の油脂を参考例1のDHA含有
率35重量%の油脂の替わりに使用する以外は、参考例
1と全く同様にしてO/W型のDHA含有乳化組成物を
得た。
【0034】
【実施例1】豚赤身肉55部を挽肉機で挽肉にして、ソ
ーセージ加工において使用されるサイレントカッターに
入れ、参考例1で調製したDHA含有乳化組成物38部
と氷水2.06部とを高速カッテイングを行いながら添
加した。次に味付け用に白胡椒0.5部、グルタミン酸
ナトリウム1部、砂糖1部を添加し、酸化防止剤として
アスコルビン酸ナトリウム0.1部、トコフェロール
0.02部を添加しさらに離水防止と結着力向上のた
め、ポリリン酸ナトリウム0.3部、亜硝酸ナトリウム
0.02部およびカゼインナトリウムを2部添加して混
合し、ペースト状物を得た。このペースト状物をケーシ
ングに充填し、中心温度が70℃になるまで、78℃湯
浴中にて加熱した後、冷却し、DHAを豚肉100部に
対し12.09部、最終製品に対し6.65重量%含有
したソーセージ100部を得た。
【0035】
【比較例1】実施例1においてDHA含有乳化組成物3
8部と氷水2.06部を使用する替わりに、DHA含有
率35重量%の油脂19部と氷水21.06部を使用し
た以外は、実施例1と同様にしてDHAを豚肉100部
に対し12.09部、最終製品に対し6.65重量%含
有したソーセージ100部を得た。
【0036】
【比較例2】参考例1において可食性ゾル物質であるカ
ゼインナトリウム5部とカラギーナン0.1部を使用せ
ず、その重量減少分を水で補った以外は参考例1と同様
にしてDHA含有乳化組成物100部を得た。この乳化
組成物を実施例1で使用した乳化組成物と置き換えた以
外は実施例1と同様にしてDHAを豚肉100部に対し
12.09部、最終製品に対し6.65重量%含有した
ソーセージ100部を得た。
【0037】
【比較例3】参考例1においてテトラグリセリン縮合リ
シノレイン酸エステル1部とデカグリセリンモノステア
レート1部の可食性界面活性剤を使用せず、その重量減
少分を水で補った以外は参考例1と同様にしてDHA含
有乳化組成物100部を得た。この乳化組成物は不安定
で短時間のうちに油と水の分離が認められたが、そのま
まこの38部を実施例1の乳化組成物と置き換え、それ
以外の条件は実施例1と同様にしてDHAを豚肉100
部に対し12.09部、最終製品に対し6.65重量%
含有した ソーセージ100部を得た。
【0038】
【試験例1】実施例1および比較例1〜3で調製したD
HA含有ソーセージにつき製品中の油脂の分散性の目視
検査と10人のパネラーによる風味の官能検査を実施
し、その結果を表1に示した。
【0039】
【表1】
【0040】実施例1の製品は製品中の油脂の分散性、
風味ともに良好であったが、比較例1〜3の製品は油脂
の分散性、風味とも不良であった。これによりDHA高
含有ソーセージを製造するためには可食性界面活性剤と
可食性ゾル物質の双方を添加した乳化組成物の使用が必
要であることが示された。
【0041】
【実施例2】参考例1で得られたDHA含有乳化組成物
を使用する替わりに参考例2で得られたDHA含有乳化
組成物を使用する以外は、実施例1と同様にしてDHA
を豚肉100部に対し21.42部、最終製品に対し1
1.78重量%含有したソーセージを得た。このソーセ
ージは表1に示すとうり目視検査の結果油脂の分散性は
良好であり、官能検査による風味も良好であった。
【0042】
【実施例3】参考例2で得られたDHA含有乳化組成物
30部と、食塩3部、砂糖1部、亜硝酸ナトリウム0.
06部、アスコルビン酸ナトリウム0.2部、ポリリン
酸ナトリウム1.2部、メタリン酸ナトリウム0.3
部、グルタミン酸ナトリウム0.5部、ビーフエキス
0.5部、カゼインナトリウム3部、乳精蛋白5部、大
豆蛋白3部、粉末水飴5.24部、乳糖2部、および氷
水45部を混合溶解しピックル液100部を得た。
【0043】次いで、豚ロース肉部位100部に対し
て、ハム加工において使用されるインジェクションマシ
ーンを用いて、上記のDHA含有ピックル液を50部注
入し、これを同じくハム加工において使用されるタンブ
リングマシーンに入れて、冷蔵真空下で2時間回転させ
てマッサージを行い、均一に豚ロース肉中に分散させた
後、ケーシングに充填し、スモークと中心温度が70℃
になるまで加熱した後、冷却し、DHAを豚肉100部
に対し4.65重量部含有するロースハムを得た。な
お、スモークと加熱処理による水分蒸散のため、スモー
クと加熱処理前の重量の内およそ10%が失われてお
り、前記の方法で最終製品中のDHAを定量した結果、
その含有率は3.45重量%であった。
【0044】
【比較例4】DHA含有率62重量%の油脂(参考例2
参照)50部にテトラグリセリン縮合リシノレイン酸エ
ステル1部を添加したものを60℃で加温融解した。同
じく60℃に加温した水47.9部にデカグリセリンモ
ノステアレート1部、ポリリン酸ナトリウム0.1部を
添加溶解した。この水溶液をホモミキサーに入れ、上記
の加温融解した油脂を暫時混合して予備乳化を行った。
次いで、ホモジナイザーにより、200kg/cm2の
圧力で本乳化を行い、O/W型のDHA含有乳化組成物
100部を得た。
【0045】この乳化組成物30部と、食塩3部、砂糖
1部、亜硝酸ナトリウム0.06部、アスコルビン酸ナ
トリウム0.2部、ポリリン酸ナトリウム1.2部、メ
タリン酸ナトリウム0.3部、グルタミン酸ナトリウム
0.5部、ビーフエキス0.5部、粉末水飴5.24
部、乳糖2部および氷水56部を混合溶解し、ピックル
液100部を得た。実施例3においてピックル液をこの
可食性ゾル物質を使用しないピックル液に置き換える以
外は実施例3と同様にしてDHAを豚肉100部に対し
4.65重量部含有するロースハムを得た。前記の方法
で最終製品中のDHAを定量した結果、その含有率は
3.49重量%であった。
【0046】
【比較例5】比較例4においてDHA含有率62重量%
の油脂を50部使用する替わりに、この油脂を25部使
用し、重量減少分を水で補う以外は比較例4と同様にし
てDHA含有乳化組成物100部を得た。この乳化組成
物30部を使用して、比較例4と同様の方法でDHAを
豚肉100部に対し2.33部含有するロースハムを得
た。前記の方法で最終製品中のDHAを定量した結果、
その含有率は1.74重量%であった。
【0047】
【比較例6】比較例4においてDHA含有率62重量%
の油脂を50部使用する替わりに、この油脂を15部使
用し、重量減少分を水で補う以外は比較例4と同様にし
てDHA含有乳化組成物100部を得た。この乳化組成
物30部を使用して、比較例4と同様の方法でDHAを
豚肉100部に対し1.40部含有するロースハムを得
た。前記の方法で最終製品中のDHAを定量した結果、
その含有率は1.05重量%であった。
【0048】
【試験例2】実施例3および比較例4〜6で得られたD
HA含有ロースハムにつき製品中の油脂の分散性の目視
検査と10人のパネラーによる風味の官能検査を実施
し、その結果を表2に示した。
【0049】
【表2】
【0050】これにより、可食性ゾル物質を使用した場
合は畜肉原料100部に対しDHAを4部以上添加する
ことができるが(最終製品に対し3重量%以上)、可食
性ゾル物質を使用しない場合はDHA添加率は畜肉原料
100部に対し1.4部(最終製品に対し約1重量%)
が限度であることが示された。
【0051】
【実施例4】牛肉のブロック100部に対して、参考例
2で得られたDHA含有乳化組成物30部をハム加工に
おいて使用されるインジェクションマシーンにより注入
し、これを同じくハム加工において使用されるタンブリ
ングマシーンに入れて冷蔵真空下で2時間回転させてマ
ッサージを行い均一に分散させた。得られた牛加工肉は
DHAを牛肉100部に対し9.3部、最終製品に対し
7.1重量%と高濃度に含有しており、油脂の分散性も
良好であった。
【0052】
【実施例5】参考例2で得られたDHA含有乳化組成物
30部に味付け用として白胡椒1部、ビーフエキス2
部、グルタミン酸ナトリウム1部さらに酸化防止剤とし
てアスコルビン酸ナトリウム0.1部、トコフェロール
0.02部を添加して、予め筋切りをした豚肉100部
とともにタンブリングマシーンに入れ、冷蔵真空下で3
時間回転させて練合を行って豚肉組織中に吸収させた。
得られた豚加工肉はDHAを豚肉100部に対し9.3
部、最終製品に対し6.9重量%と高濃度に含有してお
り、油脂の分散性も良好であった。
【0053】
【試験例3】毎日晩酌をしている40代および50代の
男性ボランティア4名(平均年齢47才)に、実施例2
で調製したDHA含有率11.78重量%のソーセージ
を酒のつまみとして毎日10gずつ10日間摂取させ
た。このテストの間食事には全く制限をつけなかった。
テスト終了後各自の意見を述べてもらったところ、4名
とも摂取上なんら問題はなく、さらに続行したいと言う
ことであった。4名とも「この製品は酒のつまみとして
好適である」と述べ、内2名は「体調が良くなったよう
に感じる」と述べた。本ソーセージを10g摂取すると
1178mgのDHAが摂取でき、これだけでほぼ所要
摂取量を満たすことができた。
【0054】
【発明の効果】本発明の製造方法によるDHA含有の畜
肉加工製品は、DHAを従来にはない高濃度で含有せし
めることができ、しかも風味が優れている。これにより
少量の畜肉加工製品の摂取で十分量のDHAを摂取する
ことができ、食生活を楽しみながらDHAの好ましい生
理作用が期待できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドコサヘキサエン酸を含有する脂質、可
    食性界面活性剤および可食性ゾル物質を、畜肉に添加す
    ることを特徴とするドコサヘキサエン酸高含有畜肉加工
    製品の製造方法。
  2. 【請求項2】 ドコサヘキサエン酸を含有する脂質を、
    可食性界面活性剤と可食性ゾル物質の共存下で乳化せし
    めた乳化組成物を畜肉に添加することを特徴とする請求
    項1に記載のドコサヘキサエン酸高含有畜肉加工製品の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 ドコサヘキサエン酸を含有する脂質、可
    食性界面活性剤および可食性ゾル物質を含有することを
    特徴とするドコサヘキサエン酸高含有畜肉加工製品。
JP7007266A 1995-01-20 1995-01-20 Dha高含有畜肉加工製品の製造法 Pending JPH08196237A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1048227A1 (de) * 1999-04-29 2000-11-02 European FoodTec GmbH Fleischprodukte mit omega-3-Fettsäure und Vitamin
DE10214005A1 (de) * 2002-03-27 2003-10-09 Volker Bartz Blutfettsenker zur oralen Einnahme, bestehend aus einem Gemisch aus den Omega-3-Fettsäuren EPA (Eicosapentaensäure) und DHA (Docosapentaensäure) und Pektin und/oder Guar als wirksame Substanzen, sowie gegebenenfalls zusätzlichen Stoffen wie antioxidative Vitamine, Aminosäuren und Spurenelemente
ES2316251A1 (es) * 2006-09-22 2009-04-01 Javier Santos Fernandez Proceso para la incorporacion de omega3 (dha) a productos y derivados carnicos de consumo humano.
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