JPH08196614A - 局所吸収性止血材 - Google Patents
局所吸収性止血材Info
- Publication number
- JPH08196614A JPH08196614A JP7013077A JP1307795A JPH08196614A JP H08196614 A JPH08196614 A JP H08196614A JP 7013077 A JP7013077 A JP 7013077A JP 1307795 A JP1307795 A JP 1307795A JP H08196614 A JPH08196614 A JP H08196614A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- point
- hours
- collagen
- hemostatic
- cotton
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Materials For Medical Uses (AREA)
- Surgical Instruments (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 本発明は、アルカリ可溶化コラ−ゲンを再生
したアテロコラ−ゲンの繊維であって、水溶解性が30
〜60%であり、10分以内のHRが100%であるこ
とを特徴とする繊維である。 【効果】 本発明のコラ−ゲン繊維は、充分且つ安定な
止血能を有するとともに使用後に生体内で安全かつ速や
かに分解吸収され、しかも操作性が良いという酵素可溶
化品と同等な特性を有する局所吸収性止血剤を酵素可溶
化品より安価に供給し得る。
したアテロコラ−ゲンの繊維であって、水溶解性が30
〜60%であり、10分以内のHRが100%であるこ
とを特徴とする繊維である。 【効果】 本発明のコラ−ゲン繊維は、充分且つ安定な
止血能を有するとともに使用後に生体内で安全かつ速や
かに分解吸収され、しかも操作性が良いという酵素可溶
化品と同等な特性を有する局所吸収性止血剤を酵素可溶
化品より安価に供給し得る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、外科領域において使用
されるコラーゲン繊維からなる局所吸収性止血材に関す
るものであって、特に、実質臓器からの毛細血管出血や
血管吻合部からの出血に対して迅速かつ有効に適応され
得る局所吸収性止血材に関する。
されるコラーゲン繊維からなる局所吸収性止血材に関す
るものであって、特に、実質臓器からの毛細血管出血や
血管吻合部からの出血に対して迅速かつ有効に適応され
得る局所吸収性止血材に関する。
【0002】
【従来の技術】外科手術時の止血法としては、圧迫法、
結紮法、電気凝固法や、トロンビンやフィブリン糊等の
生理活性物質の応用等がある。出血点のはっきりしてい
る動脈性出血に対しては、一般に結紮法や電気凝固法が
用いられ、静脈性の出血であれば圧迫だけでも充分であ
り、止血は容易である。しかしながら、実質臓器からの
毛細血管出血や血管吻合部からの出血に対してはこれら
の止血法が有効でない場合があり、肝不全や心臓血管外
科領域で出血傾向にある場合には特に止血に困難をきた
す。このような場合、出血面に接触させるだけで血液凝
固反応を促進し、速やかに血栓を形成し出血を阻止する
局所吸収性止血材が、手術時間を短縮するのみならず術
後の再出血をも防止し、安全な術後管理にも貢献するた
め、効果的である。この目的で、酸化セルロ−スを材料
とする種々の局所止血材が開発され臨床的に応用されて
きたが、これらの局所止血材は、安価であり操作性に優
れるという長所を有するものの、生体由来の材料でない
ため、生体内での吸収が遅く強い溶血反応と異物反応を
惹起するという難点があり、近年は、抗原性が低く生体
に安全に吸収されてアレルギ−反応と異物反応を最小限
にとどめ得る生体由来の蛋白質であるコラ−ゲンを用い
た局所止血材が、それ自身の生理活性作用(血小板を粘
着凝集させ、凝集した血小板より放出される血小板第II
I 因子により血液凝固を促進し血栓を形成させる作用)
を有し、従って、止血効果も高いこともあって盛んに臨
床的に応用されるようになった。
結紮法、電気凝固法や、トロンビンやフィブリン糊等の
生理活性物質の応用等がある。出血点のはっきりしてい
る動脈性出血に対しては、一般に結紮法や電気凝固法が
用いられ、静脈性の出血であれば圧迫だけでも充分であ
り、止血は容易である。しかしながら、実質臓器からの
毛細血管出血や血管吻合部からの出血に対してはこれら
の止血法が有効でない場合があり、肝不全や心臓血管外
科領域で出血傾向にある場合には特に止血に困難をきた
す。このような場合、出血面に接触させるだけで血液凝
固反応を促進し、速やかに血栓を形成し出血を阻止する
局所吸収性止血材が、手術時間を短縮するのみならず術
後の再出血をも防止し、安全な術後管理にも貢献するた
め、効果的である。この目的で、酸化セルロ−スを材料
とする種々の局所止血材が開発され臨床的に応用されて
きたが、これらの局所止血材は、安価であり操作性に優
れるという長所を有するものの、生体由来の材料でない
ため、生体内での吸収が遅く強い溶血反応と異物反応を
惹起するという難点があり、近年は、抗原性が低く生体
に安全に吸収されてアレルギ−反応と異物反応を最小限
にとどめ得る生体由来の蛋白質であるコラ−ゲンを用い
た局所止血材が、それ自身の生理活性作用(血小板を粘
着凝集させ、凝集した血小板より放出される血小板第II
I 因子により血液凝固を促進し血栓を形成させる作用)
を有し、従って、止血効果も高いこともあって盛んに臨
床的に応用されるようになった。
【0003】現在実用化されているコラーゲン製の局所
止血材には、コラ−ゲンの微細繊維をフレーク状にした
ものやコラ−ゲンスポンジを平板状にしたものがある
が、前者については、コラ−ゲンの抗原性決定基である
テロペプタイドが残存しているため生体内で抗原性を示
すので使用後に取り除く必要があるとともにフレーク状
であるが故に血液に流され飛び散るため止血効果があま
り期待できないし、静電気を帯びやすく使用の際に手や
ピンセットに付着しやすいという操作面での難点があ
り、一方、後者については、テロペプタイドを取り除い
たアテロコラ−ゲンからなるものもあるが、平板状であ
ることから複雑な形状の創面に対する密着性が充分でな
く、圧迫止血もできなくなるので、前者と同様止血効果
があまり期待できない。
止血材には、コラ−ゲンの微細繊維をフレーク状にした
ものやコラ−ゲンスポンジを平板状にしたものがある
が、前者については、コラ−ゲンの抗原性決定基である
テロペプタイドが残存しているため生体内で抗原性を示
すので使用後に取り除く必要があるとともにフレーク状
であるが故に血液に流され飛び散るため止血効果があま
り期待できないし、静電気を帯びやすく使用の際に手や
ピンセットに付着しやすいという操作面での難点があ
り、一方、後者については、テロペプタイドを取り除い
たアテロコラ−ゲンからなるものもあるが、平板状であ
ることから複雑な形状の創面に対する密着性が充分でな
く、圧迫止血もできなくなるので、前者と同様止血効果
があまり期待できない。
【0004】前記の欠点を改善するものとして、アテロ
コラ−ゲンからなる綿状の局所止血材が発表されてい
る。例えば、豚皮由来のアテロコラ−ゲンを紡糸し乾燥
して綿状にしたもの(清水他、人工臓器19(3)、1
235(1990))や、紡糸したコラ−ゲンを架橋剤
により処理した後、洗浄、凍結乾燥して綿状にすると共
に表面に微細なひび割れ状の亀裂を生じさせたもの(特
開平4−61862号公報)等があるが、前者は、可溶
性であるアテロコラ−ゲンをそのまま使用していること
から止血に用いた場合、血液を吸収して繊維の強度が著
しく低下し血流を阻止することが困難なため充分な止血
効果が期待できない。一方、後者では、凍結乾燥に先立
ち架橋剤による架橋処理をしていることからコラ−ゲン
の持つ止血作用が損なわれてしまうし、安全性の面から
未反応架橋剤を完全に除去するための洗浄操作を必要と
するなどの問題点があった。
コラ−ゲンからなる綿状の局所止血材が発表されてい
る。例えば、豚皮由来のアテロコラ−ゲンを紡糸し乾燥
して綿状にしたもの(清水他、人工臓器19(3)、1
235(1990))や、紡糸したコラ−ゲンを架橋剤
により処理した後、洗浄、凍結乾燥して綿状にすると共
に表面に微細なひび割れ状の亀裂を生じさせたもの(特
開平4−61862号公報)等があるが、前者は、可溶
性であるアテロコラ−ゲンをそのまま使用していること
から止血に用いた場合、血液を吸収して繊維の強度が著
しく低下し血流を阻止することが困難なため充分な止血
効果が期待できない。一方、後者では、凍結乾燥に先立
ち架橋剤による架橋処理をしていることからコラ−ゲン
の持つ止血作用が損なわれてしまうし、安全性の面から
未反応架橋剤を完全に除去するための洗浄操作を必要と
するなどの問題点があった。
【0005】これらの問題点を解消するものとして、蛋
白質分解酵素による可溶化処理、あるいはアルカリによ
る可溶化処理を行い、可溶化と同時にコラ−ゲンの抗原
決定基であるテロペプタイドの除去操作を施したコラ−
ゲンを再生したアテロコラーゲンの繊維からなる綿状物
であって、それを構成するコラ−ゲン分子の少なくとも
一部を熱により架橋させたもの(特開平6−19794
6号公報)が提案されているが、蛋白質分解酵素による
可溶化処理を行ったもの(以下、この可溶化処理を“酵
素可溶化(処理)”と、酵素可溶化処理を経て作られた
綿状の止血材を“酵素可溶化(処理)品”と、それぞれ
いう)は、極めて優れた止血性能を有するが酵素を用い
るが故に製造コストが高くなり、一方、アルカリによる
可溶化処理を行ったもの(以下、この可溶化処理を“ア
ルカリ可溶化(処理)”と、アルカリ可溶化処理を経て
作られた綿状の止血材を“アルカリ可溶化(処理)品”
と、それぞれいう)は、大量処理が可能で、得られるコ
ラ−ゲン溶液の粘度も低く紡糸などの加工性に優れる
が、止血性能が酵素可溶化(処理)品ほど高くなく、し
かも安定性が乏しい。
白質分解酵素による可溶化処理、あるいはアルカリによ
る可溶化処理を行い、可溶化と同時にコラ−ゲンの抗原
決定基であるテロペプタイドの除去操作を施したコラ−
ゲンを再生したアテロコラーゲンの繊維からなる綿状物
であって、それを構成するコラ−ゲン分子の少なくとも
一部を熱により架橋させたもの(特開平6−19794
6号公報)が提案されているが、蛋白質分解酵素による
可溶化処理を行ったもの(以下、この可溶化処理を“酵
素可溶化(処理)”と、酵素可溶化処理を経て作られた
綿状の止血材を“酵素可溶化(処理)品”と、それぞれ
いう)は、極めて優れた止血性能を有するが酵素を用い
るが故に製造コストが高くなり、一方、アルカリによる
可溶化処理を行ったもの(以下、この可溶化処理を“ア
ルカリ可溶化(処理)”と、アルカリ可溶化処理を経て
作られた綿状の止血材を“アルカリ可溶化(処理)品”
と、それぞれいう)は、大量処理が可能で、得られるコ
ラ−ゲン溶液の粘度も低く紡糸などの加工性に優れる
が、止血性能が酵素可溶化(処理)品ほど高くなく、し
かも安定性が乏しい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
コラーゲン製止血材の課題を解決する止血材を提供する
こと、すなわち充分且つ安定な止血能を有するとともに
使用後に生体内で安全かつ速やかに分解吸収され、しか
も操作性がよく安価なコラーゲン製局所止血材を提供す
ることを目的としている。
コラーゲン製止血材の課題を解決する止血材を提供する
こと、すなわち充分且つ安定な止血能を有するとともに
使用後に生体内で安全かつ速やかに分解吸収され、しか
も操作性がよく安価なコラーゲン製局所止血材を提供す
ることを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な目的を達成するため検討を重ねた結果、本発明に到達
した。すなわち、本発明は、アルカリ可溶化コラーゲン
を再生したアテロコラーゲンの繊維であって、水溶解性
が30〜60%であり、10分以内のHRが100%か
らなることを特徴とする。
な目的を達成するため検討を重ねた結果、本発明に到達
した。すなわち、本発明は、アルカリ可溶化コラーゲン
を再生したアテロコラーゲンの繊維であって、水溶解性
が30〜60%であり、10分以内のHRが100%か
らなることを特徴とする。
【0008】本発明においてアルカリ可溶化コラ−ゲン
とは、アルカリによる可溶化処理を行い、可溶化と同時
にコラ−ゲンの抗原決定基であるテロペプタイドの除去
操作を施したコラ−ゲンのことである。本発明の原料と
して使用されるコラ−ゲンの由来は特に限定されない
が、一般には、哺乳動物(例えば、ヒト、ウシ、ブタ、
ウサギ、ヒツジ、ネズミ等)の皮膚、骨、軟骨、腱、臓
器などから得られるコラ−ゲンを用いる。また、鳥類、
魚類などから得たコラ−ゲン様蛋白質を用いることもで
きる。
とは、アルカリによる可溶化処理を行い、可溶化と同時
にコラ−ゲンの抗原決定基であるテロペプタイドの除去
操作を施したコラ−ゲンのことである。本発明の原料と
して使用されるコラ−ゲンの由来は特に限定されない
が、一般には、哺乳動物(例えば、ヒト、ウシ、ブタ、
ウサギ、ヒツジ、ネズミ等)の皮膚、骨、軟骨、腱、臓
器などから得られるコラ−ゲンを用いる。また、鳥類、
魚類などから得たコラ−ゲン様蛋白質を用いることもで
きる。
【0009】本発明において、水溶解度とは、該繊維又
は該繊維からなる局所吸収性止血材を65℃の温水に5
分間浸漬した時の該繊維又は該繊維からなる局所吸収性
止血材の溶解度であって、この指標が該繊維を構成する
コラ−ゲン分子の架橋度と比例関係にあることから採用
した指標であり、一方、HRとは、該繊維をある形態の
局所吸収性止血材として適用した場合の止血の程度を表
す指標である(該繊維自体、その生理活性特性より止血
能を有するものであるが、後述の通り、実際の止血能
は、該繊維を局所吸収性止血材として適用しないと正当
に評価し得ないので、この指標を用いた)。尚、HRの
具体的な求め方は、下記の通りである。 該繊維を望ましい形態の局所吸収性止血材としたも
の50mgを止血対象部位にあて30秒間用手的に圧迫
する。 その後1分間隔で該止血材の上から30秒間ガ−ゼ
をあててBD(吸い取られる血液によって描かれる円の
長径と短径との平均値)を測定し、ガ−ゼに付着する血
液が痕跡となるまで(この時点をもって完全止血とし
た)、又は10分後までBDの測定を行う。 HRを下式に従って求める。ここで、BDt=0 はBD
の初期値、BDt=t はt分後のBDである。 HR(%)=(1−(BDt=t /BDt=0 ))×100
は該繊維からなる局所吸収性止血材を65℃の温水に5
分間浸漬した時の該繊維又は該繊維からなる局所吸収性
止血材の溶解度であって、この指標が該繊維を構成する
コラ−ゲン分子の架橋度と比例関係にあることから採用
した指標であり、一方、HRとは、該繊維をある形態の
局所吸収性止血材として適用した場合の止血の程度を表
す指標である(該繊維自体、その生理活性特性より止血
能を有するものであるが、後述の通り、実際の止血能
は、該繊維を局所吸収性止血材として適用しないと正当
に評価し得ないので、この指標を用いた)。尚、HRの
具体的な求め方は、下記の通りである。 該繊維を望ましい形態の局所吸収性止血材としたも
の50mgを止血対象部位にあて30秒間用手的に圧迫
する。 その後1分間隔で該止血材の上から30秒間ガ−ゼ
をあててBD(吸い取られる血液によって描かれる円の
長径と短径との平均値)を測定し、ガ−ゼに付着する血
液が痕跡となるまで(この時点をもって完全止血とし
た)、又は10分後までBDの測定を行う。 HRを下式に従って求める。ここで、BDt=0 はBD
の初期値、BDt=t はt分後のBDである。 HR(%)=(1−(BDt=t /BDt=0 ))×100
【0010】コラーゲン止血材による止血は、先ず湧出
する血液が物理的に抑止され、次いでコラーゲン自身の
止血作用が発揮されることによってなされる。従って、
前記作用を損なわない限り止血材の形態としては、例え
ば、綿状、平板状、織編布、不織布等であってよい。綿
状の局所吸収性止血材は、血液を含むと膨潤し全体の容
積が増加する。その結果、適用部位周囲組織への圧迫止
血効果を発現するのであるので好ましい。
する血液が物理的に抑止され、次いでコラーゲン自身の
止血作用が発揮されることによってなされる。従って、
前記作用を損なわない限り止血材の形態としては、例え
ば、綿状、平板状、織編布、不織布等であってよい。綿
状の局所吸収性止血材は、血液を含むと膨潤し全体の容
積が増加する。その結果、適用部位周囲組織への圧迫止
血効果を発現するのであるので好ましい。
【0011】該圧迫止血効果は、止血材にある程度の強
度があってこそ発現されるものであるが、アルカリ可溶
化のみを行って得られた局所吸収性止血材は、アルカリ
可溶化処理を受けた際にコラ−ゲンのアミノ酸残基が修
飾を受け、等電点が低くなり、生体内では該止血材を構
成する繊維の大部分が体液中の水分にて溶解し繊維構造
を失ってしまうため、膨潤にともない強度が低下する。
度があってこそ発現されるものであるが、アルカリ可溶
化のみを行って得られた局所吸収性止血材は、アルカリ
可溶化処理を受けた際にコラ−ゲンのアミノ酸残基が修
飾を受け、等電点が低くなり、生体内では該止血材を構
成する繊維の大部分が体液中の水分にて溶解し繊維構造
を失ってしまうため、膨潤にともない強度が低下する。
【0012】そこで、本発明では、まず該繊維を構成す
るコラ−ゲン分子の少なくとも1部を熱により架橋し、
止血材としての適度な膨潤性と強度を付与させることに
した。
るコラ−ゲン分子の少なくとも1部を熱により架橋し、
止血材としての適度な膨潤性と強度を付与させることに
した。
【0013】架橋度を規定する因子は、温度と時間であ
る。90〜120℃の低温域では、24〜48時間位ま
でゆっくりと架橋が入っていく。130〜140℃で
は、数時間で架橋はプラト−に達する。150℃以上の
高温域では急速に架橋が入る。一方、架橋度と止血能と
の関係は下記の通りである。 架橋の入り方が少ないもの(水溶解度が40%以
上)では、該止血材を構成する繊維の溶解が著しく、局
所からの出血が止まらない。 架橋度が中程度のもの(水溶解度が30%程度)
は、膨潤はするが該繊維の溶解はそれほどでもないの
で、10分以上圧迫し続ければ止血し得る。 架橋度が高度のもの(水溶解度が20%以下)で
は、該繊維が固くなり、血液を含むと該止血材が一塊の
固いかたまりになってしまい、適用の初期には止血しか
けるが数分後には出血する血液でもって該止血材全体が
押し上げられ、出血が継続する(尚、熱架橋の温度が1
50℃を越えるとコラ−ゲン自体の変性が起こり始める
と共にコラ−ゲンが本来有する生理活性作用が損なわれ
始める)。
る。90〜120℃の低温域では、24〜48時間位ま
でゆっくりと架橋が入っていく。130〜140℃で
は、数時間で架橋はプラト−に達する。150℃以上の
高温域では急速に架橋が入る。一方、架橋度と止血能と
の関係は下記の通りである。 架橋の入り方が少ないもの(水溶解度が40%以
上)では、該止血材を構成する繊維の溶解が著しく、局
所からの出血が止まらない。 架橋度が中程度のもの(水溶解度が30%程度)
は、膨潤はするが該繊維の溶解はそれほどでもないの
で、10分以上圧迫し続ければ止血し得る。 架橋度が高度のもの(水溶解度が20%以下)で
は、該繊維が固くなり、血液を含むと該止血材が一塊の
固いかたまりになってしまい、適用の初期には止血しか
けるが数分後には出血する血液でもって該止血材全体が
押し上げられ、出血が継続する(尚、熱架橋の温度が1
50℃を越えるとコラ−ゲン自体の変性が起こり始める
と共にコラ−ゲンが本来有する生理活性作用が損なわれ
始める)。
【0014】上記の通り、適当な温度と時間を選定すれ
ば熱架橋にてアルカリ可溶化品でもそれ相当の止血能を
発現するが、熱架橋のみでは酵素可溶化品程の止血能
(10分以内に完全止血、すなわちHR=100%)を
持つに至らない。
ば熱架橋にてアルカリ可溶化品でもそれ相当の止血能を
発現するが、熱架橋のみでは酵素可溶化品程の止血能
(10分以内に完全止血、すなわちHR=100%)を
持つに至らない。
【0015】そこで次に、熱架橋を施した繊維に、更に
γ線照射を行った。γ線照射を行うとコラ−ゲン分子の
架橋と切断が起こるが、照射条件を適当な領域に選定す
ると架橋の増加よりもコラ−ゲン分子の切断される割合
が多くなり、該止血材が軟化すると共に水溶解度が高く
なるからである。更に、γ線照射は、血小板凝集機能の
向上(多数のアミド基が作出されることによる)をもも
たらす。
γ線照射を行った。γ線照射を行うとコラ−ゲン分子の
架橋と切断が起こるが、照射条件を適当な領域に選定す
ると架橋の増加よりもコラ−ゲン分子の切断される割合
が多くなり、該止血材が軟化すると共に水溶解度が高く
なるからである。更に、γ線照射は、血小板凝集機能の
向上(多数のアミド基が作出されることによる)をもも
たらす。
【0016】処理条件としては、上記の理由から、処理
温度を縦軸(又は横軸)とし、処理時間を横軸(又は縦
軸)とした直交座標系において、A点(130℃,8時
間)、B点(130℃,10時間)、C点(145℃,
3時間)、D点(145℃,5時間)にて囲まれた範囲
内で熱架橋を行った後、γ線照射を行うのがよい。前記
のA点が、130℃,8時間、B点が、130℃,10
時間、C点が、140℃,5時間、D点が、140℃,
7時間である範囲内が更に好ましく、前記のA点が、1
35℃,6時間、B点が、135℃,8時間、C点が、
138℃,5.5時間、D点が、138℃,6.5時間
である範囲内が特に好ましい。熱処理時間が短時間であ
ると、熱処理にムラが生じる可能性が高くなり、一方、
長過ぎると製造コストが高くなるからである。尚、熱処
理は、γ線照射処理との連続性を確保する意味からは、
本発明の繊維を止血剤として所望の形態に加工してから
行えばよいし、一方、均一な熱処理を行うという意味で
は、紡糸の後、止血剤として所望の形態に加工する前に
行うのがよい。ここで、γ線の照射量としては、少なく
とも2.5Mradsが好ましい。滅菌に必要とされる
線量であり、しかもコラ−ゲン分子の架橋の増加よりも
コラ−ゲン分子の切断される割合が多い線量であるから
である。
温度を縦軸(又は横軸)とし、処理時間を横軸(又は縦
軸)とした直交座標系において、A点(130℃,8時
間)、B点(130℃,10時間)、C点(145℃,
3時間)、D点(145℃,5時間)にて囲まれた範囲
内で熱架橋を行った後、γ線照射を行うのがよい。前記
のA点が、130℃,8時間、B点が、130℃,10
時間、C点が、140℃,5時間、D点が、140℃,
7時間である範囲内が更に好ましく、前記のA点が、1
35℃,6時間、B点が、135℃,8時間、C点が、
138℃,5.5時間、D点が、138℃,6.5時間
である範囲内が特に好ましい。熱処理時間が短時間であ
ると、熱処理にムラが生じる可能性が高くなり、一方、
長過ぎると製造コストが高くなるからである。尚、熱処
理は、γ線照射処理との連続性を確保する意味からは、
本発明の繊維を止血剤として所望の形態に加工してから
行えばよいし、一方、均一な熱処理を行うという意味で
は、紡糸の後、止血剤として所望の形態に加工する前に
行うのがよい。ここで、γ線の照射量としては、少なく
とも2.5Mradsが好ましい。滅菌に必要とされる
線量であり、しかもコラ−ゲン分子の架橋の増加よりも
コラ−ゲン分子の切断される割合が多い線量であるから
である。
【0017】尚、好ましい範囲として挙げた本発明の繊
維又は該繊維からなる止血材の水溶解性の値:40〜5
0%は、上記γ線照射処理の前に行われる熱処理条件の
範囲、すなわちA点が、130℃,8時間、B点が、1
30℃,10時間、C点が、140℃,5時間、D点
が、140℃,7時間の条件に対応するものである。
維又は該繊維からなる止血材の水溶解性の値:40〜5
0%は、上記γ線照射処理の前に行われる熱処理条件の
範囲、すなわちA点が、130℃,8時間、B点が、1
30℃,10時間、C点が、140℃,5時間、D点
が、140℃,7時間の条件に対応するものである。
【0018】局所吸収性止血材として有すべきその他の
物理的特性としては、 構成繊維の直径(太いほうが強度は大きくなるが、
あまり太いものでは繊維が剛直化してしまい形状加工し
にくくなるため、10〜70μmがよく、好ましくは2
0〜50μmである)、 構成繊維の長さ(該繊維が可溶性コラーゲンを再生
することによって得られるため任意の長さのものを得る
ことができるが、あまり長いものでは綿状にする際に充
分分散させることが難しくなり、短すぎると繊維同士が
絡みにくく止血材の適用の際に散らばってしまうし血圧
に抗する強度も得られなくなるため、3〜70mmがよ
く、好ましくは、20〜50mmである)、及び 綿状物の比容積(適用の際の形状加工のしやすさ、
すなわち、さまざまな形状をした創傷部位に合わせて止
血材の形を変え、均一に密着させることにより止血効果
を最大限に発揮させることができる、からは高いほうが
良いが、繊維同士が適度に絡み合うためにはおのずとそ
の限界があるし、あまり高いと繊維が飛散したり適用の
際に隙間ができてしまい完全に止血することが困難にな
るため、20〜80cm3 /gがよく、好ましくは40
〜70cm3 /g程度である)が挙げられる。ここで、
比容積は、次のようにして求めたものである(以下、コ
ラーゲン繊維の綿状物を基準として記載したが、フレ−
ク状物も同様にして計測する)。 得られたコラーゲン繊維の綿状物を標準状態(20
℃,65%RH)下で約1gを採り、正確に秤量する
(計測重量:Wg)。 標準状態下で、内径35mmの透明なプラスチック
円筒内に均一に充填する。 次に、直径30mm,重さ5.0gの平円板を、
で準備された綿状物の上に乗せ、更にその上に50gの
分銅を30秒間載せた後該分銅を取り除き30秒間放置
する。この操作を3回繰り返し、次いで充填された綿状
物の高さを周方向3ヶ所にて計測する(平均値をHmm
とする)。 次式に従って比容積をサンプル3個について求め、
その平均値を採用する。 比容積(cm3 /g)=((35/20)2 ×π×H/
10)/W
物理的特性としては、 構成繊維の直径(太いほうが強度は大きくなるが、
あまり太いものでは繊維が剛直化してしまい形状加工し
にくくなるため、10〜70μmがよく、好ましくは2
0〜50μmである)、 構成繊維の長さ(該繊維が可溶性コラーゲンを再生
することによって得られるため任意の長さのものを得る
ことができるが、あまり長いものでは綿状にする際に充
分分散させることが難しくなり、短すぎると繊維同士が
絡みにくく止血材の適用の際に散らばってしまうし血圧
に抗する強度も得られなくなるため、3〜70mmがよ
く、好ましくは、20〜50mmである)、及び 綿状物の比容積(適用の際の形状加工のしやすさ、
すなわち、さまざまな形状をした創傷部位に合わせて止
血材の形を変え、均一に密着させることにより止血効果
を最大限に発揮させることができる、からは高いほうが
良いが、繊維同士が適度に絡み合うためにはおのずとそ
の限界があるし、あまり高いと繊維が飛散したり適用の
際に隙間ができてしまい完全に止血することが困難にな
るため、20〜80cm3 /gがよく、好ましくは40
〜70cm3 /g程度である)が挙げられる。ここで、
比容積は、次のようにして求めたものである(以下、コ
ラーゲン繊維の綿状物を基準として記載したが、フレ−
ク状物も同様にして計測する)。 得られたコラーゲン繊維の綿状物を標準状態(20
℃,65%RH)下で約1gを採り、正確に秤量する
(計測重量:Wg)。 標準状態下で、内径35mmの透明なプラスチック
円筒内に均一に充填する。 次に、直径30mm,重さ5.0gの平円板を、
で準備された綿状物の上に乗せ、更にその上に50gの
分銅を30秒間載せた後該分銅を取り除き30秒間放置
する。この操作を3回繰り返し、次いで充填された綿状
物の高さを周方向3ヶ所にて計測する(平均値をHmm
とする)。 次式に従って比容積をサンプル3個について求め、
その平均値を採用する。 比容積(cm3 /g)=((35/20)2 ×π×H/
10)/W
【0019】
【実施例】以下、本発明の繊維からなる局所吸収性止血
材の1形態である綿状物を例として本発明の詳細につい
て述べる。 実施例1 新鮮牛皮より得られた不溶性コラーゲンを、硫酸ナトリ
ウムと水酸化ナトリウムとモノメチルアミンの混合溶液
(以下同様)によってアルカリ処理してテロペプタイド
を消化すると共に可溶化したアテロコラーゲンの溶液を
得た。つぎにこれをpH3に調製した塩酸水溶液に溶解
(コラーゲン濃度:6%)し、20%硫酸アンモニウム
を凝固液とする湿式紡糸法にてアテロコラーゲン繊維を
得た。得られたアテロコラーゲン繊維を、メタノ−ルに
て脱塩、脱水し、乾燥した後、長さ50mmに切断し、
エアーブロー(30m/sの風速で10分間)により繊
維を分散させ、次いで減圧下に140℃で5時間の熱処
理を行い、更に25kGyのγ線照射を加え、コラーゲ
ン繊維の綿状物を得た。得られた綿状物の物性値は、水
溶解性:49%,繊維長:20〜50mm,繊維直径:
20〜50μm,比容積:60cm3 /gであった。
材の1形態である綿状物を例として本発明の詳細につい
て述べる。 実施例1 新鮮牛皮より得られた不溶性コラーゲンを、硫酸ナトリ
ウムと水酸化ナトリウムとモノメチルアミンの混合溶液
(以下同様)によってアルカリ処理してテロペプタイド
を消化すると共に可溶化したアテロコラーゲンの溶液を
得た。つぎにこれをpH3に調製した塩酸水溶液に溶解
(コラーゲン濃度:6%)し、20%硫酸アンモニウム
を凝固液とする湿式紡糸法にてアテロコラーゲン繊維を
得た。得られたアテロコラーゲン繊維を、メタノ−ルに
て脱塩、脱水し、乾燥した後、長さ50mmに切断し、
エアーブロー(30m/sの風速で10分間)により繊
維を分散させ、次いで減圧下に140℃で5時間の熱処
理を行い、更に25kGyのγ線照射を加え、コラーゲ
ン繊維の綿状物を得た。得られた綿状物の物性値は、水
溶解性:49%,繊維長:20〜50mm,繊維直径:
20〜50μm,比容積:60cm3 /gであった。
【0020】実施例2〜6 熱処理温度を、それぞれ表1に示す条件にて行ったこと
以外、実施例1と同様にしてコラーゲン繊維の綿状物を
得た。得られた綿状物の物性値は、水溶解性が、それぞ
れ表1に示す数値であったことを除き実施例1と同じで
あった。
以外、実施例1と同様にしてコラーゲン繊維の綿状物を
得た。得られた綿状物の物性値は、水溶解性が、それぞ
れ表1に示す数値であったことを除き実施例1と同じで
あった。
【0021】比較例1〜16 熱処理温度を、それぞれ表1に示す条件にて行ったこと
及び熱処理後のγ線照射を行わなかったこと以外、実施
例1と同様にしてコラーゲン繊維の綿状物を得た。得ら
れた綿状物の物性値は、水溶解性が、それぞれ表1に示
す数値であったことを除き実施例1と同じであった。
及び熱処理後のγ線照射を行わなかったこと以外、実施
例1と同様にしてコラーゲン繊維の綿状物を得た。得ら
れた綿状物の物性値は、水溶解性が、それぞれ表1に示
す数値であったことを除き実施例1と同じであった。
【0022】比較例17 熱処理温度を、それぞれ表1に示す条件にて行ったこと
以外、実施例1と同様にしてコラーゲン繊維の綿状物を
得た。得られた綿状物の物性値は、水溶解性が、それぞ
れ表1に示す数値であったことを除き実施例1と同じで
あった。
以外、実施例1と同様にしてコラーゲン繊維の綿状物を
得た。得られた綿状物の物性値は、水溶解性が、それぞ
れ表1に示す数値であったことを除き実施例1と同じで
あった。
【0023】参考例 アルカリ可溶化処理に代えてペプシンによる酵素可溶化
処理を適用したこと以外、実施例1と同様にしてコラー
ゲン繊維の綿状物を得た。得られた綿状物の物性値は、
水溶解性が22%であったことを除き実施例1と同じで
あった。
処理を適用したこと以外、実施例1と同様にしてコラー
ゲン繊維の綿状物を得た。得られた綿状物の物性値は、
水溶解性が22%であったことを除き実施例1と同じで
あった。
【0024】〔止血効果の評価〕雑種成犬を全身麻酔下
に開腹し、脾臓を露出させ、ヘパリン100u/kgを
静脈内1回投与した後、脾臓の被膜をメスで1cm×1cm
大に切除した。次に、乾ガ−ゼを創面に30秒間あて、
BD(Breeding Degree) を計測した。最初のBDは40
mm以上とし、40mm以下の出血創は実験に使用しな
かった。被膜剥離1分後に上記の各実施例、各比較例及
び参考例にて得られたコラーゲン綿状物各50mgを創
面にあて30秒間用手的に圧迫した。その後1分間隔で
該綿状物の上から30秒間ガ−ゼをあててBDを測定
し、ガ−ゼに付着する血液が痕跡となるまで(この時点
をもって完全止血とした)、又は10分後までBDの測
定を行い、止血率:HRを下式に従って求めた。ここで、
BDt=0 はBDの初期値、BDt=tはt分後のBDである。 HR(%)=(1−(BDt=t /BDt=0 ))×100 各4例を施行した時のデ−タを表1に示す。
に開腹し、脾臓を露出させ、ヘパリン100u/kgを
静脈内1回投与した後、脾臓の被膜をメスで1cm×1cm
大に切除した。次に、乾ガ−ゼを創面に30秒間あて、
BD(Breeding Degree) を計測した。最初のBDは40
mm以上とし、40mm以下の出血創は実験に使用しな
かった。被膜剥離1分後に上記の各実施例、各比較例及
び参考例にて得られたコラーゲン綿状物各50mgを創
面にあて30秒間用手的に圧迫した。その後1分間隔で
該綿状物の上から30秒間ガ−ゼをあててBDを測定
し、ガ−ゼに付着する血液が痕跡となるまで(この時点
をもって完全止血とした)、又は10分後までBDの測
定を行い、止血率:HRを下式に従って求めた。ここで、
BDt=0 はBDの初期値、BDt=tはt分後のBDである。 HR(%)=(1−(BDt=t /BDt=0 ))×100 各4例を施行した時のデ−タを表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】表1に示す通り、本発明による止血用コラ
ーゲン綿状物は、酵素可溶化品(参考例)と同等な止血
能を有することが明らかである(アルカリ可溶化のみを
行ったもの−比較例−は、所定の時間内に完全止血が得
られなかった)。
ーゲン綿状物は、酵素可溶化品(参考例)と同等な止血
能を有することが明らかである(アルカリ可溶化のみを
行ったもの−比較例−は、所定の時間内に完全止血が得
られなかった)。
【0027】更に、止血能の安定性を確認するために、
実施例1、比較例7及び参考例の止血用コラーゲン綿状
物を用いて同様の実験を行った(実験回数は、実施例1
及び比較例7の綿状物については8回、参考例のそれは
5回である)。結果は図1に示す通りで、本発明による
止血用コラーゲン綿状物は、全ての実験において所定時
間内に完全止血が得られ、安定した止血能を有すること
が判った。一方、アルカリ可溶化のみを行ったもの(比
較例7)は、8回中3回で完全止血が得られず、完全止
血が得られた5例においても、本発明品に比し組織への
接着性が悪い印象があった。
実施例1、比較例7及び参考例の止血用コラーゲン綿状
物を用いて同様の実験を行った(実験回数は、実施例1
及び比較例7の綿状物については8回、参考例のそれは
5回である)。結果は図1に示す通りで、本発明による
止血用コラーゲン綿状物は、全ての実験において所定時
間内に完全止血が得られ、安定した止血能を有すること
が判った。一方、アルカリ可溶化のみを行ったもの(比
較例7)は、8回中3回で完全止血が得られず、完全止
血が得られた5例においても、本発明品に比し組織への
接着性が悪い印象があった。
【0028】〔生体内における吸収と組織反応〕雑種成
犬5頭を全身麻酔下に開腹し、脾臓を露出させ、ヘパリ
ンの投与を行わずに、脾臓の被膜をメスで1cm×1cm大
に切除した。次に、実施例1、比較例7及び参考例の止
血用コラーゲン綿状物を各50mg創面に貼付し、止血
が完了するまで用手的に圧迫し、止血の完了を確認した
後閉腹した。術後1週後に2頭、3週間後に3頭犠牲死
させ、各綿状物の吸収の程度、組織反応等を病理組織学
的に検討した。
犬5頭を全身麻酔下に開腹し、脾臓を露出させ、ヘパリ
ンの投与を行わずに、脾臓の被膜をメスで1cm×1cm大
に切除した。次に、実施例1、比較例7及び参考例の止
血用コラーゲン綿状物を各50mg創面に貼付し、止血
が完了するまで用手的に圧迫し、止血の完了を確認した
後閉腹した。術後1週後に2頭、3週間後に3頭犠牲死
させ、各綿状物の吸収の程度、組織反応等を病理組織学
的に検討した。
【0029】5頭とも、手術から犠牲死させるまでの
間、全身状態に著変なく経過し、再開腹した時には、出
血、腹膜炎等の所見は認められなかった。1週間後、組
織学的には、3種とも、術直後に比べかなり変化し、繊
維構造は認められなかった、また、コラ−ゲン内への細
胞浸潤は少なかった。3週間後には、3種とも白色の組
織が認められるのみで、止血剤は肉眼的には確認できな
かった。組織学的には、本発明品及び酵素可溶化品(参
考例)ではコラ−ゲンはほとんど吸収され、細胞浸潤も
ほとんど認められず、薄い線維性の組織が脾臓を覆って
いたが、アルカリ可溶化のみを行ったもの(比較例7)
ではコラ−ゲンが一部残存し、その周囲に好中球、マク
ロファ−ジ等の細胞浸潤が見られた。本発明品は、生体
への吸収が早くしかも組織反応も少なくこの面において
も有利な局所止血剤であることが確認された。
間、全身状態に著変なく経過し、再開腹した時には、出
血、腹膜炎等の所見は認められなかった。1週間後、組
織学的には、3種とも、術直後に比べかなり変化し、繊
維構造は認められなかった、また、コラ−ゲン内への細
胞浸潤は少なかった。3週間後には、3種とも白色の組
織が認められるのみで、止血剤は肉眼的には確認できな
かった。組織学的には、本発明品及び酵素可溶化品(参
考例)ではコラ−ゲンはほとんど吸収され、細胞浸潤も
ほとんど認められず、薄い線維性の組織が脾臓を覆って
いたが、アルカリ可溶化のみを行ったもの(比較例7)
ではコラ−ゲンが一部残存し、その周囲に好中球、マク
ロファ−ジ等の細胞浸潤が見られた。本発明品は、生体
への吸収が早くしかも組織反応も少なくこの面において
も有利な局所止血剤であることが確認された。
【0030】
【発明の効果】本発明によるコラーゲン繊維は、充分且
つ安定な止血能を有するとともに使用後に生体内で安全
かつ速やかに分解吸収され、しかも操作性がよいという
酵素可溶化品と同等な特性を有する局所吸収性止血材を
酵素可溶化品より安価に提供し得る。
つ安定な止血能を有するとともに使用後に生体内で安全
かつ速やかに分解吸収され、しかも操作性がよいという
酵素可溶化品と同等な特性を有する局所吸収性止血材を
酵素可溶化品より安価に提供し得る。
【図1】本発明の止血材の止血能の安定性の確認結果を
示す図である。
示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清谷 哲也 京都府京都市左京区田中上古川町34−35 メゾン高野307号 (72)発明者 寺町 政美 京都府京都市伏見区深草西浦町3−8−9 シャー深草 1st 40B (72)発明者 奥村 典仁 兵庫県神戸市西区糀台5丁目1−3 アヴ ェニール西神戸208
Claims (9)
- 【請求項1】 アルカリ可溶化コラーゲンを再生したア
テロコラーゲンの繊維であって、水溶解性が30〜60
%であり、10分以内のHRが100%であることを特
徴とする繊維。 - 【請求項2】 水溶解性が40〜50%である請求項1
に記載の繊維。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載の繊維からなる綿
状物。 - 【請求項4】 比容積が20〜80cm3 /gである請
求項3に記載の綿状物。 - 【請求項5】 アルカリ可溶化コラーゲンを再生してア
テロコラーゲンの繊維を製造する方法であって、該繊維
を構成するコラーゲン分子の少なくとも1部を熱により
架橋させ、更にγ線照射を加えたことを特徴とする方
法。 - 【請求項6】 熱による架橋が、処理温度を縦軸(又は
横軸)とし、処理時間を横軸(又は縦軸)とした直交座
標系において、A点(130℃,8時間),B点(13
0℃,10時間),C点(145℃,3時間),D点
(145℃,5時間)にて囲まれた範囲内で行われたも
のである請求項5に記載の方法。 - 【請求項7】 前記のA点が、130℃,8時間、B点
が、130℃,10時間、C点が、140℃,5時間、
D点が、140℃,7時間である請求項5に記載の方
法。 - 【請求項8】 前記のA点が、135℃,6時間、B点
が、135℃,8時間、C点が、138℃,5.5時
間、D点が、138℃,6.5時間である請求項6に記
載の方法。 - 【請求項9】 γ線照射が、少なくとも25kGyの線
量で行われる請求項5乃至8のいずれか1に記載の方
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7013077A JPH08196614A (ja) | 1995-01-30 | 1995-01-30 | 局所吸収性止血材 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7013077A JPH08196614A (ja) | 1995-01-30 | 1995-01-30 | 局所吸収性止血材 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08196614A true JPH08196614A (ja) | 1996-08-06 |
Family
ID=11823104
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7013077A Pending JPH08196614A (ja) | 1995-01-30 | 1995-01-30 | 局所吸収性止血材 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08196614A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009112233A (ja) * | 2007-11-05 | 2009-05-28 | Nipro Corp | コラーゲン基材 |
| CN107349457A (zh) * | 2017-06-23 | 2017-11-17 | 无锡贝迪生物工程股份有限公司 | 一种胶原止血纤维的制备方法 |
-
1995
- 1995-01-30 JP JP7013077A patent/JPH08196614A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009112233A (ja) * | 2007-11-05 | 2009-05-28 | Nipro Corp | コラーゲン基材 |
| CN107349457A (zh) * | 2017-06-23 | 2017-11-17 | 无锡贝迪生物工程股份有限公司 | 一种胶原止血纤维的制备方法 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP4769578B2 (ja) | 止血用材料 | |
| JP6235104B2 (ja) | 止血組成物 | |
| EP0183136B1 (en) | A hemostatic agent composed of collagen/gelatin and protamine | |
| TWI353829B (en) | Dry flexible hemostatic material and method for pr | |
| JPH1066723A (ja) | 酸化多糖類から形成される生体吸収性医療具 | |
| US4074713A (en) | Poly(N-acetyl-D-glucosamine) products | |
| KR101474237B1 (ko) | 실크 피브로인을 함유하는 접착력을 갖는 지혈용 스펀지 | |
| US5679372A (en) | Absorbable topical hemostat | |
| JPH0461862A (ja) | コラーゲン繊維止血材及びその製造方法 | |
| RU2596502C2 (ru) | Биоразлагаемый нетканый материал для медицинских целей | |
| JPH0835193A (ja) | コラーゲン繊維不織シートの製造方法 | |
| JP2022550247A (ja) | 酸化セルロースから構成される膨張性止血剤 | |
| JPWO2004043503A1 (ja) | トロンビン固定化生体吸収性合成不織布 | |
| TW434001B (en) | Styptic material for local absorption | |
| JPH0797714A (ja) | コラーゲン繊維の製造法 | |
| CN111991611B (zh) | 一种可粘附自修复止血海绵及其制备方法 | |
| JPH08196614A (ja) | 局所吸収性止血材 | |
| JP3404097B2 (ja) | 局所吸収性止血材 | |
| Peper et al. | Pigskin as a topical hemostat in arterial, liver, and splenic injuries | |
| RU2836134C1 (ru) | Губка кровоостанавливающая комбинированная | |
| CN112007202A (zh) | 一种可粘附促愈合止血海绵及其制备方法 | |
| Verstraete | Haemostatic agents for topical use | |
| JPH05208042A (ja) | 接着剤 | |
| CN117771417A (zh) | 一种含重组人凝血酶的生物可降解止血粉及其制备方法和用途 | |
| JP2025537726A (ja) | 酸化再生セルロースを含む膨張性止血錠剤 |