JPH081970B2 - 薄膜超電導素子の製造方法 - Google Patents

薄膜超電導素子の製造方法

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JPH081970B2 JP62159977A JP15997787A JPH081970B2 JP H081970 B2 JPH081970 B2 JP H081970B2 JP 62159977 A JP62159977 A JP 62159977A JP 15997787 A JP15997787 A JP 15997787A JP H081970 B2 JPH081970 B2 JP H081970B2
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  • Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、超電導素子、特に弱結合部を有する複合化
合物薄膜を用いた超電導素子の製造方法に関するもので
ある。
従来の技術 従来、超電導体としては、A15型2元系化合物として
窒化ニオブ(NbN)やニオブ3ゲルマニウム(Nb3Ge)な
どが知られていた。また、これらの材料を用いた超電導
素子も種々提案されている。しかし、これらの材料の超
電導転移温度Tcはたかだが24Kであった。また、ペロブ
スカイト系化合物としては、Ba−Pb−Bi−O系(特開昭
60−173885号)が知られており、この系の材料を用いた
超電導素子も数多く研究されている。しかし、この材料
のTcは13K程度と低く実用化は困難であった。ところがT
cが30〜40Kを示すBa−La−Cu−O系の高温超電導体が提
案された[J.G.Bednorz and K.A.Muller,ツァイト シ
ュリフト フェア フィジーク(zeitshrift fur physi
k B)−Condensed Matter 64,189−193(1986)]。さ
らに、最近提案されたY−Ba−Cu−O系では90Kをこえ
るTcが報告されており[M.K.Wu等,フィジカル レビュ
ー レターズ(Physical Review Letters)Vol.58,No.
9,908−910(1987)]、液体窒素の沸点(77K)よりも
高くなったことで実用化が有望となってきた。
発明が解決しょうとする問題点 Y−Ba−cu−O系に代表される複合化合物材料は、例
えばスパッタリング法等の薄膜形成手法を用いると、薄
膜状の高温超電導体として形成される。しかしながら、
この超電導薄膜を利用して素子を作製するためのプロセ
ス技術が確立しておらず、新規素子の実現は困難と考え
られている。発明者等はこの複合化合物が酸化物であ
り、酸素原子量の精密制御によりその超電導特性が制御
できると考え、水素イオンによる酸素量の制御のため水
素イオン照射効果を研究し、これに基づいて新規な複合
化合物材料を用いた新しい超電導素子の製造方法を発明
した。
問題点を解決するための手段 本発明における複合化合物薄膜を用いた超電導素子の
製造方法は、たとえば複合化合物として元素のモル比率
が、 0.5≦(A+B)/Cu≦2.5 であるA、B,Cuを含む酸化物を用い、その酸化物被膜に
対し、部分的に水素イオンを照射することにより、少な
くとも2つ以上の超電導電極および弱結合部を有する構
造を形成することを特徴としている。
ここにAはSc,Yおよびランタン系列元素(原子番号57
〜71)のうち少なくとも一種、BはBa、Sr,Ca,Be,Mgな
どII a族元素のうち少なくとも一種の元素を示す。
作用 本発明にかかる薄膜超電導素子の製造方法は、複合化
合物超電導体を薄膜化しているため、従来の焼結体に比
べ均質な超電導体を用いていること、かつ、この薄膜に
対して水素イオンを照射することによりその照射領域が
弱結合部となるため、非常に高精度な薄膜超電導素子が
本発明の製造方法により簡単に実現される。
実施例 本発明の実施例を図面を用いて説明する。
第1図において、複合化合物超電導体被膜2は、基体
1上に例えばスパッタリング法で形成し、酸素雰囲気中
で熱処理、あるいは酸素イオンを打ち込むことにより、
超電導を示す、またはより高いTcをもつ薄膜としている
(同図(a))。
さらに、被膜2の一部分に対して水素イオン4を照射
することにより、弱結合部5を形成している(同図
(b))。但し、この弱結合部5は打ち込まれる水素イ
オン濃度によって常電導体か、手導体か、絶縁体の性質
のいずれかを示すことを本発明者らは確認した。この場
合、超電導電極が2つ、即ち、二端子素子であると、弱
結合形か、トンネル形のジョセフソン素子となる。
第1図において、超電導体被膜の形成には、他にA−
B−Cu−Oの複合化合物を熱蒸着例えば電子ビーム蒸
着、レーザビーム蒸着等の物理的気相成長法で基体上に
付着させる。この場合、超電導体A−B−Cu−Oは組成
式がまだ明確には決定されていないが、酸素欠損ペロブ
スカイト(A、B)3Cu3O7といわれている。本発明者ら
は、作製された被膜において元素比率が、 0.5≦(A+B)/Cu≦2.5 の範囲にあれば、臨界温度に多少の差があっても超電導
現象が見いだされることを確認した。この複合化合物被
膜の形成法は物理的気相成長法に限定されたものではな
く、化学的気相成長法例えば常圧あるいは減圧化学的気
相成長法、プラズマ化学的気相成長法、光化学的気相成
長法も、成分A、B,Cuの比を合致させれば、有効である
ことを本発明者らは確認した。
本発明者らは複合化合物被膜を基体1の表面3に付着
させる場合、基体の最適の温度範囲が存在することを本
発明者らは確認した。即ち基体最適温度範囲は100〜100
0℃である。なお、100℃以下では、基体表面への複合酸
化物被膜の付着性が悪くなる。また、1000℃以上では複
合酸化物被膜中の成分ABおよびCuの構造比からのずれが
大きくなる。
さらに、複合化合物被膜を付着させるときの基体の温
度はとりわけ500〜900℃の範囲がこの種の蒸着装置の機
能、複合化合物被膜の特性の再現性からみて最適である
ことを本発明者らは確認した。この場合、形成された複
合化合物被膜は、非晶質あるいは、微結晶から構成され
ている。
しかしながら以外にもこの種の被膜は半導体的な特性
を示し、超電導は液体He温度(4K)でもみられない。ま
た空気中に放置しておくと高抵抗となり非常に不安定で
信頼性のない被膜であることを確認した。
本発明者らはこの種の複合化合物被膜を酸素等の酸化
性ガス雰囲気中で700℃以上の高温で熱処理するか、あ
るいは少なくとも酸素を含むガスの放電により生成され
る酸素イオにより処理することにより超電導が発生し、
長期的安定性も大きく向上することを発見した。この酸
素イオンにより処理する場合、基体を加熱することによ
り超電導特性が改善されることを見いだした。最適の加
熱温度は200〜800℃であった。これ以上の温度になると
抵抗率が高くなるとともに、被膜の特性が不安定にな
り、急峻な超電導を示さない。
これらの酸素処理により得られた超電導薄膜を水素処
理することにより、この超電導薄膜を前述のように常電
導体、半導体、あるいは絶縁体の性質を示すように制御
できることを本発明者らは見いだした。
水素処理は水素分子をプラズマ放電等によりイオン化
し、この水素イオンを超電導薄膜に照射することにより
実現される。つまり、酸化処理により酸素量を制御して
超電導性を示すために最適化された超電導体に水素イオ
ンを照射することにより酸素を還元し、超電導に対する
酸素の最適条件をくずし超電導性を消失させるのであ
る。
水素は軽元素であり、照射時に基板を100〜500℃程度
に加熱することにより、低加速電圧で加速して照射して
もかなり均一性の良好な処理が可能であるので、本発明
は薄膜に大きな損傷を与えないという利点を有する。
また、30KV以上の高電圧で加速した水素イオンを照射
する場合には加工する超電導薄膜の領域を微細に制御
し、精密、微細な還元処理が可能となり、サブミクロン
加工を必要とするジョセフソンデバイス等のデバイス作
製が容易となる。
(具体実施例) サファイア単結晶R面を基体1として用い、高周波プ
レナーマグネトロンスパッタより、焼結したYBa2Cu3O7
ターゲットをArとO2の混合ガス雰囲気でスパッタリング
蒸着して、上記基体上に結晶性のYBa2Cu3O7被膜として
付着させ層状構造を形成した。
この場合、ガス圧力は0.5Pa、スパッタリング電力150
W,スパッタリング時間1時間、被膜の膜厚0.5μm、基
体温度700℃であった。形成された被膜をさに500℃に加
熱して酸素イオン処理を行った。5×10-4Torrの真空槽
内で処理時間10分であった。このようにして得られた被
膜は超電導を示し、その転移温度は90Kであった。
この実施例では被膜2の膜厚は0.5μmであるが、膜
厚は0.1μmかそれ以下の薄い場合、10μm以上の厚い
場合も超電導が発生することを確認した。
さらに、超電導体被膜2に対してレジスト等を用いて
マスクパターンを形成して部分的に水素イオン4を照射
することにより制御性良く弱結合部5を形成することが
できた。この場合、レジストは有機溶剤のみで現像でき
る電子線に対するPMMA、あるいはネガレジスト等が適し
ている。通常これらのレジストは200℃以上に加熱され
た場合変質してしまいレジストとしての機能を発揮でき
ないものが多いが本発明の水素イオン照射による素子製
造方法はほとんど基板温度を上昇させることがなく効果
的である。
上述のような水素イオン照射方法として第2図、第3
図に示すような構成の装置を用いた。
まず、第2図のイオン源6に水素ガスを導入し、この
ガスをはさんで対向した電極7、8に高周波信号を印加
してプラズマを発生させる。このプラズマ中に磁場を形
成するための磁場発生源9を配置し、効率よく発生させ
た水素イオンを、複合化合物超電導体被膜を形成した基
板10を配置した基板台11と上記イオン源のプラズマの間
に電圧を印加することにより、水素イオンをイオン源よ
り引き出し、基板台11の基体1上の部分的にマスクをし
た超電導被膜2に照射する。マスクのない部分は水素イ
オンが照射され、弱結合部が形成される。この時、プラ
ズマと試料台の間に印加する電圧が2KV以下の場合には
マスクのない部分の被膜2の表面はスパッタリングされ
るが、被膜内部に対して効果的に酸素還元処理が行える
ことを確認した。
第3図は真空槽12内に水素ガスを導入し、このガスに
マイクロ波を導入して放電させプラズマを発生させ、プ
ラズマに磁場13を印加して水素イオンのイオン化効率を
上げたものをイオン源として用いたものである。この場
合通常マイクロ波源14には2.45GHzのマイクメ鵠gを使
用し磁場強度を875ガウス程度にすると電子のサイクロ
トロン共鳴が生じるので水素のイオン化効率が上がる。
このイオン源により引き出された水素イオンを試料台15
上に配置された複合化合物超電導体被膜に照射する構造
になっている。この場合マイクロ波により効率よくイオ
ン化された高エネルギーの水素イオンが部分的にマスク
をした超電導被膜に対し被膜のマスクのない部分に制御
性良く弱結合部を形成することを見いだした。
これ以外にも真空槽内に水素ガスを導入し、このガス
に高周波を平行電極に印加して放電させ、この放電プラ
ズマ中に部分的にマスクをした超電導体被膜を配置し
て、水素処理することもできる。
また、第2図において数10KV以上の加速電圧を用いる
通常のイオン注入技術による水素処理等も結晶構造を破
壊するため超電導を起こさない構造を形成して十分効果
のあることを確認した。
この種の複合化合物超電導体(A、B)3Cu3O7の構成
元素AおよびBの変化による超電導特性の変化の詳細は
明かではない。ただAは3価、Bは2価を示しているの
は事実である。A元素としてYについて例をあげて説明
したが、ScやLa、さらにランタン系列の元素(原子番号
57〜71)でも、超電導転移温度が変化する程度で本質的
な発明の特性を変えるものではない。
また、B元素においても、Sr,Ca,Ba等II a族元素の変
化は超電導転移温度を10K程度変化させるが、本質的に
本発明の特性を変えるものではない。
発明の効果 本発明にかかる薄膜超電導素子の製造方法は薄膜化し
た超電導体に部分的に水素イオンを照射しているところ
に大きな特徴がある。水素イオンによる照射効果は制御
性がよく処理が簡単である。従って、非常に高精度の弱
結合部をもつ薄膜超電導素子が本発明で実現される。
以上の説明のごとく本発明の薄膜超電導素子の製造方
法によると、例えばSiあるいはGaAs等のデバイスとの集
積化が可能であるとともに、ジョセフソン素子等の各種
超電導デバイスの製造に実用される。特に、この種の化
合物超電導体の転移温度が室温になる可能性もあり、実
用の範囲は広く本発明の工業的価値は高い。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の薄膜超電導素子の製造方法
の基本概念断面図、第2図、第3図は本発明に用いるイ
オン処理装置の概略構成図である。 1……基体、2……複合化合物超電導体被膜、3……表
面、4……水素イオン、5……弱結合部、6……イオン
源、7、8……電極、9、13……磁場発生源、10、16…
…基板、11、15……基板台、12……真空槽、14……マイ
クロ波源。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複合化合物を用いた超電導体被膜に対し、
    水素イオンを照射することにより、前記被膜中に弱結合
    部を形成し、前記被膜をこの弱結合部により少なくとも
    2つの領域に分離した構造を形成することを特徴とする
    薄膜超電導素子の製造方法。
  2. 【請求項2】複合化合物として元素のモル比率が 0.5≦(A+B)/Cu≦2.5 であるA元素、B元素およびCuを含む酸化物を用いるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の薄膜超電導
    素子の製造方法。 ここに、AはSc,Yおよびランタン系列元素(原子番号57
    〜71)のうち少なくとも一種、BはII a族元素のうち少
    なくとも一種の元素を示す。
  3. 【請求項3】水素イオンの照射領域の幅を0.2μm程度
    以下とすることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載
    の薄膜超電導素子の製造方法。
  4. 【請求項4】弱結合部形成のマスクパターンとしてPMMA
    等のアクリル樹脂系やCMS等のスチレン樹脂系の電子線
    レジストあるいは光リソグラフィ等用のネガレジストを
    用いることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の薄
    膜超電導素子の製造方法。
  5. 【請求項5】水素イオン照射時の複合化合物被膜を加熱
    することを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の薄膜
    超電導素子の製造方法。
  6. 【請求項6】水素イオン源として、少なくとも水素を含
    むガスの真空槽内での放電により生成したプラズマを用
    いることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の薄膜
    超電導素子の製造方法。
  7. 【請求項7】水素イオン源装置として、マイクロ波を用
    いたプラズマ分解によるプラズマ処理装置を用いること
    を特徴とする特許請求の範囲第6項記載の薄膜超電導素
    子の製造方法。
  8. 【請求項8】水素イオン源装置として、電子サイクロト
    ロン共鳴吸収を用いることを特徴とする特許請求の範囲
    第7項記載の薄膜超電導素子の製造方法。
  9. 【請求項9】真空槽内での放電により生成した水素イオ
    ンをこの真空槽内のプラズマと複合化合物被膜を設置し
    た試料台との間に電圧を印加して加速し照射することを
    特徴とする特許請求の範囲第6項記載の薄膜超電導素子
    の製造方法。
  10. 【請求項10】水素ガスに高周波電圧を印加して生成し
    たプラズマと試料台との間に所定の電位に設置した電極
    を設置して水素イオンを照射することを特徴とする特許
    請求の範囲第9項記載の薄膜超電導素子の製造方法。
  11. 【請求項11】プラズマと試料台の間に2KV以下の直流
    電圧を印加することを特徴とする特許請求の範囲第9項
    記載の薄膜超電導素子の製造方法。
  12. 【請求項12】水素ガスに高周波電圧を印加して生成し
    たプラズマ中に複合化合物被膜を設置したことを特徴と
    する特許請求の範囲第9項記載の薄膜超電導素子の製造
    方法。
  13. 【請求項13】水素イオン源と試料台の間に30KV以上の
    電圧を印加することを特徴とする特許請求の範囲第9項
    記載の薄膜超電導素子の製造方法。
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