JPH08201791A - 透明電極基板 - Google Patents

透明電極基板

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JPH08201791A
JPH08201791A JP1363595A JP1363595A JPH08201791A JP H08201791 A JPH08201791 A JP H08201791A JP 1363595 A JP1363595 A JP 1363595A JP 1363595 A JP1363595 A JP 1363595A JP H08201791 A JPH08201791 A JP H08201791A
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JP
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transparent electrode
electrode substrate
film
conductive layer
layer
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JP1363595A
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Satoshi Igarashi
聡 五十嵐
Kazuo Hachiman
一雄 八幡
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐久性に優れ、表示パネル等での表示性能に
優れたプラスチックフィルムを基板とした透明電極基板
を提供することを目的とする。 【構成】 プラスチックフィルムの片面または両面に、
ガスバリア層をアンカーコート層を介して積層し、更に
その積層体の片面または両面に保護層を積層した積層基
板を用い、その最表面の片面または両面に透明導電層を
設けた透明電極基板において、該透明導電層は錫をイン
ジウム/錫の重量比で95/5〜85/15含有する非
結晶性のインジウム酸化物からなり、膜厚が20から2
00nmの範囲にある透明導電層であり、該プラスチッ
クフィルムはリターデーション値が20nm以下で遅相
軸のばらつきが±15度以内の光学等方性を有し、厚さ
が70〜200μmのプラスチックフィルムであり、前
記積層基板の透明導電層を設ける面の表面粗さが中心線
平均粗さRaで40nm以下であることを特徴とする透
明電極基板である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸素、窒素、二酸化炭
素などの耐透気性、耐水蒸気透過性、平滑性、平面性、
光学特性が良好で、液晶表示パネル等に用いた場合に表
示品位に優れ、その上機械的、熱的、溶剤的影響を受け
ても、その表示品質に劣化を起こさないという信頼性の
高い液晶表示パネル等の表示・照明パネルの電極に好適
な透明電極基板に関し、液晶表示装置の他、光導電性感
光体用電極、面発熱体、有機エレクトロルミネッセンス
用電極などとしても利用できる透明電極基板に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶表示素子には、より軽薄化、
より大型化という要求に加え、長期信頼性、形状の自由
度、曲面表示等の高度な要求がなされている。特に、ペ
イジャー(ポケットベル)、携帯電話、電子手帳、ペン
入力機器など、携帯して移動する事のできる機器の利用
が普及するにつれ、従来の厚く、重く、割れやすいガラ
ス基板に変わって、プラスチックを基板とする透明電極
を用いた液晶パネル等が検討され、一部で実用化し始め
ている。
【0003】こうしたプラスチック基板は、特開昭56
−130010号公報等に既に記載されており、公知で
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】プラスチックフィルム
基板の透明電極基板は、ガラス基板のものと比較して、
軽くて薄く、形状も自由で、曲面表示の要望を満たして
はいるものの、耐ガス透過性、耐水蒸気透過性、平滑
性、平面性、光学特性、長期信頼性等が劣るという欠点
を持っている。
【0005】耐ガス透過性、耐水蒸気透過性が劣るプラ
スチックフィルムの透明電極基板を用いると、例え導電
層自体の耐ガス透過性、耐水蒸気透過性が高くても、実
際に液晶セルとして使用する場合には導電層はエッチン
グされ、パターンニングされるため、導電層のない部分
が生じ、この部分から空気、水蒸気が浸透し、液晶部に
気泡が発生し、表示不能となってディスプレーの表示品
位を劣化させてしまう欠点が生ずる。特に車載用等の過
酷な条件下ではこの欠点が容易に発生し大きな問題とな
る。
【0006】また、平滑性、平面性が低い場合、液晶層
のギャップが均一でなくなる上、プラスチックフィルム
基板自体も光学的なムラが発生するため、表示色にむら
が生じる上、均一な電圧対透過率の関係を示さなくな
る。特に熱的耐久性が低い場合には、平面性が損なわれ
易く車載用等の過酷な条件下で大きな問題となる。
【0007】更に、プラスチックフィルム基板自体に複
屈折性がある場合も、表示の着色・コントラストの低下
等、ディスプレーの表示品位を低下させることになる。
【0008】これらは液晶ディスプレーが、液晶層中で
偏光方向を電気的にスイッチングするという原理に従っ
ているためである。
【0009】こうした課題に対して、特開昭61−41
122号公報、特開昭63−71829号公報、特開平
3−9323号公報などにはこれらの点を改良するもの
として、種々の改良プラスチックフィルム基板が提案さ
れている。しかしながら、これらに提案されたプラスチ
ック基板は、それぞれ改良された特性を有するが、既に
示した、表示品位に関わる特性及びその長期信頼性を総
合的に十分に満足していないのが現状である。
【0010】本発明はかかる現状に鑑みなされたもの
で、前述の課題を総合的に解決し、ガラス基板と遜色無
く液晶表示パネル用に用いることができるプラスチック
フィルム基板の透明電極基板を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記の目的は、以下の本
発明により達成される。すなわち、本発明は、プラスチ
ックフィルムの片面または両面に、高分子樹脂からなる
ガスバリア層をアンカーコート層を介して積層し、更に
その積層体の片面または両面に保護層を積層した積層基
板を用い、その最表面の片面または両面に透明導電層を
設けた透明電極基板において、該透明導電層は錫をイン
ジウム/錫の重量比で95/5〜85/15含有する非
結晶性のインジウム酸化物からなり、膜厚が20から2
00nmの範囲にある透明導電層であり、該プラスチッ
クフィルムはリターデーション値が20nm以下で遅相
軸のばらつきが±15度以内の光学等方性を有し、厚さ
が70〜200μmのプラスチックフィルムであり、前
記積層基板の透明導電層を設ける面の表面粗さが中心線
平均粗さRaで40nm以下であることを特徴とする透
明電極基板である。
【0012】上述の本発明は、上記の光学等方性のプラ
スチックフィルム上に上記の表面粗さを満足するように
各層を積層した光学等方性と表面平坦性の優れた積層基
板と光学特性に優れた上述の透明導電層を組み合わせる
ことにより、アンカーコート層、ガスバリア層、保護層
を設けて実用上支障のない耐ガス透過性、耐水蒸気透過
性を確保しつつ、最も品質基準が厳しいSTN型の液晶
パネルで必要と言われるセルギャップのばらつきを±5
0nm以下を実現する表面性が得られ、実用上満足でき
る表示品質が得られことを見出し、なされたものであ
る。
【0013】すなわち、上述のセルギャップへの影響を
含め、透明電極基板の表面性が表示品質に及ぼす影響を
検討したところ、 表面粗さがRaで40nm以下であ
れば問題なく、Ra値が40nmを越えると、液晶セル
を作製した場合に、液晶層の配向に影響を及ぼし動作特
性にムラが生じ、またコントラストのばらつきの原因と
もなることが判った。
【0014】ところで、透明電極基板の透明導電層の表
面粗さは、透明導電層の膜厚が本発明の範囲であれば、
透明導電層を設ける面の表面粗さがほぼそのまま発現す
るので、上記の知見は換言すれば透明電極基板の中間積
層体である前記積層基板の表面粗さを、Ra値で40n
m以下する必要があることを示している。本発明は、実
施例に示すとおり、上記構成によりこの表面性を十分に
満たし、もって上記表示品質を実現するものである。
【0015】ここで、中心線平均粗さRaは、位相シフ
ト干渉法を測定原理に用いているWYCO社製TOPO
−3Dを用い、40倍の倍率でフィルム表面上の辺の長
さが256μmの正方形の面を1μm間隔で測定した時
に得られる中心線平均粗さRaである。
【0016】以下、本発明の詳細を説明する。
【0017】本発明では、基板のプラスチックフィルム
には、上述の通り、透明電極基板として、表示の着色や
コントラストの低下を抑え、表示品位が優れた液晶表示
パネル、具体的にはSTN等の大型パネルで単純マトリ
ックス駆動で精細な表示を行う液晶表示パネルの色相ム
ラを実用上問題の無い範囲にするためには、リターデー
ション値が20nm以下、かつ、遅相軸のばらつきが±
15度以内の光学等方性を有し、厚さが70〜200μ
mのものを用いる。
【0018】なお、プラスチックフィルムの複屈折は現
状では不可避であるが、本発明のプラスチックフィルム
は、複屈折の光学軸を示す遅相軸のばらつきが±15度
以内と、一方向に揃っていると見なされる範囲にあるの
で、位相差板との組み合わせなどでの光学設計が容易で
あるという効果がある。
【0019】ところで、その表面性は、積層基板の表面
粗さを前述のRaで40nm以下にするために、その表
面粗さがRaで10nm以下、更には5nm以下のもの
が好ましい。
【0020】なお、ここで述べるリターデーション値は
公知の複屈折の屈折率の差△nと膜厚dとの積△n・d
であり、可視光線の範囲である波長での測定値であるこ
とが必要であり、一般的にプラスチックは屈折率の波長
分散特性を有しているので、代表値として590nmの
測定値とする。また遅相軸のばらつき角度は同一の波長
で測定するが、リターデーション値及び遅相軸の角度は
良く知られている複屈折率測定装置で測定することがで
きる。例えば日本分光製の多波長複屈折率測定装置M−
150等で簡便に測定することができる。
【0021】この様なプラスチック基板を用いて液晶表
示パネル用透明電極基板を構成したときに、その光学特
性については、さらに、550nmでの光透過率が80
%以上、かつ、ヘイズ値が1%以下であることが好まし
い。すなわち、光透過率が80%よりも低い場合、これ
を用いて液晶セルを構成したときに、光利用効率は低下
し、表示が暗くなる上、コントラストも低下してしま
う。また、ヘイズ値が1%よりも高い場合には、これを
用いて液晶セルを構成したときに、透過光は散乱される
様になり、偏光板を透過した偏光の偏光度を低下させて
しまう。これによりコントラストが低下してしまう。
【0022】ここで、光透過率は公知の可視分光光度計
を用い、平行光線での透過率であり、ヘイズ値は日本電
色製NDH−300Aを用いて、C光源で測定したとき
の値である。
【0023】本発明に用いるプラスチックフィルムは、
ポリアリレートまたはポリカーボネートのフィルムが好
ましい。一般にプラスチック材料では、熱的、機械的、
光学的な特性を維持しつつ、実用的な耐ガス透過性を得
るには材料が限定され、さらに軽薄化の面で実用的なレ
ベルを満たすことが難しいが、ポリアリレートまたはポ
リカーボネートは熱的、機械的、光学的な特性がいずれ
も良好であり、その他の特性については後述の適切な機
能膜を積層することにより十分実用に供し得るものであ
る。
【0024】ところで、ポリアリレート、またはポリカ
ーボネートフィルムの耐ガス透過性は低く、これらのフ
ィルムに直接透明導電層を設けて透明電極基板とした場
合、既に述べたようにこれを用いた液晶表示パネルでは
液晶中での気泡の発生原因となりうる。そこで、特公平
6−44116号公報などで公知のように、ガスバリア
性の高い高分子樹脂からなるガスバリア層を形成するこ
とで耐ガス透過性を向上する事ができる。
【0025】しかし、一般に、ポリアリレートまたはポ
リカーボネートと異種材料であるガスバリア性の高い高
分子樹脂との接着性は低く、ガスバリア層が容易に剥離
してしまう組み合わせが殆どで、実用的な長期信頼性が
得られない。
【0026】これには、これら両者との接着性が良い材
からなる後述のアンカーコート層を設け、両者の接着性
を向上させることが好ましい。
【0027】ところで、この様な積層構成の積層体にお
いて、そのガス透過率、水蒸気透過率は、液晶表示パネ
ルの劣化防止の面から、ガス透過率が1cc/m2 ・日
・atm以下、水蒸気透過率が20g/m2 ・日・at
m以下であることが好ましい。
【0028】ガス透過率が1cc/m2 ・日・atmよ
り多い、あるいは水蒸気透過率が20g/m2 ・日・a
tmより多い、上述の積層体を用いた透明電極基板2枚
で7μm厚の液晶を挟持し、封止剤で密閉して液晶セル
を構成し、60℃で90%RHという条件下で1000
時間の加速耐久性試験を行ったところ、液晶層中に気泡
が発生した。従って、実用面から上述の範囲が好まし
い。
【0029】なお、本発明でのガス透過率はMOCON
社製オキシトラン2/20MHを用いて25℃で測定し
た酸素透過率の値、水蒸気透過率はMOCON社製パー
マトランW1Aを用いて25℃,90%RHで測定した
値である。
【0030】このような透明電極基板のガスバリア層に
は、公知のもの例えば前記公報に記載のものが適用でき
るが、アクリロニトリル成分、ビニルアルコール成分、
ビニルアルコール共重合体成分、またはハロゲン化ビニ
リデン成分よりなる群から選ばれた少なくとも1種を5
0モル%以上含有する高分子樹脂が好ましく適用され
る。
【0031】これらの高分子樹脂は、ガス透過係数とし
て、0.1cc・mm/m2 ・日・atm以下の値を示
し、このガスバリア層の厚みとして実用的な100μm
以下で透明電極基板のガス透過率1cc/m2 ・日・a
tmを達成することができる。
【0032】更に、この中では、アクリロニトリル成分
がある場合、溶剤の選択性が限定されてしまうことや、
ハロゲン化ビニリデン成分がある場合、焼却時にハロゲ
ンが発生するという作業性、環境問題の点から、ビニル
アルコール成分、ビニルアルコール共重合体成分を含有
するものが特に好ましい。
【0033】これ以外の、例えば、ポリメチルメタクリ
レートをガスバリア層とする場合、ガス透過率を1cc
/m2 ・日・atm以下を得るためにはガスバリア層自
体の厚みを6mm以上にする必要があり、液晶表示パネ
ル用として実用的な透明電極基板が得られい。
【0034】前述のアンカーコート層には、前記高分子
樹脂のガスバリア層及び基板のポリカーボネートフィル
ムとの接着性面から親水基を有するポリエステル樹脂、
アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、およびイオン高分子
錯体よりなる群から選ばれた少なくとも1種が好ましく
適用される。中でも、アンカーコート層を形成した後の
その表面にタック性が残らないものが良く、そのような
観点からアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂がより好まし
い。
【0035】以上のアンカーコート層により、ポリアリ
レートまたはポリカーボネートのフィルムとガスバリア
層の剥離強度が150g/cm以上の優れた接着性を得
ることができ、耐久性試験等で界面剥離等の劣化を防
ぎ、信頼性の高い実用上十分な特性の積層体が得られ
る。
【0036】アンカーコート層が無い場合やアンカーコ
ート層としてこれ以外の材料例えばポリエチレングリコ
ールやビスフェノールAのジグリシジルエーテル化合物
とヘキサメチレンジアミンの混合によるエポキシ樹脂あ
るいはポリメチルメタクリレート等を用いた場合、ポリ
アリレートまたはポリカーボネートのフィルムとガスバ
リア層との接着性は低く、その剥離強度がいずれも5〜
100g/cm程度であり、例えば、セロハンテープ等
の接着引き剥がしで容易に剥離してしまう。この様な積
層体では、液晶セルの製造工程で剥がれてしまい、外観
が不良になることがある上、信頼性も悪くなる。
【0037】なお、この接着性の良・不良の基準となる
本発明での剥離強度は、JIS−K−7113規格のT
型剥離試験を25℃で行ったときに得られる値である。
【0038】さらに、本発明では、上記積層体の少なく
とも一方の面に、水、有機溶剤等を遮断する保護層を設
ける。この保護層には、エポキシ樹脂、フェノキシ樹
脂、フェノキシエーテル樹脂、フェノキシエステル樹
脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ま
たはウレタン樹脂よりなる群から選ばれた、少なくとも
1種からなる熱架橋性樹脂硬化物が好ましく適用され
る。中でも、作業性および保護性能の面よりエポキシ樹
脂、フェノキシ樹脂、フェノキシエーテル樹脂、フェノ
キシエステル樹脂の硬化物が好ましい。
【0039】以上の保護層は、その下層との接着性も良
好で、この保護層を積層した積層基板は、水、有機溶剤
などに対する耐久性に優れ、表面硬度が高く、耐擦傷性
等の機械特性にも優れた透明電極基板の透明導電層を形
成する基板となる。
【0040】この様な保護層が無い積層体を用いた透明
電極基板の場合、液晶セル作製工程での有機溶剤洗浄
や、配向膜形成時に液晶パネル用電極基板が白化あるい
は溶解してしまう。また、耐水性が無い場合、透明電極
基板の水蒸気透過率が大きく、既に述べたように、液晶
セルとしての欠点を生ずる。
【0041】以上のアンカーコート層、ガスバリア層、
保護層は、公知の湿式コーティング法等の膜形成手段で
形成される。湿式コーティング法は、公知の通り、層を
形成する原料を必要な場合は溶媒等で塗布に適した溶液
にして所定の膜厚で基板上に塗布し、乾燥等の必要な処
理をすることにより層を積層する方法であり、具体的に
はスピンコート法、マイヤーバーコート法、正回転ロー
ルコート法、グラビアコート法、リバースコート法等各
種のものがある。
【0042】本発明は、以上のアンカーコート層、ガス
バリア層、保護層をプラスチックフィルム上に積層した
積層基板の表面の表面粗さが、前述の通り、Raで40
nm以下にするものであり、これはこれら各層の膜厚、
材料、形成法等を適宜組み合わせることにより、得られ
るが、プラスチックフィルムの表面性の影響が大きく、
この点よりその表面は前述の通りRaで10nm以下に
することが好ましい。
【0043】以上の積層基板上に設ける透明導電層は、
公知の錫、インジューム、チタン等の金属またはこれら
の酸化物が適用できる。そして、これらの透明導電層
は、蒸着法、スパッタリング法など公知の薄膜形成手段
で設けることができる。
【0044】本発明では、中でも、主として非結晶性の
インジウム酸化物からなり、その組成分として錫を5〜
15重量%含有し、かつ、透明導電層の膜厚が20から
200nmの範囲にあるものが透明性、導電性、屈曲性
等の面から好ましい。
【0045】結晶性のインジウム酸化物は、非結晶性の
インジューム酸化物と比較すると透明性、導電性が高
く、これらの面では電極材料として好ましいが、屈曲性
の高いフィルム上に製膜して用いた場合、このフィルム
を屈曲したときには割れやすく、信頼性、組み立て時の
取り扱い性等において問題がある。
【0046】なお、本発明ではインジウム酸化物の結晶
性、非結晶性を次のように定義する。製膜したインジウ
ム酸化物の表面を透過電子顕微鏡で観察したときに、非
晶質膜面に点在する直径が高々100μm程度の微結晶
粒が観察される。この観察方法で、単位面積(100μ
2 )当たりの結晶粒面積が20%以下の場合を非結晶
性、20%を越えるものを結晶性と定義する。
【0047】インジウム酸化物は本来透明な電気絶縁体
であるが、微量の不純物を含有する場合や、わずかに酸
素不足の場合に半導体となる。好ましい半導体金属酸化
物としては、不純物として、錫、またはフッ素を含むイ
ンジウム酸化物が挙げることができ、錫を5〜15重量
%含有するインジウム酸化物が、高い透明性を保ちつ
つ、良好な導電性を示す点から好ましい。
【0048】その厚さは、20から200nmの範囲が
好ましい。20nmより薄いと、電気的な面積抵抗が高
くなり、液晶パネル用の電極基板として導電性が十分で
ない。また、200nmよりも厚くなると、電極基板全
体の光透過率への影響が無視できず、液晶表示パネルの
透明電極基板として必要な波長550nmでの光透過率
80%以上が得難くなる上、屈曲したときに容易に割れ
てしまい、信頼性、前述の取り扱い性等において不十分
となる。
【0049】本発明に用いるポリカーボネートについて
は、前述の光学特性を満たすものであれば、特に限定さ
れないが、熱特性から、ビスフェーノール成分がビスフ
ェノールAのみからなり、かつ、分子量30,000以
上でガラス転移温度150℃以上のポリカーボネートが
好ましく適用される。なお、キャスト製膜における溶解
性の点から、共重合成分、例えば、フルオレン成分、イ
ソホロン成分等を入れても差し支えない。
【0050】ところで、ポリカーボネート樹脂の平均分
子量は重合度の違いによって区別されるが、これまで一
般用途には20,000〜25,000の平均分子量を
持つものが使用されており、光ディスク等の射出成形を
行う用途では平均分子量が12,000〜15,000
の低重合度のものが使用されている。ここで、平均分子
量とは、数平均分子量のことであり、GPC等の公知の
測定手段で簡便に決定することができる。
【0051】しかるに本発明の用途である液晶基板に
は、液晶パネルを組み立てるパネル化プロセス等で要求
される耐熱性を満足させるためには、ガラス転移温度が
150℃以上の耐熱性を有することが好ましい。すなわ
ちガラス転移温度が150℃であれば、液晶パネル組立
プロセスにおける配向膜の形成工程、封止剤の熱硬化工
程及びヒートシール工程の高温プロセスに十分耐えるこ
とができる。
【0052】ビスフェノールAのみからなるビスフェー
ノール成分よりなるポリカーボネートの場合に、平均分
子量が30,000以上のものにおいて、本発明に好ま
しい、ガラス転移温度が上述の150℃以上で、機械特
性も十分なものが得られる。なお、最適な平均分子量の
選択は、耐熱性と機械特性及び経済性のバランスを考慮
して行う。
【0053】フィルムを製膜する方法としては、溶液流
延法、溶融押出法等の公知の方法が適用できるが、本発
明には得られる光学特性等の面から溶液流延法が好まし
く適用される。すなわち、本発明に用いる、リターデー
ション値が20nm以下、かつ、遅相軸のばらつきが±
15度以下の光学等方性を有し、厚さが70〜200μ
m、表面粗さがRa値で5nm以下のフィルムは溶液流
延法では大量連続生産できるがその他の溶融押出法など
では容易ではない。
【0054】また、溶融押出法では、フィルム中にダイ
ライン、ゲル化物、フィッシュアイや炭化物が発生しや
すく、広い面積に渡って、平滑性の良好なフィルムを得
ることが難しいが、溶液流延法は、かかる欠点が少ない
という利点を有する。さらに、溶液流延法は、溶媒にポ
リマーを溶解しダイから平面基板上に流延して製膜する
方法であり、溶媒に可溶なポリマーであればフィルム化
する事ができる利点を有する。
【0055】しかし、この溶液流延法でポリカーボネー
トフィルムを製膜した場合に、フィルム中に製膜に使用
した溶媒が残留する場合がある。残留溶媒はフィルムを
可塑化させ、そのガラス転移温度の低下や寸法安定性の
低下などをもたらす。かかる点から、残留溶媒の残存量
は、0.2重量%以下が好ましく、更に0.1重量%以
下が好ましい。この残存量は、加熱処理、低沸点溶媒の
採用等により低減できる。
【0056】以下、本発明の実施例を説明する。
【0057】
【実施例】
〔実施例1〕ビスフェノール成分がビスフェノールAの
みからなる平均分子量37,000のポリカーボネート
樹脂を用いて溶液流延法により以下のようにポリカーボ
ネートフィルムを製膜した。
【0058】すなわち、該ポリカーボネート樹脂を溶媒
のメチレンクロライドに濃度20重量%に溶解し、得ら
れた溶液をダイコーティング法により厚さ175μmの
ポリエステルフィルム上に流延して、製膜した。次い
で、乾燥工程で溶媒をその残留溶媒濃度が13重量%に
なるまで蒸発除去した後、ポリエステルフィルムからポ
リカーボネートフィルムを剥離した。得られたポリカー
ボネートフィルムを温度120℃の乾燥炉中で、縦横の
張力をバランスさせながら、残留溶媒濃度が0.08重
量%になるまで乾燥した。
【0059】得られたポリカーボネートフィルムは、厚
みが102μmであった。またこのフィルムの590n
mにおけるリターデーション値は、幅方向で8±2n
m、遅相軸のばらつきはMD方向を中心に±8度以内で
あった。
【0060】次いで、このフィルムの両面上に、厚さが
3μmのアンカーコート層、厚さが15μmのガスバリ
ア層、厚さが6μmの保護層をそれぞれ以下のようにし
て順次形成して、積層基板を作成した。
【0061】アンカーコート層は、架橋したポリウレタ
ン樹脂とし、具体的には主剤のポリオール成分として武
田薬品工業(株)製A310を、硬化剤のイソアナート
成分として同社製A3を用い、A310を100部に対
してA3を25部混合した溶液を、ポリカーボネートフ
ィルム上に塗工し、100℃で30分熱処理して形成し
た。
【0062】ガスバリア層は、架橋したビニルアルコー
ル共重合体とし、具体的にはエチレン−ビニルアルコー
ル共重合ポリマーの(株)クラレ製エバールEPL−1
01(エチレン含有量27モル%)を用い、この20部
と、溶媒の水63部とn−プロピルアルコール43部及
び架橋剤のメチロール化メラミン5部を加熱混合した溶
液をアンカーコート層上に塗工し、130℃で15分熱
処理して形成した。
【0063】保護層は架橋したフェノキシ樹脂とし、具
体的にはフェノキシ樹脂の東都化成(株)製フェノトー
トYP−50を用い、この40部と溶媒のメチルエチル
ケトン40部と2−エトキシエチルアセテート20部を
混合した後、これに架橋剤として前記の武田薬品工業
(株)製A3を40部混合した溶液をバリア層上に塗工
し、80℃で5分及び130℃で3時間熱処理して形成
した。
【0064】以上で得られた積層基板の表面粗さはRa
値で22nmであった。またそのガス透過率は0.1c
c/m2 ・日・atm、水蒸気透過率は10g/m2
日・atmであった。
【0065】この積層基板の前記ポリエステルフィルム
側の保護層の上に、透明導電層としてインジウム−錫酸
化物層をスパッタリング法により以下のように形成し
た。
【0066】スパッタリングターゲットには組成が重量
比でインジウム/錫=90/10、充填密度が90%の
インジウム−錫酸化物ターゲットを用いた。そして、連
続スパッタ装置に積層基板をセットし、1.3mPaの
圧力まで排気した後、Ar/O2 =98.5/1.5の
体積混合比のガスを導入し、雰囲気圧力を0.27Pa
にした。そして基板温度を50℃に設定し、投入電力密
度1W/cm2 でDCスパッタリングを行い、膜厚が1
30nmのインジウム−錫酸化物からなる透明導電層を
形成した。
【0067】得られた透明導電層は、微結晶粒の存在割
合が面積比で0%であり、非結晶性であった。また表面
抵抗値は単位正方形の対向辺に電極を配置して測定する
正方形測定で40Ωであった。以下、この表面抵抗値を
Ω/□で示す。
【0068】また、この様にして得た透明電極基板の5
50nmでの光透過率は85%、ヘイズ値は0.5%で
あった。
【0069】ポリカーボネートフィルムとガスバリア層
間の剥離強度を調べた結果、240g/cmであった。
【0070】また、透明電極基板をカッターナイフで切
断し、切断部に保護層側からセロハンテープを接着し、
切断部側から引き剥がしたところ、全く層間剥離が観察
されなかった。十分な層間の接着性が確認された。
【0071】透明電極基板から幅1cmで長さ10cm
の試料を切り出し、耐屈曲性試験を行った。試験は透明
導電層を外側にした場合及び内側にした場合の両ケース
について1cmφの金属棒に180゜巻き、1分間その
状態を保持した後、目視観察を行った。その結果、透明
導電層の外観変化は観察されず、十分な耐屈曲性が確認
された。
【0072】次にこの透明電極基板の偏光板間での着色
性を調べた。まずこの透明電極基板から、5cm角の試
料を切り出した。そして一対の偏光板の間にこの試料を
挟持し、一方の偏光板、さらには試料を回転させて目視
で色の変化を観察した。その結果、色の変化は目視では
全く生じなかった。
【0073】次に、耐溶剤性試験を以下のように行っ
た。5%KOH水、アセトン、nメチルピロリドンを各
々保護層の面に滴下し、5分間放置後の変化を目視によ
り観察した。結果は何ら変化も観られなかった。
【0074】更に、130℃で4時間の熱処理を行った
が、フィルム反りの変化及び外観変化は生じなかった。
また、この試験前後の表面抵抗の変化を調べたところ、
試験後抵抗値/試験前抵抗値=1.2であり、抵抗値の
変化は実用上支障のない範囲にあることが確認された。
【0075】この透明電極基板を用いてSTN液晶セル
を作製し、表示性能を検査したが、コントラストも十分
で、且つ動作時の色ムラも観察されなかった。
【0076】更にこのSTN液晶セルについて信頼性試
験を行った。信頼性試験は、温度80℃で1,000時
間の耐熱性試験、及び温度60℃,相対湿度90%RH
で1,000時間の耐湿性試験の2種を行った。その結
果、外観、表示性能に何ら変化は観られなかった。液晶
セルとしても十分耐久性を有することが確認できた。
【0077】〔実施例2〕ユニチカ(株)製ポリアリレ
ートU−100をを用いて溶液流延法により以下のよう
にポリアリレートフィルムを製膜した。
【0078】すなわち、該ポリアリレート樹脂を、溶媒
のメチレンクロライドに濃度25重量%になるように溶
解し、得られた溶液をダイコーティング法により厚さ1
75μmのポリエステルフィルム上に流延して、製膜し
た。次いで、乾燥工程で溶媒をその残留溶媒濃度が15
重量%になるまで蒸発除去した後、ポリエステルフィル
ムからポリアリレートフィルムを剥離した。得られたポ
リアリレートフィルムを温度120℃の乾燥炉中で、縦
横の張力をバランスさせながら、残留溶媒濃度が0.0
8重量%になるまで乾燥した。
【0079】得られたポリアリレートフィルムは、厚み
が101μmであった。またこのフィルムの590nm
におけるリターデーション値は、幅方向で11±3n
m、遅相軸のばらつきはMD方向を中心に±9度以内で
あった。
【0080】次いで、実施例1と全く同様にして、この
フィルムの両面上に、厚さが3μmのアンカーコート
層、厚さが15μmのガスバリア層、厚さが6μmの保
護層を順次形成して積層基板を作成し、その一方の保護
層の上に透明導電層を形成して透明電極基板を得た。
【0081】得られた積層基板の表面粗さはRa値で3
1nmであった。またそのガス(酸素)透過率は0.1
cc/m2 ・日・atm、水蒸気透過率は8g/m2
日・atmであった。透明導電層の特性は実施例1と全
く同じで、非結晶性で表面抵抗は40Ωであった。また
透明電極基板の550nmでの光線透過率は85%、ヘ
イズ値は0.6%であった。ポリアリレートフィルムと
ガスバリア層間の剥離強度を調べた結果、250g/c
mであった。
【0082】また、透明電極基板をカッターナイフで切
断し、切断部に保護層側からセロハンテープを接着し、
切断部側から引き剥がしたところ、全く層間剥離が観察
されなかった。実施例1同様、十分な層間接着性であっ
た。
【0083】耐屈曲性試験、着色性試験においても、実
施例1と同様の良好な結果を得た。また、耐溶剤性試
験、耐熱性試験においても、実施例1と同じの良好な結
果を得た。
【0084】更に、STN液晶セルでの表示性能観察、
信頼性試験においても、実施例1と同様に、良好な結果
であった。
【0085】〔実施例3〕実施例1と同じポリカーボネ
ートフィルムの両面上に、2μmのアンカーコート層、
4μmのガスバリア層、8μmの保護層を順次以下のよ
うに形成した。
【0086】アンカーコート層はアクリル樹脂とし、具
体的にはアクリル樹脂系の塗剤である信越化学(株)製
のPC7Aを、ポリカーボネートフィルム上に塗工し、
100℃で5分熱処理して形成した。
【0087】ガスバリア層はポリビニルアルコール樹脂
とし、具体的にはポリビニルアルコール樹脂の(株)ク
ラレ製のPVA−117を用い、この10部と溶媒の水
90部を加熱混合した溶液を用い、実施例1と同様にし
て形成した。
【0088】保護層は実施例1と同じものを用いた。こ
の積層基板の表面粗さRa値は35nmであった。また
酸素透過率は0.3cc/m2 ・日・atm、水蒸気透
過率は18g/m2 ・日・atmであった。この積層基
板の一方の保護層上に、透明導電層としてインジウム−
錫酸化物層は次のようなスパッタリング条件により形成
した。
【0089】スパッタリングターゲットには組成が重量
比でインジウム/錫=93/7、充填密度が90%のイ
ンジウム−錫酸化物ターゲットを用いた。そして、連続
スパッタ装置に上記積層基板をセットし、1.3mPa
の圧力まで排気した後、Ar/O2 =98.5/1.5
の体積混合比のガスを導入し、雰囲気圧力を0.27P
aにした。そしてフィルム温度を85℃に設定し、投入
電力密度1W/cm2でDCスパッタリングを行い、膜
厚80nmのインジウム−錫酸化物からなる透明導電層
を形成した。
【0090】その結果得られた透明導電層は、結晶粒の
存在割合が面積比で5%であり、非結晶性であった。ま
た表面抵抗値は62Ω/□であった。この様にして得た
透明電極基板について、実施例1と同様の評価を行っ
た。550nmでの光線透過率は81%、ヘイズ値は
0.6%であった。ポリカーボネートフィルムとガスバ
リア層間の剥離強度を調べた結果、180g/cmであ
った。
【0091】この透明電極基板をカッターナイフで切断
し、切断部に保護層側からセロハンテープを接着し、切
断部側から引き剥がしたところ、端部にわずかの剥離が
観察された。耐屈曲性試験では、透明導電層の外観変化
は観察されなかった。着色性試験でも、色の変化は目視
では全く生じなかった。耐溶剤製試験においても、何ら
変化は観られなかった。
【0092】更に、熱処理試験においても、フィルム反
りの変化及び外観変化は生じなかった。そしてこの熱処
理試験前後の表面抵抗変化も、試験後抵抗値/試験前抵
抗値=1.1と小さく、良好であった。
【0093】STN液晶セルでの表示性能についても、
コントラストが良好で且つ動作時の色ムラは観察されな
かった。
【0094】更に信頼性試験においても、外観、表示性
能に何ら変化は観られなかった。
【0095】〔実施例4〕実施例1において、保護層を
実施例1と異なるエポキシ樹脂とし、それ以外は実施例
1と同一とした。
【0096】保護層は、具体的には油化シェルエポキシ
(株)製のエピコート828を100部とエピキュア1
13を32部を混合した物を用いて、実施例1と同様に
して形成した。
【0097】得られた積層基板の表面粗さRa値は26
nmであった。また酸素透過率は0.1cc/m2 ・日
・atm、水蒸気透過率は10g/m2 ・日・atmで
あった。得られた透明電極基板について、実施例1と同
様の以下の評価を行った。550nmでの光線透過率は
85%、ヘイズ値は0.7%であった。耐溶剤製試験を
行ったが、何ら変化は観られなかった。
【0098】熱処理試験を行ったが、フィルム反りの変
化及び外観変化は生じなかった。また、その際の表面抵
抗変化は、試験後抵抗値/試験前抵抗値=1.2であ
り、大きく変わることはなかった。
【0099】STN液晶セルでの表示性能についても、
コントラストが良好でかつ、動作時の色ムラは観察され
なかった。更に信頼性試験においても、外観、表示性能
に何ら変化は観られなかった。
【0100】〔比較例1〕厚みが98μmで、リターデ
ーション値が幅方向で293±20nm、遅相軸のばら
つきがMD方向を中心に±50度の2軸延伸PETフィ
ルムの一方の表面に実施例1と同じ透明導電層を形成し
た。そして、実施例1と同じ偏光板間での着色性を調べ
た。その結果、試料は着色して観察され、かつ、偏光
板、試料の回転とともにその色が変化した。そのため、
透明電極基板用フィルム用、特にSTN用としては不適
当であった。 〔比較例2〕ビスフェノール成分がビスフェノールAの
みからなる平均分子量24000のポリカーボネート樹
脂から、溶融押し出し法で厚さ125μmのポリカーボ
ネートフィルムを製膜した。このフィルムのリタデーシ
ョン値は、幅方向で平均値として32nmであり、遅相
軸角度のバラツキは±20゜であった。
【0101】このフィルムの一方の表面上に実施例1と
同じ透明導電層を形成した。そして、実施例1と同じ偏
光板間での着色性を調べた。その結果、試料は着色して
観察され、かつ、偏光板、試料の回転とともにその色が
変化した。そのため、透明電極基板用フィルム用、特に
STN用としては不適当であった。
【0102】〔比較例3〕実施例1と同じポリカーボネ
ートフィルムの一方の表面上に直接実施例1と同じ透明
導電層を形成した。このポリカーボネートフィルムのガ
ス透過率は980cc/m2 ・日・atm、水蒸気透過
率は54g/m2 ・日・atmであった。
【0103】そして、実施例1と同様に、透明導電層と
反対側のフィルム表面で耐溶剤性試験を行ったところ、
5%KOH水では変化は無かったが、アセトンでは瞬時
に白化し、nメチルピロリドンでは溶解するのが観察さ
れた。そのため、透明導電層をパターンニングし、配向
膜を形成するのが困難であった。
【0104】〔比較例4〕実施例1と同じポリカーボネ
ートフィルムの両面に、実施例1と同じ保護層のみを同
じ厚さで積層した。この積層基板のガス透過率は280
cc/m2 ・日・atm、水蒸気透過率は18g/m2
・日・atmであった。この積層基板の一方の表面上
に、実施例1と同じ透明導電層を形成した。
【0105】そして、比較例3と同じ耐溶剤性試験を行
ったところ、いずれの溶剤でも何ら変化は観られなかっ
た。この透明電極基板を用いて、STN液晶セルを作製
し、実施例1と同様の信頼性試験を行ったところ、液晶
層中に気泡が発生し、表示特性が低下した。
【0106】〔比較例5〕実施例1と同じポリカーボネ
ートフィルムの両面に、アンカーコート層を設けること
無く直接実施例1で用いたガスバリア層を同じ厚さで成
形した。
【0107】フィルム/ガスバリア層で剥離強度を測定
したところ、4g/cmであった。また、実施例1と同
様のセロハンテープ接着剥離試験でガスバリア層が容易
に全面剥離してしまった。そのため、液晶セル作製が困
難であった。
【0108】〔比較例6〕実施例1と同じポリカーボネ
ートフィルムの両面に、1μmのアンカーコート層、1
5μmのガスバリア層、6μmの保護層を順次設けた。
【0109】ここで、アンカーコート層は、アミノアル
キルアルコキシシランを組成分とする日本ユニカー
(株)製のAP−133を用いて、実施例1と同様にし
て形成した。ガスバリア層、保護層は、実施例1と同じ
とした。
【0110】フィルム/ガスバリア層で剥離強度を測定
したところ、15g/cmであった。また、実施例1と
同様のセロハンテープ接着剥離試験でガスバリア層が容
易に全面剥離してしまった。そのため、液晶セル作製が
困難であった。
【0111】〔比較例7〕実施例1と同じ積層基板の片
面に、透明導電層であるインジウム−錫酸化物層をスパ
ッタリング法により以下のように形成した。
【0112】スパッタリングターゲットには組成が重量
比でインジウム/錫=95/5、充填密度が90%のイ
ンジウム−錫酸化物ターゲットを用いた。連続スパッタ
装置に積層基板をセットし、1.3mPaの圧力まで排
気した後、Ar/O2 =99/1の体積混合比のガスを
導入し、雰囲気圧力を0.27Paにした。そしてフィ
ルム温度を50℃に設定し、投入電力密度1W/cm2
でDCスパッタリングを行った。その後、140℃90
分の熱処理を行った。
【0113】その結果得られた透明導電層は、結晶粒の
存在割合が面積比で35%であり、結晶性であった。ま
た膜厚は130nmであり、表面抵抗値は40Ω/□で
あった。
【0114】そして、この透明電極基板の耐屈曲性試験
を実施例1と同様に行った。その結果、透明導電層には
目視で明らかなクラックが発生していた。そのため、液
晶セル作製が困難であった。
【0115】〔比較例8〕実施例1と同じ積層基板の片
面に、透明導電層であるインジウム−錫酸化物層をスパ
ッタリング法により以下のように形成した。
【0116】スパッタリングターゲットには組成が重量
比でインジウム/錫=99/1、充填密度が90%のイ
ンジウム−錫酸化物ターゲットを用いた。連続スパッタ
装置に積層基板をセットし、1.3mPaの圧力まで排
気した後、Ar/O2 =98.5/1.5の体積混合比
のガスを導入し、雰囲気圧力を0.27Paにした。そ
してフィルム温度を50℃に設定し、投入電力密度1W
/cm2 でDCスパッタリングを行った。
【0117】その結果得られた透明導電層は、結晶粒の
存在割合が面積比で0%であり、非結晶性であった。ま
た膜厚は130nmであり、表面抵抗値は45Ω/□で
あった。
【0118】この様にして得た透明電極基板の550n
mでの光線透過率は85%、ヘイズ値は0.6%であっ
た。
【0119】この試料について130℃で4時間の熱処
理を行ったが、フィルム反りの変化及び外観変化は生じ
なかった。しかし、抵抗変化率を調べた結果、試験後の
抵抗値/初期抵抗値=2.9であり、抵抗値が大きく変
化してしまい、熱安定性が悪かった。
【0120】〔比較例9〕実施例1と同じ積層基板の片
面に、透明導電層であるインジウム−錫酸化物層をスパ
ッタリング法により以下のように形成した。
【0121】スパッタリングターゲットには組成が重量
比でインジウム/錫=80/20、充填密度が90%の
インジウム−錫酸化物ターゲットを用いた。連続スパッ
タ装置に積層基板をセットし、1.3mPaの圧力まで
排気した後、Ar/O2 =98.5/1.5の体積混合
比のガスを導入し、雰囲気圧力を0.27Paにした。
そしてフィルム温度を60℃に設定し、投入電力密度1
W/平方cmでDCスパッタリングを行った。
【0122】その結果得られた透明導電層は、結晶粒の
存在割合が面積比で0%であり、非結晶性であった。ま
た膜厚は130nmであり、表面抵抗値は60Ω/□で
あった。
【0123】この様にして得た透明電極基板の550n
mでの光線透過率は78%、ヘイズ値は1.2%であっ
た。
【0124】この透明電極基板を用いてSTN液晶セル
を作製し、表示性能を観察したが、表示が暗くかつコン
トラストも低かった。
【0125】〔比較例10〕実施例1と同じ積層基板の
片面に、実施例1と同じようにして透明導電層を形成し
た。ただし、形成に際し、長時間スパッタすることで、
膜厚を220nmと厚くした。
【0126】この透明電極基板の耐屈曲性試験を実施例
1と同様に行った。その結果、透明導電層には目視で明
らかなクラックが発生していた。そのため、液晶セル作
製が困難であった。
【0127】〔比較例11〕実施例1と同じ積層基板の
片面にエンボス加工を施し、その表面粗さを調整した。
加工した表面の表面粗さはRa値で43nmであった。
この表面に実施例1と同じ透明導電層を形成した。
【0128】この透明電極基板を用いてSTN液晶セル
を作製し、表示性能を観察したが、均一に液晶が配向し
なかった。そのため、色ムラが確認でき、均一な表示特
性を示さなかった。
【0129】
【発明の効果】以上、本発明は、液晶表示素子等の表示
パネル、タッチパネル或いは照明パネルなどの透明電極
に用いられる、耐ガス透過性、耐水蒸気透過性、長期信
頼性を改善する機能性層を積層した多層構成のプラスチ
ックフィルムを基板とした透明電極基板の光学特性の均
一性、平滑性、平面性を改善することにより、ガラス基
板の透明電極基板と遜色無い表示性能が得られるプラス
チック基板の透明電極基板を実現したものであり、全体
として可撓性の構成も可能である点と併せて、表示パネ
ル、タッチパネル、照明パネル等の安全性の向上、用途
拡大等に大きな寄与をなすものである。
【0130】更に、本発明の透明電極基板は長尺の基板
による連続生産ができ、コストダウンにも大きな効果を
奏する。
【0131】このように、本発明は産業上大きな寄与を
なすものである。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチックフィルムの片面または両面
    に、ガスバリア層をアンカーコート層を介して積層し、
    更にその積層体の片面または両面に保護層を積層した積
    層基板を用い、その最表面の片面または両面に透明導電
    層を設けた透明電極基板において、該透明導電層は錫を
    インジウム/錫の重量比で95/5〜85/15含有す
    る非結晶性のインジウム酸化物からなり、膜厚が20か
    ら200nmの範囲にある透明導電層であり、該プラス
    チックフィルムはリターデーション値が20nm以下で
    遅相軸のばらつきが±15度以内の光学等方性を有し、
    厚さが70〜200μmのプラスチックフィルムであ
    り、前記積層基板の透明導電層を設ける面の表面粗さが
    中心線平均粗さRaで40nm以下であることを特徴と
    する透明電極基板。
  2. 【請求項2】 波長550nmの光透過率が80%以上
    で、ヘイズ値が1%以下である請求項1記載の透明電極
    基板。
  3. 【請求項3】 前記ガスバリアー層がビニルアルコール
    成分又はビニルアルコール共重合体成分を含む硬化層か
    らなり、前記アンカーコート層がアクリル樹脂或いはポ
    リウレタン樹脂である請求項1、請求項2のいずれかに
    記載の透明電極基板。
  4. 【請求項4】 前記保護層がエポキシ樹脂、フェノキシ
    樹脂、フェノキシエーテル樹脂、又はフェノキシエステ
    ル樹脂の硬化物である請求項1〜3のいずれかに記載の
    透明電極基板。
  5. 【請求項5】 前記プラスチックフィルムがポリカーボ
    ネートまたはポリアリレートからなる請求項1〜4のい
    ずれかに記載の透明電極基板。
  6. 【請求項6】 前記ポリカーボネートフィルムはビスフ
    ェノール成分がビスフェノールAのみからなり、分子量
    が30,000以上でガラス転移点が150℃以上であ
    る請求項5記載の透明電極基板。
  7. 【請求項7】 前記ポリカーボネートフィルムが、溶液
    流延法で製膜されたフィルムである請求項6に記載の透
    明電極基板。
  8. 【請求項8】 前記ポリカーボネートフィルムは、残存
    溶媒濃度が0.2重量%以下である請求項7記載の透明
    電極基板。
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