JPH08203714A - 鉄基永久磁石とその製造方法並びにボンド磁石用鉄基永久磁石合金粉末と鉄基ボンド磁石 - Google Patents

鉄基永久磁石とその製造方法並びにボンド磁石用鉄基永久磁石合金粉末と鉄基ボンド磁石

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JPH08203714A
JPH08203714A JP6331700A JP33170094A JPH08203714A JP H08203714 A JPH08203714 A JP H08203714A JP 6331700 A JP6331700 A JP 6331700A JP 33170094 A JP33170094 A JP 33170094A JP H08203714 A JPH08203714 A JP H08203714A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 安価に提供できる(Fe,Co)−Cr−B
−R系ボンド磁石あるいは(Fe,Co)−Cr−B−
R−M系ボンド磁石の製造方法の確立。 【構成】 (Fe,Co)−Cr−B−R(Pr,N
d)系合金溶湯あるいは(Fe,Co)−Cr−B−R
−M(M=Al,Si,S,Ni,Cu,Zn,Ga,
Ag,Pt,Au,Pb)系合金溶湯を超急冷法にて実
質的にアモルファス組織あるいは少量の微細結晶とアモ
ルファスが混在する組織となし、これに特定条件の結晶
化熱処理を施すことにより、α−鉄および鉄を主成分と
する強磁性合金からなる軟磁性相とNd2Fe14B型結
晶構造を有する硬磁性相が相互に分散して共存し、各構
成相の平均結晶粒径が1nm〜30nmの範囲にある微
細結晶集合体からなる鉄基永久磁石を得、これを平均粉
末粒径3μm〜500μmに粉砕した鉄基永久磁石合金
粉末を樹脂にて結合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、各種モーター、アク
チュエーター、磁気センサー用磁気回路並びにマグネッ
トロールやスピーカーなどに最適な鉄基ボンド磁石を得
るための鉄基永久磁石及び鉄基ボンド磁石用合金粉末と
その製造方法に係り、希土類元素を少量加えた(Fe,
Co)−Cr−B−R合金溶湯、あるいは(Fe,C
o)−Cr−B−R−M(M=Al,Si,S,Ni,
Cu,Zn,Ga,Ag,Pt,Au,Pb)合金溶湯
を回転ロールを用いた超急冷法、スプラット急冷法、ガ
スアトマイズ法あるいはこれらを組み合わせて急冷し、
アモルファス組織あるいは微細結晶とアモルファスが混
在する組織とし、特定の熱処理にてα−鉄及び鉄を主成
分とする強磁性合金からなる軟磁性相とNd2Fe14
型結晶構造を有する硬磁性相とが共存する微細結晶集合
体からなる鉄基永久磁石を得て、これを粉砕してボンド
磁石用合金粉末を得、さらに樹脂にて結合することによ
り、ハードフェライト磁石では得られない5kG以上の
残留磁束密度Brを有する等方性鉄基ボンド磁石が得ら
れる鉄基永久磁石とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】家電用品や電装品用に用いられるステッ
ピングモーター、パワーモーター並びにアクチュエータ
ーなどに使用される永久磁石は主にハードフェライトに
限定されていたが、低温でのiHc低下に伴う低温減磁
特性があること、セラミックス材質のため機械的強度が
低く、割れ、欠けが発生し易いこと、複雑な形状が得難
いことなどの問題があった。
【0003】今日、家電用品、OA機器の小型化が進
み、用いられる磁石材料も小型、軽量化が要求されてい
る。また自動車についても省資源のため車両の軽量化に
よる燃費の向上が強く要求されており、自動車用電装品
のより一層の小型、軽量化が求められている。そこで磁
石材料の性能対重量比を最大にするための設計が進めら
れており、例えば現在のモーター構造では、永久磁石と
して残留磁束密度Brが5kG〜7kG程度のものが最
適とされている。
【0004】現在のモーター構造では、Brが8kG以
上の場合、磁路となる回転子やステーターの鉄板の断面
積を増大する必要があり、かえって重量の増大を招来す
る。また、マグネットロール、スピーカー用磁石におい
ても小型化に伴う高Br化が要求されているが、従来の
ハードフェライト磁石では、5kG以上のBrを得るこ
とができない。
【0005】例えば、Nd−Fe−B系ボンド磁石では
かかる磁気特性を満足するが、金属の分離生成や還元に
多大の工程並びに大規模な設備を要するNdなどを10
at%〜15at%含有しているため、ハードフェライ
ト磁石に比較して著しく高価であるだけでなく、90%
着磁には20kOe近い着磁磁界を必要とし、磁極間ピ
ッチが1.6mm以下になるような複雑な多極着磁がで
きないなど着磁特性に問題がある。現在のところ大量生
産が可能で安価に提供でき、5kG〜7kG程度のBr
を有し、かつ着磁特性に優れた永久磁石材料は見出され
ていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年、Nd−F
e−B系磁石において、Nd4Fe7719(at%)近
傍でFe3B型化合物を主相とする磁石材料が提案
(R.Coehoorn等、J.de Phys.,C
8,1988,669〜670頁)された。この永久磁
石材料はアモルファスリボンを熱処理することにより、
軟磁性であるFe3B相と硬磁性であるNd2Fe14B相
が混在する結晶集合組織を有する準安定構造の永久磁石
材料であるが、iHcが2kOe〜3kOe程度と低く
希土類磁石材料としては不十分であり、工業上実用的で
ない。
【0007】また、このFe3B型化合物を主相とする
磁石材料に添加元素を加えて多成分化し、性能向上を図
った研究が発表されている。その1つは希土類元素にN
dのほかにDyとTbを加え、iHcを改善するもので
あるが、高価な元素を添加するため原材料の価格が上が
る問題のほか、添加希土類元素はその磁気モーメントが
NdやFeの磁気モーメントと反平行に結合するため磁
化並びに減磁曲線の角型性が劣化する問題がある(R.
Coehoorn、J.Magn,Magn,Ma
t.、83 (1990) 228〜230頁)。
【0008】他の研究(Shen Bao−genら,
J.Magn, Magn,Mat.、89(199
1)335〜340頁)として、Feの一部をCoにて
置換してキュリー温度を上昇させ、iHcの温度係数を
改善するが、Coの添加にともないBrを低下させる問
題がある。
【0009】いずれにしてもFe3B型化合物を主相と
するNd−Fe−B系磁石は、超急冷法によりアモルフ
ァス化した後、熱処理して硬磁性材料化できるが、iH
cが低く、ハードフェライト磁石の代替として使用され
るにはコストパフォーマンスが低い問題がある。充分高
いiHcを得ることがこのように不可能なのは、ソフト
磁性相の結晶粒径が大きく、50nm程もあり、減磁界
中でのソフト磁性相の磁化反転を有効に阻止するために
は大きすぎるからである。
【0010】この発明は、含有する希土類が少なく、5
kG以上の残留磁束密度Brを有しハードフェライト磁
石に匹敵するコストパフォーマンスを有し、安定した工
業生産で安価に提供できる(Fe,Co)−Cr−B−
R系永久磁石、あるいは(Fe,Co)−Cr−B−R
−M(M=Al,Si,S,Ni,Cu,Zn,Ga,
Ag,Pt,Au,Pb)系永久磁石、さらにこれらの
鉄基ボンド磁石の提供を目的としている。
【0011】また、この発明は、5kG以上の残留磁束
密度Brを有したボンド磁石を安定した工業生産で安価
に提供するため、ボンド磁石に最適な鉄基永久磁石なら
びに鉄基ボンド磁石用の鉄基永久磁石合金粉末とその製
造方法の提供を目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】発明者らは軟磁性相と硬
磁性相が混在する低希土類濃度の鉄基永久磁石材料のi
Hcを向上させ、安定した工業生産が可能な製造方法を
目的に種々検討した結果、希土類元素の含有量が少なく
一部をCoで置換した鉄基合金にCrあるいはCrとM
(M=Al,Si,S,Ni,Cu,Zn,Ga,A
g,Pt,Au,Pb)を同時に添加した特定組成の合
金溶湯を回転ロールを用いた超急冷法、スプラット急冷
法、ガスアトマイズ法あるいはこれらを組み合せた方法
により急冷し、アモルファス組織あるいは少量の微細結
晶がアモルファスのマトリックス中に分散した組織とな
った後、特定の昇温速度による熱処理にて、α−鉄及び
鉄基の金属間化合物を主成分とする強磁性合金からなる
軟磁性相と、Nd2Fe14B型結晶構造を有する硬磁性
相とが共存する微細結晶集合体からなるリボンやフレー
ク状の鉄基永久磁石を得て、これを粉砕して合金粉末化
してボンド磁石化することにより、ハードフェライト磁
石では得られなかった5kG以上の残留磁束密度Brを
有する鉄基ボンド磁石が得られることを知見し、この発
明を完成したのである。
【0013】すなわち、α−鉄及び鉄を主成分とする強
磁性合金からなる軟磁性相と、Nd2Fe14B型結晶構
造を有する硬磁性相が相互に分散して共存し、しかも各
構成相の平均結晶粒径が1nm〜30nmの範囲内のと
き、実質的に必要な5kOe以上の固有保磁力を発現す
ること、また、3μm〜500μmの粉末粒径をもつ磁
性粉を樹脂にて所要形状に成型固化することにより、永
久磁石として利用可能な形態として提供できることを知
見した。
【0014】この発明は、希土類元素の含有量が少ない
特定組成の(Fe−Co)Cr−B−R系合金溶湯、あ
るいは(Fe,Co)−Cr−B−R−M(M=Al,
Si,S,Ni,Cu,Zn,Ga,Ag,Pt,A
u,Pb)系合金溶湯を回転ロールを用いた超急冷法、
スプラット急冷法、ガスアトマイズ法あるいはこれらを
組み合せた方法により急冷し、アモルファス組織あるい
は少量の微細結晶がアモルファスのマトリックス中に分
散した組織となし、さらに熱処理による結晶化に際し、
結晶化が開始する温度付近から600℃〜700℃の処
理温度までの昇温速度が10℃/分〜50℃/秒になる
ような結晶化熱処理を施すことにより、α−鉄及び鉄を
主成分とする強磁性合金からなる軟磁性相と、Nd2
14B型結晶構造を有する硬磁性相とが相互に分散して
共存し、各構成相平均結晶粒径1nm〜30nmの範囲
にある微細結晶集合体が得られることにより、各粒子の
交換相互作用が増し、従来のR2Fe14B相を主相とす
る永久磁石に比べ高いBrが得られ、(Fe−Co)C
r−B−R系の場合、iHc≧5kOe、Br≧8.0
kG、(BH)max≧10MGOeの磁気特性、(F
e,Co)−Cr−B−R−M系の場合、iHc≧5k
Oe、Br≧8.2kG、(BH)max≧10.5M
GOeの磁気特性を有するリボンやフレーク状の鉄基永
久磁石が得られる。
【0015】さらに必要に応じてこれを、平均粉末粒径
3μm〜500μmに粉砕することによって、5kG以
上の残留磁束密度Brを有するボンド磁石に最適の鉄基
永久磁石合金粉末、すなわち、(Fe−Co)Cr−B
−R系の場合、iHc≧5kOe、Br≧7.0kG、
(BH)max≧8MGOeの磁気特性 (Fe,Co)−Cr−B−R−M系の場合、iHc≧
5kOe、Br≧7.2kG、(BH)max≧8.4
MGOeの磁気特性を有する鉄基永久磁石合金粉末が得
られ、該粉末と樹脂との結合により、iHc≧5kO
e、Br≧5.5kG、(BH)max≧6MGOeの
磁気特性を有するボンド磁石を得ることができる。
【0016】
【作用】この発明は、希土類元素の含有量が少なく一部
をCoで置換した鉄基合金にCrあるいはCrとM(M
=Al,Si,S,Ni,Cu,Zn,Ga,Ag,P
t,Au,Pb)を同時に添加した特定組成の合金溶湯
を回転ロールを用いた超急冷法、スプラット急冷法、ガ
スアトマイズ法あるいはこれらを組み合せた方法により
急冷し、アモルファス組織あるいは少量の微細結晶がア
モルファスのマトリックス中に分散した組織が形成され
た後、特定の昇温速度による熱処理にて、α−鉄及び鉄
基の金属間化合物を主成分とする強磁性合金からなる軟
磁性相と、Nd2Fe14B型結晶構造を有する硬磁性相
とが共存する微細結晶集合体を得ることにより、ハード
フェライト磁石では得られなかった5kG以上の残留磁
束密度Brを有する鉄基ボンド磁石が得ることを特徴と
している。
【0017】以下に、この発明の特徴ならびに作用を詳
述する。この発明の一つの焦点はNd2Fe14B型ハー
ド磁性相と共に、微結晶集合体を形成すべきソフト磁性
相の結晶粒径である。その結晶粒径は50nmよりもは
るかに小さくてはならないが、例えば1988年のケー
ホールン(Coehoorn)などの先行技術に見られ
る典型的な結晶粒径は50nmであった。充分微細な微
結晶集合体を得るというこの発明の目的のために、組成
及び製造方法を以下のように定める。
【0018】組成の限定理由 この発明において、希土類元素RはPrまたはNdの1
種また2種を特定量含有のときのみ、高い磁気特性が得
られ、他の希土類、例えばCe、LaではiHcが2k
Oe以上の特性が得られず、また、SmおよびSmより
重い(原子量の大きい)希土類元素は、磁気特性の劣化
を招来するとともに磁石を高価格にするため好ましくな
い。Rは、3at%未満では固有保磁力の発現に寄与す
るR2Fe14B相の晶出が少ないため、5.0kOe以
上のiHcが得られず、また6at%を超えると8kG
以上のBrが得られないため、3at%〜6at%の範
囲とする。好ましいRの範囲は4at%〜5.5at%
である。
【0019】Bは、15at%未満では超急冷法を用い
てもアモルファス組織が得られず、熱処理を施しても3
kOe未満のiHcしか得られない。また、30at%
を越えると5kOe以上のiHcが得られないため、1
5at%〜30at%の範囲とする。好ましいBの範囲
は15at%〜20at%である。
【0020】Crは、Crを加えることでCrを含まな
い組成に比べて結晶粒が約1/2〜1/3に微細化され
ることと、Crを添加することで保磁力発現に有効なR
2Fe14B相の磁石中における体積比率が向上すること
により、iHcの向上に有効であるが、0.01at%
未満ではかかる効果が得らない。また、CrはFeとの
磁気的結合が反強磁性的であるため、Brおよび減磁曲
線の角形性が大きく低下するので、Crが7at%を超
えると8kG以上のBrが得られない。よってCr量は
0.01at%〜7at%の範囲とする。なお、10k
G以上のBrを得る場合、Crは0.01at%以上3
at%以下が好ましい。また、6.5kOe以上のiH
cを得る場合、Crは3at%を超えて7at%以下が
好ましい。
【0021】Coは、Feの一部を置換することでCr
を加えた際の磁化の低下が抑制され、Br及び減磁曲線
の角形性の大幅な低下を防ぎ、同時に着磁特性も向上さ
せる。また、R2Fe14B相のFeの一部がCoで置換
されることでR2Fe14B相のキュリー温度が上昇し、
iHcの温度係数が改善されるが、0.01at%未満
ではかかる効果が得られず、また、30at%を越える
と8kG以上のBrが得られないため、0.01at%
〜30at%の範囲とする。好ましいCoの範囲は1a
t%〜10at%である。
【0022】添加元素MのAl,Si,S,Ni,C
u,Zn,Ga,Ag,Pt,Au,Pbは、Co同
様、Cr添加時の減磁曲線の角形性の劣化を改善し、B
rおよび(BH)maxを増大させる目的で添加する
が、0.01at%未満ではかかる効果が得られず、ま
た、10at%を越えるとかえって角形性を劣化させ
(BH)maxも低下するため、0.01at%〜10
at%の範囲とする。好ましいMの範囲は0.5at%
〜3at%である。Feは上述の元素の含有残余を占め
る。
【0023】結晶粒径、粉末粒径の限定理由 この発明のボンド磁石を構成する磁性粉の結晶相は、α
−鉄及び鉄を主成分とする強磁性合金からなる軟磁性相
と、Nd2Fe14B型結晶構造を有する硬磁性相とが同
一粉末中に共存しており、後者の硬磁性相の存在がiH
c発現には不可欠である。しかし、iHcの向上および
ヒステリシスループの良好な角型性を発現のためには、
軟磁性相と硬磁性相が共存するだけでは不十分であり、
両者が相互に分散し、両者の平均結晶粒径が1nm〜3
0nmであることが必要である。両者の平均結晶粒径が
30nmを越えると、Brおよび減磁曲線の第2象限の
角形性が劣化して、永久磁石としては動作点において十
分な磁束を取り出すことができない。また、平均結晶粒
径は細かいほど好ましいが、1nm未満の平均結晶粒径
を得ることは工業生産上困難であるため、平均結晶粒径
を1nm〜30nmに限定する。
【0024】複雑形状や薄肉形状の磁石が得られるボン
ド磁石としての特徴を生かし、高精度の成型を行うに
は、粉末の平均粒径は十分小さいことが必要であるが、
500μmを越える粉末粒径では高精度の成型ができ
ず、また、3μm未満の粒径では、比表面積増大に伴い
多量の樹脂をバインダーとして使用する必要があり、充
填密度が低下して好ましくないため、粉末粒径を3μm
〜500μmに限定する。
【0025】製造条件の限定理由 この発明において、上述の特定組成の合金溶湯を超急冷
法にてアモルファス組織あるいは少量の微細結晶とアモ
ルファスが混在する組織となし、結晶化が開始する温度
付近から600℃〜750℃の処理温度までの昇温速度
が10℃/分〜50℃/秒になる結晶化熱処理を施すこ
とにより、α−鉄及び鉄基の金属間化合物を主成分とす
る強磁性合金からなる軟磁性相と、Nd2Fe14B型結
晶構造を有する硬磁性相とが相互に分散・共存し、各構
成相の平均結晶粒径が1nm〜30nmの範囲にある微
結晶集合体を得ることが最も重要である。
【0026】上記合金溶湯の超急冷処理には、公知の回
転ロールを用いた超急冷法を採用できるが、実質的にア
モルファス組織もしくは少量の微細結晶がアモルファス
のマトリックス中に分散した組織が得られれば、回転ロ
ールを用いた超急冷法の他にもスプラット急冷法、ガス
アトマイズ法あるいはこれらを組み合せた急冷方法を採
用してもよい。
【0027】例えば、Cu製ロールを用いる場合は、そ
のロール表面周速度が10m/秒〜50m/秒の範囲が
好適な急冷組織が得られるため好ましい。すなわち、ロ
ール周速度が10m/秒未満ではアモルファス組織とな
らず好ましくない。また50m/秒を超えると、結晶化
の際、良好な硬磁気特性の得られる微細結晶集合体とな
らず好ましくない。ただし、少量のα−Fe相や準安定
Nd−Fe−B化合物が急冷組織中に存在していても磁
気特性を著しく低下させるものでなく許容される。
【0028】この発明において、上述の特定組成の合金
溶湯を超急冷法にて実質的にアモルファスあるいは少量
の微細結晶とアモルファスが混在する組織となした後、
結晶化のための熱処理を行うが、磁気特性を最高にする
ための熱処理条件はその組成に依存する。熱処理温度が
600℃未満ではNd2Fe14B相が析出しないためi
Hcが発現せず、また750℃を超えると粒成長が著し
くiHc、Br及び減磁曲線の角型性が劣化し、上述の
磁気特性が得られないため、熱処理温度は600℃〜7
50℃に限定する。
【0029】熱処理雰囲気は酸化を防止するため、A
r、N2ガスなどの不活性ガス雰囲気もしくは10-2
orr以上の真空中が好ましい。得られる合金粉末の磁
気特性は熱処理時間にはほとんど依存しないが、しいて
言えば6時間を超えると時間の経過とともにBrが若干
低下する傾向にあるため、熱処理時間は6時間未満が好
ましい。
【0030】また、本発明者らは微細結晶組織、ひいて
は磁気特性が、熱処理工程における昇温速度に敏感に依
存することを見出した。すなわち、この発明において重
要なプロセスパラメーターとして、熱処理に際して結晶
化が開始する温度付近以上からの昇温速度があり、10
℃/分未満の昇温速度では、昇温中に粒成長が起こり、
良好な硬磁気特性の得られる微細結晶集合体とならず、
5kOe以上のiHcが得られず好ましくない。また、
50℃/秒を越える昇温速度では600℃を通過してか
ら生成するNd2Fe14B相の析出が十分に行われず、
iHcが低下するだけでなく、磁化曲線の第2象限のB
r点近傍に磁化の低下のある減磁曲線となり、(BH)
maxが低下するため好ましくない。なお、熱処理に際
して結晶化開始温度(約550℃)までの昇温速度は任
意であり、急速加熱などを適用して処理能率を高めるこ
とができる。
【0031】磁石化方法 特定組成の合金溶湯を超急冷法にてアモルファス組織あ
るいは少量の微細結晶がアモルファスのマトリックス中
に分散した組織となし、結晶化が開始する温度付近から
600℃〜750℃の処理温度までの昇温速度が10℃
/分〜50℃/秒の結晶化熱処理を施すことにより、平
均粉末粒径が1nm〜30nmの微細結晶集合体として
得た鉄基永久磁石合金粉末を3μm〜500μmの磁性
粉に粉砕した後、公知のバインダーと混合して所要のボ
ンド磁石となすことにより、ボンド磁石中の磁粉充填率
を約80%とし、5.5kG以上の残留磁束密度Brを
有するボンド磁石を得ることができる。
【0032】この発明によるボンド磁石は等方性磁石で
あり、以下に示す圧縮成型、射出成型、押出し成型、圧
延成型、樹脂含浸法など公知のいずれの製造方法であっ
てもよい。圧縮成型の場合は、磁性粉末に熱硬化性樹
脂、カップリング剤、潤滑剤等を添加混練したのち、圧
縮成型した後設定温度まで加熱し、加熱樹脂を硬化して
得られる。射出成型、押し出し成型、圧延成型の場合
は、磁性粉末に熱可塑性樹脂、カップリング剤、潤滑剤
等を添加混練したのち、射出成型、押し出し成型、圧延
成型のいずれかの方法にて成型して得られる。樹脂含浸
法においては、磁性粉を圧縮成型後、必要に応じて熱処
理した後、熱硬化性樹脂を含浸させ、加熱して樹脂を硬
化させて得る。また、磁性粉末を圧縮成型後、必要に応
じて熱処理した後、熱可塑性樹脂を含浸させて得る。
【0033】この発明において、ボンド磁石中の磁性粉
の重量比は、前記製法により異なるが、70wt%〜9
9.5wt%であり、残部0.5wt%〜30wt%が
樹脂その他である。圧縮成型の場合、磁性粉の重量比は
95wt%〜99.5wt%、射出成型の場合、磁性粉
末の充填率は90wt%〜95wt%、樹脂含浸法の場
合、磁性粉末の重量比は96wt%〜99.5wt%が
好ましい。この発明における合成樹脂は、熱硬化性、熱
可塑性のいずれの性質を有するものも利用できるが、熱
的に安定な樹脂が好ましく、例えば、ポリアミド、ポリ
イミド、フェノール樹脂、弗素樹脂、けい素樹脂、エポ
キシ樹脂などを適宜選定できる。
【0034】
【実施例】
実施例1 表1のNo.1〜18の組成となるように、純度99.
5%以上のFe、Co、Cr、B、Nd、Pr、Al、
Si、S、Ni、Cu、Zn、Ga、Ag、Pt、A
u、Pbの金属を用いて、総量が30grとなるように
秤量し、底部に直径0.8mmのオリフィスを有する石
英るつぼ内に投入し、圧力56cmHgのAr雰囲気中
で高周波加熱により溶解し、溶解温度を1400℃にし
た後、湯面をArガスにより加圧して室温にてロール周
速度20m/秒にて高速回転するCu製ロールの外周面
に0.7mmの高さから溶湯を噴出させて、幅2mm〜
4mm、厚み20μm〜40μmの超急冷薄帯を作製し
た。得られた超急冷薄帯をCuKαの特性X線によりア
モルファスであることを確認した。
【0035】この超急冷薄帯をArガス中で結晶化が開
始する580℃〜600℃以上に表1で示す昇温速度で
昇温し、表1に示す熱処理温度で7分間保持し、その後
室温まで冷却して薄帯を取り出し、幅2mm〜4mm、
厚み20μm〜40μm、長さ3mm〜5mmの試料を
作製し、VSMを用いて磁気特性を測定した。測定結果
を表2に示す。なお、試料の構成相をCuKαの特性X
線で調査した結果、Cr量が0.01at%〜3at%
のときは、α−Fe相、Fe3B相、Nd2Fe14B相が
混在する多相組織であったが、Cr量が3at%を越え
るときは、α−Fe相、Nd2Fe14B相は確認できた
ものの鉄を主成分とするホウ化物相などは存在量が少な
いため確認できなかった。なお、CrとCoおよび(M
=Al,Si,S,Ni,Cu,Zn,Ga,Ag,P
t,Au,Pb)はこれらの各相でFeの一部を置換す
る。また、各試料の透過型電子顕微鏡写真から平均結晶
粒径はいずれも30nm以下であった。
【0036】この薄帯を粉砕して、粒径が25μm〜4
00μmにわたって分布する平均粒径150μmの磁性
粉を得たのち、粉末98wt%に対してエポキシ樹脂を
2wt%の割合で混合したのち、6ton/cm2の圧
力で圧縮成型し、150℃で硬化処理してボンド磁石を
得た。このボンド磁石の密度は6.0gr/cm3であ
り、磁石特性を表3に示す。
【0037】比較例1 表1のNo.19〜24の組成となるように純度99.
5%以上のFe、Co、Cr、B、Nd、Pr、Niを
用いて実施例1と同条件で超急冷薄帯を作製した。この
超急冷薄帯を実施例1と同様、Arガス中で、結晶化が
始まる580℃〜600℃以上を表1に示す昇温速度で
昇温し、表1に示す熱処理温度で7分間保持し、その後
室温まで冷却して薄帯を取り出し、幅2mm〜4mm、
厚み20μm〜40μm、長さ3mm〜5mmの試料を
作製し、VSMを用いて磁気特性を測定した。測定結果
を表2に示す。
【0038】透過型電子顕微鏡観察及びX線解析による
とNo.19の試料の構成相は、Fe3B相を主相とす
るα−Fe相とNd2Fe14B相の多相組織であり、平
均結晶粒径は50nm前後とNo.1〜18の試料に比
べ粗大であり、先行技術における多相磁石の平均結晶粒
径と同等であった。No.20の試料はα−Fe相、N
2Fe14B相からなる多相組織を有し、実施例1の試
料同様、平均結晶粒径約20nmの微細組織であった
が、Coを含むNo.3の試料に比べ、減磁極性の角形
性に劣っていた。No.21試料は平均結晶粒径が50
nmと大きく、5kOe以上のiHcが得られなかっ
た。No.22試料は、α−Fe相、Fe3B相、Nd2
Fe14B相が混在する多相組織であるが、α−Fe相の
成長が著しく、磁化曲線の第2象限のBr点近傍に磁化
の低下のある減磁曲線となり、10MGOe以上の(B
H)maxが得られなかった。No.23試料は、保磁
力の発現に不可欠なNd2Fe14B相が晶出しておら
ず、硬磁性を持たなかった。No.24試料は、平均結
晶粒径が70nm程度と、同じ組成であるNo.3の試
料に比べ、結晶が粗大化しており、Br、iHc、(B
H)maxともNo.3の試料に比べ劣っていた。
【0039】No.19、No.20の試料について
は、実施例1と同条件で粉砕して、平均粉末粒径150
μmの粉末を得た後、実施例1と同一条件にてボンド磁
石を作製した。得られたボンド磁石の磁石特性を表3に
示す。
【0040】実施例2 表2の磁気特性を有する、No.3の試料のキュリー温
度を熱磁気天秤で測定したところ、849℃のキュリー
温度をもつ主たる強磁性相と、さらに388℃のキュリ
ー温度をもつ従たる強磁性相が存在することが判った。
X線解析結果と照合すると前者はCoを固溶したα−F
e、後者はNd2Fe14B型化合物(Feの一部をCo
で置換したもの)と考えられる。
【0041】比較例2 表2の磁気特性を有するNo.20の試料のキュリー温
度を熱磁気天秤で測定したところ、主たる強磁性相は7
62℃、従たる強磁性相は308℃であった。各相のキ
ュリー温度ともCoを加えたNo.3の試料に比べ、8
0℃程低い値を示した。
【0042】実施例3 表3の磁気特性を有する、No.3のボンド磁石をパー
ミアンス係数が1になるよう加工した後、2kOe〜5
0kOeの範囲で低磁界からパルス着磁し、そのつど開
磁路で残留磁束密度を測定し、50kOeでの残留磁束
密度を着磁率100%として、各着磁磁界の着磁率を残
留磁束密度の相対比として評価した着磁特性曲線を図1
に示す。90%着磁に要する磁界は約13kOeであっ
た。
【0043】表3の磁気特性を有する、No.20のボ
ンド磁石をパーミアンス係数が1になるよう加工した
後、実施例3と同様の方法で着磁特性を評価した着磁特
性曲線を図1に示す。90%着磁に要する磁界は約19
kOeと、Coを加えたNo.3のボンド磁石に比べ、
6kOeほど高い着磁磁界を要した。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】
【発明の効果】以上の実施例から明らかなように、この
発明は、希土類元素の含有量が少ない特定組成の(F
e,Co)−Cr−B−R系合金溶湯あるいは(Fe,
Co)−Cr−B−R−M(M=Al,Si,S,N
i,Cu,Zn,Ga,Ag,Pt,Au,Pb)系合
金溶湯を回転ロールを用いた超急冷法、スプラット急冷
法、ガスアトマイズ法あるいはこれらを組み合せて急冷
し、アモルファス組織あるいは少量の微細結晶とアモル
ファスが混在する組織となし、得られたリボン、フレー
ク、球状粉末に特定条件の熱処理を施すことにより、α
−鉄及び鉄基の金属間化合物を主成分とする強磁性合金
からなる軟磁性相と、Nd2Fe14B型結晶構造を有す
る硬磁性相とが相互に分散して共存し、各構成相の平均
結晶粒径が1nm〜30nmの範囲にある微結晶集合体
を得るもので、特定量のCrとCoもしくはCrとC
o、Mが同時に添加されていることで、8kG以上のB
rと5kOe以上のiHcが得られるだけでなく、減磁
曲線の第2象限の角型性に優れ、かつ温度特性と着磁性
に優れた、鉄基永久磁石が得られ、必要に応じてこれを
粉砕することにより、iHc≧5kG、Br≧7kG、
(BH)max≧8MGOeの磁気特性をもち、5kG
以上の残留磁束密度Brを有するボンド磁石に最適の磁
気特性を有するFe−Cr−Co−B−R−M系磁石合
金粉末を安定して大量に供給できる。
【0048】また、この発明は、希土類元素の含有量が
少なく、製造方法が簡単で大量生産に適しているため、
5kOe以上のiHc、5.5kG以上のBrを有し、
ハードフェライト磁石を超える磁気的性能をもち、磁気
部品と磁石体との一体成型を採用することによって工程
を短縮することができ、焼結ハードフェライトを凌ぐコ
ストパフォーマンスを実現し得るボンド磁石を提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例において得られたボンド磁石の着磁特性
曲線を示すグラフであり、磁石を2kOe〜50kOe
の範囲で低磁界からパルス着磁し、そのつど開磁路で残
留磁束密度を測定し、50kOeでの残留磁束密度を着
磁率100%として、各着磁磁界の着磁率を残留磁束密
度の相対比として評価した着磁特性曲線を示す。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年2月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】この発明は、希土類元素の含有量が少ない
特定組成の(Fe−Co)Cr−B−R系合金溶湯、あ
るいは(Fe,Co)−Cr−B−R−M(M=Al,
Si,S,Ni,Cu,Zn,Ga,Ag,Pt,A
u,Pb)系合金溶湯を回転ロールを用いた超急冷法、
スプラット急冷法、ガスアトマイズ法あるいはこれらを
組み合せた方法により急冷し、アモルファス組織あるい
は少量の微細結晶がアモルファスのマトリックス中に分
散した組織となし、さらに熱処理による結晶化に際し、
結晶化が開始する温度付近から600℃〜700℃の処
理温度までの昇温速度が10℃/分〜50℃/分になる
ような結晶化熱処理を施すことにより、α−鉄及び鉄を
主成分とする強磁性合金からなる軟磁性相と、Nd2
14B型結晶構造を有する硬磁性相とが相互に分散して
共存し、各構成相平均結晶粒径1nm〜30nmの範囲
にある微細結晶集合体が得られることにより、各粒子の
交換相互作用が増し、従来のR2Fe14B相を主相とす
る永久磁石に比べ高いBrが得られ、(Fe−Co)C
r−B−R系の場合、iHc≧5kOe、Br≧8.0
kG、(BH)max≧10MGOeの磁気特性、(F
e,Co)−Cr−B−R−M系の場合、iHc≧5k
Oe、Br≧8.2kG、(BH)max≧10.5M
GOeの磁気特性を有するリボンやフレーク状の鉄基永
久磁石が得られる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】製造条件の限定理由 この発明において、上述の特定組成の合金溶湯を超急冷
法にてアモルファス組織あるいは少量の微細結晶とアモ
ルファスが混在する組織となし、結晶化が開始する温度
付近から600℃〜750℃の処理温度までの昇温速度
が10℃/分〜50℃/分になる結晶化熱処理を施すこ
とにより、α−鉄及び鉄基の金属間化合物を主成分とす
る強磁性合金からなる軟磁性相と、Nd2Fe14B型結
晶構造を有する硬磁性相とが相互に分散・共存し、各構
成相の平均結晶粒径が1nm〜30nmの範囲にある微
結晶集合体を得ることが最も重要である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】また、本発明者らは微細結晶組織、ひいて
は磁気特性が、熱処理工程における昇温速度に敏感に依
存することを見出した。すなわち、この発明において重
要なプロセスパラメーターとして、熱処理に際して結晶
化が開始する温度付近以上からの昇温速度があり、10
℃/分未満の昇温速度では、昇温中に粒成長が起こり、
良好な硬磁気特性の得られる微細結晶集合体とならず、
5kOe以上のiHcが得られず好ましくない。また、
50℃/分を越える昇温速度では600℃を通過してか
ら生成するNd2Fe14B相の析出が十分に行われず、
iHcが低下するだけでなく、磁化曲線の第2象限のB
r点近傍に磁化の低下のある減磁曲線となり、(BH)
maxが低下するため好ましくない。なお、熱処理に際
して結晶化開始温度(約550℃)までの昇温速度は任
意であり、急速加熱などを適用して処理能率を高めるこ
とができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】磁石化方法特定組成の合金溶湯を超急冷法
にてアモルファス組織あるいは少量の微細結晶がアモル
ファスのマトリックス中に分散した組織となし、結晶化
が開始する温度付近から600℃〜750℃の処理温度
までの昇温速度が10℃/分〜50℃/分の結晶化熱処
理を施すことにより、平均粉末粒径が1nm〜30nm
の微細結晶集合体として得た鉄基永久磁石合金粉末を3
μm〜500μmの磁性粉に粉砕した後、公知のバイン
ダーと混合して所要のボンド磁石となすことにより、ボ
ンド磁石中の磁粉充填率を約80%とし、5.5kG以
上の残留磁束密度Brを有するボンド磁石を得ることが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 38/00 303 D 45/02 A H01F 1/06 41/02 G (31)優先権主張番号 特願平5−341650 (32)優先日 平5(1993)12月10日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平5−343575 (32)優先日 平5(1993)12月15日 (33)優先権主張国 日本(JP)

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組成式をFe100-x-y-z-aCrxyz
    a (但しRはPrまたはNdの1種または2種)と
    表し、組成範囲を限定する記号x、y、z、aが下記値
    を満足し、 0.01≦x≦7at% 15≦y≦30at% 3≦z≦6at% 0.01≦a≦30at%、 α−鉄及び鉄を主成分とする強磁性合金からなる軟磁性
    相と、Nd2Fe14B型結晶構造を有する硬磁性相とが
    相互に分散して共存し、各構成相の平均結晶粒径が1n
    m〜30nmの範囲にある微細結晶集合体からなる鉄基
    永久磁石。
  2. 【請求項2】 請求項1の組成範囲を限定する記号x、
    y、z、aが下記値を満足し、 0.01≦x≦3at% 15≦y≦20at% 4≦z≦5.5at% 1≦a≦10at%、 α−鉄及び鉄を主成分とする強磁性合金からなる軟磁性
    相と、Nd2Fe14B型結晶構造を有する硬磁性相とが
    相互に分散して共存し、各構成相の平均結晶粒径が1n
    m〜30nmの範囲にあり、磁気特性が 5≦iHc≦6.5kOe、Br>10kG、(BH)
    max>12MGOe である鉄基永久磁石。
  3. 【請求項3】 請求項1の組成範囲を限定する記号x、
    y、z、aが下記値を満足し、 3<x≦7at% 15≦y≦20at% 4≦z≦5.5at% 1≦a≦10at%、 α−鉄及び鉄を主成分とする強磁性合金からなる軟磁性
    相と、Nd2Fe14B型結晶構造を有する硬磁性相とが
    相互に分散して共存し、各構成相の平均結晶粒径が1n
    m〜30nmの範囲にあり、磁気特性が iHc>6.5kOe、8≦Br≦10kG、10≦
    (BH)max≦12MGOe である鉄基永久磁石。
  4. 【請求項4】 組成式をFe100-x-y-z-a-bCrxyz
    Coab (但しRはPrまたはNdの1種または2
    種、MはAl,Si,S,Ni,Cu,Zn,Ga,A
    g,Pt,Au,Pbの1種または2種以上)と表し、
    組成範囲を限定する記号x、y、z、a、bが下記値を
    満足し、 0.01≦x≦7at% 15≦y≦30at% 3≦z≦6at% 0.01≦a≦30at% 0.01≦b≦10at%、 α−鉄及び鉄を主成分とする強磁性合金からなる軟磁性
    相と、Nd2Fe14B型結晶構造を有する硬磁性相とが
    相互に分散して共存し、各構成相の平均結晶粒径が1n
    m〜30nmの範囲にある微細結晶集合体からなる鉄基
    永久磁石。
  5. 【請求項5】 請求項4の組成範囲を限定する記号x、
    y、z、a、bが下記値を満足し、 0.01≦x≦3at% 15≦y≦20at% 4≦z≦5.5at% 1≦a≦10at% 0.5≦b≦3at%、 α−鉄及び鉄を主成分とする強磁性合金からなる軟磁性
    相と、Nd2Fe14B型結晶構造を有する硬磁性相とが
    相互に分散して共存し、各構成相の平均結晶粒径が1n
    m〜30nmの範囲にあり、磁気特性が 5≦iHc≦6.5kOe、Br>10.2kG、(B
    H)max>12.5MGOe である鉄基永久磁石。
  6. 【請求項6】 請求項4の組成範囲を限定する記号x、
    y、z、aが下記値を満足し、 3<x≦7at% 15≦y≦20at% 4≦z≦5.5at% 1≦a≦10at% 0.5≦b≦3at%、 α−鉄及び鉄を主成分とする強磁性合金からなる軟磁性
    相と、Nd2Fe14B型結晶構造を有する硬磁性相とが
    相互に分散して共存し、各構成相の平均結晶粒径が1n
    m〜30nmの範囲にあり、磁気特性が iHc>6.5kOe、8.2≦Br≦10.2kG、
    10.5≦(BH)max≦12.5MGOe である鉄基永久磁石。
  7. 【請求項7】 組成式をFe100-x-y-z-aCrxyz
    a (但しRはPrまたはNdの1種または2種)と
    表し、組成範囲を限定する記号x、y、z、aが下記値
    を満足する組成の合金溶湯を液体急冷法にてアモルファ
    ス組織あるいは少量の微細結晶とアモルファスが混在す
    る組織となし、さらにアモルファスを結晶化する熱処理
    を施し、その際、結晶化開始温度近傍から等温熱処理温
    度までの加熱速度を10℃/分から50℃/分の範囲で
    行い、微細結晶集合体を形成せしめ、α−鉄及び鉄を主
    成分とする強磁性合金からなる軟磁性相と、Nd2Fe
    14B型結晶構造を有する硬磁性相とが相互に分散して共
    存し、各構成相の平均結晶粒径が1nm〜30nmの範
    囲にある微細結晶集合体からなる鉄基永久磁石の製造方
    法。 0.01≦x≦7at% 15≦y≦30at% 3≦z≦6at% 0.01≦a≦30at%
  8. 【請求項8】 請求項7における液体急冷法は、回転ロ
    ールを用いた超急冷法、スプラット急冷法、ガスアトマ
    イズ法あるいはこれらを組み合わせた急冷方法である鉄
    基永久磁石の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項7における結晶化熱処理が、不活
    性ガス雰囲気または10-2Torr以上の真空中で、温
    度600℃〜750℃の条件で実施される鉄基永久磁石
    の製造方法。
  10. 【請求項10】 組成式をFe100-x-y-z-a-bCrxy
    zCoab (但しRはPrまたはNdの1種または
    2種、MはAl,Si,S,Ni,Cu,Zn,Ga,
    Ag,Pt,Au,Pbの1種または2種以上)と表
    し、組成範囲を限定する記号x、y、z、a、bが下記
    値を満足する組成の合金溶湯を液体急冷法にてアモルフ
    ァス組織あるいは少量の微細結晶とアモルファスが混在
    する組織となし、さらに、実質的にアモルファスとなっ
    た合金の結晶化のための熱処理を施し、その際、結晶化
    開始温度近傍から等温熱処理温度までの加熱速度10℃
    /分から50℃/分の範囲で行い、微細結晶集合体を形
    成させ、α−鉄及び鉄を主成分とする強磁性合金からな
    る軟磁性相と、Nd2Fe14B型結晶構造を有する硬磁
    性相とが相互に分散して共存し、各構成相の平均結晶粒
    径が1nm〜30nmの範囲にある微細結晶集合体から
    なる鉄基永久磁石の製造方法。 0.01≦x≦7at% 15≦y≦30at% 3≦z≦6at% 0.01≦a≦30at% 0.01≦b≦10at%
  11. 【請求項11】 請求項10における液体急冷法は、回
    転ロールを用いた超急冷法、スプラット急冷法、ガスア
    トマイズ法あるいはこれらを組み合わせた急冷方法であ
    る鉄基永久磁石の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項10における結晶化熱処理が、
    不活性ガス雰囲気または10-2Torr以上の真空中
    で、温度600℃〜750℃の条件で実施される鉄基永
    久磁石の製造方法。
  13. 【請求項13】 組成式をFe100-x-y-z-aCrxyz
    Coa (但しRはPrまたはNdの1種または2種)
    と表し、組成範囲を限定する記号x、y、z、aが下記
    値を満足し、 0.01≦x≦7at% 15≦y≦30at% 3≦z≦6at% 0.01≦a≦30at%、 α−鉄及び鉄を主成分とする強磁性合金からなる軟磁性
    相と、Nd2Fe14B型結晶構造を有する硬磁性相とが
    同一粉末粒子中に相互に分散して共存し、各構成相の平
    均結晶粒径が1nm〜30nmの範囲にある微細結晶集
    合体からなり、平均粒径が3μm〜500μmで、iH
    c≧5kOe、Br≧7.0kG、(BH)max≧8
    MGOeの磁気特性をもつ磁性粉であるボンド磁石用鉄
    基永久磁石合金粉末。
  14. 【請求項14】 組成式をFe100-x-y-z-a-bCrxy
    zCoab (但しRはPrまたはNdの1種または
    2種、MはAl,Si,S,Ni,Cu,Zn,Ga,
    Ag,Pt,Au,Pbの1種または2種以上)と表
    し、組成範囲を限定する記号x、y、z、a、bが下記
    値を満足し、 0.01≦x≦7at% 15≦y≦30at% 3≦z≦6at% 0.01≦a≦30at% 0.01≦b≦10at%、 α−鉄及び鉄を主成分とする強磁性合金からなる軟磁性
    相と、Nd2Fe14B型結晶構造を有する硬磁性相とが
    同一粉末粒子中に相互に分散して共存し、各構成相の平
    均結晶粒径が1nm〜30nmの範囲にある微細結晶集
    合体からなり、平均粒径が3μm〜500μmで、iH
    c≧5kOe、Br≧7.2kG、(BH)max≧
    8.4MGOeの磁気特性をもつ磁性粉であるボンド磁
    石用鉄基永久磁石合金粉末。
  15. 【請求項15】 組成式をFe100-x-y-z-aCrxyz
    Coa (但しRはPrまたはNdの1種または2種)
    と表し、組成範囲を限定する記号x、y、z、aが下記
    値を満足し、 0.01≦x≦7at% 15≦y≦30at% 3≦z≦6at% 0.01≦a≦30at%、 α−鉄及び鉄を主成分とする強磁性合金からなる軟磁性
    相と、Nd2Fe14B型結晶構造を有する硬磁性相とが
    同一粉末粒子中に相互に分散して共存し、各構成相の平
    均結晶粒径が1nm〜30nmの範囲にある微細結晶集
    合体からなり、平均粒径が3μm〜500μmである鉄
    基永久磁石合金粉末を樹脂にて結合し、iHc≧5kO
    e、Br≧5.5kG、(BH)max≧6MGOeの
    磁気特性をもつ鉄基ボンド磁石。
  16. 【請求項16】 組成式をFe100-x-y-z-a-bCrxy
    zCoab (但しRはPrまたはNdの1種または
    2種、MはAl,Si,S,Ni,Cu,Zn,Ga,
    Ag,Pt,Au,Pbの1種または2種以上)と表
    し、組成範囲を限定する記号x、y、z、a、bが下記
    値を満足し、 0.01≦x≦7at% 15≦y≦30at% 3≦z≦6at% 0.01≦a≦30at% 0.01≦b≦10at%、 α−鉄及び鉄を主成分とする強磁性合金からなる軟磁性
    相と、Nd2Fe14B型結晶構造を有する硬磁性相とが
    同一粉末粒子中に相互に分散して共存し、各構成相の平
    均結晶粒径が1nm〜30nmの範囲にある微細結晶集
    合体からなり、平均粒径が3μm〜500μmである鉄
    基永久磁石合金粉末を樹脂にて結合し、iHc≧5kO
    e、Br≧5.5kG、(BH)max≧6MGOeの
    磁気特性をもつ鉄基ボンド磁石。
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JP2005520351A (ja) * 2001-02-28 2005-07-07 マグネクエンチ・インコーポレーテッド 噴霧された永久磁石粉末を用いて製造されたボンド磁石

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