JPH08205874A - 修飾されたヌクレオチド結合部位を有するdnaシークエンシング用のdnaポリメラーゼ - Google Patents

修飾されたヌクレオチド結合部位を有するdnaシークエンシング用のdnaポリメラーゼ

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JPH08205874A
JPH08205874A JP7268879A JP26887995A JPH08205874A JP H08205874 A JPH08205874 A JP H08205874A JP 7268879 A JP7268879 A JP 7268879A JP 26887995 A JP26887995 A JP 26887995A JP H08205874 A JPH08205874 A JP H08205874A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】DNAシークエンシング用の有用なDNAポリ
メラーゼを提供すること。 【解決手段】対応する天然に存在するDNAポリメラー
ゼの能力と比較して、対応するデオキシヌクレオチドに
対してジデオキシヌクレオチドまたは他のデオキシヌク
レオチド類似体を取り込む能力を増加させるように修飾
されているDNAポリメラーゼ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はDNAシークエンシ
ングおよびDNAシークエンシングのための自動化され
たおよび手動の方法に適するDNAポリメラーゼに関す
る。
【0002】本発明はTaborおよびRichardsonにより”
DNAシークエンシングのための修飾ヌクレオチド結合
部位を持つDNAポリメラーゼ”と題され、1994年
10月17日に出願されたものの一部継続出願であり、
その全文は(図を含め)ここに引例として含まれてい
る。
【0003】本発明は米国エネルギー省(契約番号 D
E−FG02−88ER60688)からの基金を含む
政府の援助を受けている。米国政府は本発明にある種の
権利を持つであろう。
【0004】
【従来の技術】以下にDNAシークエンシング技術に関
する簡単な説明を記載する。これは本出願を読む人のた
めの一般的なガイドとして提供されているものであり、
ここに引用されたまたは明白にまたは暗黙のうちに参考
にされた技術が付随する請求の範囲に対する先行技術で
あることを容認するものではない。
【0005】一般的に、DNAシークエンシングにおい
ては、一つの決められた末端および一つの可変の末端を
持つ一本鎖DNA断片の4つの集団を発生させる。可変
の末端は一般的に特定のヌクレオチド塩基(グアニン
(G),アデニン(A)、チミン(T)またはシトシン
(C))で終結する。4つの異なる断片の組は各々それ
らの長さに基づいて分離され(一つの方法では高分解能
ポリアクリルアミドゲル上で);ゲル上の各々のバンド
はDNA配列中の特定のヌクレオチドに共直線性に対応
しており、従って与えられたヌクレオチド塩基の配列中
における位置が同定される。TaborおよびRichardson,米
国特許第4,942,130および4,962,020号参照。
【0006】DNAシークエンシングには二つの一般的
方法がある。一つの方法(MaxamおよびGilbertシークエ
ンシング)では,単離されたDNA断片o化学的に分解
し、各々がその決められた末端で単一の放射性標識で標
識され、各々の反応により四つの塩基(G、A,Tまた
はC)のうち一つまたはそれ以上の塩基で特異的に制限
切断される。もう一つの方法(ジデオキシまたは鎖停止
シークエンシング)ではDNA鎖の酵素的合成が行われ
る。Sanger et al.(Proc. Nat. Acad. Sci. USA 74:546
3, 1977)。一般的に四つの別々の合成が行われ、各々
の反応はジデオキシヌクレオチドのような適当な鎖停止
ヌクレオチドの取り込みにより特定の塩基(G、A,T
またはC)において停止する。放射活性標識ヌクレオシ
ド三リン酸の取り込みによりDNA断片が均一に標識さ
れ(末端標識のかわりに)、従ってより大きなDNA断
片はより放射強度が増加するので後者の方法が好適であ
る。さらに、32P標識ヌクレオチドのかわりに35S標識
ヌクレオチドが使用できるのでより鋭敏な決定ができ;
各々のレーンはG、A,TまたはCのみに対応するので
反応生成物をより簡単に解析することができる。ほとん
どのジデオキシシークエンシングに利用される酵素はT
7 DNAポリメラーゼおよびTaq、Vent、Tt
hその他のような好熱性生物から単離されたDNAポリ
メラーゼである。頻度は低いが使用されるその他のポリ
メラーゼにはAMV逆転写酵素および大腸菌DNAポリ
メラーゼIのクレノー断片などが含まれる。
【0007】ジデオキシ鎖停止法においては短い一本鎖
プライマーを一本鎖テンプレートにアニールさせる。プ
ライマーはジデオキシヌクレオチド(ddNMP)が取
り込まれるまでデオキシヌクレオチド(dNMP)を取
り込んでその3’末端において伸長する。ddNMPが
取り込まれたときその塩基で伸長が止められる。ddN
TPのかわりにその他の鎖停止剤を使用することがで
き、およびddNTPは以下に説明するように標識する
ことができる。
【0008】上記の方法論を用いて、DNA配列分析の
ための自動化システムが開発されてきた。EG&Gによ
り製造された一つの装置は放射標識ヌクレオチドを用い
る伝統的なジデオキシ鎖停止反応を使用した。生じたD
NA生成物はゲル電気泳動により分離された。Toneguzz
o et al, 6 Biotechniques 460,1988。検出器はゲルの
底を通過しながら放射活性をスキャンする。配列決定さ
れるべき各々のテンプレートに対し四つの合成反応が、
ならびに各々のゲル上に四つのレーンが必要とされ、各
々の特定の鎖停止剤により停止された生成物のため別々
のレーンが使用された。
【0009】Kambara et al, 6 Biotechnology 816, 19
88、は蛍光標識プライマーを使用した。生じた蛍光標識
生成物はゲルの底でレーザーで励起され、CRTモニタ
ーで蛍光が検出された。この方法もまた、配列決定され
るべき各々のテンプレートに対し四つの合成反応および
ゲル上の四つのレーンを必要とする。
【0010】Applied Biosysytemsは、各々が異なる蛍
光マーカーで標識されている四つの異なるプライマーを
使用する装置を製造している。Smith et al., 13 Nuc.
Acid . Res. 2399, 1985;および321 Nature 674, 198
6。各々のプライマーは四つのジデオキシヌクレオチド
の内の一つを含む別々の反応において使用される。四つ
の反応を実施した後、混合物を合わせ、ゲル上の単一の
レーンでDNA断片を分画する。蛍光生成物をゲルを通
して電気泳動した後、ゲルの底においてレーザーを用い
てこれを検出する。このシステムは各々のテンプレート
について四つの別々のアニール反応および四つの別々の
合成反応を必要とするが、ゲル上の単一のレーンしか必
要としない。単一のレーンに四つ全てのバンドがあるた
め配列のコンピューター分析がより容易である。
【0011】DuPontは異なる蛍光マーカーが四つのジデ
オキシヌクレオシド三リン酸の各々に結合された装置を
提供していた。Prober et al., 238 Science 336, 198
7。単一のアニーリング工程、単一のポリメラーゼ反応
(四つの標識ジデオキシヌクレオシド三リン酸の各々を
含む)、およびシークエンシングゲルに単一のレーンし
か必要としない。DNA生成物中の四つの異なる蛍光マ
ーカーはゲルにより電気泳動されながら別々に検出され
る。
【0012】Englert et al.,米国特許第4,707,235号
(1987)は、実質的にゲルの全幅にわたって配置された
検出手段を有し、四つの別々のレーンにおいて検出手段
を通り過ぎて移動する標識DNA生成物を検出すること
ができ、かつ試料が位置しているチャンネルまたはレー
ンを同定するマルチチャンネル電気泳動装置について記
載している。
【0013】DNA配列分析に現在使用されている方法
に固有なものとして、ポリアクリルアミドゲル電気泳動
のようなゲル浸透法により放射性または蛍光標識DNA
生成物を分離し、続いてゲル中の移動の軸に沿ってお互
いに関してのそれらの位置を検出する必要がある。この
方法の正確度は、部分的にはゲルを通してほとんど同じ
距離を浸透したバンド中の信号の均質性により決定され
る。近くのバンド間の信号強度の相違または変異はいく
つかの問題を生じる。第一に、最も弱い信号を含むバン
ドを検出する能力により制限されている本方法の感度を
低下させる。第二には、弱い信号が鎖停止剤の取り込み
による真の信号であるか、またはポリメラーゼが解離し
たDNA中の休止部位に起因するアーチファクトである
かを決定する時に困難を生じる。第三に、一つのバンド
の強い信号はその隣の弱い信号を覆うであろうため、非
常に近いバンドの間のDNA配列決定の正確さが減少す
る。TaborおよびRicharsonの上記の文献を参照された
い。
【0014】バンド強度の変化は、ほとんどのDNAポ
リメラーゼの固有の性質に由来しうるであろう。ほとん
どのDNAポリメラーゼはDNA配列分析に使用される
鎖停止ジデオキシヌクレオチドを判別(discrim
inate)する。T4 DNAポリメラーゼはDNA
シークエンシングに利用できないほどddNTPを判別
する。大腸菌DNAポリメラーゼI、Taq、およびV
entDNAポリメラーゼもまたddNTPを強く判別
する(各々、ddNTPの取り込みが対応するdNTP
より千倍遅い)。TaborおよびRicharson(上記文献、両
方ともここに引例として含まれている)は、T7 DN
Aポリメラーゼがこのスペクトラムの別の末端にあり、
ddNTPを数倍しか判別しないことを示した。もしD
NAポリメラーゼが全ての配列で同じ程度にddNTP
を判別するなら、この問題は単純にdNTPに対するd
dNTPの比を変えることにより克服できる。そのよう
な試みは大腸菌DNAポリメラーゼIおよびTaqDN
Aポリメラーゼでなされている。しかしながら、判別の
程度は隣接するDNA配列により変化し、隣接する放射
活性断片の強度に大きな変異をもたらす。特定の断片の
強度は大腸菌DNAポリメラーゼIでは50倍変化し得
るが、T7 DNAポリメラーゼではたった数倍であ
る。その結果、T7 DNAポリメラーゼにより生成さ
れたDNAシークエンシングゲル上のバンド強度は類似
の強度であり、このことにより自動化法によるその検出
および分析を容易にしている。さらに、ジデオキシヌク
レオチドをデオキシヌクレオチドと同等に取り込むよう
にT7 DNAポリメラーゼによるジデオキシヌクレオ
チドに対する判別をさらに減らす方法が記載されてい
る。これらの方法および条件は、クレノーおよびTaq
DNAポリメラーゼのような他のDNAポリメラーゼに
よる判別も減少させるが除去しない。例えば、反応混合
物中のマグネシウムの代わりに、または、それに加えて
マンガンを使用すると、ジデオキシヌクレオチドに対す
る判別を減少または除去するであろう。そのような条件
下では、T7 DNAポリメラーゼは二つの分子を区別
しないが、クレノー断片、Taq、およびVentのよ
うな他のDNAポリメラーゼはある程度区別する。例え
ば、クレノーはマンガン存在下でもddNTPを4倍も
判別する。さらに重要なことは、クレノーおよびTaq
DNAポリメラーゼのような酵素による判別の全体の程
度が減少されても、特定の断片の強度はDNA中のある
種の配列における高い判別により4倍以上変わり得る。
これらのポリメラーゼおよび方法は現在、手動DNAシ
ークエンシング(すなわち、上記のようなシークエンシ
ング機を用いない)においてほとんど例外なく、および
自動化法で広く使用されている。マンガンの使用および
すべての部位でのddNTPに対する判別の欠如により
均一の強度のバンドが生じ、手動または自動化法による
シークエンスゲルの読みとりが容易になる。さらに、判
別性の欠如は配列分析の新規の方法(Tabor およびRich
ardson、前記文献)の使用を可能とする。この発見に基
づく方法が提供され、異なる比で四つすべてのddNT
Pを含む単一の反応を行い、ゲル電気泳動後各々の相対
強度を測定することによりDNA配列が決定される。次
のことが示されている:本発明のDNAポリメラーゼ
は、ジデオキシヌクレオチド類似体と正常なヌクレオチ
ドとを有意に判別しない。すなわち、類似体が取り込ま
れる確率は正常なヌクレオチドが取り込まれる確率とほ
ぼ同じであるか、または類似体は少なくとも正常なもの
の少なくとも1/10の効率で取り込まれる。本発明の
ポリメラーゼはまたその他の類似体も有意に判別しな
い。4つの正常なデオキシヌクレオシド三リン酸(dG
TP、dATP、dTTPおよびdCTP)に加え、シ
ークエンシング反応は他の型のヌクレオチド誘導体(通
35S、32Pまたはその他の化学試薬により合成鎖を標
識するための放射性または蛍光標識ヌクレオシド三リン
酸のような;)の取り込みを必要とするため、前記のこ
とは重要である。DNAポリメラーゼが類似体を判別し
ない場合、類似体の取り込みの確率は通常のヌクレオチ
ドと同じであろう。標識ヌクレオシド三リン酸について
は、合成DNA鎖を最少の放射活性を用いて効率的に標
識するためにこのことは重要である[4,942,130,COL 5:
5]。
【0015】また以下のことも述べられている:シーク
エンス反応の結果をより簡単におよびより高い確度で読
み取ることを可能にするため、ほとんど同じ強度の近接
するバンドを生成する能力は有用である。さらに、特定
の鎖停止剤を用いるシークエンス反応からのDNA生成
物は近接するバンドとほとんど同じ強度を持つバンド群
を形成するため、バンド強度それ自身がそのようにして
形成された一連のバンドの特定の標識を与える。ある鎖
停止剤により生成したほぼ同じ分子量のDNA生成物の
数は、鎖停止剤の濃度に依存して変化する。したがっ
て、異なる濃度の各々四つの鎖停止剤を合成に用いる
と、一つの鎖停止剤を取り込んだDNA生成物は、その
数または量が異なることにより他の鎖停止剤を取り込ん
だほぼ同じ分子量のDNA生成物から区別され;その結
果、DNA生成物のバンドは単純にその強度を近接する
バンドの強度と比較することにより鎖停止剤によるもの
と同定できる。その結果として、二つまたはそれ以上の
一連のDNA生成物(各々、異なる鎖停止剤を含む)を
単一のレーンでのゲル浸透に供し、各々のバンドの強度
を近接するバンドの強度と比較することにより同定す
る、すなわち互いに区別することができる。さらに、異
なる鎖停止剤を取り込んだDNA生成物の合成を別々
に、すなわち別々の容器で実施する必要がなく、一つの
反応容器中ですべて同時に実施でき、所望ならば各々に
対する異なる標識の代わりに同一の標識(例えば、放射
性同位元素、蛍光剤など)を全ての鎖停止剤について使
用することができ、このことにより方法を単純化するこ
とができる[4,962,020, col 3:1-35]。
【0016】T7 DNAポリメラーゼまたは大腸菌D
NAポリメラーゼによる触媒に対して、マグネシウムイ
オンをマンガンで置換することにより、ddNTPに対
するこれらのポリメラーゼの判別を4−100倍減少さ
せることを示しているTaborおよびRichardson Proc. Na
tl. Acad. Sci. USA 86, 4076-4080(1989)、およびT7
DNAポリメラーゼを用いて均一の強度のジデオキシ
停止断片を発生させるためのピロホスファターゼおよび
マンガンイオンの使用を記載した、TaborおよびRichard
son J. Biol. Chem. 265, 8322-8328(1990)も参照され
たい。
【0017】
【課題を解決するための手段】ジデオキシDNAシーク
エンシングのためのいくつかのDNAポリメラーゼの有
用性の低さは、dNTPの代わりにddNTP(または
その他のヌクレオチド類似体)を取り込むこれらのポリ
メラーゼの能力が低いことに一部起因していると考えら
れる。上に示したごとく、判別しない能力は判別を行う
酵素よりもより低い濃度のddNTPの使用を可能に
し、最も重要なことは、その長さにしたがってより均一
な強度のシークエンスゲル中のバンド形成パターンを提
供することである。これらの結果は両方とも、酵素を用
いる自動化シークエンシングをより容易にかつより有利
にし、より長いDNA配列をより高い確信をもって決定
することができる。
【0018】本発明は、本来は判別を行うDNAポリメ
ラーゼを、対応する天然に存在する酵素よりもddNT
Pに対してより判別しないように変換しうる方法を提供
する。この方法はポリメラーゼの遺伝的修飾を含み、d
NTPの類似体を取り込むようにポリメラーゼの能力を
高める鍵となる位置におけるアミノ酸残基を提供する。
DNAポリメラーゼの特定の領域内におけるアミノ酸の
変更が、これらのDNAポリメラーゼがジデオキシヌク
レオチドを取り込む能力に劇的な影響を与えることが決
定された;挿入された特定のアミノ酸残基がポリメラー
ゼがddNTPをより判別するかまたはより判別しなく
なるかを決定する。より効率的にジデオキシヌクレオチ
ドを取り込むようにDNAポリメラーゼを修飾すると、
DNAシークエンシングでのそれらの有用性に驚くべき
効果を与えることが決定された。そのように修飾された
DNAポリメラーゼはDNAの増幅(例えば、ポリメラ
ーゼ連鎖反応による)、インビトロ突然変異発生および
DNA断片の末端の充填などの他の一般的な分子生物学
の方法にも有用であることが証明されるであろう。本技
術とDNAポリメラーゼの3’−5’エキソヌクレアー
ゼ活性を変化させる既知の知識(TaborおよびRichardso
n、上記文献、により記載されているようなT7 DN
Aポリメラーゼのような)を組み合わせ、およびシーク
エンシング反応におけるマンガンおよびピロホスファタ
ーゼの使用により、現在知られているものよりも著しく
優れた酵素を生成することが可能であろう。
【0019】一つの特定の観点、すなわち、DNAシー
クエンシングにおいては、DNAシークエンシングに使
用する条件下、50℃より上の温度(特に60℃、70
℃さらには80℃より上の温度)においてヌクレオチド
の重合を触媒する能力を有する好熱性酵素が本分野では
よく知られている。そのような酵素は一般にこれらの温
度で増殖する生物体に存在する。しかしながら、これら
の酵素の多くはジデオキシヌクレオチドの取り込み能力
の制限等の制限を受けていると考えられる。以下に示す
方法を用いてこれらの酵素を修飾することにより、今や
当業者はいかなる所望の好熱性DNAポリメラーゼを
も、ジオキシヌクレオチドをより効率的に取り込むよう
に修飾することができる。そのような酵素は、自動化機
および手動でのシークエンシングの両方のDNAシーク
エンシング、特にサイクルシークエンシングとして知ら
れている方法について現存する酵素よりも優れているで
あろう。サイクルシークエンシングにおいては、同一の
テンプレートから多数回のDNA合成が実施され、各々
のサイクル後に合成された鎖が熱変性により除去され
る;このことはシークエンシング反応においてはるかに
少ない量のDNAテンプレートを使用することを可能に
する。
【0020】比較的判別を行わない酵素であるT7 D
NAポリメラーゼ中のアミノ酸残基526がこの性質を
生み出していることを実験的に決定した。残基526の
修飾によりT7 DNAポリメラーゼの判別する能力を
大きく増加させることが可能であることを決定した。T
7 DNAポリメラーゼとその他のDNAポリメラーゼ
との間のアミノ酸相同性に基づいて、他のDNAポリメ
ラーゼ中の相同的な部位における残基の変更が、ジデオ
キシヌクレオチドを判別するその能力に同様に影響を与
えることを決定した。そのような相同的部位の例は大腸
菌DNAポリメラーゼIの残基762およびTaq D
NAポリメラーゼの残基667である。これらの例の三
つすべてにおいて、この部位の残基がフェニルアラニン
(F)と異なること、例えば、T7 DNAポリメラー
ゼにおけるようにチロシン(Y)であることが重要であ
ることが示された。驚くべきことに、この一つのアミノ
酸残基の修飾が、一つのヒドロキシル基の付加によるも
のであっても、判別の程度に非常に大きな変化(250
−8000倍)をもたらす。当業者はこの一つの部位の
変化に本発明が制限されないことを認識するであろう
し、今やポリメラーゼの判別を行う能力を減少させる他
の部位の変化も日常的な実験で容易に発見できるであろ
う。例えば、T7 DNAポリメラーゼの13個の別の
部位における修飾もまたddNTPを判別する酵素の能
力を増加させることを出願者は見いだしているが、ただ
しこれらの部位での変更の影響ははるかに少なく、たっ
た5−20倍である。類似の方法を用いて、他のDNA
ポリメラーゼにおいてddNTPの判別に影響を及ぼす
他の部位を容易に同定することができ、それらをDNA
シークエンシングでの使用により有用にすることができ
る。そのような他の部位として、大腸菌DNAポリメラ
ーゼIおよびT7 DNAポリメラーゼ間で非常に相同
している領域のアミノ酸残基が挙げられるが、これはこ
れらの領域はddNTPに対する結合領域の一部である
らしいためである;大腸菌DNAポリメラーゼIにおい
てはこれらの領域として、領域665−681および7
54−783、および可能性のあるのは領域709−7
34、797−866および913−927の中の保存
または非保存アミノ酸からの、T7DNAポリメラーゼ
内の領域に類似の領域内のアミノ酸が含まれる。所望の
機能を与えるアミノ酸の変更はT7 DNAポリメラー
ゼのような非判別性酵素のアミノ酸、または日常的な実
験により選択できる他の機能的に等価なアミノ酸の対応
するアミノ酸と同一となるように選択できる。非保存ア
ミノ酸を変化させることにより、判別する能力のより意
味深い変更が得られる。非保存アミノ酸はポリメラーゼ
の一つの種と他の種で異なるアミノ酸であり、すなわ
ち、ポリメラーゼの50%未満でしか観察されない。術
語”類似”は、通常認められている様式で使用されてい
る。従って、Pol Iポリメラーゼの類似体とはBrai
thwaiteおよびIto(後記)により記載されているような
アミノ酸配列を有するものであり、好適にはSpo2
DNAポリメラーゼのようにその中に記載されているポ
リメラーゼのPol Iファミリーの他のメンバーに関
連するものである。そのような分析はFelsennsteinのPH
YLIPプログラムIdを用いて実行される。
【0021】従って、本発明の第一の観点は、修飾され
たDNAポリメラーゼをコードしている修飾された遺伝
子を特徴とする。この遺伝子は、対応する天然に存在す
るまたは非修飾DNAポリメラーゼと比較して、デオキ
シヌクレオチドと比較してジデオキシヌクレオチドを取
り込む能力が増強された修飾DNAポリメラーゼを生成
するように修飾されている。
【0022】”増強された能力”とは、DNAポリメラ
ーゼがジデオキシヌクレオチドをより取り込むことがで
きることを意味している。すなわち、それはデオキシヌ
クレオチドと比較してジデオキシヌクレオチドに対し、
対応する天然に存在するDNAポリメラーゼよりもより
少ない程度でしか判別しない。そのような判別を測定す
るための特別の方法が以下に提供される。術語”増強さ
れた”はそのようなジデオキシヌクレオチドを取り込む
能力が測定可能な相違を与えることを意味している。好
適な態様においては、これは天然に存在する酵素と比較
して少なくとも10%の増加であるが、ジデオキシヌク
レオチドに対する判別のレベルが少なくとも10から1
00倍、好適には100−500倍減少していることが
好ましい。そのような酵素の一つの例は大腸菌DNAポ
リメラーゼIであり、それは(ここに指摘されているよ
うに)デオキシヌクレオチドと比較してジデオキシヌク
レオチドの取り込みを140ー1100倍判別する。本
発明の方法により、酵素を実際にdNTPよりもddN
TPを好むように誘導化できる(たった一つまたは二つ
のアミノ酸の変更により)。すなわち、ジデオキシヌク
レオチドを取り込むポリメラーゼの能力が平均で100
0倍増強された。
【0023】句”対応する天然に存在するDNAポリメ
ラーゼ”とは、本分野でよく知られているものであり天
然に見いだされるポリメラーゼを意味しており、それは
好適には実験室においてインビトロまたはインビボの両
方の操作で変えられていないものである。同様に、対応
する核酸とは天然に見いだされるDNAポリメラーゼを
コードしている核酸である。これはそのようなポリメラ
ーゼをコードしている修飾核酸の比較のためのベースラ
インとして単に使用される。従って、テルムスアクアチ
カスThermus aquaticus)(”Taq”とも名付けら
れている)のDNAポリメラーゼのためのベースライン
は細菌テルムス アクアチカスTher mus aquaticus
に存在するTaq DNAポリメラーゼを天然にコード
している核酸である。そのようなポリメラーゼ内で変更
してジデオキシヌクレオチドの取り込みの能力を変える
ことができる少なくとも一つの部位が提供される。これ
らの部位は単なる例であり本発明を制限するものではな
い。これは、DNAポリメラーゼの能力のこの性質を有
用に変えることができるという知識を身につけている当
業者に、そのような酵素をこれらの特定の部位または他
の等価な部位で変えるための方法論がここで提供されて
いるからである。
【0024】ここに記載した本発明の実施態様におい
て、DNAポリメラーゼの修飾は一つまたはそれ以上の
アミノ酸の置換により行われる。しかしながら、修飾は
一つまたはそれ以上のアミノ酸の挿入または一つまたは
それ以上のアミノ酸の欠失の形をとってもよいことが見
いだされるであろう。
【0025】本発明のDNAポリメラーゼはまた、Tabo
rおよびRichardson(上記文献)により記載されている
ような3’−5’エキソヌクレアーゼ活性またはBarns
により(WO 92/06188)に記載されているようなTaq
中の5’−3’エキソヌクレアーゼ活性のようなエキソ
ヌクレアーゼ領域を除去または変更するように修飾して
もよい。本発明のDNAポリメラーゼのddNTPを判
別する能力を変える突然変異は、好適には実質的にエキ
ソヌクレアーゼ活性に影響しない;このことは、突然変
異は酵素のポリメラーゼ領域内の、重合化の活性部位近
くにおいて生じ、単に取り込まれた類似体をそのエキソ
ヌクレアーゼ活性を介して除去するポリメラーゼの能力
を減少させることによる判別の減少ではない。本発明の
特に好適なDNAポリメラーゼは、BraithwaiteおよびI
to(21 Nuc. Acid. Res. 787,1993、ここに引例として
含まれている、およびファミリーAと称されている)に
より記載されているようなPolI型ポリメラーゼ、お
よびBraithwaiteおよびItoにより記載されており、ファ
ミリーBと称されるようなポリメラーゼ アルファまた
はポリメラーゼII−型DNAポリメラーゼである。Brai
thwaiteおよびItoにより記載されている他のポリメラー
ゼファミリーもまた本発明で使用することができる。特
に、dNTP基質の結合部位近くの位置の極性、ヒドロ
キシ含有アミノ酸残基の存在が、効率的にジデオキシヌ
クレオチドを取り込むことができるポリメラーゼに重要
であることが見いだされた。理論に拘束されるわけでは
ないが、リボース部分の3’位にヒドロキシル基のない
ヌクレオチド(すなわちddNTP)の高い判別には、
同時にこの重要部位のアミノ酸残基上にヒドロキシル基
がないことを必要とするという、予期された結果と逆で
あると考えている。別の言い方をすれば、両方のヒドロ
キシル基の不在により作り出された隙間または穴の存在
により類似体の判別がもたらされる。この結果を考える
と、関係が薄いDNAポリメラーゼにおいてさえも重要
な残基を発見する方法が提供される;dNTPが結合す
る領域において極性基を持つ残基を非極性基に付加する
ことは、ddNTPを判別するポリメラーゼの能力を減
少させるための有用なアミノ酸変更の候補である。例え
ば、ラットDNAポリメラーゼb(ファミリーAまたは
Bと、たとえあるにしてもわずかな相同性しか持たない
DNAポリメラーゼ)の272位のフェニルアラニン
は、X線解析研究によりプライマー−テンプレートとの
三成分複合体中でddCTPの3’位と接触しているこ
とが示されている(Pelletier et al., 264 Science 18
9, 1994)。本発明で説明された結果の知識は、ジデオ
キシヌクレオチドをより効率的に取り込むラットDNA
ポリメラーゼbの突然変異体のスクリーニングにおいて
この残基をチロシンに修飾することを論理的な選択にし
ている。したがって、当業者はここに提供された情報を
用いて任意のDNAポリメラーゼの判別性の表現型を変
えることができるであろう。
【0026】ジデオキシヌクレオチドをより効率よく取
り込む本発明のいくつかのポリメラーゼの能力は特異的
であろう(すなわち、ジデオキシヌクレオチド類似体に
対する影響は他の類似体に対するよりもはるかに大き
い)。しかしながら、ポリメラーゼのいくつかは他の塩
基修飾類似体(例えば、電気泳動間のバンドの圧縮を除
くためのデオキシイノシン三リン酸(dITP)および
2’−デオキシ−7−デアザグアノシン 5’−三リン
酸(dc7GTP)および自動化法に使用するための蛍
光標識デオキシヌクレオチドまたはジデオキシヌクレオ
チド)の取り込みを助けるためにも有用である。さら
に、そのようなポリメラーゼはリボヌクレオチドをより
効率的に取り込むことができ、このことによりプロモー
ターを必要としないRNA合成を可能にすることができ
る。特に、T7 RNAポリメラーゼおよびファミリー
AのDNAポリメラーゼ(Pol I型DNAポリメラ
ーゼ)のような単一サブユニットDNA−依存RNAポ
リメラーゼ間の保存モチーフは、この領域(大腸菌DN
AポリメラーゼIの残基758から767)における突
然変異はrNTPに対する特異性を変化させるであろう
ことを示唆している。このことはRNA合成のためのプ
ロモーターを必要とせずにプライマーからの合成を効率
的に開始するRNAポリメラーゼを遺伝子工学で作るこ
とを可能にする。同様に、ここで提供されるデータは、
T7 RNAポリメラーゼの残基631−640の修飾
はdNTPに対するその特異性を変化させるであろうこ
とを示唆している。このことはプロモーター配列からの
新規DNA合成を開始し、プライマーを使用できない新
規のDNAポリメラーゼの遺伝子工学を可能にする。
【0027】好適な実施態様においては、修飾されたD
NAポリメラーゼは、DNAポリメラーゼ活性に必要な
宿主因子と組み合わせた場合、DNAシークエンシング
に使用するために十分なDNAポリメラーゼ活性(例え
ば、少なくとも標準的なシークエンシング反応に使用さ
れるほど;および好適には本分野で定義されているよう
に少なくとも100単位/mg酵素;好適にはポリメラ
ーゼ中の突然変異は以前のレベルを5−10倍より多く
変化させない)を有しており;かつポリメラーゼのDN
Aシークエンシングでの使用を可能にする十分に低いエ
キソヌクレアーゼ活性(例えば500単位/mg未満、
TaborおよびRichardson、上記文献を参照)を有してお
り;DNAポリメラーゼはT7型DNAポリメラーゼ
(例えば、T7,T3,ΦI、ΦII H,W31、gh
−1,Y,A1122およびSP6からなる群より選択
されるもの)のジデオキシヌクレオチド結合部位の一つ
またはそれ以上のアミノ酸を有している。好適には、修
飾DNAポリメラーゼは、テルムス アクアチカスTh
ermus aqraticus)、テルムス テルモフィラスThe rm
us thermophilus)、テルムス フラバスThermus fla
vus)、バシラス ステロテルモフィラスBacillus st
erothermophilus)およびVent細菌によりコードさ
れるDNAポリメラーゼ等の熱安定性酵素から修飾さ
れ;ジデオキシヌクレオチドを取り込むポリメラーゼの
能力は、例えばただ一つのアミノ酸の変化により、対応
する天然に存在するDNAポリメラーゼと比較して少な
くとも10倍、50倍または最も好適には少なくとも1
00倍増加している。
【0028】第二の観点においては、本発明は、対応す
る天然に存在するDNAポリメラーゼの能力と比較して
ジデオキシヌクレオチドを取り込む増強された能力を有
する修飾DNAポリメラーゼを生成する方法を特徴とし
ている。本方法は、DNAポリメラーゼをコードしてい
る核酸分子を用意し、核酸によりコードされているポリ
メラーゼのジデオキシヌクレオチドを取り込む能力を著
しく(すなわち、少なくとも10倍、50倍または最も
好適には100−150倍)変化させるヌクレオチド塩
基配列内の一つまたはそれ以上の部位における一つまた
はそれ以上の塩基を変更させるように核酸分子のヌクレ
オチド塩基配列に突然変異を起こさせ、または変化させ
ることを含む。
【0029】第三の観点においては、本発明は、DNA
分子のヌクレオチド塩基配列を決定する方法を特徴とし
ている。本方法は、DNA分子にハイブリダイスしうる
プライマー分子とアニールされたDNA分子を用意し;
そしてアニールされた分子を少なくとも一つのデオキシ
ヌクレオチド三リン酸、天然に存在するポリメラーゼと
比較してジデオキシヌクレオチドを取り込む増強された
能力を持つように天然に存在するDNAポリメラーゼを
修飾したDNAポリメラーゼを含む容器内でインキュベ
ートすることを含む。ポリメラーゼは十分なDNAポリ
メラーゼ活性およびDNAシークエンシングに有用であ
る十分に低いエキソヌクレアーゼ活性を有する。特定の
ヌクレオチド塩基でDNA合成を停止させる少なくとも
一つのDNA合成停止剤もまた提供される。本方法はさ
らに、インキュベートした反応物のDNA生成物を大き
さに従って分離し、このことによりDNA分子の少なく
とも一部のヌクレオチド塩基配列を決定しうることを含
む。
【0030】好適な実施態様においては、DNAポリメ
ラーゼは熱安定性DNAポリメラーゼであり、シークエ
ンシングは50℃、60℃または70℃以上で実施さ
れ、かつDNAポリメラーゼはテルムス アクアチカス
Thermus aqraticus)、テルムス テルモフィラスT
hermus thermophilus)、テルムス フラバスThermu s
flavus)、バシラス ステロテルモフィラスBacillu
s sterothermophilus)、テルモコッカス リトラリス
Thermococcus litoralis)(Vent)、ピロコッカ
ス フリオサスPyrococcus furiosus)(Pfu)ま
たはスルホロバスソルファタリカスSulfolobus solfa
taricus)によりコードされているDNAポリメラーゼ
から誘導されたもの、すなわちアミノ酸残基に少なくと
も50%の同一性を有するものである。
【0031】別の好適な実施態様においては、DNAポ
リメラーゼは、ポリメラーゼ1mg当たり1000、2
50、100、50、10またはさらに2単位未満のエ
キソヌクレアーゼ活性を有し、かつたった4、6または
10塩基を有するプライマーを利用することができ;か
つインキュベーション工程の開始時の四つすべてのデオ
キシヌクレオチド三リン酸の濃度は停止剤(例えば、d
dNTP)により停止されるまでDNA合成の継続を可
能とするのに十分なものである。
【0032】サイクルシークエンシングについては、本
発明のポリメラーゼは今や他の酵素に比較して著しく少
ない量のジデオキシヌクレオチドの使用を可能とする。
すなわち、この方法は、サイクルシークエンシング反応
において四つすべてのジデオキシヌクレオチドに対し過
剰量のデオキシヌクレオチドを用意し、そしてサイクル
シークエンシング反応を実施することを含む。他の酵素
については、そのような反応に少なくとも一つの過剰の
ddNTPを加える必要があった。例えば、Sears et a
l., 13 BioTechniques 626, 1992、はVentポリメラ
ーゼについてdNTPに対し約10倍過剰のddNTP
の使用を記載しており、およびCarothers et al., 7 Bi
oTechniques 494, 1989、はTaqポリメラーゼに対し
dNTPの少なくとも2倍過剰のddNTPの使用を記
載している。本発明においては、そのような過剰量の使
用は必要とされない。好適には、対応するddNTPに
対して2、5またはさらには10倍以上過剰のdNTP
が提供される。特別の例においては、本発明の修飾Ta
qについて10μM未満のddNTPが使用される。
【0033】関連する観点においては、本発明は、上記
の修飾DNAポリメラーゼおよびdITP、デアザGT
P、ddNTPのような鎖停止剤およびマンガン含有溶
液または粉末からなる群より選択されるシークエンンシ
ングに必要な試薬を含むDNAシークエンシングのため
のキットまたは溶液を特徴としている。
【0034】別の観点においては、本発明は、修飾DN
Aポリメラーゼをコードする核酸配列を用意し、宿主細
胞内でその核酸を発現させ、そして宿主細胞からDNA
ポリメラーゼを精製することによる、天然に存在するD
NAポリメラーゼと比較してジデオキシヌクレオチドを
取り込む高められた能力を有する修飾DNAポリメラー
ゼを提供する方法を特徴としている。
【0035】別の関連する観点においては、本発明は、
一つまたはそれ以上(好適には2、3または4)のデオ
キシリボヌクレオシド三リン酸、上記のDNAポリメラ
ーゼおよび第一の鎖停止剤を用いる、本質的に上に記載
したようなDNA鎖のシークエンシングのための方法を
特徴としている。DNAポリメラーゼはプライマーを伸
長させて、伸長したプライマーの長さが異なる第一のD
NA生成物の第一のシリーズを形成させ、各々の第一の
DNA生成物はその伸長された末端に鎖停止剤を有し、
および各々の第一のDNA生成物の分子の数は長さが2
0塩基未満しか異なっていない実質的にすべてのDNA
生成物についてほとんど同じである。本方法はまた、ハ
イブダイズした混合物中に第一の鎖停止剤と異なる濃度
の第二の鎖停止剤を提供することを特徴としており、こ
こではDNAポリメラーゼは伸長されたプライマーの長
さが異なる第二のDNA生成物の第二のシリーズを生成
し、各々の第二のDNA生成物はその伸長末端に第二の
鎖停止剤を有する。各々の第二のDNA生成物の分子の
数は、長さが互いに1から20塩基しか異なっていない
実質的にすべての第二のDNA生成物についてほとんど
同じであり、および該第二のDNA生成物と20塩基未
満の長さの違いを有するすべての第一のDNA生成物の
分子の数とは明らかに相違する。
【0036】好適な実施態様においては、TaborおよびR
ichardson(上記文献)により記載されているように、
異なる生成物の作製に三つまたは四つのそのような鎖停
止剤を使用することができ、シークエンシング反応はマ
グネシウムイオンまたはマンガンまたは鉄イオン(0.
05および100mMの間、好適には1および10mM
の間での濃度で)と行われ;およびDNA生成物は四つ
未満のレーンのゲルで分子量に従って分離される。
【0037】別の関連する観点においては、本発明は、
オリゴヌクレオチドプライマー、シークエンスされるべ
き核酸、1および4の間のデオキシリボヌクレオシド三
リン酸、上に記載したようなポリメラーゼおよび異なる
量の少なくとも二つの鎖停止剤を、オリゴヌクレオチド
プライマーが伸長してシークエンスされるべき核酸に相
補的な核酸断片を形成するのに好ましい条件下に混合す
ることによる核酸のシークエンス法を特徴としている。
本方法はさらに、大きさにより核酸断片を分離し、核酸
配列を決定することを含む。試薬はプライマー伸長生成
物中の標識の強度により互いに異なる。
【0038】DNAシークエンシング反応のDNA生成
物を分離するためにゲル電気泳動を使用することが一般
的であるが、当業者は他の方法もまた使用しうることを
認めるであろう。従って、飛行時間型質量分析、電子顕
微鏡法および単一分子検出法のような方法を用いて異な
る断片の各々を検出することが可能である。
【0039】本発明はまた、一つのプライマーおよびD
NA鎖から形成される少なくとも二つのシリーズのDN
A生成物を提供する試薬を含む反応器を有する自動化D
NAシークエンシング装置を特徴としている。シリーズ
の各々のDNA生成物は分子量が異なり、一つの末端に
鎖停止剤を有する。試薬は上に記載したようなDNAポ
リメラーゼを含む。本装置は、分離装置の一つの軸に沿
ってDNA生成物を分離し、一連のバンドを形成させる
ための分離手段を含む。これはまた、軸に沿って分離し
た後に各々のバンドの位置および強度を決定するための
バンド読みとり手段、および分離手段中に存在している
であろう標識からの光放出の波長からではなく軸に沿っ
たバンドの位置および強度のみからDNA鎖のDNA配
列を決定するコンピューター手段を含む。
【0040】別の観点においては、本発明は以下のこと
を特徴としている:(a)クローン化断片および上に記
載したDNAポリメラーゼを提供し、断片からDNA鎖
を合成するための条件下にクローン化断片とポリメラー
ゼを接触させることによる、クローン化DNA断片のイ
ンビトロ突然変異発生方法。この条件は、断片と塩基対
を形成しうる個々の連続する複数の塩基を取り込み、か
つ断片と塩基対を形成できないヌクレオチド塩基を取り
込むことによりDNA鎖を形成する。(b)プライマー
およびテンプレートを提供することによるテンプレート
DNA断片のインビトロ突然変異発生法;このプライマ
ーはテンプレートの連続する塩基と塩基対を形成しうる
連続する塩基を有するが、ただし少なくとも一つの塩基
はテンプレートと塩基対を形成することができない。本
方法は、上記のようなDNAポリメラーゼによりプライ
マーを伸長させることを含む。(c)一本鎖領域の5’
末端を有する線状DNA分子から平滑末端二本鎖DNA
を生成する方法。分子の3’末端は二本鎖であり、3’
突出末端を有していない。本方法は、DNA分子を一本
鎖領域に作用して平滑末端二本鎖DNA分子を生成する
上記のDNAポリメラーゼとともにインキュベートする
ことを含む。(d)DNA断片の3’末端がポリメラー
ゼにより伸長され、このことによりDNA断片への標識
デオキシヌクレオチドの付加により標識される条件下
に、DNA断片を上記のDNAポリメラーゼおよび標識
されたデオキシヌクレオチド種とともにインキュベート
することによるDNA断片の3’末端の標識法。(e)
第一および第二のプライマーを二本鎖DNA配列の反対
側の鎖にアニールし、アニールされた混合物を上記のD
NAポリメラーゼとともにインキュベートすることによ
るDNA配列の増幅法。第一および第二のプライマー
は、アニール後3’末端が互いに向き合ってDNA配列
の反対側の鎖にアニールしており、増幅されるべきDN
A配列は二つのアニールされたプライマーの間に位置し
ている。
【0041】さらに別の観点においては、本発明は残基
667にチロシンを有するテルムスアクアチカスTher
mus aqraticus)DNAポリメラーゼ、残基762にチ
ロシンを有する大腸菌DNAポリメラーゼI、および大
腸菌DNAポリメラーゼ残基762と類似の位置、例え
ば、アミノ酸配列KN1234567YG(式中
各々のNは独立して任意のアミノ酸である)のN4位に
にチロシン残基を持つPol I型DNAポリメラーゼ
()のような特定のDNAポリメラーゼを特徴としてい
る。さらに、本発明は、配列KN123456YG
/Q(式中各々のNは独立して任意のアミノ酸である)
を有し、残基N1からN7の一つはddNTPの判別性が
減少されている(好適には非突然変異配列に比較して少
なくとも20倍減少されている)ポリメラーゼを産生す
るように突然変異を起こされているDNAポリメラーゼ
アルファファミリーの特定のポリメラーゼを特徴として
いる。本発明はまたこれらのDNAポリメラーゼをコー
ドする核酸も特徴としている。
【0042】関連する観点においては、本発明は、唯一
の添加二価のカチオンとしてのマグネシウムの存在下
に、100未満の平均連続移動性(processiv
ity)を有し、dNTPと比較してddNTPの取り
込みの判別が100倍未満であり、または唯一の添加二
価のカチオンとしてのマグネシウムの存在下に、50未
満の平均連続移動性を持ち、dNTPと比較してddN
TP取り込みの判別が50または5倍未満である、逆転
写酵素を除くDNAポリメラーゼを特徴としている。当
業者は連続移動性が常法により測定でき、T7DNAポ
リメラーゼの平均連続移動性は少なくとも500であ
り、クレノー断片は約4ー40、および逆転写酵素は約
150−200であることが示されることを認めるであ
ろう。そのような測定はここに引用されるTabor et a
l., J. Biol. Chem. 262:16212, 1987に記載されている
ように実施できる。これらの条件下において、Taq
DNAポリメラーゼの平均連続移動性は100未満であ
ることが期待される。
【0043】特に好適な態様においては、本発明は、例
えばマグネシウムの存在下に、dNTPと比較してdd
NTPに対する判別が100倍未満の好熱性DNAポリ
メラーゼを特徴としており、それは好適には100未満
の平均連続移動性を有し、一つのプライマー−テンプレ
ートから他のものへ、1または10秒に2回以上サイク
ルする。そのようなサイクルは常法により測定できる。
【0044】本発明はまた、上記のDNAポリメラーゼ
を用いるサイクルシークエンシングの方法を特徴とし、
また、ポリメラーゼがdNTPと比較してddNTPを
50倍以上判別しないようにさせる位置において天然に
存在するアミノ酸の代わりにチロシンを有する細胞(ウ
イルスまたはミトコンドリアに対するものとして)DN
Aポリメラーゼも特徴としている。
【0045】別の態様では、示された部位でのアミノ酸
の置換が対応する天然のポリメラーゼのその他の性質の
変化を生じさせるであろう。さらに、本発明のポリメラ
ーゼはここに記載した方法で他のポリメラーゼと組み合
わせて用いてもよく、混合物中で各々のポリメラーゼの
優れた性質が利用される。
【0046】本発明の他の特色および利点は以下のその
好適な実施態様および請求の範囲の記述から明らかにな
るであろう。
【0047】
【発明の実施の形態】ジデオキシ抵抗性突然変異体 以下はいくぶん関連がある報文に関する簡単な議論であ
る。係争中の請求の範囲への従来の技術を許容するもの
ではなく、本発明の理解を助けるために提供されてい
る。
【0048】Reha-Krantz et al.,バクテリオファージ
T4 DNAポリメラーゼの突然変異的分析、”DNA
合成の忠実度:構造および機構的前途”と題されたミー
ティング、Beaufort,North Carolina,1989年11月24-29
日で発表されたポスター発表の抄録から、はC末端突然
変異体ではddNTPの利用が増加したことを記載して
いる。しかしながら、Reha-Krantz et al., J. Virolig
y 67,60-66(1993)は野生型T4DNAポリメラーゼ と
比較して突然変異体L412MはddGTPに対するK
iは50倍低かったが、T4 DNAポリメラーゼの突
然変異体および野生型の間にddGTPの取り込み効率
には変化は観察されなかったことを示している。63ペ
ージに、”ddGTPへのL412M DNAポリメラ
ーゼの感度にもかかわらず、野生型およびL412M
DNAポリメラーゼによるddNTPの取り込みには相
違は観察されなかった”と述べている。また、”単一の
領域がPPiまたはヌクレオチドのただ一つの結合部位
かどうか明かではない”とも述べている。さらに、Reha
-KrantzおよびNonay, J. Biol. Chem. 268, 5635-5643
(1994)は突然変異体L412Mおよびその他の突然変異
体T4 DNAポリメラーゼの研究を報告している。
【0049】Gibbs et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U
SA 85,6672-6676(1988)およびLarder et al., the EMBO
Journal 6, 169-175(1987)は多数のヌクレオチド類似
体への抵抗性で選択された場合、ヘルペスDNAポリメ
ラーゼで得られた突然変異のスペクトルについて記載し
ている:ピロホスフェート、ホスホノ酢酸およびホスホ
ノギ酸、アシクロビル、ビダラバイン、ガンシクロビル
およびブロモビニルデオキシウリジン。一つの薬剤に抵
抗する突然変異体の多くは他の薬剤(基質の異なる領域
に対する類似体でも)にも抵抗することを示している。
【0050】Derse et al., J. Biol. Chem. 257,10251
-10260(1982)はホスホノギ酸(ピロホスフェート阻害
剤)存在下の増殖で選択されたヘルペス単純ウイルスD
NAポリメラーゼの5つの組の突然変異体について記載
している。各々の組の突然変異体についてddGTPに
対する抵抗性が比較された(ページ10256、表II
I)。すべてddGTPに対するKiが20から100
倍増加していた。
【0051】Prasad et al., Proc. Natl. Acad. Sci.
USA 88, 11363-11367(1991)は直接スクリーニング戦略
を用い、HIV逆転写酵素内の単一の突然変異(Glu
89からグリシンへの変化)がポリメラーゼをddGT
Pに対してより抵抗性にしていることを示した(同じ程
度の阻害を得るには約10倍のddGTPを必要にし
た)。この突然変異はホスホノギ酸(ピロホスフェート
類似体)を含む多くの類似体に対し広範な抵抗性を与え
た。突然変異体はddTTP、ddCTPおよびddG
TPには等しく抵抗したが、ddATPへの抵抗は弱か
った。
【0052】Song et al., J. Viol. 66, 7568-7571(19
92)はヒト免疫不全ウイルスタイプI逆転写酵素のgl
u−89を9つの異なるアミノ酸残基に突然変異させ、
ddGTPおよびホスホノギ酸(ピロホスフェート類似
体)に対する各々の突然変異体酵素の抵抗性を測定し
た。突然変異は2つの組に分類された;Glu−89の
アラニン、グリシン、バリンまたはスレオニンへの置換
は野生型酵素に比較してddGTPおよびホスホノギ酸
の両方に抵抗性が高い酵素を生じ、一方セリン、グルタ
ミン、アスパラギン、アスパラギン酸およびリジンへの
突然変異はddGTPに対して中程度のまたは抵抗性が
ない酵素を生じた。どの突然変異も野生型酵素よりdd
GTPに対し抵抗性が小さい酵素は生じさせなかった
(表I、ページ7569)。筆者らは彼らの結果および
逆転写酵素の結晶構造から、逆転写酵素の89番目およ
び90番目の残基がdNTP結合ポケットの部分を形成
していると推測している。
【0053】ddNTP選択性を生じる突然変異の近く
の突然変異による大腸菌DNAポリメラーゼI突然変異
体蛋白質の性質に関する報文は以下のものである:Carr
oll et al., Biochemistry 30,804-813(1991)は2つの
突然変異体(Tyr766SerおよびTyr766P
he)の普通のデオキシヌクレオチドに対する誤取り込
みを研究した。Polesky et al., J. Biol. Chem. 265,1
4579-14591(1990)は2つの異なる性質を持つ突然変異を
特徴付けた:(1)チロシン766、アルギニン84
1、およびアスパラギン845;著者らはこれらの残基
は入ってくるdNTPと接触することを示唆している。
(2)グルタミン849、アルギニン668およびアス
パラギン酸882;著者らはこれらの残基は触媒に含ま
れていることを示唆している。Polesky et al., J. Bio
l. Chem. 267:8417(1992)、はアルギニン668、グル
タミン849およびアスパラギン酸882およびさらに
アスパラギン酸705およびグルタミン酸710での突
然変異を特徴付けている。この研究において、著者らは
アルファ−チオ−置換dNTP(すなわち、リン酸部分
での類似体)の取り込みを見ている。Pandey et al.,
J. Biol. Ch em. 269, 13259-13265(1994)は大腸菌DN
AポリメラーゼIのリジン758をアラニンおよびアル
ギニンに変化させた二つの突然変異体に注目した。著者
らはBasu et al., Biochemistry 26, 1704-1709(1987)
が同じリジン758がdNTPの結合に関係しているこ
とを示していることを指摘している。このことが化学的
に示された;DNAポリメラーゼIがヌクレオチド類似
体、ピリドキサール 5'-リン酸を用いて共有結合で修
飾され、リジン758が修飾されるべき残基であるとい
われている。
【0054】Beese et al., Biochemistry 321:14095-1
4101(1993)はdNTPまたはピロホスフェートと複合体
を形成したDNAポリメラーゼIのクレノー断片の共結
晶の構造について記載している。著者はdNTPはヘリ
ックスOに隣接して結合していると述べている。著者ら
は以下の報告をしている:(a)”Mg−dCTP複合
体において、シトシンがHis881と相互作用し、一
方、糖はPhe764[sic.,762]と相互作用
している(図3および5)。”(b)”しかしながら、
二成分複合体中のdNTPの少なくともdNMP部分の
位置は、プライマーテンプレートDNAとの触媒的に相
関した複合体の位置とは同じではないらしいと結論され
た。”(c)”dNTPの塩基のための全結合部位はテ
ンプレート鎖へのワトソンークリック水素結合およびプ
ライマー鎖の3’塩基上のそのスタッキングにより形成
されるので、二成分複合体中の塩基のための結合部位が
完全に偶然ということはありそうもなく、条件に依存し
ていくつかの位置に結合できるという我々の観察と一致
している。”(d)”二成分複合体の結晶で観察された
dNTPの結合部位は、溶液の研究で観察されたものと
同じである。しかしながら、この二成分複合体からプラ
イマーおよびテンプレートDNA存在下でのdNTPと
の複合体モデルへの外挿には十分な注意が必要である。
dNTPの糖および塩基部分は正しいコンホメーション
で結合されたプライマー−テンプレートDNAを必要と
する。
【0055】JoyceおよびSteitz,63 Ann.Rev.Bioc.777,
1994(本発明に対する従来の技術であるとは認められて
いない)は種々のDNAおよびRNAポリメラーゼの関
係を議論している。DNAポリメラーゼの”パー
ム”(”フィンガー”よりも)サブドメインの3つの機
能を示している−すなわち、触媒中心プライマーの3’
末端の結合部位およびdNTP結合部位。HIV−1逆
転写酵素においてDNAポリメラーゼ阻害剤の結合に影
響する突然変異は残基67−70付近であることが示さ
れている。”また糖のヌクレオチド塩基の位置からは何
等有用な結論導き出せないが、クレノー断片およびdN
TPリン酸基間の接触の同定において結晶性二成分複合
体からの情報が役に立つであろう”とも述べられてい
る。前のパラグラフにおいて”ポリメラーゼ−dNTP
二成分複合体を形成できるが、そのような複合体は触媒
的には応答能がない”と述べられている。さらにデー
タ”Phe762の近くにデオキシリボースが配置され
るであろう”および”モデルとして作られたテンプレー
ト鎖に近接するフィンガードメインに位置しているTy
r766(クレノー断片ヘリックスO内)の突然変異体
はデオキシおよびジデオキシヌクレオチド基質間の判別
に影響する...”ことが示されている。しかしなが
ら、”クレノー断片において、三成分複合体中のdNT
Pの結合(Km(dNTP)に反映される)に影響することが
観察されている突然変異はフィンガーサブドメイン内ま
たは近くのポリメラーゼの裂け目の一側面に位置してい
る。この様に同定された位置は遠くはヘリックスQのN
末端(Arg841およびAsn845)、ヘリックス
Oの露出した面(Thr766、Phe762およびA
rg754)および触媒中心近くの近接する残基(As
p705およびGlu710を含む。動力学的方法の利
点は三成分複合体が証明されることである;しかしなが
ら、上に議論したごとく、他の構造的証拠なしにテンプ
レート相互作用により開始される直接の影響を区別する
のは不可能である。さらに、前にリストした側鎖はdN
TP分子より大きな領域を包含しており、それ故、全部
はそれと直接接触されない。これらの研究により示され
たクレノー断片の領域はテンプレート鎖と広い範囲の接
触をしていると考えられたので、上に述べられた残基の
サブセットはdNTPと直接接触しており、一方、残り
はテンプレートDNAを結合しているというのが妥当な
説明である。
【0056】Pelletier et al.,264 Science 1891,およ
びSawaya et al., 264 Science 1930,1994(本発明にた
いする従来の技術であるとは認められていない)は反対
に,PolβのヘリックスM−N(クレノーのヘリック
スJ−Kに類似している)内の残基271−274が”
共通の機能、ヌクレオチド判別を行っている”ことを示
している。
【0057】Sousa et al. 364 Nature 593,1993(本発
明にたいする従来の技術であるとは認められていない)
はT7 RNAポリメラーゼの3次元構造およびその大
腸菌DNAポリメラーゼIとの相同性が記載されてい
る。彼らの観察結果は”KF(クレノー断片)(b−鎖
14[残基916から928]およびC末端)のC末端
要素は重合化の間dNTPのデオキシリボース部分と接
触し、rNTPおよびdNTP基質を判別する”ことを
示唆すると記載している。
【0058】ジデオキシチミジンのようなジデオキシヌ
クレオシドはT7ファージ増殖の強い阻害剤である。D
NA合成の阻害はT7 DNA内へのジデオキシヌクレ
オチドの取り込みの結果であることが実験で示されてい
る。ジデオキシヌクレオシドは非感染大腸菌には阻害を
示さない。大腸菌DNA合成を阻害しないことへの説明
はわからないが、細胞の取り込み、大腸菌DNAポリメ
ラーゼIIIによるそれらの取り込みに対する高いレベル
の判別、三リン酸への不十分なリン酸化または効率のよ
い除去により説明できるであろう。どの場合においても
T7突然変異体ファージが生じることが観察され、寒天
プレート上に約10-3の頻度でジデオキシヌクレオシド
を含む正常なプラークを得ることができる。多くのこれ
らの突然変異の位置が図1に示されている。それらは遺
伝子5蛋白質内に残っている。突然変異体遺伝子5蛋白
質は天然の遺伝子5蛋白質よりもddNTPをより強く
判別する(数倍)。この組のいくつかはdNTPのリボ
ース部分の認識に重要なポリメラーゼの領域の輪郭をな
している。
【0059】ジデオキシヌクレオシドを用いるこの選択
により得られた突然変異はリボース部分を認識する遺伝
子5蛋白質の領域の変化に基づいていることに注目する
のは重要なことである。しかしながら、そのような突然
変異が他のヌクレオチド類似体に劇的な影響を持つであ
ろうことは可能である。さらに、他の類似体存在下のフ
ァージの増殖に基づき、他のヌクレオチド類似体の強い
判別を行う他のT7突然変異体の選択に同一の方法を使
用することも可能である。
【0060】表Iを参照すると、種々のDR突然変異体
が示されており、アミノ酸の置換は表に記されている。
アミノ酸置換の特徴は表の右側に示されている。これら
の突然変異体の位置はT7 DNAポリメラーゼのパー
ムおよびフィンガー領域を通して図1に示されている。
サム領域は可動性領域であり、生成物デュープレックス
DNAのマイナーグルーブと相互作用する;パーム領域
は活性中心、プライマーの3’末端の結合部位であり、
dNTP結合に寄与する;フィンガー領域は合成部位に
近いssテンプレートと相互作用しdNTP結合に寄与
する。これらの突然変異体は色々なポリメラーゼに渡っ
て広く分散されており、すべてジデオキシヌクレオチド
の取り込みに比較的小さな影響を示した(ジデオキシヌ
クレオチドの取り込み能力をただ5−20倍減少させ
た)。さらに、これらの突然変異体のいくつかはDNA
ポリメラーゼIに比較的非相同な領域に位置している。
従って、これらからはddNTP判別に関与する他のP
olI酵素内部位の位置の指摘ができない。
【0061】
【表1】 表I T7 DNAポリメラーゼジデオキシ−抵抗性突然変異体の要約突然変異体 単離体No. 修飾 DR1 1 Ala425→Thr 疎水性→極性 DR2 1 Phe434→Ser 疎水性→極性 Gly442→Ser 疎水性→極性 DR3 1 Val443→Ile 疎水性→疎水性 DR4 2 Arg444→His 強塩基→弱塩基 DR5 1 Arg444→Cys 強塩基→中性、極性 DR6 8 Ser477→Phe 極性→疎水性 DR7 4 Asp504→Asn 塩基性→中性 DR8 2 Ala513→Thr 疎水性→極性 DR9 2 Thr517→Ile 極性→疎水性 DR10 1 Ala532→Ser 疎水性→極性 DR11 1 Arg566→Cys 強塩基→中性、極性 DR12 1 Ala619→Thr 疎水性→極性 DR13 3 Ala700→Thr 疎水性→極性要約 7 疎水性→極性 3 強塩基→中性、極性または弱塩基 2 極性→疎水性 1 疎水性→疎水性インビトロ突然変異発生 T7のクローン化遺伝子5のインビトロ突然変異発生が
遺伝子5蛋白質の構成に使用され、大腸菌DNAポリメ
ラーゼIの異なる領域がT7遺伝子5蛋白質の類似また
は相同領域に置換された。上に議論したように、我々は
ヌクレオチド類似体を取り込むこれらの酵素の能力の決
定および、これらの類似体に対する判別の程度に特に興
味を持っている。図2を参照すると、T7DNAポリメ
ラーゼおよび大腸菌DNAポリメラーゼIの間のハイブ
リッドが形成される領域は、領域A−Eとして印を付け
て示されている。
【0062】図3を参照すると、領域Cがポリメラーゼ
の他の領域より著しく大きな効果を持っているリボ選択
性領域を提供することが決定されている。これら他の領
域のいくつかは特に図3に示されている。
【0063】図4ー6を参照すると、この領域のアミノ
酸の置換でポリメラーゼのリボ選択性を、大腸菌DNA
ポリメラーゼI型からT7 DNAポリメラーゼ型へお
よび逆に変換することが可能なことが決定された。従っ
て、PolI型ポリメラーゼのこの領域を標的とした突
然変異発生によりポリメラーゼのリボ選択性を著しく変
えることができる。効果は少なくとも50−100倍で
あり、一般的には500倍以上である。
【0064】DNAポリメラーゼ 本発明に有用なDNAポリメラーゼにはT7型DNAポ
リメラーゼ、大腸菌DNAポリメラーゼIのラージフラ
グメントおよびTaqポリメラーゼを含む”PolI型
DNAポリメラーゼ”と称される相同的ポリメラーゼの
組に属しているものが含まれる。
【0065】本発明に有用なDNAポリメラーゼにはT
7型DNAポリメラーゼ(T7、T3、ΦI、ΦII、H
W31、gh−1、Y、A1122またはSP6)を含
む相同的ポリメラーゼの組に属しているものが含まれ
る。相同的ポリメラーゼとはDelarue et al., Protein
Engineering 3,461-467(1990)に記載されているような
酵素を意味しており、それにDNAポリメラーゼのPo
l Iファミリーが整頓され並べられている。それには
またポリメラーゼの6つのファミリーからの保存配列モ
チーフが整列されている:Pol IからのDNAポリ
メラーゼ、PolアルファおよびPolベータファミリ
ー、DNA依存性RNAポリメラーゼ、逆転写酵素およ
びRNA依存性RNAポリメラーゼ;彼らの結果はすべ
てのポリメラーゼ間でいくつかの残基が保存されている
ことを示唆している。彼らの整列(図3、ページ46
3)に従うと、ここで同定された選択性残基(大腸菌D
NAポリメラーゼIのフェニルアラニン762)は”モ
チーフB”にある。DNAポリメラーゼのPol Iフ
ァミリーに加えて、モチーフBはDNAポリメラーゼの
PolアルファファミリーおよびDNA依存性RNAポ
リメラーゼのT7ファミリーに見いだされる;従ってこ
の整列は、T4DNAポリメラーゼ、ヘルペスDNAポ
リメラーゼ、Φ29DNAポリメラーゼ、Vent D
NAポリメラーゼおよびPfu DNAポリメラーゼを
含むポリメラーゼの他のファミリーで突然変異させなけ
ればならない残基を強く示唆している。
【0066】さらに、Joyce,Current Opinion in Struc
tural Biology 1, 123-129(1991)は多くのポリメラーゼ
からのDNA配列を比較し、少数の重要な活性部位残基
が保存されていることを示唆している。特に、pol
Iファミリー(T7、polI、Taq)およびpol
アルファファミリー(T4、Φ29、ヘルペス)のポリ
メラーゼ間の類似性を議論している。図1(ページ12
4)でJoyceはこれらの2つのファミリー内の5つの不
変異性残基の位置を示している;これらにはリジン75
8、チロシン766およびグリシン767が含まれてい
る;これらはすべてここで同定された選択性残基(フェ
ニルアラニン762)の非常に近くに存在する。
【0067】これらのポリメラーゼは、シークエンシン
グ反応のDNA生成物をゲル中で走らせた場合、好適に
はほとんど均一の強度(約1.5から2.0倍の強度の
変化)の近接するバンドを産生する条件下でのDNAシ
ークエンシングで使用された。近接したとは、6000
(すなわち20塩基)までの分子量の相違によるDNA
生成物により示されるバンドを含むことを意味してい
る。この強度の実際の値はTaborおよびRichardson(上
記文献)に記載されているごとくゲルの長さに沿って減
少するであろう。バンド強度はバンド内のDNA生成物
の数を反映している。蛍光発生または放射性同位元素の
ような標識がそのようなDNA生成物の数を反映する強
度の容易に検出可能なバンドの産生に使用された。従っ
て、本発明において一つの鎖停止剤による一つのシーク
エンシング反応に由来する近接バンドはほとんど同じ数
のDNA生成物を持ち、従って均一のバンド強度であ
る。シークエンシング条件にはマンガン(IIおよびII
I)、第一鉄および第二鉄イオンのような特定の二価ま
たは三価カチオンの存在下でのポリメラーゼのインキュ
ベーションが含まれる;DNA合成に検出可能な影響を
与えないまたは有害である一価および二価のカチオンに
はK、Na、Ba、Be、Ca、Cc、Cr、Co、C
u、Ni、SiおよびZnが含まれる。アニオンは重要
ではない、例えば、塩素、酢酸塩および硫酸塩が適して
いる。これらの条件下、ジデオキシヌクレオシドのよう
な鎖停止剤にたいする要求は本発明のための酵素で数倍
減らされるであろう。利用可能な二価金属イオンの濃度
の制御を助けるため、この溶液にキレート剤も加えられ
る。例えば、クエン酸塩またはイソクエン酸塩が加えら
れる。これらのキレートは例えば、広い範囲のマンガン
濃度にわたり、遊離のマンガンイオンの濃度を10およ
び100μMの間に維持すると考えられている。すなわ
ち、キレート剤は緩衝剤として働いている。
【0068】
【表2】大腸菌DNAポリメラーゼI、T7 DNAポ
リメラーゼ、およびTaq DNAポリメラーゼ間のヘ
リックスO内のドメイン交換のddNTPに対する判別
性への影響。3つのポリメラーゼの配列は最初の残基の
番号とともに一番上に示されている。これら3つのポリ
メラーゼの保存配列の下にT7 DNAポリメラーゼ
(T7)、大腸菌DNAポリメラーゼI(Pol)およ
びTaq DNAポリメラーゼ(Taq)で特性付けら
れた突然変異体が示されており、突然変異を起こした残
基に下線が付けられている。各々の突然変異体は実施例
2に記載したSDSゲル分析によるddNMPとdNM
Pの取り込みの相対速度が試験され、右側に結果が示さ
れている。突然変異体T7 C−T8、Pol I C
−K6およびTaq C−Q5がさらなる分析のため野
生型蛋白質とともに精製された。
【0069】 酵素 配列 ddNTP判別 Pol I 754 R R S A K A I N F G L I Y G 高い Taq 658 R R A A K T I N F G V L Y G 高い T7 517 R D N A K T F I Y G F L Y G 低い Consensus R A K G Y G T7 WT R D N A K T F I Y G F L Y G 低い T7 C-T2 R R S A K A I N F G L I Y G 高い T7 C-T3 R R S A K T F I Y G F L Y G 低い T7 C-T4 R D N A K A I N F G F L Y G 高い T7 C-T5 R D N A K A I I Y G F L Y G 低い T7 C-T6 R D N A K T F N F G F L Y G 高い T7 C-T2 R D N A K T F N Y G F L Y G 低い T7 C-T3 R D N A K T F I F G F L Y G 高い Pol I WT R R S A K A I N F G L I Y G 高い Pol I C-K1 R D N A K T F I Y G F L Y G 低い Pol I C-K2 R R S A K T F I Y G L I Y G 低い Pol I C-K3 R R S A K T F N F G L I Y G 高い Pol I C-K4 R R S A K A I I Y G L I Y G 低い Pol I C-K5 R R S A K A I I F G L I Y G 高い Pol I C-K6 R R S A K A I N Y G L I Y G 低い Taq WT R R A A K T I N F G V L Y G 高い Taq C-Q1 R D N A K T I N F G V L Y G 高い Taq C-Q2 R R A A K T F I Y G F L Y G 低い Taq C-Q3 R R A A K T I I Y G V L Y G 低い Taq C-Q4 R R A A K T I I F G V L Y G 高い Taq C-Q5 R R A A K T I N Y G V L Y G 低い 特異性残基 ↑ 本発明のDNAポリメラーゼはDNAテンプレートの長
さによるジデオキシヌクレオチド類似体およびデオキシ
ヌクレオチド間を有意には判別しない。すなわち、これ
らのポリメラーゼは3’ヒドロキシル基を持つヌクレオ
チドに対しそれを持たないもの(すなわち、リボースの
3’位に2つの水素を持っている)を有意に判別しな
い。しかしながら、これらのポリメラーゼはマンガンま
たは鉄の存在下においても、ヌクレオシドの他の位置の
修飾を判別するであろう。例えば本ポリメラーゼはデオ
キシヌクレオチドと比べ、結合された蛍光基を持ついく
つかのジデオキシヌクレオチド類似体を判別するであろ
う。しかしながら、本ポリメラーゼはジデオキシヌクレ
オチドへの修飾の存在または不在に基づいて、隣のまた
は近接したヌクレオチドを異なる程度では判別しない。
このように本ポリメラーゼはこれらの類似体を強く判別
するが、非修飾ジデオキシヌクレオシドに比較してDN
Aシークエンシング反応にはより高い濃度を必要とせ
ず、近接するバンドの強度は依然として均一であろう。
【0070】このように本発明のポリメラーゼは鎖停止
剤の取り込みの均一な効率を提供する(全取り込みが異
なっても)。さらに、本発明の他のポリメラーゼは対応
する天然に存在する酵素よりも蛍光ddNTPでより均
一なバンドを与えるであろう(非標識または放射性標識
ddNTPによるほど均一ではないが)。
【0071】本発明に有用な鎖停止剤には2’,3’ジ
デオキシ構造を持つジデオキシヌクレオシドが含まれ
る。本発明に有用な他の試薬は、特定の塩基でDNAシ
ークエンシング反応を特異的に停止でき、および上記の
条件下ポリメラーゼによる判別を受けないものである。
【0072】特定の鎖停止剤またはシークエンシング反
応混合物の他の成分と組み合わされたどの特定のDNA
ポリメラーゼが本発明に有用であるかを決定するため
に、TaborおよびRichardson(上記文献)に記載されて
いるような標準的なシークエンシング反応が実施され、
シークエンシングゲル中のバンド形成の広がりおよび近
接バンドの均一性が調べられた。もしポリメラーゼ反応
がプライマーを少なくとも20塩基伸長させなかったら
ば使用された条件には適していない。2倍またはそれ以
下の範囲内の隣接するバンドの均一性は本発明で有用で
あり、好適には均一性とは1.0−1.5倍の範囲内で
ある。同様に、最適なカチオン濃度または本発明に有用
な他の潜在的なカチオンが種々の条件下でのこのシーク
エンシング反応の使用により決定された。例えば、カチ
オンが0.005−100mMの範囲で試験された。そ
のような実験の例は以下に記載されている:任意の一つ
の酵素についてdNTPと比較した対応するddNTP
の取り込み能力は、決められた範囲でのDNA合成を停
止させること(決められた分子量より小さなバンドの産
生で検出された)を可能にするのに必要なddNTPと
dNTPの比として測定された。すなわち、シークエン
シングゲルの特定の範囲内で反応で産生されたバンドが
終了する。このように、もし一つの酵素が他の酵素と比
較して与えられたddNTPを1000倍以上判別する
ならば、ゲルの同一の範囲の対応する部位で終わるバン
ドを得るにはdNTPに対し1000倍以上の比のdd
NTPが必要であろう。
【0073】エキソヌクレアーゼ活性 本発明のDNAポリメラーゼは好適には50%未満、よ
り好適には1%未満、および最も好適には0.1%未満
の正常または天然に付随するレベルのエキソヌクレアー
ゼ活性を持っている(ポリメラーゼ分子当たりの活性の
量)。正常または天然に付随するレベルとは例えば非修
飾T7型ポリメラーゼのエキソヌクレアーゼ活性を意味
している。以下に記載したようなChase et al.,(249 J.
Biol. Ch em.,4545, 1974)の方法の改良法により測定さ
れた、ポリメラーゼのmg当たりに通常付随する活性は
約5000単位である。エキソヌクレアーゼはテンプレ
ートに間違って塩基対生成されている新しく合成された
塩基を切り出すことによりDNA合成の忠実度を上げ
る。そのような付随エキソヌクレアーゼ活性はDNAシ
ークエンシング反応の質に有害であろう。ヌクレオチド
濃度が落ちた場合、ポリメラーゼ活性はエキソヌクレア
ーゼ活性と同じような速度まで遅くなり、その結果全体
でのDNA合成がなくなるか、または合成されたDNA
の分解さえ起こるので、付随エキソヌクレアーゼ活性は
ヌクレオチド前駆体の最小必要濃度を上げることにな
る。
【0074】より重要なことは、付随エキソヌクレアー
ゼ活性は二次構造妨害物を持つテンプレート中の領域で
DNAポリメラーゼの空転を起こさせるであろう。ポリ
メラーゼがそのような構造に近づいた場合、その合成速
度は通過しようとするほど遅くなる。ポリメラーゼが立
ち往生した場合、付随エキソヌクレアーゼは新しく合成
されたDNAを切り出すであろう。その結果、合成およ
び切り出しの多数の循環を起こすであろう。このことに
より、ポリメラーゼは結局ヘアピンを通過して合成し
(シークエンシング反応の質には有害ではない);また
はポリメラーゼが合成鎖から解離するであろう(4つす
べてのシークエンシング反応において同じ位置に人工の
バンドを生じる);または鎖停止剤が高頻度で取り込ま
れ、シークエンシングゲル中の異なる断片の強度に広範
囲の変異が生じる。このことは与えられた部位での鎖停
止剤の取り込みの頻度がポリメラーゼが鎖停止ヌクレオ
チドを取り込まなければならない機会の回数とともに増
加するために起こる。
【0075】理想的なシークエンシング反応はゲルを通
して均一の強度のバンドを与える断片を生成する。この
ことはすべての放射活性断片にたいしX線フィルムの最
適な暴露を得るために必須である。もし放射活性バンド
の強度が変化していれば、より薄くなったバンドは検出
されないであろう。全ての断片に均一な放射活性強度を
得るには、DNAポリメラーゼはDNA上の各々の位置
を同じ間隔および同じ時間で費やさなければならず、任
意の位置での付加または除去に優先を示してはならな
い。このことは、もしDNAポリメラーゼに付随するエ
キソヌクレアーゼがなければ起こり、そのためそれはテ
ンプレートに沿った各々の位置で鎖停止ヌクレオチドを
取り込むただ一回の機会を持っているであろう。
【0076】短いプライマー 本発明のDNAポリメラーゼは好適には10塩基または
それ未満、(より長いものも同様に)、最も好適には4
−20塩基(例えば6塩基、これは3つのグループで使
用でき18−merと等価物を形成する)のプライマー
を利用することができる。短いプライマーを利用できる
能力はDNAシークエンシングに多くの重要な利点を提
供する。より短いプライマーは通常の17−merプラ
イマーより安価であり、合成がより容易である。それら
はより速くDNAテンプレート上の相補的部位にアニー
ルし、そのためシークエンシング反応をより速くする。
さらに、DNAシークエンシングに小さな(例えば、6
または7塩基)オリゴヌクレオチドプライマーを利用す
る能力は、長いDNA断片のシークエンシングにそれで
なければ不可能な戦略を可能にする。例えば、80−4
000ランダムヘキサマーを含むキットが発生でき、そ
のどれもがクローニングベクター内のどの部位とも相補
的でない。統計的には80のヘキサマー配列の一つが配
列決定されるべきDNA断片に沿って平均50塩基毎に
生じるであろう。3000塩基の配列の決定にはただ5
回のシークエンシングサイクルしか必要としないであろ
う。第一に、”普遍的”プライマー(例えば、New Engl
and Biolabs #1211、配列5'GTAAAACGAACGGCCAGT3')が
挿入物の一つの末端の約600塩基の配列に使用される
であろう。このシークエンシング反応の結果を用いて、
決定された配列の末端近くの領域に相同的なキットから
新しいプライマーが拾い上げられるであろう。第二のサ
イクルでは、次の600塩基の配列がこのプライマーを
用いて決定されるであろう。この過程の5回の繰り返し
により、サブクローニングを必要とせず、および新規の
オリゴヌクレオチドプライマーの化学的合成なしに30
00塩基の完全な配列が決定されるであろう。そのよう
な短いプライマーの使用はシークエンシング反応にT7
の遺伝子2.5および遺伝子4タンパク質を含ませるこ
とにより促進されるであろう。
【0077】インビトロ突然変異誘発 ポリメラーゼ遺伝子の突然変異誘発は標準的なPCR技
術(下記参照)を用いて実施された。
【0078】ddNTPの判別 唯一の二価カチオンとしてのマグネシウムの存在下、T
7 DNAポリメラーゼは約3−4倍ddNTPを判別
する(他の既知のどんなポリメラーゼよりも低い)。次
に最も近いのは逆転写酵素であり、約10−50倍dd
NTPを判別する(T7 DNAポリメラーゼの3−1
0倍)。これら二つに続いて、文献で特徴付けられてい
るすべての他の既知のDNAポリメラーゼは少なくとも
100倍、およびしばしば10,000倍またはそれ以
上ddNTPを判別する。
【0079】マンガン存在下ではT7 DNAポリメラ
ーゼおよび大腸菌DNAポリメラーゼIによる判別は減
少する;T7 DNAポリメラーゼでは3.7から1へ
減少し、および大腸菌DNAポリメラーゼIでは550
から3.9に(ddATPに対して)減少した。出願者
が最初に、唯一の二価カチオンとしてマグネシウムイオ
ンの存在下100未満の連続移動性を持ち(プライマー
ーテンプレートから解離する前に与えられたプライマー
から伸長された平均の長さとして定義される;逆転写酵
素はこの定義によると約150−200の連続移動性を
持っており、T7 DNAポリメラーゼはこれより大き
い連続移動性を持っている)、ddNTPの取り込みに
対し100倍未満の判別を行うDNAポリメラーゼを提
供した。対照的に、Taqのような既知のDNAポリメ
ラーゼのほとんどは100未満の連続移動性を持ち、d
dNTPの取り込みに対し100倍以上の判別を行う。
【0080】従来T7 DNAポリメラーゼのような高
い連続移動性を持つポリメラーゼはプライマー−テンプ
レートに数分の長さまで結合されたままで残り、大腸菌
DNAポリメラーゼIのような低い連続移動性のポリメ
ラーゼは一つのプライマーテンプレートから他のものへ
数秒毎に(または100倍以上の頻度で)循環している
と信じられていた。例えば、Tabor, et al. J. Biol. C
hem. 262,16212-16223(1987)参照。ジデオキシ取り込み
からではない停止によるバックグラウンドを減少させる
ので連続移動性はDNAシークエンシングには都合のよ
いことであり、遅いサイクリング時間は欠点である。例
えば、もしポリメラーゼが特定の配列で解離するとすれ
ば、大過剰のポリメラーゼが存在しない限りシークエン
シングゲル上に強い人工のバンドが生じるであろう。一
方、急速に循環するポリメラーゼでは、一つの酵素分子
がシークエンシング反応の経過中に多くの異なるプライ
マーを伸長させるであろうのでより少ないポリメラーゼ
で使用でき、およびプライマー末端は多くの異なるポリ
メラーゼ分子により伸長される機会を持つであろうの
で、強い特異的停止の機会を減少させる。
【0081】しかしながら、均一の強度のバンドを与え
およびより少ないddNTPの使用を可能にするため
に、急速に循環しまたddNTPを効率的に取り込むポ
リメラーゼがより良好である。そのようなポリメラーゼ
が低いエキソヌクレアーゼ活性を持つかまたは全く持た
ず、および加ピロリン酸分解によるバンドの分解を防ぐ
ためピロホスファターゼを加えるのもまた好適である。
【0082】唯一の二価カチオンとしてマグネシウムで
DNAシークエンシング反応を実施できることも好適で
ある(すなわち、マンガン非存在下)。第一に、ポリメ
ラーゼはマグネシウムに比べマンガンでより不活性にな
りがちである(例えば、Taborおよび Richardson. Pro
c. Natl. Acad. Sci. USA 86, 4076-4080(1989)参
照)。第二に、ポリメラーゼは広い範囲のマグネシウム
濃度で活性である一方、最適活性はほとんどの場合に非
常に鋭く、低い最適マンガン濃度が必要とされる(i
d)。および、最適マンガン濃度ではddNTPに対す
る判別の減少への効果が小さく、より高い濃度ではポリ
メラーゼの活性が落ちる。第三に、マンガンはキットに
含ませるには都合のよい金属イオンではない;容易に沈
澱を生じる(特により高いpHで)。第四に、マンガン
がどの好熱性ポリメラーゼについてもddNTPの判別
を減少させるための金属イオンとして効果があるのかど
うか明かではない(すなわち、より高い温度で)。
【0083】本発明の前に、我々は判別と連続移動性の
間に相関があると述べている(Taborおよび Richardso
n. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86, 4076-4080(198
9))。
【0084】”DNAポリメラーゼIは低い連続移動性
を持っており、10ヌクレオチド未満の取り込み後に解
離する。ddNTP非存在下のDNA合成の間に部位か
ら酵素が解離する頻度およびその部位でのddNTPの
取り込みに対する判別の程度の間に強い関係がある(未
発表データ)。このことは、DNAポリメラーゼIは連
続移動性合成の間はdNTPおよびddNTPを類似の
速度で取り込む;しかしながら、合成が連続移動性でな
い場合、dNTPはddNTPに優先して取り込まれる
ことを示唆している。このモデルはT7 DNAポリメ
ラーゼと比較してのDNAポリメラーゼIによるddN
TP取り込みのより大きな変異を説明できる、なぜな
ら、前者は後者に比べ2桁大きな値の連続移動性を持っ
ているからである(引用省略)。
【0085】このように、我々はここに記載した突然変
異体が突然変異体酵素の進行性を本当に増加させるとい
う証拠を観察していないので、大腸菌DNAポリメラー
ゼIおよびTaqDNAポリメラーゼでの本発明の結果
は驚くべきものである。
【0086】好熱性ポリメラーゼ ddNTPに対する判別が100分の1以下である好熱
性ポリメラーゼが特に本発明で有用である。さらに、唯
一の二価カチオンとしてのマグネシウムの存在下ddN
TPに対する判別が100分の1以下であり、好適には
一つのプライマー−テンプレートから別のものへのサイ
クルが1秒当たり1回またはそれ以上のものが有用であ
る。好熱性ポリメラーゼは最適DNAポリメラーゼ活性
が60℃以上で15分の反応性を持つポリメラーゼとし
て定義される。
【0087】均一バンド強度 マンガンはddNTPに対するクレノー断片の判別を5
50から3.9に減少させるが、Taborおよび Richards
on(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86, 4076-4080(198
9))は個々のバンドの強度にまだ広範囲の変異があるこ
と(図2参照 同上)を示している。このように、T7
DNAポリメラーゼから離れても、本発明はクレノー
断片のように急速に循環するポリメラーゼおよび唯一の
二価カチオンとしてのマグネシウムの存在下でも(ほと
んどのポリメラーゼの活性に好適な条件、下記参照)均
一な強度を持つバンドを産生する好熱性生物由来のポリ
メラーゼを初めて提供する。急速に循環する酵素は以下
に記載した本分野では既知の方法により決定できる。
【0088】特異的ポリメラーゼ これまでの情報から上に議論した望まれる性質を持つで
あろう以下のポリメラーゼを容易に作製することが可能
である。もしエキソヌクレアーゼレベルが十分に低く、
ポリメラーゼの活性が十分ならば(これらの両方とも本
分野ではよく知られている)これらのポリメラーゼの各
々をシークエンシング法に使用できる。各々のアミノ酸
部位に関してはBraithwaiteおよびItoを参照されたい。
【0089】1.PloIファミリー Phe762が変換された大腸菌DNAポリメラーゼI
(変換とは非判別性を与える例えばTyrまたは等価な
アミノ酸との置換を意味している)。
【0090】
【表3】Phe711が変換されたストレプトコッカス
ニューモニエStreptococcus pneumoniae)DNAポ
リメラーゼI Phe667が変換されたテルムス アクアチカスTh
ermus aquaticus)DNAポリメラーゼI Phe666が変換されたテルムス フラバスThermu
s Flavus)DNAポリメラーゼI Phe570が変換されたバクテリオファージT5 D
NAポリメラーゼ Leu526が変換されたバクテリオファージSpo1
DNAポリメラーゼ Phe690が変換されたバクテリオファージSpo2
DNAポリメラーゼ ミトコンドリアDNAポリメラーゼ、天然のTyr75
3または非判別活性が減少されていないこの位置での変
換体。そのようなポリメラーゼは以前にDNAシークエ
ンシングに使用されたことはない。低レベルのddNT
P判別性が期待されるのでそのような方法に有用であろ
うと信じられる。必要なら、ポリメラーゼ活性に付随す
るエキソヌクレアーゼ活性を減じるように修飾できるで
あろう。
【0091】2. ポリメラーゼアルファファミリー
(ポリメラーゼIIファミリーとも呼ばれる) Delarue et al., Protein Engineering 3, 461-467(199
0)はポリメラーゼの二つのファミリー(ポリメラーゼI
ファミリーおよびポリメラーゼアルファファミリー)が
三つの共通のモチーフを共有していることを示してい
る。彼らが”モチーフB”と呼んだ領域にジデオキシリ
ボースの特異性に関すると同定された残基が含まれてい
る。この領域はポリメラーゼIファミリー中、配列KN
1234567YG(ここでN4は特異的残基であ
り:もしN4がフェニルアラニンであれば、高い判別性
であり、もしN4がチロシンであれば低い判別性であ
る)により特徴付けられる。ポリメラーゼアルファファ
ミリーにおいては、配列はKN123456YG
(保存残基との間では塩基が一つ少ない)。従ってポリ
メラーゼI型酵素とちょうど同じにこのモチーフ(リジ
ン(K)およびチロシン(Y)の間)内の残基の変化が
これらのポリメラーゼのddNTPに対する判別度を減
少させるであろう。これらの結果は以下の様である:
【表4】 大腸菌DNAポリメラーゼII Ile494-Phe499 PRD1 DNAポリメラーゼ Leu341-Ser346 Φ29 DNAポリメラーゼ Leu384-Leu389 M2 DNAポリメラーゼ Leu381-Leu386 T4 DNAポリメラーゼ Ile558-Leu563テルミュオコッカス リトラリスThermuococcus litoralis) DNAポリメラーゼ(Vent) Leu492-Tyr497ピロコッカス フリウサスPyrococcus feriosus) DNAポリメラーゼ Leu489-Phe494スルフォロブス ソルファタリカスSulfolobus solfataricus) DNAポリメラーゼ Val604-Thr609 ヒトDNAポリメラーゼ アルファ Leu951-His956S.セレビジエcerevisiae)DNAポリメラーゼI (アルファ) Leu945-His950S.ポンベpombe)DNAポリメラーゼI(アルファ) Leu931-His936ドロソフィラ メラノガスターDrosophila melanogaster) DNAポリメラーゼアルファ Leu960-His965トリパノソーマ ブルーセイTrypanosoma brucei) DNAポリメラーゼ アルファ Leu845-His850 ヒトDNAポリメラーゼ デルタ Val695-Val700 ウシDNAポリメラーゼ デルタ Val694-Val699S.セレビジエcerevisiae)DNAポリメラーゼIII (デルタ) Ile702-Val707S.ポンベpombe)DNAポリメラーゼIII(デルタ) Val681-Val686 熱帯熱マラリアDNAポリメラーゼ(デルタ) Ile692-Val697S.セレビジエcerevisiae)DNAポリメラーゼII (イプシロン) Val82-Phe830S.セレビジエcerevisiae)DNAポリメラーゼRev3 Leu1087-Thr1092 単純ヘルペスウイルス タイプ1 DNAポリメラーゼ Val812-Val817 エキンヘルプスウイルス タイプ1 DNAポリメラーゼ Val813-Val818 水痘帯状ヘルペスウイルス DNAポリメラーゼ Val776-Val781 エプスタイン−バールウイルス DNAポリメラーゼ Cys682-Val687 ヘルペスウイルス サイミリ DNAポリメラーゼ Val671-Val676 ヒトサイトメガロウイルス DNAポリメラーゼ Val811-Phe816 マウスサイトメガロウイルス DNAポリメラーゼ Val717-Phe722 ヒトヘルペスウイルス タイプ6 DNAポリメラーゼ Ile667-Val672 湖水ナマズウイルス DNAポリメラーゼ Ile750-His755 クロレラウイルス DNAポリメラーゼ Ile586-Val591 鶏頭ウイルス DNAポリメラーゼ Ile648-Vai653 ワクシニアウイルス DNAポリメラーゼ Ile637-Val642コリストニューラ ビエニスChoristoneura biennis) DNAポリメラーゼ Ile669-Leu674オートグラファ カリホルニカAutographa californica) 核多面化ウイルス(AcMNPV)DNAポリメラーゼ Arg606-Ile611 マイマイガ核多面化ウイルスDNAポリメラーゼ Arg624-Ile629 アデノウイルスー2DNAポリメラーゼ Leu696-Leu701 アデノウイルスー7DNAポリメラーゼ Leu762-Leu767 アデノウイルスー12DNAポリメラーゼ Leu694-Leu699 S−1トウモロコシDNAポリメラーゼ Leu618-Leu623カリオ ニューロスポラ インターメジアKalio neurospora intermedia)DNAポリメラーゼ Leu776-Leu777 pAI2アスコボラス イマーサスAscobolus immersus) DNAポリメラーゼ Leu951-leu956 pCLK1 クラビセプス プルプレアClaviceps purpurea) DNAポリメラーゼ Leu831-Leu836マランハル ニューロスポラ クラッサMaranhar neurospora crassa) DNAポリメラーゼ Leu752-Leu757 pEM アガリカス ビトルキスAgricus bitorquis) DNAポリメラーゼ Leu573-Leu578 pGKL1 クライベロマイセス ラクチスKluyveromyces lactis) DNAポリメラーゼ Ile785-Leu790 pGKL2 クライベロマイセス ラクチスKluyveromyces lactis) DNAポリメラーゼ Ile770-Gly776 pSKL サッカロマイセス クライベリSaccaromyces kluyveri) DNAポリメラーゼ Ile775-Gly781 上述のポリメラーゼのうち代表的なものについて、対応
する位置のアミノ酸残基を以下に示す。
【0092】
【表5】 生物 遺伝子バンク 部分配列 * Thermus aquaticus D32013 RRAAKTINFGVLYG Streptococcus pneumoniae J04479 RRNAKAVNFGVVYG Bacillus stearothermophilus L42111 RRQAKAVNFGIVYG Bacillus caldotenax D12982 RRQAKAVNFGIVYG Deinococcus radiodurans L14581 RRAAKTVNFGVLYG Thermus thermophilus D28878 RRAAKTVNFGVLYG Thermus flavus X66105 RRAAKTINFGVLYG Phage SPO1 M84415 RTASKKIQFGIVYQ Phage SPO2 X01458,K02752 RQKGKVAELALGYQ *
【0093】
【実施例】以下は種々のポリメラーゼの連続移動性およ
びサイクル時間を決定するための方法の実施例である。
また、ポリメラーゼによる判別レベルを決定するための
実施例および本発明に有用なその他の方法が提供されて
いる。
【0094】実施例1.DNAポリメラーゼ遺伝子の突
然変異誘発および突然変異体DNAポリメラーゼの過剰
産生 突然変異体DNAポリメラーゼ遺伝子のクローニングお
よび発現には標準的な技術が使用された。大腸菌DNA
ポリメラーゼIの大フラグメント(クレノー断片)およ
びTaq DNAポリメラーゼの大フラグメント(Kl
enTaqまたは_Taq DNAポリメラーゼ、Barn
es, 112 Gene 29,1992参照、またはStoffel断片、Lawy
er et al, 2 PCR Methods Appl 275, 1993参照)、大腸
菌DNAポリメラーゼIおよびTaq DNAポリメラ
ーゼにおける突然変異体発生のための出発材料はT7
RNAポリメラーゼプロモーターの制御の下で発現され
た。T7 DNAポリメラーゼの突然変異体のための出
発材料であるT7 DNAポリメラーゼの_28アミノ
酸欠失のための遺伝子(TaborおよびRichardson 264,
J. Biol. Chem. 6447, 1989参照)はlacプロモータ
ーの制御下、T7 DNAポリメラーゼによる連続移動
的DNA合成に必要な因子である大腸菌チオレドキシン
(TaborおよびRichardson、上記文献)を産生する株中
で発現された。Taq DNAポリメラーゼ突然変異体
F667Yのための遺伝子はPCRおよび制限消化に続
いての連結を用いる標準的技術により_Taq DNA
ポリメラーゼを産生する遺伝子から完全長Taq DN
Aポリメラーゼを産生する遺伝子に移された。
【0095】突然変異体DNAポリメラーゼを作製する
ための突然変異発生はSarkarおよびSommer 8 Bio Techn
iques 404,1990により記載されている方法に類似したP
CRによる標準突然変異発生技術を用いて実施された。
4より多いのアミノ酸残基が交換されているハイブリッ
ドを作製するためには、2つのハイブリッドプライマー
が作製され、それによりPCRが最初に供与体DNA上
で実施され、続いてその生成物がハイブリッド分子を発
生する受容体DNA上でのPCRに使用された。領域の
交換が4アミノ酸またはそれ未満のハイブリッドの作製
には、移されるべき全領域ならびに受容体の適当なフラ
ンキング配列を含む単一のPCRプライマーが合成さ
れ、そのプライマーが直接ハイブリッド分子の作製に使
用される。
【0096】突然変異体DNAポリメラーゼの過剰産生
は標準技術を用いて実施された(例えば、Current Prot
ocols in Molecular Biology,Ausubel et al,eds.,16
章,1994参照)。突然変異体蛋白質はイオン交換クロマ
トグラフィーを含む常法により精製された。大腸菌DN
AポリメラーゼI突然変異体の精製には、例えばJoyce
およびGrindley 80 Proc. Natl. Acad. Sci. 1830, 198
3を参照されたい。Taq DNAポリメラーゼ突然変
異体の精製には、例えばEngelke et al.191 Anal ytical
Biochemistry 396, 1990を参照されたい。T7 DNA
ポリメラーゼ突然変異体の精製には、例えばTaborおよ
びRichardson 264, J. Biol. Chem. 6447,1989を参照さ
れたい。各々の精製された突然変異体蛋白質のポリメラ
ーゼ特異的活性はこれらの引例に記載されている標準法
により決定された。
【0097】実施例2.デオキシヌクレオチドに比較し
てジデオキシヌクレオチドの取り込み効率が改良された
突然変異体のためのDNAポリメラーゼの迅速なスクリ
ーニング SDS活性ゲル分析により突然変異体DNAポリメラー
ゼのジデオキシヌクレオチド取り込み能力がスクリーニ
ングされた。方法はSpanosおよびHubscher 91Methods i
n Enzymology 263, 1983およびKarawya et al. 135 Ana
lytical Bioch emistry 318, 1983により記載されている
方法を改良したものである。簡単に記すと、10mlの細胞
が4から6時間誘導されその後ペレット化される。細胞
ペレットを0.3ml 25mM トリスHCl,pH7.0,5mM EDT
Aに懸濁する。20μlの再懸濁化された細胞を1%SDS
(ドデシル硫酸ナトリウム)、2%メルカプトエタノー
ル、30%グリセロール、0.04%ブロモフェノールブルーお
よび100mMトリスHCl,pH6.8を含む溶液40μlと混合す
る。混合物を37℃で5分間インキュべートし、その2
0μlずつを二重に二つのSDSポリアクリルアミドゲ
ル上にのせる。SDSポリアクリルアミドゲルは、8%ポ
リアクリルアミド、0.27%ビスアクリルアミド、190mMト
リスHCl、pH8.8、0.05%SDS、および25μg/ml変性
サケ精子DNAを含む分解用ゲルおよび5%ポリアクリル
アミド、0.17%ビスアクリルアミド、150mMトリスHC
l、pH6.8、および0.1%SDSを含む濃縮用ゲルからな
っている。二つのゲルは190mMトリスHCl、pH8.8およ
び0.05%SDSからなる電気泳動緩衝液中、13℃の一
定温度にて100Vで13時間電気泳動する。
【0098】電気泳動後、4℃にて8時間以上かけ、そ
の間各々500mlの復元緩衝液(50mMトリスHCl,pH7.
5、5mM酢酸マグネシウム、1mMジチオスレイトール、40m
MKCl、400gμ/mlウシ血清アルブミン、16%グリセロ
ールおよび0.95mMEDTA)を4回交換して洗浄する。
【0099】復元蛋白質は6mlの復元緩衝液、1.5μMの
4dNTP、4μlの[a−32P]dATP(800Ci/ミ
リモル、10mCi/ml)および80μgの精製チオレドキシン
中、二つのゲルの各々をインキュベートすることにより
DNAポリメラーゼ活性がアッセイされる。混合物の一
つはまた30μMのddTTP(dTTPに対して20倍
モル過剰)も含む。混合物は37℃で4時間インキュベ
ートした(好熱性DNAポリメラーゼに対しては70℃
で2時間)。
【0100】インキュベーション後、ゲルを5%トリクロ
ロ酢酸および1%ピロリン酸ナトリウムを4回交換して8
時間洗浄した。次にゲルを乾燥しオートラジオグラフィ
ーを行った。
【0101】ddTTPに対する突然変異体DNAポリ
メラーゼの判別が上がったかまたは下がったかを決定す
るために、ddTTP存在下または非存在下でインキュ
ベーションを行った二つのゲル上の放射活性バンドの強
度を比較し、非修飾DNAポリメラーゼの二つのバンド
の信号の比が各々の突然変異体の二つのバンドの信号の
比と比較された。もし突然変異でDNAポリメラーゼの
ddTTPに対する判別が悪くなっていたら、非修飾D
NAポリメラーゼに比較して突然変異体DNAポリメラ
ーゼのddTTPが存在するバンドの放射活性の大きな
比率の低下があるであろう。例えばこれらの条件下dd
TTP存在下または非存在下で実施される反応におい
て、誘導された大腸菌DNAポリメラーゼIまたはT7
DNAポリメラーゼ突然変異体Y526Fを含む細胞
で観察された放射活性バンドはほとんど同じ強度(2倍
以内)である。対照的に、誘導された大腸菌DNAポリ
メラーゼI突然変異体F726YまたはT7 DNAポ
リメラーゼ含有細胞では、ddTTP存在下で実施され
た反応のゲル上のバンドはddTTP非存在下で実施さ
れた反応での対応するバンドの強度の5%未満であっ
た。
【0102】このアッセイはジデオキシヌクレオチドの
判別能力を多数のDNAポリメラーゼ突然変異体につい
てスクリーニングする迅速な方法として示されている。
判別の相対的速度の少なくとも5倍の変化を検出でき
る。しかしながら、このアッセイの後興味を引く可能性
のある突然変異体DNAポリメラーゼの精製、および各
々の突然変異体のジデオキシヌクレオチドの判別に対す
る影響を正確に決定するために以下に記載したような精
製蛋白質のより厳密なアッセイで追試を行わなければな
らない。
【0103】以下の実施例は、種々のポリメラーゼに対
する連続移動性およびサイクル時間の決定法、ポリメラ
ーゼによるddNTPに対する判別レベルの決定法、D
NAシークエンシングゲル上のジデオキシ停止断片によ
り発生したバンドの均一性の決定法およびDNA配列分
析における本発明のDNAポリメラーゼの使用法であ
る。
【0104】実施例3.一本鎖M13 DNA−5’32
P−標識40−merプライマー複合体の製造と精製 テンプレートは米国特許第4,795,699号に記載されてい
るような9950の長さのヌクレオチド、M13 mG
P1−2一本鎖DNAである(図9)。ファージM13
mGP1−2はATCCに第40303号として寄託され
ている。M13mGP1−2一本鎖DNAはTabor et a
l.,262 J.Biol.Chem. 16212,1987に記載されているごと
く精製された。簡単に記すと、ファージは2回のCsC
l濃度勾配遠心分離により精製され、CsClを透析に
より除去し、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム存在下でフェ
ノールおよびクロロホルムによりファージからDNAを
除去し、抽出されたDNAは20mMトリスHCl,pH7.
5、2mMEDTAに対してよく透析し、4℃で貯蔵した。
M13 mGP1−2一本鎖DNAの濃度は8.1A2 60
位=1mg/mlまたはマイクロリットル当たり0.3ピコモル
M13 mGP1−2テンプレートの吸光係数を用いて
分光測定により決定される。
【0105】プライマーは常法により合成された配列5'
d(TTTTCCCAGTCACGACGTTGTAAAACGACGGCCAGTGCCA)3'を持
つ合成40−merである。これはM13 mGP1−
2DNAのヌクレオチド9031から8992と相補的
である(配列は上記特許'699参照)。プライマーは末端
標識に先立ってイオン交換クロマトグラフィーまたは変
性ポリアクリルアミドゲル電気泳動により精製する。
【0106】プライマーは本質的にTabor et al(上記
文献)に記載されているごとく標識化されテンプレート
にアニールされる。プライマーは40mMトリスHCl,pH
7.5、10mMMgCl2、5mMジチオスレイトール、100mMN
aCl、50μg/mlBSA、50μCi[ g32P]ATP、6
000Ci/mmol、5ピコモルのプライマーおよびホスファタ
ーゼ活性を持たないPseT1突然変異体から調製され
た10単位のT4ポリヌクレオチドキナーゼを含む反応
混合物(15μl)中で5’末端標識された。混合物は3
7℃で15分、続いてキナーゼを不活性化するため70
℃で15分インキュベートする。60μlの一本鎖M13
mGP1−2DNA(0.25mg/ml)、6μlの1MNaCl
および3μlの0.2MMgCl2を加え、混合物は30分以
上かけて徐々に70℃から室温(約20−25℃)まで
冷却する。混合物は次にフェノールおよびクロロホルム
の1:1混合物で抽出し、マイクロ遠心機で30秒遠心
分離した後、水層(70μl)を20mMトリスHCl,pH7.
5、2mMEDTA、100mMNaCLで平衡化したセファロ
ースCL−6Bの1mlのカラムにのせる。標識プライマ
ー−テンプレート複合体は平衡化に用いたものと同じ緩
衝液でカラムから溶出される;標識化合物は空隙容量中
に溶出される。溶出後、複合体は約200,000cpm/μlの比
活性を有する約50μg/ml(μlあたり0.015ピコモ
ル分子)の濃度である。
【0107】実施例4.希釈試験によるDNAポリメラ
ーゼの連続移動性の決定 連続移動性は本質的にTabor et al(上記文献)およびT
aborおよびRichardson,84 Proc.Natl.Acad.Sci USA 476
7,1987に記載されている酵素希釈により決定された。反
応はDNAシークエンシングに使用された伸長/停止反
応と同一の条件で実施されたが(TaborおよびRichardso
n、上記文献)、ddNTPは除いてあり、およびいく
つかの反応ではポリメラーゼ分子より過剰のプライマー
−テンプレート分子を存在させるためポリメラーゼ濃度
が減らされている。プライマー−テンプレートは実施例
3に記載したような一本鎖M13DNAにアニールされ
た一つの5’末端標識プライマーから成っている。
【0108】伸長反応混合物は実質的にTabor et al
(上記文献)に記載されているように調製された。各々
の反応混合物(18μl)は1.0μlの実施例3に記載され
たようなアニールされた32P−標識プライマー−M13
DNA(〜0.015ピコモル、〜200,000cpm)、40mMトリ
スHCl,pH8.0、5mMMgCl2、5mMジチオスレイトー
ル、および300μM 4dNTPを含む。混合物は37℃
(好熱性DNAポリメラーゼでは70℃)で1分間イン
キュベートされた。反応は分析されるDNAポリメラー
ゼの希釈液(20mMトリスHCl,pH7.5、10mMメルカプト
エタノール、および0.05%ウシ血清アルブミンで希釈さ
れている)2μlを加えることにより開始された。反応混
合物はさらに37℃(好熱性DNAポリメラーゼでは7
0℃)で30秒かまたは3分間インキュベートされた。
指定時間に8μlを採り、変性ポリアクリルアミドゲル電
気泳動のためには8μlの90%ホルムアミド、20mM EDT
A、0.05%ブロムフェノールブルーかまたはアルカリ性
アガロースゲル電気泳動のためには2μlの100mM ED
TA、2%ドデシル硫酸ナトリウムに加えられた。
【0109】試料は変性ポリアクリルアミドゲル電気泳
動かまたはアルカリ性アガロースゲル電気泳動で分析さ
れる。変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動は平均連続
移動性が500ヌクレオチド未満のポリメラーゼの分析
に最も適しており、一方、アルカリ性アガロースゲル電
気泳動は500ヌクレオチドより大きい平均連続移動性
を持つDNAポリメラーゼの連続移動性のより感度のよ
い評価を与える;しかしながら、両方の方法とも任意の
DNAポリメラーゼの平均連続移動性の決定に十分使用
できる。
【0110】変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動によ
り連続移動性を決定するには、ホルムアミド中の試料を
90℃に2分間加熱し、直後に各々の試料の6μlを8%ポ
リアクリルアミド、0.4%N,N'-メチレンビスアクリルア
ミド、7M尿素を溶解した100mMトリスーホウ酸、pH8.3、1
mMEDTAからなるゲル上にのせる。電気泳動は2000V
で90分である(ブロムフェノールブルーがゲルのボト
ムをちょうど流出するまで)。また適した5’32P−末
端標識分子量マーカーもゲルにのせると、100から5
00の長さの断片の大きさの決定が可能である。そのよ
うな適したマーカーの例は、常法を用いてアルカリ性ホ
スファターゼで脱リン酸化され、次に[g−32P]AT
PおよびT4ポリヌクレオチドキナーゼを用いて5’32
P−末端標識されているT7 Hpal断片である(Sa
mbrook et al.,1989, Molecular Cloning ALaboratory
Manual, Cold Spring Harbor Laboratory,N.Y. pp.6.2
0-6.21およびAusubel et al.,1989,Current Protocols
in Molecular Biology,Greene Publishing Associates
and Wiley Interscience,N.Y.)。電気泳動後、真空下
ゲルを乾燥させオートラジオグラフィーを行う。オート
ラジオグラフィー後、放射活性標識断片の分布をホスホ
イメージャー分析(Molecular Dynamics)で決定する。
【0111】アルカリ性アガロースゲル電気泳動による
生成物は(1)Villani et al,.256 J. Biol.Chem.8202,198
1,(2)Sabatino et al.,27 Biochemistry 2998,1988 (3)
Sambrook,et al.(上記文献)に記載されているごとく
分析された。アガロースゲルの調製には1.5%アガロース
を含む2mM EDTA溶液、pH8.0(250ml)を電子レンジ
中で加熱してアガロースを溶解させた後放置して60℃
に冷却する。8.75mlの1N NaOH(最終濃度35mMのN
aOH)を加え、そのゲルをアガロースゲル電気泳動流
し型に注ぐ。ゲルは使用2時間前に準備する。電気泳動
緩衝液は35mMNaOHおよび2mM EDTAである。上に
記載したような10μlの試料(20mM EDTA、0.4%ドデ
シル硫酸ナトリウム)に1μlの1N NaOHを加え60
℃で10分間加熱する事により変性させて電気泳動試料
を調製する。各々の試料に7μlの75%グリセロール、0.2
%ブルモクレゾールグリーンを加えた後試料をアルカリ
性アガロースゲル上にのせる。電気泳動は4℃にて150m
Aの一定電流で15時間実施する(ブロモクレゾールグ
リーンが約14cm移動するまで)。電気泳動チャンバーは
26cm(長さ)x20cm(幅)x2cm(高さ)である。電気泳
動後、ゲルを10%トリクロロ酢酸に2時間浸し、真空下
乾燥後オートラジオグラフィーを行う。オートラジオグ
ラフィー後、放射活性標識断片の分布をホスホイメージ
ャー分析(Molecular Dynamics)で決定する。
【0112】DNAポリメラーゼの連続移動性を試験す
るため、プライマーの部分のみが(例えば25%)伸長さ
れるが大多数(例えば75%)は未変化で残るまで反応混
合物中のそのポリメラーゼ濃度を2倍ずつ希釈する(4
0ヌクレオチドの長さ)。これらの条件下DNAポリメ
ラーゼ濃度の2倍の増加または減少は伸長されるプライ
マーの分画の約2倍の増加または減少を生じるはずであ
る。伸長された標識断片の平均の長さはオートラジオグ
ラフの視覚的検査またはホスホイメージャーを用いる定
量により決定される。例えばこの試験を用い、その連続
移動因子チオレドキシンと複合体化されているエキソヌ
クレアーゼ欠損T7 DNAポリメラーゼ(例えば、SE
QUENASE Version2、United States Biochemical Corpor
etion)は500ヌクレオチドより大きな平均連続移動
性を持っているが、大腸菌DNAポリメラーゼIのクレ
ノー断片は50ヌクレオチド未満の連続移動性しか持っ
ていない事が示された。
【0113】実施例5.DNAポリメラーゼのサイクル
速度の決定 サイクルの速度は本質的にTabor et al(上記文献)に
記載されているごとく決定された。反応はDNAシーク
エンシングに使用された伸長/停止反応と同一の条件で
実施されたが(TaborおよびRichardson、上記文献)、
ddNTPは除いてあり、およびいくつかの反応ではポ
リメラーゼ分子より過剰のプライマー−テンプレート分
子を存在させるためポリメラーゼ濃度が減らされてい
る。プライマー−テンプレートは実施例3に記載したよ
うな一本鎖M13DNAにアニールされた一つの5’末
端標識プライマーから成っている。
【0114】最初に例えば大腸菌DNAポリメラーゼI
の大フラグメント(クレノー断片)を用いてポリメラー
ゼ分子に対するプライマー−テンプレート分子の機能的
割合を決定するための試験が実施される。10秒で標識
プライマー−テンプレート分子の20%を伸長させるの
に必要なポリメラーゼ分子の濃度を決定するため、実施
例4に記載したごとく希釈実験が実施される。プライマ
ー−テンプレートに対するポリメラーゼのこの割合は
1:5に等しいかまたはそれ未満であるように規定され
ており、以下のようにポリメラーゼのサイクルの最大速
度の決定に使用される。
【0115】前の節に規定したように1:5に等しいか
またはそれ未満であるプライマー−テンプレートに対す
るポリメラーゼの比を用いて実施例4に記載したように
伸長反応が実施される。反応は試験されるポリメラーゼ
に最適な条件下(すなわち、緩衝液、pH、塩、温度)
実施される。10秒、20秒、40秒および80秒後に
一部を採取し、反応を停止させて実施例4に記載したよ
うに生成物を分析した。大腸菌DNAポリメラーゼIの
大フラグメントのように低い連続移動性(100ヌクレ
オチド未満)を持つDNAポリメラーゼにおいて、試料
は好適には変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動により
分析された。T7 DNAポリメラーゼのように高い連
続移動性(100ヌクレオチド以上)を持つDNAポリ
メラーゼにおいて、試料は好適にはアルカリ性アガロー
スゲル電気泳動により分析された。電気泳動後、ゲルを
真空下乾燥させオートラジオグラフィーまたはホスホイ
メージャーで分析した。
【0116】T7 DNAポリメラーゼのように非常に
ゆっくりとサイクルするポリメラーゼで反応を実施する
場合、10秒および80秒の間で伸長されなっかたプラ
イマーの数に有意な減少(すなわち、2倍未満)はなか
った。それ故、10秒および80秒の時点の間に非伸長
標識プライマーの数が2倍以上減少しないならば、DN
Aポリメラーゼは70秒に1度より遅くサイクルしてい
る。急速にサイクルするポリメラーゼに対しては10秒
および80秒の時点の間で非伸長プライマーの数が著し
い割合で(すなわち2倍以上)で減少するであろう。こ
れらのポリメラーゼのサイクルの速度を決定するため、
以下の方程式が使用される: R=N1xL(t2)/{L(t1)x(t2−t1)} 式中: R=サイクルの最小速度(秒当たりのサイクル); N1=機能的DNAポリメラーゼ分子に対するプライマ
ー−テンプレート分子の比(上記の実施例ではN1
5); L(t1)=試験されているDNAポリメラーゼの最大
連続移動性(ヌクレオチド)。実施例3に記載したごと
くDNAポリメラーゼを制限した条件下(10秒の時点
でプライマーの20%のみしか伸長されない)標識プラ
イマーから伸長されるヌクレオチドの最大数として定義
される; L(t2)=時間t2(この実施例では80秒)での標識
プライマーの伸長の最大長(ヌクレオチド); t1=試料の一部が採取される最も短い時間、またはこ
の実施例では10秒; t2=試料の一部を採取する前に反応が進行させられる
最も長い時間、またはこの実施例では80秒。
【0117】この試験が大腸菌DNAポリメラーゼIの
大フラグメントについて実施された場合、秒当たり0.
2サイクルより大きい値が得られた。
【0118】実施例6および7は一本鎖M13DNAテ
ンプレートにアニールされた一つの5’32P標識40−
merプライマーおよびゲル電気泳動に基づいた分析を用
いる未知のDNAポリメラーゼについてジデオキシヌク
レオチドの取り込みの効率を決定するための試験法を提
供する。実施例6はジデオキシヌクレオチドを効率的に
取り込むDNAポリメラーゼ(例えば、野生型T7 D
NAポリメラーゼおよびTaq DNAポリメラーゼF
667Y)に最適であり、一方、実施例7はジデオキシ
ヌクレオチドの取り込みを強く判別するDNAポリメラ
ーゼ(例えば、T7 DNAポリメラーゼY526Fお
よび野生型Taq DNAポリメラーゼ)に最適であ
る。
【0119】実施例6.1:1のdNTPとddNTP
の比を用いるデオキシヌクレオチドと比較したジデオキ
シヌクレオチドの取り込み速度のゲル電気泳動による決
この試験の最初の応用はT7 DNAポリメラーゼ、大
腸菌DNAポリメラーゼI突然変異体F762Yまたは
Taq DNAポリメラーゼ突然変異体F667Yのよ
うにジデオキシヌクレオチドを効率的に取り込むDNA
ポリメラーゼにおいてのdNTPに対するddNTPの
取り込みの絶対的な比の決定である。任意のDNAポリ
メラーゼのddNTPに対する判別の程度を示す事もで
きる;しかしながら、T7 DNAポリメラーゼ突然変
異体Y526F、大腸菌DNAポリメラーゼIまたはT
aq DNAポリメラーゼのようにddNTPを強く判
別するDNAポリメラーゼに対しては判別の程度を正確
に決定するにはdNTPに対して高い比率のddNTP
が必要であり、それは実施例7に詳細に記載されてい
る。
【0120】DNA合成反応は実施例3に記載したごと
く調製された32P−末端標識40mer−M13mGP1
−2 DNAテンプレート複合体で実施される。反応の
緩衝液、pH、塩および温度に関しては、試験されてい
るDNAポリメラーゼに最適な反応条件が使用された。
DNAポリメラーゼ濃度は10分の反応でプライマーの
ほとんどが伸長され、およびジデオキシヌクレオチドの
取り込みにより停止されるように選択された。反応混合
物は100μMの4dNTPおよび100μMの4つの
ddNTPの内の1つを含む。
【0121】4つのddNTPの各々を取り込む6つの
DNAポリメラーゼの能力を比較するためにこの試験を
使用した。試験されたDNAポリメラーゼは(1)エキ
ソヌクレアーゼ領域に28アミノ酸が欠損し、およびチ
オレドキシンと1対1の比で複合体を形成しているT7
DNAポリメラーゼ(TaborおよびRichardson 264J.B
iol.Chem. 6447,1989)(”T7 DNAポリメラー
ゼ”とここで称されている)、(2)大腸菌DNAポリ
メラーゼIの大フラグメント、通常クレノー断片と呼ば
れている(”大腸菌DNAポリメラーゼI”とここで称
されている)、(3)テルムス アクアチカスThermu
s aquaticus)からの非修飾DNAポリメラーゼ(”T
aq DNAポリメラーゼ”とここで称されている)、
(4)残基526のチロシンがフェニルアラニンに変換
されている前記のT7 DNAポリメラーゼ(”T7
DNAポリメラーゼY526F”とここで称されてい
る)、(5)残基762のフェニルアラニンがチロシン
に変換されている上記の大腸菌DNAポリメラーゼ
I(”大腸菌DNAポリメラーゼI F762Y”とこ
こで称されている)および(6) 残基667のフェニ
ルアラニンがチロシンに変換されている上記のTaq
DNAポリメラーゼ(”Taq DNAポリメラーゼF
667Y”とここで称されている)である。
【0122】対応するdNTPと比較した4つのddN
TPの各々の使用の相対速度を上に示したDNAポリメ
ラーゼについて試験するために、反応混合物(8μl)
には1.0μlの実施例3に記載されたようなアニールされ
32P−標識プライマー−M13 DNA(〜0.015ピ
コモル、〜200,000cpm)、40mMトリスHCl,pH8.0、5m
MMgCl2、5mMジチオスレイトール、50mM NaCl、
100μM 4dNTP、および100μM ddCTPが含まれ
ている。反応混合物にはまた、DNAポリメラーゼによ
る明かな判別を増加させるであろう加ピロリン酸分解
(pyrophosphorolysis,TaborおよびRichardson 265 J.
Biol.Chem. 8322,1990)を阻害するために10ngの酵母無
機ピロホスファターゼが含まれている。20mMトリスHC
l,pH7.5、10mM2−メルカプトエタノール、および0.05
%ウシ血清アルブミンに希釈した約0.025単位/μlの濃
度までの各々のDNAポリメラーゼ2μlの添加により反
応が開始された。各々のDNAポリメラーゼの濃度は、
15分の反応でddNTP非存在下、標識プライマーの
ほとんどを500ヌクレオチドより長く伸長するのに十
分であった。反応混合物は37℃(T7 DNAポリメ
ラーゼ、T7 DNAポリメラーゼY526F、大腸菌
DNAポリメラーゼIおよび大腸菌DNAポリメラーゼ
I F762Y)または70℃(Taq DNAポリメ
ラーゼおよびTaq DNAポリメラーゼF667Y)
で15分インキュベートされた。反応は10μlの90%ホル
ムアミド、20mM EDTA、0.05%ブロモフェノールブル
ーの添加により停止させた。ゲルにのせる直前に試料を
90℃で2分間加熱し、各々の試料の6μlを8%ポリアク
リルアミド、0.4% N,N’−メチレンビスアクリルア
ミド、7M尿素を含む100mMトリスーホウ酸,pH8.3、1mM
EDTAから成るゲル上にのせる。電気泳動は2000Vで
90分であった(ブロムフェノールブルーがゲルのボト
ムをちょうど流出するまで)。電気泳動後、真空下ゲル
を乾燥させオートラジオグラフィーを行う。オートラジ
オグラフィー後、放射活性標識断片の分布をホスホロイ
メージャー分析(Molecular Dynamics)で決定する。も
しくは、ジデオキシ停止バンドの相対的強度がSciScan
5000イメージングデンシトメーター(United States Bi
ochemical Corp)のような装置を用いてオートラジオグ
ラムを走査することにより決定できるであろう。
【0123】四つの反応の組が(各々はdNTPと当モ
ル濃度の単一のddNTPを含む)上記の六つのDNA
ポリメラーゼの各々と実施された場合、DNAポリメラ
ーゼの三つとの反応(T7 DNAポリメラーゼY52
6F、大腸菌DNAポリメラーゼIおよびTaq DN
Aポリメラーゼ)の結果では伸長されたプライマーの放
射活性のほとんど(>50%)がゲルの先端まで(30
0塩基より長い断片に対応する)移動した。断片の大き
さの増加にともなう信号の予想される指数関数的減衰に
基づくと、このことはこれら三つのDNAポリメラーゼ
による判別は四つ全てのddNTPに対して100倍よ
り大きかったことに対応する。これら三つのDNAポリ
メラーゼによるddNTPに対する判別の正確な測定は
下記実施例7の試験を用いて得られる。
【0124】他の三つのDNAポリメラーゼ(T7 D
NAポリメラーゼ、大腸菌DNAポリメラーゼI F7
62YおよびTaq DNAポリメラーゼF667Y)
におけるオートラジオグラムは全ての反応において一連
のジデオキシ停止断片を示した。一般に、標識合成断片
の平均の長さはTaq DNAポリメラーゼF667Y
が最も低く、フィルムに数日暴露しても約六つの放射活
性標識ジデオキシ停止断片しか認められなかった。大腸
菌DNAポリメラーゼI F762Yによる標識断片の
平均の長さはTaq DNAポリメラーゼF667Yに
よるものよりもわずかに長く、T7 DNAポリメラー
ゼよりも著しく長かった。T7 DNAポリメラーゼに
より合成された場合より大腸菌DNAポリメラーゼI
F762YおよびTaq DNAポリメラーゼF667
Yにより合成された場合の方が断片はより均一の強度で
あった。
【0125】断片中の放射活性の分布はホスホイメージ
ャー分析(Molecular Dynamics)により定量された。各
々のレーンの標識プライマーの総量はDNAポリメラー
ゼが存在していない三つの対照反応を行うことにより決
定され、非伸長プライマーの位置のゲル上の各々の対応
する放射活性バンドの放射活性が決定された。放射活性
標識プライマーのいくつかの調製試料では、あるパーセ
ント(<10%)は使用されたDNAポリメラーゼの濃
度に無関係にどんなDNAポリメラーゼによっても伸長
されなかった;このバックグラウンドレベルはddNT
Pを含む一連の四つの反応の非伸長プライマーの位置に
残っている放射活性のパーセントを測定し、先に決定さ
れたカウント総数からこれらの4つの値の平均を差し引
くことにより決定される。この値はDNAポリメラーゼ
により伸長され得るプライマーのカウント総数として定
義される。
【0126】最初の三つのジデオキシ停止断片のカウン
ト総数(すなわち、放射活性)が4つのddNTPの各
々に対しT7 DNAポリメラーゼ、大腸菌DNAポリ
メラーゼI F762YおよびTaq DNAポリメラ
ーゼF667Yについて決定された。値はDNAポリメ
ラーゼにより伸長され得るプライマーのカウント総数に
対する最初の三つのジデオキシ停止断片のカウント数の
パーセントとして下記の表に示されている。
【0127】
【表6】 ポリメラーゼ反応 ddGTP ddATP ddTTP ddCTP T7 DNA ポリメラーゼ 67% 66% 76% 61% 大腸菌 DNA ポリメラーゼ I F762Y 95% 92% 96% 92% Taq DNA ポリメラーゼ F667Y 97% 95% 95% 99% ジデオキシヌクレオチドを取り込む各々のDNAポリメ
ラーゼの効率のさらに別の試験として、有意の信号を持
つ各々の断片中のカウント数が各々の反応に対して決定
され、データがマッキントッシュプログラムKaleidogra
ph 3.0版(Synergy Software)を用いて断片数の関数と
してプロットされた。得られたプロットはKaleidograph
ライブラリールーチンを用いて指数関数的減衰曲線に適
合された。減衰曲線は下記の方程式で与えられる: Y=eMX 式中: Y=1−(伸長可能なプライマーの総数と比較した断片
1からX中の標識プライマーの分画) X=断片数(第一のジデオキシ停止断片が1である) M=データに対しKaleidographライブラリールーチンに
より計算させた指数関数的減衰関数。
【0128】下記の表においてT7 DNAポリメラー
ゼ、大腸菌DNAポリメラーゼIF762YおよびTa
q DNAポリメラーゼF667Yを用いる4つのdd
NTP反応の各々について以下のデータが提供される: N、各々の指数関数曲線への適合に使用された断片の数 M、上記のように計算された指数関数的減衰関数 D、特定のdNTPの使用を対応するddNTPの使用
に対する比として与えられた判別因子(両方のヌクレオ
チドが等しい濃度で存在するとき)。DはX=1の時の
Yを決定するためのMの計算値を用いて上記の式から計
算され、ddNTPに対してdNTPを優先する比をY
/(1−Y)としてDが定義される。
【0129】R2、データの相関指数、Kaleidographラ
イブラリールーチンにより計算される。これはバンド強
度の変異性、または特定のジデオキシヌクレオチドを取
り込むDNAポリメラーゼの能力の配列特異的変異性を
評価するものである。
【0130】
【表7】 ポリメラーゼ ddNTP N M D R2 T7 DNA ddGTP 8 -0.375 2.2 0.813 ポリメラーゼ ddATP 6 -0,356 2.3 0.996 ddTTP 5 -0.450 1.8 0.997 ddCTP 8 -0.317 2.7 0.889 大腸菌DNA ddGTP 5 -1.03 0.56 0.999 ポリメラーゼI ddATP 5 -0.860 0.72 0.998 F762Y ddTTP 5 -1.06 0.54 1.000 ddCTP 6 -0.842 0.75 1.000 Taq DNA ddGTP 5 -1.18 0.45 0.995 ポリメラーゼ ddATP 6 -0.997 0.59 0.997 F667Y ddTTP 6 -1.01 0.56 0.996 ddCTP 4 -1.44 0.32 0.996 平均値: T7 DNA 4 ddNTP 2.3 .924 ポリメラーゼ 大腸菌DNA 4 ddNTP 0.64 .999 ポリメラーゼ I F762Y Taq DNA 4 ddNTP 0.48 .996 ポリメラーゼ F667Y 要約すると、T7 DNAポリメラーゼはddNTPを
平均で2.3倍判別しており、一方、大腸菌DNAポリ
メラーゼI F762YおよびTaq DNAポリメラ
ーゼF667Yは実際に各々平均で1.6倍(1/0.
64)および2.1倍(1/0.48)dNTPよりも
ddNTPを好んでいる。R2の比較は、T7 DNA
ポリメラーゼよりも大腸菌DNAポリメラーゼI F7
62YおよびTaq DNAポリメラーゼF667Yで
隣接する断片の強度がより均一であることを示してい
る。均一度のより正確な測定には、各々の位置での強度
の減衰を減少させるように各々の反応でddNTPを減
少させることにより(例えば5倍)、分析に多数の断片
を含ませることができる(実施例13参照)。
【0131】新規のDNAポリメラーゼによるddNT
Pに対する判別の量を決定するためには上に記載した反
応と類似の反応が実施されるであろうし、T7 DNA
ポリメラーゼ(SEQUENASE Version 2.0,United States
Biochemical Corporation)を用いて平行して同一の反
応が実施され、すべての反応が同一のゲルで分析され
る。新しいDNAポリメラーゼで得られたジデオキシ停
止バンドの分布をT7DNAポリメラーゼで得られたも
のと最初に比較することにより、新しいDNAポリメラ
ーゼがT7 DNAポリメラーゼより多くまたは少なく
ddNTPを判別するかが示されるであろう。例えば、
大腸菌DNAポリメラーゼI F762Yを用いたその
ような視覚的評価は、4ddNTPの各々との反応に対
し、大腸菌DNAポリメラーゼI F762Yを用いた
反応でのゲル上に見ることができる断片の数がT7 D
NAポリメラーゼを用いたものより少ない(および平均
の大きさが小さい)ことを示している。上記のように新
しいDNAポリメラーゼの指数関数的減衰因子(M)、
dNTPと相対的なddNTPの利用の平均相対速度
(D)、および強度の変異性(R2)を計算するために
前に記載した分析法に類似のより定量的な分析が実施で
きるであろう。
【0132】本試験で起こり得る複雑な問題は、Taq
DNAポリメラーゼに付随する5'から3'へのエキソヌ
クレアーゼ活性および大腸菌DNAポリメラーゼIおよ
び天然のT7 DNAポリメラーゼ(上記の実験で使用
された_28T7 DNAポリメラーゼ欠損突然変異体
ではない)に付随する3'から5'へのエキソヌクレアーゼ
活性のようにDNAポリメラーゼが付随するエキソヌク
レアーゼ活性を持っている場合である。5'から3'へのエ
キソヌクレアーゼ活性はプライマーの5'末端上の標識物
を除去でき検出される放射活性信号を減少させるので有
害である。この問題は反応混合物中のDNAポリメラー
ゼの量を減少させることにより部分的に避けることがで
きる。前の実施例において、0.025単位のTaq DN
Aポリメラーゼでは5'から3'へのエキソヌクレアーゼ活
性による明かな放射活性の損失無しに事実上すべてのプ
ライマーがジデオキシヌクレオチドの取り込みにより停
止されるまで伸長されているが、一方Taq DNAポ
リメラーゼ活性を40倍増加させると(または反応当た
り1単位)、プライマーの5'末端から事実上すべての32
Pが失われている。5'から3'へのエキソヌクレアーゼ活
性を持つDNAポリメラーゼの判別の程度を測定する別
の方法は実施例8−10に記載されたような異なるアッ
セイを使用することである。
【0133】3'から5'へのエキソヌクレアーゼ活性はD
NAポリメラーゼが実際に行うより以上にddNTPを
判別するようにするため、上記のアッセイを複雑化させ
る(例えば、TaborおよびRichardson,86 Proc.Natl.Aca
d.Sci.4076,1987参照)。これは一度ジデオキシヌクレ
オチドが取り込まれても、このエキソヌクレアーゼ活性
は優先的にジデオキシヌクレオチドを除去できるのでD
NA合成を続けることができその結果、断片の長さが増
加することになる。好適には、上記の試験でアッセイさ
れる酵素ではそのような3'から5'へのエキソヌクレアー
ゼ活性は失われている;修飾されたT7 DNAポリメ
ラーゼ(SEQUENASE,United States Biochemical Corpor
ation)、Taq DNAポリメラーゼ、エキソヌクレ
アーゼ欠損Vent(テルモコッカス リトラリスTh
ermococcus litoralis))DNAポリメラーゼ(New En
gland Biolabsカタログ番号257)、エキソヌクレアーゼ
欠損Deep Vent(ピロコッカスPyrococcus
GB−1)DNAポリメラーゼ(New England Biolabs
カタログ番号259)、エキソヌクレアーゼ欠損Pfu
ピロコッカス フリオサスPyrococcus furiosu
s))DNAポリメラーゼ(Stratageneカタログ番号600
163)およびエキソヌクレアーゼ欠損クレノー断片(大
腸菌DNAポリメラーゼI、United States Biochemica
l Corporationカタログ番号70057)がその例である。大
腸菌DNAポリメラーゼI(クレノー断片)などのいく
つかの例では3'から5'へのエキソヌクレアーゼ活性は弱
く、本アッセイを有意に妨害しない(TaborおよびRicha
rdson 264 J.Biol.Chem.6447,1989)。試験される新規
DNAポリメラーゼがddNTPの判別の正確な測定を
妨害する3'から5'へのエキソヌクレアーゼ活性を持って
いるかどうかを決定する一つの方法は、60分までの異
なる時点で試料の一部を採取して上記の実験を実施する
ことである。もし、ジデオキシ停止断片の大きさの分布
が時間とともに増加したら、そのような3'から5'へのエ
キソヌクレアーゼ活性がアッセイを妨害しているようで
あるし、もし断片の分布が時間で一定ならば、そのよう
な活性は有意な影響を与えていない。もし平均断片長が
時間とともに増加したら、より短いインキュベーション
時間を使用し、および/または時間がたっても断片の大
きさが一定に留まるような範囲までDNAポリメラーゼ
の濃度を減少させなければならない。
【0134】加ピロリン酸分解またはポリメラーゼの逆
の反応は3'から5'へのエキソヌクレアーゼ活性と同様の
効果を持つことができ、DNAポリメラーゼから鎖停止
ジデオキシヌクレオチドを除き断片の長さをさらに増加
させる(TaborおよびRichardson 265 J.Biol.Chem.832
2,1990参照)。この活性はDNA合成の間に蓄積されお
よび加ピロリン酸分解に必要な基質であるピロリン酸を
除くために反応混合物中にピロホファターゼを含ませる
ことにより容易に避けることができる。
【0135】実施例7.dNTPに対するddNTPの
比を変化させることによるデオキシヌクレオチドと比較
したジデオキシヌクレオチドの取り込み速度のゲル電気
泳動による決定 この実施例は実施例6に記載したものと類似している。
ジデオキシヌクレオチドの取り込みを強く判別するDN
Aポリメラーゼ(例えば、T7 DNAポリメラーゼY
526F、大腸菌DNAポリメラーゼIおよびTaq
DNAポリメラーゼ)に好適な試験法であるが、効率的
にddNTPを取り込むDNAポリメラーゼ(例えば、
T7 DNAポリメラーゼ、大腸菌DNAポリメラーゼ
I突然変異体 F762YおよびTaq DNAポリメ
ラーゼF667Y)についてもうまく適用できる。本試
験においては二つの異なるDNAポリメラーゼ調製試料
に対しdNTPとddNTPの比が変えられ(反応の他
の態様はすべて同一に保ちながら)、試験される二つの
DNAポリメラーゼにおいて同じような平均長の断片を
得るのに必要とされる比を決定するためにジデオキシ停
止放射活性標識化断片の分布が比較される。
【0136】一連の断片の平均の長さは二つの方法の内
の一つにより決定される。第一はddNMPを効率よく
取り込むDNAポリメラーゼに最適なものであり、一つ
のDNAポリメラーゼを用い、ddNTP:dNTPの
比を2倍ずつ変化させた一連の反応物を暴露させたオー
トラジオグラムを評価して観察できる最も大きな断片の
位置を決定し、第二のDNAポリメラーゼを用いた類似
の一連のものと比較して、二つのDNAポリメラーゼに
関して同じような大きさの断片を発生するために必要な
比を決定する。可視できる放射活性バンドの外観を印付
ける第一線の位置は通常比較的シャープであり、容易に
目で観察される。しかしながら、ホスホイメージャーを
用い、ゲルの先端から出発してゲルの下の方へ移動さ
せ、単位面積当たりあるしきい値の放射活性が存在する
各々のレーン中の位置を探し出すことによりそのような
位置をより正確に決定することも可能である。
【0137】いくつかのDNAポリメラーゼはジデオキ
シヌクレオチドの取り込みを非常に強く判別するので、
そのような場合は変性ポリアクリルアミドゲル上の最も
大きいジデオキシ停止断片の位置を明瞭に検出できるほ
ど十分なddNTPを反応液に加えるのが困難である。
そのようなDNAポリメラーゼに対しては、異なる系列
中のジデオキシ停止断片の長さを比較するためにアルカ
リ性アガロースゲル電気泳動を使用することができる。
もし変性ポリアクリルアミドゲルを用いるなら、次に同
じような平均長のジデオキシ停止断片の発生させるため
に必要とされる二つのDNAポリメラーゼのddNT
P:dNTPの比を決定する別の方法は、一つまたはい
くつかのバンドに焦点を合わせ試験されている二つのD
NAポリメラーゼに対しこれらの断片の放射活性の特定
のレベルを得るのに必要なddNTPとdNTPの比を
ホスホイメージャーにより分析して決定する。
【0138】これらの試験は実施例6に記載した六つの
DNAポリメラーゼを用いて実施された。反応条件はd
NTPおよびddNTPの濃度を除いて実施例6に記載
した条件と同一である。すべての反応混合物は10μlの
4dNTPを含む。四つのddNTPの各々の濃度は六
つのDNAポリメラーゼに対して以下の範囲で2倍ずつ
変化させた:T7 DNAポリメラーゼ、大腸菌DNA
ポリメラーゼI F762YおよびTaq DNAポリ
メラーゼF667Y、0.02μMから1μM、およびT7
DNAポリメラーゼY526F、大腸菌DNAポリメラ
ーゼIおよびTaq DNAポリメラーゼ100から2,000
μM。実施例6に記載したごとく反応が実施され、試料
は変性ポリアクリルアミドゲルにより分析された。ゲル
の乾燥、オートラジオグラフィーおよびホスホイメージ
ャーは実施例6に記載した通りである。下記の表はこの
実験の結果を要約している;T7 DNAポリメラー
ゼ、大腸菌DNAポリメラーゼI F762YおよびT
aq DNAポリメラーゼF667Yに示されている値
はdNTPとddNTPを1:1の比で使用して得られ
たジデオキシ停止断片の強度の指数関数的減衰の速度の
統計的分析により実施例6で得られた絶対比である。T
7 DNAポリメラーゼY526F、大腸菌DNAポリ
メラーゼIおよびTaq DNAポリメラーゼに対して
得られた値は各々T7 DNAポリメラーゼ、大腸菌D
NAポリメラーゼI F762YおよびTaq DNA
ポリメラーゼF667Yを用いて発生させた系列と同じ
ような平均長のジデオキシ停止断片の系列を発生させる
のに必要とされるddNTPとdNTPの比を決定する
ことにより得られた;すなわち、野生型および突然変異
体DNAポリメラーゼの各々の組に対しジデオキシ停止
断片の同じような分布を与えるddNTP:dNTP比
が決定された。強く判別する酵素(すなわち、決定的位
置にフェニルアラニンを含むもの)との反応で使用され
るddNTP:dNTP比を比較的非判別的な酵素(す
なわち、決定的位置にチロシンを含むもの)でジデオキ
シ停止断片の同じような分布を得るために使用されたd
dNTP:dNTP比で割ると、同じようなdNTPの
代わりにddNTPが使用されることにおける二つのD
NAポリメラーゼ間の効率の相違に対応する因子を与え
る。この因子は以下にT7 DNAポリメラーゼY52
6F、大腸菌DNAポリメラーゼIおよびTaq DN
Aポリメラーゼのために示された値を得るために各々T
7DNAポリメラーゼ、大腸菌DNAポリメラーゼI
F762YおよびTaqDNAポリメラーゼF667Y
で得られた絶対比が乗ぜられる。
【0139】
【表8】 ポリメラーゼ 取り込み速度比 dG/ddG dA/ddA dT/ddT dC/ddC T7 DNA ポリメラーゼ 3.2 3.3 2.8 3.7 T7 DNA ポリメラーゼY526F 6,400 7,300 8,400 11,000 大腸菌 DNA ポリメラーゼ I 140 720 1,100 250 大腸菌 DNA ポリメラーゼI F762Y 0.56 0.72 0.54 0.75 Taq DNA ポリメラーゼ 1,400 4,700 4,500 2,600 Taq DNA ポリメラーゼF667Y 0.45 0.59 0.56 0.32 下記の表はdNTPの代わりにddNTPを使用するこ
とに対して、T7 DNAポリメラーゼ、大腸菌DNA
ポリメラーゼIおよびTaq DNAポリメラーゼの決
定的選択性残基のフェニルアラニンの代わりにチロシン
に変えたことの影響を要約している。
【0140】
【表9】 残基 平均速度 dN/ddN ddNTPの使用 の改良 T7 DNA チロシン(WT) 3.0 3,000X ポリメラーゼ フェニルアラニン 8,000 大腸菌DNA フェニルアラニン(WT) 600 ポリメラーゼI チロシン 0.6 1,000X TaqDNA フェニルアラニン(WT) 3.000 ポリメラーゼ チロシン 0.5 6,000X 新規のDNAポリメラーゼの判別の程度の決定のために
この試験を使うには、最初に広い範囲のddNTPとd
NTPの比を用いて上記の反応が実施され、変性ポリア
クリルアミドゲル上のジデオキシ停止断片の分布が標準
(例えばT7DNAポリメラーゼ)のものと比較される
であろう。同じような平均の長さのDNA断片を持つレ
ーンと釣り合わせ、新規DNAポリメラーゼのddNT
P:dNTP比をT7 DNAポリメラーゼで使用され
た比で割るとT7 DNAポリメラーゼと相対的な新規
DNAポリメラーゼによるddNTPに対する判別の程
度が得られる。
【0141】DNAポリメラーゼの修飾がddNTPを
判別する能力を減少させた(すなわち、ジデオキシヌク
レオチドをより効率よく取り込む)かどうかを決定する
ために本試験を使用するには、同一の単位数の修飾およ
び非修飾DNAポリメラーゼが上記のddNTPとdN
TPをの種々の比で含む一連の反応で使用されるであろ
う。二つの酵素に対しddNTPとdNTPが同一の比
でジデオキシ停止断片の平均の長さが比較される。もし
修飾がDNAポリメラーゼがジデオキシヌクレオチドを
より効率よく取り込む結果を与えるなら、dNTP対d
dNTPが同じ比では非修飾DNAポリメラーゼを使用
した反応のジデオキシ停止断片の平均の長さに比較して
修飾DNAポリメラーゼを使用したものの方がより短い
であろうし、一方、もし修飾によりDNAポリメラーゼ
がddNTPをより判別するようになるなら修飾DNA
ポリメラーゼを用いた反応で平均の長さがより長くなる
であろう。
【0142】この試験はDNAポリメラーゼの修飾でd
dNTP類似体(例えば、蛍光標識を付けたddNT
P)を判別する能力が減少したかどうかを決定するため
にも使用できる。この試験は試験されている類似体の濃
度が解っていなくても可能である。この例として四つの
ダイデオキシターミネーター(DyeDeoxy Terminators、
Applied Biosystemsにより製造されている、部品番号40
1150)の各々の使用におけるTaq DNAポリメラー
ゼおよびTaq DNAポリメラーゼF667Yの能力
を比較した。これらのダイデオキシターミネーターは四
つのddNTPの各々に共有結合で結合された四つの異
なる蛍光発色団を持っている(より詳細には実施例12
参照)。四つのダイデオキシターミネーターの各々に対
し、ダイデオキシターミネーターに対するdNTPの比
を2倍づつ16000倍の範囲に渡って変化させ、ジデ
オキシ停止断片の同一の平均の長さが得られる二つの酵
素の各々に必要とされる比を決定するためオートラジオ
グラムのジデオキシ停止断片のパターンを比較する。下
記の表はこれらの結果を要約している。各々のターミネ
ーターにおいて”比”と記されている欄は、Taq D
NAポリメラーゼ対Taq DNAポリメラーゼF66
7Yで同一の平均の長さの断片を与えるのに必要とされ
るdNTPに対するddNTPの比を表している。通常
のddNTPのごとく、Taq DNAポリメラーゼF
667Yは非修飾Taq DNAポリメラーゼが行うよ
りもより効率的に(少なくとも400倍)蛍光ddNT
P誘導体を取り込む。
【0143】
【表10】 ダイデオキシターミネーター 比 G ターミネーター >400 A ターミネーター >2,000 T ターミネーター >2,000 C ターミネーター >2,000 前に議論したように、使用しているDNAポリメラーゼ
が付随するエキソヌクレアーゼ活性を持っている場合、
この試験の使用において一つの複雑な問題が生じる。5'
から3'へのおよび3'から5'へのエキソヌクレアーゼが起
こす問題、およびそれらの影響を最小にする方法は実施
例6に議論されている。ポリメラーゼの修飾がジデオキ
シヌクレオチドを取り込むその能力を減少させるかどう
かを決定するための試験を行う場合、この効果を持つこ
とができる一組の突然変異体は正常では非常に活性な3'
から5'へのエキソヌクレアーゼ活性を不活性にするもの
である(例えば、TaborRichardson 84,Proc.Natl.Acad.
Sci.4767,1987参照)。この突然変異体の組は本特許で
は特許請求されていない。もしジデオキシヌクレオチド
を取り込むDNAポリメラーゼの能力の明かな増強を与
える修飾DNAポリメラーゼを持っているならば、それ
がポリメラーゼ領域にあるかまたはエキソヌクレアーゼ
領域にあるかを決定することが望まれ、それは酵素の修
飾型および非修飾型でエキソヌクレアーゼアッセイを実
施することが必要である;酵素のエキソヌクレアーゼ活
性に基本的に影響を及ぼす突然変異は酵素のポリメラー
ゼ活性よりもエキソヌクレアーゼ活性により大きな影響
を与えるであろう。好適には、32P−ddAMPで3’
末端が標識されたDNA基質でエキソヌクレアーゼ活性
が測定されるであろう(実施例21参照)。実施例6の
ように、DNAポリメラーゼによる見かけのddNTP
判別増加を避けるため、これらの反応における加ピロリ
ン酸分解を阻害することが重要である。これは反応にピ
ロホスファターゼを含ませることにより容易に達成され
る。
【0144】実施例8.一本鎖M13DNA−非標識4
0−merプライマー複合体上のDNA合成の阻害によ
るジデオキシヌクレオチドの取り込み効率の決定 本実施例においてはddNTPに対するDNAポリメラ
ーゼの感度が標準DNA合成反応を阻害する種々の濃度
でのddNTPの能力を測定することにより決定され
た。DNA合成アッセイはTaborおよびRichardson 264
J.Biol.Chem. 6447,1989に記載されている方法を改良し
たものである。40−merプライマーおよびM13m
GP1−2テンプレートは実施例3に記載した通りであ
る。2μgのM13mGP1−2DNA、6ピコモルのプ
ライマー(テンプレートに対し10倍モル過剰)、40mM
トリスHCl,pH8.0、10mM MgCl2、100mM NaCl
を含む反応混合物中で(1X=25μl)プライマーがM13
mGP1−2一本鎖DNAテンプレートにアニールされ
た。混合物は65℃で2分間インキュベートした後30
分以上かけて室温まで冷却した。標準反応混合物(45μ
l)は22mMトリスHCl,pH8.0、5.5mM MgCl2、55mM
NaCl、300μM dGTP、dATP、dCTPおよ
び[3H]TTP(30cpm/pmol)、および四つのddN
TPの一つまたは四つのddNTPすべてを含む。反応
混合物はまた、DNAポリメラーゼによる見かけの判別
の増加を起こす加ピロリン酸分解を阻害するために10ng
の酵母無機ピロホスファターゼも含む(TaborおよびRic
hardson 265 J.Biol.Chem. 8322,1990)。混合物は37
℃で1分間(好熱性DNAポリメラーゼでは70℃)イ
ンキュベートし、20mMトリスHCl,pH7.5、10mM 2−
メルカプトエタノールおよび0.05%ウシ血清アルブミン
に希釈した試験DNAポリメラーゼの希釈液(0.01から
1単位)の5μlを添加することにより反応を開始させ
た。反応混合物はさらに37℃で10分間(好熱性DN
Aポリメラーゼでは70℃)インキュベートする。5μl
の100mMEDTAの添加により反応を停止させ、45μlを
Whatman DE81フィルターディスク上へスポットする。デ
ィスクは150mlの0.3Mギ酸アンモニウム(pH8.0)で4
回、続いて100mMの90%エタノールで2回洗浄する(各々
5−10分)。次にディスクをランプ下で乾燥させ、5m
lのfluor(Opti-Fluor O,Packard)存在下シンチレーシ
ョンカウンターで計数する。各々のディスク上の放射活
性の量から全DNA合成量を計算する。
【0145】試験される特定のDNAポリメラーゼは上
に示唆した以外の最適の緩衝液、pH、塩または温度条
件を持っているであろう。各々のDNAポリメラーゼは
その酵素に最適の特異的ポリメラーゼ活性を与える条件
下で試験されなければならない。
【0146】DNAポリメラーゼの修飾がジデオキシヌ
クレオチドを判別する能力を減少させるかどうかを決定
するには、最初にddNTP非存在下、酵素の修飾およ
び非修飾型の両方で活性が酵素濃度とほとんど直線的に
変化するような範囲を決定するためDNAポリメラーゼ
濃度を変化させて一連の反応が実施される。酵素濃度は
酵素の両方の形に対しこの直線範囲にあるように選択さ
れる;例えば、約30%のテンプレートが10分で複製
されるような酵素濃度はそのような直線範囲に入ってい
るであろう。
【0147】適当な酵素濃度が選択されたら、DNA合
成の50%を阻害するのに必要とされる濃度を決定する
ために一つのddNTPまたは好適には四つすべてのd
dNTPの量を変化させて一連の反応を実施する。例え
ば上記の条件下(300μM、4dNTP)、下記の濃度の
4ddNTPの混合物が下記の六つのDNAポリメラー
ゼに対してのDNA合成の50%阻害に必要とされた。
【0148】
【表11】 ポリメラーゼ [4ddNTP] 50%阻害 T7 DNA ポリメラーゼ 0.1μM T7 DNA ポリメラーゼ Y526F 300μM 大腸菌DNA ポリメラーゼ I 20μM 大腸菌DNA ポリメラーゼ I F762Y 0.04μM TaqDNA ポリメラーゼ 150μM TaqDNA ポリメラーゼ F667Y 0.4μM この試験は新規DNAポリメラーゼの修飾がddNTP
を判別する能力を減少させるかどうかを決定するために
使用できる;もし突然変異がこの効果を示さないなら
ば、上記のアッセイ中のDNA合成の50%阻害に4d
dNTPのより高い濃度が必要とされるであろう。
【0149】実施例9.合成プライマー−テンプレート
複合体への[a−32P]dAMP取り込みの測定による
ジデオキシヌクレオチド取り込み効率の決定 この実施例においては合成プライマー−テンプレート内
の一つの部位での取り込みによりdNTPおよびddN
TP間の競合がアッセイされる。このアッセイは判別に
おける配列特異的変異による複雑化を避けるため、一つ
の部位への二つの基質の取り込みの比較に制限するとい
う点で他のアッセイと異なる。この比較的単純なアッセ
イはDNAポリメラーゼのddNTP判別能力の予備的
なスクリーニングに適しているが、ddNTPの判別は
しばしばDNA配列分析における重要な問題である隣接
する配列による影響を強く受けるので(例えば、Tabor
およびRichardson 265 J.Biol.Chem. 8322,1990参
照)、実施例6−8に示されたアッセイの排除に使用さ
れるべきではない。
【0150】次に示した二つのプライマー−テンプレー
トがこの実施例で用いられた。最初のものはdATP対
ddATP間の判別の決定に使用され;一方、第二のも
のはdCTP対ddCTP、dTTP対ddTTPおよ
びdGTP対ddGTP間の判別の決定に使用される。
【0151】
【表12】 プライマー−テンプレート A: 5’ GGCGACGTTGTAAAACGACGGCCAGTGCCA 3’ 3’ GCTGCAACATTTTGCTGCCGGTCACGGTTCCCC 5’ プライマー−テンプレート B: 5’ GGCGACGTTGTAAAACGACGGCCAGTGCCA 3’ 3’ GCTGCAACATTTTGCTGCCGGTCACGGTCAGTTTT 5’ 各々の反応混合物は各々25ピコモルのプライマーおよ
びテンプレートを含む。プライマーおよびテンプレート
は一緒に混合され40mMトリスHCl,pH8.0、10mM Mg
Cl2、100mM NaClを含む反応混合物中で(1X=10μ
l)アニール化された。混合物は65℃で2分間インキ
ュベートし、30分以上かけて室温まで冷却した。プラ
イマー−テンプレートAで反応を実施するための標準反
応混合物(45μl)は22mMトリスHCl,pH8.0、5.5mM
MgCl2、55mM NaCl、25ピコモルのプライマー−
テンプレートA複合体、5μM[a−32P]dGTP(4,
000cpm/ピコモル)および濃度を変化させたdATPお
よびddATPを含む。反応混合物はまた、DNAポリ
メラーゼによる見かけの判別の増加を起こす加ピロリン
酸分解を阻害するために10ngの酵母無機ピロホスファタ
ーゼも含む(TaborおよびRichardson 265 J.Biol.Chem.
8322,1990)。混合物は37℃で1分間(好熱性DNA
ポリメラーゼでは70℃)インキュベートし、20mMトリ
スHCl,pH7.5、10mM 2−メルカプトエタノールおよ
び0.05%ウシ血清アルブミンに希釈した試験DNAポリ
メラーゼの希釈液(0.01から1単位)の5μlを添加する
ことにより反応を開始させた。反応混合物はさらに37
℃で10分間(好熱性DNAポリメラーゼでは70℃)
インキュベートする。5μlの100mMEDTAの添加によ
り反応を停止させ、45μlをWhatman DE81フィルターデ
ィスク上へスポットする。ディスクは150mlの0.3Mギ酸
アンモニウム(pH8.0)で4回、続いて100mMの90%エタ
ノールで2回洗浄する(各々5−10分)。次にディス
クをランプ下で乾燥させ、5mlのfluor(Opti-Fluor O,P
ackard)存在下シンチレーションカウンターで計数す
る。各々のディスク上の放射活性の量から取り込まれた
32P]dGMP量が決定された。一度一つのdAMP
残基が取り込まれたらdGMP残基の取り込みのための
阻害が取り除かれ、四つの[32P]dGMPが各々のプ
ライマーに取り込まれるであろうことが仮定され、従っ
て取り込まれたdAMPの数は取り込まれたdGMPの
数の4分の1である。
【0152】すべての反応は分析するDNAポリメラー
ゼを一定の量にして実施される;DNAポリメラーゼの
量は10μMのdATP存在下およびddATP非存在下
での10分のインキュベーションによりテンプレートの
一本鎖領域中の全dCMP残基の50%を複製するのに
十分な量でなければならない。試験される特定のDNA
ポリメラーゼは上に示唆した条件と異なる最適の緩衝
液、pH、塩または温度条件をもっているであろう。各
々のDNAポリメラーゼはその酵素に最適な特定のポリ
メラーゼ活性を与える条件下で試験されなければならな
い。対照反応もdATPおよびddATP非存在下で実
施されなければならない;これにより各々の試料から差
し引かれるバックグラウンドDNA合成が決められる。
これは一般にdATP存在下で得られるDNA合成の1
0%未満である。
【0153】DNA合成を50%阻害するのに必要とさ
れるddATP量を決定するため、10μM dATPおよ
び種々の濃度のddATPで反応が実施される。10μM
dATP存在下DNA合成を50%阻害するのに必要と
されるddATP濃度の例が下記の表に示されている。
ポリメラーゼは実施例6に記載した通りである。
【0154】
【表13】 ポリメラーゼ [ddATP] 50%阻害 T7 DNA ポリメラーゼ 〜30μM T7 DNA ポリメラーゼ Y526F >500μM 大腸菌DNA ポリメラーゼ I >500μM 大腸菌DNA ポリメラーゼ I F762Y 〜6μM TaqDNA ポリメラーゼ >500μM TaqDNA ポリメラーゼ F667Y 〜5μM ddGTP、ddTTPまたはddCTPの判別を測定
するための類似の試験を実施するには、上記の反応と同
一の反応が実施されるが、ただしプライマー−テンプレ
ートAの代わりにプライマー−テンプレートBが使用さ
れ、反応液は10μMのdGTP、dTTPおよびdCT
Pおよび5μMの[a−32P]dATP(4,000cpm/ピコ
モル)および濃度を変化させたddGTP、ddTTP
またはddCTPを含む。
【0155】他の実施例同様に、3'から5'へのエキソヌ
クレアーゼ活性を持つDNAポリメラーゼはこのアッセ
イを妨害し、類似体の取り込みレベルでの判別によるも
のよりも酵素のddNTPに対する判別性を高める。さ
らに、高レベルのエキソヌクレアーゼ活性を持つ酵素は
反応混合物中のすべてのdNTPを消費してしまい(特
に、これらの反応において比較的低い濃度でdNTPが
存在する場合)正味のDNA合成が起こらなくなる(例
えば、天然のT7 DNAポリメラーゼ、TaborおよびR
ichardson 264 J.Biol.Chem.6447,1989参照)。これら
の場合においてDNAポリメラーゼの濃度および反応の
インキュベーション時間はddNTP非存在下でのDN
A合成が最大のレベルで得られるように調整されていな
ければならない。
【0156】実施例10.合成プライマー−テンプレー
ト複合体への[a−32P]ddNMP取り込み効率の決
この実施例においては合成プライマー−テンプレート中
の一つの部位での取り込みについてdNTPおよびdd
NTP間の競合がアッセイされる。このアッセイは標識
が[a−32P]ddATPであり、従ってddAMPの
取り込みが測定されているという点で実施例9と異な
る。このアッセイはddNTPがプライマーの3’末端
内へ取り込まれ鎖停止剤として作用し、または単にDN
Aポリメラーゼに結合して実際にプライマー内に取り込
まれることなく更なるDNA合成を妨害することにより
DNAポリメラーゼを阻害するかどうかの試験に使用す
ることができる。
【0157】以下の実施例においてddAMPの取り込
みは[a−32P]ddATPおよびプライマー−テンプ
レートA(実施例9)を使用して測定される:
【表14】 プライマーテンプレート A: 5’ GGCGACGTTGTAAAACGACGGCCAGTGCCA 3’ 3’ GCTGCAACATTTTGCTGCCGGTCACGGTTCCCC 5’ [a−32P]ddGMP、[a−32P]ddCMPおよ
び[a−32P]ddTMPの取り込みも同様に適当なテ
ンプレート(例えば、実施例9のプライマー−テンプレ
ートB)で試験できる。
【0158】各々の反応混合物は各々25ピコモルのプ
ライマーおよびテンプレートを含む(プライマー−テン
プレートA、上記参照)。プライマーおよびテンプレー
トは一緒に混合され40mMトリスHCl,pH8.0、10mM M
gCl2、100mM NaClを含む反応混合物中で(1X=10
μl)アニールされた。混合物は65℃で2分間インキ
ュベートし、30分以上かけて室温まで冷却する。標準
反応混合物(45μl)は22mMトリスHCl,pH8.0、5.5mM
MgCl2、55mM NaCl、25ピコモルのプライマー
−テンプレートA複合体、2.5μM[a−32P]ddAT
P(非標識ddATPで4,000cpm/ピコモルの比活性ま
で希釈されたAmersham PB10235、>5,000Ci/ピコモル)
および濃度を変化させたddATPを含む。反応混合物
はまた、DNAポリメラーゼによる見かけの判別の増加
を起こす加ピロリン酸分解を阻害するために10ngの酵母
無機ピロホスファターゼも含む(TaborおよびRichardso
n 265J.Biol.Chem. 8322,1990)。混合物は37℃で1
分間(好熱性DNAポリメラーゼでは70℃)インキュ
ベートし、20mMトリスHCl,pH7.5、10mM 2−メルカ
プトエタノールおよび0.05%ウシ血清アルブミンに希釈
した試験DNAポリメラーゼの希釈液の5μl(0.01から
1単位)を添加することにより反応を開始させた。反応
混合物はさらに37℃で10分間(好熱性DNAポリメ
ラーゼでは70℃)インキュベートする。5μlの100mM
EDTAの添加により反応を停止させ、45μlをWhatman
DE81フィルターディスク上へスポットする。ディスク
は150mlの0.3Mギ酸アンモニウム(pH8.0)で4回、続い
て100mMの90%エタノールで2回洗浄する(各々5−10
分)。次にディスクをランプ下で乾燥させ、5mlのfluor
(Opti-Fluor O,Packard)存在下シンチレーションカウ
ンターで計数する。各々のディスク上の放射活性の量か
ら取り込まれた[32P]ddAMP量が決定された。
【0159】すべての反応は分析するDNAポリメラー
ゼを一定の量にして実施される;DNAポリメラーゼの
濃度はdATP非存在下10分間のインキュベーション
でプライマー−テンプレートA内への[32P]ddAM
Pの最も高い水準の取り込みを与える濃度でなければな
らない。試験される特定のDNAポリメラーゼは上に示
唆した条件と異なる最適の緩衝液、pH、塩または温度
条件をもっているであろう。各々のDNAポリメラーゼ
はその酵素に最適な特定のポリメラーゼ活性を与える条
件下で試験されなければならない。
【0160】ddNTPの判別レベルの決定にこのアッ
セイを使用するために、反応は2.5μMdATP存在([
32P]ddAMPの濃度と当モル)または非存在下、一
定の量のDNAポリメラーゼおよび[32P]ddATP
で実施され、dATPの存在が[32P]ddAMPの取
り込みに与えた影響が決定される。もしDNAポリメラ
ーゼがddAMPおよびdAMPの取り込みを判別せ
ず、および3'から5'へのエキソヌクレアーゼ活性を持た
ないとしたら、dATPの添加は[32P]ddAMPの
取り込みを50%阻害するであろう。
【0161】この試験はTaq DNAポリメラーゼF
667YのようにddNMPを効率よく取り込むDNA
ポリメラーゼに最適である。ddNMPを強く判別する
DNAポリメラーゼには、ddNTPをより高い濃度で
使用できるので標識がddNTPとの競合に使用されて
いるもの以外のdNTP内にある前記のアッセイが好適
である。
【0162】しかしながら、ddNMPを強く判別する
DNAポリメラーゼにおいて、もし与えられた突然変異
がddNMPに対する判別レベルを減少させているかど
うかを試験することに関心がある場合には、dATP非
存在下、この基質で非修飾DNAポリメラーゼをアッセ
イし(DNAポリメラーゼ濃度の関数として[32P]d
dAMPの取り込みを測定する)、突然変異体酵素の取
り込み速度とその取り込み速度を比較することによりこ
のアッセイが使用できる。もし突然変異がddATPに
対する判別を減少させているならば、突然変異体酵素は
32P]ddAMPの取り込みに対しより高い比活性を
持っていなければならない。
【0163】他の実施例同様に、3'から5'へのエキソヌ
クレアーゼ活性を持つDNAポリメラーゼはこのアッセ
イを妨害し、類似体の取り込みレベルでの判別によるも
のよりも酵素のddNTPに対する判別性を高める。お
よび実施例9のように、高いレベルのエキソヌクレアー
ゼ活性を持つ酵素はすべてのdNTPを使い果たすこと
ができるので正味の[32P]ddAMPの取り込みが起
こらない。これらの場合、試験されているDNAポリメ
ラーゼによる[32P]ddAMPの取り込みの最大水準
が得られるようにDNAポリメラーゼの濃度および反応
のインキュベーション時間を調整しなければならない。
【0164】上記のすべての方法は伸長されたプライマ
ーの長さまたはプライマー状のDNA合成量の検出が放
射活性に基づくものである。DNAポリメラーゼによる
ジデオキシヌクレオチドの取り込み効率はまた非放射活
性によっても測定できる。Applied Biosystems モデル
373A DNAシークエンシングシステムで検出する
蛍光プライマーまたは蛍光ダイ−デオキシターミネータ
ーが使用される二つの実施例が以下に示されている。
【0165】実施例11.一本鎖DNAにアニールされ
た蛍光プライマーおよびゲル電気泳動を用いたジデオキ
シヌクレオチドの取り込み効率の決定 この実施例では蛍光標識プライマーが一本鎖DNAにア
ニールされ、DNA合成反応はddNTPとdNTPの
種々の比を用いて実施された。試料は次にApplied Bios
ystems モデル373A DNAシークエンシングシス
テムにかけ、各々の蛍光断片の長さはゲル電気泳動の直
接蛍光検出により決定された。反応はTaborおよびRicha
rdson 265 J.Biol.Chem.8322,1990に記載されているよ
うに実施された。使用されたプライマーは”Fam”プ
ライマー(Applied Biosystems)である。使用されたD
NAは実施例3に記載したような一本鎖M13mGP1
−2である。プライマーは2μgのM13mGP1−2
DNA、5ngのプライマー、40mMトリスHCl,pH8.0、1
0mM MgCl2、および100mM NaClを含む反応混合
物中で(1X=10μl)M13mGP1−2一本鎖DNAに
アニールされた。混合物は65℃で2分間インキュベー
トし、30分以上かけて室温まで冷却する。標準反応混
合物(18μl)は22mMトリスHCl,pH8.0、5.5mM Mg
Cl2、55mM NaClおよび濃度を変化させた4dNT
Pおよび四つのddNTPの内の一つを含む。反応混合
物はまた、DNAポリメラーゼによる見かけの判別の増
加を起こす加ピロリン酸分解を阻害するために10ngの酵
母無機ピロホスファターゼも含む(TaborおよびRichard
son 265 J.Biol.Chem. 8322,1990)。混合物は37℃で
1分間(好熱性DNAポリメラーゼでは70℃)インキ
ュベートし、20mMトリスHCl,pH7.5、10mM 2−メル
カプトエタノールおよび0.05%ウシ血清アルブミンに希
釈した試験DNAポリメラーゼの希釈液の2μl(0.01か
ら1単位)を添加することにより反応を開始させた。反
応混合物はさらに37℃で10分間(好熱性DNAポリ
メラーゼでは70℃)インキュベートする。反応液に8
μlの20mM DTPA、1M酢酸カリウム,pH5.0および60μ
lのエタノールを加える。遠心分離後、DNAを6μlの8
0%ホルムアミド、10mMトリスHCl,pH8.0および1mM E
DTAに再懸濁し、使用説明書に従ってApplied Biosys
tems モデル373A DNAシークエンシングシステ
ムにかける直前に80℃に2分間加熱する。
【0166】試験される特定のDNAポリメラーゼは上
に示唆した条件と異なる最適の緩衝液、pH、塩または
温度条件をもっているであろう。各々のDNAポリメラ
ーゼはその酵素に最適な特定のポリメラーゼ活性を与え
る条件下で試験されなければならない。DNAポリメラ
ーゼの濃度は10分間の反応でジデオキシヌクレオチド
が取り込まれるまでほとんどのプライマーが少なくとも
数百ヌクレオチド伸長されるのに十分なほどでなければ
ならない。
【0167】ddNTPに対するdNTPの比は約30
0塩基に最適のピーク強度が得られるように調節され
る。例えば、Taq DNAポリメラーゼに対しては約
10μMの4dNTPおよび200-600μMのddNTPが最
適であり、一方Taq DNAポリメラーゼF667Y
に対しては300μMの4dNTPおよび0.5-5μMのddN
TPが最適である。
【0168】DNAポリメラーゼの修飾がジデオキシヌ
クレオチドを判別する能力を減少させているかどうかを
決定するには、非修飾および修飾DNAポリメラーゼの
両方に対してddNTPに対するdNTPの割合を変化
させて反応を実施しなければならず、修飾DNAポリメ
ラーゼが非修飾酵素よりddNTPをより効率的に利用
しているかどうかを決定するために異なる長さのジデオ
キシ停止断片の強度が比較される。
【0169】実施例12.ゲル電気泳動による蛍光ジデ
オキシヌクレオチドの取り込み効率の決定 この実施例においては非蛍光プライマーが一本鎖DNA
にアニールされ、DNA合成反応が単一の蛍光標識dd
NTPに種々の割合のdNTPを用いて実施される。試
料は次にApplied Biosystems モデル373A DNA
シークエンシングシステムにかけ、各々の蛍光断片の長
さはゲル電気泳動の直接蛍光検出により決定された。本
実施例で使用されたプライマーは実施例3に記載したよ
うな40−merであり、テンプレートは実施例3に記
載したような一本鎖M13mGP1−2である。プライ
マーは2μgのM13mGP1−2 DNA、6ピコモルの
プライマー(テンプレートの10倍モル過剰)、40mMト
リスHCl,pH8.0、10mMMgCl2、および100mM Na
Clを含む反応混合物中で(1X=10μl)M13mGP1
−2一本鎖DNAテンプレートにアニールされた。混合
物は65℃で2分間インキュベートし、30分以上かけ
て室温まで冷却する。標準反応混合物(18μl)は22mM
トリスHCl,pH8.0、5.5mM MgCl2、55mM NaCl
および濃度を変化させた4dNTPおよび四つの蛍光標
識ddNTPの内の一つを含む。四つの蛍光標識ddN
TPはApplied Biosysytemsからのもので(Taqダイ
デオキシターミネーターサイクルシークエンシングキッ
ト、部品番号401150)、G、A、TまたはC”ダイデオ
キシターミネーター”と称されている(Taqダイデオ
キシターミネーターサイクルシークエンシングキットの
ためのマニュアル、部品番号901497、Rev.E)。反応混
合物はまた、DNAポリメラーゼによる見かけの判別の
増加を起こす加ピロリン酸分解を阻害するために10ngの
酵母無機ピロホスファターゼも含む(TaborおよびRicha
rdson 265 J.Biol.Chem. 8322,1990)。混合物は37℃
で1分間(好熱性DNAポリメラーゼでは70℃)イン
キュベートし、20mMトリスHCl,pH7.5、10mM 2−メ
ルカプトエタノールおよび0.05%ウシ血清アルブミンに
希釈した試験DNAポリメラーゼの希釈液の2μl(0.01
から1単位)を添加することにより反応を開始させた。
反応混合物はさらに37℃で10分間(好熱性DNAポ
リメラーゼでは70℃)インキュベートする。反応液に
8μlの20mM EDTA、1M酢酸カリウム,pH5.0および60
μlのエタノールを加える。遠心分離後、DNAを6μl
の80%ホルムアミド、10mMトリスHCl,pH8.0および1mM
DTPAに再懸濁し、使用説明書に従ってApplied Bio
systems モデル373A DNAシークエンシングシス
テムにかける直前に80℃に2分間加熱する。
【0170】試験される特定のDNAポリメラーゼは上
に示唆した条件と異なる最適の緩衝液、pH、塩または
温度条件をもっているであろう。各々のDNAポリメラ
ーゼはその酵素に最適な特定のポリメラーゼ活性を与え
る条件下で試験されなければならない。これらの反応で
使用されるDNAポリメラーゼの濃度は10分間の反応
でジデオキシヌクレオチドが取り込まれるまでほとんど
のプライマーが少なくとも数百ヌクレオチド伸長される
のに十分な濃度でなければならない。TaqDNAポリ
メラーゼのように5'から3'へのエキソヌクレアーゼ活性
を持つDNAポリメラーゼに対しては、断片の5'末端を
有意のパーセントで分解するこの活性を避けるためにD
NAポリメラーゼの濃度を十分に低く保たなければなら
ない。
【0171】DNAポリメラーゼが蛍光ddNTPを強
くまたは弱く判別するかどうかを決定するために、20μ
Mの4dNTPおよび0.01μlのApplied Biosystemsによ
り提供されている各々のダイデオキシターミネーター
(商品番号401150)を用いて反応が実施された。Taq
DNAポリメラーゼがこれらの条件下で使用された場
合、蛍光のほとんどはゲルの先端の取り込まれていない
ダイ−ddNTP中かまたは数百の塩基の長さより大き
い断片中にある。対照的に、Taq DNAポリメラー
ゼF667Yがこれらの条件下で使用された場合、蛍光
のほとんどは数百の塩基の長さ未満の断片中にあり、お
よびゲルの先端の全蛍光の著しく低いパーセントしか取
り込まれていないダイ−ddNTPに存在しなかった。
【0172】DNAポリメラーゼの修飾がジデオキシヌ
クレオチドを判別する能力を減少させているかどうかを
決定するには、非修飾および修飾DNAポリメラーゼの
両方に対してダイデオキシターミネーターに対するdN
TPの割合を変化させて反応が実施され、修飾DNAポ
リメラーゼが非修飾酵素よりダイデオキシターミネータ
ーをより効率的に使用しているかを決定するために得ら
れた蛍光断片の平均の長さが比較された。
【0173】以下の実施例は異なるDNAポリメラーゼ
により合成されたジデオキシ停止断片から作り出される
バンド強度の均一性を試験するために提供されるもので
ある。実施例13.一本鎖M13DNA−5’32P−標
識40−mer複合体およびゲル電気泳動を用いるジデ
オキシヌクレオチド取り込みの均一性の決定 この実施例ではジデオキシヌクレオチド取り込みの均一
性が一本鎖M13DNAテンプレートで伸長された5’
32P−末端標識プライマーで測定される。三つの活性が
ジデオキシ停止断片のバンド強度の変異を起こすことが
できる。一つはエキソヌクレアーゼ活性であり、いくつ
かの配列では優先的である;これは化学的または遺伝学
的手段により選択的に活性を除去することにより避けら
れる(例えば、TaborおよびRichardson 264 J.Biol.Che
m.6447,1989参照)。第二は加ピロリン酸分解であり;
これはDNA合成の間に蓄積され、加ピロリン酸分解に
必要な基質であるピロリン酸を分解するピロホスファタ
ーゼを反応混合物中に含ませることにより容易に避ける
ことができる。第三はジデオキシヌクレオチドの取り込
みにおける配列特異的変異である。バンド強度の変異は
DNA配列分析に有害であり、決定されるDNA配列の
正確性を減少させる。この試験はジデオキシヌクレオチ
ドをより効率的に取り込むであろう突然変異体DNAポ
リメラーゼを含む異なるDNAポリメラーゼにより合成
された断片中のバンド強度の変異性の程度を比較するた
めに計画された。
【0174】プライマー、テンプレートおよび反応条件
は実施例6および7に記載したものと同一である。テン
プレートは実施例3に記載されているM13 mGP1
−2一本鎖DNAであり、プライマーはまた実施例3に
記載されている40−merである。使用された反応条
件は、緩衝液、pH、塩および反応温度に関して試験さ
れるDNAポリメラーゼに最適な条件である。マグネシ
ウムが反応混合物中に存在する唯一の金属イオンである
ことが好適である(すなわち、反応はマンガンを添加せ
ずに実施される)。DNAポリメラーゼの濃度はプライ
マーのほとんどが10分の反応で伸長され、ジデオキシ
ヌクレオチドの取り込みにより停止されるように選ばれ
る。ddNTPに対するdNTPの割合は試験される特
定のDNAポリメラーゼに対し平均断片サイズが約10
0−300ヌクレオチドであるように調節される。dd
CTPジデオキシヌクレオチドで停止される断片は強度
の最も大きな変異を持つ傾向があるので均一性の試験に
使用するにはddCTPが好適なddNTPである。
(例えば、TaborおよびRichardson 86 Proc.Natl.Aca d.
Sci.4076,1989参照)。ゲル電気泳動、オートラジオグ
ラフィーおよびバンド強度の分析は実施例6に記載した
ようにゲルのスキャンニングかまたはホスホイメージャ
ー分析による。電気泳動は約55ヌクレオチドの長さの
断片がゲルのボトムにつくまで実施される(色素ブロモ
フェノールブルーがゲルのボトムを通り抜け、および色
素キシレンシアノールがゲルのボトムから約8cmの
所)。
【0175】与えられた一連のddNMP−停止断片
(例えば、一連のddCMP−停止断片)に対してはゲ
ルのボトムから最初の20断片が決定された(好適には
ホスホイメージャー分析により)。もしくは、最初の2
0断片の相対的強度を決定するためオートラジオグラム
がイメージングデンシトメーターによりスキャンでき
る。これらの強度は次にその変異性を決定するため実施
例6に記載したごとく統計的に分析される。例えば、そ
の値はマッキントッシュプログラムKaleidograph 3.0版
(Synergy Software)によりプロットできる。得られた
プロットはKaleidograph ライブラリールーチンの機能
を使用して指数関数的減衰曲線に適合される。データの
相関指数R2はKaleidograph ライブラリールーチンによ
り計算される。これはバンド強度の変異の尺度である。
新規DNAポリメラーゼを用いて得られたR2の値が例
えば、マグネシウムまたはマンガン存在下(Taborおよ
びRichardson 265 J.Biol.Chem. 8322,1990参照)の_
28T7 DNAポリメラーゼ(Sequenase Version2.
0, United States Biomchemical Corporation)、大腸
菌DNAポリメラーゼ(クレノー断片または突然変異F
762Yを持つクレノー断片)またはTaq DNAポ
リメラーゼ(野生型または突然変異体F667Y)など
の既知のDNAポリメラーゼを使用して得られた値と比
較される。これらの既知のDNAポリメラーゼで得られ
たR2値は標準値として使用され、それにより新規DN
Aポリメラーゼの均一性が比較される。
【0176】実施例14.一本鎖M13 DNA−非標
識プライマーおよびゲル電気泳動を用いた[a−32P]
ddNMP取り込みの均一性の決定 この実施例ではジデオキシヌクレオチド取り込みの均一
性が一本鎖M13 DNAテンプレートにアニールされ
た非標識プライマーを使用し、DNA合成を[a−
32P]ddATP存在下で実施して測定される。大腸菌
DNAポリメラーゼI、Taq DNAポリメラーゼお
よびT7 DNAポリメラーゼY526Fのようにdd
NTPを強く判別する酵素の使用においては必要とされ
るddNTPの高い濃度を使用しなければならず、ジデ
オキシヌクレオチド停止断片の均一性の測定には実施例
13に記載した試験が好適である。この実施例の試験は
T7DNAポリメラーゼ、大腸菌DNAポリメラーゼI
F762YおよびTaqDNAポリメラーゼF667
Yのようにジデオキシヌクレオチドを効率よく取り込む
酵素での使用には最適である。
【0177】この実施例のプライマー、テンプレートお
よび一般的反応は以下の例外を除いて実施例8に記載し
たものと同じである。テンプレートは実施例3に記載し
たM13 mGP1−2一本鎖DNAであり、プライマ
ーは同様に実施例3に記載した40−merである。使
用される反応条件は緩衝液、pH、塩および反応温度に
関して試験されるDNAポリメラーゼに最適のものであ
る。マグネシウムが唯一の金属イオンとして反応混合物
に存在することが好適である(すなわち、反応はマンガ
ンを添加せずに実施される)。反応は50μMのdGT
P、dCTPおよびdTTP、および濃度を変化させた
dATPおよび[a−32P]ddATPで実施される。
dATPおよび[a−32P]ddATPの濃度は約10
0ヌクレオチドの長さの断片の放射活性の量が最大にな
るように選択される。ゲル電気泳動および放射活性断片
の分析に関するすべての他の面は実施例13に記載した
通りである。
【0178】実施例15.一本鎖M13 DNA−蛍光
標識プライマー複合体およびゲル電気泳動を用いるジデ
オキシヌクレオチド取り込みの均一性の決定 この実施例においては、反応は実施例11に記載したご
とく実施される。テンプレートは実施例3に記載したM
13 mGP1−2一本鎖DNAであり、プライマーは
同様に実施例3に記載した40−merである。使用さ
れる反応条件は緩衝液、pH、塩および反応温度に関し
て試験されるDNAポリメラーゼに最適のものである。
マグネシウムが唯一の金属イオンとして反応混合物に存
在することが好適である(すなわち、反応はマンガンを
添加せずに実施される)。DNAポリメラーゼの濃度は
プライマーのほとんどが10分の反応で伸長され、およ
びジデオキシヌクレオチドの取り込みにより停止される
ように選択される。ddNTPに対するdNTPの割合
は、試験される特定のDNAポリメラーゼに対して平均
断片サイズが約100−200ヌクレオチドになるよう
に調節される。ddCTPジデオキシヌクレオチドで停
止される断片は強度の最も大きな変異を持つ傾向がある
ので均一性の試験に使用するにはddCTPが好適なd
dNTPである。(例えば、TaborおよびRichardson 86
Proc.Natl.Acad.Sci.4076,1989参照)。プライマーか
らの最初の50までのジデオキシ停止断片(約200ヌ
クレオチド)の強度が決定され、実施例13に記載した
ごとく統計的に分析された。試験されるDNAポリメラ
ーゼについて相関指数R2が決定され、実施例13に記
載されるような既知のDNAポリメラーゼで得られた値
と比較される。もしくは、最初の50のバンドの高さが
決定され、隣接するバンドの高さの比が計算されて変異
性の測定に使用された;試験されるDNAポリメラーゼ
で実施された反応から得られるこれらの比の最大値およ
び平均値が実施例13に記載したような既知のDNAポ
リメラーゼを用いて実施した反応から得られた値と比較
される。
【0179】実施例16.ゲル電気泳動による蛍光ジデ
オキシヌクレオチド取り込みの均一性の決定 この実施例においては、反応は実施例12に記載したご
とく実施される。特定のDNAポリメラーゼにおいての
ダイデオキシターミネーター取り込みの均一性を決定す
るため、dNTPおよび特定のダイデオキシターミネー
ターの濃度は平均100−200ヌクレオチド長の蛍光
標識断片が得られるように選択された。蛍光の強度はプ
ライマーから10−40の断片で決定された(蛍光標識
プライマーに近い最初の10断片は無視された)。断片
は実施例13に記載したごとく統計的に分析され、平均
変異性が指数関数的減衰曲線に合わせられたデータの相
関指数R2が決定された。得られたR2の値は実施例13
に記載したように既知のDNAポリメラーゼを用いて得
られた値と比較される。DNAポリメラーゼ内の特定の
突然変異がより少ない変異性を持つバンドを生成するよ
うなDNAポリメラーゼを与えるかどうかを決定するに
は、突然変異体DNAポリメラーゼで得られたR2値を
非修飾DNAポリメラーゼで得られた値と比較する。
【0180】実施例17.効率よくジデオキシヌクレオ
チドを取り込むDNAポリメラーゼを使用するDNA配
列分析 本発明のDNAポリメラーゼによるDNA配列分析は、
電気泳動による分離に適した平均長のジデオキシ停止断
片が得られるように調節したddNTPに対するdNT
Pの割合を用い、標準法で実施された。大腸菌DNAポ
リメラーゼIの大フラグメント内の突然変異体”クレノ
ー断片F762Y”については、反応は本質的に修飾T
7 DNAポリメラーゼと同じように実施され、Tabor
およびRichardson 米国特許第4,795,699号、Taborおよ
びRichardson 86 Proc.Natl.Acad. Sci.USA 4767,1987お
よびSEQUENASEマニュアル”SEQUENASEを用いるDNAシ
ークエンシングのための段階的プロトコール”第3版、
United States Biomchemical Corporationに記載されて
いる。クレノー断片F762Yは修飾T7 DNAポリ
メラーゼよりジデオキシヌクレオチドを約5倍効率的に
取り込むので、伸長−停止混合物中のddNTP濃度を
修飾T7 DNAポリメラーゼで推奨されている標準混
合物(Sequenaseマニュアル、上記文献)と比較して5
分の1に減少させなければならない。
【0181】Taq DNAポリメラーゼF667Yの
ような熱安定性DNAポリメラーゼによるDNA配列分
析はInnis et al. 85, Proc.Natl.Acad.Sci.USA 9436,1
988により記載されているが、以下の改良を行った。Inn
isらは1:6dGTP:ddGTP、1:32dAT
P:ddATP、1:48dTTP:ddTTPおよび
1:16dCTP:ddCTPのdNTP/ddNTP
比を推奨しているが、これらの比は野生型Taq DN
Aポリメラーゼと比較してTaq DNAポリメラーゼ
F667Yによる4ddNTPの使用が3,000−
8,000倍より効率的であることを考えにいれて調節
しなければならない。したがって、TaqDNAポリメ
ラーゼF667Yによる伸長−停止反応は100μMの4d
NTPおよび0.1-5μMの四つのddNTPの各々を含ま
なければならない;ddNTP各々の正確な量はDNA
配列の最適な決定のために望ましい平均断片サイズに基
づいて調節される。DNAシークエンシング反応のその
他の面はおよび変性ゲル電気泳動はInnisら(上記文
献)に記載されているとおりである。
【0182】実施例18.ジデオキシヌクレオチドを効
率よく取り込む熱安定性DNAポリメラーゼを用いるサ
イクルDNA配列分析 Taq DNAポリメラーゼF667Yのような熱安定
性DNAポリメラーゼによるサイクルDNAシークエン
シングはCarothers et al. 7 BioTechniques 494,1987
に記載されているように実施されるが、ただし:(1)
四つのデオキシ/ジデオキシ混合物は250μMの四つすべ
てのdNTPおよび0.1-10μMの各々のddGTP、d
dATP、ddTTPまたはddCTPを含み、各々の
ddNTPの正確な量はDNA配列の最適な決定のため
に望ましい平均断片サイズに基づいて経験的に調節され
る。(2)Taq DNAポリメラーゼの代わりにTa
qDNAポリメラーゼF667Yが使用される;Caroth
ers et al.(上記文献)により推奨されているものと同
じ単位数のDNAポリメラーゼを使用する。(3)特定
の配列でのDNAポリメラーゼによる見かけの判別を増
加させることができる加ピロリン酸分解(バンド強度の
均一性を減少させる、TaborおよびRichardson 265 J.Bi
ol.Chem. 8322,1990)を阻害するために反応混合物は10
ngの無機ピロホスファターゼを含む。好適にはこのピロ
ホスファターゼは例えばテルムステルモフィラス(Ther
mus thermophilus)(Hohne et al. 47 Biomed.Biochi
m.A cta 941,1988)のような好熱生物から精製される。
【0183】実施例19.修飾Taq DNAポリメラ
ーゼおよび蛍光プライマーを用いた自動化サイクルDN
Aシークエンシング Taq DNAポリメラーゼF667Yのような熱安定
性DNAポリメラーゼおよびApplied Biosystems Dye P
rimersによるサイクルDNAシークエンシングはApplie
d Biosystemsマニュアル(部品番号901482、Rev.B)に
記載されている方法の変法である。この方法は以下の変
形を除きマニュアルに記載されている方法と同一であ
る:(1)Taq DNAポリメラーゼと比較してTa
q DNAポリメラーゼF667YによるddNTPの
より効率的な使用を考えにいれてdNTP/ddNTP
混合物は変形されなければならない。Applied Biosyste
msマニュアルに掲げられている混合物の代わりに使用さ
れるべき新しい混合物は以下のものである:
【表15】dG/ddG混合物=100μM c7dGTP、dATP、dTTPお
よびdCTP、および0.05μM ddGTP dA/ddA混合物=100μM c7dGTP、dATP、dTTPおよびdCTP、お
よび0.3μM ddATP dT/ddT混合物=100μM c7dGTP、dATP、dTTPおよびdCTP、お
よび0.25μM ddTTP dC/ddC混合物=100μM c7dGTP、dATP、dTTPおよびdCTP、お
よび0.15μM ddCTP ddNTPの濃度は応用に依存して特定のサイズの範囲
の断片中の蛍光強度を最大にするように変化させなけれ
ばならない。例えば、ddNTPの濃度を増加させると
より短い長さの断片の蛍光が増加するであろう。(2)
Taq DNAポリメラーゼの代わりにTaq DNA
ポリメラーゼF667Yが使用される。標準DNAポリ
メラーゼアッセイ条件下でアッセイされる場合、両方の
場合において同一単位数の酵素が使用される。もしく
は、同一の数のDNAポリメラーゼ分子が使用できる。
(3)特定の配列でのDNAポリメラーゼによる見かけ
の判別を増加させることができる加ピロリン酸分解(バ
ンド強度の均一性を減少させる、TaborおよびRichardso
n 265 J.Biol.Chem. 8322,1990)を阻害するために反応
混合物は10ngの無機ピロホスファターゼを含む。好適に
はこのピロホスファターゼは例えばテルムス テルモフ
ィラス(Thermus thermophilus)(Hohne et al. 47 Bi
omed.Biochim.Acta 941,1988)のような好熱生物から精
製される。本方法のその他のすべての点はApplied Bios
ystemsマニュアル(上記文献)に記載されている方法と
同じである。
【0184】実施例20.修飾Taq DNAポリメラ
ーゼおよび蛍光色素ターミネーターを用いた自動化サイ
クルDNAシークエンシング Taq DNAポリメラーゼF667Yのような熱安定
性DNAポリメラーゼおよびApplied Biosystems ダイ
デオキシターミネーターによるサイクルDNAシークエ
ンシングはApplied Biosystemsマニュアル(部品番号90
1497、Rev.E)に記載されている方法の変法である。こ
の方法は以下の変形を除きマニュアルに記載されている
方法と同一である:(1)マニュアルは各々のシークエ
ンシング反応液(20μl反応液)に希釈されていない四
つのダイデオキシターミネーターの各々1μlの使用を要
求している。この実施例において、ターミネーターはT
aq DNAポリメラーゼと比較してTaq DNAポ
リメラーゼF667Yにより数百倍以上効率的に取り込
まれるので、ターミネーターはシークエンシング反応混
合物への添加に先立って希釈されなければならない。下
記の希釈液の各々の1μlが1μlの非希釈ターミネーター
溶液の代わりに各々のシークエンシング反応液に加えら
れる:
【表16】ダイデオキシ G ターミネーター、 H2
Oで500分の1に ダイデオキシ A ターミネーター、 H2Oで1,5
00分の1に ダイデオキシ T ターミネーター、 H2Oで1,5
00分の1に ダイデオキシ C ターミネーター、 H2Oで1,0
00分の1に これらの希釈は概算である;各々のダイデオキシターミ
ネーターの正確な希釈はプライマーからの決定されるべ
きDNA配列の塩基の数に依存して経験的に決定される
べきである。(2)Taq DNAポリメラーゼの代わ
りにTaq DNAポリメラーゼF667Yが使用され
る。標準DNAポリメラーゼアッセイ条件下でアッセイ
される場合、両方の場合において同一単位数の酵素が使
用される。もしくは、同一の数のDNAポリメラーゼ分
子が使用できる。(3)特定の配列でのDNAポリメラ
ーゼによる見かけの判別を増加させることができる加ピ
ロリン酸分解(バンド強度の均一性を減少させる、Tabo
rおよびRichardson 265 J. Biol.Chem. 8322,1990)を阻
害するために反応混合物は10ngの無機ピロホスファター
ゼを含む。好適にはこのピロホスファターゼは例えば
ルムス テルモフィラスThermus thermophilus)(Ho
hne et al. 47 Biomed. Biochim. Acta 941,1988)のよ
うな好熱生物から精製される。
【0185】この方法は従来の方法よりも500分の1
以下しかダイデオキシターミネーターを使用せず、反応
完了後に取り込まれなかったダイデオキシターミネータ
ーに付随する問題も少なくなっている。従って、Applie
d Biosystemsマニュアル(上記文献)に推奨されている
ように試料をスピンカラムを通過させ、取り込まれてい
ないダイデオキシターミネーターを除去する必要がな
い。むしろ、試料はエタノールで沈澱でき、5μlの脱イ
オン化ホルムアミドおよび1μlの50mM EDTA,pH8.0
に溶解し、90℃に2分間加熱し、373A使用説明書に指
示に従ってAppliedBiosystems 373A DNAシークエン
シングシステムにかける。ダイデオキシターミネーター
を効率よく取り込むDNAポリメラーゼ(Taq DN
AポリメラーゼF667Yのような)ではエタノール沈
澱によるDNAシークエンシング反応液の濃縮は必要と
しない;好適には高い濃度のプライマーおよびdNTP
を用いて実施されるDNAサイクルシークエンシング反
応は(下記参照)、等量の脱イオン化ホルムアミドの添
加により停止でき、90℃に2分間加熱し、すぐにAppl
ied Biosystems 373A DNAシークエンシングシステ
ムにかけられる。これにより、DNA配列決定の試料を
調整する研究者の時間が大幅に節約される。
【0186】上記の方法は比較的低い濃度のdNTPを
最初に使用している(7.5μM のdATP、dTTPお
よびdCTPおよび37.5μMのdITP)。サイクルD
NAシークエンシング反応の間、dNTPが使用される
につれてdNTPの濃度は減少する。dNTPのこの濃
度(7.5μM未満)はほとんどのDNAポリメラーゼにお
ける最大のDNAポリメラーゼ活性に最適な濃度より低
い濃度である。使用されてきたDNAポリメラーゼはd
dNTPを強く判別し、dNTPに対して高い割合のd
dNTPを必要とするので、この低濃度が従来のプロト
コールには必要であった。ダイデオキシターミネーター
判別性がより弱い本発明のDNAポリメラーゼの使用
は、ここでより高い濃度のdNTPの使用を可能にす
る。例えば上記のプロトコールにおいて、10倍高い濃
度のdNTPおよびダイデオキシターミネーターが使用
できる;すなわち、75μM のdATP、dTTPおよび
dCTPおよび375μMのdITP、および四つのダイデ
オキシターミネーターの各々の以下の希釈:ダイデオキ
シ G ターミネーター、H2Oで50分の1に;ダイ
デオキシ A ターミネーター、H2Oで150分の1
に;ダイデオキシ Tターミネーター、H2Oで150
分の1に;ダイデオキシ C ターミネーター、H2
で100分の1に。このように、この実施例においては
ダイデオキシターミネーター濃度は少なくとも50分の
1従来のプロトコールの濃度よりも低い。
【0187】実施例21.[32P]ddAMP停止DN
A基質を用いるエキソヌクレアーゼアッセイ 3’[32P]ddAMP停止DNA基質は、10μgの二
本鎖ウシ胸腺DNA、40mMトリスHCl,pH7.5、10mM
MgCl2、5mMジチオスレイトール、50mM NaCl、5
0μg/mlウシ血清アルブミン、および10単位のHind
IIIを含む反応混合物中で天然のウシ胸腺DNAを消
化する事により調製した。37℃で60分インキュベー
ション後、5μlの[a−32P]ddATP(Amersham P
B10235,>5000Ci/ミリモル)および5単位のSequenase V
ersion 2.0(United States Biochemical Corporatio
n、カタログ番号70775)を加え、混合物を20℃で15
分間インキュベートする。反応混合物は等量のフェノー
ル:クロロホルム:イソアミルアルコール(24:2
4:1)で一度抽出し、20mMトリスHCl,pH7.5、2mM
EDTA、100mM NaClで平衡化したセファデックス
G100(Pharmacia)の1mlのカラムへのせて分画す
る。ボイドボリュームで溶出する3’32P−標識DNA
は全DNAのng当たり約500cpmの比活性を持っている。
【0188】エキソヌクレアーゼアッセイのための反応
混合物は(90μl)、40mMトリスHCl,pH7.5、10mM M
gCl2、10mMジチオスレイトール、50mM KClおよび
1ミリモルの3’32P−標識DNAを含む。反応混合物
はまた痕跡量のピロリン酸を除去するために10ngの酵母
無機ピロホスファターゼが含まれており、それにより加
ピロリン酸分解を妨害する(TaborおよびRichardson 26
5 J.Biol.Chem. 8322,1990)。この混合物を20℃で1
分プレインキュベートし、次に10μlの適当な酵素希釈
液を添加する。指示された時間37℃でインキュベーシ
ョンした後、30μlのウシ血清アルブミン(10mg/ml)お
よび30μlのトリクロロ酢酸(100% w/v)を加えること
により反応を停止する。沈澱したDNAは0℃で15分
間インキュベートし、12,000gで30分遠心分離してペ
レット化する。上清の100μl中の酸可溶性放射活性を測
定する。3’[32P]ddAMP−DNAエキソヌクレ
アーゼ活性の1単位は15分で1ピコモルの[32P]d
dAMPの酸可溶化を触媒する。
【0189】その他の実施態様も以下の請求の範囲に含
まれる。
【0190】
【配列表】
【0191】配列番号:1 配列の長さ:14 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直線状 配列 Arg Arg Ser Ala Lys Ala Ile Asn Phe Gly Leu Ile Tyr Gly 5 10
【0192】配列番号:2 配列の長さ:14 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直線状 配列 Arg Arg Ala Ala Lys Thr Ile Asn Phe Gly Val Leu Tyr Gly 5 10
【0193】配列番号:3 配列の長さ:14 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直線状 配列 Arg Asp Asn Ala Lys Thr Phe Ile Tyr Gly Phe Leu Tyr Gly 5 10
【0194】配列番号:4 配列の長さ:14 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直線状 配列 Arg Asp Asn Ala Lys Thr Phe Ile Tyr Gly Phe Leu Tyr Gly 5 10
【0195】配列番号:5 配列の長さ:14 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直線状 配列 Arg Arg Ser Ala Lys Ala Ile Asn Phe Gly Leu Ile Tyr Gly 5 10
【0196】配列番号:6 配列の長さ:14 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直線状 配列 Arg Arg Ser Ala Lys Thr Phe Ile Tyr Gly Phe Leu Tyr Gly 5 10
【0197】配列番号:7 配列の長さ:14 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直線状 配列 Arg Asp Asn Ala Lys Ala Ile Asn Phe Gly Phe Leu Tyr Gly 5 10
【0198】配列番号:8 配列の長さ:14 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直線状 配列 Arg Asp Asn Ala Lys Ala Ile Ile Tyr Gly Phe Leu Tyr Gly 5 10
【0199】配列番号:9 配列の長さ:14 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直線状 配列 Arg Asp Asn Ala Lys Thr Phe Asn Phe Gly Phe Leu Tyr Gly 5 10
【0200】配列番号:10 配列の長さ:14 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直線状 配列 Arg Asp Asn Ala Lys Thr Phe Asn Tyr Gly Phe Leu Tyr Gly 5 10
【0201】配列番号:11 配列の長さ:14 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直線状 配列 Arg Asp Asn Ala Lys Thr Phe Ile Phe Gly Phe Leu Tyr Gly 5 10
【0202】配列番号:12 配列の長さ:14 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直線状 配列 Arg Arg Ser Ala Lys Ala Ile Asn Phe Gly Leu Ile Tyr Gly 5 10
【0203】配列番号:13 配列の長さ:14 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直線状 配列 Arg Asp Asn Ala Lys Thr Phe Ile Tyr Gly Phe Leu Tyr Gly 5 10
【0204】配列番号:14 配列の長さ:14 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直線状 配列 Arg Arg Ser Ala Lys Thr Phe Ile Tyr Gly Leu Ile Tyr Gly 5 10
【0205】配列番号:15 配列の長さ:14 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直線状 配列 Arg Arg Ser Ala Lys Thr Phe Asn Phe Gly Leu Ile Tyr Gly 5 10
【0206】配列番号:16 配列の長さ:14 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直線状 配列 Arg Arg Ser Ala Lys Ala Ile Ile Tyr Gly Leu Ile Tyr Gly 5 10
【0207】配列番号:17 配列の長さ:14 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直線状 配列 Arg Arg Ser Ala Lys Ala Ile Ile Phe Gly Leu Ile Tyr Gly 5 10
【0208】配列番号:18 配列の長さ:14 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直線状 配列 Arg Arg Ser Ala Lys Ala Ile Asn Tyr Gly Leu Ile Tyr Gly 5 10
【0209】配列番号:19 配列の長さ:14 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直線状 配列 Arg Arg Ala Ala Lys Thr Ile Asn Phe Gly Val Leu Tyr Gly 5 10
【0210】配列番号:20 配列の長さ:14 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直線状 配列 Arg Asp Asn Ala Lys Thr Ile Asn Phe Gly Val Leu Tyr Gly 5 10
【0211】配列番号:21 配列の長さ:14 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直線状 配列 Arg Arg Ala Ala Lys Thr Phe Ile Tyr Gly Phe Leu Tyr Gly 5 10
【0212】配列番号:22 配列の長さ:14 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直線状 配列 Arg Arg Ala Ala Lys Thr Ile Ile Tyr Gly Val Leu Tyr Gly 5 10
【0213】配列番号:23 配列の長さ:14 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直線状 配列 Arg Arg Ala Ala Lys Thr Ile Ile Phe Gly Val Leu Tyr Gly 5 10
【0214】配列番号:24 配列の長さ:14 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直線状 配列 Arg Arg Ala Ala Lys Thr Ile Asn Tyr Gly Val Leu Tyr Gly 5 10
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はバクテリオファージT7の遺伝子5によ
りコードされるDNAポリメラーゼのアミノ酸配列の図
による表示であり、パームおよびフィンガー領域、種々
のジデオキシ抵抗性(DR)突然変異体の位置、A−E
と標識された領域の位置およびddNTP判別に関与す
る一つの部位の位置が示されている。
【図2】図2はDNAポリメラーゼIの3次元的表示で
あり、領域A−Eの位置を示している。
【図3】図3はPol I型DNAポリメラーゼのリボ
選択性領域の図による表示であり、アミノ酸は普遍的な
一文字コードで示されている。図の左に最初のアミノ酸
番号が示されており、およびデオキシヌクレオチドと比
較したジデオキシヌクレオチドに対する判別の程度は右
に示されている。
【図4】図4は、大腸菌DNAポリメラーゼIのリボ選
択性領域の修飾の図による表示である。
【図5】図5は、T7 DNAポリメラーゼのリボ選択
性領域の修飾の図による表示である。
【図6】図6は、Taq DNAポリメラーゼのリボ選
択性領域の修飾の図による表示である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年4月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】DNAシークエンシングには二つの一般的
方法がある。一つの方法(MaxamおよびGilbertシークエ
ンシング)では,単離されたDNA断片を化学的に分解
し、各々がその決められた末端で単一の放射性標識で標
識され、各々の反応により四つの塩基(G、A,Tまた
はC)のうち一つまたはそれ以上の塩基で特異的に制限
切断される。もう一つの方法(ジデオキシまたは鎖停止
シークエンシング)ではDNA鎖の酵素的合成が行われ
る。Sanger et al.(Proc. Nat. Acad. Sci. USA 74:546
3, 1977)。一般的に四つの別々の合成が行われ、各々
の反応はジデオキシヌクレオチドのような適当な鎖停止
ヌクレオチドの取り込みにより特定の塩基(G、A,T
またはC)において停止する。放射活性標識ヌクレオシ
ド三リン酸の取り込みによりDNA断片が均一に標識さ
れ(末端標識のかわりに)、従ってより大きなDNA断
片はより放射強度が増加するので後者の方法が好適であ
る。さらに、32P標識ヌクレオチドのかわりに35S標識
ヌクレオチドが使用できるのでより鋭敏な決定ができ;
各々のレーンはG、A,TまたはCのみに対応するので
反応生成物をより簡単に解析することができる。ほとん
どのジデオキシシークエンシングに利用される酵素はT
7 DNAポリメラーゼおよびTaq、Vent、Tt
hその他のような好熱性生物から単離されたDNAポリ
メラーゼである。頻度は低いが使用されるその他のポリ
メラーゼにはAMV逆転写酵素および大腸菌DNAポリ
メラーゼIのクレノー断片などが含まれる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】本発明のDNAポリメラーゼはまた、Tabo
rおよびRichardson(上記文献)により記載されている
ような3’−5’エキソヌクレアーゼ活性またはBarns
により(WO 92/06188)に記載されているようなTaq
中の5’−3’エキソヌクレアーゼ活性のようなエキソ
ヌクレアーゼ領域を除去または変更するように修飾して
もよい。本発明のDNAポリメラーゼのddNTPを判
別する能力を変える突然変異は、好適には実質的にエキ
ソヌクレアーゼ活性に影響しない;このことは、突然変
異は酵素のポリメラーゼ領域内の、重合化の活性部位近
くにおいて生じ、単に取り込まれた類似体をそのエキソ
ヌクレアーゼ活性を介して除去するポリメラーゼの能力
を減少させることによる判別の減少ではない。本発明の
特に好適なDNAポリメラーゼは、BraithwaiteおよびI
to(21 Nuc. Acid. Res. 787,1993、ここに引例として
含まれている、およびファミリーAと称されている)に
より記載されているようなPolI型ポリメラーゼ、お
よびBraithwaiteおよびItoにより記載されており、ファ
ミリーBと称されるようなポリメラーゼ アルファまた
はポリメラーゼII−型DNAポリメラーゼである。Brai
thwaiteおよびItoにより記載されている他のポリメラー
ゼファミリーもまた本発明で使用することができる。特
に、dNTP基質の結合部位近くの位置の極性、ヒドロ
キシ含有アミノ酸残基の存在が、効率的にジデオキシヌ
クレオチドを取り込むことができるポリメラーゼに重要
であることが見いだされた。理論に拘束されるわけでは
ないが、この発見は、リボース部分の3’位にヒドロキ
シル基のないヌクレオチド(すなわちddNTP)の高
い判別には、同時にこの重要部位のアミノ酸残基上にヒ
ドロキシル基がないことを必要とするという、予期され
た結果と逆であると考えている。別の言い方をすれば、
両方のヒドロキシル基の不在により作り出された隙間ま
たは穴の存在により類似体の判別がもたらされる。この
結果を考えると、関係が薄いDNAポリメラーゼにおい
てさえも重要な残基を発見する方法が提供される;dN
TPが結合する領域において極性基を持つ残基を非極性
基に付加することは、ddNTPを判別するポリメラー
ゼの能力を減少させるための有用なアミノ酸変更の候補
である。例えば、ラットDNAポリメラーゼb(ファミ
リーAまたはBと、たとえあるにしてもわずかな相同性
しか持たないDNAポリメラーゼ)の272位のフェニ
ルアラニンは、X線解析研究によりプライマー−テンプ
レートとの三成分複合体中でddCTPの3’位と接触
していることが示されている(Pelletier et al., 264
Science 189, 1994)。本発明で説明された結果の知識
は、ジデオキシヌクレオチドをより効率的に取り込むラ
ットDNAポリメラーゼbの突然変異体のスクリーニン
グにおいてこの残基をチロシンに修飾することを論理的
な選択にしている。したがって、当業者はここに提供さ
れた情報を用いて任意のDNAポリメラーゼの判別性の
表現型を変えることができるであろう。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】別の関連する観点においては、本発明は、
一つまたはそれ以上(好適には2、3または4)のデオ
キシリボヌクレオシド三リン酸、上記のDNAポリメラ
ーゼおよび第一の鎖停止剤を用いる、本質的に上に記載
したようなDNA鎖のシークエンシングのための方法を
特徴としている。DNAポリメラーゼはプライマーを伸
長させて、伸長したプライマーの長さが異なる第一のD
NA生成物の第一のシリーズを形成させ、各々の第一の
DNA生成物はその伸長された末端に鎖停止剤を有し、
および各々の第一のDNA生成物の分子の数は長さが2
0塩基未満しか異なっていない実質的にすべてのDNA
生成物についてほとんど同じである。本方法はまた、ハ
イブリダイズした混合物中に第一の鎖停止剤と異なる濃
度の第二の鎖停止剤を提供することを特徴としており、
ここではDNAポリメラーゼは伸長されたプライマーの
長さが異なる第二のDNA生成物の第二のシリーズを生
成し、各々の第二のDNA生成物はその伸長末端に第二
の鎖停止剤を有する。各々の第二のDNA生成物の分子
の数は、長さが互いに1から20塩基しか異なっていな
い実質的にすべての第二のDNA生成物についてほとん
ど同じであり、および該第二のDNA生成物と20塩基
未満の長さの違いを有するすべての第一のDNA生成物
の分子の数とは明らかに相違する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正内容】
【0041】さらに別の観点においては、本発明は残基
667にチロシンを有するテルムスアクアチカスTher
mus aqraticus)DNAポリメラーゼ、残基762にチ
ロシンを有する大腸菌DNAポリメラーゼI、および大
腸菌DNAポリメラーゼ残基762と類似の位置、例え
ば、アミノ酸配列KN1234567YG(式中
各々のNは独立して任意のアミノ酸である)のN4位に
チロシン残基を持つPol I型DNAポリメラー
ゼ()のような特定のDNAポリメラーゼを特徴として
いる。さらに、本発明は、配列KN123456
G/Q(式中各々のNは独立して任意のアミノ酸であ
る)を有し、残基N1からN7の一つはddNTPの判別
性が減少されている(好適には非突然変異配列に比較し
て少なくとも20倍減少されている)ポリメラーゼを産
生するように突然変異を起こされているDNAポリメラ
ーゼアルファファミリーの特定のポリメラーゼを特徴と
している。本発明はまたこれらのDNAポリメラーゼを
コードする核酸も特徴としている。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0055
【補正方法】変更
【補正内容】
【0055】JoyceおよびSteitz,63 Ann.Rev.Bioc.777,
1994(本発明に対する従来の技術であるとは認められて
いない)は種々のDNAおよびRNAポリメラーゼの関
係を議論している。DNAポリメラーゼの”パー
ム”(”フィンガー”よりも)サブドメインの3つの機
能を示している−すなわち、触媒中心、プライマーの
3’末端の結合部位およびdNTP結合部位。HIV−
1逆転写酵素においてDNAポリメラーゼ阻害剤の結合
に影響する突然変異は残基67−70付近であることが
示されている。”また糖のヌクレオチド塩基の位置から
は何等有用な結論を導き出せないが、クレノー断片およ
びdNTPリン酸基間の接触の同定において結晶性二成
分複合体からの情報が役に立つであろう”とも述べられ
ている。前のパラグラフにおいて”ポリメラーゼ−dN
TP二成分複合体を形成できるが、そのような複合体は
触媒的には応答能がない”と述べられている。さらにデ
ータ”Phe762の近くにデオキシリボースが配置さ
れるであろう”および”モデルとして作られたテンプレ
ート鎖に近接するフィンガードメインに位置しているT
yr766(クレノー断片ヘリックスO内)の突然変異
体はデオキシおよびジデオキシヌクレオチド基質間の判
別に影響する...”ことが示されている。しかしなが
ら、”クレノー断片において、三成分複合体中のdNT
Pの結合(Km(dNTP)に反映される)に影響することが
観察されている突然変異はフィンガーサブドメイン内ま
たは近くのポリメラーゼの裂け目の一側面に位置してい
る。この様に同定された位置は遠くはヘリックスQのN
末端(Arg841およびAsn845)、ヘリックス
Oの露出した面(Thr766、Phe762およびA
rg754)および触媒中心近くの近接する残基(As
p705およびGlu710を含む。動力学的方法の利
点は三成分複合体が証明されることである;しかしなが
ら、上に議論したごとく、他の構造的証拠なしにテンプ
レート相互作用により開始される直接の影響を区別する
のは不可能である。さらに、前にリストした側鎖はdN
TP分子より大きな領域を包含しており、それ故、全部
はそれと直接接触されない。これらの研究により示され
たクレノー断片の領域はテンプレート鎖と広い範囲の接
触をしていると考えられたので、上に述べられた残基の
サブセットはdNTPと直接接触しており、一方、残り
はテンプレートDNAを結合しているというのが妥当な
説明である。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正内容】
【0057】Sousa et al. 364 Nature 593,1993(本発
明にたいする従来の技術であるとは認められていない)
はT7 RNAポリメラーゼの3次元構造およびその大
腸菌DNAポリメラーゼIとの相同性が記載されてい
る。彼らの観察結果は”KF(クレノー断片)のC末端
要素(b−鎖14[残基916から928]およびC末
端)は重合化の間dNTPのデオキシリボース部分と接
触し、rNTPおよびdNTP基質を判別する”ことを
示唆すると記載している。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正内容】
【0058】ジデオキシチミジンのようなジデオキシヌ
クレオシドはT7ファージ増殖の強い阻害剤である。D
NA合成の阻害はT7 DNA内へのジデオキシヌクレ
オチドの取り込みの結果であることが実験で示されてい
る。ジデオキシヌクレオシドは非感染大腸菌には阻害を
示さない。大腸菌DNA合成を阻害しないことへの説明
はわからないが、細胞の取り込み、大腸菌DNAポリメ
ラーゼIIIによるそれらの取り込みに対する高いレベル
の判別、三リン酸への不十分なリン酸化または効率のよ
い除去により説明できるであろう。どの場合においても
T7突然変異体ファージが生じることが観察され、寒天
プレート上に約10-3の頻度でジデオキシヌクレオシド
を含む正常なプラークを得ることができる。多くのこれ
らの突然変異の位置が図1に示されている。それらは遺
伝子5蛋白質内に残っている。突然変異体遺伝子5蛋白
質は天然の遺伝子5蛋白質よりもddNTPをより強く
判別する(数倍)。この変異の組のいくつかはdNTP
のリボース部分の認識に重要なポリメラーゼの領域の輪
郭をなしている。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0063
【補正方法】変更
【補正内容】
【0063】図4ー6(および表2)を参照すると、こ
の領域のアミノ酸の置換でポリメラーゼのリボ選択性
を、大腸菌DNAポリメラーゼI型からT7 DNAポ
リメラーゼ型へおよび逆に変換することが可能なことが
決定された。従って、PolI型ポリメラーゼのこの領
域を標的とした突然変異発生によりポリメラーゼのリボ
選択性を著しく変えることができる。効果は少なくとも
50−100倍であり、一般的には500倍以上であ
る。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0068
【補正方法】変更
【補正内容】
【0068】
【表2】大腸菌DNAポリメラーゼI、T7 DNAポ
リメラーゼ、およびTaq DNAポリメラーゼ間のヘ
リックスO内のドメイン交換のddNTPに対する判別
性への影響。3つのポリメラーゼの配列は最初の残基の
番号とともに一番上に示されている。これら3つのポリ
メラーゼの保存配列の下にT7 DNAポリメラーゼ
(T7)、大腸菌DNAポリメラーゼI(Pol)およ
びTaq DNAポリメラーゼ(Taq)で特性付けら
れた突然変異体が示されており、突然変異を起こした残
基に下線が付けられている。各々の突然変異体は実施例
2に記載したSDS活性ゲル分析によるddNMPとd
NMPの取り込みの相対速度が試験され、右側に結果が
示されている。突然変異体T7 C−T8、Pol I
C−K6およびTaq C−Q5がさらなる分析のた
め野生型蛋白質とともに精製された。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0069
【補正方法】変更
【補正内容】
【0069】 酵素 配列 ddNTP判別 Pol I 754 R R S A K A I N F G L I Y G 高い Taq 658 R R A A K T I N F G V L Y G 高い T7 517 R D N A K T F I Y G F L Y G 低い Consensus R A K G Y G T7 WT R D N A K T F I Y G F L Y G 低い T7 C-T2 R R S A K A I N F G L I Y G 高い T7 C-T3 R R S A K T F I Y G F L Y G 低い T7 C-T4 R D N A K A I N F G F L Y G 高い T7 C-T5 R D N A K A I I Y G F L Y G 低い T7 C-T6 R D N A K T F N F G F L Y G 高い T7 C-T7 R D N A K T F N Y G F L Y G 低い T7 C-T8 R D N A K T F I F G F L Y G 高い Pol I WT R R S A K A I N F G L I Y G 高い Pol I C-K1 R D N A K T F I Y G F L Y G 低い Pol I C-K2 R R S A K T F I Y G L I Y G 低い Pol I C-K3 R R S A K T F N F G L I Y G 高い Pol I C-K4 R R S A K A I I Y G L I Y G 低い Pol I C-K5 R R S A K A I I F G L I Y G 高い Pol I C-K6 R R S A K A I N Y G L I Y G 低い Taq WT R R A A K T I N F G V L Y G 高い Taq C-Q1 R D N A K T I N F G V L Y G 高い Taq C-Q2 R R A A K T F I Y G F L Y G 低い Taq C-Q3 R R A A K T I I Y G V L Y G 低い Taq C-Q4 R R A A K T I I F G V L Y G 高い Taq C-Q5 R R A A K T I N Y G V L Y G 低い 特異性残基 ↑ 本発明のDNAポリメラーゼはDNAテンプレートの長
さによるジデオキシヌクレオチド類似体およびデオキシ
ヌクレオチド間を有意には判別しない。すなわち、これ
らのポリメラーゼは3’ヒドロキシル基を持つヌクレオ
チドに対しそれを持たないもの(すなわち、リボースの
3’位に2つの水素を持っている)を有意に判別しな
い。しかしながら、これらのポリメラーゼはマンガンま
たは鉄の存在下においても、ヌクレオシドの他の位置の
修飾を判別するであろう。例えば本ポリメラーゼはデオ
キシヌクレオチドと比べ、結合された蛍光基を持ついく
つかのジデオキシヌクレオチド類似体を判別するであろ
う。しかしながら、本ポリメラーゼはジデオキシヌクレ
オチドへの修飾の存在または不在に基づいて、隣のまた
は近接したヌクレオチドを異なる程度では判別しない。
このように本ポリメラーゼはこれらの類似体を強く判別
し、非修飾ジデオキシヌクレオシドに比較してDNAシ
ークエンシング反応にはより高い濃度を必要とするが、
近接するバンドの強度は依然として均一であろう。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0073
【補正方法】変更
【補正内容】
【0073】エキソヌクレアーゼ活性 本発明のDNAポリメラーゼは好適には50%未満、よ
り好適には1%未満、および最も好適には0.1%未満
の正常または天然に付随するレベルのエキソヌクレアー
ゼ活性を持っている(ポリメラーゼ分子当たりの活性の
量)。正常または天然に付随するレベルとは例えば非修
飾T7型ポリメラーゼのエキソヌクレアーゼ活性を意味
している。以下に記載したようなChase et al.,(249 J.
Biol. Ch em.,4545, 1974)の方法の改良法により測定さ
れた、ポリメラーゼのmg当たりに通常付随する活性は
約5000単位のエキソヌクレアーゼ活性である。エキ
ソヌクレアーゼはテンプレートに間違って塩基対生成さ
れている新しく合成された塩基を切り出すことによりD
NA合成の忠実度を上げる。そのような付随エキソヌク
レアーゼ活性はDNAシークエンシング反応の質に有害
であろう。ヌクレオチド濃度が落ちた場合、ポリメラー
ゼ活性はエキソヌクレアーゼ活性と同じような速度まで
遅くなり、その結果全体でのDNA合成がなくなるか、
または合成されたDNAの分解さえ起こるので、付随エ
キソヌクレアーゼ活性は反応に加えなければならないヌ
クレオチド前駆体の最小必要濃度を上げることになる。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0075
【補正方法】変更
【補正内容】
【0075】理想的なシークエンシング反応はゲル全体
を通して均一の強度のバンドを与える断片を生成する。
このことはすべての放射活性断片にたいしX線フィルム
の最適な暴露を得るために必須である。もし放射活性バ
ンドの強度が変化していれば、より薄くなったバンドは
検出されないであろう。全ての断片に均一な放射活性強
度を得るには、DNAポリメラーゼはDNA上の各々の
位置で同じ時間間隔を費やさなければならず、任意の位
置でのヌクレオチドの付加または除去に優先を示しては
ならない。このことは、もしDNAポリメラーゼに付随
するエキソヌクレアーゼがなければ起こり、そのためそ
れはテンプレートに沿った各々の位置で鎖停止ヌクレオ
チドを取り込むただ一回の機会を持っているであろう。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0076
【補正方法】変更
【補正内容】
【0076】短いプライマー 本発明のDNAポリメラーゼは好適には10塩基または
それ未満、(より長いものも同様に)、最も好適には4
−20塩基(例えば6塩基、これは3つのグループで使
用でき18−merと等価物を形成する)のプライマー
を利用することができる。短いプライマーを利用できる
能力はDNAシークエンシングに多くの重要な利点を提
供する。より短いプライマーは通常の17−merプラ
イマーより安価であり、合成がより容易である。それら
はより速くDNAテンプレート上の相補的部位にアニー
ルし、そのためシークエンシング反応をより速くする。
さらに、DNAシークエンシングに小さな(例えば、6
または7塩基)オリゴヌクレオチドプライマーを利用す
る能力は、長いDNA断片のシークエンシングにそれで
なければ不可能な戦略を可能にする。例えば、80−4
000ランダムヘキサマーを含むキットが発生でき、そ
のどれもがクローニングベクター内のどの部位とも相補
的でない。統計的には80のヘキサマー配列の一つが配
列決定されるべきDNA断片に沿って平均50塩基毎に
生じるであろう。3000塩基の配列の決定にはただ5
回のシークエンシングサイクルしか必要としないであろ
う。第一に、”普遍的”プライマー(例えば、New Engl
and Biolabs #1211、配列5'GTAAAACGAACGGCCAGT3')が
挿入物の一つの末端の約600塩基の配列に使用される
であろう。このシークエンシング反応の結果を用いて、
決定された配列の末端近くの領域に相同的な新しいプラ
イマーがキットから拾い上げられるであろう。第二のサ
イクルでは、次の600塩基の配列がこのプライマーを
用いて決定されるであろう。この過程の5回の繰り返し
により、サブクローニングを必要とせず、および新規の
オリゴヌクレオチドプライマーの化学的合成なしに30
00塩基の完全な配列が決定されるであろう。そのよう
な短いプライマーの使用はシークエンシング反応にT7
の遺伝子2.5および遺伝子4タンパク質を含ませるこ
とにより促進されるであろう。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0079
【補正方法】変更
【補正内容】
【0079】マンガン存在下ではT7 DNAポリメラ
ーゼおよび大腸菌DNAポリメラーゼIによる判別は減
少する;T7 DNAポリメラーゼでは3.7から1へ
減少し、および大腸菌DNAポリメラーゼIでは550
から3.9に(ddATPに対して)減少した。出願者
が最初に、唯一の二価カチオンとしてマグネシウムイオ
ンの存在下100未満の連続移動性を持ち(プライマー
−テンプレートから解離する前に与えられたプライマー
から伸長された平均の長さとして定義される;逆転写酵
素はこの定義によると約150−200の連続移動性を
持っており、T7 DNAポリメラーゼはこれより大き
い連続移動性を持っている)、ddNMPの取り込みに
対し100倍未満の判別を行うDNAポリメラーゼを提
供した。対照的に、Taqのような既知のDNAポリメ
ラーゼのほとんどは100未満の連続移動性を持ち、d
dNMPの取り込みに対し100倍以上の判別を行う。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0081
【補正方法】変更
【補正内容】
【0081】しかしながら、均一の強度のバンドを与え
およびより少ないddNTPの使用を可能にするため
に、急速に循環しまたddNMPを効率的に取り込むポ
リメラーゼがより良好である。そのようなポリメラーゼ
が低いエキソヌクレアーゼ活性を持つかまたは全く持た
ず、および加ピロリン酸分解によるバンドの分解を防ぐ
ためピロホスファターゼを加えるのもまた好適である。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0082
【補正方法】変更
【補正内容】
【0082】唯一の二価カチオンとしてマグネシウムで
DNAシークエンシング反応を実施できることも好適で
ある(すなわち、マンガン非存在下)。第一に、ポリメ
ラーゼはマグネシウムに比べマンガンでより不活性にな
りがちである(例えば、Taborおよび Richardson. Pro
c. Natl. Acad. Sci. USA 86, 4076-4080(1989)参
照)。第二に、ポリメラーゼは広い範囲のマグネシウム
濃度で活性である一方、最適活性はほとんどの場合に非
常に鋭く、低い最適マンガン濃度が必要とされる(同
上)。および、最適マンガン濃度では、ポリメラーゼの
活性がはるかに低いようなより高い濃度の場合よりもd
dNTPに対する判別の減少への効果が小さい。第三
に、マンガンはキットに含ませるには都合のよい金属イ
オンではない;容易に沈澱を生じる(特により高いpH
で)。第四に、マンガンがどの好熱性ポリメラーゼにつ
いてもddNTPの判別を減少させるための金属イオン
として効果があるのかどうか明かではない(すなわち、
より高い温度で)。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0084
【補正方法】変更
【補正内容】
【0084】”DNAポリメラーゼIは低い連続移動性
を持っており、10ヌクレオチド未満の取り込み後に解
離する。ddNTP非存在下のDNA合成の間に部位か
ら酵素が解離する頻度およびその部位でのddNMPの
取り込みに対する判別の程度の間に強い関係がある(未
発表データ)。このことは、DNAポリメラーゼIは連
続移動性合成の間はdNMPおよびddNMPを類似の
速度で取り込む;しかしながら、合成が連続移動性でな
い場合、dNMPはddNMPに優先して取り込まれる
ことを示唆している。このモデルはT7 DNAポリメ
ラーゼと比較してのDNAポリメラーゼIによるddN
MP取り込みのより大きな変異を説明できる、なぜな
ら、後者は前者に比べ2桁大きな値の連続移動性を持っ
ているからである(引用省略)。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0085
【補正方法】変更
【補正内容】
【0085】このように、我々はここに記載した突然変
異体が突然変異体酵素の連続移動性を本当に増加させる
という証拠を観察していないので、大腸菌DNAポリメ
ラーゼIおよびTaqDNAポリメラーゼでの本発明の
結果は驚くべきものである。
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0086
【補正方法】変更
【補正内容】
【0086】好熱性ポリメラーゼ ddNTPに対する判別が100倍以下である好熱性ポ
リメラーゼが特に本発明で有用である。さらに、唯一の
二価カチオンとしてのマグネシウムの存在下ddNTP
に対する判別が100倍以下であり、好適には一つのプ
ライマー−テンプレートから別のものへのサイクルが1
秒当たり1回またはそれ以上のものが有用である。好熱
性ポリメラーゼは60℃以上で15分の反応において最
適DNAポリメラーゼ活性を持つポリメラーゼとして定
義される。
【手続補正20】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0087
【補正方法】変更
【補正内容】
【0087】均一バンド強度 マンガンはddATPに対するクレノー断片の判別を5
50から3.9に減少させるが、Taborおよび Richards
on(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86, 4076-4080(198
9))は個々のバンドの強度にまだ広範囲の変異があるこ
と(図2参照 同上)を示している。このように、T7
DNAポリメラーゼから離れても、本発明はクレノー
断片のように急速に循環するポリメラーゼおよび唯一の
二価カチオンとしてのマグネシウムの存在下でも(ほと
んどのポリメラーゼの活性に好適な条件、下記参照)均
一な強度を持つバンドを産生する好熱性生物由来のポリ
メラーゼを初めて提供する。急速に循環する酵素は以下
に記載した本分野では既知の方法により決定できる。
【手続補正21】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0091
【補正方法】変更
【補正内容】
【0091】2. ポリメラーゼアルファファミリー
(ポリメラーゼIIファミリーとも呼ばれる) Delarue et al., Protein Engineering 3, 461-467(199
0)はポリメラーゼの二つのファミリー(ポリメラーゼI
ファミリーおよびポリメラーゼアルファファミリー)が
三つの共通のモチーフを共有していることを示してい
る。彼らが”モチーフB”と呼んだ領域にジデオキシリ
ボースの特異性に関すると同定された残基が含まれてい
る。この領域はポリメラーゼIファミリー中、配列KN
1234567YG(ここでN4は特異的残基であ
り:もしN4がフェニルアラニンであれば、高い判別性
であり、もしN4がチロシンであれば低い判別性であ
る)により特徴付けられる。ポリメラーゼアルファファ
ミリーにおいては、配列はKN123456YG
(保存残基の間では塩基が一つ少ない)。従ってポリメ
ラーゼI型酵素とちょうど同じにこのモチーフ(リジン
(K)およびチロシン(Y)の間)内の残基の変化がこ
れらのポリメラーゼのddNTPに対する判別度を減少
させるであろう。これらの残基は以下の様である:
【表4】 大腸菌DNAポリメラーゼII Ile494-Phe499 PRD1 DNAポリメラーゼ Leu341-Ser346 Φ29 DNAポリメラーゼ Leu384-Leu389 M2 DNAポリメラーゼ Leu381-Leu386 T4 DNAポリメラーゼ Ile558-Leu563テルミュオコッカス リトラリスThermuococcus litoralis) DNAポリメラーゼ(Vent) Leu492-Tyr497ピロコッカス フリウサスPyrococcus feriosus) DNAポリメラーゼ Leu489-Phe494スルフォロブス ソルファタリカスSulfolobus solfataricus) DNAポリメラーゼ Val604-Thr609 ヒトDNAポリメラーゼ アルファ Leu951-His956S.セレビジエcerevisiae)DNAポリメラーゼI (アルファ) Leu945-His950S.ポンベpombe)DNAポリメラーゼI(アルファ) Leu931-His936ドロソフィラ メラノガスターDrosophila melanogaster) DNAポリメラーゼアルファ Leu960-His965トリパノソーマ ブルーセイTrypanosoma brucei) DNAポリメラーゼ アルファ Leu845-His850 ヒトDNAポリメラーゼ デルタ Val695-Val700 ウシDNAポリメラーゼ デルタ Val694-Val699S.セレビジエcerevisiae)DNAポリメラーゼIII (デルタ) Ile702-Val707S.ポンベpombe)DNAポリメラーゼIII(デルタ) Val681-Val686 熱帯熱マラリアDNAポリメラーゼ(デルタ) Ile692-Val697S.セレビジエcerevisiae)DNAポリメラーゼII (イプシロン) Val82-Phe830S.セレビジエcerevisiae)DNAポリメラーゼRev3 Leu1087-Thr1092 単純ヘルペスウイルス タイプ1 DNAポリメラーゼ Val812-Val817 エキンヘルプスウイルス タイプ1 DNAポリメラーゼ Val813-Val818 水痘帯状ヘルペスウイルス DNAポリメラーゼ Val776-Val781 エプスタイン−バールウイルス DNAポリメラーゼ Cys682-Val687 ヘルペスウイルス サイミリ DNAポリメラーゼ Val671-Val676 ヒトサイトメガロウイルス DNAポリメラーゼ Val811-Phe816 マウスサイトメガロウイルス DNAポリメラーゼ Val717-Phe722 ヒトヘルペスウイルス タイプ6 DNAポリメラーゼ Ile667-Val672 湖水ナマズウイルス DNAポリメラーゼ Ile750-His755 クロレラウイルス DNAポリメラーゼ Ile586-Val591 鶏頭ウイルス DNAポリメラーゼ Ile648-Val653 ワクシニアウイルス DNAポリメラーゼ Ile637-Val642コリストニューラ ビエニスChoristoneura biennis) DNAポリメラーゼ Ile669-Leu674オートグラファ カリホルニカAutographa californica) 核多面化ウイルス(AcMNPV)DNAポリメラーゼ Arg606-Ile611 マイマイガ核多面化ウイルスDNAポリメラーゼ Arg624-Ile629 アデノウイルスー2DNAポリメラーゼ Leu696-Leu701 アデノウイルスー7DNAポリメラーゼ Leu762-Leu767 アデノウイルスー12DNAポリメラーゼ Leu694-Leu699 S−1トウモロコシDNAポリメラーゼ Leu618-Leu623カリオ ニューロスポラ インターメジアKalio neurospora intermedia)DNAポリメラーゼ Leu776-Leu777 pAI2アスコボラス イマーサスAscobolus immersus) DNAポリメラーゼ Leu951-leu956 pCLK1 クラビセプス プルプレアClaviceps purpurea) DNAポリメラーゼ Leu831-Leu836マランハル ニューロスポラ クラッサMaranhar neurospora crassa) DNAポリメラーゼ Leu752-Leu757 pEM アガリカス ビトルキスAgricus bitorquis) DNAポリメラーゼ Leu573-Leu578 pGKL1 クライベロマイセス ラクチスKluyveromyces lactis) DNAポリメラーゼ Ile785-Leu790 pGKL2 クライベロマイセス ラクチスKluyveromyces lactis) DNAポリメラーゼ Ile770-Gly776 pSKL サッカロマイセス クライベリSaccaromyces kluyveri) DNAポリメラーゼ Ile775-Gly781 上述のポリメラーゼのうち代表的なものについて、対応
する位置のアミノ酸残基を以下に示す。
【手続補正22】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0141
【補正方法】変更
【補正内容】
【0141】DNAポリメラーゼの修飾がddNTPを
判別する能力を減少させた(すなわち、ジデオキシヌク
レオチドをより効率よく取り込む)かどうかを決定する
ために本試験を使用するには、同一の単位数の修飾およ
び非修飾DNAポリメラーゼが上記のddNTPとdN
TPを種々の比で含む一連の反応で使用されるであろ
う。二つの酵素に対しddNTPとdNTPが同一の比
でジデオキシ停止断片の平均の長さが比較される。もし
修飾がDNAポリメラーゼがジデオキシヌクレオチドを
より効率よく取り込む結果を与えるなら、dNTP対d
dNTPが同じ比では非修飾DNAポリメラーゼを使用
した反応のジデオキシ停止断片の平均の長さに比較して
修飾DNAポリメラーゼを使用したものの方がより短い
であろうし、一方、もし修飾によりDNAポリメラーゼ
がddNTPをより判別するようになるなら修飾DNA
ポリメラーゼを用いた反応で平均の長さがより長くなる
であろう。
【手続補正23】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0173
【補正方法】変更
【補正内容】
【0173】以下の実施例は異なるDNAポリメラーゼ
により合成されたジデオキシ停止断片から作り出される
バンド強度の均一性を試験するために提供されるもので
ある。実施例13.一本鎖M13DNA−5’32P−標識40
−mer複合体およびゲル電気泳動を用いるジデオキシ
ヌクレオチド取り込みの均一性の決定 この実施例ではジデオキシヌクレオチド取り込みの均一
性が一本鎖M13DNAテンプレートで伸長された5’
32P−末端標識プライマーで測定される。三つの活性が
ジデオキシ停止断片のバンド強度の変異を起こすことが
できる。一つはエキソヌクレアーゼ活性であり、いくつ
かの配列では優先的である;これは化学的または遺伝学
的手段により選択的に活性を除去することにより避けら
れる(例えば、TaborおよびRichardson 264 J.Biol.Che
m.6447,1989参照)。第二は加ピロリン酸分解であり;
これはDNA合成の間に蓄積され、加ピロリン酸分解に
必要な基質であるピロリン酸を分解するピロホスファタ
ーゼを反応混合物中に含ませることにより容易に避ける
ことができる。第三はジデオキシヌクレオチドの取り込
みにおける配列特異的変異である。バンド強度の変異は
DNA配列分析に有害であり、決定されるDNA配列の
正確性を減少させる。この試験はジデオキシヌクレオチ
ドをより効率的に取り込むであろう突然変異体DNAポ
リメラーゼを含む異なるDNAポリメラーゼにより合成
された断片中のバンド強度の変異性の程度を比較するた
めに計画された。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12Q 1/68 Z 9453−4B //(C12N 9/12 C12R 1:01) (C12N 9/12 C12R 1:07) (C12N 9/12 C12R 1:19) (72)発明者 スタンレー・テーバー アメリカ合衆国マサチューセッツ州02138, ケンブリッジ,ローウェル・ストリート 9エイ (72)発明者 チャールズ・シー・リチャードソン アメリカ合衆国マサチューセッツ州02167, チェスナット・ヒル,チェスナット・ヒ ル・ロード 78

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対応する天然に存在するDNAポリメラー
    ゼの能力と比較して、対応するデオキシヌクレオチドに
    対してジデオキシヌクレオチドまたは他のデオキシヌク
    レオチド類似体を取り込む能力を増加させるように修飾
    されているDNAポリメラーゼ。
  2. 【請求項2】対応する天然に存在するDNAポリメラー
    ゼの能力と比較して、対応するデオキシヌクレオチドに
    対してジデオキシヌクレオチドを取り込む能力を増加さ
    せるように、ポリメラーゼのジデオキシヌクレオチド結
    合部位中において修飾されているDNAポリメラーゼ。
  3. 【請求項3】ポリメラーゼのジデオキシヌクレオチド結
    合部位中において、天然に存在するアミノ酸の代わりに
    チロシンを有するDNAポリメラーゼ。
  4. 【請求項4】対応する天然に存在するDNAポリメラー
    ゼの能力と比較して、対応するデオキシヌクレオチドに
    対してジデオキシヌクレオチドを取り込む能力を少なく
    とも20倍増加させるように修飾されているDNAポリ
    メラーゼ。
  5. 【請求項5】デオキシヌクレオチドとジデオキシヌクレ
    オチドとを100倍未満で区別するDNAポリメラー
    ゼ。
  6. 【請求項6】唯一の二価カチオンとしてのマグネシウム
    の存在下に、dNMPと比較してddNMPを100倍
    未満で判別する好熱性DNAポリメラーゼ。
  7. 【請求項7】Thermus aquaticus,T
    hermus thermophilis,Therm
    us flavus,Bacillus sterot
    hermophilus,Thermococcus
    litoralis,およびPyrococcus f
    uriosisからなる群より選択される生物に由来す
    る、請求項6記載のDNAポリメラーゼ。
  8. 【請求項8】残基667においてチロシンを有する、T
    hermus aquaticusDNAポリメラー
    ゼ。
  9. 【請求項9】大腸菌DNAポリメラーゼの残基762の
    類似位置にチロシン残基を有する、天然に存在しないP
    ol I型DNAポリメラーゼ。
  10. 【請求項10】デオキシヌクレオチド結合部位において
    アミノ酸配列KN123YN567YG/Q(式中、
    各々のNは独立して任意のアミノ酸である)を含む、P
    olI型DNAポリメラーゼ。
  11. 【請求項11】DNAシークエンシングにおいて用いる
    ことが可能なように十分に低いエキソヌクレアーゼ活性
    を有する、請求項1−10のいずれかに記載のDNAポ
    リメラーゼ。
  12. 【請求項12】100未満の平均連続移動性を有する、
    請求項1−11のいずれかに記載のDNAポリメラー
    ゼ。
  13. 【請求項13】大腸菌のDNAポリメラーゼIの666
    −682、710−755、755−784、798−
    867および914−928に対応する領域から選択さ
    れる領域中のアミノ酸において修飾されているPolI
    型DNAポリメラーゼ。
  14. 【請求項14】配列KN1234567YG(式
    中、各々のNは独立して任意のアミノ酸である)を有
    し、ここで前記Nの1つはddNMPの取り込みに対す
    る判別がdNMPの取り込みの50倍より多くないポリ
    メラーゼを与えるように修飾されていることを特徴とす
    るDNAポリメラーゼアルファ。
  15. 【請求項15】非変異ポリメラーゼと比較して少なくと
    も20倍以上効率的にddNMPを取り込むポリメラー
    ゼを与えるようにN1からN6のいずれかにおいて修飾さ
    れている、請求項14記載のDNAポリメラーゼアルフ
    ァ。
  16. 【請求項16】請求項1−15のいずれかに記載のDN
    Aポリメラーゼをコードするポリヌクレオチド。
  17. 【請求項17】請求項1−15のいずれかに記載のDN
    Aポリメラーゼを製造する方法であって、 (a)DNAポリメラーゼをコードする核酸分子を用意
    し; (b)ヌクレオチド塩基配列内の1つまたはそれ以上の
    部位における1つまたはそれ以上の塩基を変更させるよ
    うに該核酸分子に突然変異を起こさせ;そして (c)該変異させた核酸分子により発現される修飾され
    たDNAポリメラーゼを回収する;の各工程を含む方
    法。
  18. 【請求項18】ジデオキシシークエンシングによりDN
    A分子のヌクレオチド塩基配列を決定する方法であっ
    て、鎖伸長に用いられる酵素が請求項1−15のいずれ
    かに記載のDNAポリメラーゼであることを特徴とする
    方法。
  19. 【請求項19】前記DNAポリメラーゼが熱安定性DN
    Aポリメラーゼであり、前記シークエンシングが50℃
    より高い温度において実施される、請求項18記載の方
    法。
  20. 【請求項20】核酸のシークエンシング方法であって、
    オリゴヌクレオチドプライマー、シークエンスされるべ
    き核酸、1および4の間のデオキシリボヌクレオシド三
    リン酸、請求項1−15のいずれかに記載のDNAポリ
    メラーゼおよび異なる量の少なくとも2つの鎖停止剤
    を、該オリゴヌクレオチドプライマーが伸長してシーク
    エンスされるべき核酸に相補的な核酸断片を形成するの
    に好ましい条件下に混合し;大きさにより核酸断片を分
    離し;そして核酸配列を決定し、ここで該試薬はプライ
    マー伸長生成物中の標識の強度により互いに異なる;の
    各工程を含む方法。
  21. 【請求項21】請求項1−15のいずれかに記載のDN
    Aポリメラーゼを用いることを特徴とするサイクルシー
    クエンシング方法。
  22. 【請求項22】サイクルシークエンシング反応において
    4つのddNTPの各々に対し過剰量または同量の4つ
    のdNTPを用意し;そして該サイクルシークエンシン
    グ反応を実施する;の各工程を含む、請求項21記載の
    サイクルシークエンシング方法。
  23. 【請求項23】サイクルシークエンシング反応において
    対応するデオキシヌクレオチドと比較して10倍未満の
    量の4つすべての蛍光標識したジデオキシヌクレオチド
    を用意し;そして該サイクルシークエンシング反応を実
    施する;の各工程を含む、請求項21記載のサイクルシ
    ークエンシング方法。
  24. 【請求項24】請求項1−15のいずれかに記載の修飾
    されたDNAポリメラーゼを含むことを特徴とする、D
    NAシークエンシング用キット。
  25. 【請求項25】自動化DNAシークエンシング装置であ
    って、1つのプライマーおよびDNA鎖から形成される
    少なくとも二つのシリーズのDNA生成物を提供する試
    薬を含む反応器、ここで該試薬は請求項1−15のいず
    れかに記載のDNAポリメラーゼを含み、該シリーズの
    該DNA生成物の各々は分子量が異なりかつ1つの末端
    に鎖停止剤を有しており;分離装置の1つの軸に沿って
    該DNA生成物を分離し一連のバンドを形成させるため
    の分離手段、ここで1つのシリーズ中の実質的にすべて
    の近傍バンドの強度はほぼ同一であり、任意のシリーズ
    中の実質的にすべての近傍バンドの強度は他のシリーズ
    のものと異なり;軸に沿って分離した後に各々のバンド
    の位置および強度を決定するためのバンド読みとり手
    段;および分離手段中に存在しているであろう標識から
    の光放出の波長からではなく軸に沿ったバンドの位置お
    よび強度のみからDNA鎖のDNA配列を決定するコン
    ピューター手段;を含むことを特徴とする装置。
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