JPH08205889A - 光学活性体の製造法 - Google Patents

光学活性体の製造法

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JPH08205889A
JPH08205889A JP28116295A JP28116295A JPH08205889A JP H08205889 A JPH08205889 A JP H08205889A JP 28116295 A JP28116295 A JP 28116295A JP 28116295 A JP28116295 A JP 28116295A JP H08205889 A JPH08205889 A JP H08205889A
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pseudomonas
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JP28116295A
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English (en)
Inventor
Kazuo Nakahama
一雄 中濱
Naoki Tarui
直樹 樽井
Mikio Izawa
幹夫 伊澤
Yoichi Nagano
洋一 長野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Publication date
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  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Nitrogen And Oxygen As The Only Ring Hetero Atoms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】光学活性体の製造法の提供。 【解決手段】式(I) 【化1】 で表わされる化合物のラセミ体に、不斉加水分解する能
力を有する微生物の培養物またはその処理物を接触させ
ることを特徴とする、上記化合物の光学活性体の製造
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学活性体の製造
法に関する。とりわけ、コレステロール低下作用及びト
リグリセライド低下作用などを有し、高脂血症治療薬と
して有用な化合物の光学活性体に関する。
【0002】
【従来の技術】右旋性および左旋性の光学異性体の混合
物質から一方の光学異性体を光学的に分割することは、
通常強い薬効を有するのは右旋性物質(d体)および左
旋性物質(l体)のいずれか一方である場合が多いこと
から、実用上価値が高い。また、原薬のように光学的な
高純度が要求される場合には、高効率で右旋性物質およ
び左旋性物質を光学的に分割することが望ましい。一
方、EPA567026,WO95/21834(特願
平6−15531号に基づく出願)、EPA64537
7(特願平6−229159号に基づく出願),EPA
645378(特願平6−229160号に基づく出
願)には、スクアレン合成酵素阻害作用を有し、コレス
テロール低下剤として有用な化合物が記載されている。
これらの化合物の光学活性体を、微生物を用いる等して
酵素的に有利に得る方法は知られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、コレ
ステロール低下剤及びトリグリセライド低下剤等の高脂
血症治療剤として有用な化合物の光学活性体を効率的に
得る方法を提供することである。本発明は、一般式
(I)
【化4】 〔式中、R1は水素または置換されていてもよい炭化水
素基を、R2およびR3は同一または異なって水素,置換
されていてもよい炭化水素基あるいは置換されていても
よい芳香族複素環基を、X'はエステル化されたカルボ
キシル基あるいはアシル化された水酸基を有する置換基
を、環Aは置換されていてもよいベンゼン環または置換
されていてもよい芳香族複素環を、環J'は環構成原子
として3個以下のヘテロ原子を含有する7ないし8員の
複素環を、環J'はR1,R2,R3,X'以外にさらに置
換基を有していてもよい。C*は不斉炭素原子を示す〕
で表わされる化合物の光学活性体を得るための効率的な
製造法を提供するものである。また、該製造法は、工業
的かつ安価な方法である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、式
【化5】 〔式中、環Mは環構成原子として不斉炭素を有する複素
環を、Rは置換基を、C*は不斉炭素原子を示す〕で表
される、環を構成する不斉炭素に結合する酢酸エステル
を、微生物を用いて光学分割することが可能ではないか
と考え、鋭意研究を重ねた結果、該酢酸エステルに、不
斉加水分解する能力を有する微生物の培養物またはその
処理物を接触させることによって、該エステルが不斉加
水分解され、目的とする光学活性体を効率的に生産させ
ることができることを見いだし、本発明を完成した。
【0005】すなわち、本発明は (1)式(I)
【化6】 〔式中、R1は水素または置換されていてもよい炭化水
素基を、R2およびR3は同一または異なって水素,置換
されていてもよい炭化水素基あるいは置換されていても
よい芳香族複素環基を、X'はエステル化されたカルボ
キシル基あるいはアシル化された水酸基を有する置換基
を、環Aは置換されていてもよいベンゼン環または置換
されていてもよい芳香族複素環を、環J'は環構成原子
として3個以下のヘテロ原子を含有する7ないし8員の
複素環を、環J'はR1,R2,R3及びX'以外にさらに
置換基を有していてもよい。C*は不斉炭素原子を示
す〕で表わされる化合物を、酵素的不斉加水分解反応に
付すことを特徴とする式(I)の化合物の光学活性体の
製造法、(2)酵素的不斉加水分解反応を、不斉加水分
解する能力を有する微生物の培養物またはその処理物と
接触させることにより行う上記(1)記載の光学活性体
の製造法、(3)式(I)で表わされる化合物の光学活
性体を分離することを特徴とする上記(1)記載の製造
法、
【0006】(4)式(I)で表される化合物が式
【化7】 〔式中、R1は水素または置換されていてもよい炭化水
素基を、R2およびR3は同一または異なって水素,置換
されていてもよい炭化水素基あるいは置換されていても
よい芳香族複素環基を、Z2はS(O)q(qは0,1もし
くは2を示す)またはOを、Xは結合手または2価の原
子鎖を、Yはエステル化されたカルボキシル基またはア
シル化された水酸基を、環Bは置換されていてもよいベ
ンゼン環を示す〕で表わされる化合物である上記(1)
記載の製造法、(5)式(I)で表される化合物が式
【化8】 〔式中、R1は水素または置換されていてもよい炭化水
素基を、Y1はエステル化されたカルボキシル基を、環
Bは置換されていてもよいベンゼン環を、環Cは置換さ
れていてもよいベンゼン環を示す〕で表わされる化合物
である上記(1)記載の製造法、
【0007】(6)微生物が細菌または糸状菌である上
記(2)記載の製造法、(7)細菌がシュードモナス
(Pseudomonas)属またはバチルス(Bacillus)属に属
する微生物である上記(6)記載の製造法、(8)シュ
ードモナス属に属する微生物が、シュードモナス・テト
ロレンス(Pseudomonas taetrolens),シュードモナス
・ディミヌタ(Pseudomonas diminuta),シュードモナ
ス・エアルギノサ(Pseudomonas aeruginosa)またはシ
ュードモナス・ベシクラリス(Pseudomonas vesiculari
s)である上記(7)記載の製造法、(9)シュードモ
ナス属に属する微生物が、シュードモナス・テトロレン
スIFO12691,シュードモナス・ディミヌタIF
O13182,シュードモナス・エアルギノサIFO3
923またはシュードモナス・ベシクラリスIFO12
165である上記(7)記載の製造法、(10)バチル
ス属に属する微生物が、バチルス・サチルス(Bacillus
subtilis)である上記(7)記載の製造法、(11)
バチルス属に属する微生物が、バチルス・サチルスIF
O3026である上記(7)記載の製造法、(12)糸
状菌がフミコラ(Humicola)属またはリゾパス(Rhizop
us)属に属する微生物である上記(6)記載の製造法、
(13)フミコラ属に属する微生物が、フミコラ・ラヌ
ギノサ(Humicola lanuginosa)である上記(12)記
載の製造法、(14)リゾパス属に属する微生物が、リ
ゾパス・デレマー(Rhizopus delemer)である上記(1
2)記載の製造法である。
【0008】本発明においては、化合物(I)に、微生
物の培養物またはその処理物を接触させ、光学活性体を
得る。式(I)で表わされる化合物は、式(Ia)
【化9】 〔式中、各記号は前記と同意義である〕で表わされる化
合物および式(Ib)
【化10】 〔式中、各記号は前記と同意義である〕で表される化合
物の混合物(ラセミ体)である。式(Ia)および(Ib)
で表わされる化合物はいずれも光学活性体であり、
(R)はR−配置を、(S)はS−配置を示す。
【0009】以下、本発明を更に詳細に説明する。式
(I)〔(Ia),(Ib)を含む〕,(II)および(III)
において、R1で示される「置換されていてもよい炭化
水素基」の炭化水素基としては、脂肪族鎖式(非環状)
炭化水素基、脂環式炭化水素基およびアリール基などが
挙げられるが、なかでも脂肪族鎖式炭化水素基が好まし
い。 該炭化水素基の脂肪族鎖式(非環式)炭化水素基として
は、直鎖状または分枝鎖状の脂肪族炭化水素基、例え
ば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基などが挙
げられる。なかでも分枝状アルキル基が好ましい。該ア
ルキルとしては、例えばメチル,エチル,n−プロピ
ル,イソプロピル,n−ブチル,イソブチル,sec−ブ
チル,tert−ブチル,n−ペンチル,イソペンチル,ネ
オペンチル,1−メチルプロピル,n−ヘキシル,イソ
ヘキシル,1,1−ジメチルブチル,2,2−ジメチルブ
チル,3,3−ジメチルブチル,3,3−ジメチルプロピ
ル,2−エチルブチル,n−ヘプチルなどのC1-7アル
キルが挙げられ、なかでも、n−プロピル,イソプロピ
ル,イソブチル,ネオペンチルなどのC3-5アルキルが
好ましく、特にイソブチル,ネオペンチルなどが好まし
い。該アルケニル基としては、例えば、ビニル、アリ
ル、イソプロペニル、2−メチルアリル、1−プロペニ
ル、2−メチル−1−プロペニル、2−メチル−2−プ
ロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニ
ル、2−エチル−1−ブテニル、2−メチル−2−ブテ
ニル、3−メチル−2−ブテニル、1−ペンテニル、2
−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、4−
メチル−3−ペンテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセ
ニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニ
ル等のC2-6アルケニルが挙げられ、なかでも、ビニ
ル、アリル、イソプロペニル、2−メチルアリル、2−
メチル−1−プロペニル、2−メチル−2−プロペニ
ル、3−メチル−2−ブテニル等が特に好ましい。該ア
ルキニル基としては、例えば、エチニル、1−プロピニ
ル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3
−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペ
ンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキ
シニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシ
ニル等のC2-6アルキニルが挙げられ、中でもエチニ
ル、1−プロピニル、2−プロピニル等が特に好まし
い。
【0010】該炭化水素基の脂環式炭化水素基として
は、飽和または不飽和の脂環式炭化水素基、例えば、シ
クロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルカジ
エニル基等が挙げられる。該シクロアルキル基としては
炭素数3〜9個のシクロアルキル基が好ましく、例え
ば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、
シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シ
クロノニル等が挙げられ、中でも、シクロプロピル、シ
クロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等のC
3-6シクロアルキル基が好ましい。該シクロアルケニル
基としては、例えば、2−シクロペンテン−1−イル、
3−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−
1−イル、3−シクロヘキセン−1−イル、1−シクロ
ブテン−1−イル、1−シクロペンテン−1−イル等の
3-6シクロアルケニルが挙げられる。該シクロアルカ
ジエニル基としては、例えば、2,4−シクロペンタジ
エン−1−イル、2,4−シクロヘキサジエン−1−イ
ル、2,5−シクロヘキサジエン−1−イルなどのC
3-6シクロアルカジエニルが挙げられる。該炭化水素基
のアリール基としては、炭素数6〜16の単環式または
縮合多環式芳香族炭化水素基が挙げられ、例えば、フェ
ニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、アセナ
フチレニル等が挙げられ、なかでもフェニル、1−ナフ
チル、2−ナフチル等のC6-10のアリール基が特に好ま
しい。
【0011】R1で示される「置換されていてもよい炭
化水素基」の置換基としては、置換されていてもよいア
リール基、置換されていてもよいシクロアルキル基もし
くはシクロアルケニル基、置換されていてもよい複素環
基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていても
よい水酸基、置換されていてもよいチオール基、ハロゲ
ン(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、オキソ等が挙
げられ、該炭化水素基はこれらの任意の置換基で置換可
能な位置に1〜5個(好ましくは1〜3個)置換されて
いてもよい。該置換されていてもよいアリール基のアリ
ール基としては、フェニル、ナフチル、アントリル、フ
ェナントリル、アセナフチレニル等のC6-16アリール基
が挙げられ、なかでもフェニル、1−ナフチル、2−ナ
フチル等のC6-10のアリール基が好ましい。該置換され
ていてもよいアリールの置換基としては、炭素数1〜3
個のアルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキ
シ等)、ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ
素)、炭素数1〜3個のアルキル基(例、メチル、エチ
ル、プロピル等)等が挙げられ、該アリール基はこれら
の任意の置換基で1〜2個置換されていてもよい。該置
換されていてもよいシクロアルキル基のシクロアルキル
基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペ
ンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等のC3-7
クロアルキル基等が挙げられる。該置換されていてもよ
いシクロアルキル基の置換基とその置換数としては、前
記置換されていてもよいアリール基における置換基と同
様な種類と個数が挙げられる。該置換されていてもよい
シクロアルケニル基のシクロアルケニル基としては、シ
クロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、
シクロヘキセニル等のC3-6シクロアルケニル基等が挙
げられる。該置換されていてもよいシクロアルケニル基
の置換基とその置換数としては、前記置換されていても
よいアリール基における置換基と同様な種類と個数が挙
げられる。該置換されていてもよい複素環基の複素環基
としては、ともに環系を構成する原子(環原子)とし
て、酸素、硫黄、窒素のうち少なくとも1個,好ましく
は1〜4個のヘテロ原子をもつ芳香族複素環基及び、飽
和あるいは不飽和の非芳香族複素環基(脂肪族複素環
基)が挙げられるが、好ましくは芳香族複素環基であ
る。該芳香族複素環基としては、芳香族単環式複素環基
(例、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イ
ソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダ
ゾリル、ピラゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、
1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾ
リル、フラザニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,
4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,
2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、テト
ラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピ
ラジニル、トリアジニル等)及び5〜8員環が2〜3個
縮合した芳香族縮合複素環基(例:ベンゾフラニル、イ
ソベンゾフラニル、ベンゾ〔〕チエニル、インドリ
ル、イソインドリル、1H−インダゾリル、ベンズイミ
ダゾリル、ベンゾオキサゾリル、1,2−ベンゾイソオ
キサゾリル、ベンゾチアゾリル、1,2−ベンゾイソチ
アゾリル、1H−ベンゾトリアゾリル、キノリル、イソ
キノリル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニ
ル、フタラジニル、ナフチリジニル、プリニル、プテリ
ジニル、カルバゾリル、α−カルボリニル、β−カルボ
リニル、γ−カルボリニル、アクリジニル、フェノキサ
ジニル、フェノチアジニル、フェナジニル、フェノキサ
チイニル、チアントレニル、フェナトリジニル、フェナ
トロリニル、インドリジニル、ピロロ〔1,2−〕ピ
リダジニル、ピラゾロ〔1,5−〕ピリジル、イミダ
ゾ〔1,2−〕ピリジル、イミダゾ〔1,5−〕ピリ
ジル、イミダゾ〔1,2−〕ピリダジニル、イミダゾ
〔1,2−〕ピリミジニル、1,2,4−トリアゾロ
〔4,3−〕ピリジル、1,2,4−トリアゾロ〔4,3
〕ピリダジニル等)が挙げられるが、なかでもフリ
ル、チエニル、インドリル、イソインドリル、ピラジニ
ル、ピリジル、ピリミジニルなどの5〜6員芳香族単環
式複素環基が好ましい。該非芳香族複素環基としては、
例えば、オキシラニル、アゼチジニル、オキセタニル、
チエタニル、ピロリジニル、テトラヒドロフリル、チオ
ラニル、ピペリジル、テトラヒドロピラニル、モルホリ
ニル、チオモルホリニル、ピペラジニル等4〜8員非芳
香族複素環基が挙げられる。該置換されていてもよい複
素環基は1〜4個、好ましくは1〜2個の置換基を有し
ていてもよく、このような置換基としては、炭素数1〜
3個のアルキル基(例:メチル、エチル、プロピル等)
等が挙げられる。該置換されていてもよいアミノ基(ア
ミノ基、モノ−又はジ−置換アミノ基が含まれる)、置
換されていてもよい水酸基、及び置換されていてもよい
チオール基における置換基としては、例えば低級(C
1-3)アルキル(例、メチル、エチル、プロピル等)等
が挙げられる。また、R1で表わされる置換されていて
もよい炭化水素基における炭化水素基が脂環式炭化水素
基又はアリール基である場合、置換基としては、さらに
炭素数1〜3個のアルキル基(例、メチル,エチル,プ
ロピルなど)でもよい。さらに、上述のように、R1
オキソ基を置換基として有していてもよく、このような
オキソ基で置換された炭化水素基であるカルボン酸アシ
ル基もR1に含まれる。このような例としては例えば置
換基を有していてもよい炭素数1〜6のアシル基(例、
フォルミル,アセチル,プロピオニル,ブチリル,イソ
ブチリル,バレリル,イソバレリル,ピバロイル,ヘキ
サノイル,ジメチルアセチル,トリメチルアセチルな
ど)が挙げられる。また該アシル基は、置換可能な位置
に1〜5個の置換基を有していてもよく、該置換基とし
ては、ハロゲン(例、フッ素,塩素,臭素)が挙げられ
る。
【0012】式(I)および(II)において、R2および
3で示される「置換されていてもよい炭化水素基」の
炭化水素基としては、脂肪族鎖式炭化水素基、脂環式炭
化水素基およびアリール基などが挙げられるが、なかで
も脂肪族鎖式炭化水素基およびアリール基が好ましい。
該炭化水素基の脂肪族鎖式炭化水素基としては、直鎖状
または分子鎖状の脂肪族炭化水素基、例えば、アルキル
基、アルケニル基、アルキニル基などが挙げられる。な
かでもアルキル基が好ましい。該アルキルとしては、例
えばメチル,エチル,n−プロピル,イソプロピル,n
−ブチル,イソブチル,sec−ブチル,tert−ブチル,
n−ペンチル,イソペンチル,ネオペンチル,1−メチ
ルプロピル,n−ヘキシル,イソヘキシル,1,1−ジ
メチルブチル,2,2−ジメチルブチル,3,3−ジメ
チルブチル,3,3−ジメチルプロピル,2−エチルブ
チルなどのC1-6アルキルが挙げられ、なかでも、メチ
ル,エチル,プロピル,イソプロピル,イソブチル,ブ
チル,t−ブチルなどのC1-4アルキルが好ましい。該
アルケニル基としては、例えば、ビニル、アリル、イソ
プロペニル、2−メチルアリル、1−プロペニル、2−
メチル−1−プロペニル、2−メチル−2−プロペニ
ル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−
エチル−1−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル、3
−メチル−2−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテ
ニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、4−メチル−
3−ペンテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3
−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニル等のC
2-6アルケニルが挙げられ、なかでも、ビニル、アリ
ル、イソプロペニル、2−メチルアリル、2−メチル−
1−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、3−メ
チル−2−ブテニル等C2-4アルケニルが特に好まし
い。該アルキニル基としては、例えば、エチニル、1−
プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチ
ニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニ
ル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニ
ル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニ
ル、5−ヘキシニル等のC2-6アルキニルが挙げられ、
中でもエチニル、1−プロピニル、2−プロピニル等C
2-3アルキニルが特に好ましい。
【0013】該炭化水素基の脂環式炭化水素基として
は、前記R1で詳述されている脂環式炭化水素基と同様
なものが挙げられる。該炭化水素基のアリール基として
は、単環式または縮合多環式芳香族炭化水素基が挙げら
れ、例えば、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナ
ントリル、アセナフチレニル等C6-16アリール基が挙げ
られ、なかでもフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル
等C6-10アリール基が特に好ましい。R2およびR3で示
される「置換されていてもよい炭化水素基」の置換基と
しては、前記R1で示される「置換されていてもよい炭
化水素基」の置換基で挙げられたものと同様なものが挙
げられ、このような置換基を、通常1〜4個、好ましく
は1〜2個有していてもよい。R2およびR3が「置換さ
れていてもよいアルキル基」である場合、該置換されて
いてもよいアルキル基の置換基としては、好ましくは、
ハロゲン(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、炭素数
1〜4個の低級アルコキシ基(例、メトキシ、エトキ
シ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、t−ブト
キシ等)等が挙げられる。
【0014】R2およびR3が「置換されていてもよいア
リール基」である場合、該アリール基の置換基として
は、好ましくは、ハロゲン(例、フッ素、塩素、臭素、
ヨウ素など),置換されていてよい低級アルキル,置換
されていてよい低級アルコキシ,置換されていてもよい
水酸基,ニトロ,シアノなどが挙げられ、これらの置換
基の同一又は異なる1〜3個(好ましくは1〜2個)で
置換されていてもよい。該低級アルキルとしては、例え
ば、メチル,エチル,n−プロピル,イソプロピル,n
−ブチル,イソブチル,sec−ブチル,tert−ブチル等
の炭素数1〜4のアルキル基が挙げられるが、特にメチ
ル,エチルが好ましい。該低級アルコキシとしては、メ
トキシ,エトキシ,n−プロポキシ,イソプロポキシ,
n−ブトキシ,イソブトキシ,sec−ブトキシ,tert−
ブトキシ等の炭素数1〜4のアルコキシ基が挙げられる
が、特にメトキシ,エトキシが好ましい。該置換されて
いてもよい低級アルキル基又は置換されていてもよい低
級アルコキシ基の置換基としては、ハロゲン原子(例、
フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)等が挙げられ、任意の
位置に1〜5個置換されていてもよい。該置換されてい
てもよい水酸基における置換基としては、例えば低級
(C1-4)アルキル基(例、メチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル等)、C3-6
クロアルキル基(シクロプロピル、シクロブチル、シク
ロペンチル、シクロヘキシル等)、C6-16アリール基
(例、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル等)、C
7-14アラルキル基(例、ベンジル、フェネチルなど)な
どが挙げられる。また、これらの置換基は、隣接する置
換基同志で環を形成していてもよく、例えば、R2また
はR3で表される「置換されていてもよいアリール基」
のアリール基がフェニルである場合、
【化11】 で示されるものが挙げられ、さらに該環は低級
(C1-3)アルキル基(例、メチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル等)などで1〜4個置換されていても
よい。
【0015】R2およびR3で示される「置換されていて
もよい芳香族複素環基」の芳香族複素環基としては、R
1で表される置換されていてもよい炭化水素基の置換基
として詳述されている芳香族複素環基が挙げられるが、
なかでもフリル,チエニル,インドリル,イソインドリ
ル,ピラジニル,ピリジル,ピリミジル,イミダゾリル
などの、O,S,Nのヘテロ原子を1〜2個環構成原子
として含む5〜6員芳香族単環式複素環が好ましい。該
芳香族複素環基の置換基としては、炭素数1〜3個のア
ルキル(例、メチル,エチル,プロピルなど)などが挙
げられ、これらを1〜4個有していてもよい。R2およ
びR3のいずれか一方は水素が好ましい。上記した中で
も、R2およびR3としては、いずれか一方が置換されて
いてもよいフェニル基が好ましく、さらに好ましくは、
置換されたフェニル基、特に、塩素、臭素等のハロゲ
ン,低級(C1-3)アルコキシなどで置換されたフェニ
ル基が好ましく、他方は水素が好ましい。
【0016】式(I)において、X'で示される「エステ
ル化されたカルボキシル基を有する置換基」としては、
エステル化されたカルボキシル基を置換基として有する
置換基およびエステル化されたカルボキシル基が挙げら
れる。該エステル化されたカルボキシル基としては、下
記Yで定義されるエステル化されたカルボキシル基で挙
げられるものと同様なものが挙げられる。X'で示され
る「アシル化された水酸基を有する置換基」としては、
アシル化された水酸基を置換基として有する置換基およ
びアシル化された水酸基が挙げられる。該アシル化され
た水酸基としては、下記Yで定義されるアシル化された
水酸基で挙げられるものと同様なものが挙げられる。
【0017】X'としては、例えば、式(a)
【化12】 〔式中、Xは結合手または2価の原子鎖を、Yはエステ
ル化されたカルボキシル基,アシル化された水酸基を示
す〕で表される基が挙げられる。
【0018】式(a)中、Xで示される「2価の原子
鎖」としては、好ましくは、直鎖部分を構成する原子数
が1〜7個、さらに好ましくは1〜4個である2価の鎖
であればいずれでもよく、側鎖を有していてもよい。本
発明の不斉加水分解すなわち酵素的光学対掌体選択的加
水分解の効率の点からは、特にXは原子数1〜2個であ
る2価の鎖が好ましい。例えば、
【化13】 で表わされるものが挙げられ、式中、m、nは独立して
0、1、2又は3を表わし、Eは結合手または酸素原
子、イオウ原子、スルホキシド、スルホン、−N(R5)
−、−NHCO−、−CON(R6)−あるいは−NHC
ONH−を表わす。ここでR4及びR6は水素、置換され
ていてもよい低級アルキル基、置換されていてもよいア
ラルキル基、置換されていてもよいフェニル基を示す。
また、R5は水素、低級アルキル基、アラルキル基又は
アシル基を示す。R4及びR6で示される「置換されてい
てもよい低級アルキル基」のアルキル基としては、炭素
数1〜6個の直鎖もしくは分枝状の低級アルキル基
(例:メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、
n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペン
チル、イソペンチル、ネオペンチル等)が挙げられる。
該置換されていてもよい低級アルキル基は、1〜4個,
好ましくは1〜2個置換基を有していてもよく、これら
の置換基としては、芳香族複素環基(例、フリル、チエ
ニル、インドリル、イソインドリル、ピラジニル、ピリ
ジル、ピリミジル、イミダゾリルなどN,O,Sのヘテ
ロ原子を1〜4個含む5〜6員芳香族複素環)、置換さ
れていてもよいアミノ基、置換されていてもよい水酸
基、置換されていてもよいチオール基、エステル化され
ていてもよいカルボキシル基、ハロゲン原子(例、フッ
素、塩素、臭素、ヨウ素)などが挙げられる。該置換さ
れていてもよいアミノ基(アミノ基又はモノ−又はジ−
置換アミノ基)、置換されていてもよい水酸基、及び置
換されていてもよいチオール基における置換基として
は、低級(C1-3)アルキル(例、メチル、エチル、プ
ロピルなど)などが挙げられる。該エステル化されてい
てもよいカルボキシル基としては、例えばメトキシカル
ボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、
フェノキシカルボニル、1−ナフトキシカルボニルなど
2-5アルコキシカルボニル及びC7-11アリールオキシ
カルボニルが挙げられるが、好ましくはメトキシカルボ
ニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニルであ
る。
【0019】R4及びR6で示される「置換されていても
よいアラルキル基」のアラルキル基としてはベンジル、
ナフチルメチル、フェニルプロピル、フェニルブチル等
7-15アラルキル基が挙げられる。該置換されていても
よいアラルキル基は1〜4個好ましくは1〜2個の置換
基をもっていてもよく、これらの置換基としては、ハロ
ゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、炭素数
1〜3個のアルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プ
ロポキシ基)、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、ス
ルフヒドリル基等が挙げられる。R4及びR6で示される
「置換されていてもよいフェニル基」の置換基として
は、ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ
素)、C1-3アルコキシ(例、メトキシ、エトキシ、プ
ロポキシなど)、C1-3アルキル(例、メチル、エチ
ル、プロピル)などが挙げられる。ただし、R4はメチ
レン鎖ごとに異なっていてもよい。また、R5で示され
る「低級アルキル基」及び「アラルキル基」としては、
炭素数1〜4個の低級アルキル基(例、メチル、エチ
ル、プロピル、ブチル、tert−ブチル等)、炭素数
7〜15個のアラルキル基(例、ベンジル、フェネチ
ル、フェニルプロピル、フェニルブチル、ナフチルメチ
ル等)が挙げられる。
【0020】R5で示される「アシル基」としては、低
級(C1-6)アルカノイル基(例、ホルミル、アセチ
ル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリ
ル、イソバレリル、ピバロイル、ヘキサノイルなど)、
低級(C3-7)アルケノイル基(例、アクリロイル、メ
タクリロイル、クロトノイル、イソクロトノイルな
ど)、C4-7シクロアルカンカルボニル基(例、シクロ
プロパンカルボニル基、シクロブタンカルボニル基、シ
クロペンタンカルボニル基、シクロヘキサンカルボニル
基など)、低級(C1-4)アルカンスルホニル基(例、
メシル、エタンスルホニル、プロパンスルホニルな
ど)、アロイル基(例、ベンゾイル、p−トルオイル、
1−ナフトイル、2−ナフトイルなど)、C6-10アリー
ル低級(C2-4)アルカノイル基(例、フェニルアセチ
ル、フェニルプロピオニル、ヒドロアトロポイル、フェ
ニルブチリルなど)、C6-10アリール低級(C3-5)ア
ルケノイル基(例、シンナモイル、アトロポイルな
ど)、C6-10アレーンスルホニル基(例、ベンゼンスル
ホニル、p−トルエンスルホニル基など)などが挙げら
れる。
【0021】さらに、Xとしては、二重結合を含んでい
る炭素鎖または−L−CH(OH)−(Lは結合手または
直鎖状もしくは分枝状のアルキレン鎖を示す)でもよ
い。該「二重結合を含んでいる炭素鎖」としては、好ま
しくは、直鎖部分を構成する炭素数が2〜7個、さらに
好ましくは2〜4個であるものが挙げられ、側鎖を有し
ていてもよい。該炭素鎖における二重結合は、直鎖部分
あるいは分枝鎖部分のいずれか一方または両方に含まれ
るものであるが、好ましくは直鎖部分に含まれるものが
挙げられる。また、該炭素鎖に含まれる二重結合の数は
可能な限り特に限定されないが、1〜2個が好ましい。
該二重結合を含んでいる炭素鎖としては、例えば、ビニ
レン,プロペニレン,ブテニレン,ブタジエニレン,メ
チルプロペニレン,エチルプロペニレン,プロピルプロ
ペニレン,メチルブテニレン,エチルブテニレン,プロ
ピルブテニレン,メチルブタジエニレン,エチルブタジ
エニレン,プロピルブタジエニレン,ペンテニレン,ヘ
キセニレン,ヘプテニレン,ペンタジエニレン,ヘキサ
ジエニレン,ヘプタジエニレンなどが挙げられるが、好
ましくは、ビニレン,プロペニレン,ブテニレン,ブタ
ジエニレンが挙げられる。Lで示される「直鎖状もしく
は分枝状のアルキレン鎖」としては、例えば、直鎖状も
しくは分枝状の炭素数1〜6個のアルキレン鎖が挙げら
れ、例えば、メチレン,エチレン,トリメチレン,テト
ラメチレン,ペンタメチレン,ヘキサメチレン,ヘプタ
メチレン,プロピレン,エチルメチレン,エチルエチレ
ン,プロピルエチレン,ブチルエチレン,メチルテトラ
メチレン,メチルトリメチレンなどの2価基が挙げられ
るが、好ましくは、メチレン,エチレン,トリメチレ
ン,プロピレンなどの炭素数1〜3個のものが挙げられ
る。
【0022】上記した中でも、X'としては、式(b)
【化14】 〔式中、Y1はエステル化されたカルボキシル基を示
す。Xは前記と同意義を示す〕で表される基が好まし
い。式(a)および(b)中、Xで示される「2価の原子
鎖」としては、好ましくは、直鎖部分を構成する炭素数
が1〜4個(より好ましくは1個)である直鎖状あるい
は分枝鎖状のアルキレン鎖が挙げられる。該アルキレン
鎖としては、例えば、メチレン,エチレン,トリメチレ
ン,テトラメチレン,ペンタメチレン,ヘキサメチレ
ン,ヘプタメチレン,プロピレン,エチルメチレン,エ
チルエチレン,プロピルエチレン,ブチルエチレン,メ
チルテトラメチレン,メチルトリメチレンなどの2価基
が挙げられるが、好ましくは、メチレン,エチレン,ト
リメチレン,プロピレンなどの炭素数1〜4個のものが
挙げられる。
【0023】式(a)および(b)において、YおよびY
1で示される「エステル化されたカルボキシル基」とし
ては、C2-7アルコキシカルボニル(例、メトキシカル
ボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、
イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソ
ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、sec
−ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、イ
ソペンチルオキシカルボニル、sec−ペンチルオキシカ
ルボニル、ネオペンチルオキシカルボニル、tert−ペン
チルオキシカルボニルなどの(低級(C1-6)アルコキ
シ)カルボニルなど)、C7-14アリールオキシカルボニ
ル(例、フェノキシカルボニル、1−ナフトキシカルボ
ニル)、C8-12アラルキルオキシカルボニル(例、ベン
ジルオキシカルボニルなど)などが挙げられる。なかで
も低級アルコキシカルボニル(好ましくはメトキシカル
ボニル、エトキシカルボニルなど)、フェノキシカルボ
ニル、ベンジルオキシカルボニルが好ましい。
【0024】Yで示される「アシル化された水酸基」と
しては、炭素数1〜6のアシル基(例、フォルミル,ア
セチル,プロピオニル,ブチリル,イソブチリル,バレ
リル,イソバレリル,ピバロイル,ヘキサノイル,ジメ
チルアセチル,トリメチルアセチルなど)で置換された
水酸基が挙げられる。また該アシル基は、置換可能な位
置に1〜5個の置換基を有していてもよく、該置換基と
しては、ハロゲン(例、フッ素,塩素,臭素)などが挙
げられる。上記した中でも、X'としては、エステル化
されたカルボキシル基で置換されているアルキル基(と
りわけC1-3アルキル基)が好ましい。式(I)におい
て、環Aで示される芳香族複素環としては、R1で詳述
されている芳香族複素環基が挙げられるが、なかでも
【化15】 で表されるものが好ましい。
【0025】環Aで示される「置換されていてもよいベ
ンゼン環」および「置換されていてもよい芳香族複素
環」の置換基としては、ハロゲン(例、フッ素、塩素、
臭素、ヨウ素)、炭素数1〜4個の置換されていてもよ
い低級アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、ブ
チル、tert−ブチル等)、炭素数1〜4個の置換されて
いてもよい低級アルコキシ基(例:メトキシ、エトキ
シ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、tert−ブ
トキシ等)、水酸基、ニトロ基、シアノなどが挙げられ
る。環Aはこれらの置換基を1〜3個、好ましくは1〜
2個有していてもよい。また、これらの置換基は、隣接
する置換基同志で環を形成してもよい。該置換されてい
てもよい低級アルキル基又は置換されていてもよい低級
アルコキシ基の置換基としては、ハロゲン原子(例、フ
ッ素、塩素、臭素、ヨウ素)等が挙げられ、任意の位置
に1〜3個置換されていてもよい。環Aとしてはメトキ
シもしくは塩素原子で置換されたものが好ましく、特に
塩素原子で置換されたものが好ましい。式(II)および
(III)において、環Bで示される「置換されていても
よいベンゼン環」の置換基としては、ハロゲン(例、フ
ッ素,塩素,臭素,ヨウ素)、炭素数1〜4個の置換さ
れていてもよい低級アルキル基(例、メチル、エチル、
プロピル、ブチル、tert−ブチル等)、炭素数1〜4個
の置換されていてもよい低級アルコキシ基(例:メトキ
シ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキ
シ、tert−ブトキシ等)、水酸基、ニトロ基、シアノな
どが挙げられる。環Bはこれらの置換基を1〜3個、好
ましくは1〜2個有していてもよい。また、これらの置
換基は、隣接する置換基同志で環を形成してもよい。該
置換されていてもよい低級アルキル基又は置換されてい
てもよい低級アルコキシ基の置換基としては、ハロゲン
原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)等が挙げら
れ、任意の位置に1〜3個置換されていてもよい。環B
としてはメトキシもしくは塩素原子で置換されたものが
好ましく、特に塩素原子で置換されたものが好ましい。
【0026】式(I)において、環J'で示される「環構
成原子として3個以下のヘテロ原子を含有する7ないし
8員の複素環」における複素環としては、例えば、O,
S(O)q(qは0,1または2を示す)およびNのうち
の少なくとも1個を含む7〜8員の飽和もしくは不飽和
(好ましくは飽和)の複素環が挙げられる。ただし、該
複素環の環を構成する原子(環構成原子)におけるヘテ
ロ原子は3個以下(好ましくは2個)である。また、環
J'は、R1,R2,R3,X'で示される基以外に、さら
に置換基を置換可能な位置に、1〜2個有していてもよ
い。該置換基としては、該置換基が環J'上の窒素原子
に結合する場合、アルキル基(例、メチル,エチル,n
−プロピル,イソプロピル,n−ブチル,イソブチル,
tert−ブチル,n−ペンチル,イソペンチル,ネオペン
チル等のC1-6アルキルなど),アシル基(例、フォル
ミル,アセチル,プロピオニル,ブチロイル等のC1-4
アシル基)などが挙げられる。該アルキル基またはアシ
ル基は、さらにハロゲン原子(例、フッ素,塩素,臭
素,ヨウ素)で1〜5個置換されていてもよい。また、
該置換基が環J'上の炭素原子に結合する場合、該置換
基としては、オキソ,チオキソ,置換されていてもよい
水酸基(例、OH,メトキシ,エトキシ,プロポキシ,
イソプロポキシ,プロペニルオキシ,アリルオキシ,ブ
トキシ,イソブトキシ,sec−ブトキシ,t−ブトキシ,
2−ブテニルオキシ,3−ブテニルオキシ,イソブテニ
ルオキシ,ペントキシ,イソペントキシ,ヘキシルオキ
シなど),置換されていてもよいアミノ基(例、アミ
ノ,メチルアミノ,エチルアミノ,プロピルアミノ,プ
ロペニルアミノ,イソプロピルアミノ,アリルアミノ,
ブチルアミノ,イソブチルアミノ,ジメチルアミノ,メ
チルエチルアミノなど)などが挙げられる。環J'とし
ては、R1,R2,R3,X'で示される基以外に、置換可
能な位置に、オキソまたはチオキソが置換しているもの
が好ましい。
【0027】環Aと環J'とからなる縮合環としては、
例えば
【化16】 などが挙げられる。
【0028】式(I)としては、式(IA)
【化17】 〔式中、R1,R2,R3,X',環Aは前記と同意義を示
す。環J1は7員の複素環を、Z1は−N(R7)−(R7
水素,アルキル基またはアシル基を示す),−S(O)q
−(qは0,1または2を示す),−CH2−または−
O−を、GはOまたはSを示す〕で表わされるものが好
ましい。
【0029】上記式(IA)中、R7で示されるアルキル
基としては、炭素数1〜6個の直鎖もしくは分枝状の低
級アルキル基(例、メチル,エチル,n−プロピル,イ
ソプロピル,n−ブチル,イソブチル,tert−ブチル,
n−ペンチル,イソペンチル,ネオペンチルなど)が挙
げられ、ハロゲン原子(例、フッ素,塩素,臭素,ヨウ
素)などで1〜5個置換されていてもよい。R7で示さ
れるアシル基としては、C1-4アシル基(例、フォルミ
ル,アセチル,プロピオニル,ブチロイルなど)が挙げ
られ、ハロゲン原子(例、フッ素,塩素,臭素,ヨウ
素)などで1〜5個置換されていてもよい。式(IA)
中、Z1としては、S(O)q(qは0,1または2を示
す),Oが好ましい。またGとしてはOが好ましい。式
(IA)としては、さらに好ましくは、式(II)
【化18】 〔式中、各記号は前記と同意義である〕で表わされるも
のが好ましい。
【0030】式(II)としては、式(III)
【化19】 〔式中、各記号は前記と同意義である〕で表されるもの
が特に好ましい。式(III)中、環Cで示される「置換
されていてもよいベンゼン環」の置換基としては、ハロ
ゲン(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など),置換さ
れていてよい低級アルキル,置換されていてよい低級ア
ルコキシ,置換されていてもよい水酸基,ニトロ,シア
ノなどが挙げられ、これらの置換基の同一又は異なる1
〜3個(好ましくは1〜2個)で置換されていてもよ
い。該低級アルキルとしては、例えば、メチル,エチ
ル,n−プロピル,イソプロピル,n−ブチル,イソブ
チル,sec−ブチル,tert−ブチル等の炭素数1〜4の
アルキル基が挙げられるが、特にメチル,エチルが好ま
しい。該低級アルコキシとしては、メトキシ,エトキ
シ,n−プロポキシ,イソプロポキシ,n−ブトキシ,
イソブトキシ,sec-フ゛トキシ,tert−ブトキシ等の炭素数1
〜4のアルコキシ基が挙げられるが、特にメトキシ,エ
トキシが好ましい。該置換されていてもよい低級アルキ
ル基又は置換されていてもよい低級アルコキシ基の置換
基としては、ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、
ヨウ素等)等が挙げられ、任意の位置に1〜5個置換さ
れていてもよい。該置換されていてもよい水酸基におけ
る置換基としては、例えば低級(C1-4)アルキル基
(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、t−ブチル等)、C3-6シクロアルキル基(シクロ
プロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキ
シル等)、C6-10アリール基(例、フェニル、1−ナフ
チル、2−ナフチル等)、C7-14アラルキル基(例、ベ
ンジル、フェネチルなど)などが挙げられる。
【0031】式(III)で表される化合物としては、3
位と5位の置換基が7員環の面に対し、互いに反対方向
を向いているトランス体である化合物が好ましい。従っ
て、本発明の製造法によって得られる光学活性体の好ま
しい化合物は下式で表わされる化合物である。
【化20】 〔式中、各記号の意味は、式(III)のそれぞれの記号
の意味と同じである。〕式(I)〔以下(Ia),(I
b),(Iah),(Ibh),(IA)および(III)を含む〕
で表わされる化合物の塩としては、例えば塩酸塩、臭化
水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の無機塩、例え
ば酢酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、フマール酸塩、マレ
イン酸塩、トルエンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩
等の有機酸塩、例えばナトリウム塩、カリウム塩、カル
シウム塩、アルミニウム塩等の金属塩、例えばトリエチ
ルアミン塩、グアニジン塩、アンモニウム塩、ヒドラジ
ン塩、キニーネ塩、シンコニン塩等の延期の塩等の薬理
学的に許容されうる塩が挙げられる。とりわけナトリウ
ム塩が好ましい。
【0032】本発明においては、一般式(I)で表され
る化合物の右旋性および左旋性の光学異性体の混合物
に、不斉加水分解する能力を有する微生物の培養物また
はその処理物を接触させることによって、該化合物の光
学活性体を得ることができる。具体的には、例えば、式
(Ia)
【化21】 〔式中、各記号は前記と同意義である〕で表される化合
物および式(Ib)
【化22】 〔式中、各記号は前記と同意義である〕で表される化合
物の混合物に、微生物の培養物またはその処理物を接触
させることによって、何れか一方の化合物を不斉加水分
解することができる。つまり、式(Ia)で表される化合
物を式(Iah)
【化23】 〔式中、X'aはカルボキシル基あるいは水酸基を有する
置換基を示し、その他の記号は前記と同意義である〕で
表される化合物に、または式(Ib)で表される化合物を
式(Ibh)
【化24】 〔式中、X'aはカルボキシル基あるいは水酸基を有する
置換基を示し、その他の記号は前記と同意義である〕で
表される化合物に不斉加水分解することができる。得ら
れた反応液を、公知の方法、例えば蒸留,再結晶,溶媒
抽出,転溶,晶出,クロマトグラフィー(例、カラムク
ロマトグラフィー)等によって精製することによって、
目的とする光学活性体を得ることができる。このとき、
目的化合物が、例えば、一般式(Iah)で表される化合
物である場合、式(Ia)で表される化合物を不斉加水分
解する能力を有する微生物の培養物またはその処理物を
用いればよいが、次のようにしても得ることができる。
まず、式(Ib)で表される化合物を不斉加水分解する能
力を有する微生物の培養物またはその処理物を用いて、
式(Ibh)で表される化合物(不斉加水分解物)と式(I
a)で表される化合物との混合物を得る。次に、該混合
物から式(Ia)で表される化合物を単離し、該化合物を
化学的にまたは酵素的に加水分解することによって、一
般式(Iah)で表される化合物を得る。
【0033】本発明に用いる微生物としては、一般式
(I)で表される化合物を不斉加水分解する能力を有す
る微生物であればいずれでも良く、例えば細菌、糸状菌
などが挙げられる。細菌としては、シュードモナス(Ps
eudomonas)属,バチルス(Bacillus)属に属する微生
物などが挙げられる。シュードモスナ属に属する微生物
としては、シュードモナス・テトロレンス(Pseudomona
s taetrolens),シュードモナス・ディミヌタ(Pseudo
monas diminuta),シュードモナス・エアルギノサ(Ps
eudomonas aeruginosa),シュードモナス・ベシクラリ
ス(Pseudomonasvesicularis)などが挙げられ、より具
体的にはシュードモナス・テトロレンスIFO1269
1,シュードモナス・ディミヌタIFO13182,シ
ュードモナス・エアルギノサIFO3923,シュード
モナス・ベシクラリスIFO12165などが挙げられ
る。バチルス属に属する微生物としては、バチルス・サ
チルス(Bacillus subtilis)などが挙げられ、より具
体的にはバチルス・サチルスIFO3026などが挙げ
られる。上記IFO番号のついている菌株は、リスト・
オブ・カルチャーズ(LIST OF CULTURES)第9版,1992
年(財団法人発酵研究所(大阪市淀川区))に記載され
ており、該発酵研究所から入手することができる。糸状
菌としては、フミコラ(Humicola)属,リゾパス(Rhiz
opus)属に属する微生物などが挙げられる。フミコラ属
に属する微生物としては、フミコラ・ラヌギノサ(Humi
cola lanuginosa)などが挙げられる。リゾパス(Rhizo
pus)属に属する微生物としては、リゾパス・デレマー
(Rhizopus delemer)などが挙げられる。またフミコラ
・ラヌギノサおよびリゾパス・デレマーの培養物から得
たリパーゼはバイオキャタリスト社(Biocatalyst Lt
d., イギリス)製としてコスモ・バイオ株式会社から販
売されている(総合カタログ,No.9 1993-95)。これ
らの微生物はそのまま用いても良いが、反応の変換率ま
たは基質に対する立体特異性を向上させる目的で、変異
処理したものを用いても良い。
【0034】上記微生物の培養に用いる培地としては、
該微生物が増殖できるものあればよい。得られた培養物
またはその処理物に、一般式(I)で表される化合物を
接触させることによって、該化合物の光学活性体を生成
することができる。培地の炭素源としては、ブドウ糖,
ショ糖,麦芽糖,デキストリン,でん粉,グリセロー
ル,油脂類(例えば大豆油,オリーブ油など),各種脂
肪酸(例えばパルミチン酸,ステアリン酸,オレイン酸
など)などが用いられる。窒素源としては、例えば、肉
エキス,酵母エキス,ペプトン,乾燥酵母,大豆粉,脱
脂大豆粉,コーンスティープリカー,ペプトン,カゼイ
ン,綿実粉,尿素,アンモニウム塩(例えば、硫酸アン
モニウム,塩化アンモニウム,硝酸アンモニウム,酢酸
アンモニウムなど)が用いられる。無機塩としては、例
えば、りん酸一カリウム,りん酸二カリウム,りん酸一
ナトリウム,りん酸二ナトリウム,硝酸ナトリウム,硫
酸マグネシウム,炭酸カルシウム,塩化ナトリウム,お
よびその他のナトリウム,カリウム,カルシウム,マグ
ネシウム塩などが、さらに鉄,マンガン,亜鉛,コバル
ト,ニッケルなどの塩類が適宜用いられる。その他、ア
ミノ酸,ペプチド,ビタミン類,核酸類などを含有させ
ても良い。培地の pHを調節する目的で無機または有機
の酸、アルカリを加え、消泡の目的で、油脂類,界面活
性剤などの適量が培地に添加される。培地の pHは5〜
9、さらに好ましくは6〜8である。培養は静置培養ま
たは通気撹拌培養で行なわれる。温度は約20から45
℃、さらに好ましくは約28から37℃である。培養時
間は約10から96時間、さらに好ましくは約16から
72時間である。
【0035】本発明で用いられる「培養物」とは、上記
の微生物の培養で得られる培養液である。「処理物」と
は、培養物のろ過または遠心分離で得られる菌体あるい
は培養上清、菌体の超音波処理、フレンチプレス処理、
アルミナ磨砕、溶菌酵素処理、界面活性剤、有機溶媒処
理などで得られる菌体破砕物あるいは細胞抽出液、培養
上清あるいは細胞抽出液から硫安分画、イオン交換クロ
マトグラフィー、吸着クロマトグラフィー、ゲルろ過、
アフィニティクロマトグラフィーなどによって得られる
酵素標品などである。また、菌体あるいは酵素をゼライ
トなどの担体に固定化したものを用いてもよい。本発明
では、基質である一般式(I)で表される化合物を上記
の培養物またはその処理物と混合する等して接触させて
反応を行わせることにより、該化合物の光学活性体を得
ることができる。上記の微生物を培養して得られた培養
物が培養液である場合には、培養液に基質を添加して反
応を行わせればよい。このとき基質は、微生物を培地に
接種する時またはそれ以前に添加してもよく、また微生
物の増殖と同時に添加してもよい。基質はそのまま反応
液に添加しても良いが、有機溶媒(例えば、N,N−ジ
メチルホルムアミド,N,N−ジメチルアセトアミド,
ジメチルスルホキシド,エタノール,メタノール,トル
エンなど)などに適当な濃度になるよう溶解してから添
加してもよい。また上記微生物の培養物の処理物から得
られた酵素を基質との反応に用いる場合には、酵素を適
当な溶媒(例、食塩水,リン酸緩衝液,トリス−塩酸緩
衝液など)に溶解してから、基質との反応に供すればよ
い。このとき基質は前記したような適当な溶媒に溶解さ
せてもよい。また基質を適当な溶媒に溶解させておいて
から、酵素を添加してもよい。このとき酵素は前記した
ような適当な溶媒に溶解させておいてもよい。さらに酵
素および基質の両方を適当な溶媒に同時に溶解させて反
応を行わせてもよい。
【0036】本反応は、水溶液中で行うことができる
が、有機溶媒(例えばトルエン,酢酸エチル,イソプロ
ピルエーテル,ジクロロメタン,イソプロピルエーテル
など)中、あるいは水溶液と有機溶媒との二相系で行っ
ても良い。本反応において、反応液中の原料化合物(基
質)の濃度は約0.1〜100mg/ml、好ましくは約5
〜30mg/ml、より好ましくは約1〜10mg/mlであ
る。加えられる微生物の培養物またはその処理物の量は
菌体またはその相当量の処理物を湿菌体重量として、反
応液1ml当り1〜50mgが適当である。反応温度は約1
5から80℃、さらに好ましくは約20から42℃であ
る。pHは約4〜11、さらに好ましくは約6〜9であ
る。反応時間は約10分から96時間、さらに好ましく
は約1から48時間である。反応液中に、所望により、
有機溶媒反応促進剤、酵素安定剤などを添加してもよ
い。反応は静置、振とう、撹拌のいずれの条件でもよ
い。また必要に応じて菌体または酵素を適当な担体に固
定化し、バイオリアクターで反応させてもよい。
【0037】本発明の反応において、一般式(I)で表
される化合物から式(Ih)
【化25】 〔式中、X'aはカルボキシル基あるいは水酸基を有する
置換基を示し、その他の記号は前記と同意義である〕で
表される化合物への変換率は、以下の方法で求めること
ができる。
【数1】 〔式中、化合物(Ia),化合物(Ib)、化合物(Iah)
および化合物(Ibh)はそれぞれの反応後の量を示
す。〕 また生成物(または基質)の光学純度は、例えば、一般
式(Iah)で表される化合物が生成する場合には、
【数2】 〔式中、化合物(Iah),化合物(Ibh)は前記と同意義
である〕とする。化合物(Ia),化合物(Ib)、化合物
(Iah),化合物(Ibh)のそれぞれの反応後の量を求め
るには、例えば次のようにすればよい。反応後の反応液
を酢酸などで酸性に調節し、これに有機溶媒(例えば酢
酸エチル)を適当量(例えば等量)加えたのち撹拌す
る。生じた有機溶媒層を適当なキラルカラム(例えばウ
ルトロンES−OVM)を用いる高速液体クロマトグラ
フィー(HPLC)にかけることにより、化合物(I
a),化合物(Ib)、化合物(Iah),化合物(Ibh)の
それぞれの量を測定することができる。
【0038】一般式(I),(IA),(II)および(III)
で表される化合物は、例えば、EPA567026号、
WO95/21834(特願平6−15531号に基づ
く出願)、EPA645377(特願平6−22915
9号に基づく出願)、EPA645378(特願平6−
229160号に基づく出願)などで開示され、これら
の公報の開示にしたがって製造することができる。又、
これらの化合物は、スクアレン合成酵素阻害作用、コレ
ステロール低下作用及びトリグリセライド低下作用を有
し、高脂血症予防治療剤として有用であり、上記公報の
方法に従い、使用することができる。本発明の製造法
は、例えば、EP567026号、特願平6−1553
1号、特願平6−229159号、特願平6−2291
60号などで開示された、コレステロール低下作用,ト
リグリセライド低下作用などを有する化合物の光学活性
体を得るために有利に使用される。
【0039】
【発明の実施の形態】以下に実施例を挙げて本発明をさ
らに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。
【実施例】
実施例1 シュードモナス・テトロレンスIFO 12691,シ
ュードモナス・ディミヌタIFO 13182,シュー
ドモナス・ベシクラリスIFO 12165,シュード
モナス・エアルギノサIFO 3923をそれぞれ20
0ml容エーレンマイヤー(Erlenmeyer)フラスコ中のト
リプチケース・ソイ・ブロス(Trypticase Soy Broth,
BBL社)20mlに接種し、28℃で24時間振とう下
で培養を行った。得られた培養液の0.2mlをグルコー
ス2%,カゼイン2.5%,KH2PO4 0.1%,Na
NO3 0.1%,MgSO4・7H2O 0.05%,pH
7.0からなる培地(カゼイン培地)20mlを含む20
0ml容エーレンマイヤーフラスコに移し、28℃で42
時間振とう下で培養を行った。得られた培養液(20m
l)にトランス−7−クロロ−5−(2−クロロフェニ
ル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−
テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−酢酸
エチルエステルのジメチルスルホキシド溶液(10mg/
ml)2mlを添加し、28℃で4.5時間、振とう下で反
応を行った。反応後の反応液の2mlを試験管に取り、こ
れに20%酢酸(40μl)を加えて反応液を酸性(pH
約4)にしたのち2mlの酢酸エチルを加えて撹拌した。
その酢酸エチル層をHPLCの移動層(後出)で適当に
希釈し、その希釈液をキラルカラムとしてウルトロンE
S−OUM(信和化工)を、移動層として20mM K
2PO4(pH3.5):アセトニトリル(75:25)
を用いるHPLCにかけ、加水分解反応の変換率、立体
選択性および加水分解物の光学純度を求めた。〔表1〕
にその結果を示す。
【0040】
【表1】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 菌 体 変換率 立 体 光学純度 (%) 選択性 (% ee) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− シュードモナス・ディミヌタ IFO 13182 27.8 3R, 5S > 99 シュードモナス・テトロレンス IFO 12691 26.7 3R, 5S > 99 シュードモナス・ベシクラリス IFO 12165 9.0 3R, 5S > 99 シュードモナス・エアルギノサ IFO 3923 3.1 3S, 5R > 99 バチルス・サチルス IFO 3026 12.9 3S, 5R > 99 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 以上の結果から、IFO 13182,IFO 126
91およびIFO 12165によって基質(ラセミ
体)が立体選択的に加水分解され、(3R5S)−7
−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−ネオペン
チル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1
−ベンゾオキサゼピン−3−酢酸が生成し、IFO 3
923によって(3S5R)−7−クロロ−5−(2
−クロロフェニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−
1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピ
ン−3−酢酸が生成することが明らかになった。
【0041】実施例2 バチルス・サチルスIFO 3026をデキストリン1
%,グルコース1%,グリセロール1%,ポリペプトン
0.5%,酵母エキス0.5%,肉エキス0.5%,食塩
0.3%,沈降性炭酸カルシウム0.5%,pH7.2から
なる培地(N−1培地)2mlを含む試験管に接種し、同
時にトランス−7−クロロ−(2−クロロフェニル)−
1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラ
ヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−酢酸エチル
エステルのジメチルスルホキシド溶液(40mg/ml)5
0μl を添加したのち、28℃で48時間、振とう下で
培養および反応を行った。反応後の反応液の酢酸エチル
抽出液を希釈し、実施例1と同様の方法でHPLCで変
換率、立体選択性および光学純度を求めた。その結果、
バチルス・サチルスIFO 3026によって基質(ラ
セミ体)が立体選択的に加水分解され、(3S,5R)
−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−ネオ
ペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−
4,1−ベンゾオキサゼピン−3−酢酸が生成すること
がわかった〔表1〕。
【0042】実施例3 シュードモナス・テトロレンスIFO 12691をト
リプチケース・ソイ・ブロス(BBL社)200mlを含
む1リットル容エーレンマイヤーフラスコ8本に接種
し、28℃で24時間振とう下で培養した。得られた培
養液約1.6リットルをグルコース2%,カゼイン2.5
%,KH2PO4 0.1%,NaNO3 0.1%,MgS
4・7H2O 0.05%,pH7.0からなる培地(カ
ゼイン培地)160リットルを含む200リットル容フ
ァーメンターに移し、28℃で42時間、通気、撹拌し
て培養を行った。200gのトランス−7−クロロ−5
−(2,3−ジメトキシフェニル)−1−ネオペンチル
−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベ
ンゾオキサゼピン−3−酢酸エチルエステルを18リッ
トルのジメチルスルホキシドに溶解し、この溶液を上記
の培養液150リットルに加え、28℃で48時間、撹
拌して反応を行った。反応液の2mlを取り、この酢酸エ
チル抽出液の希釈液をHPLCにかけたところ、上記の
加水分解反応の変換率は44.2%であり、99%ee 以
上の光学純度で3R5S体が生成していることがわか
った。上記の反応終了液(171リットル)に、塩化ナ
トリウム(17kg)を添加し、2N 塩酸で pHを4に
調整後、酢酸エチル(80および60リットル)で2回
抽出した。酢酸エチル相を集め、これを2%食塩水(7
5リットル)で1回、続いて0.5%炭酸水素ナトリウ
ム水溶液(15リットル)で2回洗浄した後、減圧下で
濃縮し油状物295gを得た。油状物をヘキサン(50
0ミリリットルで1回,つづいて200ミリリットルで
2回)洗浄した後、50%メタノール(30リットル)
に懸濁した。懸濁液を濃塩酸(ミリリットル)で pH7
に調整し、室温にて3時間撹拌後ろ紙ろ過し、ろ液をイ
オン交換樹脂IRA−68(1リットル、酢酸型、ロー
ム・アンド・ハース社製)のカラムに通液した。カラム
を70%メタノール6リットルで洗浄後、続いて1N
水酸化ナトリウム/70%メタノールで通液し、(3
R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフ
ェニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,
5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−
酢酸を含む粗画分7リットルを得た。この画分を濃塩酸
(486ミリリットル)で pHを4に調整後、水(3リ
ットル)を加え、7℃で12時間冷却した後、ろ紙ろ過
し、(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメ
トキシフェニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−
1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピ
ン−3−酢酸粗結晶(66.7g)を得た。
【0043】実施例4 220gのトランス−7−クロロ−5−(2,4−ジメ
トキシフェニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−
1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピ
ン−3−酢酸エチルエステルを12リットルのジメチル
スルホキシドに溶解した。この溶液を実施例3と同様の
方法で得られたシュードモナス・テトロレンスIFO
12691の培養液(150リットル)に添加し、28
℃で72時間、撹拌して反応を行ったところ、43.3
%の変換率で光学純度99%ee 以上で(3R5S
体が生成していることがHPLCでわかった。反応液か
ら実施例3と同様の方法で精製を行い、(3R5S
−7−クロロ−5−(2,4−ジメトキシフェニル)−
1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラ
ヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−酢酸の結晶
(76.1g)が得られた。
【0044】実施例5 75gのトランス−7−クロロ−5−(4−ヒドロキシ
−2−メトキシフェニル)−1−ネオペンチル−2−オ
キソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキ
サゼピン−3−酢酸エチルエステルを9リットルのジメ
チルスルホキシドに溶解した。この溶液を実施例3と同
様の方法で得られたシュードモナス・テトロレンスIF
O 12691の培養液(100リットル)に添加し、
28℃で24時間反応を行ったところ、46.8%の変
換率で光学純度99%ee 以上で(3R5S)体が生
成していることがHPLCでわかった。上記の反応終了
液(102リットル)に、塩化ナトリウム(10kg)を
添加し、2N 塩酸で(2.7リットル)で pHを4に
調整後、酢酸エチル(60リットル)で2回抽出した。
酢酸エチル相を集め、これを2%食塩水(70リット
ル)で1回、続いて1%炭酸水素ナトリウム水溶液(3
5リットル)で2回洗浄した後、減圧下で濃縮し濃縮液
(20リットル)を得た。濃縮液を低温下(0℃)3%
炭酸ナトリウム水溶液(20リットル)で3回逆抽出し
た。水相を集め、63%硫酸(880ミリリットル)で
pHを7に調整し酢酸エチル(17.5リットル)で2
回抽出した。酢酸エチル相を集め、0.1N 硫酸(1
7.5リットル)、水(17リットル)で2回ずつ順次
洗浄し、減圧下で濃縮し、油状物(61.1g)を得
た。油状物にクロロホルムを加え300mlとし、シリカ
ゲル(500ml、Kieselgel 60、70〜230メッシ
ュ、独メルク社製)のカラムに通液した。カラムをクロ
ロホルム、クロロホルム−メタノール(20:1)で順
次通液したところ、クロロホルム−メタノール(20:
1)による溶出部から(3R,5S)−7−クロロ−5
−(4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)−1−ネ
オペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ
−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−酢酸を含む粗画分
3リットルが得られた。この画分を濃縮乾固した後、乾
固物(18.8g)を酢酸エチルに溶解後結晶化して、
(3R,5S)−7−クロロ−5−(4−ヒドロキシ−
2−メトキシフェニル)−1−ネオペンチル−2−オキ
ソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサ
ゼピン−3−酢酸の無色結晶(14.7g)を得た。
【0045】実施例6 200gのトランス−7−クロロ−5−(2−メトキシ
フェニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,
3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3
−酢酸エチルエステルを13.5リットルのジメチルス
ルホキシドに溶解した。この溶液を実施例3と同様の方
法で得られたシュードモナス・テトロレンスIFO 1
2691の培養液(170リットル)に添加し、28℃
で54時間撹拌して反応を行ったところ、45%の変換
率で光学純度99%ee 以上で(3R5S)体が生成
していることがHPLCでわかった。上記の反応終了液
(71リットル)に、塩化ナトリウム(6kg)を添加
し、2N 塩酸で(4.0リットル)で pHを4に調整
後、酢酸エチル(60リットル)で2回抽出した。酢酸
エチル相を集め、これを2%食塩水(60リットル)で
1回、続いて1%炭酸水素ナトリウム水溶液(30リッ
トル)で2回洗浄した後、減圧下で濃縮し、濃縮液(2
0リットル)を得た。濃縮液を低温下(0℃)3%炭酸
ナトリウム水溶液(20リットル)で4回逆抽出した。
水相を集め、63%硫酸(1.9リットル)で pHを7
に調整し酢酸エチル(25リットル)で2回抽出した。
酢酸エチル相を集め、0.1N 硫酸(25リット
ル)、水(25リットル)で2回ずつ順次洗浄し、減圧
下で濃縮し、油状物(136g)を得た。油状物にクロ
ロホルムを加え650mlとし、シリカゲル(1.1リッ
トル、Kieselgel 60、70〜230メッシュ、独メル
ク社製)のカラムに通液した。カラムをクロロホルム、
クロロホルム−メタノール(20:1)で順次通液した
ところ、クロロホルム−メタノール(20:1)による
溶出部から(3R,5S)−7−クロロ−5−(2−メ
トキシフェニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−
1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピ
ン−3−酢酸を含む粗画分5.5リットルが得られた。
この画分を濃縮乾固した後、乾固物(114.2g)を
酢酸エチルに溶解後結晶化して、(3R,5S)−7−
クロロ−5−(2−メトキシフェニル)−1−ネオペン
チル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1
−ベンゾオキサゼピン−3−酢酸の無色結晶(43.8
g)を得た。
【0046】実施例7 シュードモナス・テトロレンスIFO 12691を実
施例3と同様の方法で2基のファーメンターを用いて培
養し、得られた培養液の300リットルに400gのト
ランス−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニ
ル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−
テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−酢酸
エチルエステルを添加して反応させたところ、加水分解
反応の変換率は44.7%で、99%ee 以上の光学純度
3R5S体が生成していることがHPLCでわかっ
た。上記の反応終了液(340リットル)に、塩化ナト
リウム(34kg)を添加し、2N 塩酸(8リットル)
で pHを4に調整後、酢酸エチル(170リットル)で
抽出した。酢酸エチル相を2%食塩水(100リット
ル)で1回、続いて0.5%炭酸水素ナトリウム水溶液
(18リットル)で2回洗浄した後、減圧下で濃縮し油
状物440gを得た。油状物を水(2リットル)に懸濁
しヘキサン(4リットル)で洗浄した。水相のヘキサン
を減圧下で留去した後、水相を50%メタノール懸濁液
(12リットル)とした。50%メタノール懸濁液の p
Hを10N水酸化ナトリウム水溶液(25ミリリット
ル)で7.88に調整し、30℃にて3時間撹拌後ろ紙
ろ過した。ろ液(12リットル)の pHを6N 塩酸
(61ミリリットル)で4.11に調整し、6℃で14
時間冷却した後、ろ紙ろ過し、(3R,5S)−7−ク
ロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−1−ネオ
ペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−
4,1−ベンゾオキサゼピン−3−酢酸粗結晶(138.
1g)を得た。
【0047】実施例8 シュードモナス・テトロレンスIFO 12691を実
施例3と同様の方法で2基のファーメンターを用いて培
養し、得られた培養液の300リットルに389gのト
ランス−7−クロロ−5−(2−メトキシフェニル)−
1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラ
ヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−酢酸エチル
エステルを添加して反応させたところ、加水分解反応の
変換率は43.5%で、99%ee 以上の光学純度で
5S体が生成していることがHPLCでわかった。
上記の反応終了後の反応液(347リットル)に、塩化
ナトリウム(34.7kg)を添加し、2N 塩酸(7.6
リットル)で pHを4に調整後、酢酸エチル(173.
5リットル)で抽出した。酢酸エチル相を2%食塩水
(100リットル)で1回、続いて0.5%炭酸水素ナ
トリウム水溶液(19リットル)で2回洗浄した後、減
圧下で濃縮し油状物482gを得た。油状物を50%メ
タノール(2リットル)で洗浄後、固形分を50%メタ
ノール懸濁液(12リットル)とした。50%メタノー
ル懸濁液をの pHを2N 水酸化ナトリウム水溶液(2
20ミリリットル)で7.86に調整し、30℃にて2
時間撹拌後ろ紙ろ過した。ろ液(12リットル)の pH
を6N 塩酸(34ミリリットル)で3.86に調整
し、6℃で82時間冷却した後、ろ紙ろ過し、(3R,
5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニ
ル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−
テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−酢酸
粗結晶(134g)を得た。粗結晶を60%メタノール
(2.7リットル)に懸濁後10N 水酸化ナトリウム
(29ミリリットル)で pH8.02に調整した。懸濁
液をグラスフィルターろ過した後、ろ液を吸着樹脂アン
バーライトXAD−2(100ミリリットル)のカラム
に通液した。カラムを60%メタノールで通液し、(3
R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフ
ェニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,
5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−
酢酸を含む画分3.55リットルを得た。この画分を6
N 塩酸(39ミリリットル)で4.07に調整し、6
℃で6時間冷却した後、ろ紙ろ過し、(3R,5S)−
7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−1
−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒ
ドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−酢酸粗結晶
(115g)を得た。
【0048】実施例9 シュードモナス・テトロレンスIFO 12691およ
びシュードモナス・ディミヌタIFO 13182を実
施例1と同様の方法で培養し、それぞれの培養液を得
た。トランス−7−クロロ−5−(2−クロロフェニ
ル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−
テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−酢酸
のメチルエステル,エチルエステル,イソプロピルエス
テル,n−ブチルエステル,フェニルエステルおよびベ
ンジルエステルをジメチルスルホキシドに10mg/mlに
なるようにそれぞれ溶解した。これらの溶液の50μl
を上記の培養液(0.5ml)にそれぞれ添加し、28℃
で16時間振とう下で反応を行った。反応後の反応液を
酢酸エチルで抽出し、その抽出液の希釈法をHPLCに
かけた。いずれの基質も上記の培養液によって不斉加水
分解を受け、(3R5S)−7−クロロ−5−(2−
クロロフェニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−
1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピ
ン−3−酢酸が生成していることがわかった。〔表2〕
に、上記の加水分解反応の変換率および(3R5S
体の光学純度を示す
【0049】
【表2】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− シュードモナス・テトロレンス シュードモナス・ディミヌタ エステル 変換率 光学純度 変換率 光学純度 (%) (% ee) (%) (% ee) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− メチル 43.6 > 99 48.2 > 99 エチル 45.6 > 99 45.0 > 99 イソプロピル 10.4 > 99 14.6 > 99 n−ブチル 4.1 > 99 8.9 > 99 フェニル 24.7 > 99 32.0 > 99 ベンジル 0.7 > 99 6.5 > 99 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0050】実施例10 シュードモナス・テトロレンスIFO 12691およ
びシュードモナス・ディミヌタIFO 13182を実
施例1と同様の方法で培養し、それぞれの培養液を得
た。トランス−7−クロロ−5−(2−クロロフェニ
ル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−
テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−酢酸
エチルエステル(O体)およびトランス−7−クロロ−5
−(2−クロロフェニル)−1−ネオペンチル−2−オ
キソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾチ
アゼピン−3−酢酸エチルエステル(S体)をジメチル
スルホキシドに10mg/mlになるようにそれぞれ溶解し
た。これらの溶液の50μl を上記の培養液(0.5m
l)に添加し、28℃で16時間振とう下で反応を行っ
た。反応後の反応液を酢酸エチルで抽出し、その希釈液
をHPLCにかけた。いずれの基質も上記の培養液によ
って不斉加水分解を受け、対応する(3R5S)体が
生成していることがわかった。〔表3〕に、加水分解反
応の変換率および(3R5S)体の光学純度を示す。
【0051】
【表3】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− シュードモナス・テトロレンス シュードモナス・ディミヌタ 基 質 変換率 光学純度 変換率 光学純度 (%) (% ee) (%) (% ee) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− O 45.6 > 99 45.0 > 99 S 25.6 > 99 21.3 > 99 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0052】実施例11 3mlのトリス−HCl pH7.5に240mgのフミコラ・
ラヌギノサ由来のリパーゼ(バイオキャタリスト社,イ
ギリス)および3mgのトランス−7−クロロ−5−(2
−クロロフェニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−
1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピ
ン−3−酢酸エチルエステルを入れ、30℃で22.5
時間、反応を行った。反応後の反応液を酢酸エチルで抽
出し、HPLCで調べたところ、51.2%の変換率で
3R5S)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニ
ル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5 −
テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−酢酸
(光学純度94%)が生成していることがわかった。
【0053】実施例12 実施例11と同様にリゾパス・デレマー由来のリパーゼ
(バイオカタリスト社,イギリス)を用いて、トランス
−7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−ネオ
ペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−
4,1−ベンゾオキサゼピン−3−酢酸エチルエステル
を反応させたところ、32%の変換率で3R5S
(光学純度88%)が生成していることが分かった。
【0054】実施例13 シュードモナス・ディミヌタIFO 13182を、コ
ーンスティープリカー2%,リン酸二カリウム0.1
%,pH7からなる培地で28℃で約28時間培養した
のち、得られた培養液の3.2リットルをカゼイン2.5
%,リン酸一カリウム0.1%,硫安0.05%,pH7
からなる培地160リットルを含む200リットル容タ
ンクに移し、28℃で48時間培養を行った。300g
のトランス−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフ
ェニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,
5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−
酢酸エチルエステルを7kgのジメチルホネムアミドに溶
解し、この溶液を上記の培養液(約150リットル)に
加え、24℃で71時間、撹拌して反応を行った。反応
液をメタノールで40倍に希釈し、その希釈液を、HP
LCで分析したところ、加水分解反応の変換率は41.
3%であり、99%以上の光学純度で3R5S体が生
成していることが確認された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C12P 41/00 C12R 1:38) (C12P 41/00 C12R 1:385) (C12P 41/00 C12R 1:125) (C12P 41/00 C12R 1:645) (C12P 41/00 C12R 1:845) (C12N 1/14 C12R 1:645) (C12N 1/14 C12R 1:845) (C12N 1/20 C12R 1:38) (C12N 1/20 C12R 1:385) (C12N 1/20 C12R 1:125)

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(I) 【化1】 〔式中、R1は水素または置換されていてもよい炭化水
    素基を、R2およびR3は同一または異なって水素,置換
    されていてもよい炭化水素基あるいは置換されていても
    よい芳香族複素環基を、X'はエステル化されたカルボ
    キシル基あるいはアシル化された水酸基を有する置換基
    を、環Aは置換されていてもよいベンゼン環または置換
    されていてもよい芳香族複素環を、環J'は環構成原子
    として3個以下のヘテロ原子を含有する7ないし8員の
    複素環を、環J'はR1,R2,R3及びX'以外にさらに
    置換基を有していてもよい。C*は不斉炭素原子を示
    す〕で表わされる化合物を、酵素的不斉加水分解反応に
    付すことを特徴とする式(I)の化合物の光学活性体の
    製造法。
  2. 【請求項2】酵素的不斉加水分解反応を、不斉加水分解
    する能力を有する微生物の培養物またはその処理物と接
    触させることにより行う請求項1記載の光学活性体の製
    造法。
  3. 【請求項3】式(I)で表わされる化合物の光学活性体
    を分離することを特徴とする請求項1記載の製造法。
  4. 【請求項4】式(I)で表される化合物が式 【化2】 〔式中、R1は水素または置換されていてもよい炭化水
    素基を、R2およびR3は同一または異なって水素,置換
    されていてもよい炭化水素基あるいは置換されていても
    よい芳香族複素環基を、Z2はS(O)q(qは0,1もし
    くは2を示す)またはOを、Xは結合手または2価の原
    子鎖を、Yはエステル化されたカルボキシル基またはア
    シル化された水酸基を、環Bは置換されていてもよいベ
    ンゼン環を示す〕で表わされる化合物である請求項1記
    載の製造法。
  5. 【請求項5】式(I)で表される化合物が式 【化3】 〔式中、R1は水素または置換されていてもよい炭化水
    素基を、Y1はエステル化されたカルボキシル基を、環
    Bは置換されていてもよいベンゼン環を、環Cは置換さ
    れていてもよいベンゼン環を示す〕で表わされる化合物
    である請求項1記載の製造法。
  6. 【請求項6】微生物が細菌または糸状菌である請求項2
    記載の製造法。
  7. 【請求項7】細菌がシュードモナス(Pseudomonas)属
    またはバチルス(Bacillus)属に属する微生物である請
    求項6記載の製造法。
  8. 【請求項8】シュードモナス属に属する微生物が、シュ
    ードモナス・テトロレンス(Pseudomonas taetrolen
    s),シュードモナス・ディミヌタ(Pseudomonas dimin
    uta),シュードモナス・エアルギノサ(Pseudomonas a
    eruginosa)またはシュードモナス・ベシクラリス(Pse
    udomonas vesicularis)である請求項7記載の製造法。
  9. 【請求項9】シュードモナス属に属する微生物が、シュ
    ードモナス・テトロレンスIFO12691,シュード
    モナス・ディミヌタIFO13182,シュードモナス
    ・エアルギノサIFO3923またはシュードモナス・
    ベシクラリスIFO12165である請求項7記載の製
    造法。
  10. 【請求項10】バチルス属に属する微生物が、バチルス
    ・サチルス(Bacillus subtilis)である請求項7記載
    の製造法。
  11. 【請求項11】バチルス属に属する微生物が、バチルス
    ・サチルスIFO3026である請求項7記載の製造
    法。
  12. 【請求項12】糸状菌がフミコラ(Humicola)属または
    リゾパス(Rhizopus)属に属する微生物である請求項6
    記載の製造法。
  13. 【請求項13】フミコラ属に属する微生物が、フミコラ
    ・ラヌギノサ(Humicolalanuginosa)である請求項12
    記載の製造法。
  14. 【請求項14】リゾパス属に属する微生物が、リゾパス
    ・デレマー(Rhizopus delemer)である請求項12記載
    の製造法。
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