JPH0820833A - 靭性に優れた液体水素貯蔵用Al−Mg系合金及びその製造方法 - Google Patents
靭性に優れた液体水素貯蔵用Al−Mg系合金及びその製造方法Info
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- JPH0820833A JPH0820833A JP15488694A JP15488694A JPH0820833A JP H0820833 A JPH0820833 A JP H0820833A JP 15488694 A JP15488694 A JP 15488694A JP 15488694 A JP15488694 A JP 15488694A JP H0820833 A JPH0820833 A JP H0820833A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【構成】 Mg:3.5〜5.5重量%、Fe:0.5
重量%以下、Si:0.5重量%以下の要件を満たし、
かつCr,Mn及びZrよりなる群から選択された1種
以上を夫々規定の範囲内で含有し、残部がAlと不可避
不純物からなるAl合金において、連続鋳造後、熱間圧
延または熱間圧延及び冷間圧延を行うと共に熱処理を施
して、Fe及びSiを含む不溶性化合物粒の最大長さを
1.0μm以下、かつ体積分率を1.0%以下に制御し
てなるAl−Mg系合金。 【効果】 連続鋳造法によりAl−Mg系合金中の不溶
性化合物粒の最大長さを1.0μm以下、体積分率を
1.0%以下に制御しているので、Al−Mg系合金の
有する高強度特性に加えて、極低温域での靱性も向上さ
せることができ、液体水素貯蔵用容器として好適なAl
−Mg系合金及びその製造方法が提供できる。
重量%以下、Si:0.5重量%以下の要件を満たし、
かつCr,Mn及びZrよりなる群から選択された1種
以上を夫々規定の範囲内で含有し、残部がAlと不可避
不純物からなるAl合金において、連続鋳造後、熱間圧
延または熱間圧延及び冷間圧延を行うと共に熱処理を施
して、Fe及びSiを含む不溶性化合物粒の最大長さを
1.0μm以下、かつ体積分率を1.0%以下に制御し
てなるAl−Mg系合金。 【効果】 連続鋳造法によりAl−Mg系合金中の不溶
性化合物粒の最大長さを1.0μm以下、体積分率を
1.0%以下に制御しているので、Al−Mg系合金の
有する高強度特性に加えて、極低温域での靱性も向上さ
せることができ、液体水素貯蔵用容器として好適なAl
−Mg系合金及びその製造方法が提供できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、靭性に優れた液体水素
貯蔵用Al−Mg系合金及びその製造方法に関し、詳細
には−253℃以下の極低温で液化する液体水素の貯蔵
容器として好適な靭性に優れたAl−Mg系合金及びそ
の製造方法に関するものである。
貯蔵用Al−Mg系合金及びその製造方法に関し、詳細
には−253℃以下の極低温で液化する液体水素の貯蔵
容器として好適な靭性に優れたAl−Mg系合金及びそ
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】低温用アルミニウム合金としてはJIS
規格5083合金が開発されており、LNGタンク用合
金として用いられている。但し上記5083合金であっ
ても、液体水素温度、即ち−253℃以下という極低温
域の靭性が極めて低いという問題を有している。これは
Al精練時に残存するFeやSiなどの不純物を含有す
る不溶性化合物に起因するものであって、上記不溶性化
合物は、均質化処理や溶体化処理における処理温度を高
くしても合金中に固溶せず粒状に晶出して物性に悪影響
を与える。
規格5083合金が開発されており、LNGタンク用合
金として用いられている。但し上記5083合金であっ
ても、液体水素温度、即ち−253℃以下という極低温
域の靭性が極めて低いという問題を有している。これは
Al精練時に残存するFeやSiなどの不純物を含有す
る不溶性化合物に起因するものであって、上記不溶性化
合物は、均質化処理や溶体化処理における処理温度を高
くしても合金中に固溶せず粒状に晶出して物性に悪影響
を与える。
【0003】この様なAl−Mg系合金の低温靭性を改
善する手段としては、前記不溶性化合物の原因となるF
eやSiなどの不純物元素の含有量を極力制限する方法
が考えられる。しかしながら不可避不純物であるFe及
びSiの含有量を極力制限することは、即ち極めて純度
の高いAl地金を必要とするものであり、コスト高とな
って実用性に乏しい。
善する手段としては、前記不溶性化合物の原因となるF
eやSiなどの不純物元素の含有量を極力制限する方法
が考えられる。しかしながら不可避不純物であるFe及
びSiの含有量を極力制限することは、即ち極めて純度
の高いAl地金を必要とするものであり、コスト高とな
って実用性に乏しい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に着
目してなされたものであって、不可避不純物であるFe
やSiの含有量は従来と同程度であっても、製造方法を
改善することにより靭性に優れた液体水素貯蔵用Al−
Mg系合金及びその製造方法を提供しようとするもので
ある。
目してなされたものであって、不可避不純物であるFe
やSiの含有量は従来と同程度であっても、製造方法を
改善することにより靭性に優れた液体水素貯蔵用Al−
Mg系合金及びその製造方法を提供しようとするもので
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明に係るAl−Mg系合金とは、 Mg:3.5〜5.5重量% Fe:0.5重量%以下(0重量%を含まない) Si:0.5重量%以下(0重量%を含まない) の要件を満たし、かつCr,Mn及びZrよりなる群か
ら選択された1種以上を夫々 Cr:0.1〜0.3重量% Mn:0.1〜0.8重量% Zr:0.1〜0.3重量% の範囲内で含有し、残部がAlと不可避不純物からなる
Al合金において、連続鋳造後、熱間圧延を行うかまた
は熱間圧延及び冷間圧延を行うと共に熱処理を施して、
Fe及びSiを含む不溶性化合物粒の最大長さを1.0
μm以下、かつ体積分率を1.0%以下に制御してなる
ことを要旨とするものである。
のできた本発明に係るAl−Mg系合金とは、 Mg:3.5〜5.5重量% Fe:0.5重量%以下(0重量%を含まない) Si:0.5重量%以下(0重量%を含まない) の要件を満たし、かつCr,Mn及びZrよりなる群か
ら選択された1種以上を夫々 Cr:0.1〜0.3重量% Mn:0.1〜0.8重量% Zr:0.1〜0.3重量% の範囲内で含有し、残部がAlと不可避不純物からなる
Al合金において、連続鋳造後、熱間圧延を行うかまた
は熱間圧延及び冷間圧延を行うと共に熱処理を施して、
Fe及びSiを含む不溶性化合物粒の最大長さを1.0
μm以下、かつ体積分率を1.0%以下に制御してなる
ことを要旨とするものである。
【0006】そして上記Al−Mg系合金を製造する為
の好適手段の一つとして、本発明は凝固時の冷却速度R
が R≧5……(1) R≧7.5([Fe]+[Si])+2.5……(2) 但し、R:凝固時の冷却速度(℃/sec) [Fe],[Si]:Al合金中のFe、Siの含有率
(重量%) を満足する条件で連続鋳造した後、該鋳片を熱間圧延温
度以上に保持された状態で直ちに、あるいは熱間圧延温
度に調整してから熱間圧延する方法を提供するものであ
る。尚上記条件式(1),(2)で示される推奨範囲は
図1に示される如く、[Fe]+[Si]の値が0.4
重量%以下のときは(1)式によって、また[Fe]+
[Si]の値が0.4重量%超のときは(2)式によっ
て規定されることを意味する。
の好適手段の一つとして、本発明は凝固時の冷却速度R
が R≧5……(1) R≧7.5([Fe]+[Si])+2.5……(2) 但し、R:凝固時の冷却速度(℃/sec) [Fe],[Si]:Al合金中のFe、Siの含有率
(重量%) を満足する条件で連続鋳造した後、該鋳片を熱間圧延温
度以上に保持された状態で直ちに、あるいは熱間圧延温
度に調整してから熱間圧延する方法を提供するものであ
る。尚上記条件式(1),(2)で示される推奨範囲は
図1に示される如く、[Fe]+[Si]の値が0.4
重量%以下のときは(1)式によって、また[Fe]+
[Si]の値が0.4重量%超のときは(2)式によっ
て規定されることを意味する。
【0007】
【作用】本発明者らは液体水素貯蔵用合金の開発を目的
として、強度的には問題のないAl−Mg系合金の低温
域における靭性を向上させるという課題について鋭意研
究を重ねた結果、たとえFe及びSiをある程度含有し
たAl−Mg系合金であっても、連続鋳造によりFe及
びSiを合金中に強制固溶させ、Fe及びSiを含む不
溶性化合物粒の最大長さを1.0μm以下で、しかもそ
の体積分率を1.0%以下に制御したものでは、強度を
損なうことなく極低温域における靭性も向上させること
ができるとの知見を得た。さらに上記不溶性化合物粒の
最大長さ及び体積分率を制御するには、連続鋳造過程に
おける凝固時の冷却速度を一定条件内に制御してFe及
びSiを合金中に強制固溶することが最良の方法である
ことをつきとめ、本発明を完成させた。
として、強度的には問題のないAl−Mg系合金の低温
域における靭性を向上させるという課題について鋭意研
究を重ねた結果、たとえFe及びSiをある程度含有し
たAl−Mg系合金であっても、連続鋳造によりFe及
びSiを合金中に強制固溶させ、Fe及びSiを含む不
溶性化合物粒の最大長さを1.0μm以下で、しかもそ
の体積分率を1.0%以下に制御したものでは、強度を
損なうことなく極低温域における靭性も向上させること
ができるとの知見を得た。さらに上記不溶性化合物粒の
最大長さ及び体積分率を制御するには、連続鋳造過程に
おける凝固時の冷却速度を一定条件内に制御してFe及
びSiを合金中に強制固溶することが最良の方法である
ことをつきとめ、本発明を完成させた。
【0008】まず本発明に係る成分組成の限定理由を以
下に述べる。 Mg:3.5〜5.5重量% Mgは、Al合金の強度向上に大きく寄与する元素であ
る。Mg量が3.5重量%未満では充分な強度が得られ
ず、一方Mg量が5.5重量%を超えると、靭性を低下
させて連続鋳造ができなくなる。従ってMg量は3.5
〜5.5重量%であることが必要である。尚Mgの下限
としては、より好ましくは3.8重量%以上、更に好ま
しくは4.0重量%以上、一方上限は好ましくは5.0
重量%以下、更に好ましくは4.5重量%以下である。
下に述べる。 Mg:3.5〜5.5重量% Mgは、Al合金の強度向上に大きく寄与する元素であ
る。Mg量が3.5重量%未満では充分な強度が得られ
ず、一方Mg量が5.5重量%を超えると、靭性を低下
させて連続鋳造ができなくなる。従ってMg量は3.5
〜5.5重量%であることが必要である。尚Mgの下限
としては、より好ましくは3.8重量%以上、更に好ま
しくは4.0重量%以上、一方上限は好ましくは5.0
重量%以下、更に好ましくは4.5重量%以下である。
【0009】Cr:0.1〜0.3重量% Mn:0.1〜0.8重量% Zr:0.1〜0.3重量% 本発明のAl合金においては、上記3種の金属元素のう
ち1種以上を上記の範囲内で含有させることにより、A
l合金の結晶粒を微細化し靭性を向上させることができ
る。しかも上記3種の金属元素はAlと結合して0.1
〜0.5μm程度の微細な析出物を形成することにより
強度の向上にも寄与する。但し含有量が少な過ぎると靭
性及び強度に対する向上効果が充分でなく、含有量が多
過ぎると粗大な晶出物を形成し、靭性を低下させてしま
う。従ってCr量は0.1〜0.3重量%,Mn量は
0.1〜0.8重量%,Zr量は0.1〜0.3重量%
の範囲内とすることが必要である。
ち1種以上を上記の範囲内で含有させることにより、A
l合金の結晶粒を微細化し靭性を向上させることができ
る。しかも上記3種の金属元素はAlと結合して0.1
〜0.5μm程度の微細な析出物を形成することにより
強度の向上にも寄与する。但し含有量が少な過ぎると靭
性及び強度に対する向上効果が充分でなく、含有量が多
過ぎると粗大な晶出物を形成し、靭性を低下させてしま
う。従ってCr量は0.1〜0.3重量%,Mn量は
0.1〜0.8重量%,Zr量は0.1〜0.3重量%
の範囲内とすることが必要である。
【0010】尚Crの下限としては、より好ましくは
0.15重量%以上、更に好ましくは0.2重量%以
上、一方上限は好ましくは0.25重量%以下、更に好
ましくは0.23重量%以下である。Mnの下限として
は、より好ましくは0.15重量%以上、更に好ましく
は0.2重量%以上、一方上限は好ましくは0.6重量
%以下、更に好ましくは0.5重量%以下である。Zr
の下限としては、より好ましくは0.15重量%以上、
更に好ましくは0.2重量%以上、一方上限は好ましく
は0.25重量%以下、更に好ましくは0.23重量%
以下である。
0.15重量%以上、更に好ましくは0.2重量%以
上、一方上限は好ましくは0.25重量%以下、更に好
ましくは0.23重量%以下である。Mnの下限として
は、より好ましくは0.15重量%以上、更に好ましく
は0.2重量%以上、一方上限は好ましくは0.6重量
%以下、更に好ましくは0.5重量%以下である。Zr
の下限としては、より好ましくは0.15重量%以上、
更に好ましくは0.2重量%以上、一方上限は好ましく
は0.25重量%以下、更に好ましくは0.23重量%
以下である。
【0011】 Fe:0.5重量%以下(0重量%を含まない) Si:0.5重量%以下(0重量%を含まない) Fe及びSiはAl精練時に残存する不可避不純物であ
り、不溶性化合物を形成することから、一般的に言って
Al合金にとって望ましくない元素であり、通常は極力
制限される。本発明ではFe量及びSi量ともに0.5
重量%まで許容できるものの、0.5重量%を超えると
不溶性化合物が成長しやすくなり、粗大かつ多量に形成
されて、靭性が著しく低下する。
り、不溶性化合物を形成することから、一般的に言って
Al合金にとって望ましくない元素であり、通常は極力
制限される。本発明ではFe量及びSi量ともに0.5
重量%まで許容できるものの、0.5重量%を超えると
不溶性化合物が成長しやすくなり、粗大かつ多量に形成
されて、靭性が著しく低下する。
【0012】本発明に係るAl−Mg系合金において
は、Fe及びSiを含む不溶性化合物粒の最大長さ及び
その体積分率を制御することが高い靭性を得る上で非常
に重要である。上記不溶性化合物粒の最大長さが1.0
μm以下、かつその体積分率が1.0%以下である場合
には、極低温域において優れた靭性を発揮する。上記不
溶性化合物粒の最大長さは、高靭性を得る上で0.8μ
m以下が望ましく、0.6μm以下がより好ましい。一
方不溶性化合物の体積分率は0.8%以下が好ましく、
0.6%以下であればより望ましい。
は、Fe及びSiを含む不溶性化合物粒の最大長さ及び
その体積分率を制御することが高い靭性を得る上で非常
に重要である。上記不溶性化合物粒の最大長さが1.0
μm以下、かつその体積分率が1.0%以下である場合
には、極低温域において優れた靭性を発揮する。上記不
溶性化合物粒の最大長さは、高靭性を得る上で0.8μ
m以下が望ましく、0.6μm以下がより好ましい。一
方不溶性化合物の体積分率は0.8%以下が好ましく、
0.6%以下であればより望ましい。
【0013】上記不溶性化合物粒の最大長さとは、例え
ば球状や円盤状の結晶であれば最大直径を与える様な切
断面を形成した時の最大直径であり、また略立方体や略
直方体の結晶であれば最も長い対角線の長さを指し、不
特定な形状の結晶であれば最も離れた表面上の2点間の
長さを言う。尚上記不溶性化合物粒の最大長さを測定す
るにあたっては、電子顕微鏡を用い顕微鏡視野で算出す
ればよい。
ば球状や円盤状の結晶であれば最大直径を与える様な切
断面を形成した時の最大直径であり、また略立方体や略
直方体の結晶であれば最も長い対角線の長さを指し、不
特定な形状の結晶であれば最も離れた表面上の2点間の
長さを言う。尚上記不溶性化合物粒の最大長さを測定す
るにあたっては、電子顕微鏡を用い顕微鏡視野で算出す
ればよい。
【0014】上記不溶性化合物粒の最大長さ及び体積分
率を制御するには、上記成分組成の要件を満足するAl
合金を用いると共に、凝固時の冷却速度Rが下記
(1),(2)式 R≧5……(1)で且つ R≧7.5([Fe]+[Si])+2.5……(2) 但し、R:凝固時の冷却速度(℃/sec) [Fe],[Si]:Al合金中のFe、Siの含有率
(重量%) を満足する条件で連続鋳造を行なうことが重要である。
率を制御するには、上記成分組成の要件を満足するAl
合金を用いると共に、凝固時の冷却速度Rが下記
(1),(2)式 R≧5……(1)で且つ R≧7.5([Fe]+[Si])+2.5……(2) 但し、R:凝固時の冷却速度(℃/sec) [Fe],[Si]:Al合金中のFe、Siの含有率
(重量%) を満足する条件で連続鋳造を行なうことが重要である。
【0015】即ち本発明のAl合金では、連続鋳造法に
より凝固時に速やかに冷却してFeやSiなどの不可避
不純物元素を強制固溶させ、靭性に悪影響を及ぼす不溶
性化合物の成長を抑制してその大きさ及び量を制限しよ
うというものであり、上記条件を満足すればFe及びS
iを含有する不溶性化合物粒の最大長さ1.0μm以
下、体積分率を1.0%以下に制御できる。一方凝固時
の冷却速度が前記条件を満足しない場合には、FeやS
iという不純物元素を十分に強制固溶させることができ
ず、従ってFe及びSiを含む不溶性化合物粒の最大長
さ及びその体積分率を本発明範囲内に制御できない為、
十分な靭性が得られない。
より凝固時に速やかに冷却してFeやSiなどの不可避
不純物元素を強制固溶させ、靭性に悪影響を及ぼす不溶
性化合物の成長を抑制してその大きさ及び量を制限しよ
うというものであり、上記条件を満足すればFe及びS
iを含有する不溶性化合物粒の最大長さ1.0μm以
下、体積分率を1.0%以下に制御できる。一方凝固時
の冷却速度が前記条件を満足しない場合には、FeやS
iという不純物元素を十分に強制固溶させることができ
ず、従ってFe及びSiを含む不溶性化合物粒の最大長
さ及びその体積分率を本発明範囲内に制御できない為、
十分な靭性が得られない。
【0016】前述の通り上記条件式(1),(2)で示
される推奨範囲は、[Fe]+[Si]の値が0.4重
量%以下のときは(1)式によって、また[Fe]+
[Si]の値が0.4重量%超のときは(2)式によっ
て規定されることを意味する。この様に本発明に係るA
l合金を製造するにあたりFeやSiなどの不可避不純
物元素の含有量が多い場合には、その含有量に応じて連
続鋳造過程における凝固時の冷却速度を増加させ、不溶
性化合物粒の最大長さ及び体積分率を制御することが望
ましい。
される推奨範囲は、[Fe]+[Si]の値が0.4重
量%以下のときは(1)式によって、また[Fe]+
[Si]の値が0.4重量%超のときは(2)式によっ
て規定されることを意味する。この様に本発明に係るA
l合金を製造するにあたりFeやSiなどの不可避不純
物元素の含有量が多い場合には、その含有量に応じて連
続鋳造過程における凝固時の冷却速度を増加させ、不溶
性化合物粒の最大長さ及び体積分率を制御することが望
ましい。
【0017】尚本発明のAl合金は、前記成分組成のA
l合金を用いて特定条件による冷却速度で連続鋳造を行
い、Fe及びSiを含有する不溶性化合物粒の最大長さ
及び体積分率を制御することにより優れた靭性を得られ
るものであり、その他の製造条件については特に制限さ
れるものではないが、以下の製造方法が例示できる。
l合金を用いて特定条件による冷却速度で連続鋳造を行
い、Fe及びSiを含有する不溶性化合物粒の最大長さ
及び体積分率を制御することにより優れた靭性を得られ
るものであり、その他の製造条件については特に制限さ
れるものではないが、以下の製造方法が例示できる。
【0018】まず本発明に係る合金組成を有するAl合
金を溶融体とし、この溶融体を連続鋳造する。連続鋳造
法としては、水冷式連続鋳造法、双ロール式連続鋳造
法、ベルト式連続鋳造法、ブロック式連続鋳造法などを
採用することができるが、連続鋳造から熱間圧延工程へ
の移行時期は、鋳片内部が固相線温度以下にまで低下し
て完全に凝固した後にタイミングを合わせるのが好まし
い。
金を溶融体とし、この溶融体を連続鋳造する。連続鋳造
法としては、水冷式連続鋳造法、双ロール式連続鋳造
法、ベルト式連続鋳造法、ブロック式連続鋳造法などを
採用することができるが、連続鋳造から熱間圧延工程へ
の移行時期は、鋳片内部が固相線温度以下にまで低下し
て完全に凝固した後にタイミングを合わせるのが好まし
い。
【0019】本発明は、連続鋳造して得られる移動帯板
の温度を熱間圧延温度以上に保持して直ちに熱間圧延
し、引き続いて、若しくは一旦巻き取ってから冷間圧延
工程へ送る所謂連鋳・直送圧延方法に有利に適用される
が、この他連続鋳造の後、一旦保持し、鋳片温度が実質
的に降下しないうちに熱間圧延へ送り、更に冷間圧延を
行なう方法にも適用することができる。
の温度を熱間圧延温度以上に保持して直ちに熱間圧延
し、引き続いて、若しくは一旦巻き取ってから冷間圧延
工程へ送る所謂連鋳・直送圧延方法に有利に適用される
が、この他連続鋳造の後、一旦保持し、鋳片温度が実質
的に降下しないうちに熱間圧延へ送り、更に冷間圧延を
行なう方法にも適用することができる。
【0020】尚熱間圧延を施す場合、開始温度は450
〜500℃の範囲が好ましく、300〜350℃の仕上
げ温度で終了することが望ましい。連続鋳造法では通常
4〜30mm程度の肉厚の移動帯板が連続的に製造さ
れ、これを熱間圧延し、更に必要に応じて冷間圧延を行
うことによって、0.1〜10mm程度の肉厚のAl合
金板に圧延される。圧下率としては50%以上が好まし
い。
〜500℃の範囲が好ましく、300〜350℃の仕上
げ温度で終了することが望ましい。連続鋳造法では通常
4〜30mm程度の肉厚の移動帯板が連続的に製造さ
れ、これを熱間圧延し、更に必要に応じて冷間圧延を行
うことによって、0.1〜10mm程度の肉厚のAl合
金板に圧延される。圧下率としては50%以上が好まし
い。
【0021】熱間圧延または熱間圧延及び冷間圧延を施
したAl合金板は、溶体化処理の後に水焼き入れし、さ
らに時効処理を施す。上記溶体化処理の条件としては処
理温度が500〜550℃、処理時間は0.1〜1時間
が望ましい。
したAl合金板は、溶体化処理の後に水焼き入れし、さ
らに時効処理を施す。上記溶体化処理の条件としては処
理温度が500〜550℃、処理時間は0.1〜1時間
が望ましい。
【0022】
【実施例】表1に示す組成のAl合金を溶融体とし、連
続鋳造法により肉厚20mmの移動帯板を作製し、直ち
に熱間圧延を施し肉厚3mmの板材とした。尚連続鋳造
時の冷却速度は10℃/secであり、上記熱間圧延の
圧延開始温度は500℃、終了温度は330℃であっ
た。上記板材に500℃で1時間の溶体化処理を施して
水焼き入れを行なった。
続鋳造法により肉厚20mmの移動帯板を作製し、直ち
に熱間圧延を施し肉厚3mmの板材とした。尚連続鋳造
時の冷却速度は10℃/secであり、上記熱間圧延の
圧延開始温度は500℃、終了温度は330℃であっ
た。上記板材に500℃で1時間の溶体化処理を施して
水焼き入れを行なった。
【0023】この様にして得たAl合金板について、液
体水素温度で引張試験を行い、荷重−変位曲線と両座標
軸で囲まれた面積、即ち破断に要した仕事量を求め、試
験片のゲージ長さ部分の体積で除し単位体積当たりの仕
事量とし、この仕事量の大小で、靭性を評価した。尚不
溶性化合物の大きさと体積分率を走査型電子顕微鏡観察
と画像解析によって求め、鋳造時の凝固速度はデンドラ
イトアームスペースの測定により求めた。さらに強度は
引張強度を測定して評価を行なった。結果は表1に併記
する。
体水素温度で引張試験を行い、荷重−変位曲線と両座標
軸で囲まれた面積、即ち破断に要した仕事量を求め、試
験片のゲージ長さ部分の体積で除し単位体積当たりの仕
事量とし、この仕事量の大小で、靭性を評価した。尚不
溶性化合物の大きさと体積分率を走査型電子顕微鏡観察
と画像解析によって求め、鋳造時の凝固速度はデンドラ
イトアームスペースの測定により求めた。さらに強度は
引張強度を測定して評価を行なった。結果は表1に併記
する。
【0024】
【表1】
【0025】No.1〜14は本発明に係るAl−Mg
系合金であって、いずれも本発明の条件を満足している
ので、十分な強度を有すると共に、極低温域における靭
性に優れている。
系合金であって、いずれも本発明の条件を満足している
ので、十分な強度を有すると共に、極低温域における靭
性に優れている。
【0026】これに対してNo.15〜24は、本発明
に係る条件のいずれかひとつ以上を満足していないの
で、強度または靭性が不充分である。No.15は合金
組成は本発明範囲内で鋳造時の冷却条件が本発明範囲を
満足しない場合の比較例であって、凝固時の冷却速度が
低いことから不溶性化合物の大きさも体積分率も本発明
範囲を満足しておらず、靭性に乏しい。No.16はM
g量が少な過ぎる場合の比較例であり、強度が不充分で
ある。No.17はMg量が多過ぎる場合の比較例であ
って、連続鋳造ができなかった。No.18はCr,M
n,Zrがいずれも少な過ぎる場合の比較例であり、強
度が不充分である。No.19はCr量が多過ぎ、N
o.20はMnが多過ぎ、No.21はZrが多過ぎる
場合の比較例であって、不溶性化合物の大きさ及び体積
分率が本発明範囲を満足しておらず、靭性が低い。N
o.22はFe量が多過ぎ、No.23はSi量が多過
ぎる場合の比較例であって、靭性に乏しい。No.24
はJIS5083合金を用いて従来の連続鋳造法で製造
したものであって、凝固時の冷却速度が低過ぎ、靭性に
劣る。
に係る条件のいずれかひとつ以上を満足していないの
で、強度または靭性が不充分である。No.15は合金
組成は本発明範囲内で鋳造時の冷却条件が本発明範囲を
満足しない場合の比較例であって、凝固時の冷却速度が
低いことから不溶性化合物の大きさも体積分率も本発明
範囲を満足しておらず、靭性に乏しい。No.16はM
g量が少な過ぎる場合の比較例であり、強度が不充分で
ある。No.17はMg量が多過ぎる場合の比較例であ
って、連続鋳造ができなかった。No.18はCr,M
n,Zrがいずれも少な過ぎる場合の比較例であり、強
度が不充分である。No.19はCr量が多過ぎ、N
o.20はMnが多過ぎ、No.21はZrが多過ぎる
場合の比較例であって、不溶性化合物の大きさ及び体積
分率が本発明範囲を満足しておらず、靭性が低い。N
o.22はFe量が多過ぎ、No.23はSi量が多過
ぎる場合の比較例であって、靭性に乏しい。No.24
はJIS5083合金を用いて従来の連続鋳造法で製造
したものであって、凝固時の冷却速度が低過ぎ、靭性に
劣る。
【0027】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、連
続鋳造法によりAl−Mg系合金中における不溶性化合
物粒の最大長さを1.0μm以下とし、しかもその体積
分率を1.0%以下に制御しているので、Al−Mg系
合金の有する高強度という特性に加えて、極低温域にお
ける靭性も向上させることができ、液体水素貯蔵用容器
として好適なAl−Mg系合金及びその製造方法が提供
できることとなった。
続鋳造法によりAl−Mg系合金中における不溶性化合
物粒の最大長さを1.0μm以下とし、しかもその体積
分率を1.0%以下に制御しているので、Al−Mg系
合金の有する高強度という特性に加えて、極低温域にお
ける靭性も向上させることができ、液体水素貯蔵用容器
として好適なAl−Mg系合金及びその製造方法が提供
できることとなった。
【図1】本発明の製造方法において用いられる連続鋳造
時の好ましい冷却速度条件を示すグラフである。
時の好ましい冷却速度条件を示すグラフである。
Claims (4)
- 【請求項1】Mg:3.5〜5.5重量% Fe:0.5重量%以下(0重量%を含まない) Si:0.5重量%以下(0重量%を含まない) の要件を満たし、かつCr,Mn及びZrよりなる群か
ら選択された1種以上を夫々 Cr:0.1〜0.3重量% Mn:0.1〜0.8重量% Zr:0.1〜0.3重量% の範囲内で含有し、残部がAlと不可避不純物からなる
Al合金において、連続鋳造後、熱間圧延を行うかまた
は熱間圧延及び冷間圧延を行うと共に熱処理を施して、
Fe及びSiを含む不溶性化合物粒の最大長さを1.0
μm以下、かつ体積分率を1.0%以下に制御してなる
ことを特徴とする靭性に優れた液体水素貯蔵用Al−M
g系合金。 - 【請求項2】 請求項1記載のAl−Mg系合金を製造
するにあたり、凝固時の冷却速度Rが R≧5で且つ R≧7.5([Fe]+[Si])+2.5 但し、R:凝固時の冷却速度(℃/sec) [Fe],[Si]:Al合金中のFe、Siの含有率
(重量%) を満足する条件で連続鋳造した後、該鋳片温度を熱間圧
延温度以上に保持して熱間圧延することを特徴とする靭
性に優れた液体水素貯蔵用Al−Mg系合金の製造方
法。 - 【請求項3】 連続鋳造された移動帯板を直ちに熱間圧
延工程へ送る請求項2記載の製造方法。 - 【請求項4】 連続鋳造された鋳片を、熱間圧延温度に
調整して熱間圧延工程へ送る請求項2に記載の製造方
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15488694A JPH0820833A (ja) | 1994-07-06 | 1994-07-06 | 靭性に優れた液体水素貯蔵用Al−Mg系合金及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15488694A JPH0820833A (ja) | 1994-07-06 | 1994-07-06 | 靭性に優れた液体水素貯蔵用Al−Mg系合金及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0820833A true JPH0820833A (ja) | 1996-01-23 |
Family
ID=15594113
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP15488694A Withdrawn JPH0820833A (ja) | 1994-07-06 | 1994-07-06 | 靭性に優れた液体水素貯蔵用Al−Mg系合金及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0820833A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1975263A4 (en) * | 2006-01-12 | 2012-03-07 | Furukawa Sky Aluminum Corp | ALUMINUM ALLOYS FOR HIGH-TEMPERATURE AND HIGH-SPEED FORMS, METHOD OF MANUFACTURING THEREOF, AND METHOD FOR PRODUCING ALUMINUM ALLOY FORMS |
| JP2014009398A (ja) * | 2012-07-03 | 2014-01-20 | Uacj Corp | 高圧水素ガス容器用のAl−Mg系合金 |
| JP2014145112A (ja) * | 2013-01-29 | 2014-08-14 | Uacj Corp | 高圧水素ガス容器用Al−Mg合金材 |
| EP3040139A1 (en) * | 2014-12-29 | 2016-07-06 | Kone Corporation | An aluminium alloy, mechanical parts made therefrom, and use thereof |
| JP2017082304A (ja) * | 2015-10-29 | 2017-05-18 | 株式会社神戸製鋼所 | 極低温域での耐衝撃性に優れるアルミニウム合金構造部材 |
| CN109518107A (zh) * | 2018-12-07 | 2019-03-26 | 中南大学 | 一种高性能钛带材的深冷轧制与热处理制备方法 |
-
1994
- 1994-07-06 JP JP15488694A patent/JPH0820833A/ja not_active Withdrawn
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1975263A4 (en) * | 2006-01-12 | 2012-03-07 | Furukawa Sky Aluminum Corp | ALUMINUM ALLOYS FOR HIGH-TEMPERATURE AND HIGH-SPEED FORMS, METHOD OF MANUFACTURING THEREOF, AND METHOD FOR PRODUCING ALUMINUM ALLOY FORMS |
| US8500926B2 (en) | 2006-01-12 | 2013-08-06 | Furukawa-Sky Aluminum Corp | Aluminum alloy material for high-temperature/high-speed molding, method of producing the same, and method of producing a molded article of an aluminum alloy |
| JP2014009398A (ja) * | 2012-07-03 | 2014-01-20 | Uacj Corp | 高圧水素ガス容器用のAl−Mg系合金 |
| JP2014145112A (ja) * | 2013-01-29 | 2014-08-14 | Uacj Corp | 高圧水素ガス容器用Al−Mg合金材 |
| EP3040139A1 (en) * | 2014-12-29 | 2016-07-06 | Kone Corporation | An aluminium alloy, mechanical parts made therefrom, and use thereof |
| JP2017082304A (ja) * | 2015-10-29 | 2017-05-18 | 株式会社神戸製鋼所 | 極低温域での耐衝撃性に優れるアルミニウム合金構造部材 |
| CN109518107A (zh) * | 2018-12-07 | 2019-03-26 | 中南大学 | 一种高性能钛带材的深冷轧制与热处理制备方法 |
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|---|---|---|---|
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