JPH08208491A - 薬剤の腎毒性軽減剤 - Google Patents

薬剤の腎毒性軽減剤

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JPH08208491A
JPH08208491A JP7319749A JP31974995A JPH08208491A JP H08208491 A JPH08208491 A JP H08208491A JP 7319749 A JP7319749 A JP 7319749A JP 31974995 A JP31974995 A JP 31974995A JP H08208491 A JPH08208491 A JP H08208491A
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nephrotoxicity
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spherical
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Michihito Ise
道仁 伊勢
Hideo Hayashi
英雄 林
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Kureha Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 経口薬として服用することにより、白金錯体
化合物類の腎毒性を有効に軽減することが可能な、腎毒
性に対する軽減剤を提供する。 【解決手段】 球形活性炭を有効成分とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、球形活性炭を有効
成分とする、白金錯体化合物類(特にはシスプラチン)
の腎毒性軽減剤に関する。
【0002】
【従来の技術】癌化学療法は、近年急速な進歩を遂げて
いる。しかし、制癌剤は、癌組織だけでなく正常組織に
も作用を及ぼすため、副作用は避けられない。そこで、
副作用を軽減するために、種々の工夫がなされている。
白金錯体化合物類、中でもシスプラチンは、こう丸腫
瘍、膀胱癌、腎癌、腎盂・尿管腫瘍、前立腺癌及び卵巣
癌に顕著な延命効果が期待できる優れた制癌剤であり、
その化学名はシス−ジクロロ−ジアミン−プラチナであ
る。シスプラチンの主な副作用は、腎毒性、胃腸障害、
血液毒性及び神経毒性であり、なかでも腎毒性が通常の
静脈内投与、動脈内投与又は腹腔内投与における用量規
制因子である。腎毒性は尿細管に分泌されたシスプラチ
ンにより惹起され、シスプラチンが高濃度に長く持続す
るほど高度の腎障害が引き起こされる。腎障害の程度は
クレアチニンクリアランス等により判定される。時には
腎不全等の重篤な症状を起こすことがある。通常、シス
プラチンは利尿状態で投与され、尿細管中のシスプラチ
ン濃度を低下させることにより腎毒性を軽減する工夫が
なされている。利尿状態は、水付加と利尿剤(マンニト
ール又はフロセミド)投与によりもたらされる。更に、
活性炭による血液吸着カラムを併用することにより、シ
スプラチン投与による全身的副作用を軽減する工夫も知
られている。Feun等(Proc.Am.Asso
c.Cancer Res.,1985,vol.2
6,No.1039)は、イヌに対するシスプラチン静
脈内投与において、投与終了時に活性チャーコールを経
口的に与える実験を報告している。シスプラチンの腎毒
性を軽減し得る化合物として、例えばチオ硫酸ナトリウ
ム、アセタゾラミド、二酸化セレン、セレン酸ナトリウ
ム、システイン、3−アミノベンズアミド、ホスホマイ
シン、及びS−アデノシル−L−メチオニン(特開平6
−192109号公報)等が報告されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、利尿状態にお
ける投与又は活性炭吸着カラムの併用は、患者に大きな
苦痛を強いるものであり、しかも腎毒性軽減作用も充分
とはいえない。また、Feun等の報告には、単に延命
に対する効果の記載があるのみで、例えば、腎毒性の軽
減に関する記載はない。更に、シスプラチンの腎毒性を
軽減することができるとされている公知の上記の化合物
のうちで、臨床上実用化されるまでに至った化合物は従
来なかった。従って、シスプラチン投与による腎毒性を
明確に軽減する薬剤が待望されていた。本発明は、この
ような実状に鑑みなされたものであり、その目的は、白
金錯体化合物類、特にはシスプラチンの抗腫瘍作用を低
下させることなく、強制的な水付加や利尿剤投与を行う
ことなく、患者に苦痛を与えることなく、白金錯体化合
物類投与における腎毒性に対して明確な軽減効果を有す
る、白金錯体化合物類の腎毒性軽減剤を提供することに
ある。本発明者等は、上記の目的を達成すべく、従来の
薬剤とは別異の有効成分について鋭意研究した結果、シ
スプラチン投与時において医療用活性炭製剤の経口投与
により、腎毒性を軽減する明確な効果が現れることを見
出した。本発明は、上記の知見に基づき完成されたもの
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、球形活性炭を
有効成分とする、白金錯体化合物類の腎毒性軽減剤に関
する。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳述する。本発明
の白金錯体化合物類の腎毒性軽減剤の有効成分である球
形活性炭としては、医療用に内服使用することが可能な
球形状の活性炭であれば特に限定されない。この球形活
性炭は吸着能に優れていることが好ましい。そのため、
前記球形活性炭は、好ましくは直径0.05〜2mm、
より好ましくは0.1〜1mmの球形活性炭である。ま
た、好ましくは比表面積が500〜2000m2 /g、
より好ましくは700〜1500m2 /gの球形活性炭
である。また、好ましくは細孔半径100〜75000
オングストロームの空隙量が0.01〜1ml/g、よ
り好ましくは0.05〜0.8ml/gの球形活性炭で
ある。なお、上記の比表面積は、自動吸着量測定装置を
用いたメタノール吸着法により測定した値である。空隙
量は、水銀圧入ポロシメータにより測定した値である。
【0006】従来、解毒剤として医療に用いられている
粉末状活性炭は、副作用として便秘を引き起こし易く、
病態時の便秘は特に危険であることから、この点が大き
な欠点であった。前記球形活性炭は、粉末活性炭に比
べ、服用時に飛散せず、しかも、連続使用しても便秘を
惹起しない点で有利である。直径が0.05mm未満の
場合は、便秘などの副作用の除去に充分な効果がなく、
2mmを超える場合は、服用し難いだけでなく、目的と
する薬理効果も迅速に発現されない。球形活性炭の形状
は、本発明の効果を得るために重要な因子の1つであ
り、実質的に球状であることが必要である。球形活性炭
の中では、後述の石油系ピッチ由来の球形活性炭が真球
に近いため特に好ましい。
【0007】球形活性炭の製造には、任意の活性炭原
料、例えば、オガ屑、石炭、ヤシ殻、石油系若しくは石
炭系の各種ピッチ類又は有機合成高分子を用いることが
できる。球形活性炭は、例えば、原料を炭化した後に活
性化する方法によって製造することができる。活性化の
方法としては、水蒸気賦活、薬品賦活、空気賦活又は炭
酸ガス賦活などの種々の方法を用いることができるが、
医療に許容される純度を維持することが必要である。
【0008】球形活性炭としては、炭素質粉末からの造
粒活性炭、有機高分子焼成の球形活性炭及び石油系炭化
水素(石油系ピッチ)由来の球形活性炭などがある。炭
素質粉末からの造粒活性炭は、例えば、タール、ピッチ
等のバインダーで炭素質粉末原料を小粒球形に造粒した
後、不活性雰囲気中で600〜1000℃の温度に加熱
焼成して炭化し、次いで、賦活することにより得ること
ができる。賦活方法としては、水蒸気賦活、薬品賦活、
空気賦活又は炭酸ガス賦活などの種々の方法を用いるこ
とができる。水蒸気賦活は、例えば、水蒸気雰囲気中、
800〜1100℃の温度で行われる。
【0009】有機高分子焼成の球形活性炭は、例えば、
特公昭61−1366号公報に開示されており、次のよ
うにして製造することが可能である。縮合型又は重付加
型の熱硬化性プレポリマーに、硬化剤、硬化触媒、乳化
剤などを混合し、攪拌下で水中に乳化させ、室温又は加
温下に攪拌を続けながら反応させる。反応系は、まず懸
濁状態になり、更に攪拌することにより熱硬化性樹脂球
状物が出現する。これを回収し、不活性雰囲気中で50
0℃以上の温度に加熱して炭化し、前記の方法により賦
活して有機高分子焼成の球形活性炭を得ることができ
る。
【0010】石油系ピッチ由来の球形活性炭は、直径が
好ましくは0.05〜2mm、より好ましくは0.1〜
1mm、比表面積が好ましくは500〜2000m2
g、より好ましくは700〜1500m2 /g、細孔半
径100〜75000オングストロームの空隙量が好ま
しくは0.01〜1ml/gである。この石油系ピッチ
由来の球形活性炭は、例えば、以下の2種の方法で製造
することができる。
【0011】第1の方法は、例えば、特公昭51−76
号公報(米国特許第3917806号明細書)及び特開
昭54−89010号公報(米国特許第4761284
号明細書)に記載されているように、まず、溶融状態で
小粒球形状としたピッチ類を酸素により不融化した後、
不活性雰囲気中で600〜1000℃の温度に加熱焼成
して炭化し、次いで、水蒸気雰囲気中で850〜100
0℃の温度で賦活する方法である。第2の方法は、例え
ば、特公昭59−10930号公報(米国特許第442
0433号明細書)に記載されているように、まず、溶
融状態で紐状としたピッチ類を破砕した後、熱水中に投
入して球状化し、次いで、酸素により不融化した後、上
記の第1の方法と同様の条件で炭化、賦活する方法であ
る。
【0012】本発明において有効成分の球形活性炭とし
ては、(1)アンモニア処理などを施した球形活性炭、
(2)酸化及び/又は還元処理を施した球形活性炭など
も使用することができる。これらの処理を施すことので
きる球形活性炭は、前記の石油系ピッチ由来の球形活性
炭、炭素質粉末の造粒活性炭、有機高分子焼成の球形活
性炭の何れであってもよい。
【0013】前記のアンモニア処理とは、例えば、球形
活性炭を、1〜1000ppmのアンモニアを含有する
アンモニア水溶液で、アンモニア水溶液と球形活性炭の
容量比を2〜10として、10〜50℃の温度で、0.
5〜5時間処理することからなる。前述の石油系ピッチ
由来の球形活性炭にアンモニア処理を施した活性炭とし
ては、特開昭56−5313号公報(米国特許第476
1284号明細書)に記載の球形活性炭を挙げることが
できる。例えば、アンモニア処理が施された球形活性炭
としては直径が0.05〜2mm、好ましくは0.1〜
1mm、比表面積が500〜2000m2 /g、好まし
くは700〜1500m2 /g、細孔半径100〜75
000オングストロームの空隙量が0.01〜1ml/
g、pHが6〜8の球形活性炭を例示することができ
る。
【0014】前記の酸化処理とは、酸素を含む酸化雰囲
気で高温熱処理を行なうことを意味し、酸素源として
は、純粋な酸素、酸化窒素又は空気などを用いることが
できる。また、還元処理とは、炭素に対して不活性な雰
囲気で高温熱処理を行なうことを意味し、炭素に対して
不活性な雰囲気は、窒素、アルゴン若しくはヘリウム又
はそれらの混合ガスを用いて形成することができる。
【0015】前記の酸化処理は、好ましくは酸素含有量
0.5〜25容量%、より好ましくは酸素含有量3〜1
0容量%の雰囲気中、好ましくは300〜700℃、よ
り好ましくは400〜600℃の温度で行われる。前記
の還元処理は、好ましくは700〜1100℃、より好
ましくは800〜1000℃の温度で不活性雰囲気中で
行われる。
【0016】前述の石油系ピッチ由来の球形活性炭に酸
化及び/又は還元処理を施した例としては、特公昭62
−11611号公報(米国特許第4681764号明細
書)に記載の球形炭素質吸着剤を挙げることができる。
その他の一例としては、「クレメジン」(商品名:呉羽
化学工業株式会社製)が挙げられ、そのカプセル製剤と
しては、「クレメジンカプセル200」(商品名:呉羽
化学工業株式会社製;200mg/cap)が挙げられ
る。なお、クレメジンは直径約0.2〜0.4mmの均
質な多孔質炭素からなる球形微粒状の経口吸着薬であ
り、進行性の慢性腎不全における尿毒症症状の改善及び
透析導入の遅延に効果のある医薬品として臨床の場に供
されている。
【0017】酸化及び/又は還元処理が施された球形活
性炭としては、直径が0.05〜2mm、好ましくは
0.1〜1mm、比表面積が500〜2000m2
g、好ましくは700〜1500m2 /g、細孔半径1
00〜75000オングストロームの空隙量が0.01
〜1ml/gである球形活性炭が好ましい。
【0018】本発明の腎毒性軽減剤の対象となる医薬品
は、白金錯体化合物類、例えば、シスプラチン、ジクロ
ロ−エチレンジアミン−プラチナ(II)、1,2−ジア
ミノ−シクロヘキシル−プラチナ(II)−マロネート又
はサルフェート、カルボプラチン、ジイソプロピルアミ
ノ−トランス−ジヒドロキシ−シス−ジクロロ−プラチ
ナ(IV)、(−)−(R)−2−アミノメチルピロリジ
ン(1,1−シクロブタンジカルボキシレート)プラチ
ナ(II)−モノハイドレート、シス−ジアミングリコレ
ートプラチナ等、特にはシスプラチン、すなわちシス−
ジクロロ−ジアミンプラチナである。また、本発明の腎
毒性軽減剤の対象となる腎毒性は、腎細胞障害による腎
機能の低下である。
【0019】医療用活性炭製剤である酸化及び還元処理
を施した石油系ピッチ由来の球形活性炭を、白金錯体化
合物類であるシスプラチン投与時に正常ラットに経口投
与したところ、驚くべきことに、シスプラチン腎毒性に
対する明確な軽減効果が現れた。しかも、該球形活性炭
投与については何等の副作用も見られなかった。これら
の事実により、球形活性炭を有効成分として含有する製
剤は、白金錯体化合物類の腎毒性軽減剤として有用であ
ることが判明した。なお、球形活性炭の投与経路を白金
錯体化合物類の投与経路と別異の経路とすることができ
るので、白金錯体化合物類の抗腫瘍作用を低下させずに
その腎毒性を軽減することができる。
【0020】本発明の白金錯体化合物類の腎毒性軽減剤
の適用対象は、白金錯体化合物類、特にはシスプラチン
を投与することによって腎毒性による悪影響を受ける又
は受ける可能性のあるヒトをはじめとする哺乳動物であ
る。本発明の白金錯体化合物類の腎毒性軽減剤は、好ま
しくは経口的に投与される。その投与量は、対象(哺乳
動物特にはヒト)、年齢、個人差、及び/又は病状など
に依存する。例えば、ヒトの場合の1日当たりの投与量
は、通常、球形活性炭量として0.2〜20gである
が、症状により、投与量を適宜増減してもよい。また、
投与は1回又は数回に分けて行なってもよい。球形活性
炭は、そのまま投与してもよいし、活性炭製剤として投
与してもよい。球形活性炭をそのまま投与する場合、球
形活性炭を飲料水などに懸濁したスラリーとして投与す
ることもできる。
【0021】本発明の軽減剤の投与時期と白金錯体化合
物類の投与時期とは、自由に選択して組み合わせること
ができる。例えば、相前後してもよいし、重複してもよ
い。また、一部の期間のみ重複してもよい。更に、この
ような投与スケジュールを適当に組み合わせたり、繰り
返したりすることもできる。本発明の軽減剤の投与時期
は、白金錯体化合物類の投与時期と一部の期間あるいは
全期間にわたって重複するのが好ましい。
【0022】活性炭製剤における剤形としては、顆粒、
錠剤、糖衣錠、カプセル剤、スティック剤、分包包装体
又は懸濁剤などの任意の剤形を採用することができる。
カプセル剤の場合、通常のゼラチンカプセルの他、必要
に応じ、腸溶性のカプセルを用いることもできる。顆
粒、錠剤又は糖衣錠として用いる場合は、体内で元の微
小粒子に解錠されることが必要である。活性炭製剤中の
球形活性炭の含有量は、通常1〜100%である。本発
明において、好ましい活性炭製剤は、カプセル剤、ステ
ィック剤又は分包包装体である。これらの製剤の場合、
球形活性炭は、そのまま容器に封入される。
【0023】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、これらは本発明の範囲を何ら限定するものでは
ない。製造例:球形活性炭の調製 ナフサ熱分解により生成した軟化点182℃、キノリン
不溶分10重量%、H/C=0.53のピッチ75kg
にナフタリン25kgを、攪拌翼のついた内容積300
リットルの耐圧容器に導入し、210℃に加熱溶融混合
し、80〜90℃に冷却して押出紡糸に好適な粘度に調
整し、径1.5mmの孔を100個有する下部の口金か
ら50kg/cm2 の圧力下にピッチ混合物を5kg/
minの割合で押出した。押出した紐状ピッチは、約4
0°の傾斜を有するプラスチック製の樋に沿って10〜
25℃の冷却槽に流入する。樋には流速3.0m/se
cの水を流下することにより、押出直後の紐状ピッチは
連続的に延伸される。冷却槽には径500μmの紐状ピ
ッチが集積する。水中に約1分間放置することにより紐
状ピッチは固化し、手で容易に折れる状態のものが得ら
れる。この紐状ピッチを高速カッターに入れ水を加え
る。10〜30秒間攪拌すると紐状ピッチの破砕は完了
し、棒状ピッチとなる。顕微鏡で観察すると円柱の長さ
と直径の比は平均1.5であった。
【0024】次にこの棒状ピッチを濾別し、90℃に加
熱した0.5%ポリビニルアルコール水溶液1kg中に
棒状物100gを投入し、溶融し、攪拌分散し、冷却し
て球形粒子を形成した。大部分の水を濾別した後、得ら
れた球形粒子を抽出器に入れ、ヘキサンを通液してナフ
タレンを抽出除去し、通風乾燥した。次いで、流動床を
用いて、加熱空気を流通して25℃/Hrで300℃ま
で昇温し、更に300℃に2時間保持して不融化した。
続いて、水蒸気中で900℃まで昇温し、900℃で2
時間保持して炭化賦活を行ない、多孔質の球形活性炭を
得た。得られた球形活性炭の直径は0.05〜1.0m
mであり、こうして得られた球形活性炭を流動床を用い
て、600℃で酸素濃度3%の雰囲気下で3時間処理し
た後、窒素雰囲気下で950℃まで昇温し、950℃で
30分間保持して、酸化及び還元処理を施した石油系ピ
ッチ由来の球形活性炭(以下、試料1と称す)を得た。
この球形活性炭の直径は0.05〜1mmであった。な
お、ラット(Cpb:WU:ウイスターランダム)への
経口投与による急性毒性試験では、毒性試験法ガイドラ
イン(薬審第118号)による最大投与量(雌雄ラット
5000mg/kg)においても異常は観察されなかっ
た。
【0025】実施例:球形活性炭投与によるシスプラチ
ン腎毒性の軽減作用 本実施例においては、球形活性炭として前記製造例1で
得た試料1を用いた。体重300〜400gのWist
ar雄ラット(22匹)に、13週間にわたり、シスプ
ラチンを週2回の頻度で1mg/kg/日の量を腹腔内
投与した。14週目の始めに、群間に偏りのないよう
に、2群(各群11匹)に分けた。これ以降24週目の
始めまでの10週間にわたり、対照群には通常の飼料を
与え、球形活性炭投与群には通常飼料に加え試料1を1
匹当り1.0〜1.4g/日の量で経口投与した。更
に、両群には、14週目の始めから24週目の始めまで
の10週間にわたり、シスプラチンを週2回の頻度で
0.5mg/kg/日の量を腹腔内投与した。24週目
に腎毒性を評価するために、クレアチニンクリアランス
によって腎機能を測定した。また、シスプラチンは腎臓
の尿細管障害を引き起こすため、尿細管の病理形態学的
検討を行った。群間の統計学的検定にはt検定を用い
た。24週目におけるクレアチニンクリアランス(平均
値±標準偏差)は、対照群0.63±0.39ml/m
inに対して、球形活性炭投与群1.09±0.48m
l/minであり、統計学的に有意差(p<0.05)
があった。即ち、球形活性炭投与群においては、統計学
的に有意に、腎機能の保持が認められ、シスプラチンに
よる腎毒性が軽減されていた。また病理形態学的な検討
の結果、球形活性炭投与群においては、尿細管の病変が
明確に抑制されていた。
【0026】製剤調製例1:カプセル剤の調製 前記製造例1で得た球形活性炭200mgをゼラチンカ
プセルに封入してカプセル剤を調製した。
【0027】製剤調製例2:スティック剤の調製 前記製造例1で得た球形活性炭2gを積層フィルム製ス
ティックに充填した後、ヒートシールしてスティック剤
とした。
【0028】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明による腎毒
性軽減剤を、例えば、経口薬として服用することによ
り、白金錯体化合物類投与における腎毒性を明確に軽減
することが可能である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 球形活性炭を有効成分とする、白金錯体
    化合物類の腎毒性軽減剤。
  2. 【請求項2】 白金錯体化合物類がシスプラチンである
    請求項1に記載の腎毒性軽減剤。
  3. 【請求項3】 球形活性炭の直径が0.05〜2mmで
    ある請求項1に記載の腎毒性軽減剤。
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