JPH08209219A - ステンレス鋼溶製方法 - Google Patents
ステンレス鋼溶製方法Info
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P10/00—Technologies related to metal processing
- Y02P10/20—Recycling
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- Carbon Steel Or Casting Steel Manufacturing (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 スクラップ溶解時のクロムの酸化損失が小さ
く生産性が高いオーステナイト系ステンレス鋼の効率的
な溶製方法を提示する。 【構成】 ステンレス鋼スクラップを、上底吹き転炉型
反応炉で酸素ガスによる炭材燃焼熱により溶解する方法
において、上吹き酸素によるスラグの凹み深さ(LS )
とスラグ厚み(LSO)の比LS /LSOを0.8〜0.3
とし、炭材中固定炭素分Cをスラグt当り50〜350
kg存在させた上で、酸素供給速度を100〜200N
m3 /(Hr・ton)、底吹き撹拌エネルギーを0.
5〜3KWatt/tonとする。
く生産性が高いオーステナイト系ステンレス鋼の効率的
な溶製方法を提示する。 【構成】 ステンレス鋼スクラップを、上底吹き転炉型
反応炉で酸素ガスによる炭材燃焼熱により溶解する方法
において、上吹き酸素によるスラグの凹み深さ(LS )
とスラグ厚み(LSO)の比LS /LSOを0.8〜0.3
とし、炭材中固定炭素分Cをスラグt当り50〜350
kg存在させた上で、酸素供給速度を100〜200N
m3 /(Hr・ton)、底吹き撹拌エネルギーを0.
5〜3KWatt/tonとする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はステンレス鋼、特にオー
ステナイト系ステンレス鋼の転炉型反応炉での効率的な
溶製方法に関するものである。
ステナイト系ステンレス鋼の転炉型反応炉での効率的な
溶製方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】オーステナイト系ステンレス鋼はスクラ
ップを原料とした製造技術が一般的であり、ほとんどの
場合、スクラップ溶解のためには電気炉が用いられて来
た。しかし、わが国のように電力価格が著しく高い国で
は電気炉はスクラップの溶解・精錬に多くの電力を消費
するためコスト的に高いという本質的問題がある。これ
に対して、フェロクロム合金の溶製方法としてクロム鉱
石の転炉型反応容器での溶融還元技術が、特公昭62−
50544号公報や特開平01−215913号公報で
開示されている。この方法は、特定のスラグ組成に制御
した条件下にクロム鉱石と炭材とを連続的に添加しクロ
ム鉱石を還元するものであるが、オーステナイト系の場
合にはクロムのみではなくニッケルが必要となる。しか
し、ニッケル鉱石は品位が低いため多量のスラグを発生
させ実用的ではありえない。
ップを原料とした製造技術が一般的であり、ほとんどの
場合、スクラップ溶解のためには電気炉が用いられて来
た。しかし、わが国のように電力価格が著しく高い国で
は電気炉はスクラップの溶解・精錬に多くの電力を消費
するためコスト的に高いという本質的問題がある。これ
に対して、フェロクロム合金の溶製方法としてクロム鉱
石の転炉型反応容器での溶融還元技術が、特公昭62−
50544号公報や特開平01−215913号公報で
開示されている。この方法は、特定のスラグ組成に制御
した条件下にクロム鉱石と炭材とを連続的に添加しクロ
ム鉱石を還元するものであるが、オーステナイト系の場
合にはクロムのみではなくニッケルが必要となる。しか
し、ニッケル鉱石は品位が低いため多量のスラグを発生
させ実用的ではありえない。
【0003】一方、クロムやニッケルを含まない普通鋼
スクラップの溶解に対して、既存の上底吹きの複合吹錬
転炉を利用することで設備増を控えるとともに、スクラ
ップと一緒に炉内に装入した火種に着火した後、上底吹
き吹錬の際に炉上方から熱源として炭材を投入しながら
溶解・精錬する方法が提案されている。例えば、特開平
2−141511号公報には、溶融物をガス撹拌できる
反応容器を用いて、溶融スラグを溶銑トン当たり350
kg以上とし、かつ硫黄含有量が0.4%以上の石炭を
用いて反応容器内に存在する遊離の固定炭素量を溶融ス
ラグトン当たり17kg以上に保って、上吹き吹酸する
鋼スクラップの溶解法が開示されている。しかし、ステ
ンレス鋼スクラップの場合には極めて酸化されやすいク
ロムを多量に含むため、単に、この技術を適用したのみ
ではクロムの酸化損失が大きく実用的ではないという問
題がある。
スクラップの溶解に対して、既存の上底吹きの複合吹錬
転炉を利用することで設備増を控えるとともに、スクラ
ップと一緒に炉内に装入した火種に着火した後、上底吹
き吹錬の際に炉上方から熱源として炭材を投入しながら
溶解・精錬する方法が提案されている。例えば、特開平
2−141511号公報には、溶融物をガス撹拌できる
反応容器を用いて、溶融スラグを溶銑トン当たり350
kg以上とし、かつ硫黄含有量が0.4%以上の石炭を
用いて反応容器内に存在する遊離の固定炭素量を溶融ス
ラグトン当たり17kg以上に保って、上吹き吹酸する
鋼スクラップの溶解法が開示されている。しかし、ステ
ンレス鋼スクラップの場合には極めて酸化されやすいク
ロムを多量に含むため、単に、この技術を適用したのみ
ではクロムの酸化損失が大きく実用的ではないという問
題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、特公昭62
−50544号公報や特開平01−215913号公報
で開示されている溶融還元技術においてオーステナイト
系ステンレス鋼を製造する場合の、ニッケル鉱石は品位
が低いため多量のスラグを発生させ実用的ではありえな
いという問題、特開平2−141511号公報に開示さ
れている上底吹き炉錬炉での普通鋼スクラップ溶解法を
ステンレス鋼スクラップの溶解に単に適用した場合のク
ロムの酸化損失が大きく実用的ではないという問題を解
決し、コストの高い電気炉に代替できるオーステナイト
系ステンレス鋼の転炉型反応炉での効率的な溶製方法を
提供することを目的とする。
−50544号公報や特開平01−215913号公報
で開示されている溶融還元技術においてオーステナイト
系ステンレス鋼を製造する場合の、ニッケル鉱石は品位
が低いため多量のスラグを発生させ実用的ではありえな
いという問題、特開平2−141511号公報に開示さ
れている上底吹き炉錬炉での普通鋼スクラップ溶解法を
ステンレス鋼スクラップの溶解に単に適用した場合のク
ロムの酸化損失が大きく実用的ではないという問題を解
決し、コストの高い電気炉に代替できるオーステナイト
系ステンレス鋼の転炉型反応炉での効率的な溶製方法を
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは、(1)ステンレス鋼スクラップを、上底吹き転炉
型反応炉で酸素含有ガスを用い炭材が燃焼した時に発生
する熱により溶解する方法において、上吹き酸素による
スラグの凹み深さ(LS )とスラグ厚み(LSO)の比L
S /LSOを0.8〜0.3とし、炭材中固定炭素分Cを
スラグt当り50〜350kg存在させた上で、酸素供
給速度を溶鋼t当り100〜200Nm3 /(Hr・t
on)、底吹き撹拌エネルギーを溶鋼t当り0.5〜3
KWatt/tonとすることを特徴とするステンレス
鋼溶製方法である。また、(2)(1)に記載のステン
レス鋼溶製方法により、ステンレス鋼スクラップを溶解
(工程1)した後に、炉を傾動し工程1での生成スラグ
のみを排滓し(工程2)、炉を直立させ吹酸しながら脱
炭し(工程3)、炉を傾動し工程3での生成スラグを排
出することなしに生成した溶鉄重量の40〜70%のみ
を出鋼し(工程4)、引続き炉を直立させステンレス鋼
スクラップを炉内へ装入し工程1を実施することを特徴
とするステンレス鋼溶製方法である。
ろは、(1)ステンレス鋼スクラップを、上底吹き転炉
型反応炉で酸素含有ガスを用い炭材が燃焼した時に発生
する熱により溶解する方法において、上吹き酸素による
スラグの凹み深さ(LS )とスラグ厚み(LSO)の比L
S /LSOを0.8〜0.3とし、炭材中固定炭素分Cを
スラグt当り50〜350kg存在させた上で、酸素供
給速度を溶鋼t当り100〜200Nm3 /(Hr・t
on)、底吹き撹拌エネルギーを溶鋼t当り0.5〜3
KWatt/tonとすることを特徴とするステンレス
鋼溶製方法である。また、(2)(1)に記載のステン
レス鋼溶製方法により、ステンレス鋼スクラップを溶解
(工程1)した後に、炉を傾動し工程1での生成スラグ
のみを排滓し(工程2)、炉を直立させ吹酸しながら脱
炭し(工程3)、炉を傾動し工程3での生成スラグを排
出することなしに生成した溶鉄重量の40〜70%のみ
を出鋼し(工程4)、引続き炉を直立させステンレス鋼
スクラップを炉内へ装入し工程1を実施することを特徴
とするステンレス鋼溶製方法である。
【0006】ここで、上吹き酸素によるスラグの凹み深
さLS (m)はノズル径d(mm)、ランスとスラグ面
間の距離h(mm)、ノズル個数n、上吹き酸素供給速
度FT (Nm3 /Hr)とすると(1)式で計算され
る。また、スラグ厚LSO(m)の計算は、溶鋼密度を7
(g/cm3 )、スラグ密度を1(g/cm3 )として
転炉の幾何学的形状から計算できる。
さLS (m)はノズル径d(mm)、ランスとスラグ面
間の距離h(mm)、ノズル個数n、上吹き酸素供給速
度FT (Nm3 /Hr)とすると(1)式で計算され
る。また、スラグ厚LSO(m)の計算は、溶鋼密度を7
(g/cm3 )、スラグ密度を1(g/cm3 )として
転炉の幾何学的形状から計算できる。
【0007】 LS =(7/1)×{Lh ×exp(−0.78×h/Lh )}/100 Lh =63×(FT /(n×d))2/3 …(1) 底吹き撹拌エネルギーE(kW/ton)は、底吹きガ
ス流量Q(Nm3 /s)、温度T(K)、溶鋼量W(t
on)、底吹き羽口位置の静圧P(Pa)、大気圧PO
(Pa)とすると(2)式で表される。
ス流量Q(Nm3 /s)、温度T(K)、溶鋼量W(t
on)、底吹き羽口位置の静圧P(Pa)、大気圧PO
(Pa)とすると(2)式で表される。
【0008】 E={371/(1000・W)}×Q×T×{1n(P/PO )+0.06 (1−298/T)} …(2) 尚、酸素供給速度F、底吹き撹拌エネルギーEは、いず
れも溶鋼t当りの値である。
れも溶鋼t当りの値である。
【0009】
【作用】本発明は、ステンレス鋼スクラップを、スクラ
ップ中に高濃度に含まれるクロムの酸化を抑制した上で
溶解せしめるには、次の2つを同時に成立させる必要が
あるという新しい知見に基づくものである。
ップ中に高濃度に含まれるクロムの酸化を抑制した上で
溶解せしめるには、次の2つを同時に成立させる必要が
あるという新しい知見に基づくものである。
【0010】1)スラグ中に懸濁させた炭材を酸素ガス
で燃焼させることにより発熱反応をスクラップ溶解のた
めの熱源とし、クロムを含んだ溶鉄相と酸素ガスとの直
接反応を極力抑制する。
で燃焼させることにより発熱反応をスクラップ溶解のた
めの熱源とし、クロムを含んだ溶鉄相と酸素ガスとの直
接反応を極力抑制する。
【0011】2)スクラップはかさ比重が小さいためス
ラグ相中にも一部存在せざるを得ないため固体スクラッ
プが酸素ガスと接触してクロム酸化物が生成されること
は、完全には避けられない。したがって、生成されたク
ロム酸化物をすみやかに還元できるように、撹拌を充分
に与えるとともに、クロム酸化物の生成速度を過剰にし
ないように酸素供給速度を抑制する。
ラグ相中にも一部存在せざるを得ないため固体スクラッ
プが酸素ガスと接触してクロム酸化物が生成されること
は、完全には避けられない。したがって、生成されたク
ロム酸化物をすみやかに還元できるように、撹拌を充分
に与えるとともに、クロム酸化物の生成速度を過剰にし
ないように酸素供給速度を抑制する。
【0012】このうち、1)の条件は、図1に示すよう
に、上吹き酸素によるスラグの凹み深さ(LS )とスラ
グ厚み(LSO)の比LS /LSOを0.8〜0.3とする
ことと、炭材中固定炭素分Cをスラグt当り50〜35
0kg存在させることで満たされる。ここで、LS /L
SOが0.8よりも大きい場合には、クロムを含んだ溶鉄
相と酸素ガスとの直接反応が無視できないほど大きくな
るためクロム酸化損失量が増大する。ここで、クロムを
含んだ溶鉄相と酸素ガスとの直接反応は、スラグ相中の
固体スクラップと酸素ガスとの反応に比べてはるかに速
いため、後述する撹拌力と酸素供給速度とを適正として
もクロム酸化損失は避け難い。また、LS /LSOが0.
3よりも小さい場合には、スラグの上部域のみで炭材が
燃焼・発熱するため、(3)式で定義される着熱効率が
低下し、スクラップ溶解速度が低下する上、排ガス温度
が上がるため耐火物溶損が著しく大きくなる。さらに、
炭材中固定炭素分Cのスラグt当りの存在量が50kg
よりも少ない場合には、燃焼すべき炭材の絶対量が少な
いため着熱効率が低下しスクラップ溶解速度が低下する
上、激しいスロッピングを起こすため操業が困難にな
り、350kgよりも多い場合には炭材原単位が増加し
経済的ではない。ここで、炭材とはコークス又は石炭と
定義する。なお、図1の試験は、酸素供給速度Fが12
0〜170Nm3 /(Hr/ton)、底吹き撹拌エネ
ルギーEが1〜2KWatt/tonなる条件下での結
果である。
に、上吹き酸素によるスラグの凹み深さ(LS )とスラ
グ厚み(LSO)の比LS /LSOを0.8〜0.3とする
ことと、炭材中固定炭素分Cをスラグt当り50〜35
0kg存在させることで満たされる。ここで、LS /L
SOが0.8よりも大きい場合には、クロムを含んだ溶鉄
相と酸素ガスとの直接反応が無視できないほど大きくな
るためクロム酸化損失量が増大する。ここで、クロムを
含んだ溶鉄相と酸素ガスとの直接反応は、スラグ相中の
固体スクラップと酸素ガスとの反応に比べてはるかに速
いため、後述する撹拌力と酸素供給速度とを適正として
もクロム酸化損失は避け難い。また、LS /LSOが0.
3よりも小さい場合には、スラグの上部域のみで炭材が
燃焼・発熱するため、(3)式で定義される着熱効率が
低下し、スクラップ溶解速度が低下する上、排ガス温度
が上がるため耐火物溶損が著しく大きくなる。さらに、
炭材中固定炭素分Cのスラグt当りの存在量が50kg
よりも少ない場合には、燃焼すべき炭材の絶対量が少な
いため着熱効率が低下しスクラップ溶解速度が低下する
上、激しいスロッピングを起こすため操業が困難にな
り、350kgよりも多い場合には炭材原単位が増加し
経済的ではない。ここで、炭材とはコークス又は石炭と
定義する。なお、図1の試験は、酸素供給速度Fが12
0〜170Nm3 /(Hr/ton)、底吹き撹拌エネ
ルギーEが1〜2KWatt/tonなる条件下での結
果である。
【0013】
【数1】
【0014】一方、2)の条件は、図2に示すように、
酸素供給速度Fを100〜200Nm3 /(Hr/to
n)、底吹き撹拌エネルギーEを0.5〜3KWatt
/tonとすることで満たされる。酸素供給速度Fが1
00Nm3 /(Hr・ton)よりも少ない場合には、
炭材の燃焼速度、つまり、熱供給速度が低下するためス
クラップ溶解速度が低下し、200Nm3 /(Hr・t
on)よりも多い場合には、スラグ相中の固体スクラッ
プと酸素ガスとの反応によるクロム酸化物の生成速度が
過剰に大きくなりクロム酸化損失が大きくなる。底吹き
撹拌エネルギーEが0.5KWatt/tonよりも小
さい場合には、スラグ相中の固体スクラップと酸素ガス
との反応により生成したクロム酸化物の還元速度が充分
に大きくないためクロム酸化損失が大きくなる。3KW
att/tonよりも大きい場合には、スラグ相中に多
量の溶鉄粒子が懸濁するため、1)の条件を満たしたと
してもクロムを含んだ溶鉄粒子相と酸素ガスとの直接反
応は避けられず、クロム酸化損失が大きくなる。なお、
図2の試験は、LS /LSOが0.4〜0.5、炭材中固
定炭素分Cがスラグt当り150〜250kg存在した
条件で得られた結果である。
酸素供給速度Fを100〜200Nm3 /(Hr/to
n)、底吹き撹拌エネルギーEを0.5〜3KWatt
/tonとすることで満たされる。酸素供給速度Fが1
00Nm3 /(Hr・ton)よりも少ない場合には、
炭材の燃焼速度、つまり、熱供給速度が低下するためス
クラップ溶解速度が低下し、200Nm3 /(Hr・t
on)よりも多い場合には、スラグ相中の固体スクラッ
プと酸素ガスとの反応によるクロム酸化物の生成速度が
過剰に大きくなりクロム酸化損失が大きくなる。底吹き
撹拌エネルギーEが0.5KWatt/tonよりも小
さい場合には、スラグ相中の固体スクラップと酸素ガス
との反応により生成したクロム酸化物の還元速度が充分
に大きくないためクロム酸化損失が大きくなる。3KW
att/tonよりも大きい場合には、スラグ相中に多
量の溶鉄粒子が懸濁するため、1)の条件を満たしたと
してもクロムを含んだ溶鉄粒子相と酸素ガスとの直接反
応は避けられず、クロム酸化損失が大きくなる。なお、
図2の試験は、LS /LSOが0.4〜0.5、炭材中固
定炭素分Cがスラグt当り150〜250kg存在した
条件で得られた結果である。
【0015】さらに、このステンレス鋼スクラップの溶
解工程(工程1)が終了後に、炉を傾動し工程1での生
成スラグのみを排滓する工程(工程2)、炉を直立させ
吹酸しながら脱炭する工程(工程3)、炉を傾動し工程
3での生成スラグを排出することなしに生成した溶鉄重
量の40〜70%のみを出鋼する工程(工程4)を経
て、引続き炉を直立させ、ステンレス鋼スクラップを炉
内へ装入し工程1を実施することにより、より効率的な
ステンレス鋼の製造が可能となる。図3は、この工程を
示したものである。つまり、工程1で生成されるステン
レス鋼溶鉄bはスラグc中の炭材から加炭されるため炭
素飽和濃度に近く、このままでは、後工程であるAOD
やVODでの脱炭量が多すぎるため生産性を阻害する。
しかし、工程1の終了後に排滓せずに送酸しつづけた場
合には、スラグ量が多いため脱炭中のクロム酸化損失が
多く経済的ではない。したがって、工程2以降があると
効率上好ましい。ここで、工程2で排滓するスラグが少
ない場合には、工程3でのクロム酸化量が多くなるた
め、可能な限り全量に近いことが望ましい。また、工程
3で生成したスラグに含まれるクロム酸化物は、工程1
ヘリサイクルすることで還元されるため、工程3の後に
高価なフェロシリコン合金による還元工程は必要ない。
工程3の吹錬条件は、酸素供給速度が100〜200N
m3 /(Hr・ton)、底吹き撹拌エネルギーが1〜
3KWatt/tonであり、吹き止め炭素濃度は0.
9〜0.1%とすることが好ましい。ここで、工程4で
の出鋼量は生成溶鉄重量の40〜70%が適切である。
70%よりも多い場合には炉内残留量が少ないため初期
の浴深が浅く、次チャージ工程1の吹錬初期で、底吹き
ガスが、いわゆる吹抜け現象をおこし、撹拌に充分に作
用せず、初期のクロム酸化損失が多くなる。また、40
%よりも少ない場合には炉内残留量が多いため、次チャ
ージにこの溶鉄を再度加炭する分の炭材が必要となるた
め経済的でない。
解工程(工程1)が終了後に、炉を傾動し工程1での生
成スラグのみを排滓する工程(工程2)、炉を直立させ
吹酸しながら脱炭する工程(工程3)、炉を傾動し工程
3での生成スラグを排出することなしに生成した溶鉄重
量の40〜70%のみを出鋼する工程(工程4)を経
て、引続き炉を直立させ、ステンレス鋼スクラップを炉
内へ装入し工程1を実施することにより、より効率的な
ステンレス鋼の製造が可能となる。図3は、この工程を
示したものである。つまり、工程1で生成されるステン
レス鋼溶鉄bはスラグc中の炭材から加炭されるため炭
素飽和濃度に近く、このままでは、後工程であるAOD
やVODでの脱炭量が多すぎるため生産性を阻害する。
しかし、工程1の終了後に排滓せずに送酸しつづけた場
合には、スラグ量が多いため脱炭中のクロム酸化損失が
多く経済的ではない。したがって、工程2以降があると
効率上好ましい。ここで、工程2で排滓するスラグが少
ない場合には、工程3でのクロム酸化量が多くなるた
め、可能な限り全量に近いことが望ましい。また、工程
3で生成したスラグに含まれるクロム酸化物は、工程1
ヘリサイクルすることで還元されるため、工程3の後に
高価なフェロシリコン合金による還元工程は必要ない。
工程3の吹錬条件は、酸素供給速度が100〜200N
m3 /(Hr・ton)、底吹き撹拌エネルギーが1〜
3KWatt/tonであり、吹き止め炭素濃度は0.
9〜0.1%とすることが好ましい。ここで、工程4で
の出鋼量は生成溶鉄重量の40〜70%が適切である。
70%よりも多い場合には炉内残留量が少ないため初期
の浴深が浅く、次チャージ工程1の吹錬初期で、底吹き
ガスが、いわゆる吹抜け現象をおこし、撹拌に充分に作
用せず、初期のクロム酸化損失が多くなる。また、40
%よりも少ない場合には炉内残留量が多いため、次チャ
ージにこの溶鉄を再度加炭する分の炭材が必要となるた
め経済的でない。
【0016】工程1でのステンレス鋼スクラップはクロ
ムが16〜26%、ニッケルが6〜22%含まれるもの
が好ましく、クロム、ニッケルがこれらの下限値よりも
低い場合には、合金としての価値が低く経済的でなく、
逆に、これらの上限値よりも高い場合には、ステンレス
鋼スクラップよりもフェロクロム合金やフェロニッケル
合金を用いた方が安価なためスクラップを用いる必要が
ない。工程1の吹錬中は、スラグに含まれる炭材中固定
炭素分の重量が本発明範囲を維持するように、酸素によ
る燃焼消費相当量の炭材を投入する。
ムが16〜26%、ニッケルが6〜22%含まれるもの
が好ましく、クロム、ニッケルがこれらの下限値よりも
低い場合には、合金としての価値が低く経済的でなく、
逆に、これらの上限値よりも高い場合には、ステンレス
鋼スクラップよりもフェロクロム合金やフェロニッケル
合金を用いた方が安価なためスクラップを用いる必要が
ない。工程1の吹錬中は、スラグに含まれる炭材中固定
炭素分の重量が本発明範囲を維持するように、酸素によ
る燃焼消費相当量の炭材を投入する。
【0017】
【実施例】実施例は175トン上底吹き転炉でおこなっ
た。炭材はコークスまたは無煙炭を用い、上方より連続
的に添加した。スクラップは吹錬開始時に炉前よりスク
ラップシュートで、必要量の全量を投入するか、また
は、1/2〜1/4を一括して投入した後、残量は吹錬
中に上方より連続的に添加するか、または、吹錬を数回
中断して炉前よりスクラップシュートで投入する方法を
用いた。スラグは生成溶鋼量t当り100〜400kg
とし、組成は(CaO)/(SiO2 )が0.8〜2.
5、(MgO)が5〜15%とした。ここで、スラグ成
分の残部は(Al2 O3 )、(Cr2 O3 )、(Mn
O)、(P2 O5 )、(S)等である。酸素は通常転炉
と同様の上吹きランスから供給し、底吹きは炉底の羽口
より、酸素とLPG、窒素、2酸化炭素のいずれかを吹
き込んだ。LS /LSOはランス先端とスラグ面間距離、
ランスのノズル径、スラグ量を種々変化させて調節し
た。結果を第1表に示す。
た。炭材はコークスまたは無煙炭を用い、上方より連続
的に添加した。スクラップは吹錬開始時に炉前よりスク
ラップシュートで、必要量の全量を投入するか、また
は、1/2〜1/4を一括して投入した後、残量は吹錬
中に上方より連続的に添加するか、または、吹錬を数回
中断して炉前よりスクラップシュートで投入する方法を
用いた。スラグは生成溶鋼量t当り100〜400kg
とし、組成は(CaO)/(SiO2 )が0.8〜2.
5、(MgO)が5〜15%とした。ここで、スラグ成
分の残部は(Al2 O3 )、(Cr2 O3 )、(Mn
O)、(P2 O5 )、(S)等である。酸素は通常転炉
と同様の上吹きランスから供給し、底吹きは炉底の羽口
より、酸素とLPG、窒素、2酸化炭素のいずれかを吹
き込んだ。LS /LSOはランス先端とスラグ面間距離、
ランスのノズル径、スラグ量を種々変化させて調節し
た。結果を第1表に示す。
【0018】これより、本発明範囲条件ではクロム歩
留、着熱効率、溶解速度のいずれもが高いことがわか
る。一方、実施例番号1の条件でスクラップ溶解試験を
実施した後(工程1)に、炉を傾動し工程1での生成ス
ラグを排滓する工程(工程2)、炉を直立させ吹酸しな
がら脱炭する工程(工程3)、炉を傾動し工程3での生
成スラグを排出することなしに生成溶鉄の50〜60%
のみを出鋼する工程(工程4)を経て、引続き炉を直立
させステンレス鋼スクラップを炉内へ装入し工程1を実
施した場合には、熱効率は94%、溶解速度は3.5t
on/分であり、さらに、クロム歩留は前チャージの工
程3で生成したクロム酸化物が還元されるため99%以
上になった。しかし、工程4での出鋼量を75%とした
場合にはクロム歩留は95%であった。
留、着熱効率、溶解速度のいずれもが高いことがわか
る。一方、実施例番号1の条件でスクラップ溶解試験を
実施した後(工程1)に、炉を傾動し工程1での生成ス
ラグを排滓する工程(工程2)、炉を直立させ吹酸しな
がら脱炭する工程(工程3)、炉を傾動し工程3での生
成スラグを排出することなしに生成溶鉄の50〜60%
のみを出鋼する工程(工程4)を経て、引続き炉を直立
させステンレス鋼スクラップを炉内へ装入し工程1を実
施した場合には、熱効率は94%、溶解速度は3.5t
on/分であり、さらに、クロム歩留は前チャージの工
程3で生成したクロム酸化物が還元されるため99%以
上になった。しかし、工程4での出鋼量を75%とした
場合にはクロム歩留は95%であった。
【0019】
【表1】
【0020】
【発明の効果】本発明により、スクラップ溶解時のクロ
ムの酸化損失が小さく生産性が高く、電気炉に代替でき
るオーステナイト系ステンレス鋼の転炉型反応炉での効
率的な溶製が可能となった。
ムの酸化損失が小さく生産性が高く、電気炉に代替でき
るオーステナイト系ステンレス鋼の転炉型反応炉での効
率的な溶製が可能となった。
【図1】クロム歩留に対する、上吹き酸素によるスラグ
の凹み深さ(LS )とスラグ厚み(LSO)の比LS /L
SOの影響を示した実験結果を示す図。
の凹み深さ(LS )とスラグ厚み(LSO)の比LS /L
SOの影響を示した実験結果を示す図。
【図2】クロム歩留に対する、酸素供給速度、底吹き撹
拌エネルギーの影響を示した実験結果を示す図。
拌エネルギーの影響を示した実験結果を示す図。
【図3】本発明の実施工程を示した概念図で工程1はス
クラップの溶解工程を、工程2は中間排滓工程を、工程
3は脱炭工程を、工程4は出鋼工程を、工程0は次チャ
ージスクラップの装入工程を示す。
クラップの溶解工程を、工程2は中間排滓工程を、工程
3は脱炭工程を、工程4は出鋼工程を、工程0は次チャ
ージスクラップの装入工程を示す。
a…スクラップ b…生成溶鉄 c…スクラップ溶解期のスラグ d…脱炭期のスラ
グ e…前チャージの残溶鋼 f…転炉 g…上吹きランス h…底吹きノズル
グ e…前チャージの残溶鋼 f…転炉 g…上吹きランス h…底吹きノズル
Claims (2)
- 【請求項1】 ステンレス鋼スクラップを、上底吹き転
炉型反応炉で酸素含有ガスを用い炭材が燃焼した時に発
生する熱により溶解する方法において、上吹き酸素によ
るスラグの凹み深さ(LS )とスラグ厚み(LSO)の比
LS /LSOを0.8〜0.3とし、炭材中固定炭素分C
をスラグt当り50〜350kg存在させた上で、酸素
供給速度を溶鋼t当り100〜200Nm3 /(Hr・
ton)、底吹き撹拌エネルギーを溶鋼t当り0.5〜
3KWatt/tonとすることを特徴とするステンレ
ス鋼溶製方法。 - 【請求項2】 請求項1記載のステンレス鋼溶製方法に
より、ステンレス鋼スクラップを溶解(工程1)した後
に、炉を傾動し工程1での生成スラグのみを排滓し(工
程2)、炉を直立させ吹酸しながら脱炭し(工程3)、
炉を傾動し工程3での生成スラグを排出することなしに
生成した溶鉄重量の40〜70%のみを出鋼し(工程
4)、引続き炉を直立させステンレス鋼スクラップを炉
内へ装入し工程1を実施することを特徴とするステンレ
ス鋼溶製方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1595895A JPH08209219A (ja) | 1995-02-02 | 1995-02-02 | ステンレス鋼溶製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1595895A JPH08209219A (ja) | 1995-02-02 | 1995-02-02 | ステンレス鋼溶製方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08209219A true JPH08209219A (ja) | 1996-08-13 |
Family
ID=11903249
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1595895A Withdrawn JPH08209219A (ja) | 1995-02-02 | 1995-02-02 | ステンレス鋼溶製方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08209219A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN102847903A (zh) * | 2011-06-29 | 2013-01-02 | 鞍钢股份有限公司 | 一种低全氧钢的制造方法 |
| WO2026053698A1 (ja) * | 2024-09-04 | 2026-03-12 | 日本製鉄株式会社 | 溶鉄の電気炉精錬方法 |
-
1995
- 1995-02-02 JP JP1595895A patent/JPH08209219A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN102847903A (zh) * | 2011-06-29 | 2013-01-02 | 鞍钢股份有限公司 | 一种低全氧钢的制造方法 |
| CN102847903B (zh) * | 2011-06-29 | 2014-05-07 | 鞍钢股份有限公司 | 一种低全氧钢的制造方法 |
| WO2026053698A1 (ja) * | 2024-09-04 | 2026-03-12 | 日本製鉄株式会社 | 溶鉄の電気炉精錬方法 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20020402 |