JPH08209302A - 高速連続溶接性に優れたSnめっき鋼板 - Google Patents
高速連続溶接性に優れたSnめっき鋼板Info
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- JPH08209302A JPH08209302A JP1456995A JP1456995A JPH08209302A JP H08209302 A JPH08209302 A JP H08209302A JP 1456995 A JP1456995 A JP 1456995A JP 1456995 A JP1456995 A JP 1456995A JP H08209302 A JPH08209302 A JP H08209302A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ぶりきのロットによる溶接条件のばらつきを
小さくし、溶接可能電流範囲を拡大した高速連続溶接性
に優れたSnめっき鋼板。 【構成】 Sn付着量が0.25〜23g/m2 、Snめっき下地
としての鋼板の最表面から深さ20μmまでの領域中の平
均重量百分率としてC0.001 〜0.18%、Mn0.10〜0.6 %
を含む溶接缶用Snめっき鋼板。
小さくし、溶接可能電流範囲を拡大した高速連続溶接性
に優れたSnめっき鋼板。 【構成】 Sn付着量が0.25〜23g/m2 、Snめっき下地
としての鋼板の最表面から深さ20μmまでの領域中の平
均重量百分率としてC0.001 〜0.18%、Mn0.10〜0.6 %
を含む溶接缶用Snめっき鋼板。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、缶胴溶接用マッシュシ
ーム溶接機等を用いて、長方形ブランクを円筒に形成し
た後、対向する2辺を重ねあわせてシーム溶接し、円筒
缶胴を成形する場合に、缶胴材料として用いられるSnめ
っき鋼板(ぶりき)に係わり、特に高速連続溶接性に優
れたSnめっき鋼板に関するものである。
ーム溶接機等を用いて、長方形ブランクを円筒に形成し
た後、対向する2辺を重ねあわせてシーム溶接し、円筒
缶胴を成形する場合に、缶胴材料として用いられるSnめ
っき鋼板(ぶりき)に係わり、特に高速連続溶接性に優
れたSnめっき鋼板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、缶用材料の溶接性は、健全な溶
接部を得るのに必要な溶接電流値の管理範囲、即ち溶接
部過熱による溶融金属飛散いわゆるスプラッシュが発生
しない最大限界電流値と、十分な溶接強度が得られる最
低限界電流値の差で定義される溶接可能電流範囲(以下
ACRという)により表される。そして、材料の溶接抵
抗値の分散に伴う溶接条件の許容範囲をこのACRに収
める必要がある。
接部を得るのに必要な溶接電流値の管理範囲、即ち溶接
部過熱による溶融金属飛散いわゆるスプラッシュが発生
しない最大限界電流値と、十分な溶接強度が得られる最
低限界電流値の差で定義される溶接可能電流範囲(以下
ACRという)により表される。そして、材料の溶接抵
抗値の分散に伴う溶接条件の許容範囲をこのACRに収
める必要がある。
【0003】従来、このACRについては、Snめっき層
の構造や付着量を工夫することにより、上限電流値を高
める方法(特公昭62−14240 号公報)、または材料の鍛
接性を向上させることで下限を拡大する方法(特公昭63
−3959号公報)などが公知である。特にSn付着量、わけ
ても未合金化金属Sn付着量が多い方が、溶接時の接触抵
抗が低く、溶接性も良好であることは、関係学会・業界
では広く知られているところである(例えば「極薄スズ
めっき鋼板」斧田一郎ら、金属表面技術、第33巻、第10
号、第489 〜496 頁)。
の構造や付着量を工夫することにより、上限電流値を高
める方法(特公昭62−14240 号公報)、または材料の鍛
接性を向上させることで下限を拡大する方法(特公昭63
−3959号公報)などが公知である。特にSn付着量、わけ
ても未合金化金属Sn付着量が多い方が、溶接時の接触抵
抗が低く、溶接性も良好であることは、関係学会・業界
では広く知られているところである(例えば「極薄スズ
めっき鋼板」斧田一郎ら、金属表面技術、第33巻、第10
号、第489 〜496 頁)。
【0004】しかし、実際には同一付着量のSnめっき鋼
板でも、製造ロットにより溶接抵抗がばらつくことを本
発明者らは見い出した。すなわち、この溶接抵抗の変化
は、電極加圧力、オーバーラップ幅、塗装焼付け温度お
よび焼付け時間などの溶接条件を揃え、かつ板厚、粗
度、クロメート付着量、金属Snおよび合金化Sn付着量等
の材料条件を揃えてもなお存在する。
板でも、製造ロットにより溶接抵抗がばらつくことを本
発明者らは見い出した。すなわち、この溶接抵抗の変化
は、電極加圧力、オーバーラップ幅、塗装焼付け温度お
よび焼付け時間などの溶接条件を揃え、かつ板厚、粗
度、クロメート付着量、金属Snおよび合金化Sn付着量等
の材料条件を揃えてもなお存在する。
【0005】従来は、この溶接抵抗のばらつきは不可避
的なものとして、溶接工程におけるロット変更毎の溶接
条件調査を行って、溶接電流や溶接速度を加減すること
により、健全な缶体を製造するよう対処していたが、こ
の調整に要する設備の停止は生産性を大きく阻害するも
のであった。
的なものとして、溶接工程におけるロット変更毎の溶接
条件調査を行って、溶接電流や溶接速度を加減すること
により、健全な缶体を製造するよう対処していたが、こ
の調整に要する設備の停止は生産性を大きく阻害するも
のであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の、従
来は不可避的なものとされていた、ぶりきの溶接抵抗の
ロットによるばらつきを小さくし、板/板界面発熱速度
を高め、溶接下限電流を引き下げ、ACRを拡大して缶
胴溶接設備における溶接電流管理を容易にすることがで
きる、高速連続溶接性に優れたSnめっき鋼板を提供する
ことを目的とするものである。
来は不可避的なものとされていた、ぶりきの溶接抵抗の
ロットによるばらつきを小さくし、板/板界面発熱速度
を高め、溶接下限電流を引き下げ、ACRを拡大して缶
胴溶接設備における溶接電流管理を容易にすることがで
きる、高速連続溶接性に優れたSnめっき鋼板を提供する
ことを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、缶胴溶接機を
用いて、重ね合わせシーム溶接により溶接缶胴に形成さ
れるSnめっき鋼板であって、Sn付着量が0.25〜23g/m
2 、Snめっき下地としての鋼板の最表面から深さ20μm
までの領域中の平均重量百分率としてC0.001〜0.18
%、Mn0.10〜0.6 %を含有することを特徴とする高速連
続溶接性に優れたSnめっき鋼板である。
用いて、重ね合わせシーム溶接により溶接缶胴に形成さ
れるSnめっき鋼板であって、Sn付着量が0.25〜23g/m
2 、Snめっき下地としての鋼板の最表面から深さ20μm
までの領域中の平均重量百分率としてC0.001〜0.18
%、Mn0.10〜0.6 %を含有することを特徴とする高速連
続溶接性に優れたSnめっき鋼板である。
【0008】
【作用】本発明者らは、Snめっき鋼板の溶接時の板/板
界面溶接抵抗の挙動を研究することによって、鋼板組成
と界面溶接抵抗の増加速度の関係を発見し、本発明をな
すに至った。図1に、板厚0.32mm、鋼種粗度同一で、Sn
付着量がそれぞれ3.0 および2.8 g/m2 2.8 g
/m2 、金属Sn/合金化Sn比がそれぞれ14、3.7 、
14、原板組成が表1の内容であるSnめっき鋼板につい
て、動的接触抵抗測定法により測定した材料の板/板界
面の溶接抵抗(動的接触抵抗)を示す。なお、動的接触
抵抗の測定は、本発明者らが日本鉄鋼協会発行の「材料
とプロセス」第4巻第1616頁に発表した方法に従った。
具体的には、この測定法は、コンデンサから放電される
電流をパワートランジスタで制御して、極短時間の直流
パルスを得、それを溶接電流としてマイクロスポット溶
接する際の溶接抵抗の時間的変化を測定するものであ
り、マッシュシーム溶接における単一溶接ナゲットの形
成時間と同等な時間範囲での被溶接材料の界面抵抗の変
化を直接測定でき、溶接初期抵抗と溶接完了時の抵抗の
値の比較により材料の連続溶接性を判定できる。溶接完
了抵抗よりも初期抵抗が低いほど、また溶接進行に伴う
抵抗増加勾配が緩やかなほど連続溶接性は良好である。
界面溶接抵抗の挙動を研究することによって、鋼板組成
と界面溶接抵抗の増加速度の関係を発見し、本発明をな
すに至った。図1に、板厚0.32mm、鋼種粗度同一で、Sn
付着量がそれぞれ3.0 および2.8 g/m2 2.8 g
/m2 、金属Sn/合金化Sn比がそれぞれ14、3.7 、
14、原板組成が表1の内容であるSnめっき鋼板につい
て、動的接触抵抗測定法により測定した材料の板/板界
面の溶接抵抗(動的接触抵抗)を示す。なお、動的接触
抵抗の測定は、本発明者らが日本鉄鋼協会発行の「材料
とプロセス」第4巻第1616頁に発表した方法に従った。
具体的には、この測定法は、コンデンサから放電される
電流をパワートランジスタで制御して、極短時間の直流
パルスを得、それを溶接電流としてマイクロスポット溶
接する際の溶接抵抗の時間的変化を測定するものであ
り、マッシュシーム溶接における単一溶接ナゲットの形
成時間と同等な時間範囲での被溶接材料の界面抵抗の変
化を直接測定でき、溶接初期抵抗と溶接完了時の抵抗の
値の比較により材料の連続溶接性を判定できる。溶接完
了抵抗よりも初期抵抗が低いほど、また溶接進行に伴う
抵抗増加勾配が緩やかなほど連続溶接性は良好である。
【0009】
【表1】
【0010】Sn付着量わけても金属Sn量が多い方が接触
抵抗が低く、溶接性が良いとする従来の知見からは、
、のぶりきの接触抵抗が低く、溶接性も良いはずで
ある。しかし、図1の動的接触抵抗曲線のピーク位置で
示される表面Sn層の溶融開始時間は、、で同一であ
り、は明らかに遅くなっている。このピークは、界面
での溶接電流通電に伴う温度上昇の結果としての抵抗増
加が、Sn溶解開始時点で溶融Snの幅方向拡散により急速
に広がる電流パス断面積の増加に相殺されて減少するこ
とによって生じるものであり、温度上昇による溶接抵抗
増加が、Snの融点までは界面の塑性変形による電流パス
断面積の変化が無視できる程小さいために、ほぼ直線的
に起きると考えられる。従って、ピーク前の動的接触抵
抗の2次微分係数=0の変曲点が、実際にSnが溶融し始
める時間を示すと考えられる。即ち、の試料では、
金属Sn付着量が異なるのに、溶接開始からSn溶融が始ま
るまでの時間が同じであること、言い換えればSnの融点
に達するまでの接合界面の昇温速度が同じであることが
分かる。この時の溶接チップ径1.2mm に対して、Snめっ
き量の差による溶接部の直径の差は、絶対量にして、た
かだかめっき厚の差の2倍未満であって、両試料の溶接
電流パス断面積の違いは無視し得るほど小さいと考えら
れる。
抵抗が低く、溶接性が良いとする従来の知見からは、
、のぶりきの接触抵抗が低く、溶接性も良いはずで
ある。しかし、図1の動的接触抵抗曲線のピーク位置で
示される表面Sn層の溶融開始時間は、、で同一であ
り、は明らかに遅くなっている。このピークは、界面
での溶接電流通電に伴う温度上昇の結果としての抵抗増
加が、Sn溶解開始時点で溶融Snの幅方向拡散により急速
に広がる電流パス断面積の増加に相殺されて減少するこ
とによって生じるものであり、温度上昇による溶接抵抗
増加が、Snの融点までは界面の塑性変形による電流パス
断面積の変化が無視できる程小さいために、ほぼ直線的
に起きると考えられる。従って、ピーク前の動的接触抵
抗の2次微分係数=0の変曲点が、実際にSnが溶融し始
める時間を示すと考えられる。即ち、の試料では、
金属Sn付着量が異なるのに、溶接開始からSn溶融が始ま
るまでの時間が同じであること、言い換えればSnの融点
に達するまでの接合界面の昇温速度が同じであることが
分かる。この時の溶接チップ径1.2mm に対して、Snめっ
き量の差による溶接部の直径の差は、絶対量にして、た
かだかめっき厚の差の2倍未満であって、両試料の溶接
電流パス断面積の違いは無視し得るほど小さいと考えら
れる。
【0011】従来の知見によれば、金属Sn付着量の多い
の試料は抵抗値が小さいために、同一電流を流した場
合は昇温速度が小さく、の試料よりもSn溶解がより遅
く起こり、従って溶接下限電流はよりもの試料が高
くなり、実際の製造設備において溶接電流設定がの試
料相当とのぶりきの下限値にあわせた溶接電流設定で
は、の試料は溶接できなくなる。しかし実際には、
との試料のSn溶融開始時間は同じである。逆に金属Sn
付着量が同一で鋼中のMn量の異なるとでは、の方
がSn溶融開始時間が遅くなっている。
の試料は抵抗値が小さいために、同一電流を流した場
合は昇温速度が小さく、の試料よりもSn溶解がより遅
く起こり、従って溶接下限電流はよりもの試料が高
くなり、実際の製造設備において溶接電流設定がの試
料相当とのぶりきの下限値にあわせた溶接電流設定で
は、の試料は溶接できなくなる。しかし実際には、
との試料のSn溶融開始時間は同じである。逆に金属Sn
付着量が同一で鋼中のMn量の異なるとでは、の方
がSn溶融開始時間が遅くなっている。
【0012】また鉄鋼便覧第3版第1巻第311 頁によれ
ば通常鋼中の微量元素による鋼の比抵抗はρ=ρ0 +α
C{ρ:純物質の電気抵抗率、C:不純物の原子百分
率、α: 5.9(Mn)}である。ここではいずれも
C含有率がほぼ等しく、Snの融点(505.1 K)では25μ
Ωcmの電気抵抗率をもつ純鉄について、Mnの含有率が0.
4 wt%と0.2 wt%に変化したとしても、極微量では原子
百分率≒重量百分率とみなせるので電気抵抗率は{(5.
9 ×0.2 /100 )/25}×100 =0.047 %変化するだけ
であり、到底図1のとのSn溶解開始時間の差の原因
とはなり得ない。
ば通常鋼中の微量元素による鋼の比抵抗はρ=ρ0 +α
C{ρ:純物質の電気抵抗率、C:不純物の原子百分
率、α: 5.9(Mn)}である。ここではいずれも
C含有率がほぼ等しく、Snの融点(505.1 K)では25μ
Ωcmの電気抵抗率をもつ純鉄について、Mnの含有率が0.
4 wt%と0.2 wt%に変化したとしても、極微量では原子
百分率≒重量百分率とみなせるので電気抵抗率は{(5.
9 ×0.2 /100 )/25}×100 =0.047 %変化するだけ
であり、到底図1のとのSn溶解開始時間の差の原因
とはなり得ない。
【0013】また図2に、図1と同様に、板厚0.32mm、
鋼種、粗度同一で、Sn付着量がそれぞれ1.3 および
1.0 g/m2 1.3 g/m2 、うち金属Sn付着量がそれ
ぞれ0.9 、0.5 、0.5 、原板組成が表2の内容で
あるSnめっき鋼板について、動的接触抵抗測定法により
測定した材料の板/板界面の溶接抵抗(動的接触抵抗)
を示す。
鋼種、粗度同一で、Sn付着量がそれぞれ1.3 および
1.0 g/m2 1.3 g/m2 、うち金属Sn付着量がそれ
ぞれ0.9 、0.5 、0.5 、原板組成が表2の内容で
あるSnめっき鋼板について、動的接触抵抗測定法により
測定した材料の板/板界面の溶接抵抗(動的接触抵抗)
を示す。
【0014】
【表2】
【0015】Sn付着による限界電流値はよりもの試
料が高くなり、実際の製造設備において溶接電流設定が
の試料相当の薄Snめっき鋼板の下限値にあわせた溶接
電流設定では、の試料は溶接できなくなるはずであ
る。しかし実際には、図2に示すように、との試料
の溶接抵抗上昇速度は同じであり、溶接下限電流も同一
である。一方、金属Sn付着量が同一で鋼中のMn量の異な
るとでは、の方が接合界面の抵抗増加が遅く、即
ち界面発熱速度が小さくなっている。このことから溶接
下限電流はよりもの方が低いことが分かる。
料が高くなり、実際の製造設備において溶接電流設定が
の試料相当の薄Snめっき鋼板の下限値にあわせた溶接
電流設定では、の試料は溶接できなくなるはずであ
る。しかし実際には、図2に示すように、との試料
の溶接抵抗上昇速度は同じであり、溶接下限電流も同一
である。一方、金属Sn付着量が同一で鋼中のMn量の異な
るとでは、の方が接合界面の抵抗増加が遅く、即
ち界面発熱速度が小さくなっている。このことから溶接
下限電流はよりもの方が低いことが分かる。
【0016】また、前述したように鉄鋼便覧第3版第1
巻第311 頁によれば、Mn含有量の差が溶接抵抗上昇速度
の差の原因とはなり得ない。すなわち、本発明者らは、
従来知られていなかった鋼中のMnの板/板界面溶接抵抗
への影響を発見したことになる。本発明者らはこの溶接
抵抗への鋼中成分の影響について調査した結果、以下の
知見を得た。即ち、溶接時の界面抵抗を上昇させるため
には、めっき下地としての鋼板の最表面から20μmまで
の領域中の平均重量百分率としてC0.001 〜0.18%、Mn
0.10〜0.6 %を含むことが必要である。鋼の平均組成と
して上記元素が上記範囲にあっても、鋼板の最表面から
深さ20μmまでの領域中の平均重量百分率として上記範
囲を逸脱した場合は、上記の効果は得られない。鋼板の
最表面から深さ20μmまでの領域中で組成の平均が上記
範囲を満たさなければ、溶接抵抗の上昇による発熱速度
上昇は得られない。また、上記範囲を超えてもその効果
は飽和する。この現象の原因については、明らかではな
いが、表面に濃化する鋼中成分により界面抵抗が変化す
るためと考えられる。いずれにしても、このことから、
鋼中のCとともにMnの含有量を制御することで、板/板
界面の溶接抵抗上昇速度即ち昇温速度の制御ができるこ
とが分かる。
巻第311 頁によれば、Mn含有量の差が溶接抵抗上昇速度
の差の原因とはなり得ない。すなわち、本発明者らは、
従来知られていなかった鋼中のMnの板/板界面溶接抵抗
への影響を発見したことになる。本発明者らはこの溶接
抵抗への鋼中成分の影響について調査した結果、以下の
知見を得た。即ち、溶接時の界面抵抗を上昇させるため
には、めっき下地としての鋼板の最表面から20μmまで
の領域中の平均重量百分率としてC0.001 〜0.18%、Mn
0.10〜0.6 %を含むことが必要である。鋼の平均組成と
して上記元素が上記範囲にあっても、鋼板の最表面から
深さ20μmまでの領域中の平均重量百分率として上記範
囲を逸脱した場合は、上記の効果は得られない。鋼板の
最表面から深さ20μmまでの領域中で組成の平均が上記
範囲を満たさなければ、溶接抵抗の上昇による発熱速度
上昇は得られない。また、上記範囲を超えてもその効果
は飽和する。この現象の原因については、明らかではな
いが、表面に濃化する鋼中成分により界面抵抗が変化す
るためと考えられる。いずれにしても、このことから、
鋼中のCとともにMnの含有量を制御することで、板/板
界面の溶接抵抗上昇速度即ち昇温速度の制御ができるこ
とが分かる。
【0017】また、同じく動的接触抵抗の測定により、
本発明者らは、一般的に信じられてきた金属Sn付着量の
増加によるACRの拡大は、Snの溶融による電流経路断
面積の拡大による、溶接電流上限の上昇によるものであ
ることを確認した。よって上記のC、Mn含有率の制御に
よる溶接下限電流の引き下げと、Sn付着量の制御による
溶接上限電流の引き上げの効果をともに利用すること
で、材料のACRを拡大し、高速連続溶接性を向上させ
ることができる。
本発明者らは、一般的に信じられてきた金属Sn付着量の
増加によるACRの拡大は、Snの溶融による電流経路断
面積の拡大による、溶接電流上限の上昇によるものであ
ることを確認した。よって上記のC、Mn含有率の制御に
よる溶接下限電流の引き下げと、Sn付着量の制御による
溶接上限電流の引き上げの効果をともに利用すること
で、材料のACRを拡大し、高速連続溶接性を向上させ
ることができる。
【0018】本発明のSnめっき鋼板は、従来のSnめっき
付着量や、金属Sn/合金化Sn比率等の制御により経験的
にある範囲内に管理されていた溶接抵抗について、従来
の方法では制御不可能とされたぶりき製造ロットによる
分散に着目し、Sn付着量が一定の範囲にあるぶりきにつ
いて、鋼板中のCおよびMn含有量を、一定範囲に管理す
ることにより、一つの溶接ナゲット形成に際しての界面
の溶接電流抵抗値の上昇速度を制御するものである。そ
れにより溶接時の板/板界面の発熱速度を望ましい値に
設定できるようになり、上述の下限電流値と上限電流値
を材料設計により設定可能になる。
付着量や、金属Sn/合金化Sn比率等の制御により経験的
にある範囲内に管理されていた溶接抵抗について、従来
の方法では制御不可能とされたぶりき製造ロットによる
分散に着目し、Sn付着量が一定の範囲にあるぶりきにつ
いて、鋼板中のCおよびMn含有量を、一定範囲に管理す
ることにより、一つの溶接ナゲット形成に際しての界面
の溶接電流抵抗値の上昇速度を制御するものである。そ
れにより溶接時の板/板界面の発熱速度を望ましい値に
設定できるようになり、上述の下限電流値と上限電流値
を材料設計により設定可能になる。
【0019】本発明のSnめっき鋼板は、Sn付着量が0.25
〜23g/m2 、Snめっき下地としての鋼板の最表面から
深さ20μmまでの領域中の平均重量百分率としてC0.00
1 〜0.18%、Mn0.10〜0.6 %を含む溶接性に優れたSnめ
っき鋼板である。Sn付着量が0.25g/m2 未満では、溶
接時の板/板界面の接触抵抗が十分に下がらず、溶接上
限電流が小さくなり、ACRが小さくなる。Sn付着量が
増えると界面抵抗は漸次低下してくるが、23g/m2 超
の付着量ではSnの機械的変形および溶接初期の溶融によ
る溶接電流パスの断面積拡大により溶接電流下限が上昇
し、やはりACRが狭くなる。めっき付着量が上限下限
のいずれをはずれても、原板組成による界面抵抗の制御
降下よりもSn付着量の影響が大きく作用して材料の溶接
性を阻害するので、めっき層付着量は上記範囲に限定さ
れる。Snめっき層はリフローされていても、まためっき
のままでもよい。Sn付着量のうち、下地鉄と合金化して
いるものの割合は、その用途に応じて任意に設定して良
い。耐食性の向上を目的として、公知技術である焼鈍前
Niめっきを施し、Ni拡散層を鋼板表面に設けた上で上記
のSnめっきを施しても良い。
〜23g/m2 、Snめっき下地としての鋼板の最表面から
深さ20μmまでの領域中の平均重量百分率としてC0.00
1 〜0.18%、Mn0.10〜0.6 %を含む溶接性に優れたSnめ
っき鋼板である。Sn付着量が0.25g/m2 未満では、溶
接時の板/板界面の接触抵抗が十分に下がらず、溶接上
限電流が小さくなり、ACRが小さくなる。Sn付着量が
増えると界面抵抗は漸次低下してくるが、23g/m2 超
の付着量ではSnの機械的変形および溶接初期の溶融によ
る溶接電流パスの断面積拡大により溶接電流下限が上昇
し、やはりACRが狭くなる。めっき付着量が上限下限
のいずれをはずれても、原板組成による界面抵抗の制御
降下よりもSn付着量の影響が大きく作用して材料の溶接
性を阻害するので、めっき層付着量は上記範囲に限定さ
れる。Snめっき層はリフローされていても、まためっき
のままでもよい。Sn付着量のうち、下地鉄と合金化して
いるものの割合は、その用途に応じて任意に設定して良
い。耐食性の向上を目的として、公知技術である焼鈍前
Niめっきを施し、Ni拡散層を鋼板表面に設けた上で上記
のSnめっきを施しても良い。
【0020】鋼中のC量およびMn量は、鋼板の最表面か
ら深さ20μmまでの領域中の平均重量百分率としてC0.
001 〜0.18%、Mn0.10〜0.6 %に限定される。これらの
元素が下限未満では界面溶接抵抗の制御に寄与するのに
不十分である。またこれらの範囲の上限を超えても、そ
の溶接界面抵抗の制御効果が飽和し、またその範囲で
は、通常缶用鋼板として要求される機械的性質を付与す
るのに際して、熱処理時間や圧延圧下率などに制約が生
じ、好ましくない。
ら深さ20μmまでの領域中の平均重量百分率としてC0.
001 〜0.18%、Mn0.10〜0.6 %に限定される。これらの
元素が下限未満では界面溶接抵抗の制御に寄与するのに
不十分である。またこれらの範囲の上限を超えても、そ
の溶接界面抵抗の制御効果が飽和し、またその範囲で
は、通常缶用鋼板として要求される機械的性質を付与す
るのに際して、熱処理時間や圧延圧下率などに制約が生
じ、好ましくない。
【0021】本発明ではまた、Snめっき鋼板のSnめっき
層の上に、公知のぶりき不働態化処理、例えばCr酸化物
または更に金属Cr層を含むクロメート処理層あるいはリ
ン酸塩処理層を設けることができる。防錆あるいは潤滑
のために適宜有機物被覆を最表層に施すこともできる。
層の上に、公知のぶりき不働態化処理、例えばCr酸化物
または更に金属Cr層を含むクロメート処理層あるいはリ
ン酸塩処理層を設けることができる。防錆あるいは潤滑
のために適宜有機物被覆を最表層に施すこともできる。
【0022】
【実施例】以下に本発明の具体的な実施態様の例を、比
較例と共に示す。 〔実施例1〜4、比較例1〜4〕表3に示す板厚、粗
度、金属Sn付着量、合金化Sn付着量、鋼中C、Mn量の鋼
板について、210 ℃×20分の熱処理の後、前述の動的接
触抵抗測定装置で溶接開始からSn溶融開始までの時間を
測定した。全ての試料は最表面に金属クロム換算で7mg
/m2 のクロム酸化物皮膜を持つ。溶接電流は3kA、6
msecの矩形波パルス、電極径は1.2mm 、電極加圧力は60
kgf であった。実施例の薄めっき鋼板はいずれも、最表
層から20μmまでの鋼中の平均Mn、C濃度を本発明の一
定範囲内に制御することで、各比較例に比べて板/板界
面溶接抵抗上昇速度が大きくなっている。
較例と共に示す。 〔実施例1〜4、比較例1〜4〕表3に示す板厚、粗
度、金属Sn付着量、合金化Sn付着量、鋼中C、Mn量の鋼
板について、210 ℃×20分の熱処理の後、前述の動的接
触抵抗測定装置で溶接開始からSn溶融開始までの時間を
測定した。全ての試料は最表面に金属クロム換算で7mg
/m2 のクロム酸化物皮膜を持つ。溶接電流は3kA、6
msecの矩形波パルス、電極径は1.2mm 、電極加圧力は60
kgf であった。実施例の薄めっき鋼板はいずれも、最表
層から20μmまでの鋼中の平均Mn、C濃度を本発明の一
定範囲内に制御することで、各比較例に比べて板/板界
面溶接抵抗上昇速度が大きくなっている。
【0023】
【表3】
【0024】〔実施例5〜8、比較例5〜8〕表4に示
す板厚、粗度、金属Sn付着量、合金化Sn付着量、鋼中
C、Mn量の鋼板について、210 ℃×20分の熱処理の後、
前述の動的接触抵抗測定装置で板/板界面の溶接抵抗を
測定した。全ての試料は最表層に、上層が金属クロム換
算で7mg/m2 のクロム酸化物皮膜であって下層が7mg
/m2 の金属クロム層であるクロメート皮膜を持つ。溶
接電流は3kA、6msecの矩形波パルス、電極径は1.2mm
、電極加圧力60kgf であった。実施例の薄Snめっき鋼
板はいずれも、最表層から20μmまでの鋼中の平均Mn、
C濃度を一定範囲内に制御することで、各比較例に比べ
て板/板界面溶接抵抗上昇速度が大きくなっている。
す板厚、粗度、金属Sn付着量、合金化Sn付着量、鋼中
C、Mn量の鋼板について、210 ℃×20分の熱処理の後、
前述の動的接触抵抗測定装置で板/板界面の溶接抵抗を
測定した。全ての試料は最表層に、上層が金属クロム換
算で7mg/m2 のクロム酸化物皮膜であって下層が7mg
/m2 の金属クロム層であるクロメート皮膜を持つ。溶
接電流は3kA、6msecの矩形波パルス、電極径は1.2mm
、電極加圧力60kgf であった。実施例の薄Snめっき鋼
板はいずれも、最表層から20μmまでの鋼中の平均Mn、
C濃度を一定範囲内に制御することで、各比較例に比べ
て板/板界面溶接抵抗上昇速度が大きくなっている。
【0025】
【表4】
【0026】
【発明の効果】本発明により缶胴溶接用マッシュシーム
溶接機等を用いて、長方形ブランクを円筒に成形した
後、対向する2辺を重ねあわせてシーム溶接し、円筒缶
胴を成形する場合に、缶胴材料として用いられるSnめっ
き鋼板(ぶりき)について、溶接時の板/板界面の発熱
速度を望ましい値に設定できるようになり、溶接抵抗の
分散を小さくし、溶接下限電流を引き下げてACRを拡
大することで溶接電流の設定が容易になり、溶接作業の
効率化が達成される。
溶接機等を用いて、長方形ブランクを円筒に成形した
後、対向する2辺を重ねあわせてシーム溶接し、円筒缶
胴を成形する場合に、缶胴材料として用いられるSnめっ
き鋼板(ぶりき)について、溶接時の板/板界面の発熱
速度を望ましい値に設定できるようになり、溶接抵抗の
分散を小さくし、溶接下限電流を引き下げてACRを拡
大することで溶接電流の設定が容易になり、溶接作業の
効率化が達成される。
【図1】板/板界面の動的接触抵抗の測定結果を示すグ
ラフ。
ラフ。
【図2】板/板界面の動的接触抵抗の測定結果を示すグ
ラフ。
ラフ。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C25D 5/36
Claims (1)
- 【請求項1】 缶胴溶接機を用いて、重ね合わせシーム
溶接により溶接缶胴に形成されるSnめっき鋼板であっ
て、Sn付着量が0.25〜23g/m2 、Snめっき下地として
の鋼板の最表面から深さ20μmまでの領域中の平均重量
百分率としてC0.001 〜0.18%、Mn0.10〜0.6 %を含有
することを特徴とする高速連続溶接性に優れたSnめっき
鋼板。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1456995A JPH08209302A (ja) | 1995-01-31 | 1995-01-31 | 高速連続溶接性に優れたSnめっき鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1456995A JPH08209302A (ja) | 1995-01-31 | 1995-01-31 | 高速連続溶接性に優れたSnめっき鋼板 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08209302A true JPH08209302A (ja) | 1996-08-13 |
Family
ID=11864794
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1456995A Pending JPH08209302A (ja) | 1995-01-31 | 1995-01-31 | 高速連続溶接性に優れたSnめっき鋼板 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08209302A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US12417854B2 (en) | 2016-10-11 | 2025-09-16 | Bwxt Mpower, Inc. | Resistance pressure weld for nuclear reactor fuel rod tube end plug |
-
1995
- 1995-01-31 JP JP1456995A patent/JPH08209302A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US12417854B2 (en) | 2016-10-11 | 2025-09-16 | Bwxt Mpower, Inc. | Resistance pressure weld for nuclear reactor fuel rod tube end plug |
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