JPH08209314A - 高温作動形状記憶合金の製造方法 - Google Patents

高温作動形状記憶合金の製造方法

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JPH08209314A
JPH08209314A JP28052995A JP28052995A JPH08209314A JP H08209314 A JPH08209314 A JP H08209314A JP 28052995 A JP28052995 A JP 28052995A JP 28052995 A JP28052995 A JP 28052995A JP H08209314 A JPH08209314 A JP H08209314A
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heating
heat treatment
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JP28052995A
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Bui Gorubaagu Dei
デイ・ブイ・ゴルバーグ
Kazuhiro Otsuka
和弘 大塚
Tatsuhiko Ueki
達彦 植木
Hiroshi Horikawa
宏 堀川
Kengo Mitose
賢悟 水戸瀬
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Furukawa Electric Co Ltd
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Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷間加工後の最初の加熱でのAs温度が35
0℃以上であるような高温作動形状記憶合金に形状を記
憶させ、かつ、十分な形状回復率が得られるような製造
方法を開発すること。 【解決手段】 高温作動形状記憶合金の冷間加工後の最
初の加熱でのマルテンサイト逆変態開始温度(As)が
350℃以上になる合金であり、該合金を冷間加工の
後、1段目の熱処理として、冷間加工後の最初の加熱で
のマルテンサイト逆変態終了温度(Af)よりも高い温
度で、かつ再結晶の潜伏時間以内の時間加熱し、その後
2段目の熱処理として、塑性歪み回復温度以上で、かつ
再結晶温度以下の温度で焼鈍を施すことを特徴とする高
温作動形状記憶合金の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高温作動形状記憶
合金の製造方法に関するもので、具体的には、Ti−P
d−Ni合金、Ti−Ni−Zr合金、Ti−Ni−H
f合金等の高温作動形状記憶合金の形状回復特性を大幅
に改善するための製造方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】形状記憶合金及び超弾性合金としては、T
iNi系合金がよく知られている。形状回復温度(マル
テンサイト逆変態終了温度、以下Af温度と云う)は、
TiとNiの組成比や第3元素の添加、加工熱処理条件
等によって、−100℃から+100℃程度の範囲で変
化させることができる。これらの形状記憶合金を形状記
憶熱処理するときには、冷間加工後、塑性歪みの回復温
度以上の温度(通常400℃程度)で焼鈍を行う。塑性
歪みの回復温度とは、冷間加工によって導入された転位
が再配列する温度のことである。この温度はAf温度よ
りも高いので、この時に同時にAf温度以上に加熱さ
れ、いちど母相状態に変態することになり、形状を記憶
させることができる。
【0003】良好な形状記憶特性を得るための形状記憶
熱処理の条件とては、以下の3点を満たすことが重要で
ある。1)冷間加工によるマルテンサイトのバリアント
の再配列の飽和を解消すること、2)冷間加工によって
導入された転位が再配列すること、3)再結晶を起こさ
ないこと。TiNi系形状記憶合金では、Af温度(作
動温度)はせいぜい100℃を少し超えるくらいで、そ
れ以上に高いAf温度になる形状記憶合金即ち高温作動
形状記憶合金を得るためには、TiNiPd合金、Ti
NiZr合金等の別の合金系にする必要がある。高温作
動形状記憶合金の用途としては、水の沸騰や油の過熱、
ポリマーの融解などを検出し作動する部品に、あるいは
原子炉の冷却水の安全弁などに用いることができる。
【0004】Af温度が100℃を大きく超える高温作
動形状記憶合金には、Ti−Pd−X系、Ti−Au−
X系(X=Ni,Cu,W,Ta,Co,Cr,F
e)、Ti−Ni−X系(X=Zr,Hf)系など数多
くの合金系が知られているが、これらの合金系は、置換
元素とその組成範囲によってマルテンサイト逆変態開始
温度(以下As温度と云う)またはAf温度を変化させ
ることが可能である。組成範囲によってはAs温度また
はAf温度が500℃以上に達するようになる。
【0005】また、通常、焼鈍状態でのAs温度とAf
温度との差は数十℃以下であるが、これらの合金を冷間
加工すると、加工歪みの導入により、冷間加工後の最初
の加熱でのAf温度はさらに150℃程度も上昇し、A
s温度とAf温度の差が広がる。従ってAs温度が35
0℃以上の合金では、冷間加工後の最初の加熱でのAf
温度が500℃以上に達し、再結晶温度を超えることに
なる。例えばTi−Ni−Pd系は、組成をTi50Ni
50-xPdx (数値はat%、以下同様)で表すときに、
xが43以上になると、焼鈍状態でのAf温度が500
℃以上になる。また、xが35以上のときにAs温度が
350℃以上であり、冷間加工後の最初の加熱でのAf
温度が500℃以上になる。またTi−Ni−Zr系で
は、組成をTi50-xNi50Zrx で表すときに、xが2
9以上になると焼鈍状態でのAf温度が500℃以上に
なる。また、xが22以上のときにAs温度が350℃
以上であり、冷間加工後の最初の加熱でのAf温度が5
00℃以上になる。さらにTi−Ni−Hf系では、組
成をTi50-xNi50Hfx で表すときに、xが27以上
になると焼鈍状態でのAf温度が500℃以上になる。
また、xが20以上のときにAs温度が350℃以上で
あり、冷間加工後の最初の加熱でのAf温度が500℃
以上になる。
【0006】以上の例のように、As温度が350℃以
上の合金では、冷間加工後の最初の加熱でのAf温度は
500℃以上に達し、再結晶温度を超えるようになる。
勿論のことであるが、As温度が初めから500℃以上
の合金では、冷間加工後の最初の加熱でのAf温度も5
00℃以上である。このような合金では、冷間加工後、
従来のTi−Ni系形状記憶合金のように400℃で1
時間の焼鈍といった熱処理を行っても、形状を記憶させ
ることはできない。一方、冷間加工後の最初の加熱での
Af温度よりも高温で焼鈍すると、形状を記憶させるこ
とはできるが、今度は再結晶を開始するので、形状回復
率は悪くなる。これらの理由から、従来、冷間加工後の
最初の加熱でのAf温度が再結晶温度以上になる高温作
動形状記憶合金では、形状回復率の良いものが得られな
いという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
の問題について種々検討し、冷間加工後の最初の加熱で
のAs温度が350℃以上であるような高温作動形状記
憶合金に形状を記憶させ、かつ、十分な形状回復率が得
られるような製造方法を開発することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の請求項1の発明は、高温作動形状記憶合金の冷間加工
後の最初の加熱でのマルテンサイト逆変態開始温度(A
s)が350℃以上になる合金であり、該合金を冷間加
工の後、1段目の熱処理として、冷間加工後の最初の加
熱でのマルテンサイト逆変態終了温度(Af)よりも高
い温度で、かつ再結晶の潜伏時間以内の時間加熱し、そ
の後2段目の熱処理として、塑性歪み回復温度以上で、
かつ再結晶温度以下の温度で焼鈍を施すことを特徴とす
る高温作動形状記憶合金の製造方法であり、
【0009】請求項2の発明は、請求項1の実施態様で
あり、前記の1段目の熱処理として500℃を超え合金
の融点未満の温度で、3分以内加熱処理することを特徴
とする請求項1記載の高温作動形状記憶合金の製造方法
であり、
【0010】請求項3の発明は、請求項1または請求項
2の実施態様であり、前記の高温作動形状記憶合金の組
成が、Ti50Ni50-xPdx のxが35〜50%の合
金、Ti50-xNi50Zrx のxが22〜30%の合金お
よびTi50-xNi50Hfx のxが20〜30%の合金の
いずれかであることを特徴とする請求項1または請求項
2記載の高温作動形状記憶合金の製造方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、前記本発明について、詳
細に説明する。まず、一般的に形状記憶合金の形状記憶
処理の原理は、以下のように説明される。冷間加工によ
って結晶中に転位が高密度に導入される。これを、塑性
歪みの回復温度以上の適当な温度で適当な時間焼鈍し、
転位の再配列を起こさせる。再配列した転位はすべりに
対する抵抗となるので、マルテンサイトの再配列または
応力誘起マルテンサイトの発生の臨界応力よりも、すべ
りの臨界応力が大きくなる。これによって、変形時には
すべりが生じずにマルテンサイトの再配列または応力誘
起マルテンサイトが生じ、良好な形状記憶特性を示すよ
うになる。
【0012】一方、焼鈍温度が再結晶温度以上になる
と、転位の再配列のみならず再結晶が生じるようにな
る。再結晶を生じた部分は転位密度が極端に小さくなる
ので、すべりに対する抵抗が小さくなる。そのためすべ
りの臨界応力がマルテンサイトの再配列の臨界応力より
も小さくなり、すべりが生じやすくなり、結果として形
状記憶特性が悪くなる。
【0013】ところで、従来のTiNi系形状記憶合金
では、Af温度(−100℃〜100℃)が塑性歪みの
回復温度(400℃程度)以下にあるので、塑性歪みの
回復温度以上への加熱によって、母相状態に変態する。
これにより、冷間加工によって生じたマルテンサイトの
バリアントの再配列の飽和が解消された状態で、前記の
転位の再配列が起こるので、形状を記憶することがで
き、問題は生じなかった。しかし、前記のTi−Pd−
X系、Ti−Au−X系、Ti−Ni−X系等のAf温
度が再結晶開始温度よりも高い形状記憶合金では、Af
温度を超える温度で焼鈍を行うと、再結晶が生じるの
で、形状回復特性が悪くなる。Af温度を超えない温度
では、熱処理後も冷間加工によってバリアントの再配列
の飽和したマルテンサイトの状態のままであるので、形
状を記憶することはできない。
【0014】本発明は上記の知見に基いてなされたもの
で、冷間加工後の最初の加熱でのAs温度が350℃以
上になる高温作動形状記憶合金、すなわち前記のTi−
Pd−X系、Ti−Au−X系、Ti−Ni−X系等の
合金に対して、該合金を冷間加工後、1段目の熱処理と
して、冷間加工後の最初の加熱でのAf温度よりも高い
温度で、かつ再結晶の潜伏時間以内の時間加熱を行うも
のである。この1段目の加熱処理によって合金の結晶構
造は母相に変態する。一度母相に変態させることによ
り、冷間加工によって生じたマルテンサイトのバリアン
トの再配列の飽和が解消された状態にするものである。
【0015】上記の加熱処理の温度は、合金の再結晶開
始温度以上であるが、母相への変態は再結晶の潜伏時間
以内に完了するのでAf温度以上への加熱は短時間で良
く、再結晶の開始を避けることができる。換言すれば、
本発明の1段目の熱処理においては、Af温度よりも高
い温度で、しかも再結晶温度よりも高い温度で熱処理を
行うが、その加熱時間は、再結晶の潜伏時間以内の極め
て短時間であるため、合金に再結晶を生じさせることな
く、したがって形状回復率の高い特性のものが得られる
のである。この1段目の熱処理は、500℃を超え合金
の融点未満の温度が望ましく、500℃未満では形状回
復率が悪く、融点を超えては溶融するからであるが、実
用的で、好ましいのは500〜1000℃の範囲であ
る。因みにTi−Au−Ni系合金の融点は約1310
〜1495℃、Ti−Ni−Pd系合金は約1310〜
1400℃、Ti−Ni−Zr系合金は約1260〜1
310℃、Ti−Ni−Hf系合金は約1310〜15
30℃である。なお、再結晶温度はそれぞれ500℃以
上である。
【0016】また加熱時間は3分以内が望ましく、3分
を超えると再結晶が生じ、形状回復特性が悪くなる。好
ましくは1分以内がよい。上記の1段目の熱処理を行っ
た後に2段目の熱処理として、合金の塑性歪み回復温度
以上で、かつ再結晶温度以下の温度で焼鈍を行うものが
あるが、この熱処理は、再結晶を起こさずに転位の再配
列のみを生じさせるものであり、これにより良好な形状
記憶効果を得ることができる。この熱処理は300〜5
00℃の温度で30分〜2時間行うことが望ましく30
0℃未満では良好な形状記憶ができず、500℃以上で
は再結晶を生じるおそれがあるからである。
【0017】本発明の対象とする高温作動形状記憶合金
としては、前記したように冷間加工後の最初の加熱での
As温度が350℃以上になる合金、すなわち350℃
以上の高温で作動する形状記憶合金である。現在、注目
されているのは前記したTi−Pd−X系、Ti−Au
−X系(X=Ni、Cu、W、Ta、Co、Cr、F
e)、Ti−Ni−X系(X=Zr、Hf)などがある
が、特に実用的にはTi−Pd−X系、Ti−Ni−X
系であり、その組成としては、Ti50Ni50xPdx
のxが35〜50%の合金、Ti50x Ni50Zrx
xが22〜30%の合金、Ti50-xNi50Hfx のxが
20〜30%の合金が良好な特性を示し、実用上好まし
い。
【0018】これらの高温作動形状記憶合金は、通常の
方法によって製造できる。例えば、高周波溶解、プラズ
マ溶解、粉末冶金等によりビレットを作製し、熱間圧
延、熱間押出し等の熱間加工後、冷間の圧延、伸線等の
冷間加工して、板、条、棒、線等の材料に加工される。
また熱処理方法としても通常の加熱炉でもよく、高周波
加熱,電流焼鈍等も適用でき、焼鈍後の冷却も空冷、水
冷等が適宜用いられる。
【0019】
【実施例】以下に本発明の好ましい製造実施例を、比較
例と対比して説明する。 (実施例1)組成がTi50Ni50-xPdx で示される合
金で、x=35、40、50at%となる3組成の試料
を作製した。それぞれ30gをプラズマ溶解によって溶
製し、熱間圧延、冷間圧延を経て厚さ1.0mmの板に
加工した(冷間圧延加工率約25%)。この板より放電
加工で引張試験片(ゲージ長さ16mm)を切りだし、
表面の研磨の後、表1に示す種々の温度で熱処理した。
これらの試験片について、形状回復特性試験を行い、こ
の結果を表1併記した。
【0020】なお評価方法は、室温で試験片に引張歪み
を4%与えた後応力を除荷して、約3%の見かけの塑性
歪みの残った試験片について、表1に示す作動試験温度
に加熱して逆変態させたとき、100%近い形状回復率
を示したものを○(形状回復率95%以上)、ほとんど
形状回復しなかったものを×(形状回復率20%以
下)、中間のものを△として示した。表1中、最初の逆
変態開始温度とは、冷間加工をかけた後に最初に加熱し
たときのマルテンサイト逆変態開始温度を示す。ここで
はこれを熱分析によって決定した。熱処理温度のうち、
Tfは1段目の熱処理温度で保持時間は1分とし、Ta
は2段目の熱処理温度で保持時間は1時間とした。
【0021】
【表1】
【0022】表1から明らかなように本発明例のNo.
1、No.5、No.6、No.9、No.10は、い
ずれも冷間加工後の最初の加熱でのAs温度が350℃
以上で、100%近い形状回復率を示すことが判る。こ
れに対して比較例のNo.2、No.3、No.4、N
o.7、No.8、No.11、No.12は、1段目
の熱処理(Tf)を施さないため、形状回復をほとんど
示さないか、形状回復率が悪いことが判る。
【0023】(実施例2)実施例1のPd濃度35at
%、40at%の試料について、熱処理(Tf、Ta)
の温度と時間を表2に示すごとく変化させて試料を作製
し、前記実施例1と同様に形状回復特性を調べた。この
結果を表2に併記した。
【0024】
【表2】
【0025】表2に示すように、本発明例のNo.1、
No.2、No.4、No.5は、いずれもTfが再結
晶温度を越えていても、Tfでの保持時間が2分以内で
あれば、再結晶の潜伏時間内であるので、再結晶は生じ
ることがなく、形状回復特性は良好である。これに対し
て、比較例のNo.3およびNo.6は、Tfでの保持
時間が長いため再結晶が生じ、形状回復特性が悪い。
【0026】(実施例3)組成がTi50-xNi50Zrx
で示される合金で、x=22、30at%となる2組成
の試料を作製した。それぞれ3Kgを高周波誘導加熱溶
解によって溶製、鋳造し、熱間押出し、熱間溝ロール圧
延の後、ダイス伸線と焼鈍を繰り返して直径1.0mm
の丸線に加工した(最終冷間加工率約30%)。この線
を長さ140mmに切り出した後、直線状に固定して表
3に示す種々の温度で熱処理した。これらの試験片につ
いて、形状回復特性試験を行い、この結果を表3併記し
た。引張歪みの付与にはゲージ間長さ50mmの歪み計
を使用した。評価方法、熱処理方法、表3中の記号につ
いては、実施例1と同様である。
【0027】
【表3】
【0028】表3から明らかなように本発明例のNo.
1およびNo.4はいずれも最初の加熱でのAs温度が
350℃以上で形状回復特性が100%近くを示す。こ
れに対し比較例のNo.2、No.3、No.5、N
o.6は、1段目の熱処理(Tf)を施さないため形状
回復をほとんど示さないか、形状回復率が悪い。
【0029】(実施例4)実施例3のZr濃度22at
%、30at%の試料について、熱処理(Tf、Ta)
の温度と時間を表4に示すごとく変化させて試料を作製
し、前記実施例3と同様に形状回復特性を調べた。この
結果を表4に併記した。
【0030】
【表4】
【0031】表4から明らかなように、本発明例のN
o.1およびNo.3は、Tfが再結晶温度を越えてい
ても、Tfでの保持時間が1分であれば、再結晶の潜伏
時間内であるので、再結晶は生じることがなく、形状回
復特性は良好である。これに対して、比較例のNo.2
およびNo.4は、Tfでの保持時間が長いため再結晶
が生じ、形状回復特性が悪い。
【0032】(実施例5)組成がTi50-xNi50Hfx
で示される合金で、x=20,30at%となる2組成
の試料を作製した。それぞれ1Kgを粉末冶金によって
ビレットに成形した後、HIP(hot isosta
tic press)処理し、熱間押出し、熱間溝ロー
ル圧延の後、ダイス伸線と焼鈍を繰り返して直径1.0
mmの丸線に加工した(最終冷間加工率約30%)。こ
の線を長さ140mmに切り出した後、直線状に固定し
て表5に示す種々の温度で熱処理した。 これらの試験
片について、形状回復特性試験を行い、この結果を表5
併記した。試験方法、評価方法、熱処理方法、表5中の
記号については、実施例3と同様である。
【0033】
【表5】
【0034】表5から明らかなように本発明例のNo.
1およびNo.4はいずれも最初の加熱でのAs温度が
350℃以上で形状回復率が100%近くを示す。これ
に対して比較例のNo.2、No.3、No.5、N
o.6は、1段目の熱処理(Tf)を施さないため形状
回復をほとんど示さないか、形状回復率が悪い。
【0035】(実施例6)実施例5のHf濃度20at
%、30at%の試料について、熱処理(Tf、Ta)
の温度と時間を表6に示すごとく変化させて試料を作製
し、前記実施例5と同様に形状回復特性を調べた。この
結果を表6に併記した。
【0036】
【表6】
【0037】表6から明らかなように、本発明例のN
o.1およびNo.3は、Tfが再結晶温度を越えてい
ても、Tfでの保持時間が1分であれば、再結晶の潜伏
時間内であるので、再結晶は生じることがなく、形状回
復特性は良好である。これに対して、比較例のNo.2
およびNo.4は保持時間が長いため再結晶が生じ、形
状回復特性が悪い。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高温作動形状記憶合金の形状回復特性の優れたものが得
られるもので、水の沸騰や油の過熱、ポリマーの融解な
どを検出し作動する部品、あるいは原子炉の冷却水の安
全弁など高温での用途が期待ができるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 植木 達彦 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社 (72)発明者 堀川 宏 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社 (72)発明者 水戸瀬 賢悟 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高温作動形状記憶合金の冷間加工後の最
    初の加熱でのマルテンサイト逆変態開始温度(As)が
    350℃以上になる合金であり、該合金を冷間加工の
    後、1段目の熱処理として、冷間加工後の最初の加熱で
    のマルテンサイト逆変態終了温度(Af)よりも高い温
    度で、かつ再結晶の潜伏時間以内の時間加熱し、その後
    2段目の熱処理として、塑性歪み回復温度以上で、かつ
    再結晶温度以下の温度で焼鈍を施すことを特徴とする高
    温作動形状記憶合金の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記の1段目の熱処理として、500℃
    を超え合金の融点未満の温度で、かつ3分以内加熱処理
    することを特徴とする請求項1記載の高温作動形状記憶
    合金の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記の高温作動形状記憶合金の組成が、
    Ti50Ni50-xPdx (数値はat%、以下同様)のx
    が35〜50%の合金、Ti50-xNi50Zrx のxが2
    2〜30%の合金およびTi50-xNi50Hfx のxが2
    0〜30%の合金のいずれかであることを特徴とする請
    求項1または2記載の高温作動形状記憶合金の製造方
    法。
JP28052995A 1994-10-28 1995-10-27 高温作動形状記憶合金の製造方法 Pending JPH08209314A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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