JPH08210503A - 組合せオイルリング - Google Patents

組合せオイルリング

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JPH08210503A
JPH08210503A JP1456495A JP1456495A JPH08210503A JP H08210503 A JPH08210503 A JP H08210503A JP 1456495 A JP1456495 A JP 1456495A JP 1456495 A JP1456495 A JP 1456495A JP H08210503 A JPH08210503 A JP H08210503A
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balance ring
ring
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Katsushi Ishihara
勝志 石原
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の3ピース型なみの良好なシール性と従
来の2ピース型なみの低い摺動摩擦性を合わせ持つ組合
せオイルリングを提供する。 【構成】 本発明のオイルリングは、1枚のサイドレー
ル2、シリンダ内径よりも短い装着時外径を有しシリン
ダ内壁面と接触していない1枚のバランスリング3、及
び前記サイドレールと前記バランスリングとで上下から
挟まれたスペーサーエキスパンダ1からなっており、サ
イドレールの反力F1 でサイドレール押圧面8が押され
ることによってスペーサーエキスパンダに発生する回転
モーメントが、バランスリングの反力F3 でバランスリ
ング押圧面10が押し返されることによって相殺され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関のピストンに
装着される組合せオイルリングに関する。
【0002】
【従来の技術】エンジンの高速回転化、高出力化、省燃
費化等を目的として、ピストンとピストンリングの薄幅
化が要求されている。組合せオイルリングは薄幅化が可
能で、しかもバネ作用でサイドレールをシリンダ内面に
強く押し付けてよく油を掻きとるので、広く使用されて
いる。
【0003】特開平4−78376号公報等で公知の3
ピース型の組合せオイルリングは、図1及び図2に示す
ように2枚のサイドレール2、2でスペーサーエキスパ
ンダ1を挟む構造をとっており、低速から高速までの広
い回転域において良好なシール性を確保することができ
る。しかし、3ピース型の場合には2枚のサイドレール
がシリンダ内壁面31と接触して摺動するので、サイド
レールを1枚だけ有する2ピース型の組合せオイルリン
グなみに摺動摩擦を低減することは困難である。
【0004】一方、特開昭63−26463号公報等で
公知の2ピース型の組合せオイルリングは、図3、図4
に示すように、スペーサーエキスパンダ1の片面に1枚
のサイドレール2が支承された構造をとっており、サイ
ドレールが1本なのでシリンダ内壁面31との摺動摩擦
をかなり低減できる。しかし、2ピース型の組合せオイ
ルリングをピストンのオイルリング溝に装着した場合に
は、図4に示すように、遠心方向に広がろうとするスペ
ーサーエキスパンダのサイドレール押圧面8の押圧力W
1 によって、スペーサーエキスパンダの内周側突起部に
あるサイドレール押圧面8に接触しているサイドレール
内周面12が押されると同時に、サイドレールの反力F
1 によってサイドレール押圧面8が押し返されるが、こ
の時、サイドレール押圧面はスペーサーエキスパンダの
重心(回転軸線)17から離れているので、スペーサー
エキスパンダにはサイドレールの反力によって回転モー
メントMが発生する。そのため、スペーサーエキスパン
ダがねじれて、サイドレールがサイドレール支承面7に
よってオイルリング溝の上面34又は下面に押し付けら
れることになり、サイドレールとオイルリング溝の上面
又は下面の間にはクリアランスがなくなり、サイドレー
ル2が動けなくなる。その結果、オイルリング溝の上面
又は下面が異常摩耗や溝荒れを起こしたり、シリンダ内
壁面に対するサイドレール外周面11の緊密性が損なわ
れたりして、良好なシール性を維持することができな
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
従来技術の問題点に鑑みて成し遂げられたものであり、
その目的は、従来の3ピース型なみの良好なシール性と
従来の2ピース型なみの低い摺動摩擦性を合わせ持つ組
合せオイルリングを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明においては、サイドレールを1枚だけ有する
3ピース型の組合せオイルリングを提供する。すなわ
ち、本発明の組合せオイルリングは、1枚のサイドレー
ル、1枚のバランスリング、及び前記サイドレールと前
記バランスリングとで上下から挟まれたスペーサーエキ
スパンダからなり、前記スペーサーエキスパンダは、内
周側と外周側から交互に半径方向に切り込まれたスリッ
ト及び略H字状の断面形状を有する環状体で、上側又は
下側のいずれか一方には外周側突起部にサイドレール支
承面そして内周側突起部にサイドレール押圧面が設けら
れ、他方には外周側突起部にバランスリング支承面そし
て内周側突起部にバランスリング押圧面が設けられてお
り、前記サイドレールは、平板状の環状体で、前記スペ
ーサーエキスパンダのサイドレール支承面及びサイドレ
ール押圧面と接触しており、前記バランスリングは、平
板状の環状体で、シリンダ内径よりも短い装着時外径を
有し、前記スペーサーエキスパンダのバランスリング支
承面及びバランスリング押圧面と接触しており、前記サ
イドレールの反力でサイドレール押圧面が押されること
によってスペーサーエキスパンダに発生する回転モーメ
ントが、前記バランスリングの反力でバランスリング押
圧面が押し返されることによって相殺されるものである
ことを特徴とする組合せオイルリングである。
【0007】そして、好適には上記本発明のオイルリン
グを、ピストンのリング溝に装着された時の静止状態に
おいて、サイドレールとサイドレール押圧面との接触位
置と、バランスリングとバランスリング押圧面との接触
位置とが、及び、サイドレールとサイドレール押圧面と
の接線曲面と、バランスリングとバランスリング押圧面
との接線曲面とが、それぞれスペーサーエキスパンダの
回転モーメントの回転軸線を含む仮想平面に関して面対
称となるようにし、さらに好適には、ピストンのリング
溝に装着された時の静止状態において、スペーサーエキ
スパンダの上側の形状と下側の形状とが、及び、サイド
レールとサイドレール押圧面との接触位置とバランスリ
ングとバランスリング押圧面との接触位置とが、それぞ
れスペーサーエキスパンダの回転モーメントの回転軸線
を含む仮想平面に関して面対称であり、且つ、サイドレ
ールとサイドレール押圧面との接触位置におけるサイド
レール内周面の半径方向断面の曲率とバランスリングと
バランスリング押圧面との接触位置におけるバランスリ
ング内周面の半径方向断面の曲率とが等しくなるように
する。
【0008】また、別の好適な限定として、上記本発明
のオイルリングを、ピストンのリング溝に装着された時
の静止状態下の半径方向断面において、スペーサーエキ
スパンダの回転モーメントの回転軸線からサイドレール
とサイドレール押圧面との接触位置までの距離と、サイ
ドレール押圧面を押し返すサイドレールの反力の、前記
回転モーメントの回転軸線と、前記サイドレールとサイ
ドレール押圧面との接触位置とを結ぶ仮想直線に対して
直角方向の分力との積、及び、前記回転モーメントの回
転軸線からバランスリングとバランスリング押圧面との
接触位置までの距離と、バランスリング押圧面を押し返
すバランスリングの反力の、前記回転モーメントの回転
軸線と、前記バランスリングとバランスリング押圧面と
の接触位置とを結ぶ仮想直線に対して直角方向の分力と
の積が等しくなるようにする。
【0009】また、さらに別の好適な限定として、上記
本発明のオイルリングを、バランスリングの自由時内径
が、オイルリングをピストンのリング溝に装着した時の
静止状態におけるバランスリング内径よりも短くなるよ
うにする。
【0010】
【作用】本発明のオイルリングは、シリンダー内壁面と
接触し摺動するサイドレールが1枚だけであるから、摺
動摩擦性を充分に低減させることができる。
【0011】また、本発明のオイルリングにおいては、
スペーサーエキスパンダの押圧力に対するサイドレール
の反力でサイドレール内周面に接触しているサイドレー
ル押圧面が押し返されると、連鎖的にバランスリング押
圧面がバランスリング内周面を押すことになるが、それ
と同時にバランスリングには反力が発生し、バランスリ
ング内周面がバランスリング押圧面を押し返す。したが
って、スペーサーエキスパンダに発生する回転モーメン
トがオイルリング全体として相殺されてシリンダ内での
摺動時におけるスペーサーエキスパンダとサイドレール
の姿勢が安定し、サイドレールがオイルリング溝の上面
又は下面に押し付けられなくなる。その結果、リング溝
における異常摩耗や溝荒れが防止されると共にシリンダ
内壁面とサイドレール外周面の間の良好な緊密性も維持
されるので、良好なシール性が得られる。
【0012】本発明においては、好適には、オイルリン
グの上側と下側とが静止状態時に対称的な構造となるよ
うにする。具体的には、ピストンのリング溝に装着され
た時の静止状態において、サイドレールとサイドレール
押圧面との接触位置と、バランスリングとバランスリン
グ押圧面との接触位置とが、及び、サイドレールとサイ
ドレール押圧面との接線曲面と、バランスリングとバラ
ンスリング押圧面との接線曲面とが、それぞれスペーサ
ーエキスパンダの回転モーメントの回転軸線を含む仮想
平面に関して面対称となるようにし、さらに好適には、
ピストンのリング溝に装着された時の静止状態におい
て、スペーサーエキスパンダの上側の形状と下側の形
状、及び、サイドレールとサイドレール押圧面との接触
位置とバランスリングとバランスリング押圧面との接触
位置とが、それぞれスペーサーエキスパンダの回転モー
メントの回転軸線を含む仮想平面に関して面対称であ
り、且つ、サイドレールとサイドレール押圧面との接触
位置におけるサイドレール内周面の半径方向断面の曲率
とバランスリングとバランスリング押圧面との接触位置
におけるバランスリング内周面の半径方向断面の曲率と
が等しくなるようにする。
【0013】また、本発明のオイルリングを、ピストン
のリング溝に装着された時の静止状態下の半径方向断面
において、スペーサーエキスパンダの回転モーメントの
回転軸線からサイドレールとサイドレール押圧面との接
触位置までの距離と、サイドレール押圧面を押し返すサ
イドレールの反力の、前記回転モーメントの回転軸線
と、前記サイドレールとサイドレール押圧面との接触位
置とを結ぶ仮想直線に対して直角方向の分力との積、及
び、前記回転モーメントの回転軸線からバランスリング
とバランスリング押圧面との接触位置までの距離と、バ
ランスリング押圧面を押し返すバランスリングの反力
の、前記回転モーメントの回転軸線と、前記バランスリ
ングとバランスリング押圧面との接触位置とを結ぶ仮想
直線に対して直角方向の分力との積が等しくなるように
することによっても、オイルリングの上側と下側を対称
的構造にすることができる。
【0014】本発明のオイルリングがシリンダ内で摺動
しているときには、スペーサーエキスパンダ、サイドレ
ール及びバランスリングの姿勢が変動し続けており、そ
れにつれてスペーサーエキスパンダの回転モーメントと
それに対するバランスリングの反力も変動し続けている
ので、摺動状態下で常時完全に回転モーメントを相殺し
続けることは困難である。
【0015】しかし、本発明のオイルリングの上側と下
側とが静止状態時に対称的な構造となるようにすれば、
静止時の回転モーメントを完全に相殺でき、しかも摺動
時における回転モーメントの変動に比較的よく同調して
バランスリングの反力も増減するので、たとえ摺動時で
あっても、変動し続ける回転モーメントの大部分を相殺
することができる。
【0016】さらに、バランスリングの自由時内径を装
着時の内径よりも短くすればバランスリングの反力が強
まるので、バランスリングの反力を調節することができ
る。
【0017】
【実施例】以下、実施例に沿って、本発明をさらに詳し
く説明する。第5図は、本発明の一実施例である組合せ
オイルリング(101)の部分斜視図であり、第6図
は、同じオイルリング(101)をピストンのリング溝
に装着した状態の縦断面図である。
【0018】本発明の組合せオイルリングは、1枚のサ
イドレール2、1枚のバランスリング3、及びサイドレ
ールとバランスリングとで上下から挟まれたスペーサー
エキスパンダ1からなる。図示されたオイルリング10
1はスペーサーエキスパンダの上側にサイドレール2が
支承され、下側にバランスリング3が支承されている
が、この上下関係は逆であっても差し支えない。スペー
サーエキスパンダ、サイドレール及びバランスリング
は、通常、鋼材製で、引抜加工や圧延加工などによって
成形されている。
【0019】スペーサーエキスパンダ1は、内周側と外
周側から交互に半径方向に切り込まれたスリット4を有
する環状体で、図示されてはいないが、通常のピストン
リングと同様に切り離された合口も有している。スペー
サーエキスパンダの外周側端部と内周側端部は上下に隆
起している。この隆起によって、スペーサーエキスパン
ダの上下両側に外周側突起部5と内周側突起部6が形成
され、その縦断面は略H字形状となる。サイドレールが
支承されている側には、外周側突起部にサイドレール支
承面7そして内周側突起部にサイドレール押圧面8が設
けられており、バランスリングが支承されている側に
は、外周側突起部にバランスリング支承面9そして内周
側突起部にバランスリング押圧面10が設けられてい
る。摺動時のサイドレール及びバランスリングの姿勢を
安定させるために、上記の支承面と押圧面は、適宜、調
節された角度を有する傾斜面とすることができる。
【0020】スペーサーエキスパンダの上下いずれかの
側に支承されるサイドレール2は、平板状の環状体で、
図示されてはいないが、通常のピストンリングと同様に
切り離された合口も有している。このサイドレール2
は、スペーサーエキスパンダのサイドレール支承面7及
びサイドレール押圧面8と接触した状態でスペーサーエ
キスパンダに支承されている。また、リング溝33に装
着されてシリンダ内に挿入された状態下で、サイドレー
ルの外周面11はシリンダ内壁面31に接触している。
【0021】スペーサーエキスパンダ上のサイドレール
とは反対側に支承されるバランスリング3は、平板状の
環状体で、図示されてはいないが、通常のピストンリン
グと同様に切り離された合口も有している。このバラン
スリング3は、スペーサーエキスパンダのバランスリン
グ支承面9及びバランスリング押圧面10と接触した状
態でスペーサーエキスパンダに支承されている。サイド
レールの呼び径がシリンダ内径と一致しているのと異な
り、バランスリングの呼び径、すなわちスペーサーエキ
スパンダに支承されてリング溝に装着された状態下での
バランスリングの外径は、バランスリング3とバランス
リング支承面9との接触が可能な程度の長さは有するも
のの、シリンダ内径よりは短い。そのため、バランスリ
ングの外周面13はシリンダ内面壁31と接触していな
い。
【0022】図7は、本発明の組合せオイルリング10
1においてスペーサーエキスパンダに発生する回転モー
メントがバランスリングの反力によって相殺される様子
を模式的に示した図である。図7に描かれたオイルリン
グ101の縦断面において、スペーサーエキスパンダの
上側に支承されているサイドレール2は一般的なサイド
レールであり、それ自身はほとんど張力を有さないが、
スペーサーエキスパンダのサイドレール押圧面8から受
ける押圧力W1 によってサイドレール内周面が押され
て、サイドレール外周面がシリンダ内面壁に押し付けら
れる(W2 )。一方、スペーサーエキスパンダによって
押されたサイドレール2には反力F1 が発生し、この反
力F1 によってサイドレール押圧面が押し返される。も
し2ピース型の組合せオイルリングであるなら、このサ
イドレールからの反力によってスペーサーエキスパンダ
には上記反力によって回転モーメントM1 が発生する。
しかし本発明においては、サイドレール押圧面が押し返
されるのに連鎖して、スペーサーエキスパンダの下側で
バランスリング押圧面がバランスリング内周面を押し
(F2 )、それと同時にバランスリングには反力F3
発生してバランスリング内周面がバランスリング押圧面
を押し返すことによって回転モーメントM2 が発生し、
全体の回転モーメントが相殺される。
【0023】本発明のオイルリングがシリンダ内で摺動
しているときには、スペーサーエキスパンダ、サイドレ
ール及びバランスリングの姿勢が変動し続けており、そ
れにつれてスペーサーエキスパンダの回転モーメントと
それに対するバランスリングの反力も変動し続けている
ので、摺動状態下で常時完全に回転モーメントを相殺し
続けることは困難である。
【0024】しかし、本発明のオイルリングの上側と下
側とが静止状態時に対称的な構造となるようにすれば、
少なくとも静止時の回転モーメントを完全に相殺でき、
しかも摺動時における回転モーメントの変動に比較的よ
く同調してバランスリングの反力も増減するので、たと
え摺動時であっても、変動し続ける回転モーメントの大
部分を相殺することができる。
【0025】図8は、そのような対称的構造を有するも
のの一例の縦断面図である。このオイルリング102
は、ピストンのリング溝33に装着された時の静止状態
において、サイドレールとサイドレール押圧面との接触
位置15と、バランスリングとバランスリング押圧面と
の接触位置16とが、スペーサーエキスパンダの回転モ
ーメントの回転軸線17を含む仮想平面18に関して面
対称であり、且つ、サイドレールとサイドレール押圧面
との接線曲面19と、バランスリングとバランスリング
押圧面との接線曲面20とが、同様に、上記仮想平面1
8に関して面対称である構造をとっている。なお、回転
モーメントの回転軸線17を3次元的に見ればスペーサ
ーエキスパンダ内部を水平方向に貫く円形の軌跡を描く
ので、これを含む仮想平面はスペーサーエキスパンダを
水平に分割するただ一つの平面として特定される。
【0026】このような対称的構造を得るためには、た
とえば、ピストンのリング溝33に装着された時の静止
状態において、スペーサーエキスパンダの上側の形状と
下側の形状、及び、サイドレールとサイドレール押圧面
との接触位置15とバランスリングとバランスリング押
圧面との接触位置16とが、それぞれスペーサーエキス
パンダの回転モーメントの回転軸線17を含む仮想平面
18に関して面対称となるようにし、且つ、サイドレー
ルとサイドレール押圧面との接触位置15におけるサイ
ドレール内周面12の半径方向断面(縦断面)の曲率
と、バランスリングとバランスリング押圧面との接触位
置16におけるバランスリング内周面14の半径方向断
面(縦断面)の曲率とが等しくなるようにすればよい。
【0027】しかし、上記のような設計ができない場合
には、本発明のオイルリングがピストンのリング溝に装
着され且つ静止状態にある時の半径方向断面において、
スペーサーエキスパンダの回転モーメントの回転軸線1
7からサイドレールとサイドレール押圧面との接触位置
15までの距離と、サイドレール押圧面を押し返すサイ
ドレールの反力F1 の、前記回転モーメントの回転軸線
17と、前記サイドレールとサイドレール押圧面との接
触位置15とを結ぶ仮想直線に対して直角方向の分力と
の積、及び、前記回転モーメントの回転軸線17からバ
ランスリングとバランスリング押圧面との接触位置16
までの距離と、バランスリング押圧面を押し返すバラン
スリングの反力F3 の、前記回転モーメントの回転軸線
17と、前記バランスリングとバランスリング押圧面と
の接触位置16とを結ぶ仮想直線に対して直角方向の分
力との積を等しくなるように設計することによって、バ
ランスリングの締め付け力(反力)を調整する必要があ
る。
【0028】本発明においては、バランスリングの自由
時内径を変えることによって、バランスリングの反力を
調節することができる。図8においては、バランスリン
グの自由時内径を、オイルリング静止時のバランスリン
グ内径よりも小さくなるようすることによって、バラン
スリングの締め付け力(反力)を強め、静止時の回転モ
ーメントを完全に相殺するように調節している。
【0029】
【発明の効果】本発明の組合せオイルリングは、シリン
ダー内壁面と接触し摺動するサイドレールが1枚だけで
あるから、従来の2ピース型組合せオイルリングなみの
低い摺動摩擦性を有する。しかも、回転モーメントによ
るスペーサーエキスパンダの傾きが起きにくく、サイド
レールがオイルリング溝の上面または下面に押し付けら
れて溝荒れを起こしたりオイルリングの安定した動きが
阻害されたりすることがないので、従来の3ピース型組
合せオイルリングなみの良好なシール性を併せ持ってい
る。
【0030】したがって本発明は、内燃機関の高出力
化、低燃費化とオイル消費量の低減化に貢献する。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の3ピース型組合せオイルリングの部分斜
視図である。
【図2】従来の3ピース型組合せオイルリングをピスト
ンのリング溝に装着した状態の縦断面図である。
【図3】従来の2ピース型組合せオイルリングの部分斜
視図である。
【図4】従来の2ピース型組合せオイルリングをピスト
ンのリング溝に装着した状態の縦断面図である。
【図5】本発明の組合せオイルリングの一例を示す部分
斜視図である。
【図6】本発明の組合せオイルリングをピストンのリン
グ溝に装着した状態の縦断面図である。
【図7】回転モーメントが相殺される様子を模式的に示
す説明図である。
【図8】本発明の組合せオイルリングの他の一例を示す
縦断面図である。
【符号の説明】
1…スペーサーエキスパンダ 2…サイドレール 3…バランスリング 4…スリット 5…外周側突起部 6…内周側突起部 7…サイドレール支承部 8…サイドレール押圧面 9…バランスリング支承部 10…バランスリング押圧面 11…サイドレール外周面 12…サイドレール内周面 13…バランスリング外周面 14…バランスリング内周面 15…サイドレールとサイドレール押圧面との接触位置 16…バランスリングとバランスリング押圧面との接触
位置 17…スペーサーエキスパンダに発生する回転モーメン
トの回転軸線 18…回転軸線を含む仮想平面 19…サイドレールとサイドレール押圧面との接線曲線 20…バランスリングとバランスリング押圧面との接線
曲線 30…シリンダ 31…シリンダ内壁面 32…ピストン 33…リング溝 34…リング溝の上面 35…リング溝の下面 36…ドレンホール W1 …サイドレール押圧面の押圧力 W2 …サイドレール外周面の押圧力 F1 …サイドレールの反力 F2 …バランスリング押圧面の押圧力 F3 …バランスリングの反力 M…回転モーメント M1 …サイドレールの反力によって発生する回転モーメ
ント M2 …バランスリングの反力によって発生する回転モー
メント

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1枚のサイドレール、1枚のバランスリ
    ング、及び前記サイドレールと前記バランスリングとで
    上下から挟まれたスペーサーエキスパンダからなり、 前記スペーサーエキスパンダは、内周側と外周側から交
    互に半径方向に切り込まれたスリット及び略H字状の断
    面形状を有する環状体で、上側又は下側のいずれか一方
    には外周側突起部にサイドレール支承面そして内周側突
    起部にサイドレール押圧面が設けられ、他方には外周側
    突起部にバランスリング支承面そして内周側突起部にバ
    ランスリング押圧面が設けられており、 前記サイドレールは、平板状の環状体で、前記スペーサ
    ーエキスパンダのサイドレール支承面及びサイドレール
    押圧面と接触しており、 前記バランスリングは、平板状の環状体で、シリンダ内
    径よりも短い装着時外径を有し、前記スペーサーエキス
    パンダのバランスリング支承面及びバランスリング押圧
    面と接触しており、 前記サイドレールの反力でサイドレール押圧面が押され
    ることによってスペーサーエキスパンダに発生する回転
    モーメントが、前記バランスリングの反力でバランスリ
    ング押圧面が押し返されることによって相殺されるもの
    であることを特徴とする組合せオイルリング。
  2. 【請求項2】 ピストンのリング溝に装着された時の静
    止状態において、サイドレールとサイドレール押圧面と
    の接触位置と、バランスリングとバランスリング押圧面
    との接触位置とが、及び、サイドレールとサイドレール
    押圧面との接線曲面と、バランスリングとバランスリン
    グ押圧面との接線曲面とが、それぞれスペーサーエキス
    パンダの回転モーメントの回転軸線を含む仮想平面に関
    して面対称であることを特徴とする請求項1記載の組合
    せオイルリング。
  3. 【請求項3】 ピストンのリング溝に装着された時の静
    止状態において、スペーサーエキスパンダの上側の形状
    と下側の形状とが、及び、サイドレールとサイドレール
    押圧面との接触位置とバランスリングとバランスリング
    押圧面との接触位置とが、それぞれスペーサーエキスパ
    ンダの回転モーメントの回転軸線を含む仮想平面に関し
    て面対称であり、且つ、サイドレールとサイドレール押
    圧面との接触位置におけるサイドレール内周面の半径方
    向断面の曲率とバランスリングとバランスリング押圧面
    との接触位置におけるバランスリング内周面の半径方向
    断面の曲率とが等しいことを特徴とする請求項2記載の
    組合せオイルリング。
  4. 【請求項4】 ピストンのリング溝に装着された時の静
    止状態下の半径方向断面において、スペーサーエキスパ
    ンダの回転モーメントの回転軸線からサイドレールとサ
    イドレール押圧面との接触位置までの距離と、サイドレ
    ール押圧面を押し返すサイドレールの反力の、前記回転
    モーメントの回転軸線と、前記サイドレールとサイドレ
    ール押圧面との接触位置とを結ぶ仮想直線に対して直角
    方向の分力との積、及び、前記回転モーメントの回転軸
    線からバランスリングとバランスリング押圧面との接触
    位置までの距離と、バランスリング押圧面を押し返すバ
    ランスリングの反力の、前記回転モーメントの回転軸線
    と、前記バランスリングとバランスリング押圧面との接
    触位置とを結ぶ仮想直線に対して直角方向の分力との積
    が等しいことを特徴とする請求項1記載の組合せオイル
    リング。
  5. 【請求項5】 バランスリングの自由時内径が、オイル
    リングをピストンのリング溝に装着した時の静止状態に
    おけるバランスリングの内径よりも短いことを特徴とす
    る請求項1記載の組合せオイルリング。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20140265140A1 (en) * 2013-03-15 2014-09-18 Mahle International Gmbh Dissimilar radial wall oil control rails
JP2019510178A (ja) * 2016-03-16 2019-04-11 フェデラル−モーグル ブルシェイド ゲーエムベーハーFederal−Mogul Burscheid Gmbh 摩擦が低減されたマルチピースオイルリング

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JP2019510178A (ja) * 2016-03-16 2019-04-11 フェデラル−モーグル ブルシェイド ゲーエムベーハーFederal−Mogul Burscheid Gmbh 摩擦が低減されたマルチピースオイルリング
EP3430290B1 (de) 2016-03-16 2020-06-17 Federal-Mogul Burscheid GmbH Mehrteiliger ölabstreif-kolbenring mit verringerter reibung
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