JPH08215831A - 中性子遮蔽用オーステナイトステンレス鋼の製造方法 - Google Patents

中性子遮蔽用オーステナイトステンレス鋼の製造方法

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JPH08215831A
JPH08215831A JP7030486A JP3048695A JPH08215831A JP H08215831 A JPH08215831 A JP H08215831A JP 7030486 A JP7030486 A JP 7030486A JP 3048695 A JP3048695 A JP 3048695A JP H08215831 A JPH08215831 A JP H08215831A
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Haruhiko Kajimura
治彦 梶村
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】Bを含有する中性子遮蔽用オーステナイトステ
ンレス鋼の熱間圧延性を改善できる製造方法を提供す
る。 【構成】重量%で、Cr:18〜26%、Ni: 7〜22%、B:
0.5〜 3.0%を含有するオーステナイトステンレス鋼を
電極として、エレクトロスラグ溶解する中性子遮蔽用オ
ーステナイトステンレス鋼の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、核燃料輸送用容器、
使用済核燃料保管用ラック等の原子力関連の中性子遮蔽
材として用いられるステンレス鋼の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】B(ほう素)は中性子捕獲断面積が大き
いため、Bを含有するオーステナイトステンレス鋼は中
性子の制御材及び遮蔽材として用いられ、例えば特公昭
57-45464号公報に開示されているようなBを1%前後含
有したSUS304系ステンレス鋼が用いられている。
【0003】しかし、B含有量を高くするとB化合物が
析出するため熱間加工性を著しく損ない、熱間圧延時に
割れが発生するようになる。つまり、熱間圧延に際して
は圧延が進むにつれて板の温度が低下しB含有鋼では耳
割れの発生が起こるようになり、歩留まりの低下や再加
熱などの処理が必要となり製造コストの増加につなが
る。このため、例えば特開昭61−201726号公報には鉄筒
にてB含有オーステナイトステンレス鋼を覆った上で熱
間圧延を行う方法が、特開平5-263133号公報には中間圧
延と再加熱を組み合わせて圧延する方法が提案されてい
る。しかし、いずれの方法にしても圧延回数の増加など
より大幅なコストアップが避けられない。
【0004】また、近年、保管用ラックの小型化のため
素材であるステンレス鋼のさらなる薄肉化が要望されて
おり、中性子吸収能力の高い鋼材の開発と共に、大圧下
の熱間圧延でも耳割れが発生しない、より熱間加工性に
優れた鋼材の開発が要望されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、Bを
含有する中性子遮蔽用オーステナイトステンレス鋼の熱
間圧延性を改善できる製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、耳割れの発
生原因について検討した結果、下記の知見を得、本発明
を完成させるに至った。
【0007】溶解、さらに必要に応じて精錬し、鋳造
されたインゴットは凝固組織であるため、それを鍛造や
分塊圧延する時が最も加工性が悪いと考えられるが、実
際には加工量も少ないので温度低下も比較的起こりにく
い。一方、その後の熱間圧延では、圧延が進むにつれて
薄肉になり温度低下も著しく、さらに圧下量も大きいた
め、耳割れが発生するようになる。つまり、耳割れの発
生はインゴットを鍛造や分塊圧延した後の熱間圧延時に
発生し易い。
【0008】B含有鋼の熱間圧延性の劣化原因は、鋼
中に存在する主としてCr2BからなるB化合物の熱間延性
が極めて悪いためである。そして、B化合物の量が多い
程、またB化合物の大きさが大きいほど割れが発生し易
く、また熱間加工温度が1000℃以下になるとB化合物と
マトリックスとの変形能の差が著しくなるため割れが発
生し易くなる。
【0009】さらに、B化合物の量はB含有量に依存す
るが、中性子の吸収能力を高めるためにはB含有量を増
加させることが必要であり、このため、ますます熱間加
工性が劣化する。
【0010】Bを含有するオーステナイトステンレス
鋼の熱間加工性を改善するには、B化合物の大きさを小
さくして、1000℃以下での加工時のB化合物とマトリッ
クスとの変形能の差を小さくすることが、耳割れの発生
抑制に有効である。
【0011】B化合物は凝固時の最終凝固部すなわち
デンドライトの樹間(アーム間)で形成されており、こ
のため、デンドライトアーム間隔が大きくなるほど樹間
で形成されるB化合物の大きさも大きくなる。したがっ
て、デンドライトアーム間隔を小さくすることで、B化
合物の大きさを小さくすることが可能である。
【0012】凝固速度を速くすることでデンドライト
アーム間隔を小さくすることができ、凝固速度が速いエ
レクトロスラグ溶解法を用いるのが有効である。
【0013】ここに本発明は、重量%で、Cr:18〜26
%、Ni: 7〜22%、B: 0.5〜 3.0%を含有するオース
テナイトステンレス鋼を電極として、エレクトロスラグ
溶解する中性子遮蔽用オーステナイトステンレス鋼の製
造方法である。
【0014】さらに、上記エレクトロスラグ溶解の溶解
速度を350kg/時間以下とするのが好ましい。
【0015】
【作用】鋼の化学組成の限定理由について説明する。な
お、以下の「%」は「重量%」を意味する。
【0016】Cr:18〜26% Crは耐食性を向上させるために必要な元素である。Cr含
有量が18%未満では耐食性が確保できない。また、含有
量が高いほど耐食性耐食性は向上するが、26%を超える
とNi含有量も高くする必要があるためコストアップにな
ると共に、Cr含有量の増加により熱間加工性が劣化す
る。したがって、Cr含有量を18〜26%とする。
【0017】Ni: 7〜22% Niはオーステナイト組織の安定化のために必要な元素で
あり、 7%以上の含有が必要である。一方、Ni含有量が
22%を超えてもその効果が飽和し、コストアップを招く
のみである。したがい、Ni含有量を 7〜22%とする。
【0018】B: 0.5〜 3.0% Bは中性子吸収のために必要な元素であり、 0.5%以上
含有させることが必要である。一方、含有量が 3.0%を
超えるとエレクトロスラグ溶解法を用いても熱間圧延性
が著しく低下する。したがって、B含有量を 0.5〜 3.0
%とする。また、より熱間圧延性を改善する観点から
は、 2.0%以下とするのが好ましい。
【0019】さらに、上記組成以外に中性子吸収力を高
めるためにGdなどの中性子吸収元素や耐食性を高めるた
めにMo、V、Wなどの元素を含有させてもよい。
【0020】次に、エレクトロスラグ溶解(以下「ES
R」という。)法を適用するとした限定理由について説
明する。
【0021】B含有鋼の熱間圧延性の劣化原因は、鋼中
に存在する主としてCr2BからなるB化合物の熱間延性が
極めて悪いためであり、B化合物の量が多い程、B化合
物の大きさが大きいほど、さらに、熱間加工温度が1000
℃以下になるとB化合物とマトリックスとの変形能の差
が著しくなるため割れが発生し易くなる。
【0022】そこで、Bを含有するオーステナイトステ
ンレス鋼の熱間加工性を改善するには、B化合物の大き
さを小さくして、1000℃以下での加工時のB化合物とマ
トリックスとの変形能の差を小さくすることが、耳割れ
の発生抑制に有効であることを見いだした。
【0023】B化合物は凝固時の最終凝固部すなわちデ
ンドライトの樹間(アーム間)で形成され、デンドライ
トアーム間隔が大きくなるほど樹間で形成されるB化合
物の大きさも大きくなるため、デンドライトアーム間隔
を小さくすることで、B化合物の大きさを小さくするこ
とが可能である。
【0024】デンドライトアーム間隔を小さくするに
は、凝固速度を速くすることが必要であり、凝固速度が
速い溶解法としてESR法を適用することとした。
【0025】溶解、必要により精錬して得られたステン
レス鋼を電極として用いたESRを行うことで、インゴ
ットの凝固速度は速くなり、通常の溶解法による凝固組
織よりデンドライトアーム間隔が小さくなるため、B化
合物の大きさを小さくすることができる。
【0026】つまり、ESR法は、消耗電極を溶融スラ
グの電気抵抗熱により溶解し、溶融金属を鋳型の中で連
続的に凝固させていく方法であるが、溶融金属は鋳型の
側壁や底部から強制的に奪熱され、しかも上部のスラグ
で溶融金属が保温されているため溶融金属のプールを浅
くすることができる。そのため凝固速度を速くすること
ができ、デンドライトアーム間隔の小さい凝固組織が得
られる。
【0027】さらに、ESR法では、溶融金属中の非金
属介在物がスラグ中へ除去されると共に、脱硫脱酸も同
時に行われるため鋼質も改善することができる。
【0028】また、ESR法での溶解速度を350kg/時間
以下とすることにより、熱間圧延性がさらに向上し、熱
間圧延での耳割れをより小さくすることができる。
【0029】その理由は溶解速度を遅くすることで、溶
融金属プールの深さを小さくすることができ、結果的に
同じ冷却能でも溶融状態に保持されている時間が短くな
るからである。つまり、溶解速度が遅いため凝固速度が
速く、デンドライトアーム間隔が小さくなるため、B化
合物の大きさを小さくすることができる。なお、溶解速
度は通電電流量を変更して電気抵抗熱を調整することで
容易に制御することができる。
【0030】以上述べたように、凝固速度の速いESR
法を適用することで凝固組織のデンドライトアーム間隔
を小さくし、樹間で形成されるB化合物の大きさを小さ
くすることで、B含有オーステナイトステンレス鋼の熱
間圧延性を改善することができる。
【0031】
【実施例】表1に示した化学組成を有する合金を10トン
電気炉で溶製し、VOD(真空酸素脱炭)炉にて精錬し
た後、3トンのインゴットを3本製作した。このインゴ
ットを電極としてESRを行い、一辺が 470mmの角形の
インゴットを製作した。比較のため、VOD炉で精錬後
ESRを行わないインゴットも製作した。
【0032】これらインゴットを1150℃に加熱し、分塊
圧延により厚み 180mm幅1000mmのスラブに仕上げた。こ
のスラブを1150℃に再加熱後、熱間圧延を行い厚さ40mm
の板材とした。なお、熱間圧延の仕上温度は 870℃であ
った。圧延後の板端部の耳割れ長さを測定して熱間圧延
性を評価した。
【0033】ESR適用の有無とその時のESR溶解速
度および耳割れ長さの測定結果も合わせて表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】表1から、ESRを適用した本発明範囲の
化学組成を有するスラブを用いて熱間圧延した場合、耳
割れは発生しないか発生してもわずかである。また、そ
の中でNo.3〜 5から、ESRの溶解速度が小さいほどそ
の熱間圧延性は良好であり、350kg/時間以下の溶解速度
の材料の熱間圧延性が優れている。
【0036】一方、ESRを適用しなかったNo.9〜11は
大きな耳割れが発生し、特にB含有量が高目のNo11では
圧延途中の割れが大きすぎたため圧延が不可能であっ
た。また、B含有量が本発明範囲の3%を超えるNo12で
はESRを行っても大きな割れが発生した。
【0037】
【発明の効果】本発明により、Bを含有する非常に難加
工な中性子遮蔽用オーステナイトステンレス鋼であって
も、従来よりも安定した熱間圧延性で製造することがで
きる。
【0038】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、Cr:18〜26%、Ni: 7〜22%、
    B: 0.5〜 3.0%を含有するオーステナイトステンレス
    鋼を電極として、エレクトロスラグ溶解することを特徴
    とする中性子遮蔽用オーステナイトステンレス鋼の製造
    方法。
JP7030486A 1995-02-20 1995-02-20 中性子遮蔽用オーステナイトステンレス鋼の製造方法 Expired - Fee Related JP2937061B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN118910491A (zh) * 2024-09-03 2024-11-08 河北河钢材料技术研究院有限公司 一种中子屏蔽材料用含硼钢的冶炼方法

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