JPH08217726A - ペンタエリスリトール(メタ)アクリルエステルの製造方法 - Google Patents

ペンタエリスリトール(メタ)アクリルエステルの製造方法

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JPH08217726A
JPH08217726A JP7026638A JP2663895A JPH08217726A JP H08217726 A JPH08217726 A JP H08217726A JP 7026638 A JP7026638 A JP 7026638A JP 2663895 A JP2663895 A JP 2663895A JP H08217726 A JPH08217726 A JP H08217726A
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JP
Japan
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reaction
meth
pentaerythritol
water
temperature
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JP7026638A
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English (en)
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Koichi Nakamura
公一 中村
Misao Uohama
操 魚浜
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ペンタエリスリト−ルと(メタ)アクリル酸
とを、触媒と重合防止剤及び有機溶剤の存在下にエステ
ル化するに際して、第1段階で80〜90℃の温度内に
達した時点からこの温度範囲を保ちながら、生成水を反
応系に留めた状態で10分〜3時間反応を実施した後、
次の第2段階で反応温度を第1段階より低い温度に設定
して、生成水を反応系から除去して反応を完結させるこ
とを特徴とするペンタエリスリト−ル(メタ)アクリル
エステルの製造方法。 【効果】 本発明の製造方法によれば、室温で液体状態
を保つことが可能なトリアクリルエステル/ペンタアク
リルエステル比を有し、かつ、高収率・高純度なペンタ
エリスリト−ル(メタ)アクリルエステルを得ることが
可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ペンタエリスリトール
と(メタ)アクリル酸との反応によるペンタエリスリト
ール(メタ)アクリルエステルの製法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ペンタエリスリトール(メタ)アクリル
エステルは、単独又は他の重合性モノマー、オリゴマ
ー、ポリマー、染料、顔料、無機充填剤等と混合し、過
酸化物、過硫酸塩、アゾビス化合物又はケトン化合物等
のラジカル開始剤の存在下で、これら開始剤の熱分解や
紫外線・放射線照射等による分解によって生じるラジカ
ルによって容易に重合し、機械的特性、耐熱性、耐候
性、耐酸化性等に優れたポリマーを生成する。
【0003】また、炭素−炭素二重結合を有する種々の
化合物と容易に共重合するので、用途に応じてポリマー
の物性を調節することが可能であり、塗料、インキ、コ
ーティング剤、接着剤、粘着剤、樹脂、ゴム、光学材料
等の原料として広範な分野に利用されている。
【0004】ペンタエリスリトール(メタ)アクリルエ
ステルは、ペンタエリスリトールと(メタ)アクリル酸
とのエステル化又はペンタエリスリトールと(メタ)ア
クリル酸エステルとのエステル交換反応によって得られ
る。得られる生成物は、通常、ペンタエリスリトールテ
トラ(メタ)アクリルエステル、ペンタエリスリトール
トリ(メタ)アクリルエステル、ペンタエリスリトール
ジ(メタ)アクリルエステル、ペンタエリスリトールモ
ノ(メタ)アクリルエステル及びペンタエリスリトール
ポリ(メタ)アクリルエステル等のオリゴマー類を含ん
でいる。これらの化合物のなかで、特にテトラ(メタ)
アクリルエステルやオリゴマー類の生成量が多い場合に
は、生成物は常温で固体となり、取り扱いが不便であ
る。また、オリゴマー類の増加によって、分子量に対す
る二重結合の割合が低下し、結果的にアクリルエステル
としての反応性が低下することになる。
【0005】しかしながら、ペンタエリスリトールと
(メタ)アクリル酸との反応では、ペンタエリスリトー
ルが一般的な有機溶媒に不溶であるために、生成したペ
ンタエリスリトールの(メタ)アクリルエステル類が溶
媒に溶解して、テトラ(メタ)アクリルエステルが優先
的に生成するため、生成物は室温で固体状態となってし
まう傾向がある。
【0006】この問題を解決するために、特開平1−1
99936号公報には、テトラ(メタ)アクリルエステ
ルの生成を抑制して室温で液体状態を保つことが可能な
ペンタエリスリトール(メタ)アクリルエステルの製法
が開示されている。この製法によれば、第1段反応でエ
ステル化生成水を反応系中に存在させてエステル化率2
0〜70%とし、ついで第2段反応で生成水を反応系か
ら除去してエステル化率75〜95%として反応を停止
させることにより、テトラ(メタ)アクリルエステルの
生成量を抑制することが可能であることが示されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
特許に従って反応を実施した場合、オリゴマー類の生成
量が増加し、テトラ(メタ)アクリルエステルの生成量
は少ないものの、高純度・高収率の目的物を得ることは
不可能であった。
【0008】本発明が解決しようとする課題は、テトラ
(メタ)アクリルエステルの生成量を抑制し、反応生成
物が室温で液体状態を保ち、かつ、高純度・高収率なペ
ンタエリスリトール(メタ)アクリルエステルの製法を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記従来
のペンタエリスリトール(メタ)アクリルエステルの製
法に関する課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ペ
ンタエリスリトールと(メタ)アクリル酸とのエステル
化反応において、第1段階で生成水を反応系に留めた状
態で反応を実施した後、次の第2段階で反応温度を第1
段階より低い温度に設定して、生成水を反応系から除去
して反応を完結させることにより、テトラアクリルエス
テルの生成量を抑制して室温で液体状態を保ちかつ、高
純度・高収率なペンタエリスリトール(メタ)アクリル
エステルを得ることが可能なことを見い出し、本発明を
完成するに至った。
【0010】即ち、本発明は上記課題を解決するため
に、ペンタエリスリトールと(メタ)アクリル酸とを、
触媒と重合防止剤及び有機溶媒の存在下にエステル化す
るペンタエリスリトール(メタ)アクリルエステルの製
造方法において、(1)80〜90℃の温度内に達した
時点からこの温度範囲を保ちながら、生成水を反応系に
留めた状態で10分〜3時間反応させる第1段階、
(2)反応温度を第1段階の反応温度よりも低い温度に
設定して、生成水を反応系から除去する第2段階から成
ることを特徴とするペンタエリスリトール(メタ)アク
リルエステルの製造方法を提供する。
【0011】本発明の製造方法における特徴は、第1段
階で生成水を反応系に留めた状態で反応を実施すること
により、原料のペンタエリスリトールの溶解を促進し、
次の第2段階で反応温度を第1段階より低い温度に設定
して、生成水を反応系から除去して反応を完結させるこ
とにより、テトラアクリルエステルの生成量が抑制され
て室温で液体状態となり、かつ高純度・高収率なペンタ
エリスリトール(メタ)アクリルエステルを得ることが
可能となる点にある。
【0012】本発明で用いるエステル化触媒としては、
エステル化反応に対して触媒機能を有する化合物であれ
ばよく、例えば、硫酸、燐酸等の無機酸類;ベンゼンス
ルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の芳香族スルホン
酸類;メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン
酸等の脂肪族スルホン酸類;酸性イオン交換樹脂等が挙
げられるが、重合防止機能と触媒機能を併せ持つ水溶性
の化合物と該化合物以外の水溶性の触媒化合物とを併用
することが、触媒量と重合防止剤量を低下させることが
でき、副反応を抑制し、かつ触媒の除去が容易という点
で好ましい。
【0013】本発明で用いるエステル化触媒機能と重合
防止機能を併せもつ水溶性の化合物(A)としては、例
えば、フェノール性水酸基、アミノ基、ニトロ基、ニト
ロソ基等の官能基を有する酸類又はその塩等が挙げられ
る。これらのなかで好ましいものとしては、フェノール
性水酸基、アミノ基、ニトロ基及びニトロソ基からなる
群から選ばれる1種以上の官能基を有する芳香族スルホ
ン酸類が挙げられる。
【0014】上記芳香族スルホン酸類としては、例え
ば、フェノール−2−スルホン酸、フェノール−3−ス
ルホン酸、フェノール−4−スルホン酸、2−メチル−
1−フェノール−4−スルホン酸、2−メチル−1−フ
ェノール−6−スルホン酸、3−メチル−1−フェノー
ル−4−スルホン酸、3−メチル−1−フェノール−6
−スルホン酸、4−メチル−1−フェノール−6−スル
ホン酸、2−tert−ブチル−1−フェノール−4−
スルホン酸、2−tert−ブチル−1−フェノール−
6−スルホン酸、2,6−ジメチル−1−フェノール−
4−スルホン酸、2,3−ジメチル−1−フェノール−
4−スルホン酸、2,3−ジメチル−1−フェノール−
6−スルホン酸、2,4−ジメチル−1−フェノール−
6−スルホン酸、2,5−ジメチル−1−フェノール−
4−スルホン酸、2,5−ジメチル−1−フェノール−
6−スルホン酸、ハイドロキノン−2−スルホン酸、ハ
イドロキノン−2,5−ジスルホン酸、カテコール−4
−スルホン酸、カテコール−6−スルホン酸、カテコー
ル−3,5−ジスルホン酸、カテコール−3,6−ジス
ルホン酸、カテコール−4,5−ジスルホン酸、ピロガ
ロール−4−スルホン酸、ピロガロール−5−スルホン
酸、2−ニトロ−1−フェノール−4−スルホン酸、2
−ニトロ−1−フェノール−6−スルホン酸、2−ニト
ロソ−1−フェノール−4−スルホン酸、2−ニトロソ
−1−フェノール−6−スルホン酸、ポリ(4−ビニル
−1−フェノール−2−スルホン酸)、ポリ(2−ビニ
ル−1−フェノール−4−スルホン酸)、ナフトハイド
ロキノン−2−スルホン酸、ナフトハイドロキノン−5
−スルホン酸、ナフトハイドロキノン−6−スルホン
酸、2−ニトロソ−1−フェノール−4−スルホン酸、
2−ニトロソ−1−フェノール−6−スルホン酸、2−
ニトロソ−1−ナフトール−4−スルホン酸、2−ニト
ロソ−1−ナフトール−5−スルホン酸、2−ニトロソ
−1−ナフトール−6−スルホン酸、2−ニトロソ−1
−ナフトール−7−スルホン酸、2−ニトロソ−1−ナ
フトール−8−スルホン酸等のフェノール性水酸基含有
芳香族スルホン酸系化合物、2−アミノ−1−フェノー
ル−4−スルホン酸、2−アミノ−1−フェノール−6
−スルホン酸、3−アミノ−1−フェノール−4−スル
ホン酸、3−アミノ−1−フェノール−6−スルホン
酸、4−アミノ−1−フェノール−6−スルホン酸、フ
ェニレンジアミンスルホン酸類、ニトロアニリンスルホ
ン酸類、ニトロソアニリンスルホン酸類、アミノナフト
ールスルホン酸類等のアミノ基含有芳香族スルホン酸系
化合物等が挙げられ、これらは単独で用いても、複数を
組み合わせて使用してもよい。
【0015】これらの中で、触媒機能と重合防止機能が
高く、これらのバランスが良好で、しかも水に対する溶
解性に優れている点で、低級アルキル基及びフェノール
性水酸基を有する芳香族スルホン酸類(ここで、低級ア
ルキル基は炭素原子数1〜4のアルキル基を示す)、例
えば、2−メチル−1−フェノール−4−スルホン酸、
2−メチル−1−フェノール−6−スルホン酸、2−t
ert−ブチル−1−フェノール−4−スルホン酸、
2,6−ジメチル−1−フェノール−4−スルホン酸、
2,3−ジメチル−1−フェノール−4−スルホン酸、
2,3−ジメチル−1−フェノール−6−スルホン酸、
2,4−ジメチル−1−フェノール−6−スルホン酸、
2,5−ジメチル−1−フェノール−4−スルホン酸、
2,5−ジメチル−1−フェノール−6−スルホン酸等
の芳香族スルホン酸類が挙げられる。
【0016】本発明における触媒機能と重合防止機能と
を併せもつ水溶性の化合物(A)の添加量は、(メタ)
アクリル酸とペンタエリスリトールの総重量100重量
部に対して、0.005〜10重量部の範囲が好まし
く、0.1〜2重量部の範囲が特に好ましい。
【0017】本発明で用いる上記エステル化触媒機能と
重合防止機能とを併せもつ水溶性の化合物以外の水溶性
のエステル化触媒(B)としては、例えば、上記触媒機
能と重合防止機能とを併せもつ水溶性の化合物以外の酸
性化合物、なかでも鉱酸類、ハロゲン化カルボン酸類、
スルホン酸類等の水溶性を有する強酸性化合物、特に鉱
酸類や芳香族スルホン酸類が好ましい。
【0018】上記鉱酸類としては、例えば、硫酸、クロ
ル硫酸、フロオロ硫酸、発煙硫酸、燐酸、塩酸等が、芳
香族スルホン酸類としては、例えば、ベンゼンスルホン
酸、o−トルエンスルホン酸、m−トルエンスルホン
酸、p−トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸類等
がそれぞれ挙げられ、これらは単独で用いても、複数を
組み合わせて用いてもよい。
【0019】これらの触媒化合物の中でも、エステル化
触媒機能と水に対する溶解性が共に優れている点で、ベ
ンゼンスルホン酸とp−トルエンスルホン酸の如きp位
にメチル基を有していても良いベンゼンスルホン酸が特
に好ましい。
【0020】本発明で用いる上記触媒機能と重合防止機
能とを併せもつ水溶性の化合物以外の水溶性の触媒化合
物(B)の添加量は、(メタ)アクリル酸とペンタエリ
スリトールの合計100重量部に対して、0.1〜10
重量部の範囲が好ましく、0.5〜6重量部の範囲が特
に好ましい。
【0021】本発明で用いる上記エステル化触媒機能と
重合防止機能とを併せもつ水溶性の化合物(A)以外の
水溶性の重合防止剤としては、例えば、遷移金属の粉
末、遷移金属の酸化物、遷移金属の塩化物、硫酸塩、硝
酸塩、酢酸塩、蓚酸塩の如き遷移金属の塩等が挙げられ
るが、通常は、易水溶性である遷移金属の塩化物、硫酸
塩又は硝酸塩を用いる。上記遷移金属の種類としては、
重合防止機能を有する遷移金属であればよく、例えば、
銅、マンガン、鉄、セリウム等が挙げられるが、通常、
銅、マンガン又は鉄を用いる。これらの化合物は単独で
用いても、組み合わせて用いてもよい。具体例として
は、塩化第1銅、硫酸銅、硝酸銅、塩化マンガン、硫酸
マンガン、硝酸マンガン、塩化第1鉄、硫酸第1鉄、硝
酸第1鉄等が挙げられる。
【0022】本発明における重合防止剤の添加量は、通
常反応系内の重合防止剤の濃度が50〜2000ppm
の範囲となる量が好ましく、100〜1000ppmの
範囲となる量が特に好ましい。
【0023】本発明で用いる(メタ)アクリル酸として
は、アクリル酸、メタクリル酸が挙げられる。
【0024】本発明における(メタ)アクリル酸の使用
量は、特に制限されないが、ペンタエリスリトール1モ
ルに対して、1.0〜5.0モルの範囲が好ましく、
3.0〜4.0モルの範囲が特に好ましい。(メタ)ア
クリル酸の使用量が、ペンタエリスリトール1モルに対
して、1.0モルよりも少ない場合には、反応の進行が
遅く、かつ、低収率となる傾向にあり、また、(メタ)
アクリル酸の使用量が、ペンタエリスリトール1モルに
対して、5.0モルよりも多い場合には、テトラアクリ
ルエステル及びオリゴマー類の生成量が急激に増加する
傾向にあるために好ましくない。
【0025】本発明における脱水エステル化反応は、有
機溶媒中あるいは無溶媒にて行うことができるが、反応
の制御や反応水の除去等が容易なことから通常は有機溶
媒中で行う。ここで用いる有機溶媒としては、例えば、
ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキ
サン、ヘプタン、オクタン、ノナン、メチルシクロヘキ
サン等、水と混合した際に水と相分離し、かつ水と共沸
可能なもので、その沸点が60〜140℃の範囲にある
ものが通常使用され、これらの中でも、(メタ)アクリ
ルエステルや前記触媒化合物の溶解性に優れることから
芳香族炭化水素、特にトルエンが好ましい。これらの溶
媒は単独でも混合したものでも使用可能で、溶媒が原料
であるアルコール類と相溶しなかったり、これらを溶解
し得ないものであっても使用できる。添加量は(メタ)
アクリル酸とペンタエリスリトールの合計100重量部
に対して、通常、0〜300重量部の範囲が好ましく、
20〜150重量部の範囲が特に好ましい。
【0026】本発明の第1段階では、加熱を開始して、
反応系内が一定温度に達した時点から、この温度範囲を
保ちながら、エステル化反応により生成した水(生成
水)を反応系に留めた状態で10分〜3時間反応を実施
する。生成水を反応系に留めた状態で反応を進行させる
ことにより、原料のペンタエリスリトールが生成水に溶
解し、その結果、ペンタエリスリトールの反応を促進さ
せることが可能となる。
【0027】本発明の第1段階での反応温度は、溶剤と
生成水とが共沸しない温度であり、かつ、適切な反応速
度を得るためには、60〜100℃の範囲が好ましく、
80〜95℃の範囲が特に好ましい。反応は、減圧状態
でも実施可能であり、上記の温度範囲内であって溶剤と
生成水が共沸しない状態であればよい。
【0028】本発明の第1段階での反応時間は、10分
〜3時間の範囲が好ましく、20分〜1時間の範囲が特
に好ましい。反応時間が10分よりも短い場合には、生
成水の量が少ないため、ペンタエリスリトールの溶解に
時間を要し、結果としてテトラアクリルエステルの生成
量が増加する傾向にあるので好ましくない。また、これ
より反応時間が長い場合には、反応が平衡状態に近づく
ため、進行が遅くなり、かつ、オリゴマーの生成量が増
加して目的物の純度が低下する傾向にあるので好ましく
ない。
【0029】本発明の第2段階での反応温度は、第1段
階よりも低い温度で実施する。第2段階での反応では、
溶剤と生成水とが共沸可能であり、さらにテトラアクリ
ルエステルの生成を抑制し、かつ、以下の適切な反応温
度とするために、減圧度を調整する。第2段階の反応温
度は、50〜90℃の範囲が好ましく、60〜75℃の
範囲が特に好ましい。第2段階の反応は、常圧下でも実
施可能であるが、その場合には、上記の最適温度範囲内
で生成水と共沸可能な沸点を有する溶媒を選択する必要
がある。
【0030】本発明の第2段階での反応時間は、2〜1
2時間の範囲が好ましく、4〜8時間の範囲が特に好ま
しい。第2段階の反応時間が2時間よりも短い場合に
は、反応が完結し難い傾向にあるために好ましくない。
この場合、水に可溶なため反応後の水洗精製時に消失し
やすいジアクリルエステル及びモノアクリルエステルが
多量に生成するため、収率の低下を招く結果となる。ま
た、第2段階の反応時間が12時間よりも長い場合に
は、テトラアクリルエステル及びオリゴマー類の生成量
が増加する傾向にあるため好ましくない。
【0031】上記に述べたように、第2段階での反応温
度を第1段階よりも低い温度で実施することによって、
高純度の目的物を得ることが可能となるのであって、第
2段階での反応温度を第1段階と同じか又は高い温度と
した場合には、収率及び純度が急激に低下する結果とな
る。
【0032】本発明における反応では、(メタ)アクリ
ル酸や生成した(メタ)アクリル酸エステルの重合を防
ぐために酸素又は酸素と不活性ガスの混合物、例えば、
空気や酸素/アルゴン混合ガスを全反応時間にわたり反
応液中及び/又は反応液面上に導入すると重合防止効果
が更に良好となる。この場合、酸素と不活性ガスの混合
比は特に限定されないが、引火爆発防止の安全性の点か
ら酸素含有率5〜13容量%の不活性ガスの使用が好ま
しい。また、このガスの流量は、重合防止効果を損なわ
ない範囲の流量であれば限定されないが、経済性の点で
仕込み(メタ)アクリル酸1モルに対して0.1〜10
ml/分の範囲が好ましい。
【0033】この際、酸素又は酸素と不活性ガスの混合
物を、反応液中になるべく微細な気泡となるように吹き
込むことにより、重合防止効果の効率が高くなり、か
つ、エステル化反応によって生成する水が速やかに除か
れる点で好ましく、また接触界面近傍の気相中に吹き込
むと反応容器表面と反応液と気相の接触領域での重合を
防止する点で好ましい。いずれにせよ、系中への酸素又
は酸素と不活性ガスの混合物の吹き込みは、液中であ
れ、気相であれ、エステル化反応中におけるアクリル性
二重結合部の重合を防止でき、エステル化反応を促進さ
せる方向に働くため、エステル化反応の際に併用実施す
ることが好ましい。
【0034】反応終了後、水洗、蒸留等の公知の方法に
よって精製工程を実施する。通常、反応生成物を水洗し
て、触媒及び重合防止剤等を除去し、次に、アルカリ水
溶液による洗浄で未反応の(メタ)アクリル酸を除去し
た後、水洗する。更に、必要に応じて、脱溶媒を行っ
て、目的のペンタエリスリトールアクリルエステルを得
ることができる。
【0035】反応生成物の洗浄の方法は、特に限定され
るものではなく、攪拌、抽出等一般に用いられる方法の
何れを用いても差し支えなく、洗浄に用いる水の量、洗
浄回数等も必要に応じて変化させることができる。尚、
洗浄に用いる水は反応系から分離して得られる生成水で
充分である。
【0036】本発明において生成水による洗浄で得られ
た洗浄水には、水溶性の重合防止剤及び/又は触媒と未
反応の(メタ)アクリル酸とを含まれるため、そのまま
水溶液の状態で、濃縮して濃厚水溶液とした状態で、あ
るいは蒸発乾固した状態で、それぞれ反応に再利用する
ことも可能である。
【0037】本発明のペンタエリスリトール(メタ)ア
クリルエステルの製造方法においては、反応水を用いた
水洗を終えた後、残留した未反応の(メタ)アクリル
酸、はアルカリ水溶液による洗浄により除去可能であ
る。アルカリ水溶液により洗浄した後、中性塩類の水溶
液による洗浄及び/又は水による洗浄することにより、
製品の色相等の品質が良いものが得られる。特に、未反
応の(メタ)アクリル酸をアルカリ水溶液により洗浄し
て除去した後、高分子量の副生成物等を中性塩類の水溶
液により洗浄して除去し、更に必要により水洗を併用す
る方法は、製品のろ過特性を改善するという点で好まし
い。
【0038】この際、洗浄の方法は、混合洗浄が容易に
なされれば、特に限定されるものではなく、攪拌、抽
出、遠心分離等の一般に用いられる方法の何れを用いて
も差し支えない。また、必要に応じて、反応液中に残留
した(メタ)アクリル酸や溶媒を、抽出や蒸留等の方法
によって回収した後、上記洗浄法と組み合わせる精製方
法も有効である。
【0039】アルカリ水溶液を用いた洗浄に用いるアル
カリ水溶液濃度は、アルカリ塩が溶解している濃度であ
れば使用可能であるが、0.5〜25重量%の水溶液が
好ましい。また、アルカリ水溶液の使用量は、反応水に
よる水洗を終えた反応液の中和当量に対して、0.8〜
2.0倍量のアルカリを含む水溶液量が好ましく、1.
0〜1.2倍量のアルカリを含む水溶液量がより好まし
い。この際、アルカリ水溶液は、一括して添加しても良
く、分割して添加しても良い。
【0040】洗浄に用いるアルカリ水溶液に使用可能な
アルカリ類としては、水溶性のアルカリであれば特に限
定されるものではなく、例えば、アルカリ金属類の水酸
化物、炭酸塩、燐酸塩、又はアルカリ土類金属類の水酸
化物、炭酸塩、燐酸塩等が挙げられ、それらの中でも、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、
炭酸カリウムが好ましく、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウムが特に好ましい。
【0041】中性塩類の水溶液による洗浄では、中性塩
類濃度は中性塩が溶解している濃度であれば使用可能で
あるが、0.5〜25重量%の範囲の水溶液が好まし
い。また、中性塩類の水溶液の使用量は、アルカリ水溶
液による洗浄を終えた反応液100重量部に対して、1
〜200重量部の範囲が好ましく、5〜50重量部の範
囲が特に好ましい。
【0042】中性塩類の水溶液による洗浄において使用
可能な中性塩類としては、水溶性の中性塩類のであれば
特に限定されるものではないが、例えば、アルカリ金属
類の硫酸塩、塩酸塩、硝酸塩、又はアルカリ土類金属類
の硫酸塩、塩酸塩、硝酸塩等が挙げられ、これらの中で
も、アルカリ金属の硫酸塩が好ましく、硫酸ナトリウ
ム、硫酸カリウムが特に好ましい。
【0043】水洗を行なう際の水の使用量は、アルカリ
水溶液による洗浄を終えた反応液又は中性塩類の水溶液
による洗浄を終えた反応液100重量部に対して、1〜
200重量部の範囲が好ましく、5〜50重量部の範囲
が特に好ましい。
【0044】有機溶媒中で脱水エステル化反応させた場
合には、水洗後、例えば、有機溶媒を留去することによ
り精製(メタ)アクリル酸エステルが得られる。有機溶
媒の留去は、減圧又は常圧のいずれの条件下で実施して
もよいが、生成物の重合反応を抑制するため、通常、減
圧下に、重合防止剤を添加して実施するが、この際、酸
素含有率5〜13容量%の不活性ガス雰囲気下で実施す
る方法がより好ましい。
【0045】ここで用いる重合防止剤の種類としては、
例えば、ハイドロキノン、メトキノン等のフェノール系
化合物が主に使用されるが、変性着色が無い点において
メトキノンが特に好ましく用いられる。その添加量は、
得られた(メタ)アクリル酸エステルの種類にもよる
が、通常、5〜5000ppmの範囲が好ましく、50
〜2500ppmの範囲が特に好ましい。
【0046】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を具
体的に説明するが、本発明の内容は、これらの実施例に
限定されるものではない。また、例中の収率は、用いた
ペンタエリスリトール量に対して、テトラアクリルエス
テルとトリアクリルエステルの生成に消費されたペンタ
エリスリトール量の割合を百分率換算した数値で示し
た。
【0047】(実施例1)還流冷却器、水分離器、空気
導入管、温度計及び攪拌器を付けた容量3Lのガラス製
四つ口フラスコに、アクリル酸1,296g(18.0
モル)、ペンタエリスリトール680g(5.0モ
ル)、3−ヒドロキシ−4−メチル−ベンゼンスルホン
酸39.5g(0.21モル)、p−トルエンスルホン
酸79.0g(0.46g)、硫酸銅0.98g、さら
に溶媒としてトルエン790.4gをそれぞれ仕込ん
だ。次に、このフラスコ中に7%酸素濃度窒素ガスを3
0ml/分で吹き込みながらフラスコ内の加熱を開始し
て、内溶液を攪拌した。内容物は1時間で90℃に達し
た。この温度で0.5時間加熱攪拌した後、系内を60
0mmHgの減圧にして、反応温度を0.5時間かけて65
℃に下げ、4時間反応を実施した。この間、生成水を除
去するために徐々に減圧度を上げ、最終的に200mmHg
とした。
【0048】反応終了後、直ちに室温まで冷却し、次い
でこの反応液に、エステル化反応時に脱水され分離され
た反応水の107g(アクリル酸含有)を加えて10分
間攪拌した後、30分間静置して2層に層分離したこと
を確認した後、下層の洗浄水を下から抜き取ることによ
り上層の溶液を分離して粗アクリルエステルを得た。
【0049】得られた粗アクリルエステルに20%水酸
化ナトリウム水溶液181gを加え10分間攪拌した
後、30分間静置して2層に分離したことを確認した
後、下層を分離除去し、この操作をもう一度反復した。
【0050】次いで、これに7%硫酸ナトリウム水溶液
250gを加えて攪拌した後、静置して後、2層に層分
離したことを確認した後、下層を分離除去した。更に7
%硫酸ナトリウム水溶液250gに代えて、水250g
を用いた以外は同様の攪拌、静置後、下層を分離除去し
た。この操作をもう一度繰り返して、ペンタエリスリト
ールアクリルエステルの混合物を86%の収率で得た。
この混合物のトリアクリルエステルとテトラアクリルエ
ステルの含有率(純度)は、89%でトリアクリルエス
テルとテトラアクリルエステルとの生成比は、ガスクロ
マトグラフ分析による重量比で1.51であった。
【0051】(実施例2〜4)第1段階及び第2段階の
反応温度と反応時間を表1に示した温度、時間で実施し
た以外は、実施例1と同様にして実験を行った。結果を
表1に示した。
【0052】(比較例1〜2)第1段階及び第2段階の
反応温度と反応時間を表1に示した温度、時間で実施し
た以外は、実施例1と同様にして実験を実施した。結果
を表1に示した。
【0053】
【表1】
【0054】上表中、「トリ/テトラ比」とは、トリア
クリルエステルとテトラアクリルエステルとの生成比を
示す。
【0055】(実施例5)実施例1において、硫酸銅に
代えて硫酸マンガン0.93gを用いた以外は、実施例
1と同様にしてペンタエリスリトールアクリルエステル
の混合物を84%の収率で得た。この混合物のトリアク
リルエステルとテトラアクリルエステルの含有率(純
度)は、88%でトリアクリルエステルとテトラアクリ
ルエステルとの生成比は、ガスクロマトグラフ分析によ
る重量比で1.51であった。
【0056】(実施例6)実施例1において、硫酸銅に
代えて酢酸鉄1.12gを用いた以外は、実施例1と同
様にしてペンタエリスリトールアクリルエステルの混合
物を88%の収率で得た。この混合物のトリアクリルエ
ステルとテトラアクリルエステルの含有率(純度)は、
86%でトリアクリルエステルとテトラアクリルエステ
ルとの生成比は、ガスクロマトグラフ分析による重量比
で1.44であった。
【0057】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、生成水を反
応系に留めた状態で10分〜3時間反応を実施した後、
次の第2段階で反応温度を第1段階より低い温度に設定
して、生成水を反応系から除去して反応を完結させるこ
とにより、室温で液体状体を保つことが可能なトリアク
リルエステル/ペンタアクリルエステル比で、かつ、高
収率・高純度なペンタエリスリトール(メタ)アクリル
エステルを得ることが可能となる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ペンタエリスリトールと(メタ)アクリ
    ル酸とを、触媒と重合防止剤及び有機溶媒の存在下にエ
    ステル化するペンタエリスリトール(メタ)アクリルエ
    ステルの製造方法において、(1)80〜90℃の温度
    内に達した時点からこの温度範囲を保ちながら、生成水
    を反応系に留めた状態で10分〜3時間反応させる第1
    段階、(2)反応温度を第1段階の反応温度よりも低い
    温度に設定して、生成水を反応系から除去する第2段階
    から成ることを特徴とするペンタエリスリトール(メ
    タ)アクリルエステルの製造方法。
  2. 【請求項2】 第1段階の反応時間において、80〜9
    5℃の温度範囲内に達した時点からこの温度範囲に保ち
    ながら、20分〜1時間反応させることを特徴とする請
    求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 第2段階の反応温度が、60〜75℃に
    ある請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 (メタ)アクリル酸とペンタエリスリト
    ールとの使用割合がモル比で3.0:1.0〜4.0:
    1.0の範囲にある請求項1、2又は3記載の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 触媒及び重合防止剤として、重合防止機
    能とエステル化触媒機能とを併せ持つ水溶性の化合物
    (A)、該化合物(A)以外の水溶性エステル化触媒
    (B)、該化合物(A)以外の水溶性重合防止剤を用い
    る請求項1、2、3又は4記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 化合物(A)が、低級アルキル基及びフ
    ェノール性水酸基を有する芳香族スルホン酸誘導体であ
    り、化合物(B)が、p位にメチル基を有していても良
    いベンゼンスルホン酸であり、化合物(C)が銅、マン
    ガン又は鉄の塩化物、硫酸塩又は硝酸塩から成る群から
    選ばれることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又
    は6記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 有機溶媒が、芳香族炭化水素である請求
    項1、2、3、4、5又は6記載の製造方法。
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