JPH08219393A - ガスボンベ - Google Patents

ガスボンベ

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JPH08219393A
JPH08219393A JP7051779A JP5177995A JPH08219393A JP H08219393 A JPH08219393 A JP H08219393A JP 7051779 A JP7051779 A JP 7051779A JP 5177995 A JP5177995 A JP 5177995A JP H08219393 A JPH08219393 A JP H08219393A
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fiber
frp
resin
elongation
outer shell
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JP7051779A
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Akihiko Kitano
彰彦 北野
Masayoshi Yamagiwa
昌好 山極
Yasushi Iida
靖 飯田
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 FRP製外殻の90度クラックの発生を抑制
し、耐環境性、耐久性に優れたガスボンベを提供する。 【構成】 ガスバリア性を有する内殻2と、該内殻2を
覆うように設けた耐圧性のFRP製外殻3とを有するガ
スボンベであって、外殻3を構成するFRPのM値(繊
維方向における伸度/繊維方向に対して直角の方向にお
ける伸度)が2以下であることを特徴とするガスボン
ベ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種のガスボンベ、特
に自動車等に搭載するのに好適なガスボンベに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、米国その他の諸外国で、天然ガス
を燃料とする自動車が低公害車として注目されている。
そのような自動車には、一般にCNGタンク(Comp
ressed Natural Gas Tank)と
呼ばれるガスボンベが搭載される。
【0003】そのような自動車用ガスボンベは、従来、
スチールやアルミニウム合金等の金属で作られている
が、金属製のものは重く、燃費を低下させる。加えて、
天然ガスの単位重量あたりの発熱量はガソリンの半分程
度にすぎないから、無補給で走行できる距離をガソリン
車並に高めようとするとガソリンの場合の約2倍もの天
然ガスを搭載しなければならず、これがまた車両総重量
を増大させ、燃費を低下させている。そのため、燃費向
上の一策として、ガスボンベの軽量化が検討されてい
る。
【0004】ところで、特公平5−88665号公報に
は、ガスバリア性を有するプラスチック製の内殻を、耐
圧性のFRP(繊維強化プラスチック)製外殻で覆って
いるガスボンベが記載されている。このガスボンベは、
本質的にプラスチックからなるものであるから金属製の
ものにくらべてかなり軽量であり、これを自動車用の天
然ガスボンベとして用いると、燃費の向上が期待でき
る。
【0005】このようなガスボンベにおいては、FRP
製外殻に関して、一般に、補強繊維の配列方向に対して
直角の方向(以下、繊維直角方向とも言う。)における
伸度は、補強繊維の配列方向(以下、繊維方向とも言
う。)における伸度よりも低いので、この方向に過大な
歪が生じた場合補強繊維を切断しない樹脂内部や繊維近
傍のクラック(以下、慣習上「90度クラック」と呼
ぶ。)が発生することがある。とくに、ガスボンベを、
加圧、減圧を長期にわたって繰り返して使用すると、9
0度クラックがより多く発生することがある。
【0006】FRP製ガスボンベにこのような90度ク
ラックが発生すると、そのクラックに水、酸やアルカリ
溶剤などが侵入してクラックが拡大されたり、内殻まで
達して内殻を腐食させたりして、ボンベの破壊やガス漏
れの原因となるおそれがある。さらに90度クラック
は、そのクラック先端に高い剪断力を生じるので、FR
P内における層間剥離や内殻からのFRP層の剥離の原
因ともなり、ガスボンベの耐圧性能を低下させるおそれ
がある。また、内殻まで高い剪断力が及ぶと、内殻のガ
スバリア性能を低下させるおそれもある。
【0007】これ程重大な特性にもかかわらず、ガスボ
ンベの設計に関して、繊維方向の安全率についての規格
はあるものの(たとえば、米国ANSI(Americ
anNational Standard Insti
tute/NGV−2(1992))では、炭素繊維の
場合は2.25、ガラス繊維の場合は3.5)、繊維直
角方向の安全率についての規格は見当たらず、繊維直角
方向の伸度に注目した容器の先行文献も見当たらない。
但し、クラックに関しては、ボイドが発生源であると考
えて、ボイドの低減を目的とした公知例はある(たとえ
ば米国特許第4,438,858号公報)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のような従来技術の現状に鑑み、とくにFRP製外殻の
90度クラックの発生を抑制し、耐環境性、耐久性に優
れたガスボンベを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的に沿う本発明の
ガスボンベは、ガスバリア性を有する内殻と、該内殻を
覆うように設けた耐圧性のFRP製外殻とを有するガス
ボンベであって、前記外殻を構成するFRPのM値(繊
維方向における伸度/繊維方向に対して直角の方向にお
ける伸度)が2以下であることを特徴とするものからな
る。
【0010】図1は、本発明の一実施態様に係るガスボ
ンベを示している。図1において、ガスボンベ1は、ガ
スバリア性を有する内殻2と、この内殻2を覆うように
設けた耐圧性のFRP製外殻3とを有する。このガスボ
ンベ1は、全体として胴部Aと、それに続く鏡板部B
と、ノズル取付用の口金4およびそれに装着されたノズ
ル5と、反対側に設けられたボス6とを有している。
【0011】上記において、内殻2は、ガス漏れを防ぐ
作用をもつ。また、後述するように耐圧性の外殻を形成
するときの芯体としても作用する。
【0012】この内殻2は、たとえばポリエチレン樹
脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ABS樹
脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリアセタール
樹脂、ポリカーボネート樹脂等の樹脂で作られている。
耐衝撃性に優れるという意味では、ABS樹脂が好まし
い。そのような樹脂製の内殻2は、たとえば、周知のブ
ロー成形法によって製造でき、ブロー成形の際に口金4
と一体的に結合できる。複合ブロー成形法を用い、ガス
シール性に優れる、たとえばポリアミド樹脂の層を、剛
性に優れる、たとえば高密度ポリエチレン樹脂の層で挟
んだ多層構造とすることもできる。また、内殻2は、F
RPで作られていてもよい。そのようなFRP製の内殻
2は、たとえば、後述するような、外殻3に用いる補強
繊維の、繊維長2〜10mm程度の短繊維を含む樹脂を
射出成形することによって製造することができる。さら
に、内殻2は金属、たとえば薄いアルミニウム合金やマ
グネシウム合金等の軽合金から構成されていてもよい。
【0013】内殻2は、上述したようにガス漏れを防ぐ
作用をもっている。かかる作用を向上させるために、内
表面および/または外表面にガスバリア層を形成するの
も好ましい。たとえば、ブロー成形に際して吹込ガスと
してフッ素を含む窒素ガスを用いると、内殻2の内表面
にフッ素樹脂の被膜からなるガスバリア層を形成するこ
とができる。また、外表面に銅、ニッケル、クロム等の
金属のメッキ被膜を形成してガスバリア層とすることも
できる。金属メッキ被膜の形成は、電解メッキ法や無電
解メッキ法によることができる。内殻2を複合ブロー成
形法によって製造する場合、内側にガスバリア性に優れ
たポリアミド樹脂等の層を配し、外側に、易メッキ性
の、たとえばABS樹脂の層を配して金属メッキ被膜の
成形を容易にすることもできる。
【0014】内殻には、また、その内面に2.5〜5c
m程度の間隔で周方向に延びるリング状のリブを設ける
ことができる。そのような内殻は、たとえば、リブ付の
プラスチック製の半割の内殻を作り、それらを接合、一
体化することによって得ることができる。このリブは、
内殻の強度を向上させ、後述するFRPの外殻の形成時
における内殻の変形を防ぎ、外殻を形成するFRP層の
補強繊維の蛇行や偏在による外殻の強度低下や強度のば
らつき、ひいては耐圧性能の低下を防ぐのに役立つ。
【0015】一方、外殻3は、耐圧性能をもたせると同
時に、ガスボンベ1全体の軽量化をはかるという観点か
ら、FRPで構成されている。そのようなFRP製の外
殻3は、上述した内殻2を、いわゆるマンドレルとし
て、その周りに周知のフィラメントワインディング法や
テープワインディング法によって樹脂を含む補強繊維糸
の巻層を形成し、成形することによって構成することが
できる。このとき、内殻2の外表面を平均高さが10〜
200μm程度の粗面に形成しておくと、ワインディン
グ時における補強繊維糸の滑りを防止でき、補強繊維の
分布の乱れを少なくできるので好ましい。
【0016】外殻3を構成するFRPの繊維直角方向の
伸度は、1.2%以上であることが好ましい。繊維直角
方向に1.2%という伸度は、後述の繊維体積含有率と
樹脂の伸度からしてかなり高い値であり、ボンベの重量
が増えることを覚悟して、極端に少ない補強繊維を含有
するFRPとするか、極端に伸度の大きい樹脂を使うこ
とも考えられるが、前者の場合は外殻にFRPを使う意
味がなくなるおそれがあり、後者の場合はゴムなどの材
料となり、耐熱性が落ちてやはり外殻には使えない。
【0017】FRPの補強繊維として用いる繊維として
は、ガラス繊維(E−ガラス、S−ガラスなど)、炭素
繊維(PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維など)、有
機繊維(アラミド繊維、ポリエチレン繊維など)があ
る。これら繊維を合糸したいわゆるハイブリッド繊維と
してもよい。
【0018】また、加圧時の外殻FRPの変形が大きい
と、繊維直角方向の変位も大きくなり、90度クラック
が発生しやすいので、変形の小さい高弾性率繊維である
炭素繊維が好ましい。さらに、炭素繊維は比強度(=強
度/密度)が高いという特性を併せもつのでボンベを軽
量化できるというメリットもある。
【0019】炭素繊維は、実質的に炭素元素だけからな
る繊維状の炭素材料であり、原料であるポリアクニロニ
トリルを加熱焼成して得られるPAN系炭素繊維と、ピ
ッチを原料とするピッチ系炭素繊維がある。中でも、P
AN系の炭素繊維は比強度が高く好ましい。
【0020】また、繊維には、樹脂との接着を良好にし
て、繊維と樹脂界面からのクラックを防止する目的で、
表面処理を施すことが好ましい(たとえば炭素繊維で
は、酸やアルカリによる電解処理など)。さらに、接着
の不足が懸念される場合には、適当なカップリング剤や
サイジング剤を繊維表面に塗布することが好ましい。炭
素繊維に塗布するサイジング剤としては、マトリックス
樹脂をベースとする水溶媒系または有機溶媒系のものが
好ましい。また、繊維の毛羽の発生を抑えるという目的
を併せもたせてもよい。
【0021】また、補強繊維の含有率については、ボン
ベを軽量化するためには、繊維体積含有率(Vf)は大
きい方が好ましいが、補強繊維含有による強度向上効果
および90度クラック発生防止効果等を総合的に勘案す
ると、40%≦Vf≦70%が好ましい。Vf<40%
だと軽量化効果が少なくなるし、Vf>70%では繊維
同士が接触する確率が大きくなり、強度利用率が低下す
る可能性があるからである。強度と重量のバランスとい
う点では、50%≦Vf≦60%であることがより好ま
しい。
【0022】フィラメントワインディング法でVfを高
くするには、テンションコントロールすることが好まし
く、開繊性に優れる扁平糸を用いるとよい。また、補強
繊維のフープ巻は、その層自体が高Vfとなりやすいだ
けでなく、フープ巻の内側の層(すでにワインドした
層)のVfをも高くすることができるので(樹脂を絞り
出す効果があるため)、フープ巻を多用することも好ま
しい。
【0023】外殻FRPのマトリックス樹脂として用い
る樹脂としては、エポキシ樹脂、変性エポキシ、ポリエ
ステル、ビニルエステル樹脂、または熱可塑性樹脂等が
ある。このマトリックス樹脂の伸度は、前記の繊維体積
含有率と同様、FRPの繊維直角方向の伸度に大きく影
響するので、4%以上であることが好ましい。なぜなら
ば、樹脂の弾性率は数GPa(エポキシならば2〜4G
Pa程度)であり、補強繊維(たとえば、ガラス繊維が
30GPa程度、炭素繊維は100GPa程度)よりも
一桁小さく、したがって、FRPが繊維直角方向に歪ん
だ歪以上に、樹脂が歪むからである。繊維の含有率が大
きく(=樹脂含有率が小さく)なればなるほど、樹脂に
発生する歪がより大きくなり、繊維直角方向の伸度が低
下して90度クラックが発生しやすくなる。したがっ
て、前述の好ましい繊維体積含有率の範囲とも関連させ
て考えると、マトリックス樹脂の伸度は4%以上である
ことが好ましい。さらに好ましくは、低温での伸度を確
保するために、(つまり、ボンベは−40℃程度にさら
されることがあるので)、6%以上のものがよい。
【0024】エポキシ樹脂は、分子中に1個以上、好ま
しくは2個以上のエポキシ基をもつ化合物であり、その
化合物には、アミン類やフェノール類や、炭素−炭素2
重結合から誘導される化合物などがある。アミン類から
誘導される化合物としては、テトラグリシジルジアミノ
ジフェニルメタン、トリグリシジル−p−アミノフェノ
ールなどがある。また、フェノール類から誘導されるも
のとしては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフ
ェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エ
ポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ブ
ロム化ビスフェノールA型エポキシ樹脂などがある。さ
らに、炭素−炭素2重結合を有する化合物から誘導され
るものとしては、脂環式エポキシ樹脂などが挙げられ
る。中でも、エポキシ樹脂の伸度を高くするには、2官
能エポキシ(たとえば、ビスフェノールA型エポキシ樹
脂あるいはビスフェノールF型エポキシ樹脂)の含有率
を多くすることが好ましい。
【0025】硬化剤としては、酸無水物(無水メチルナ
ジック酸など)、アミン系硬化剤(メタフェニレンジア
ミン、メチルジアニリン、エチルメチルイミダゾール、
イソホロンジアミンなど)、ポリアミノアミド系硬化
剤、フェノール系硬化剤(ビスパラキドロキシフェニル
スルフォンなど)、ポリメルカプタン系硬化剤、潜在性
硬化剤(ジシアンジアミドなど)を使用できる。また、
これらの硬化剤と、いわゆる硬化触媒である三フッ化ホ
ウ素アミン錯体や、イミダゾール化合物を併用してもよ
い。また、イソシアネートとジメチルアミンとの付加反
応によって得られる尿素化合物を併用してもよい。
【0026】また、樹脂の靱性を向上させて90度クラ
ックの進展を抑制するという目的で、30重量%以下の
範囲で熱可塑性樹脂やエラストマーを添加することがで
きる。添加する熱可塑性樹脂としては、たとえば、ポリ
ビニルホルマール、ポリビニルアセタール、ポリアミ
ド、ポリエステル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホ
ン、ポリエーテルイミド、ポリアリレート、ポリアミド
イミド、ポリエーテルアミド、ポリエーテルエステルな
どがある。エラストマーとしては、液状ゴムや固形ゴム
があるが、カルボン酸基や、アミノ基、エポキシ基など
の官能基を有するものが好ましい(たとえば特公昭63
−12091号、特公昭62−34251号公報などに
示されているもの)。
【0027】とくに、エラストマーやゴムを添加して靱
性を向上させた場合には、硬化温度が低下して、FRP
の残留熱歪を小さくできて90度クラックの発生を遅ら
せることができたり、熱による内殻の損傷を軽減できた
り、成形サイクルを短くしたりできる。また、粘度(1
0ポアズ以下が好ましい)を下げる目的で、フェニルグ
リシジルエーテルやブチルグリシジルエーテルなどのモ
ノエポキシ化合物やビニルシクロヘキセンジオキシドな
どのエポキシ化合物を希釈剤として用いてもよいし、ア
セトンやメチルエチルケトン、ジメチルホルムアミドな
どの溶媒を使用してもよい。
【0028】不飽和ポリエステル樹脂は、無水マレイン
酸のような反応性二重結合を有する不飽和二塩基酸とグ
リコール類とのエステル反応によって得られるポリエス
テルであり、スチレン、フタル酸ジアリル、シアヌル酸
トリアリル、メタクリル酸メチルなどの重合性モノマー
に溶解し、重合触媒として過酸化ベンゾイルを加えた
り、メチルエチルケトンパーオキシドを促進剤としナフ
テン酸コバルトを併用することで硬化させる。
【0029】また、ビスフェノール系ポリエステル樹脂
やメタクリル酸メチルとアクリル酸エチルの共重合体と
配合したポリエステル樹脂は硬化時の収縮が小さく好ま
しい。
【0030】さらに、ビニルエステル樹脂は、エポキシ
樹脂とアクリル酸やメタクリル酸などのビニルカルボン
酸とを反応させたものである。高伸度化するには、2官
能エポキシ(ビスフェノールA型エポキシ樹脂やビスフ
ェノールF型エポキシ樹脂など)から得られたビニルエ
ステル樹脂が好ましい。また、エポキシの場合と同様の
理由で、高靱性で、硬化温度が低いものほどより好まし
い。
【0031】本発明に係るガスボンベ1のFRP製外殻
3を形成する方法は、とくに限定されず、公知のフィラ
メントワインディング法やテープワインディング法が適
用できるが、成形の容易性、繊維体積含有率のコントロ
ールや補強繊維の巻き方向制御の容易性等の面から、と
くにフィラメントワインディング法が好ましい。このと
き、テンションコントロールしながら巻くと、補強繊維
が蛇行せず、強度利用率が向上するし、Vfも高くでき
る。高伸度・高靱性樹脂(たとえば、エラストマー変成
したエポキシ樹脂)ほど粘度が高く、補強繊維への含浸
が悪いので、巻き速度を遅くしたりローラでしごくとよ
い。
【0032】外殻3の構成としては、補強繊維のヘリカ
ル巻とフープ巻を併用することが好ましい。とくにフー
プ巻には、Vfを上げる効果がある。また、最外層にフ
ープ巻をすると、表面が平滑になる効果もある。
【0033】さて、本発明においては、FRP製外殻の
M値(繊維方向伸度/繊維直角方向伸度)が2以下であ
ることが必須の要件となる。このM値の計算に必要なF
RP製外殻の繊維方向および繊維直角方向の破断伸度
は、以下のようにして測定する。
【0034】(1)外殻表面(歪測定箇所)の露出 ボンベに施された塗装や保護膜(層)等の耐圧以外の効
果を目的とする部分を取り除いて、外殻胴部の表面を露
出させる。クロスや不織布などの耐圧効果も併せもつ層
がある場合には、それも取り除いて長繊維(連続繊維)
からなる耐圧目的の部分を露出させる。露出させるの
は、外殻全体でなくともよく、以下に述べる歪測定、お
よび90度クラック検出に必要な面積以上であればよい
が、外殻が部分的に補強されているなどして、肉厚が著
しく厚くなっているなどの特異な部分は避けることにす
る。
【0035】(2)歪測定法 歪の測定は、(使い捨て式の)歪ゲージによる方法が簡
便だが、伸び計や光(レーザー)式の変位計測装置を用
いてもよい。伸び計を用いる場合は、ボンベ破裂まで使
用すると破裂に伴い伸び計が破損するので周知しておく
ことが必要である。露出した外殻表面に、ボンベの軸方
向と周方向に歪ゲージ(ゲージ長:5〜10mm)2枚
を、接着剤(測定しようとする歪よりも伸びのあるもの
を選定しないとゲージがはがれるので注意)で貼りつけ
る。以下、軸方向の歪ゲージをゲージ1、周方向の歪ゲ
ージをゲージ2と呼ぶ。ゲージの精度はボンベの加圧速
度(後述)において1%以上であるものが好ましく、試
験中の歪量の変化の全てを記録できるものとする。
【0036】(3)繊維直角方向伸度(繊維方向に対し
て直角の方向における伸度) 繊維直角方向の伸度(εT)は、標準状態(温度=23
℃±2℃、相対湿度=50±10%)で、水または気体
を充填することでボンベを加圧(加圧速度=13.8気
圧/秒程度)していった際に発生するクラック(繊維破
壊を伴わない樹脂内部や繊維近傍でのクラックのこと
で、以下90度クラックと呼ぶ。)の発生により決定す
る。すなわち、90度クラックが発生した層の配列角
(θ)とゲージ1の歪(ε1)とゲージ2の歪(ε2)
から、次式で近似算出する。(配列角とはボンベの軸方
向と繊維方向のなす角度のことである。) εT=ε1sin2 θ+ε2cos2 θ
【0037】外殻の表面層に発生する90度クラックの
検出には、拡大鏡やリモート方式の顕微鏡(たとえば、
キーエンス社製のリモートマイクロスコープVH−59
00)を用いることができる。90度クラック発生にと
もなう音などを参考に、ボンベの表面を注意深くスキャ
ンする。なお、加圧時に観察された90度クラックは、
ボンベを減圧した際には観察されにくくなるので、観察
は加圧中に(オンラインで)行う方がよい。
【0038】外殻の内層に発生する90度クラックの検
出には、アコースティック・エミッション法や超音波探
傷法、X線透過法などのいわゆる非破壊検査法を用い
る。なかでも、AE(アコースティック・エミッショ
ン)法は規格も整備されているので好ましい。AE法を
用いる場合には、ASTM−E−1067およびそこで
引用されている規格(ASTM−D883、ASTM−
E610、ASTM−E650、ASTM−E750)
や、(社)日本高圧力技術協会の「FRP容器の使用中
検査と強度信頼性」(1994)などを参照して90度
クラックの検出を行う。この際、90度クラックの検出
には、高振幅の突発型のAE信号に注目するのがよい。
とくに、注意すべきことは、カイザー効果(ある歪で発
生したクラックに伴う信号を見逃すと、再びその歪に達
しても信号がでないこと。すなわち、ボンベを試験する
前に、なんらかの手法で破裂寸前まで加圧したボンベを
本歪測定試験に供したとすると、ボンベ内にはクラック
がすでに発生しているためノイズによるAE信号しか検
出されない。)があることを周知しておくことである。
【0039】さらに、AE法で90度クラックと推定さ
れる信号が検出された場合には、容器を切断して顕微鏡
や拡大鏡で90度クラックの確認を行う。容器の切断時
に損傷を与えないように、ダイアモンドカッターなどの
工具を用いて、注意深く切断する。(加圧していない健
全な容器で適切な切断法を事前に見いだしておくとよ
い。)
【0040】なお、アコースティック・エミッション
(AE)法の測定原理は以下の通りである。すなわち、
FRPは、初期欠陥または劣化・損傷に起因する樹脂割
れ、層間剥離、繊維破断などの微視破壊が発生後、合体
・進展し、最終破壊にいたる累積損傷進展過程を取る。
この微視破壊に伴って放出される弾性波をアコースティ
ック・エミッション(とくに一次AE)と呼び、この信
号は破壊に対応した情報を含んでいる。また、積層剤で
あるFRPは、層間剥離の損傷が生じたとき、負荷変動
により損傷破面の擦れが生じて二次AEが発生する。こ
の二次AEがカイザー効果を成立させなくなる原因とな
り、カイザー効果の成立比がフェリシティ比として損傷
評価に用いられる。AE検査法では、一次AEと二次A
Eを負荷条件と対応させることで識別し、進展する損傷
と既に発生した損傷の両方を検出している。
【0041】(4)繊維方向伸度(繊維方向における伸
度) 繊維方向の伸度(εL)は、前記(3)項と同様の条件
でボンベを加圧していき、ボンベが破裂する時のゲージ
1またはゲージ2(εlまたはε2)の最大値として定
義する。なお、繊維直角方向の伸びの方が一般に小さい
から、繊維直角方向の伸度の方が先に求まるので、ボン
ベの破裂以前に、モニターしているゲージ1または2の
値を使って計算したM値が本発明で規定した値、すなわ
ち2以下に達したら、繊維方向の伸度を正確に測定する
必要はない。すなわち、ボンベ破裂による危険回避のた
め加圧を中止してよい。
【0042】上記のような測定方法により、外殻FRP
のM値を検出できる。M値を2以下とすることにより、
とくに90度クラックの発生を抑制し、クラック発生に
伴う水、酸やアルカリ溶剤などの侵入、耐圧性、耐久性
の低下を防止できる。
【0043】なお、本発明に係るガスボンベに充填され
るガスの種類としては、特に限定されず、前述の如き天
然ガスの他、窒素や酸素、ヘリウムガス等が挙げられ
る。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のガスボン
ベによるときは、FRP製外殻のM値を特定値以下と
し、とくに90度クラックの発生を抑制できるようにし
たので、FRP化による軽量化を達成しつつ、ボンベの
耐環境性、耐久性を大幅に向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様に係るガスボンベの縦断面
図である。
【符号の説明】
1 ガスボンベ 2 内殻 3 外殻 4 ノズル取付用口金 5 ノズル 6 ボス

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガスバリア性を有する内殻と、該内殻を
    覆うように設けた耐圧性のFRP製外殻とを有するガス
    ボンベであって、前記外殻を構成するFRPのM値(繊
    維方向における伸度/繊維方向に対して直角の方向にお
    ける伸度)が2以下であることを特徴とするガスボン
    ベ。
  2. 【請求項2】 前記外殻を構成するFRPの、繊維方向
    に対して直角の方向における伸度が1.2%以上であ
    る、請求項1のガスボンベ。
  3. 【請求項3】 前記外殻を構成するFRPにおける繊維
    体積含有率が40%以上70%以下である、請求項1ま
    たは2のガスボンベ。
  4. 【請求項4】 前記外殻を構成するFRPにおけるマト
    リックス樹脂の伸度が4%以上である、請求項1ないし
    3のいずれかに記載のガスボンベ。
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