JPH08222168A - イオンビーム装置 - Google Patents
イオンビーム装置Info
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- JPH08222168A JPH08222168A JP7030410A JP3041095A JPH08222168A JP H08222168 A JPH08222168 A JP H08222168A JP 7030410 A JP7030410 A JP 7030410A JP 3041095 A JP3041095 A JP 3041095A JP H08222168 A JPH08222168 A JP H08222168A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】イオンビームをパルス化する場合に、試料を照
射するイオンビームの位置変動やレンズ収差によるビー
ムの広がりの発生を防止でき、イオンビームを細束化し
て試料上の極微小部の分析が可能なイオンビーム装置を
実現する。 【構成】本装置は、イオン源1、一対の平行平板2、こ
れとは直交する方向の8段からなる静電偏向電極とアパ
ーチャとを有するイオンビームパルス化機構3、イオン
ビーム走査機構4、レンズ5、試料6、レーザ7、飛行
時間型質量分析計8などで構成され、上記偏向電極の
2、3、5、8段目に印加する電場方向と、1、4、
6、7段目に印加する電場方向とを逆向きにする。
射するイオンビームの位置変動やレンズ収差によるビー
ムの広がりの発生を防止でき、イオンビームを細束化し
て試料上の極微小部の分析が可能なイオンビーム装置を
実現する。 【構成】本装置は、イオン源1、一対の平行平板2、こ
れとは直交する方向の8段からなる静電偏向電極とアパ
ーチャとを有するイオンビームパルス化機構3、イオン
ビーム走査機構4、レンズ5、試料6、レーザ7、飛行
時間型質量分析計8などで構成され、上記偏向電極の
2、3、5、8段目に印加する電場方向と、1、4、
6、7段目に印加する電場方向とを逆向きにする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、イオンビームを試料に
パルス的に照射して試料の分析、あるいは加工を行うイ
オンビーム装置に係り、特に、極微小部の分析あるいは
加工に好適なイオンビーム装置に関するものである。
パルス的に照射して試料の分析、あるいは加工を行うイ
オンビーム装置に係り、特に、極微小部の分析あるいは
加工に好適なイオンビーム装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】イオンビームを試料にパルス的に照射し
て試料の分析を行う装置の例としては、イオンビーム照
射によって試料から放出される二次イオンを飛行時間型
質量分析計で検出するTOF−SIMS装置や、同じ
く、イオンビーム照射によって試料から放出される中性
粒子にレーザ光を照射して、中性粒子をイオン化して検
出するスパッタ粒子質量分析装置(SNMS)、などが
ある。
て試料の分析を行う装置の例としては、イオンビーム照
射によって試料から放出される二次イオンを飛行時間型
質量分析計で検出するTOF−SIMS装置や、同じ
く、イオンビーム照射によって試料から放出される中性
粒子にレーザ光を照射して、中性粒子をイオン化して検
出するスパッタ粒子質量分析装置(SNMS)、などが
ある。
【0003】このような装置の従来例としては、たとえ
ば、SNMSの場合には、特公平5−74185号公報
に記載されている。ここで、従来の装置の動作原理を、
図2を用いて説明する。まず、一次イオン源1からイオ
ンビーム9を引き出し、イオンビームパルス化機構
3′、イオンビーム走査機構4、およびイオンビームレ
ンズ5を通して、試料6に照射する。そして、試料6か
ら放出された二次イオン12を、飛行時間型質量分析計
8で検出する。また、中性粒子10を分析する場合は、
中性粒子10にレーザビーム11を照射して、イオン化
して検出する。なお、ここでは、イオンビームパルス化
機構3′は、静電偏向板とアパーチャとで構成され、イ
オンビーム走査機構4は、直交する2組の静電偏向板で
構成されている。
ば、SNMSの場合には、特公平5−74185号公報
に記載されている。ここで、従来の装置の動作原理を、
図2を用いて説明する。まず、一次イオン源1からイオ
ンビーム9を引き出し、イオンビームパルス化機構
3′、イオンビーム走査機構4、およびイオンビームレ
ンズ5を通して、試料6に照射する。そして、試料6か
ら放出された二次イオン12を、飛行時間型質量分析計
8で検出する。また、中性粒子10を分析する場合は、
中性粒子10にレーザビーム11を照射して、イオン化
して検出する。なお、ここでは、イオンビームパルス化
機構3′は、静電偏向板とアパーチャとで構成され、イ
オンビーム走査機構4は、直交する2組の静電偏向板で
構成されている。
【0004】この例で示した装置で、イオンビーム9を
パルス化するのは、次のような理由による。まず、TO
F−SIMSのように飛行時間型質量分析計を信号の検
出器とする場合には、質量分析の原理が、ある時刻から
の質量数に応じた粒子の検出器までの飛行時間を測定す
るものであることから、連続的に分析することができ
ず、飛行時間計測開始から終了までを一回のサイクルと
する繰返し測定となる。したがって、イオンビームを試
料に対し、飛行時間計測開始時刻に同期させてパルス照
射することになる。また、中性粒子をレーザビームでイ
オン化するSNMSの場合、高出力のレーザが必要であ
るが、現在では、これはパルスレーザに限られている。
したがって、レーザビームが照射されない時間にイオン
ビームによって試料を照射しても、スパッタされた中性
粒子はイオン化できず、分析できない。このため、試料
の消費効率、つまり検出効率を高めるために、イオンビ
ームをパルスレーザビームと同期させて、試料をパルス
照射することになる。この場合、用いる質量分析計の種
類には制限はないが、この場合でも、上記の飛行時間型
質量分析計が用いられることが多い。
パルス化するのは、次のような理由による。まず、TO
F−SIMSのように飛行時間型質量分析計を信号の検
出器とする場合には、質量分析の原理が、ある時刻から
の質量数に応じた粒子の検出器までの飛行時間を測定す
るものであることから、連続的に分析することができ
ず、飛行時間計測開始から終了までを一回のサイクルと
する繰返し測定となる。したがって、イオンビームを試
料に対し、飛行時間計測開始時刻に同期させてパルス照
射することになる。また、中性粒子をレーザビームでイ
オン化するSNMSの場合、高出力のレーザが必要であ
るが、現在では、これはパルスレーザに限られている。
したがって、レーザビームが照射されない時間にイオン
ビームによって試料を照射しても、スパッタされた中性
粒子はイオン化できず、分析できない。このため、試料
の消費効率、つまり検出効率を高めるために、イオンビ
ームをパルスレーザビームと同期させて、試料をパルス
照射することになる。この場合、用いる質量分析計の種
類には制限はないが、この場合でも、上記の飛行時間型
質量分析計が用いられることが多い。
【0005】次に、従来のイオンビームパルス化機構
3′について説明する。図2の例では、パルス化機構
3′は平行平板からなる静電偏向器とアパーチャとから
構成されている。静電偏向器の電極に、図3に示すよう
に、電圧をパルス状に印加する。この場合、対向する電
極の電圧が接地電位で等しくなった場合には、イオンビ
ームはアパーチャを通過して試料に照射され、一方、電
極に電圧が印加されて偏向電場が生じている場合には、
イオンビームはアパーチャに遮られて試料6に到達しな
い。ここで、図3に示すt1からt2の間や、t3から
t4の間のように、印加電圧が変化している状態を考え
ると、電極に印加する電圧が接地電位から次第に大きく
なるにつれて、イオンビームは、電極長の中点を支点と
して偏向されていくことになる。これは、偏向に従っ
て、イオンビームの試料照射位置が移動することを意味
する。これでは、本来の分析場所以外の領域をイオンビ
ームが照射することになり、目的とする分析位置以外の
信号が、ノイズとして本来の信号に加わってしまう問題
が生じる。従来、この問題の解決のためには、次のよう
な方法が採られている。すなわち、図2に示す電極長の
中点Aを光源と考えて、これがイオンビームレンズ5に
よって試料6上に集束するように、レンズ条件を設定す
る。静電偏向器の偏向支点は電極長の中点Aにあり、偏
向されたイオンビームの軌道は、いずれも、偏向支点か
ら直線的に放出されたかのようにみなすことができるの
で、このレンズ条件では、イオンビームは常に試料上で
同じ点に集束することになる。したがって、電極に印加
する電圧が変化している状態でも、イオンビームの試料
照射位置は移動しないことになる。
3′について説明する。図2の例では、パルス化機構
3′は平行平板からなる静電偏向器とアパーチャとから
構成されている。静電偏向器の電極に、図3に示すよう
に、電圧をパルス状に印加する。この場合、対向する電
極の電圧が接地電位で等しくなった場合には、イオンビ
ームはアパーチャを通過して試料に照射され、一方、電
極に電圧が印加されて偏向電場が生じている場合には、
イオンビームはアパーチャに遮られて試料6に到達しな
い。ここで、図3に示すt1からt2の間や、t3から
t4の間のように、印加電圧が変化している状態を考え
ると、電極に印加する電圧が接地電位から次第に大きく
なるにつれて、イオンビームは、電極長の中点を支点と
して偏向されていくことになる。これは、偏向に従っ
て、イオンビームの試料照射位置が移動することを意味
する。これでは、本来の分析場所以外の領域をイオンビ
ームが照射することになり、目的とする分析位置以外の
信号が、ノイズとして本来の信号に加わってしまう問題
が生じる。従来、この問題の解決のためには、次のよう
な方法が採られている。すなわち、図2に示す電極長の
中点Aを光源と考えて、これがイオンビームレンズ5に
よって試料6上に集束するように、レンズ条件を設定す
る。静電偏向器の偏向支点は電極長の中点Aにあり、偏
向されたイオンビームの軌道は、いずれも、偏向支点か
ら直線的に放出されたかのようにみなすことができるの
で、このレンズ条件では、イオンビームは常に試料上で
同じ点に集束することになる。したがって、電極に印加
する電圧が変化している状態でも、イオンビームの試料
照射位置は移動しないことになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような分
析用のイオンビーム装置においては、次のような問題点
があった。すなわち、偏向電極に印加する電圧が変化し
ている状態でも、イオンビームの試料照射位置が移動し
ないように、イオンビームレンズ5で静電偏向器の電極
長の中点Aを試料6上に集束するようにしても、イオン
ビームはイオンビームレンズ5の中心から外れた位置B
を通過することになる。一般に、イオンビームレンズ5
の中心から外れた位置をイオンビームが通過すると、球
面収差によってイオンビーム径に広がりが生じる。イオ
ンビームを細束化して試料6の微小部分を高分解能で分
析する場合、このイオンビーム径の広がりは深刻な問題
となる。また、イオンビームを微細化して試料の極微小
部を加工する場合にも、上記のようにイオンビーム径に
広がりが生じると、加工精度が低下する。
析用のイオンビーム装置においては、次のような問題点
があった。すなわち、偏向電極に印加する電圧が変化し
ている状態でも、イオンビームの試料照射位置が移動し
ないように、イオンビームレンズ5で静電偏向器の電極
長の中点Aを試料6上に集束するようにしても、イオン
ビームはイオンビームレンズ5の中心から外れた位置B
を通過することになる。一般に、イオンビームレンズ5
の中心から外れた位置をイオンビームが通過すると、球
面収差によってイオンビーム径に広がりが生じる。イオ
ンビームを細束化して試料6の微小部分を高分解能で分
析する場合、このイオンビーム径の広がりは深刻な問題
となる。また、イオンビームを微細化して試料の極微小
部を加工する場合にも、上記のようにイオンビーム径に
広がりが生じると、加工精度が低下する。
【0007】本発明は、このような課題を解決するため
になされたもので、イオンビームをパルス化する場合で
もイオンビームを細束化することが可能で、極微小部の
分析あるいは加工に好適なイオンビーム装置を提供する
ことを目的とする。
になされたもので、イオンビームをパルス化する場合で
もイオンビームを細束化することが可能で、極微小部の
分析あるいは加工に好適なイオンビーム装置を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明においては、分析用、あるいは加工用のイオ
ンビーム装置において、一対の静電偏向板からなるサイ
ズの同一の偏向電極をイオンビーム集束系のイオン光軸
に沿って8段シリーズに配置し、イオン源に近い方から
数えて、2段目、3段目、5段目、および8段目の各偏
向電極の電場方向を1段目のそれとは逆方向にし、か
つ、4段目、6段目、および7段目の各偏向電極の電場
方向を1段目のそれと同じ向きにし、そして、これらの
8段の偏向電極のいずれかの間にスリット、あるいはア
パーチャを設け、かつ、これらの各偏向電極に連続的に
変化する電圧を印加して、試料を照射するイオンビーム
をパルス化する。
に、本発明においては、分析用、あるいは加工用のイオ
ンビーム装置において、一対の静電偏向板からなるサイ
ズの同一の偏向電極をイオンビーム集束系のイオン光軸
に沿って8段シリーズに配置し、イオン源に近い方から
数えて、2段目、3段目、5段目、および8段目の各偏
向電極の電場方向を1段目のそれとは逆方向にし、か
つ、4段目、6段目、および7段目の各偏向電極の電場
方向を1段目のそれと同じ向きにし、そして、これらの
8段の偏向電極のいずれかの間にスリット、あるいはア
パーチャを設け、かつ、これらの各偏向電極に連続的に
変化する電圧を印加して、試料を照射するイオンビーム
をパルス化する。
【0009】また、上記の8段の偏向電極の代わりに、
4段のサイズの等しい偏向電極をシリーズに配置し、イ
オン源の方から2段目と3段目の偏向電極の電場方向を
1段目のそれとは逆方向にし、4段目の電場方向を1段
目のそれと同じ向きにしてもよい。そして、このとき、
8段偏向電極系の場合には、2段目と3段目、あるいは
6段目と7段目の各偏向電極を、また、4段偏向電極系
の場合には、2段目と3段目の偏向電極を、それぞれ1
つの偏向電極で置き換えることもできる。ただし、上記
4段、あるいは3段の偏向電極系の場合には、少なくと
もそのうちの1つの偏向電極に時間的に一定の電圧を重
畳させるか、あるいは、これらの偏向電極系とは別個
に、イオンビームの照射軸を平行移動させることのでき
る偏向電極を設け、イオンビームの光軸合せができるよ
うにする。
4段のサイズの等しい偏向電極をシリーズに配置し、イ
オン源の方から2段目と3段目の偏向電極の電場方向を
1段目のそれとは逆方向にし、4段目の電場方向を1段
目のそれと同じ向きにしてもよい。そして、このとき、
8段偏向電極系の場合には、2段目と3段目、あるいは
6段目と7段目の各偏向電極を、また、4段偏向電極系
の場合には、2段目と3段目の偏向電極を、それぞれ1
つの偏向電極で置き換えることもできる。ただし、上記
4段、あるいは3段の偏向電極系の場合には、少なくと
もそのうちの1つの偏向電極に時間的に一定の電圧を重
畳させるか、あるいは、これらの偏向電極系とは別個
に、イオンビームの照射軸を平行移動させることのでき
る偏向電極を設け、イオンビームの光軸合せができるよ
うにする。
【0010】また、各偏向電極に印加する連続的に変化
する電圧は、ある設定電圧から逆極性で同じ値の設定電
圧まで直線的に変化させる電圧であり、この直線的に変
化する電圧の変化速度を変えることで、試料に照射する
イオンビームのパルス幅を変えることができる。
する電圧は、ある設定電圧から逆極性で同じ値の設定電
圧まで直線的に変化させる電圧であり、この直線的に変
化する電圧の変化速度を変えることで、試料に照射する
イオンビームのパルス幅を変えることができる。
【0011】また、上記の多段の偏向電極系に加えて、
これらの偏向電極系に対して直交する方向にイオンビー
ムを偏向させる偏向電極を設け、この偏向電極には、上
記の多段偏向電極系に印加する直線的に変化する電圧が
ある一定方向に変化する場合には電圧を印加せず、その
逆方向に変化する場合にのみ、ある一定の電圧を印加し
てイオンビームを光軸から外し、イオンビームが試料に
照射しないようにする。
これらの偏向電極系に対して直交する方向にイオンビー
ムを偏向させる偏向電極を設け、この偏向電極には、上
記の多段偏向電極系に印加する直線的に変化する電圧が
ある一定方向に変化する場合には電圧を印加せず、その
逆方向に変化する場合にのみ、ある一定の電圧を印加し
てイオンビームを光軸から外し、イオンビームが試料に
照射しないようにする。
【0012】
【作用】長さLの平行平板からなる電極を間隔gで8段
配置して、各電極に連続的に変化する電圧を印加した場
合のイオンビームの軌道について、図4を用いて、説明
する。ここでは、質量m、電荷qのイオンが速度vで、
時刻t0で、点AからX軸方向に入射する。また1段目
の偏向電極の電場Eは、時間tに対してE=ktの関係
で変化する。そして、2段目、3段目、5段目、8段目
の電場の方向は、1段目の電場の方向の逆向きであり、
かつ、4段目、6段目、7段目の電場の方向は、1段の
電場の方向と同じ向きである。
配置して、各電極に連続的に変化する電圧を印加した場
合のイオンビームの軌道について、図4を用いて、説明
する。ここでは、質量m、電荷qのイオンが速度vで、
時刻t0で、点AからX軸方向に入射する。また1段目
の偏向電極の電場Eは、時間tに対してE=ktの関係
で変化する。そして、2段目、3段目、5段目、8段目
の電場の方向は、1段目の電場の方向の逆向きであり、
かつ、4段目、6段目、7段目の電場の方向は、1段の
電場の方向と同じ向きである。
【0013】以上の条件では、イオンビームはX軸方向
には等速運動をするが、Y方向にはその位置と速度を変
えながら飛行する。このY方向での位置yおよび速度d
y/dtを、図中の各点で求めると、まず2段目の電極
を出射するB点では、
には等速運動をするが、Y方向にはその位置と速度を変
えながら飛行する。このY方向での位置yおよび速度d
y/dtを、図中の各点で求めると、まず2段目の電極
を出射するB点では、
【0014】となる。すなわちイオンビームは、イオン
ビーム入射軸からはずれた位置から、X軸とはある角度
をもって出射することになる。また、イオンの速度は有
限であるため、出射位置はイオンが点Aから入射する時
刻t0に依存する。
ビーム入射軸からはずれた位置から、X軸とはある角度
をもって出射することになる。また、イオンの速度は有
限であるため、出射位置はイオンが点Aから入射する時
刻t0に依存する。
【0015】次に4段目の電極を出射するC点では、
【0016】となる。すなわちイオンビームは、イオン
ビーム入射軸からはずれた位置から、イオンビーム入射
軸と平行に出射することになる。また、出射位置はイオ
ンが点Aから入射する時刻t0に依存しない。
ビーム入射軸からはずれた位置から、イオンビーム入射
軸と平行に出射することになる。また、出射位置はイオ
ンが点Aから入射する時刻t0に依存しない。
【0017】最後に、8段目の電極を出射するD点で
は、
は、
【0018】となる。すなわちイオンビームは、イオン
ビーム入射軸上で、かつ、同軸方向に出射することにな
る。
ビーム入射軸上で、かつ、同軸方向に出射することにな
る。
【0019】同じように、他の電極間でのイオンビーム
の軌道を求めると、上記の4段目をイオンが出射する場
合を除いて、イオンは、点Aから入射する時刻t0に依
存して入射軸からはずれた位置を通過する。したがっ
て、これらの電極のいずれかの間に、イオンビーム入射
軸上を飛行するイオンは通過させ、これからはずれるイ
オンは通過させないようなスリット、もしくはアパーチ
ャを設けて、各電極に連続的に変化する電場を印加すれ
ば、ある時間にのみイオンは、この8段の偏向電極を通
過することになる。つまり、イオンビームをパルス化で
きることになる。さらに、8段目の偏向電極を出射する
イオンは、イオンビーム入射軸上で、かつ、その軸に対
して、常に、同軸方向に出射されるため、試料に照射さ
れるイオンは、試料上を移動することなく、パルス化さ
れることになる。
の軌道を求めると、上記の4段目をイオンが出射する場
合を除いて、イオンは、点Aから入射する時刻t0に依
存して入射軸からはずれた位置を通過する。したがっ
て、これらの電極のいずれかの間に、イオンビーム入射
軸上を飛行するイオンは通過させ、これからはずれるイ
オンは通過させないようなスリット、もしくはアパーチ
ャを設けて、各電極に連続的に変化する電場を印加すれ
ば、ある時間にのみイオンは、この8段の偏向電極を通
過することになる。つまり、イオンビームをパルス化で
きることになる。さらに、8段目の偏向電極を出射する
イオンは、イオンビーム入射軸上で、かつ、その軸に対
して、常に、同軸方向に出射されるため、試料に照射さ
れるイオンは、試料上を移動することなく、パルス化さ
れることになる。
【0020】次に、一対の平行平板からなる偏向電極を
4段配置して、各電極に連続的に変化する電圧を印加し
た場合を考える。この場合のイオンビームの軌道は、上
記で説明した電極を8段配置した場合の4段目までと全
く同じである。したがって、これらの電極のいずれかの
間に、同じようにスリット、もしくはアパーチャを設け
て、各電極に連続的に変化する電場を印加すれば、イオ
ンビームをパルス化できることになる。さらに、4段目
の電極を出射するイオンは、イオンビーム入射軸と平行
に出射して、出射位置はイオンが点Aから入射する時刻
t0に依存しないため、試料に照射されるイオンは試料
上を移動することなくパルス化されることになる。ただ
し、この場合、各偏向電極に電場を印加しない場合に比
べて、イオンビーム照射軸がずれる。つまり、イオンビ
ームをパルス化しない場合とパルス化する場合とではイ
オンビームの試料照射位置がずれることになるので、そ
の補正が必要になる。
4段配置して、各電極に連続的に変化する電圧を印加し
た場合を考える。この場合のイオンビームの軌道は、上
記で説明した電極を8段配置した場合の4段目までと全
く同じである。したがって、これらの電極のいずれかの
間に、同じようにスリット、もしくはアパーチャを設け
て、各電極に連続的に変化する電場を印加すれば、イオ
ンビームをパルス化できることになる。さらに、4段目
の電極を出射するイオンは、イオンビーム入射軸と平行
に出射して、出射位置はイオンが点Aから入射する時刻
t0に依存しないため、試料に照射されるイオンは試料
上を移動することなくパルス化されることになる。ただ
し、この場合、各偏向電極に電場を印加しない場合に比
べて、イオンビーム照射軸がずれる。つまり、イオンビ
ームをパルス化しない場合とパルス化する場合とではイ
オンビームの試料照射位置がずれることになるので、そ
の補正が必要になる。
【0021】
(実施例1)図1は、本発明に係るイオンビーム装置の
一実施例であり、試料表面の微小部を分析する装置の概
略構成図である。
一実施例であり、試料表面の微小部を分析する装置の概
略構成図である。
【0022】まず、本装置は、液体金属イオン源1、一
対の平行平板2、この平行平板2とは直交する方向の平
行平板からなる偏向電極を8段配置して、1段目と2段
目の電極の間にアパーチャを設けたイオンビームパルス
化機構3、互いに直交する二組の平行平板で構成される
イオンビームを走査機構4、イオンビームレンズ5、試
料6、レーザ装置7、飛行時間型質量分析計8などから
構成されている。次に、本装置の動作原理は、次の通り
である。まず、液体金属イオン源1からイオンビーム9
を引き出す。なお、あらかじめ一対の平行平板2には、
図5(a)に示す電圧が印加されるようにしておく。ま
た、イオンビームパルス化機構3の1段目の電極間に
は、図5(b)に示す電圧が印加されるようにしてお
き、さらに、前記イオン源1から数えて2段目、3段
目、5段目、8段目の電場を1段目の電場方向とは逆向
きにし、かつ、4段目、6段目、7段目の電場は1段目
の電場と同じ向きになるように結線しておく。すると、
イオンビーム9は、イオンビーム照射方向から見ると、
図6に示すようにアパーチャ上を動く。この図でイオン
ビーム9がアパーチャの穴を通過する場合にのみ、イオ
ンビーム9はイオンビームパルス化機構3を通過する。
つまり、イオンビーム9はパルス化される。さらに、
〔作用〕で述べたように、8段目の偏向電極を出射する
イオンは、イオンビーム入射軸上で、かつ、これに対し
て常に同軸方向に出射するため、試料に照射されるイオ
ンは試料上を移動することなくパルス化されることにな
る。なお、イオンビームパルス幅は、上記の電場の変化
割合を変えることによって、変えることができる。次
に、パルス化されたイオンビーム9は、イオンビーム走
査機構4によって、パルス毎に試料上を移動するように
走査され、さらに、イオンビームレンズ5によって細束
化されて、最後に試料に照射される。そして、試料6か
ら放出された中性粒子10にレーザ装置7から放出され
たレーザビーム11を照射することによって、これをイ
オン化して飛行時間型質量分析計8によって検出する。
イオンビームパルス化機構3、およびイオンビーム走査
機構4、およびレーザ装置7は、互いに同期を取って働
くように、コンピュータによって制御されている。
対の平行平板2、この平行平板2とは直交する方向の平
行平板からなる偏向電極を8段配置して、1段目と2段
目の電極の間にアパーチャを設けたイオンビームパルス
化機構3、互いに直交する二組の平行平板で構成される
イオンビームを走査機構4、イオンビームレンズ5、試
料6、レーザ装置7、飛行時間型質量分析計8などから
構成されている。次に、本装置の動作原理は、次の通り
である。まず、液体金属イオン源1からイオンビーム9
を引き出す。なお、あらかじめ一対の平行平板2には、
図5(a)に示す電圧が印加されるようにしておく。ま
た、イオンビームパルス化機構3の1段目の電極間に
は、図5(b)に示す電圧が印加されるようにしてお
き、さらに、前記イオン源1から数えて2段目、3段
目、5段目、8段目の電場を1段目の電場方向とは逆向
きにし、かつ、4段目、6段目、7段目の電場は1段目
の電場と同じ向きになるように結線しておく。すると、
イオンビーム9は、イオンビーム照射方向から見ると、
図6に示すようにアパーチャ上を動く。この図でイオン
ビーム9がアパーチャの穴を通過する場合にのみ、イオ
ンビーム9はイオンビームパルス化機構3を通過する。
つまり、イオンビーム9はパルス化される。さらに、
〔作用〕で述べたように、8段目の偏向電極を出射する
イオンは、イオンビーム入射軸上で、かつ、これに対し
て常に同軸方向に出射するため、試料に照射されるイオ
ンは試料上を移動することなくパルス化されることにな
る。なお、イオンビームパルス幅は、上記の電場の変化
割合を変えることによって、変えることができる。次
に、パルス化されたイオンビーム9は、イオンビーム走
査機構4によって、パルス毎に試料上を移動するように
走査され、さらに、イオンビームレンズ5によって細束
化されて、最後に試料に照射される。そして、試料6か
ら放出された中性粒子10にレーザ装置7から放出され
たレーザビーム11を照射することによって、これをイ
オン化して飛行時間型質量分析計8によって検出する。
イオンビームパルス化機構3、およびイオンビーム走査
機構4、およびレーザ装置7は、互いに同期を取って働
くように、コンピュータによって制御されている。
【0023】次に、この実施例において、二次元元素分
析をする場合について説明する。まず、レーザビーム1
1にはエキシマレーザを用い、繰返し周波数100Hz
とした。また、イオンビーム9にはGaイオンビームを
用い、パルス幅は0.5マイクロ秒とした。この例で
は、既に述べたように、イオンビーム9はパルス照射
中、試料上を移動することがない。また、イオンビーム
の照射軸も移動することがないので、イオンビームレン
ズの収差によるイオンビームの広がりが生じることがな
い。この条件で、試料上で、Gaイオンビーム径は50
nmφを得ることができた。このイオンビーム9を、イ
オンビーム走査機構4によってパルス毎に試料上を移動
するように走査して、各々のレーザ照射によって発生し
た光励起イオンを質量分析して、Feの信号を検出し
た。その結果、試料上のFeの二次元元素分布を、面分
解能50nmで得ることができた。
析をする場合について説明する。まず、レーザビーム1
1にはエキシマレーザを用い、繰返し周波数100Hz
とした。また、イオンビーム9にはGaイオンビームを
用い、パルス幅は0.5マイクロ秒とした。この例で
は、既に述べたように、イオンビーム9はパルス照射
中、試料上を移動することがない。また、イオンビーム
の照射軸も移動することがないので、イオンビームレン
ズの収差によるイオンビームの広がりが生じることがな
い。この条件で、試料上で、Gaイオンビーム径は50
nmφを得ることができた。このイオンビーム9を、イ
オンビーム走査機構4によってパルス毎に試料上を移動
するように走査して、各々のレーザ照射によって発生し
た光励起イオンを質量分析して、Feの信号を検出し
た。その結果、試料上のFeの二次元元素分布を、面分
解能50nmで得ることができた。
【0024】なお本実施例では、イオン源1から数えて
2段目と3段目の電場、6段目と7段目の電場はそれぞ
れ同じであるため、2段目と3段目の電極を1つの電極
に置き換えることや、あるいは、6段目と7段目の電極
を一つの電極に置き換えることが可能である。つまり、
一対の偏向電極を6段、あるいは7段配置しても、本実
施例と同じ効果を得ることができる。
2段目と3段目の電場、6段目と7段目の電場はそれぞ
れ同じであるため、2段目と3段目の電極を1つの電極
に置き換えることや、あるいは、6段目と7段目の電極
を一つの電極に置き換えることが可能である。つまり、
一対の偏向電極を6段、あるいは7段配置しても、本実
施例と同じ効果を得ることができる。
【0025】(実施例2)次に、一対の平行平板からな
る偏向電極を4段配置して、電極に連続的に変化する電
圧を印加した場合の実施例を、図7を用いて説明する。
まず、本装置は、表面電離型イオン源13、2段になっ
た二対の平行平板14、この平行平板14とは平行方向
の平行平板からなる偏向電極を4段配置して、1段目と
2段目の電極の間にアパーチャを設けたイオンビームパ
ルス化機構3″、互いに直交する二組の平行平板で構成
されるイオンビーム走査機構4、イオンビームレンズ
5、試料6、飛行時間型質量分析計8などから構成され
ている。本装置の動作原理は、次の通りである。まず、
表面電離型イオン源13からイオンビーム9を引き出
す。なお、あらかじめイオンビームパルス化機構3″の
各電極には、図5(b)に示す電圧が印加されるように
しておく。すると、イオンビーム9は、イオンビーム照
射方向から見ると、アパーチャ上を往復するように動
く。そして、イオンビーム9がアパーチャの穴を通過す
る場合にのみ、イオンビーム9はイオンビームパルス化
機構3″を通過する。つまり、イオンビーム9はパルス
化される。さらに、4段目の偏向電極を出射するイオン
は、常に、イオンビーム入射軸に平行に、かつ、同一点
から出射するため、試料に照射されるイオンは、試料上
を移動することがなく、パルス化されることになる。た
だし、この場合、電極に電場を印加しない場合に比べ
て、イオンビーム照射幅がずれる。つまり、イオンビー
ムをパルス化しない場合とパルス化する場合とでは、イ
オンビームの試料照射位置がずれることになる。次に、
パルス化されたイオンビーム9は、イオンビーム走査機
構4によってパルス毎に試料上を移動するように走査さ
れ、さらに、イオンビームレンズ5によって細束化され
て、最後に試料に照射される。そして、試料6から放出
された二次イオン12を飛行時間型質量分析計8によっ
て検出する。
る偏向電極を4段配置して、電極に連続的に変化する電
圧を印加した場合の実施例を、図7を用いて説明する。
まず、本装置は、表面電離型イオン源13、2段になっ
た二対の平行平板14、この平行平板14とは平行方向
の平行平板からなる偏向電極を4段配置して、1段目と
2段目の電極の間にアパーチャを設けたイオンビームパ
ルス化機構3″、互いに直交する二組の平行平板で構成
されるイオンビーム走査機構4、イオンビームレンズ
5、試料6、飛行時間型質量分析計8などから構成され
ている。本装置の動作原理は、次の通りである。まず、
表面電離型イオン源13からイオンビーム9を引き出
す。なお、あらかじめイオンビームパルス化機構3″の
各電極には、図5(b)に示す電圧が印加されるように
しておく。すると、イオンビーム9は、イオンビーム照
射方向から見ると、アパーチャ上を往復するように動
く。そして、イオンビーム9がアパーチャの穴を通過す
る場合にのみ、イオンビーム9はイオンビームパルス化
機構3″を通過する。つまり、イオンビーム9はパルス
化される。さらに、4段目の偏向電極を出射するイオン
は、常に、イオンビーム入射軸に平行に、かつ、同一点
から出射するため、試料に照射されるイオンは、試料上
を移動することがなく、パルス化されることになる。た
だし、この場合、電極に電場を印加しない場合に比べ
て、イオンビーム照射幅がずれる。つまり、イオンビー
ムをパルス化しない場合とパルス化する場合とでは、イ
オンビームの試料照射位置がずれることになる。次に、
パルス化されたイオンビーム9は、イオンビーム走査機
構4によってパルス毎に試料上を移動するように走査さ
れ、さらに、イオンビームレンズ5によって細束化され
て、最後に試料に照射される。そして、試料6から放出
された二次イオン12を飛行時間型質量分析計8によっ
て検出する。
【0026】この実施例では、イオンビーム9はパルス
照射中、試料上を移動することがない。また、イオンビ
ームの照射軸も移動することがないので、イオンビーム
レンズの収差によるイオンビームの広がりが生じること
はない。ただし、この場合、偏向電極に電場を印加しな
い場合に比べて、イオンビーム照射軸がずれる問題が残
る。つまり、イオンビームをパルス化しない場合とパル
ス化した場合とでは、イオンビームの試料照射位置がず
れることになる。このずれは、あらかじめ、2段になっ
た二対の平行平板14に電圧を印加して、イオンビーム
照射軸を平行移動させることによって、消去することが
できる。あるいは、この補正電圧を4段の偏向電極に重
畳してもよい。この条件では、試料上で、Csイオンビ
ーム径を100nmφにすることができた。また、この
実施例で、酸素の二次イオンを検出したところ、試料上
の酸素の二次元元素分布を面分解能100nmで得るこ
とができた。
照射中、試料上を移動することがない。また、イオンビ
ームの照射軸も移動することがないので、イオンビーム
レンズの収差によるイオンビームの広がりが生じること
はない。ただし、この場合、偏向電極に電場を印加しな
い場合に比べて、イオンビーム照射軸がずれる問題が残
る。つまり、イオンビームをパルス化しない場合とパル
ス化した場合とでは、イオンビームの試料照射位置がず
れることになる。このずれは、あらかじめ、2段になっ
た二対の平行平板14に電圧を印加して、イオンビーム
照射軸を平行移動させることによって、消去することが
できる。あるいは、この補正電圧を4段の偏向電極に重
畳してもよい。この条件では、試料上で、Csイオンビ
ーム径を100nmφにすることができた。また、この
実施例で、酸素の二次イオンを検出したところ、試料上
の酸素の二次元元素分布を面分解能100nmで得るこ
とができた。
【0027】なお本実施例では、イオン源1から数えて
2段目と3段目の電場は同じであるため、2段目と3段
目の電極を1つの電極に置き換えることも可能である。
つまり、偏向電極を3段に配置しても、本実施例と同じ
効果を得ることができる。
2段目と3段目の電場は同じであるため、2段目と3段
目の電極を1つの電極に置き換えることも可能である。
つまり、偏向電極を3段に配置しても、本実施例と同じ
効果を得ることができる。
【0028】(実施例3)図8は、本発明に係るイオン
ビーム装置の他の実施例であり、試料表面の微少部を加
工する装置の概略構成図である。
ビーム装置の他の実施例であり、試料表面の微少部を加
工する装置の概略構成図である。
【0029】本装置は、液体金属イオン源1、一対の平
行平板2、この平行平板2とは直交方向の平行平板から
なる電極を8段配置して、1段目と2段目の電極の間に
アパーチャを設けたイオンビームパルス化機構3、互い
に直交する二組の平行平板で構成されるイオンビーム走
査機構4、イオンビームレンズ5、試料6などから構成
される。本装置の動作原理は、実施例1で述べた分析イ
オンビーム装置におけるイオンビーム照射の動作原理と
同様である。すなわち、まず液体金属イオン源1からイ
オンビーム9を引出す。なお、あらかじめ一対の平行平
板2には、図5(a)に示すような電場が形成されるよ
うにしておく。また、イオンビームパルス化機構3の一
段目の電極間には、図5(b)に示すような電場が形成
されるようにしておく。そして、イオンビームパルス化
機構3の各段の電場方向は、分析用イオンビーム装置の
場合と全く同じとする。すると、イオンビーム9は、図
6でイオンビーム9がアパーチャの穴を通過する場合に
のみ、イオンビームパルス化機構3を通過する。この結
果、試料6に照射されるイオンは、試料6上を移動する
ことなくパルス化されることになる。
行平板2、この平行平板2とは直交方向の平行平板から
なる電極を8段配置して、1段目と2段目の電極の間に
アパーチャを設けたイオンビームパルス化機構3、互い
に直交する二組の平行平板で構成されるイオンビーム走
査機構4、イオンビームレンズ5、試料6などから構成
される。本装置の動作原理は、実施例1で述べた分析イ
オンビーム装置におけるイオンビーム照射の動作原理と
同様である。すなわち、まず液体金属イオン源1からイ
オンビーム9を引出す。なお、あらかじめ一対の平行平
板2には、図5(a)に示すような電場が形成されるよ
うにしておく。また、イオンビームパルス化機構3の一
段目の電極間には、図5(b)に示すような電場が形成
されるようにしておく。そして、イオンビームパルス化
機構3の各段の電場方向は、分析用イオンビーム装置の
場合と全く同じとする。すると、イオンビーム9は、図
6でイオンビーム9がアパーチャの穴を通過する場合に
のみ、イオンビームパルス化機構3を通過する。この結
果、試料6に照射されるイオンは、試料6上を移動する
ことなくパルス化されることになる。
【0030】なお、イオンビームパルス幅は、上記の電
場の変化の割合を変えることによって、変えることがで
きる。次に、パルス化されたイオンビーム9は、イオン
ビーム走査機構4によってパルス毎に試料6上に移動す
るように走査され、さらに、イオンビームレンズ5によ
って細束化されて、最後に試料6に照射される。イオン
ビーム9が照射された試料6は、スパッタリング現象に
よって表面原子がはぎ取られる。すなわち、イオンビー
ム9の照射によって、試料6の表面に微細なパターン1
5を加工することができる。
場の変化の割合を変えることによって、変えることがで
きる。次に、パルス化されたイオンビーム9は、イオン
ビーム走査機構4によってパルス毎に試料6上に移動す
るように走査され、さらに、イオンビームレンズ5によ
って細束化されて、最後に試料6に照射される。イオン
ビーム9が照射された試料6は、スパッタリング現象に
よって表面原子がはぎ取られる。すなわち、イオンビー
ム9の照射によって、試料6の表面に微細なパターン1
5を加工することができる。
【0031】この実施例3において、繰返し周波数を1
0kHzとし、イオンビーム9には、Gaイオンビーム
を用い、パルス幅は1.0マイクロ秒として、シリコン
ウエハの表面に微細加工を行なった。この例では、既に
述べたように、イオンビーム9はパルス照射中、試料6
上を移動することがない。また、イオンビーム9の照射
軸も移動することがないので、イオンレンズ収差による
イオンビーム径の広がりが生じることもない。したがっ
て、設計に忠実に高精度な加工を行なうことができた。
0kHzとし、イオンビーム9には、Gaイオンビーム
を用い、パルス幅は1.0マイクロ秒として、シリコン
ウエハの表面に微細加工を行なった。この例では、既に
述べたように、イオンビーム9はパルス照射中、試料6
上を移動することがない。また、イオンビーム9の照射
軸も移動することがないので、イオンレンズ収差による
イオンビーム径の広がりが生じることもない。したがっ
て、設計に忠実に高精度な加工を行なうことができた。
【0032】以上では、幅がマイクロ秒程度のパルス照
射について述べたが、図5(b)の電場の変化の割合を
ゆるやかにすることによって、秒以上の連続したイオン
ビーム照射も可能である。この場合、従来では、イオン
ビームの照射開始時と終了時に、イオンビームが試料上
を移動してしまったり、イオンビーム径が広がってしま
うという問題が生じたが、本発明によればこのような問
題が生ぜず、試料上の所望の個所を高精度に加工するこ
とが可能になる。
射について述べたが、図5(b)の電場の変化の割合を
ゆるやかにすることによって、秒以上の連続したイオン
ビーム照射も可能である。この場合、従来では、イオン
ビームの照射開始時と終了時に、イオンビームが試料上
を移動してしまったり、イオンビーム径が広がってしま
うという問題が生じたが、本発明によればこのような問
題が生ぜず、試料上の所望の個所を高精度に加工するこ
とが可能になる。
【0033】なお、本実施例3でも、分析用イオンビー
ム装置の場合と同じように、イオン源1から数えて2段
目と3段目の電場、6段目と7段目の電場はそれぞれ同
じであるため、2段目と3段目の電極を1つの電極に置
き換えることや、あるいは、6段目と7段目の電極を1
つの電極に置き換えることが可能であることや、実施例
2のように、一対の平行平板からなる電極を4段配置し
て、電極に連続的に変化する電圧を印加しても、同じ効
果を得られることは言うまでもない。
ム装置の場合と同じように、イオン源1から数えて2段
目と3段目の電場、6段目と7段目の電場はそれぞれ同
じであるため、2段目と3段目の電極を1つの電極に置
き換えることや、あるいは、6段目と7段目の電極を1
つの電極に置き換えることが可能であることや、実施例
2のように、一対の平行平板からなる電極を4段配置し
て、電極に連続的に変化する電圧を印加しても、同じ効
果を得られることは言うまでもない。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るイオ
ンビーム装置においては、イオンビーム集束系内に8段
ないし4段の多段の偏向電極をシリーズに設けることに
より、イオンビームの試料照射位置を変動させることな
く、また、イオンビームレンズの収差によるイオンビー
ムの広がりを生じさせることなく、イオンビームをパル
ス化することができ、試料の極微小領域の質量分析、あ
るいは、表面の微細加工をすることができる。
ンビーム装置においては、イオンビーム集束系内に8段
ないし4段の多段の偏向電極をシリーズに設けることに
より、イオンビームの試料照射位置を変動させることな
く、また、イオンビームレンズの収差によるイオンビー
ムの広がりを生じさせることなく、イオンビームをパル
ス化することができ、試料の極微小領域の質量分析、あ
るいは、表面の微細加工をすることができる。
【図1】本発明に係る分析用のイオンビーム装置の一実
施例を示す装置構成の概略図である。
施例を示す装置構成の概略図である。
【図2】従来技術によるイオンビームのパルス化機構を
示す図である。
示す図である。
【図3】静電偏向器に印加する電圧を説明する図であ
る。
る。
【図4】長さLの平行平板からなる偏向電極を間隔gで
8段配置した場合の、イオンビームの軌道について説明
する図である。
8段配置した場合の、イオンビームの軌道について説明
する図である。
【図5】(a)一対の平行平板に印加される電圧の時間
的変化を示す図である。(b)イオンビームパルス化機
構の偏向電極に印加する電圧の時間的変化を示す図であ
る。
的変化を示す図である。(b)イオンビームパルス化機
構の偏向電極に印加する電圧の時間的変化を示す図であ
る。
【図6】アパーチャ上のイオンビームの動きを示す図で
ある。
ある。
【図7】本発明に係る分析用のイオンビーム装置の一実
施例を示す装置構成の概略図である。
施例を示す装置構成の概略図である。
【図8】本発明に係る加工用のイオンビーム装置の一実
施例を示す装置構成の概略図である。
施例を示す装置構成の概略図である。
【符号の説明】 1 液体金属イオン源 2 一対の平行平板 3、3′、3″ イオンビームパルス化機構 4 イオンビーム走査機構 5 イオンビームレンズ 6 試料 7 レーザ装置 8 飛行時間型質量分析計 9 イオンビーム 10 中性粒子 11 レーザビーム 12 二次イオン 13 表面電離型イオン源 14 二対の平行平板 15 加工パターン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 立花 光広 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 土生 徹 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 兼堀 恵一 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内
Claims (13)
- 【請求項1】イオン源と、該イオン源から放出されたイ
オンを加速して集束するイオンビーム集束系と、該イオ
ンビームを照射すべき試料を設置する試料台とで構成さ
れたイオンビーム装置において、一対の静電偏向板より
なる静電偏向電極を、上記イオンビーム集束系のイオン
光軸に沿って8段シリーズに配置し、上記イオン源に近
い方から数えて2段目、3段目、5段目、8段目の各偏
向電極の電場方向を1段目の偏向電極の逆向き方向と
し、かつ、4段目、6段目、7段目の各偏向電極の電場
方向を1段目の偏向電極と同じ向きにし、上記8段の偏
向電極のいずれかの間にスリット、もしくはアパーチャ
を設け、上記8段の各偏向電極に連続的に変化する電圧
を印加するようにしたことを特徴とするイオンビーム装
置。 - 【請求項2】上記8段の偏向電極のうち、2段目と3段
目、あるいは6段目と7段目の各偏向電極を1つの偏向
電極で置き換え、合計6段、あるいは7段の偏向電極の
配置構成としたことを特徴とする請求項1に記載のイオ
ンビーム装置。 - 【請求項3】イオン源と、該イオン源から放出されたイ
オンを加速して集束するイオンビーム集束系と、該イオ
ンビームを照射すべき試料を設置する試料台とで構成さ
れたイオンビーム装置において、一対の静電偏向板より
なる静電偏向電極を、上記イオンビーム集束系のイオン
光軸に沿って4段シリーズに配置し、上記イオン源に近
い方から数えて2段目と3段目の偏向電極の電場方向を
1段目とは逆向き方向とし、かつ、4段目の偏向電極の
電場方向を1段目と同じ向きにし、上記4段の偏向電極
のいずれかの間にスリット、もしくはアパーチャを設
け、上記4段の各偏向電極に連続的に変化する電圧を印
加するようにしたことを特徴とするイオンビーム装置。 - 【請求項4】上記4段の偏向電極のうち、2段目と3段
目の偏向電極を1つの偏向電極で置き換え、合計3段の
偏向電極の配置構成としたことを特徴とする請求項3に
記載のイオンビーム装置。 - 【請求項5】上記4段の偏向電極のうち、少なくとも1
つの偏向電極には、上記の連続的に変化する電圧以外
に、時間的に一定の電圧を重畳することを特徴とする請
求項3に記載のイオンビーム装置。 - 【請求項6】上記3段の偏向電極のうち、少なくとも1
つの偏向電極には、上記の連続的に変化する電圧以外
に、時間的に一定の電圧を重畳することを特徴とする請
求項4に記載のイオンビーム装置。 - 【請求項7】上記4段の偏向電極以外に、イオンビーム
の照射軸を平行移動させることが可能な偏向電極を設け
たことを特徴とする請求項3に記載のイオンビーム装
置。 - 【請求項8】上記3段の偏向電極以外に、イオンビーム
の照射軸を平行移動させることが可能な偏向電極を設け
たことを特徴とする請求項4に記載のイオンビーム装
置。 - 【請求項9】上記4段または8段の偏向電極において、
各偏向電極の偏向板のサイズが同一であることを特徴と
する請求項1または請求項3に記載のイオンビーム装
置。 - 【請求項10】上記の連続的に変化する電圧が、ある設
定電圧から逆極性で同じ値の設定電圧まで直線的に変化
する電圧であることを特徴とする請求項1、2、3また
は4に記載のイオンビーム装置。 - 【請求項11】上記の連続的に、かつ、直線的に変化す
る電圧の変化速度を変えることによって、上記試料に照
射するイオンビームのパルス幅を変えることを特徴とす
る請求項10に記載のイオンビーム装置。 - 【請求項12】上記の多段偏向電極に加えて、上記の多
段偏向電極に対して直交する方向に、少なくとも1対の
偏向電極を設けたことを特徴とする請求項1、2、3ま
たは4に記載のイオンビーム装置。 - 【請求項13】上記の多段偏向電極に、ある設定電圧か
ら逆極性で同じ値の設定電圧まで直線的に変化する電圧
を印加した後、上記多段偏向電極に対して直交する方向
に設けた偏向電極に、上記多段偏向電極に印加した電圧
をもとの極性の設定電圧に戻すまでの時間、ある一定の
電圧を印加し、上記時間内には上記イオンビームが試料
を照射しないようにすることを特徴とする請求項12に
記載のイオンビーム装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7030410A JPH08222168A (ja) | 1995-02-20 | 1995-02-20 | イオンビーム装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7030410A JPH08222168A (ja) | 1995-02-20 | 1995-02-20 | イオンビーム装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08222168A true JPH08222168A (ja) | 1996-08-30 |
Family
ID=12303185
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7030410A Pending JPH08222168A (ja) | 1995-02-20 | 1995-02-20 | イオンビーム装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08222168A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH10269983A (ja) * | 1997-03-24 | 1998-10-09 | Toyota Gakuen | 走査プロトン顕微鏡 |
| JP2008112748A (ja) * | 2008-02-04 | 2008-05-15 | Hitachi Ltd | 走査形荷電粒子顕微鏡、並びに走査形荷電粒子顕微鏡の非点収差補正方法 |
| WO2011111852A1 (en) * | 2010-03-11 | 2011-09-15 | Canon Kabushiki Kaisha | Image processing method |
| JP2015518262A (ja) * | 2012-06-01 | 2015-06-25 | シーメンス アクチエンゲゼルシヤフトSiemens Aktiengesellschaft | 荷電粒子を偏向させるための偏向板および偏向装置 |
-
1995
- 1995-02-20 JP JP7030410A patent/JPH08222168A/ja active Pending
Cited By (6)
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