JPH0822538A - 木目柄パターンをもった印刷物ならびに木目柄パターンの作成方法および作成装置 - Google Patents

木目柄パターンをもった印刷物ならびに木目柄パターンの作成方法および作成装置

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JPH0822538A
JPH0822538A JP6179519A JP17951994A JPH0822538A JP H0822538 A JPH0822538 A JP H0822538A JP 6179519 A JP6179519 A JP 6179519A JP 17951994 A JP17951994 A JP 17951994A JP H0822538 A JPH0822538 A JP H0822538A
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Application number
JP6179519A
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English (en)
Inventor
Naoki Kawai
直樹 河合
Toshio Motegi
敏雄 茂出木
Yasuhiro Hayashi
靖浩 林
Ieharu Hashizume
家治 橋爪
Toshio Ariyoshi
俊雄 有吉
Masaru Okamoto
優 岡本
Yoshio Sukegawa
佳夫 助川
Hideki Murota
秀樹 室田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 天然木の木目柄にできるだけ近似した人為的
な木目柄パターンを作成する。 【構成】 中心軸からの距離に基づいて画素値が周期的
に変化する三次元樹木モデルMの立体画像を、所定の切
断面Jによって切断して年輪パターンPringを得る。こ
のとき、切断面Jには二次元フラクタル格子によるスカ
ラー場を皺としてのせておく。一方、一次元フラクタル
格子によるスカラー場に対応した濃度値分布をもつ線状
閉領域Lを多数用意し、これを並べることにより、樹木
の繊維質の質感を表現した木肌パターンPfiber を作成
する。年輪パターンPringと木肌パターンPfiber とを
画像合成することにより、人為的な木目柄パターンPtr
eeを生成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、木目柄パターンをもっ
た印刷物ならびに木目柄パターンの作成方法および作成
装置に関し、特に、天然の木目にできるだけ近い木目柄
パターンを人為的に作成し、これを印刷物上に形成する
技術に関する。
【0002】
【従来の技術】壁紙などの建材製品や、種々の商品のパ
ッケージなどの模様として、木目柄パターンは広く利用
されている。このような木目柄パターンをもった印刷物
を作成する場合、通常は、天然木の板目をカメラなどで
撮影し、この天然木のもつ木目柄パターンをそのまま利
用する方法が採られる。また、近年では、印刷分野にお
いてもコンピュータを利用した画像処理技術が普及して
きているため、天然木の木目柄パターンをCCDカメラ
などで画像データとして取り込み、この画像データに対
して、コンピュータを利用して必要な画像処理を施し、
処理後の画像データに基づいて印刷を行うという手法も
広く行われている。このように、天然木の木目柄パター
ンをコンピュータに画像データとして取り込むことがで
きれば、この画像に対しては、拡大したり縮小したりす
ることはもちろんのこと、画像を意図的に歪ませるなど
の処理が自由に行えるため、加工の自由度は非常に高く
なり、特殊な効果を狙うための独特の加工方法もよく用
いられている。また、壁紙のような非常に面積の広い印
刷物に適用する場合は、繰り返し配置することが可能な
パターン、別言すれば、タイルのように複数枚を平面的
に配列しても、境界部分で模様が連続するようなパター
ン(ここでは、リピータブルパターンと呼ぶ)になるよ
うに、細かな画像修正を行い、このリピータブルパター
ンを配列して大きな壁紙全体のパターンを得るような手
法も利用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、木目
柄パターンをもった印刷物を作成する場合、最近では、
コンピュータを利用した画像処理技術が盛んに利用され
るようになってきている。しかしながら、このようなコ
ンピュータによる画像処理のもとになるパターンは、本
物の天然木の木目柄から取り込むのが一般的である。と
ころが、将来、天然木材の供給不足が予想されており、
意匠性の高い木目柄をもった天然木を入手することが益
々困難になることが予想される。また、天然木材を用い
る限り、表現可能な木目柄パターンは限られてしまい、
デザインの自由度が制限されることは否めない。しか
も、天然木の木目柄を写真撮影する場合、照明むらが生
じないような環境設定を行う必要があり、高度な技術が
必要になるという問題もある。
【0004】このような問題を解決するため、実際の天
然木材を全く用いることなしに、コンピュータを利用し
て完全に人為的に木目柄パターンを作成しようとする試
みがなされている。このような試みの一般的な原理は、
コンピュータ上で、三次元樹木モデルを構築し、この樹
木モデルを所定面で切断したときに切断面に現れるパタ
ーンをシミュレーションによって求めるものである。し
かしながら、天然の樹木の生態的な構造は非常に複雑で
あり、コンピュータシミュレーションによって完全な三
次元樹木モデルを構築することは、現在の技術では非常
に困難である。このため、従来の手法により、人為的に
木目柄パターンを作成しても、天然木の木目柄とはかな
りかけ離れたものとなってしまい、壁紙などの商業ベー
スの印刷物に利用するには不適当であった。
【0005】そこで本発明は、天然木の木目柄にできる
だけ近似した人為的な木目柄パターンをもった印刷物を
提供することを目的とし、このような印刷物を作成する
方法および装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(1) 本発明の第1の態様は、木目柄パターンをもった
印刷物において、所定の中心軸からの距離に基づいて画
素値が周期的に変化する三次元樹木モデルを所定の切断
面によって切断することにより得られる年輪パターン
と、樹木の繊維質を表現するのに十分細長い形状をして
おり、長手方向に沿って多数の画素が配列され、各画素
の画素値が長手方向に沿ってなだらかに変化しているよ
うな線状閉領域を、長手方向に直交する方向に隣接させ
て多数並べることにより形成される木肌パターンと、を
重畳することにより木目柄パターンを表現したものであ
る。
【0007】(2) 本発明の第2の態様は、上述の第1
の態様に係る印刷物において、年輪パターンに、自己相
似的なスカラー場を与える二次元フラクタル格子に基づ
くゆらぎを含ませ、木肌パターンを構成する各線状閉領
域に、自己相似的なスカラー場を与える一次元フラクタ
ル格子に基づくゆらぎを含ませるようにしたものであ
る。
【0008】(3) 本発明の第3の態様は、木目柄パタ
ーンを人為的に作成する方法において、所定の中心軸か
らの距離に基づいて画素値が周期的に変化する三次元樹
木モデルを用意し、このモデルを所定の切断面によって
切断し、切断面上の画素を平面に投影することにより、
二次元平面上の画素の集合からなる年輪パターンを生成
し、樹木の繊維質を表現するのに十分細長い形状をして
おり、長手方向に沿って多数の画素が配列され、各画素
の画素値が長手方向に沿ってなだらかに変化しているよ
うな線状閉領域を多数用意し、この線状閉領域を、長手
方向に直交する方向に隣接させて多数並べることによ
り、二次元平面上の画素の集合からなる木肌パターンを
生成し、年輪パターン上の各画素と、木肌パターン上の
各画素と、をそれぞれ画素の配列位置に基づいて対応さ
せ、対応する2つの画素のもつ画素値を所定の演算式に
基づいて合成し、合成して得られる新たな画素値をもつ
合成画素を、もとの画素の配列位置に応じて二次元平面
上に並べることにより木目柄パターンを生成するように
したものである。
【0009】(4) 本発明の第4の態様は、上述の第3
の態様に係る方法において、所定のスカラー値を自己相
似的に二次元平面上の各格子点に定義した二次元フラク
タル格子を用意し、この二次元フラクタル格子の各格子
点のもつスカラー値に応じて、切断面上の各点を所定方
向に変位させることにより有皺切断面を生成し、この有
皺切断面によって三次元樹木モデルを切断することによ
り年輪パターンを生成するようにしたものである。
【0010】(5) 本発明の第5の態様は、上述の第4
の態様に係る方法において、二次元フラクタル格子とし
て、このフラクタル格子を空間的に複数配列した場合
に、個々のフラクタル格子の境界部分が連続的に接続さ
れるように各スカラー値が定義されたリピータブルフラ
クタル格子を用意し、所定の平面上の各点を、このリピ
ータブルフラクタル格子の各格子点のもつスカラー値に
応じて所定方向に変位させることにより有皺切断面を生
成し、この有皺切断面によって三次元樹木モデルを切断
することにより、空間的に複数配列した場合に境界部分
が連続的に接続されるようなリピータブル年輪パターン
を生成し、このリピータブル年輪パターンを用いて、空
間的に複数配列した場合に境界部分が連続的に接続され
るようなリピータブル木目柄パターンを生成するように
したものである。
【0011】(6) 本発明の第6の態様は、木目柄パタ
ーンを人為的に作成する方法において、所定の中心軸か
らの距離に基づいて画素値が周期的に変化する三次元樹
木モデルを用意し、樹木の繊維質を表現するのに十分細
長い形状をしており、長手方向に沿って多数の画素が配
列され、各画素の画素値が長手方向に沿ってなだらかに
変化しているような線状閉領域を多数用意し、この線状
閉領域を、長手方向に直交する方向に隣接させて多数並
べることにより、二次元平面上の画素の集合からなる木
肌パターンを生成し、この木肌パターンを構成する各画
素のもつ画素値に応じて、所定面上の各点を所定方向に
変位させて有皺切断面を生成し、モデルをこの有皺切断
面によって切断し、切断面上の画素を平面に投影するこ
とにより、二次元平面上の画素の集合からなる木目柄パ
ターンを生成するようにしたものである。
【0012】(7) 本発明の第7の態様は、上述の第3
〜6の態様に係る方法において、所定のスカラー値を自
己相似的に一次元線分上の各格子点に定義した一次元フ
ラクタル格子を用意し、この一次元フラクタル格子の各
格子点を各画素に対応させ、各格子点のもつスカラー値
を各画素値に対応させることにより線状閉領域を生成
し、このような方法により生成した多数の線状閉領域
を、その長手方向をY軸方向に向けて、このY軸とは直
交するX軸方向に隣接させて多数並べることにより、X
Y二次元平面上に画素配列をもった木肌パターンを生成
するようにしたものである。
【0013】(8) 本発明の第8の態様は、上述の第7
の態様に係る方法において、XY二次元平面上に配列さ
れた木肌パターンを構成する各画素に対して、その画素
のX軸負方向に隣接して配された画素およびX軸正方向
に隣接して配された画素のもつ画素値に基づいて、画素
値を修正するスムージング処理を施し、このスムージン
グ処理後の木肌パターンに基づいて木目柄パターンを作
成するようにしたものである。
【0014】(9) 本発明の第9の態様は、上述の第7
または8の態様に係る方法において、木肌パターンを構
成する各画素の配列に応じた画素配列をもち、しかも、
各画素の画素値がそれぞれ独立した乱数値によって構成
されているホワイトノイズパターンを用意し、木肌パタ
ーン上の各画素と、ホワイトノイズパターン上の各画素
と、をそれぞれ画素の配列位置に基づいて対応させ、対
応する2つの画素のもつ画素値を所定の演算式に基づい
て合成し、合成して得られる新たな画素値をもつ合成画
素を、もとの画素の配列位置に応じて二次元平面上に並
べることにより新たな木肌パターンを生成し、この新た
な木肌パターンに基づいて木目柄パターンを作成するよ
うにしたものである。
【0015】(10) 本発明の第10の態様は、上述の第
7〜9の態様に係る方法において、所定のスカラー値を
自己相似的に二次元平面上の各格子点に定義した二次元
フラクタル格子を用意し、この二次元フラクタル格子の
各格子点のもつスカラー値に応じて、木肌パターンを構
成する各画素の位置を所定方向に変位させることによ
り、木肌パターンに対して画像変形処理を施し、この画
像変形処理後の木肌パターンに基づいて木目柄パターン
を作成するようにしたものである。
【0016】(11) 本発明の第11の態様は、上述の第
3〜10の態様に係る方法において、互いに異なる複数
の木肌パターンを用意し、年輪パターンの各周期領域ご
とに、異なる木肌パターンを合成して木目柄パターンを
得るようにしたものである。
【0017】(12) 本発明の第12の態様は、木目柄パ
ターンを人為的に作成する装置において、所定の数値範
囲内の乱数を発生する乱数発生装置と、この乱数発生装
置が発生した乱数を利用して、所定のスカラー値を自己
相似的に一次元線分上の各格子点に定義した一次元フラ
クタル格子を発生する一次元フラクタル格子発生装置
と、乱数発生装置が発生した乱数を利用して、所定のス
カラー値を自己相似的に二次元平面上の各格子点に定義
した二次元フラクタル格子を発生する二次元フラクタル
格子発生装置と、所定の中心軸からの距離に基づいて画
素値が周期的に変化する三次元樹木モデルを発生する三
次元樹木モデル発生装置と、二次元フラクタル格子発生
装置が発生した二次元フラクタル格子の各格子点のもつ
スカラー値に応じて、所定面上の各点を所定方向に変位
させることにより有皺切断面を発生する切断面発生装置
と、この有皺切断面によって三次元樹木モデルを切断す
ることにより、二次元平面上の画素の集合からなる年輪
パターンを発生する年輪パターン発生装置と、一次元フ
ラクタル格子発生装置が発生した一次元フラクタル格子
の各格子点を各画素に対応させ、各格子点のもつスカラ
ー値を各画素値に対応させることにより線状閉領域を発
生し、この線状閉領域を、その長手方向に直交する方向
に隣接させて多数並べることにより、二次元平面上の画
素の集合からなる木肌パターンを発生する木肌パターン
発生装置と、年輪パターンと木肌パターンとを合成する
ことにより木目柄パターンを得るパターン合成装置と、
を設けたものである。
【0018】(13) 本発明の第13の態様は、上述の第
12の態様に係る装置において、各画素のもつ画素値
を、印刷に必要な複数の原色成分に1対1に対応させる
ためのカラーマップを設定するカラーマップ設定装置
と、このカラーマップに基づいて、パターン合成装置が
合成した木目柄パターンを構成する各画素に対して、そ
れぞれ印刷に必要な複数の原色成分を割り当てる色調割
り当て装置と、この色調割り当て装置によって割り当て
られた原色成分を用いて、木目柄パターンの印刷を行う
印刷装置と、を更に設けたものである。
【0019】
【作 用】本発明に係る印刷物では、年輪パターンに木
肌パターンを重畳することにより、木目柄パターンが表
現される。ここで、年輪パターンは、所定の中心軸から
の距離に基づいて画素値が周期的に変化する三次元樹木
モデルを所定の切断面によって切断することにより得ら
れ、コンピュータを用いた比較的単純な演算により得る
ことができる。また、木肌パターンは、細長い線状閉領
域を多数並べることにより形成されるパターンであり、
各線状閉領域内では、長手方向に沿って画素値がなだら
かに変化している。このような木肌パターンは、樹木の
繊維質の質感を視覚的に与える効果を有する。このよう
に、三次元樹木モデルに基づいて生成された年輪パター
ンに、樹木の繊維質の質感を表現した木肌パターンを重
畳することにより、天然木の木目柄に非常に近い印象を
与える木目柄パターンを作成することができる。
【0020】また、本発明では、年輪パターンおよび木
肌パターンを作成する段階において、フラクタル格子の
もつスカラー場を利用している。一般に、フラクタル図
形が、自然界の多くのものを表現するのに適しているこ
とは広く知られている。このフラクタル図形の特徴は、
ミクロ的に見ても、マクロ的に見ても、その複雑さは常
に同じであるという点にある。自然界に見られる海岸線
の形状、樹木や葉脈の形状、雪の結晶の形状、などは、
いずれもこのフラクタル図形の代表的なものであり、ミ
クロ的に見てもマクロ的に見ても、入り組んだ独特の形
状をしている。このような性質は一般に自己相似性と呼
ばれている。フラクタル理論の本質は、この自己相似性
にあり、この理論をより一般的に拡張すると、所定のス
カラー値を自己相似的に個々の格子点に定義したフラク
タル格子を考えることができる。たとえば、一次元フラ
クタル格子や、二次元フラクタル格子は、一次元線分上
あるいは二次元平面上に配列された各格子点のそれぞれ
に、所定のスカラー値を定義したものであり、空間的な
スカラー場を与えるものである。このスカラー場におい
て、各スカラー値は、自然なゆらぎをもって空間的に変
化することになる。別言すれば、この変化のパターン
は、ミクロ的に見ても、マクロ的に見ても、その複雑さ
は常に同じ、すなわち自己相似的になる。このような自
然のゆらぎを、年輪パターンや木肌パターン内に盛り込
むようにすると、より天然木の木目柄に近い印象をもっ
た木目柄パターンを作成することができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明を図示する実施例に基づいて詳
述する。
【0022】§1. 本発明に係る木目柄パターンの基
本構成 はじめに、本発明に係る木目柄パターンの基本構成を図
1を参照しながら説明する。本発明の木目柄パターンP
treeは、年輪パターンPringと、木肌パターンPfiber
と、を合成することにより構成されている。ここで、年
輪パターンPringは、三次元樹木モデルMを、所定の切
断面Jによって切断した断面として得られるパターンで
あり、樹木の年単位の成長によって醸し出される特有の
周期的なパターンを表現するものである。三次元樹木モ
デルMは、図にその概略が示されているように、いわば
同軸円筒状の幾何学的モデルであり、このモデルでは、
所定の中心軸からの距離に基づいて画素値が周期的に変
化する多数の画素が定義され、いわば概念上の立体画像
が形成されていることになる。この図1では、大まかな
概念を説明するために、三次元樹木モデルMとして同軸
円筒をいくつか重ねた単純なモデルが描かれ、これを単
純平面からなる切断面Jによって切断することにより、
幾何学的な楕円状の年輪パターンPringが得られた状態
が示されているが、実際には、もう少し複雑なモデルが
用いられる。
【0023】一方、木肌パターンPfiber は、天然の樹
木の繊維質を表現するためのパターンであり、図に示す
ような線状閉領域Lを、その長手方向に直交する方向に
隣接させて多数並べることにより形成される。繊維質を
表現する必要があるため、個々の線状閉領域Lは、樹木
の繊維質を表現するのに十分細長い形状(この実施例で
は、幅10〜30μm程度、長さ1〜4mm程度:図で
は便宜上、幅を強張した長方形として示してあるが、実
際に肉眼で観察した場合は線のように見える。)をして
おり、長手方向に沿って多数の画素が配列されており、
かつ、各画素の画素値は長手方向に沿ってなだらかに変
化している。この画素値の変化態様は、個々の線状閉領
域Lごとに全く独立したものにするのが好ましい。各線
状閉領域Lは、その長手方向に沿った画素配列により構
成されており、その画素の濃淡は長手方向に沿ってなだ
らかに変化している。したがって、この木肌パターンP
fiber を、画素の配列という観点からみれば、縦横に多
数の画素を配置した単なる二次元画素配列にすぎない
が、画素値の分布を考慮すると、天然の樹木の繊維質が
自然に表現されているパターンになっていることが理解
できよう。すなわち、各画素を縦方向(列方向)に観察
してゆくと、濃淡がなだらかに変化してゆくため、画素
を縦方向に連結した1つの線状閉領域Lが認識されるの
に対し、各画素を横方向(行方向)に観察してゆくと、
隣接する列同士の画素値は全く独立して定められている
ため、各列が独立分離して認識されるのである。こうし
て、縦方向に認識される細長い線状閉領域Lによって、
天然の樹木の繊維質に近いイメージが生成されることに
なる。
【0024】木目柄パターンPtreeは、こうして生成し
た年輪パターンPringと木肌パターンPfiber とを合成
することにより得られるパターンである。従来は、でき
るだけ精密な三次元樹木モデルMを構築し、これを切断
した断面上に、天然木にできるだけ近い木目柄パターン
を得ようというアプローチを採ることが多かったが、本
発明による手法では、木目柄パターンPtreeを、年輪パ
ターンPringと木肌パターンPfiber とに分けて取り扱
い、最後にこれを合成するというアプローチを採る。こ
のため、三次元樹木モデルMとしては、年輪パターンを
得るための単純なモデルを用意するだけでよい。また、
木肌パターンPfiber も比較的単純な演算によって用意
することができるので、全体的な演算負担は非常に軽く
なる。しかも、壁紙などの商業ベースでの印刷物に利用
可能な、天然木に非常に近い印象を与える木目柄パター
ンを得ることができる。
【0025】以上、本発明に係る木目柄パターンの基本
構成を述べたが、実用上は、各パターンに自然のゆらぎ
成分を付加するため、フラクタル格子に基づくスカラー
場を利用して各パターンを生成するのが好ましい。後述
する実施例では、このフラクタル格子を利用して、年輪
パターンPringおよび木肌パターンPfiber を生成して
いる。そこで、ここでは、まずフラクタル格子について
の一般概念を簡単に説明しておくことにする。
【0026】§2. 一次元フラクタル格子 はじめに、一次元フラクタル格子について、図を参照し
ながら説明する。いま、図2に示すように、1本の線上
に所定の距離だけ離して2つの格子点A,B(図では二
重の円で示す)を定義し、これら各格子点A,Bにそれ
ぞれスカラー値a,bを定義する。このように定義した
2つの格子点A,Bは、初期段階(以下、第0段階と呼
ぶ)の格子点であり、スカラー値a,bは、この2つの
格子点A,Bに設定されたいわば初期条件である。
【0027】続いて、図3に示すように、2つの格子点
A,Bの中点に、第1段階の格子点Cを定義する。この
とき、この格子点Cに対しても、スカラー値cを定義す
ることになるが、このスカラー値cはスカラー値a,b
に基づいて、所定の演算によって定義することになる。
図3は、格子点Cのスカラー値cがまだ定まっていない
状態を示している。なお、ここでは、スカラー値が未定
義の状態の格子点を一重の円で示し、スカラー値が定義
された状態の格子点を二重の円で示すことにする。スカ
ラー値cは、次のような演算式 c=(a+b)/2 + T・RND (1) によって計算される。ここで、aおよびbは、格子点A
およびBについて定義されたスカラー値であり、Tはゆ
らぎの最大半振幅値、RNDは、−1≦RND≦+1な
る任意の乱数である。このように、スカラー値cの定義
には、乱数が用いられており、偶然の要素が左右するこ
とになる。ただし、スカラー値cとしては、全くデタラ
メな値が定義されるわけではなく、両隣の格子点A,B
のスカラー値a,bと、最大半振幅値Tと、によって制
限を受けることになる。すなわち、上述の式(1) に示さ
れているように、スカラー値a,bの平均値に、−T〜
+Tの範囲内の任意の値(乱数によって定まる)を加え
た値が、スカラー値cの値となる。したがって、最大半
振幅値Tは、平均値からずれるゆらぎの程度を制限する
パラメータとなる。
【0028】こうして、第1段階の格子点Cについての
スカラー値cが定義できたら、続いて、図4に示すよう
に、格子点A,Cの中点および格子点C,Bの中点に、
それぞれ第2段階の格子点D,Eを定義する。そして、
これら格子点D,Eに対して、それぞれスカラー値d,
eを、 d=(a+c)/2 + (1/2)・T・RND (2) e=(c+b)/2 + (1/2)・T・RND (3) なる式によって計算する。ここで、上述したように、T
はゆらぎの最大半振幅値、RNDは、−1≦RND≦+
1なる任意の乱数である。式(2) ,(3) は、式(1) と非
常に似ているが、最大半振幅値Tに(1/2)なる係数
がかかっている点は留意すべきである。
【0029】続いて、第2段階までで定義された5つの
格子点A,D,C,E,Bのそれぞれ中点に、第3段階
の格子点を定義し、これらの格子点にもスカラー値を計
算して定義する。たとえば、格子点A,Dの中点として
定義された格子点F(図示されていない)についてのス
カラー値fは、 f=(a+d)/2 + (1/4)・T・RND (4) なる式によって計算される。この式(4) では、最大半振
幅値Tに(1/4)なる係数がかかっている。
【0030】理解を容易にするために、以上のステップ
を実際の数値を用いて説明してみる。たとえば、図5に
示すように、第0段階の格子点A,Bに対して、それぞ
れスカラー値「50」,「80」を初期条件として設定
した場合を考える。このような2つの格子点A,Bの中
点として、図6に示すように、第1段階の格子点Cが定
義されることになるが、この場合、この格子点Cについ
て定義されるスカラー値cは、前述の式(1) により、 c=(50+80)/2+T・RND (1) なる演算で与えられる。ここでは、ゆらぎの最大半振幅
値T=5と設定し、上式の演算時には、たまたま乱数R
ND=+0.6になったものとしよう。この場合、演算
により求まるスカラー値c=68となる。
【0031】続いて、格子点A,Cおよび格子点C,B
の中点として、図7に示すように、第2段階の格子点D
および格子点Eが定義されることになるが、この場合、
これらの格子点D,Eについて定義されるスカラー値
d,eは、前述の式(2) ,(3)により、 d=(50+68)/2+(1/2)・T・RND (2) e=(68+80)/2+(1/2)・T・RND (3) なる演算で与えられる。ここで、上各式の演算時に、た
またま乱数RND=−0.4、RND=+0.8になっ
たものとすると、演算により求まるスカラー値d=5
8、e=76となる。結局、第2段階の格子点について
のスカラー値が求まった段階では、図8に示すように、
5つの格子点A,D,C,E,Bについて、それぞれス
カラー値が定義されたことになる。
【0032】同様にして、これらの5つの格子点A,
D,C,E,Bのそれぞれ中点に、第3段階の格子点を
定義し、これらの格子点にもスカラー値を計算して定義
し、更に、第4段階、第5段階、…、と同じ操作を繰り
返し実行してゆく。このような操作を所定の有限回数n
だけ繰り返し行ってゆけば、第0段階の格子点A,Bの
間に多数の格子点が定義され、これら各格子点には所定
のスカラー値が定義されることになる。なお、第n段階
の格子点についてのスカラー値sの計算方法を一般式で
示せば、 s=(α+β)/2+(1/2(n−1))・T・RND (5) となる。ここで、αおよびβは、その格子点の両隣の格
子点のスカラー値(第(n−1)段階で計算されてい
る)であり、上述したように、Tはゆらぎの最大半振幅
値、RNDは、−1≦RND≦+1なる任意の乱数であ
る。
【0033】このような方法によって、所定のスカラー
値をもった格子点を多数定義すると、これらの格子点は
一次元フラクタル格子を構成することになる。このよう
なフラクタル格子の発生方法は、一般にランダム中点変
位法と呼ばれている方法である。上述の具体例では、こ
の一次元フラクタル格子の左端点に「50」、右端点に
「80」、というスカラー値が定義され、これら両端点
の間に定義された多数の格子点にも、それぞれ特有のス
カラー値が定義される。いま、こうして求まった一次元
フラクタル格子の配列方向を横軸にとり、個々のスカラ
ー値を縦軸にとると、図9に示すようなグラフが描かれ
ることになる。このようなグラフは、たとえば、自然界
の海岸線の形状に似た性質をもつ。すなわち、個々のス
カラー値は、部分的に大きくなったり小さくなったり
と、様々な分布をとることになるが、この分布パターン
の複雑さは、ミクロ的に見ても、マクロ的に見ても同じ
になることが知られている。この性質をより具体的に説
明すれば、図9において、格子点AB間のグラフの複雑
さも、格子点AD間のグラフの複雑さも、同じであり、
また、この格子点ADの間のごく微小区間を虫めがねで
拡大して見た場合も、やはり同じ複雑さをもっていると
いうことである。別言すれば、個々のスカラー値は自己
相似的に個々の格子点に定義されており、自然なゆらぎ
をもって空間的に増減変化していることになる。
【0034】§3. 二次元フラクタル格子 以上、単純な一次元のフラクタル格子をランダム中点変
位法によって発生させる方法を、具体例を掲げながら説
明を行ったが、同様の考え方に基づいて、格子点が平面
的に配列された二次元フラクタル格子を発生させること
もできる。ここでは、上述の一次元フラクタル格子で説
明したランダム中点変位法を二次元に適用した方法の一
例を述べておく。二次元フラクタル格子を発生させるに
は、第0段階の格子点として、図10に示すように、正
方形の4頂点に格子点A,B,C,Dを配置し、それぞ
れスカラー値a,b,c,dを定義する。ここで、この
正方形は、最終的に生成された二次元フラクタル格子の
外形を形成する外形矩形である。
【0035】続いて、図11に示すように、格子点AB
間、BC間、CD間、DA間のそれぞれ中点に、第1段
階の格子点E,F,G,Hを定義するとともに、4つの
格子点ABCDの対角線の交点に、もうひとつの第1段
階の格子点Iを定義する。そして、これら5つの格子点
について、それぞれスカラー値e,f,g,h,iを定
義するが、これは次のような演算式 e=(a+b)/2 + T・RND (6) f=(b+c)/2 + T・RND (7) g=(c+d)/2 + T・RND (8) h=(d+a)/2 + T・RND (9) i= (a+b+c+d)/4 + T・RND (10) によって計算される。なお、一次元フラクタル格子の例
と同様に、Tはゆらぎの最大半振幅値、RNDは、−1
≦RND≦+1なる任意の乱数である。
【0036】こうして、第1段階の格子点E,F,G,
H,Iについてのスカラー値e,f,g,h,iが定義
できたら、続いて、図12に示すように、隣接する各格
子点の中点および4つの格子点の対角線の交点に、それ
ぞれ第2段階の格子点J,K,L,M,N,…を定義す
る(繁雑になるのを避けるため、図12では、格子点
J,K,L,M,Nのみ格子点名を表示してある)。そ
して、これらの各格子点について、それぞれスカラー値
j,k,l,m,n,…を定義するが、これは次のよう
な演算式(j〜nまでについての演算式のみを示す) j=(a+e)/2 + (1/2)・T・RND (11) k=(e+i)/2 + (1/2)・T・RND (12) l=(i+h)/2 + (1/2)・T・RND (13) m=(h+a)/2 + (1/2)・T・RND (14) n= (a+e+i+h)/4 + (1/2)・T・RND (15) によって計算する。この第2段階の格子点のスカラー値
を求める式では、前述した一次元フラクタル格子の場合
と同様に、最大半振幅値Tに(1/2)なる係数がかか
っている。
【0037】以下、同様に、第3段階、第4段階、…、
第n段階の処理を繰り返し実行してゆけば、二次元平面
上に配列された多数の格子点について、スカラー値が定
義されることになる。
【0038】以上の処理を、一般論として説明すると、
まず、第0段階において、外形矩形のそれぞれ4隅位置
に4つの格子点を定義し、各格子点にそれぞれ所定のス
カラー値を定義する。そして、以下、第i段階の処理と
して、次のような処理を順次実行すればよい。すなわ
ち、まず、第(i−1)段階までに定義された格子点を
内部に含まない現段階での最小矩形を認識する。たとえ
ば、i=1の第1段階の場合は、図10に示す矩形AB
CDが最小矩形(第0段階までに定義された格子点A,
B,C,Dを内部に含まない矩形)であり、i=2の第
2段階の場合は、図11に示す4つの矩形AEIH,E
BFI,HIGD,IFCGがそれぞれ最小矩形(第1
段階までに定義された格子点A〜Iをいずれも内部に含
まない矩形)である。
【0039】そして、この最小矩形の各辺の中点および
この最小矩形の中心点に、第i段階に定義すべき格子点
を生成する(たとえば、i=1の第1段階の場合は、図
11に示すように、最小矩形ABCDの各辺の中点E,
F,G,Hおよび中心点Iに、定義すべき格子点が生成
されている)。更に、これらの格子点のうち、中点に生
成した格子点については、その辺の端点に存在する第
(i−1)段階までに定義された2つの格子点のもつス
カラー値に乱数を作用させることによって得られるスカ
ラー値を与える。たとえば、図11に示す格子点Eにつ
いては、2つの格子点A,Bのもつスカラー値a,bに
乱数RNDを作用させることによって得られたスカラー
値eが与えられている。一般に、第n段階において隣接
する格子点の中点として定義される格子点についてのス
カラー値s1の計算方法を式で示せば、 s1=(α+β)/2+(1/2(n−1))・T・RND (16) となる。ここで、αおよびβは、その格子点の両隣の格
子点のスカラー値(第(n−1)段階で計算されてい
る)である。
【0040】一方、最小矩形の中心点に生成した格子点
については、その最小矩形の4隅位置に存在する第(i
−1)段階までに定義された4つの格子点のもつスカラ
ー値に乱数を作用させることによって得られるスカラー
値を与える。たとえば、図11に示す格子点Iについて
は、4つの格子点A,B,C,Dのもつスカラー値a,
b,c,dに乱数RNDを作用させることによって得ら
れたスカラー値iが与えられている。一般に、第n段階
において最小矩形の中心点として定義される格子点につ
いてのスカラー値s2の計算方法を式で示せば、 s2= (α+β+γ+δ)/4 +(1/2(n−1))・T・RND (17) となる。ここで、α,β,γ,δは、その最小矩形の4
つの隅にある格子点のスカラー値(第(n−1)段階で
計算されている)である。
【0041】このような方法によって生成された二次元
フラクタル格子は、結局、二次元平面的に広がったスカ
ラー場を与えるものになる。そこで、この二次元フラク
タル格子の面を水平面上にとり、各スカラー値を垂直方
向の高さ(標高)としてグラフにプロットすれば山岳の
隆起構造のような凹凸パターンが表現できる。このよう
な隆起構造は、自然界に存在する実際の山岳の隆起構造
の凹凸パターンと似た性質をもつことが知られている。
すなわち、凹凸構造の複雑さは、ミクロ的に見ても、マ
クロ的に見ても同じになり、この凹凸構造の一部を虫め
がねで拡大して見た場合も、やはり同じ複雑さをもって
いる。別言すれば、二次元平面上に分布した個々のスカ
ラー値は自己相似的に配置されており、自然なゆらぎを
もって空間的に増減変化していることになる。
【0042】§4. 本発明に係る木目柄パターンの作
成装置 続いて、図13に示すブロック図を参照しながら、本発
明の一実施例に係る木目柄パターンの作成装置の構成を
説明する。この図13に示す装置は、大きく分けて、年
輪パターン生成部100、木肌パターン生成部200、
パターン合成印刷部300、の各部から構成されてい
る。なお、各ブロックで示した個々の構成要素のうちの
いくつかは、上記各部で共通して利用されている。
【0043】図1を参照しながら§1において述べたよ
うに、本発明の基本思想は、三次元樹木モデルMに基づ
いて年輪パターンPringを生成し、線状閉領域Lを配列
することにより木肌パターンPfiber を生成し、これら
2つのパターンを合成することにより木目柄パターンP
treeを作成することにある。図13に示す装置は、正
に、この基本思想に基づく処理を行う装置であり、年輪
パターン生成部100によって年輪パターンPringが生
成され、木肌パターン生成部200によって木肌パター
ンPfiber が生成され、パターン合成印刷部300によ
って、これら2つのパターンが合成され、印刷されるこ
とになる。
【0044】以下、この図13に示す装置の各ブロック
構成要素の機能について簡単に説明するが、図1に示し
た基本思想に基づく各処理と対比させると、理解が容易
になろう。まず、年輪パターン生成部100内の各構成
要素についての説明から行う。
【0045】乱数発生装置110は、所定の数値範囲内
の乱数を発生する装置である。§2,§3において述べ
たように、フラクタル格子を生成する処理には、乱数R
NDが用いられている。乱数発生装置110は、主とし
て、このフラクタル格子の生成処理に用いる乱数RND
を発生するための装置であり、この実施例では、−1≦
RND≦+1という数値範囲内の乱数RNDを発生する
機能を有する。
【0046】二次元フラクタル格子発生装置120は、
§3において述べた「ランダム中点変位法」によって二
次元フラクタル格子を発生する装置である。すなわち、
予め定められた最大半振幅値Tと、乱数発生装置110
で発生した乱数RNDと、に基づいて§3で述べた演算
を行い、所定のスカラー値を自己相似的に二次元平面上
の各格子点に定義した二次元フラクタル格子を発生する
機能を有する。
【0047】年輪パラメータ設定装置130は、年輪パ
ターンPringを発生させるための諸条件となるパラメー
タを設定する装置である。設定される年輪パラメータと
しては、三次元樹木モデルMについての条件設定を行う
パラメータと、切断面Jについての条件設定を行うパラ
メータと、がある。具体的なパラメータの内容について
は、後に詳述する。
【0048】三次元樹木モデル発生装置140は、年輪
パラメータ設定装置130に設定されたパラメータに基
づいて三次元樹木モデルMを発生する装置である。既に
述べたように、この三次元樹木モデルMは、所定の中心
軸からの距離に基づいて画素値が周期的に変化する立体
画像モデルである。後述するように、この三次元樹木モ
デルMの発生には、乱数発生装置110で発生した乱数
RNDが用いられる。
【0049】切断面発生装置150は、上述した三次元
樹木モデル発生装置140が発生した三次元樹木モデル
Mの立体画像を切断する切断面Jを発生させる装置であ
る。切断面Jは、基本的な原理の上からは、単純な平面
でもかまわない。しかしながら、自然のゆらぎ成分をも
った年輪パターンPringを得るために、この実施例で
は、二次元フラクタル格子発生装置120が発生した二
次元フラクタル格子F2を利用し、この二次元フラクタ
ル格子F2の各格子点のもつスカラー値に応じて、平面
上の各点を所定方向に変位させることにより有皺切断面
JJを発生させ、この有皺切断面JJによって三次元樹
木モデルMを切断するようにしている。
【0050】年輪パターン発生装置160は、三次元樹
木モデル発生装置140が発生した三次元樹木モデルM
の立体画像を、切断面発生装置150が発生した有皺切
断面JJによって切断することにより、年輪パターンP
ringを発生する装置である。この年輪パターンPring
は、二次元平面上の縦横に配列された画素の集合から構
成される。
【0051】続いて、木肌パターン生成部200内の各
構成要素について説明する。ここで、乱数発生装置11
0および二次元フラクタル格子発生装置120は、前述
した年輪パターン生成部100と共用される構成要素で
あり、既に説明したとおりである。
【0052】一次元フラクタル格子発生装置210は、
§2において述べた「ランダム中点変位法」によって一
次元フラクタル格子を発生する装置である。すなわち、
予め定められた最大半振幅値Tと、乱数発生装置110
で発生した乱数RNDと、に基づいて§2で述べた演算
を行い、所定のスカラー値を自己相似的に一次元線分上
の各格子点に定義した一次元フラクタル格子を発生する
機能を有する。
【0053】木肌パターン発生装置220は、この一次
元フラクタル格子発生装置210が発生した一次元フラ
クタル格子F1に基づいて、木肌パターンPfiber を発
生する装置である。図1に示したように、木肌パターン
Pfiber は、多数の線状閉領域Lを隣接して配列するこ
とにより構成されるパターンである。ここで、線状閉領
域Lは、一次元フラクタル格子F1に基づいて生成する
ことが可能である。すなわち、一次元フラクタル格子F
1の各格子点を各画素として取り扱い、各格子点のもつ
スカラー値を画素値として取り扱えば、一次元フラクタ
ル格子F1をそのまま線状閉領域Lとして利用すること
ができる。こうして、一次元フラクタル格子発生装置2
10が発生した多数の一次元フラクタル格子F1によっ
て、多数の線状閉領域Lを形成し、これをその長手方向
に直交する方向に隣接させて多数並べることにより、木
肌パターンPfiber を生成することができる。こうして
生成された木肌パターンPfiber は、二次元平面上の縦
横に配列された画素の集合から構成されることになる。
【0054】なお、この木肌パターン発生装置220に
よって発生した木肌パターンPfiber は、後述する各構
成要素によって修正を受けることになる。この実施例で
は、以下に述べるように、3段階の修正が行われる。そ
こで、本明細書では、木肌パターン発生装置220が発
生したもともとの木肌パターンを、木肌パターンPfibe
r (0)と呼び、これに第1段階の修正を加えることに
より得られる木肌パターンを、木肌パターンPfiber
(1)と呼び、これに第2段階の修正を加えることによ
り得られる木肌パターンを、木肌パターンPfiber
(2)と呼び、更に、第3段階の修正を加えることによ
り得られる木肌パターンを、木肌パターンPfiber
(3)と呼んで区別することにする。
【0055】スムージング処理装置230およびスムー
ジングパラメータ設定装置240は、木肌パターンPfi
ber (0)に対して、第1段階の修正を加えるための装
置である。この第1段階の修正は、木肌パターンPfibe
r (0)の隣接する各列ごとの画素値の極端な相違を緩
和するスムージング処理であり、スムージング処理装置
230は、スムージングパラメータ設定装置240内に
設定されたパラメータに基づいて、このスムージング処
理を実行することになる。この処理は、「二次元平面上
に配列された木肌パターンを構成する各画素に対して、
その画素の左側に隣接して配された画素および右側に隣
接して配された画素のもつ画素値に基づいて、画素値を
修正する処理」ということができるが、詳しい処理方法
については後述する。このスムージング処理の結果、木
肌パターンPfiber (1)が得られる。
【0056】画像合成装置250およびホワイトノイズ
発生装置260は、木肌パターンPfiber (1)に対し
て、第2段階の修正を加えるための装置である。ホワイ
トノイズ発生装置260は、乱数発生装置110が発生
した乱数RNDを用いて、ホワイトノイズパターンWを
発生する。このホワイトノイズパターンWは、木肌パタ
ーンPfiber (1)を構成する各画素の配列に応じた画
素配列をもち、しかも、各画素の画素値がそれぞれ独立
した乱数値によって構成されているパターンである。画
像合成装置250は、木肌パターンPfiber (1)と、
ホワイトノイズパターンWとを合成する処理を行い、合
成結果を木肌パターンPfiber (2)として出力する。
この合成処理は、木肌パターンPfiber (1)上の各画
素の画素値と、これに対応するホワイトノイズパターン
W上の各画素の画素値を所定の演算式に基づいて合成
し、合成して得られる新たな画素値をもつ合成画素を、
もとの画素の配列位置に応じて二次元平面上に並べるこ
とにより新たな木肌パターンPfiber (2)を生成する
処理である。なお、詳しい合成処理の方法については後
述する。
【0057】画像変形装置270および変形パラメータ
設定装置280は、木肌パターンPfiber (2)に対し
て、第3段階の修正を加えるための装置である。この第
3段階の修正は、二次元フラクタル格子発生装置120
が発生した二次元フラクタル格子F2を用いて行われ
る。すなわち、画像変形装置270は、この二次元フラ
クタル格子F2の各格子点のもつスカラー値に応じて、
木肌パターンPfiber (2)を構成する各画素の位置
を、変形パラメータ設定装置280内に設定されたパラ
メータに基づいて所定方向に所定距離だけ変位させる処
理を行う。この処理により、木肌パターンPfiber
(2)に対する画像変形が行われ、変形後の画像は木肌
パターンPfiber (3)として出力されることになる。
この画像変形処理についても、詳細な方法は後述する。
【0058】最後に、パターン合成印刷部300内の各
構成要素について説明する。パターン合成装置310
は、年輪パターン生成部100が生成した年輪パターン
Pringと、木肌パターン生成部200が生成した木肌パ
ターンPfiber (3)とを合成する処理を行い、木目柄
パターンPtreeを得る装置である。この合成処理は、合
成パラメータ設定装置320内に設定されている合成パ
ラメータに基づいて行われるが、詳細な合成方法につい
ては後に詳述することにする。
【0059】色調割り当て装置330およびカラーマッ
プ設定装置340は、こうして得られた木目柄パターン
Ptreeに対して、色調を施す作業を行う機能を有する。
この装置の最終的な目的は、発生した木目柄パターンP
treeを壁紙などの印刷物上に印刷することにある。この
ように、最終的に印刷を行う場合には、木目柄パターン
Ptreeを構成する各画素には、たとえば、CMYなどの
3原色の濃度値を示す値が画素値として用意されていな
ければならない。ただ、年輪パターンPringを生成する
段階や木肌パターンPfiber を生成する段階において、
このようなカラー印刷を前提とした各原色の濃度値を取
り扱うと、演算処理が複雑化するために好ましくない。
そこで、本実施例では、パターン合成装置310によっ
て木目柄パターンPtreeが得られる段階までは、各パタ
ーンを構成する画素の画素値として、カラー印刷を考慮
しない単なる階調値(たとえば、0〜255までの25
6段階の階調値)を用い、この色調割り当て装置330
によって、各原色の濃度値と対応づけることにしてい
る。すなわち、カラーマップ設定装置340に、木目柄
パターンPtreeを構成する各画素のもつ画素値を、印刷
に必要な複数の原色成分に1対1に対応させるためのカ
ラーマップを用意しておく。そして、色調割り当て装置
330は、このカラーマップを用いて、木目柄パターン
Ptreeの各画素に原色の濃度値成分の割り当てを行うの
である。
【0060】刷版装置350は、こうして色割り当てが
行われた木目柄パターンPtreeに基づいて、印刷に必要
な各原色ごとの版を作成する機能を有し、印刷装置36
0は、この版を用いて、壁紙などの木目柄パターンPtr
eeをもった印刷物を作成する機能を有する。
【0061】なお、この図13に示した各ブロック構成
要素のうち、刷版装置350および印刷装置360は、
従来から印刷工程で一般的に用いられている刷版装置や
印刷装置を用いて構成されているが、それ以外の各ブロ
ック構成要素は、実際にはコンピュータあるいはその周
辺機器によって構成されている。たとえば、各パラメー
タの設定装置は、実際には、キーボードやマウスなどの
コンピュータの入力装置と、このコンピュータ用の記憶
装置によって構成されることになる。また、種々の発生
装置や種々の処理を行う装置は、専用のソフトウエアに
よってこのコンピュータを動作させることによって実現
できる。
【0062】§5. 年輪パターンの生成方法 次に、図13に示す装置における年輪パターン生成部1
00による年輪パターンPringの生成方法を、より具体
的な実施例に基づいて詳述する。図14は、三次元樹木
モデル発生装置140が発生した三次元樹木モデルMの
具体例を示す斜視図である。このような三次元樹木モデ
ルMは、本実施例では、 1年間の平均成長幅:D(単位mm) 年間成長幅のばらつきの最大値:Δ(単位mm) これまでの成長年:year なる年輪パラメータを年輪パラメータ設定装置130内
に設定することにより発生させている。図14に示す三
次元樹木モデルMは、year=4に設定したモデルで
あり、1年目の成長幅D1、2年目の成長幅D2、3年
目の成長幅D3、4年目の成長幅D4が示されている。
ここで、i年目の成長幅Diは、 Di = D + Δ・RND (18) なる式で与えられる。なお、RNDは、乱数発生装置1
10で発生した乱数であり、−1≦RND≦+1の範囲
をとる。
【0063】この三次元樹木モデルMの実態は、三次元
立体画像であり、三次元空間に分布した画素の集合であ
る。したがって、各画素には所定の画素値が定義される
ことになる。このモデルの特徴は、中心軸Cからの距離
に基づいて周期的に変化するような画素値が与えられる
点にある。この実施例では、1画素のもつ画素値を8ビ
ットのデータで表現することにする。したがって、各画
素には、0〜255という256とおりの画素値のいず
れかが与えられることになる。なお、§4において述べ
たように、この段階で各画素に与えられる画素値は、実
際に印刷の段階で濃度値として直接用いられる値ではな
い(カラーマップに基づく色調割り当てにより、印刷段
階で直接用いる濃度値が割り当てられる)。したがっ
て、本明細書では、この段階で各画素に定義される8ビ
ットの画素値を、特に「ポテンシャル値」と呼ぶことに
する。
【0064】図15は、中心軸Cに対して垂直な面にお
いて、この三次元樹木モデルMの各画素に定義されるポ
テンシャル値Urを示す図である。1年目の成長幅D1
の区間内では、成長方向に向かってポテンシャル値Ur
は0〜255と単調増加するが、2年目の成長幅D2の
区間内に入ると、ポテンシャル値Urは再び0に戻り、
やはり0〜255と単調増加する。このように、各年の
成長幅の区間内において、ポテンシャル値Urは0〜2
55と単調増加することになる。図16は、このような
ポテンシャル値Urの周期的な変化をグラフで示したも
のである。この実施例では、ポテンシャル値Urの単調
増加はいずれも線形増加になっているが、必ずしも線形
に増加させる必要はない。このモデルの特徴である「中
心軸Cからの距離に基づいて周期的に変化するような画
素値が与えられる」という意味は、このように、各年の
成長幅区間ごとに、周期的な(必ずしも一定周期ではな
い)ポテンシャル値Urが与えられるという意味であ
る。このようなポテンシャル値Urの定義は、本実施例
では、中心軸Cの周囲360°のいずれの成長方向に関
しても同様であり、また、中心軸Cに対して垂直ないず
れの面についても同様である。もちろん、360°の各
成長方向ごとに、あるいは、中心軸Cに対して垂直な各
面ごとに、異なるポテンシャル値を定義してもかまわな
い。
【0065】結局、このような三次元樹木モデルMの立
体画像をコンピュータ上に構築すれば、この三次元空間
内の任意の位置に存在する画素についてのポテンシャル
値Urは、非常に単純な演算により求めることができ
る。もっとも、コンピュータ上での実際の演算を考える
ならば、この三次元樹木モデルMは、有限の大きさをも
った画素の集合からなる立体画像としてとらえるより
も、三次元空間内の任意の座標位置(体積が0の幾何学
的な点)に特定のポテンシャル値Urが定義された三次
元ポテンシャル場としてとらえる方が適切であろう。
【0066】一方、切断面発生装置150は、切断面J
を発生する。この切断面Jは、図17に示すように、三
次元樹木モデルMを切断するための面である。このよう
な切断面Jは、本実施例では、 1画素あたりの実寸長(単位mm/画素) 切断面の大きさ(縦横の画素数) 三次元樹木モデルに対する位置 最大ゆらぎ幅(mm) なる年輪パラメータを年輪パラメータ設定装置130内
に設定することにより発生させている。前述したよう
に、この実施例では、三次元樹木モデルMをmm単位の
実寸で発生させたため、切断面Jの大きさは、1画素あ
たりのmm単位での実寸長と、この大きさの画素を縦横
にいくつ並べたかを示す画素数とによって指定してい
る。また、三次元樹木モデルMに対するこの切断面の位
置としては、中心軸Cに対する交差角度などで指定する
ことも可能であるが、この実施例では、切断面Jの上辺
と中心軸Cとの距離および下辺と中心軸Cとの距離(単
位mm)として指定している。
【0067】このように、いくつかの年輪パラメータを
設定することにより、三次元樹木モデルMおよび切断面
Jの大きさおよび相対位置が特定でき、三次元樹木モデ
ルMの所定部位を切断面Jによって切断したイメージを
コンピュータ上で得ることができる。このとき、切断面
J上に定義された各画素位置におけるポテンシャル値U
rを、その画素のポテンシャル値(画素値)として与え
るようにすれば、図18に示すように、切断面J上に年
輪パターンPringが形成されることになる。たとえば、
切断面J上にXY二次元座標系を定義すれば、所定の座
標位置(x,y)に存在する画素に対して、特定のポテ
ンシャル値Ur(x,y)が定義されることになり、こ
の年輪パターンPringは、256段階の階調をもった画
像になる。
【0068】以上、切断面Jとして平面を用いた例を説
明した。しかし、このような平面による切断によって得
られる年輪パターンPringは、幾何学的な楕円によって
構成されるパターンとなり、人為的に発生させたパター
ンとしての性質が強く現れることになる。そこで、本発
明では、次のような方法により、自然なゆらぎをもった
年輪パターンPringを得るようにしている。いま、図1
9(a) に示すように、切断面Jをその主面に対して垂直
に切った断面を考える。いわば切断面の切断面である。
切断面Jは平面であるから、その断面は、図19(a) に
示すように直線になる。ここで、この切断面J上の点Q
を、図の上方に変位量dだけ動かし、点QQの位置まで
変位させたとすると、この点QQの位置において、切断
面Jは歪んだ面になる。そこで、切断面J上に分布する
多数の点について、同様に上下に変位させてみる。ただ
し、変位量dは各点ごとにランダムな値になるように
し、変位量が負の値をとるときには、図の下方に向かっ
て変位させるものとする。すると、切断面Jは、いわば
皺くちゃになった紙のような面になる。本明細書では、
このような面を有皺切断面JJと呼ぶことにする。図1
9(b) は、こうして得られる有皺切断面JJの断面図で
ある。図17に、年輪パラメータとして示した「最大ゆ
らぎ幅」は、この変位量dの最大値fを示すものであ
る。
【0069】ところで、上述の説明では、「変位量dを
各点ごとにランダムな値にとり、切断面J上に分布する
多数の点を変位させる」と述べたが、実際には、切断面
J上に定義された個々の画素を変位させることになる。
本実施例では、既に述べたように、年輪パラメータとし
て、切断面Jを構成する縦横の画素数が設定されている
ので、この各画素ごとに上述の変位を行えばよい。ま
た、変位量dとして用いるランダム値としては、二次元
フラクタル格子発生装置120が発生した二次元フラク
タル格子F2のもつスカラー値を用いるのである。すな
わち、切断面J上に定義した画素配列と同じ格子配列を
もった二次元フラクタル格子F2を発生し、各画素に対
してそれぞれ同位置にある格子点を対応づけ、対応する
格子点に与えられたスカラー値Sに基づいて変位量dを
決定する。このとき、最大ゆらぎ幅fが年輪パラメータ
として設定されているので、二次元フラクタル格子F2
に定義されたスカラー値Sの最大値が最大ゆらぎ幅fに
なるように規格化を行えばよい。
【0070】こうして得られた有皺切断面JJは、たと
えば山岳地帯の起伏構造のように、自然のゆらぎをもっ
た皺状の面となる。したがって、この有皺切断面JJに
よって、三次元樹木モデルMを切断し、各画素にその位
置におけるポテンシャル値Urを与えるようにすると、
このポテンシャル値Urの分布は、大まかには、図18
に示すような年輪パターンPringになるが、細かな部分
に二次元フラクタル格子F2による自然のゆらぎが現れ
ることになる。なお、年輪パターンPringは、平面上の
パターンとして得る必要がある。そこで、図19(b) に
おいて、有皺切断面JJ上に得られたポテンシャルパタ
ーンを、切断面J上に投影することにより、平面的な年
輪パターンPringを得る。
【0071】上述の例では、切断面Jに基づいて有皺切
断面JJを生成する場合に、切断面J上の点Qを、この
切断面Jに対して垂直な方向(図19(a) ,(b) におけ
る上下方向)に変位量dだけ変位させて点QQを定義し
ていた。しかし、点QQを得るための変位方向は、必ず
しも切断面Jに対して垂直な方向だけに限定されるもの
ではない。予め変位方向を定めておけば、どのような方
向に変位させてもかまわない。そこで、本実施例では、
コンピュータによる演算負担を軽減するために、変位方
向を「中心軸Cに向かう方向」と設定して演算を行って
いる。図20は、このような設定に基いて、切断面Jか
ら有皺切断面JJを生成する作業を示している。この例
では、変位量dが正の場合には、切断面J上の点Qを、
図に示すように、中心軸Cに垂線を下ろす方向に絶対値
dだけ変位させた位置に点QQを定義し(破線による変
位方向は、切断面Jに対して垂直な方向を示してい
る)、逆に変位量dが負の場合には、この垂線に沿って
中心軸Cから離れる方向に絶対値dだけ変位させた位置
に点QQを定義することになる。図16に示したよう
に、この実施例における三次元樹木モデルMでは、ポテ
ンシャル値Urは、中心軸Cからの距離に基づいて周期
的に変化するような分布になっているので、変位方向を
このように定めておけば、変位量dによるポテンシャル
値Urの変動は、単純な加減算により求められる。した
がって、実際の演算としては、切断面Jによって得られ
る個々のポテンシャル値Urに対して、変位量d(すな
わち、二次元フラクタル格子から得られたスカラー値
S)に基づく増減補正を行えばすむ。
【0072】もっとも、このような変位方向の設定は、
コンピュータによる演算の便宜を考慮したためのもので
あり、原理的には、図19に示すように切断面に垂直な
方向に変位させてもよいし、その他どのような変位方向
を設定してもかまわない。
【0073】§6. 木肌パターンの生成方法 次に、図13に示す装置における木肌パターン生成部2
00による木肌パターンPfiber (0)〜Pfiber
(3)の生成方法を、より具体的な実施例に基づいて詳
述する。
【0074】<<<木肌パターンPfiber (0)の生成
>>>まず、木肌パターン発生装置220による木肌パ
ターンPfiber (0)の生成方法を述べる。この方法の
特徴は、一次元フラクタル格子F1を利用して、線状閉
領域Lを生成し、この線状閉領域Lを多数配列すること
により、木肌パターンPfiber (0)を生成する点にあ
る。
【0075】いま、一次元フラクタル格子発生装置21
0によって、図21(a) に示すような一次元フラクタル
格子F1が生成されたものとする。ここで、各升目は個
々の格子点を示し、各升目の中の数値は、各格子点に定
義されたスカラー値を表わしているものとする。ここ
で、各スカラー値を濃淡の度合いに置き換えてみれば、
図21(b) に示すような線状閉領域Lを生成することが
できる。結局、コンピュータ内のデータとしては、一次
元フラクタル格子F1も、線状閉領域Lも、スカラー値
の列という同じデータである。したがって、一次元フラ
クタル格子発生装置210が発生した一次元フラクタル
格子F1を、そのまま線状閉領域Lとして取り扱うこと
ができる。この場合、線状閉領域Lを構成する画素の数
に合致した格子点の数をもち、線状閉領域Lを構成する
各画素に与える画素値に適したスカラー値をもった一次
元フラクタル格子F1を発生させるのが好ましい。§5
において述べたように、この実施例では、1画素のもつ
画素値を8ビットのデータで表現し、これをポテンシャ
ル値と呼ぶことにした。したがって、0〜255という
256とおりのスカラー値をもった一次元フラクタル格
子F1を発生させることができれば、これをそのまま線
状閉領域Lとして取り扱うことが可能である。もっと
も、スカラー値が0〜255の範囲となるような正規化
は簡単な演算によって行うことができるので、実際に
は、どのようなスカラー値をもった一次元フラクタル格
子F1を用意しても問題はない。
【0076】さて、このような一次元フラクタル格子F
1を、必要な数だけ(作成しようとしている木目柄パタ
ーンの面積をカバーできるだけ)用意する。ただし、い
ずれも第0段階において与えるスカラー値を別個独立に
ランダムに設定し、個々の一次元フラクタル格子F1の
もつスカラー値が、それぞれ別な一次元フラクタル格子
のもつスカラー値とは無関係になるようにするのが好ま
しい。こうして用意した多数の一次元フラクタル格子F
1を、図22(a) のように配列すれば、木肌パターンP
fiber (0)が生成できる。ここでは、説明の便宜上、
この木肌パターンPfiber (0)がXY平面上に定義さ
れたものとする。すなわち、一次元フラクタル格子F1
は、その長手方向がY軸に沿うように、X軸方向に隣接
させて多数配列されていることになる。そして、各格子
点はそれぞれ画素を構成し、各画素にはそれぞれポテン
シャル値Uf0(画素値)が定義されていることになる。
図22(b) は、このポテンシャル値Uf0を濃淡に対応さ
せて表現させたイメージ図である。このような木肌パタ
ーンPfiber (0)によって、天然木の繊維質の質感を
表現できることが理解できよう。実際には、個々の線状
閉領域Lの間には輪郭線は存在しない。しかしながら、
個々の線状閉領域Lがそれぞれ独立した細い線として視
覚的に認識できるのは、各線状閉領域Lはいずれもその
長手方向(Y軸方向)に階調(ポテンシャル値Uf0)が
なめらかに変化している(一次元フラクタル格子F1の
もつ性質)のに対し、左右に隣接する別な線状閉領域L
に対しては、全く無関係に独立して階調が与えられてい
るからである。
【0077】こうして生成された木肌パターンPfiber
(0)を、最終的な木肌パターンとしてパターン合成印
刷部300に与え、年輪パターンPringと合成して木目
柄パターンPtreeを生成してもかまわないが、より自然
な繊維質の質感を表現するために、この実施例では、こ
の木肌パターンPfiber (0)に対して以下の3段階の
修正を加えている。これら3段階の修正をすべて行う必
要はないが、より天然木に近い質感を表現するために
は、すべての修正を行うのが好ましい。
【0078】<<<木肌パターンPfiber (1)の生成
>>>第1段階の修正は、スムージング処理である。上
述したように、木肌パターンPfiber (0)を構成する
各線状閉領域Lには、それぞれ全く独立して階調が与え
られているため、図22(b) において、X軸方向に隣接
して配置された画素間では、階調が急激に変化する箇所
が随所に見られることになる。ここで行うスムージング
処理は、このようなX軸方向に関する急激な階調変化を
和らげるための処理である。
【0079】図23は、スムージング処理を行う前の木
肌パターンPfiber (0)の画素配列を示したものであ
る。図に示したとおり、木肌パターンPfiber (0)
は、XY二次元座標系において縦横に配列した画素から
構成され、各画素にはそれぞれポテンシャル値Uf0(画
素値)が定義されている。ここで行うスムージング処理
は、この各画素のもつポテンシャル値Uf0を新たなポテ
ンシャル値Uf1に修正し、X軸方向に関する階調変化を
和らげる処理である。ここでは、具体的に、このXY二
次元座標系における座標位置(x,y)に存在する画素
のもつポテンシャル値Uf0(x,y)を、新たなポテン
シャル値Uf1(x,y)に修正する方法を説明しよう。
この1画素についての修正を行うために、図23に太線
で囲って示した5つの画素のポテンシャル値を用いる。
図24は、この修正に用いる5つの画素のポテンシャル
値を示したものである。ここで、各画素に対しては、所
定の重み係数k(−2),k(−1),k(0),k
(+1),k(+2)が図のように定義される。これら
の重み係数は、スムージングパラメータ設定装置240
内に設定されるスムージングパラメータである。
【0080】この実施例では、スムージングパラメータ
として、5つの重み係数を定義しているため、特定の1
画素についてのポテンシャル値を修正するのに、左右に
配置された合計5画素のポテンシャル値を用いることに
なるが、重み係数の数は任意に設定することができ、た
とえば、7つの重み係数を定義すれば、合計7画素のポ
テンシャル値を用いて特定の1画素のポテンシャル値の
修正を行うことになる。また、各重み係数の値も自由に
設定することができる。ただ、より効果的なスムージン
グを行うためには、修正対象画素に近い画素に対する重
み係数をより大きく設定するのが好ましい。この実施例
では、各重み係数を、k(−2)=1,k(−1)=
2,k(0)=5,k(+1)=2,k(+2)=1に
設定している。
【0081】修正対象画素の新たなポテンシャル値Uf1
(x,y)は、自分自身を含めた5つの画素の旧ポテン
シャル値と、スムージングパラメータとして設定された
5つの重み係数と、に基づいて、図24の下段に示した
式によって演算される。たとえば、各重み係数の実際の
設定値が上述のような数値の場合、新たなポテンシャル
値Uf1(x,y)は、 Uf1(x,y)=(Uf0(x−2,y)+2・Uf0(x−1,y) +5・Uf0(x,y)+2・Uf0(x+1,y) +Uf0(x+2,y))/(1+2+5+2+1) (19) なる式によって演算されることになる。
【0082】同様の演算を、図23に示した木肌パター
ンPfiber (0)の各画素について行い、それぞれの画
素について新たなポテンシャル値Uf1(x,y)を求め
れば、この新たなポテンシャル値Uf1(x,y)をもっ
た画素配列が、スムージング処理後の木肌パターンPfi
ber (1)となる。なお、図23に示す左2列および右
2列の画素については、修正に5つの画素を用いること
はできないので、4つの画素あるいは3つの画素を用い
た修正を行うか、または、修正を行わずに旧ポテンシャ
ル値Uf0をそのまま新ポテンシャル値Uf1として用いれ
ばよい。
【0083】<<<木肌パターンPfiber (2)の生成
>>>第2段階の修正は、ホワイトノイズの合成処理で
ある。この処理を図25を参照しながら説明する。い
ま、上述した第1段階の修正によって、図25の左上に
示すような木肌パターンPfiber (1)が得られたもの
とする。ここで、座標位置(x,y)に存在する画素に
は、ポテンシャル値Uf1(x,y)が与えられている。
一方、図25の右上に示すように、この木肌パターンP
fiber (1)の画素配列と同じ画素配列を有するホワイ
トノイズパターンWを生成する。このホワイトノイズパ
ターンWを構成する各画素には、それぞれ全く独立した
乱数からなるポテンシャル値が定義されている。ただ、
各ポテンシャル値は、たとえば、0〜255の値をとる
ように規格化しておく。このようなホワイトノイズパタ
ーンWは、乱数発生装置110が発生する乱数RND
(−1≦RND≦+1)を用いて容易に発生することが
できる。たとえば、各画素のポテンシャル値W(x,
y)として、(255×RND)の絶対値を与えればよ
い。
【0084】続いて、木肌パターンPfiber (1)とホ
ワイトノイズパターンWとの画像合成を行う。この画像
合成は、一般に「アルファブレンド」と呼ばれている単
純な画像合成法によって行えばよい。すなわち、合成後
に得られる木肌パターンPfiber (2)を構成する各画
素には、 Uf2(x,y)=α・Uf1(x,y)+β・W(x,y) (20) なる演算により求めたポテンシャル値が与えられる。こ
こで、Uf2(x,y)は、木肌パターンPfiber (2)
の座標位置(x,y)に存在する画素に与えるポテンシ
ャル値であり、Uf1(x,y)およびW(x,y)は、
木肌パターンPfiber (1)およびホワイトノイズパタ
ーンWの座標位置(x,y)に存在する画素のもつポテ
ンシャル値であり、αおよびβは、α+β=1なる条件
を満足する所定の係数である。この実施例では、α=
0.6、β=0.4に設定しているが、ホワイトノイズ
の効果をより強くした合成を行うのであれば、βの値を
大きく設定すればよい。
【0085】<<<木肌パターンPfiber (3)の生成
>>>第3段階の修正は、画像変形処理である。この処
理は原理的には、二次元フラクタル格子の各格子点のも
つスカラー値に応じて、木肌パターンPfiber (2)を
構成する各画素の位置を所定方向に変位させて画像全体
を歪ませる処理と言うことができる。以下、この画像変
形処理の詳細を、図26を参照しながら説明する。い
ま、上述した第2段階の修正によって、図26の上段に
示すような木肌パターンPfiber (2)が得られたもの
とする。ここで、座標位置(x,y)に存在する画素に
は、ポテンシャル値Uf2(x,y)が与えられている。
これから行う画像変形処理の目的は、この木肌パターン
Pfiber (2)に基づいて、図26の中段に示されてい
るような木肌パターンPfiber (3)を得ることであ
る。ここで、木肌パターンPfiber (3)は、木肌パタ
ーンPfiber (2)と同様に、XY二次元座標系の座標
位置(x,y)に、所定のポテンシャル値Uf3(x,
y)をもった画素を配置することにより構成される画像
であり、ここでは、両パターンともに同じ大きさの画素
配列を有するものとする。以下の処理は、木肌パターン
Pfiber (3)を構成する各画素についてのポテンシャ
ル値Uf3(x,y)を決定する処理である。
【0086】まず、図26の下段に示されているような
二次元フラクタル格子F2を用意する。この二次元フラ
クタル格子F2を構成する格子点の配列は、必ずしも、
木肌パターンPfiber (2)やPfiber (3)の画素配
列と同じ大きさにする必要はないが、木肌パターンPfi
ber (3)内の任意の1画素に対して、空間的に対応す
る位置にある1つの格子点が対応づけられる必要がある
ため、木肌パターンPfiber (2)やPfiber (3)の
画素配列とフラクタル格子F2の格子点配列とを同じ大
きさにしておけば便利である。すなわち、同じ大きさの
配列を用いておけば、各配列の空間的位置によって、木
肌パターンPfiber (2)内の1画素、木肌パターンP
fiber (3)内の1画素、フラクタル格子F2内の1格
子点、が相互に単純に対応づけられる。
【0087】二次元フラクタル格子F2は、二次元フラ
クタル格子発生装置120で発生したものを利用すれば
よい。既に§3において説明したように、このような二
次元フラクタル格子F2において、各格子点に定義され
るスカラー値の厳密な値は、乱数が関与するために制御
不可能であるが、全体的なおおまかな値については、あ
る程度設定することが可能である。すなわち、§3にお
いて述べた方法の場合は、第0段階の格子点A,B,
C,Dに与えるスカラー値a,b,c,dおよびゆらぎ
の最大半振幅値Tの設定により、スカラー値のおおまか
な値やおおまかな増減幅を設定することができる。そこ
で、このフラクタル格子Fによって定義されるスカラー
値Sが、後述するように、変位量dとして利用される点
を考慮し、変位量dとして用いるのに適したスカラー値
Sをもったフラクタル格子F2を生成するのが好まし
い。たとえば、この画像変形処理によって最大で10画
素分程度の歪みを生じさせるのであれば、−10〜+1
0程度の範囲のスカラー値Sが定義されたフラクタル格
子F2を生成して用いれば、このスカラー値Sをそのま
ま変位量dとして利用することができる。もっとも、ス
カラー値Sに対して何らかの演算を施した値を変位量d
として利用するのであれば、どのようなスカラー値の分
布をもったフラクタル格子を用意してもかまわない。た
とえば、+90〜+110程度の範囲のスカラー値Sが
定義されたフラクタル格子Fを用いた場合であっても、
変位量d=S−100とすれば、−10〜+10程度の
範囲で分布する変位量dが得られる。なお、図13に示
す装置では、このようにスカラー値Sを変位量dに変換
する式を、変形パラメータ設定装置280内に変形パラ
メータとして設定しておけばよい。
【0088】さて、木肌パターンPfiber (3)内の座
標位置(x,y)に配置された画素について与えるべき
ポテンシャル値は、次のような処理により決定できる。
まず、二次元フラクタル格子F2の同じ座標位置(x,
y)に配置された格子点F(x,y)に対して定義され
たスカラー値Sを認識し、このスカラー値Sに基づいて
変位量dを決定する。上述したように、変位量dとスカ
ラー値Sとの間に所定の関係式を定義しておけば、歪み
を生じさせるのに適した変位量dを得ることができる。
ここでは、変位量d=スカラー値Sとして、スカラー値
Sをそのまま変位量dとして利用できるものとする。こ
うして、変位量dが決定できたら、木肌パターンPfibe
r (2)の座標位置(x+d,y)に配置されたポテン
シャル値Uf2(x+d,y)を有する画素を参照画素と
して特定する。この参照画素は、座標位置(x,y)に
存在する空間的対応画素に対して変位量dだけX軸方向
にずれた画素である。そして、この参照画素のもつポテ
ンシャル値Uf2(x+d,y)を、木肌パターンPfibe
r (3)の座標位置(x,y)に存在する画素のもつポ
テンシャル値Uf3(x,y)とするのである。なお、変
位量dだけずらすと、木肌パターンPfiber (2)の輪
郭線を越えてしまうような場合には、たとえば、輪郭線
上の画素を参照画素とするように決めておけばよい。
【0089】このような方法によって、木肌パターンP
fiber (3)を構成するすべての画素について、それぞ
れポテンシャル値を与えてやれば、画像変形処理は完了
である。なお、上述の例は、X軸方向に画素をずらし、
画像をX軸方向に歪ませる場合の処理である。画像をY
軸方向に歪ませる場合には、画素をY軸方向にずらすよ
うにすればよい。すなわち、ポテンシャル値Uf3(x,
y)として、ポテンシャル値Uf2(x,y+d)を与え
るようにすればよい。あるいは、XY両軸方向に画像を
歪ませることも可能である。この場合は、X軸方向への
変位量dxを与えるための二次元フラクタル格子F2x
と、Y軸方向への変位量dyを与えるための二次元フラ
クタル格子F2yと、を用意し、ポテンシャル値Uf3
(x,y)として、ポテンシャル値Uf2(x+dx,y
+dy)を与えるようにすればよい。
【0090】このように、二次元フラクタル格子のもつ
自然のゆらぎによって、パターンを歪ませることによ
り、より自然な繊維質を表現した木肌パターンPfiber
(3)を得ることができる。
【0091】§7. パターン合成方法 これまで、§5において年輪パターンPringの発生方法
を述べ、§6において木肌パターンPfiber (3)の発
生方法を述べてきた。ここでは、最終的にこれら両パタ
ーンを合成する具体的な方法を説明する。
【0092】いま、図27の左上に示すような木肌パタ
ーンPfiber (3)と、右上に示すような年輪パターン
Pringと、を合成して、図の下方に示す木目柄パターン
Ptreeを得ることを考える。ここで、木肌パターンPfi
ber (3)の座標位置(x,y)に存在する画素には、
ポテンシャル値Uf3(x,y)が与えられており、年輪
パターンPring(x,y)の座標位置(x,y)に存在
する画素には、ポテンシャル値Ur(x,y)が与えら
れている。このパターン合成の基本的な手法は、同じ座
標位置に存在する2つの画素のポテンシャル値を、所定
の演算式を用いて合成することである。このような画像
合成手法は、§6において、ホワイトノイズパターンW
を木肌パターンPfiber (1)にのせる場合にも用い
た。この§6で用いた手法は、いわゆる「アルファブレ
ンド」と呼ばれている手法で、それぞれのポテンシャル
値に重みづけをした後、単純に加算している。ここで述
べるパターン合成においても、同様に「アルファブレン
ド」を行うことも可能であるが、ここでは、単純な「ア
ルファブレンド」の手法を少し修正して適用している。
【0093】すなわち、木目柄パターンPtreeの座標位
置(x,y)に存在する画素に対して与えるポテンシャ
ル値Ut(x,y)を、 Ut(x,y) =(Ur(x,y)+γ・Uf3(x,y)) mod H (21) なる演算式によって求めている。ここで、γは、0<γ
<1なる値で、木肌パターンの効果の強さを決定する係
数である。また、Hは正規化定数であり、Ut(x,
y)のもつポテンシャル値がとるべき最大値+1に相当
するものである。この実施例では、すべてのポテンシャ
ル値は、8ビット幅、すなわち0〜255の範囲の値を
とるため、正規化定数H=256となる。
【0094】この式(21)によるパターン合成演算の特徴
は、「mod」なる剰余演算を行っている点である。こ
こで、「X mod Y」なる演算は、XをYで割り算
したときの余りを求める演算である。この式(21)におい
て、ポテンシャル値Ur(x,y)は、0〜255の値
をとり、ポテンシャル値Uf3(x,y)も、0〜255
の値をとる。したがって、(Ur(x,y)+γ・Uf3
(x,y))なる和の値は255を越え得る。「mo
d」なる剰余演算は、この和の値が0〜255の範囲内
の場合には、そのままの値をUt(x,y)として用
い、この和の値が255を越えたときには、その値から
256を引き算した値をUt(x,y)として用いるこ
とを意味している。たとえば、和の値が258になった
場合には、Ut(x,y)=2となる。
【0095】結局、この実施例において行っているパタ
ーン合成演算は、一般的な「アルファブレンド」の手法
に、サイクリックな要素を付加した演算と言うことがで
きる。すなわち、ポテンシャル値が最大値255を越え
た場合には、越えた分を最小値0から数えなおすという
サイクリックな演算が行われることになる。本実施例で
は、一般的な「アルファブレンド」によりパターン合成
するよりも、このようなサイクリックな要素を付加した
パターン合成を行う方が、より自然な印象を与える木目
柄パターンPtreeを得ることができた。これは、三次元
樹木モデルMにおいて、図16に示すような周期的なポ
テンシャル値が定義されているためである。この周期的
ポテンシャルによれば、ポテンシャル値Urが255を
越えると0に戻るようなサイクリックな定義がなされて
いるので、パターン合成においても、このサイクリック
な定義を生かす演算を行うのが好ましいのである。
【0096】もちろん、本発明は、式(21)のような演算
式に基づくパターン合成に限定されるものではなく、一
般的な「アルファブレンド」の手法を用いて、 Ut(x,y)=α・Ur(x,y)+β・Uf3(x,y) (22) ただし、α+β=1、という演算式に基づくパターン合
成を行ってもかまわないし、その他の演算式に基づくパ
ターン合成を行ってもかまわない。要するに、木肌パタ
ーンの画素がもつポテンシャル値(画素値)と、年輪パ
ターンの対応位置にある画素がもつポテンシャル値(画
素値)と、を所定の演算式に基づいて合成し、合成して
得られる新たなポテンシャル値(画素値)をもつ画素
を、もとの画素の位置に並べることにより、木目柄パタ
ーンを得ることができれば、どのような方法でパターン
合成を行ってもかまわない。図13に示す装置では、合
成パラメータ設定装置320に、所定の演算式や係数を
合成パラメータとして設定しておけば、パターン合成装
置310は、この演算式や係数に基づいて、所望のパタ
ーン合成を行い、木目柄パターンPtreeを生成すること
になる。
【0097】§8. 色調割り当て処理 続いて、図13に示す装置における色調割り当て装置3
30の行う処理について説明する。これまでの処理によ
って得られた木目柄パターンPtreeは、0〜255まで
のポテンシャル値Ut(x,y)をもった画素から構成
される。これまでの説明で、各画素に定義されたこれら
の値を、「画素値」と呼ぶ代わりに「ポテンシャル値」
と呼んだのは、このポテンシャル値が実際の印刷物上に
おける濃淡値に直接対応していないからである。いわ
ば、このポテンシャル値は、カラーマップ設定装置34
0内に用意されたカラーマップ上の256通りの色につ
いての参照番号といった意味をもつ値である。
【0098】図28は、このようなカラーマップの一例
を示す図である。このカラーマップは表の形で用意され
ており、第1欄には、ポテンシャル値Ut(x,y)の
値(0〜255)が示されている。これは上述したよう
に、各色についての参照番号としての意味をもつ。そし
て、各参照番号で特定される各色には、3原色C,M,
Yの各成分ごとの濃度値(この例では、いずれも8ビッ
ト、すなわち0〜255の値)が定義されている。この
ようなカラーマップは、印刷物として製造される壁紙な
どに要求される色合いを考慮して、オペレータが用意す
ることになる。実際には、試し刷りなどの結果を見なが
ら、適宜修正するのが好ましい。
【0099】結局、刷版装置350に対しては、各画素
について3原色C,M,Yの濃度値が定義された状態の
木目柄パターンPtreeの画像データが与えられ、各色ご
との版が作成されることになる。そして、印刷装置36
0では、この各版に基づいて、壁紙などの材料に木目柄
パターンPtreeがカラー印刷されることになる。
【0100】なお、図28には、3原色C,M,Yの濃
度値を定義したカラーマップを示したが、この他に黒
(K)の濃度値を含めた4色のカラーマップを用意して
もよいし、他の3原色(たとえば、R,G,B)の濃度
値を定義したカラーマップを用意してもよい。
【0101】§9. 複数の木肌パターンを用いる変形
以上述べた方法では、1枚の年輪パターンに1枚の木肌
パターンを合成して、1枚の木目柄パターンを得ていた
が、1枚の年輪パターンに複数枚の木肌パターンを合成
して、1枚の木目柄パターンを得ることも可能である。
特に、年輪パターンの各周期領域ごとに異なる木肌パタ
ーンを適用して合成を行うと、年輪パターンが認識しや
すくなり効果的である。
【0102】この手法を具体例で説明する。たとえば、
図29に示す年輪パターンPringにおいて、奇数年目に
成長した周期領域odd(図14に示す三次元樹木モデ
ルMにおける成長区間D1,D3に対応)と、偶数年目
に成長した周期領域even(図14に示す三次元樹木
モデルMにおける成長区間D2,D4に対応)と、を分
けて取り扱うことにし、これらの周期領域には、それぞ
れ別個の木肌パターンを合成するのである。すなわち、
図30に示すように、奇数年目用の木肌パターンPfibe
r (3)/odd と、偶数年目用の木肌パターンPfiber
(3)/evenと、いう2枚の全く独立して生成した木肌
パターンを用意し、これを年輪パターンPringの各周期
領域ごとに別々に合成するのである。したがって、得ら
れる木目柄パターンPtreeのうち、周期領域oddに位
置する画素についてのポテンシャル値Ut/odd (x,
y)は、奇数年目用の木肌パターンPfiber (3)/od
dに定義されているポテンシャル値Uf3/odd(x,y)
を適用して、 Ut/odd (x,y) =(Ur(x,y)+γ・Uf3/odd(x,y)) mod H (23) なる演算式で求め、周期領域evenに位置する画素に
ついてのポテンシャル値Ut/even(x,y)は、偶数
年目用の木肌パターンPfiber (3)/evenに定義され
ているポテンシャル値Uf3/even (x,y)を適用し
て、 Ut/even(x,y) =(Ur(x,y)+γ・Uf3/even (x,y)) mod H (24) なる演算式で求める。
【0103】このような合成により得られた木目柄パタ
ーンPtreeでは、年輪パターンの各周期領域ごとに、繊
維質の質感が若干異なることになり、年輪の境目が認識
しやすくなる。なお、より多数の木肌パターンを用意す
ることも可能であるが、年輪の境目を認識しやすくする
という効果を得る上では、2枚の木肌パターンを用意し
て、偶数年目と奇数年目とに分けて交互に適用すれば十
分である。
【0104】§10. モデル切断時にパターン合成を
行う変形例 これまで述べてきた実施例では、三次元樹木モデルMを
所定の切断面で切断することにより年輪パターンPring
を生成し、これに別途用意した木肌パターンPfiber を
画像合成することにより、木目柄パターンPtreeを生成
した。ここで述べる実施例は、年輪パターンPringに木
肌パターンPfiber を合成するという基本的な技術思想
に関しては、これまでの実施例と変わりはないが、両パ
ターンを画像合成という形で合成するのではなく、三次
元樹木モデルMの切断の段階で合成を行う点に特徴があ
る。
【0105】図31は、既に述べた年輪パターンPring
の生成方法を示す概念図である。三次元樹木モデルMを
有皺切断面JJによって切断し、この有皺切断面JJ上
の各点にポテンシャル値を定義し、これを所定の平面上
に投影することにより、年輪パターンPringが形成され
る。ここで述べる方法では、この有皺切断面JJに、更
に、木肌パターンPfiber (3)のもつポテンシャル場
の情報に基づく皺を付加した状態で切断を行う。この原
理を図32に示す。§5において述べたように、年輪パ
ターンPringを得るための切断処理を行う際に、平面状
の切断面Jは有皺切断面JJに変形され、この有皺切断
面JJによって三次元樹木モデルMが切断される。ここ
で、有皺切断面JJは、切断面J上の点Qを、二次元フ
ラクタル格子F2のもつスカラー値に基づいて所定方向
(前述の実施例では、中心軸Cに向かう方向)に変位さ
せることにより得られた。したがって、有皺切断面JJ
上には、二次元フラクタル格子F2のもつ自然のゆらぎ
が皺として表現されていることになる。
【0106】ここで述べる実施例では、この有皺切断面
JJ上の点QQを所定方向に更に変位させた位置の点Q
QQを求め、このような点QQQの集合として、有皺切
断面JJJを求める。このとき、点QQに対する変位量
として、木肌パターンPfiber (3)のもつポテンシャ
ル場を利用するのである。具体的には、点QQに対応す
る切断面J上の点Qの座標位置(x,y)に基づいて、
木肌パターンPfiber(3)上の同じ座標位置(x,
y)に存在する画素のポテンシャル値Uf3(x,y)を
求め、点QQを、このポテンシャル値Uf3(x,y)に
応じた変位量(Uf3(x,y)の値をそのまま変位量と
してもよいし、何らかの係数を掛けた値を変位量として
もよい)だけ、中心軸Cに向かう方向(あるいは、別な
所定方向でもよい)に変位させた点として、点QQQを
求めればよい。
【0107】こうして得られた点QQQの集合として構
成される有皺切断面JJJは、平面状の切断面Jに、二
次元フラクタル格子F2のもつ自然のゆらぎ成分と、木
肌パターンPfiber (3)のもつ自然な繊維質成分と、
の両方の情報を皺として付加した面になる。したがっ
て、有皺切断面JJの代わりに有皺切断面JJJを用い
て、三次元樹木モデルMに対する切断を行えば、この有
皺切断面JJJ上には、年輪パターンPringと木肌パタ
ーンPfiber (3)とを合成したポテンシャル場のパタ
ーンが得られることになり、これは、前述した実施例に
おける木目柄パターンPtreeに相当するパターンにな
る。したがって、この実施例の方法によれば、2つの画
像パターンを合成する処理は不要になる。
【0108】§11. リピータブルな木目柄パターン
を生成する方法 壁紙のように、面積が非常に大きい印刷物に木目柄パタ
ーンを印刷する場合、印刷物全面に対する木目柄パター
ンを用意すると、非常に膨大な画像データが必要にな
る。このような場合、ある程度の大きさの単位画像を繰
り返し配置することにより、全面に対する印刷を行うの
が一般的である。たとえば、数m×数10mといった広
い面積をもつ壁紙を印刷する場合、このような広い面積
の画像データを実際に用意すると、データ量は膨大にな
り、このような膨大なデータをそのまま取り扱うと、ハ
ードウエアの負担が非常に重くなってしまう。そこで、
たとえば、1m×1mといった単位画像を用意してお
き、この単位画像を平面的に相互に隣接させた状態で複
数配列するようにすれば、理論的には、どのような広さ
の壁紙も印刷可能になる。しかも、実際にコンピュータ
内で取り扱う画像情報は、1m×1mの大きさの単位画
像ですむため、ハードウエアの負担は著しく軽減され
る。ただし、この場合、単位画像として用意する画像に
は、境界部分が連続的に接続されるような、いわゆるリ
ピータブルな木目柄パターンを形成しておく必要があ
る。境界部分の模様が不連続であると、視覚的に各単位
画像の境界線が認識され、1m×1mの大きさの升目が
模様として現れてしまうからである。ここで述べる実施
例は、本発明による木目柄パターンの生成方法によっ
て、リピータブルな木目柄パターンを生成するためのも
のである。
【0109】はじめに、リピータブルな年輪パターンP
ringを得る概念を簡単に説明しよう。たとえば、図33
に示すように、上述の実施例で用いた三次元樹木モデル
Mを、平面状の切断面Jで切ることにより年輪パターン
Pringを得る場合に、切断面Jを中心軸Cに対して平行
に設定すると、この切断面J上に得られる年輪パターン
Pringは、中心線に関して左右対称形となり、かつ、上
辺と下辺とにおいてポテンシャルが一致する。したがっ
て、図34に示すように、このような年輪パターンPri
ngを多数配列した場合であっても、全体的な模様は連続
したものになる。
【0110】このように、切断条件を適当に設定してや
れば、年輪パターンPringとしては、リピータブルなパ
ターンを得ることができる。しかしながら、この実施例
では、平面状の切断面Jの代わりに、有皺切断面JJを
用いており、得られる年輪パターンPringには、自然の
ゆらぎ成分がのっている。したがって、図34に示すよ
うに、多数を上下左右に配列した場合、その境界部分に
おいて模様が若干不連続になってしまう。このような不
都合を解消するためには、有皺切断面JJを得るために
用いた二次元フラクタル格子として、リピータブルな二
次元単位フラクタル格子を用いればよい。
【0111】いま、§3で述べたランダム中点変位法に
よって、図35に示すようなフラクタル格子10が生成
されたものとする。ここでは、このフラクタル格子10
を、二次元単位フラクタル格子と呼ぶことにする。この
二次元単位フラクタル格子10は、縦横に配列された多
数の格子点11(ここでは便宜上、1つの升目によって
1つの格子点を示してある)から構成されており、各格
子点11にはそれぞれ所定のスカラー値が定義されてい
る。いわば、この二次元単位フラクタル格子10は、そ
れぞれ所定の数字が描かれたタイルを、縦横に多数配列
した正方形のボードのようなものと考えることができ
る。
【0112】ここで、図36に示すように、このような
正方形のボード9枚を、平面上に並べてみれば、面積が
9倍の大きなボードが得られる。ここでは、こうして得
られる大きなフラクタル格子を、二次元合成フラクタル
格子20と呼ぶことにする。図35に示した二次元単位
フラクタル格子10における「単位」なる文言は、この
図36に示す「二次元合成フラクタル格子20」の「合
成」なる文言に対応して用いているものである。
【0113】ところで、二次元単位フラクタル格子10
内に定義されたスカラー場は、この単位格子という閉じ
た領域内に関する限り、自然なゆらぎを与えている。し
かしながら、図36に示すような二次元合成フラクタル
格子20内に定義されたスカラー場は、全体として必ず
しも自然なゆらぎを与えるものにはならない。なぜな
ら、図36にハッチングを施して示した境界部分が連続
的に接続されないからである。別言すれば、この境界部
分において、スカラー場は不連続になり、自然なゆらぎ
が阻害されることになる。ここでは、このように空間的
に複数を隣接させた状態で配置した場合にも、全体とし
て、連続的なゆらぎを与えるスカラー場が得られる「単
位フラクタル格子」を「リピータブル単位フラクタル格
子」と呼ぶことにする。したがって、図35に示す二次
元単位フラクタル格子10が「リピータブル単位フラク
タル格子」であれば、図36に示す二次元合成フラクタ
ル格子20は、全体として自然なゆらぎを与えるスカラ
ー場を提供できることになる。
【0114】続いて、リピータブル二次元単位フラクタ
ル格子を生成するための基本概念を図37を参照して説
明する。いま、図37(a) に示すように、左辺31、右
辺32、上辺33、下辺34の4辺によって格子の外形
となる外形矩形が構成された二次元単位フラクタル格子
30を考える。このとき、図にハッチングを施した下辺
34に沿った格子列上の任意の格子点35に与えるスカ
ラー値として、同じく図にハッチングを施した上辺33
に沿った格子列上の同じ横方向位置にある格子点36に
与えたスカラー値と同じ値を与えるようにすると、この
単位フラクタル格子を上下に複数配列した場合、境界部
分のスカラー場は連続になる。同様に、図37(b) にお
いて、図にハッチングを施した右辺32に沿った格子列
上の任意の格子点37に与えるスカラー値として、同じ
く図にハッチングを施した左辺31に沿った格子列上の
同じ縦方向位置にある格子点38に与えたスカラー値と
同じ値を与えるようにすると、この単位フラクタル格子
を左右に複数配列した場合、境界部分のスカラー場は連
続になる。結局、下辺34上の格子点35のスカラー値
としては、上辺33上の格子点36のスカラー値を転用
し、右辺32上の格子点37のスカラー値としては、左
辺31上の格子点38のスカラー値を転用すれば、図3
6にハッチングを施した境界部分の格子点のスカラー値
は連続的になる。
【0115】リピータブル二次元単位フラクタル格子を
生成するためには、このように、外形矩形において対辺
上の格子点のスカラー値を転用するという手法を用いれ
ばよい。以下、具体的な例を参照しながら、このリピー
タブル二次元単位フラクタル格子の生成方法を説明す
る。
【0116】リピータブル二次元フラクタル格子を発生
させるには、第0段階の格子点として、図38に示すよ
うに、外形矩形の4頂点位置に格子点A,B,C,Dを
配置し、これら各格子点に同一のスカラー値aを定義す
る。
【0117】続いて、第1段階では、図39に示すよう
に、格子点AB間、BC間、CD間、DA間のそれぞれ
中点に、格子点E,F,G,Hを定義するとともに、こ
の時点での最小矩形(外形矩形と同じ四角形ABCD)
の中心点に、もうひとつの格子点Iを定義する。そし
て、これら5つの格子点について、それぞれスカラー値
e,f,g,h,iを定義するが、外形矩形の右辺上の
格子点Fについてのスカラー値fと、外形矩形の下辺上
の格子点Gについてのスカラー値gと、を決定する場合
には、通常のスカラー値の演算方法を採らずに、スカラ
ー値の転用という特有の方法を採る。すなわち、これを
演算式で示せば、 e=(a+a)/2 + T・RND (25) h=(a+a)/2 + T・RND (26) i= (a+a+a+a)/4 + T・RND (27) f=h (28) g=e (29) となる。ここで、Tはゆらぎの最大半振幅値、RND
は、−1≦RND≦+1なる任意の乱数である。この結
果、外形矩形ABCDの左右の辺上の対応する各格子点
には、全く同じスカラー値が定義され、上下の辺上の対
応する各格子点にも、全く同じスカラー値が定義される
ことになる。
【0118】こうして、第1段階の格子点E,F,G,
H,Iについてのスカラー値e,f,g,h,iが定義
できたら、続いて、図40に示すように、第2段階へと
進み、4つの最小矩形AEIH,EBFI,IFCG,
HIGDを認識した上で、各最小矩形について、4辺の
各中点位置および中心点に新たな格子点J〜Yを生成す
る。そして、これら各格子点J〜Yに、それぞれスカラ
ー値j〜yを定義する。この場合、基本的には通常の演
算方法に従って各格子点に定義するスカラー値を求める
が、例外として、外形矩形の右辺上の格子点についての
スカラー値については、左辺上の対応位置の格子点につ
いてのスカラー値を転用し、外形矩形の下辺上の格子点
についてのスカラー値については、上辺上の対応位置の
格子点についてのスカラー値を転用することになる。具
体的には、図40において、外形矩形ABCDの右辺上
に定義される新たな格子点N,O、および下辺上に定義
される新たな格子点P,Qについては、通常の演算によ
るスカラー値ではなく、転用によるスカラー値が与えら
れることになる。すなわち、この外形矩形ABCD上に
新たに定義される8つの格子点J〜Qについて与えるス
カラー値j〜qは、 j=(a+e)/2 + (1/2)・T・RND (30) k=(e+a)/2 + (1/2)・T・RND (31) l=(a+h)/2 + (1/2)・T・RND (32) m=(h+a)/2 + (1/2)・T・RND (33) n=l (34) o=m (35) p=k (36) q=j (37) なる式によって決定されることになる。ここで、外形矩
形ABCDの上辺上に定義された新たな格子点J,Kに
ついてのスカラー値および外形矩形ABCDの左辺上に
定義された新たな格子点L,Mについてのスカラー値j
〜mを求めるための式(30)〜(33)なる演算式は、通常の
演算式であるが、外形矩形ABCDの右辺上に定義され
た新たな格子点N,Oについてのスカラー値および外形
矩形ABCDの下辺上に定義された新たな格子点P,Q
についてのスカラー値n〜qを求めるための式(34)〜(3
7)は、単に対応する格子点のスカラー値の転用を示すも
のである。なお、外形矩形ABCDの内部に新たに定義
された8つの格子点R〜Yについて与えるスカラー値r
〜yは、通常の演算式、 r= (a+e+i+h)/4 + (1/2)・T・RND (38) s=(e+i)/2 + (1/2)・T・RND (39) t= (e+a+f+i)/4 + (1/2)・T・RND (40) u=(f+i)/2 + (1/2)・T・RND (41) v= (i+f+a+g)/4 + (1/2)・T・RND (42) w=(g+i)/2 + (1/2)・T・RND (43) x= (h+i+g+a)/4 + (1/2)・T・RND (44) y=(h+i)/2 + (1/2)・T・RND (45) によって演算される。
【0119】結局、図40に示すように、第2段階まで
に定義された25個の格子点A〜Yのうち、外形矩形A
BCDの右辺上の格子点B,N,F,O,Cのスカラー
値は、それぞれ左辺上の格子点A,L,H,M,Aのス
カラー値をそのまま転用したものとなり、外形矩形AB
CDの下辺上の格子点D,Q,G,P,Cのスカラー値
は、それぞれ上辺上の格子点A,J,E,K,Bのスカ
ラー値をそのまま転用したものとなる。第3段階以降の
処理も全く同様に行われるため、最終的に、リピータブ
ル二次元単位フラクタル格子が得られることになる。す
なわち、図36に示すように、平面的に複数を配列した
場合に、境界部分が連続的に接続されるようになる。な
お、外形矩形の右辺上の格子点および下辺上の格子点に
ついてのスカラー値の転用処理は、フラクタル格子を生
成する各段階のプロセスごとに行われるため、最終的に
生成されたフラクタル格子は、内部に連続的なスカラー
場を有した自然なものになる。
【0120】結局、図13に示す装置において、二次元
フラクタル格子発生装置120によって、上述したよう
なリピータブル二次元単位フラクタル格子を生成させる
ようにし、これを用いて有皺切断面JJを生成し、三次
元樹木モデルMの中心軸Cに対してもとの切断面Jが平
行になるような切断条件を設定すれば、完全にリピータ
ブルな年輪パターンPringを生成することが可能にな
る。もっとも、切断面Jが中心軸Cに対して平行でなく
傾斜していた場合であっても、リピータブルな年輪パタ
ーンを得ることは可能である。要するに、上辺と下辺、
左辺と右辺がそれぞれ連続したポテンシャルをもつよう
な特定の切断条件を設定してやればよい。
【0121】一方、木肌パターンについても、リピータ
ブルなパターンを生成することが可能である。そのため
には、次の3つの点を留意すればよい。
【0122】第1の留意点は、図13に示す装置におい
て、一次元フラクタル格子発生装置210に、リピータ
ブルな一次元フラクタル格子を発生させる点である。一
次元フラクタル格子の発生方法については、§2におい
て、中点ランダム変位法を紹介したが、その第0段階に
おいて、図41に示すように、両格子点A,Bに同一の
スカラー値aを定義しておくようにすれば、リピータブ
ルな一次元フラクタル格子を生成することができる。こ
のようなリピータブル一次元フラクタル格子を用いて木
肌パターンPfiber (0)を生成すれば、各線状閉領域
Lの両端点には、同一のポテンシャル値が定義されるこ
とになり、上下方向に関してリピータブルな木肌パター
ンを得ることができる。
【0123】第2の留意点は、図13に示す装置におい
て、スムージング処理装置230によるスムージング処
理に若干の配慮を加える点である。図23に示したスム
ージング処理では、左2列および右2列の画素について
は、通常のスムージング処理が行われていなかったが、
これらの画素については、図42に示すような方法でス
ムージング処理を施すようにするのである。すなわち、
左2列の画素についてのスムージング処理を行う場合に
は、右2列の画素を左2列の画素の更に左へ仮に移動さ
せた状態で、通常のスムージング処理を行うようにし、
同様に、右2列の画素についてのスムージング処理を行
う場合には、左2列の画素を右2列の画素の更に右へ仮
に移動させた状態で、通常のスムージング処理を行うよ
うにするのである。これで、左端と右端とについてもス
ムージング処理がなされたことになり、左右方向に関し
てリピータブルな木肌パターンを得ることができる。
【0124】第3の留意点は、図13に示す装置におい
て、画像変形装置270による画像変形処理に、リピー
タブル二次元フラクタル格子を用いる点である。このリ
ピータブル二次元フラクタル格子の発生方法について
は、既に述べたとおりである。こうすれば、木肌パター
ンPfiber (2)の上辺の画素の変位量と下辺の画素の
変位量は同じになり、また、右辺の画素の変位量と左辺
の画素の変位量は同じになるため、全体的に画像変形が
行われたとしても、もとの木肌パターンPfiber(2)
がリピータブルであれば、画像変形後の木肌パターンP
fiber (3)もリピータブルになる。
【0125】§12. その他の変形例 以上、本発明を図示する実施例や変形例に基づいて説明
したが、本発明はこれらの実施例や変形例に限定される
ものではなく、この他にも種々の態様で実施可能であ
る。以下にいくつかの変形例を述べておく。
【0126】(1) §2および§3において、フラクタ
ル格子の発生方法を簡単に説明したが、この方法は、一
般に「ランダム中点変位法」と呼ばれている方法であ
る。フラクタル格子の発生方法としては、この他にも、
たとえば「高速フーリエ変換フィルタリング法」、「逐
次ランダム加算法」など、種々の方法が知られており、
どのような方法によりフラクタル格子を用意してもかま
わない。要するに、自己相似的に空間分布した所定のス
カラー場が定義できれば、どのような方法を用いてもか
まわない。
【0127】(2) 本発明に用いるフラクタル格子は、
必ずしもコンピュータなどを用いて発生させたものでな
くてもかまわない。たとえば、山岳地帯の航空写真など
の自然界の画像を、スキャナなどでデジタルデータとし
て取り込み、このデータに基づいて、個々の空間的な位
置におけるスカラー値を決定し、フラクタル格子を定義
するような手法を採ることも可能である。
【0128】(3) 上述の実施例では、2つのパターン
画像を合成する際に、両パターンとも同じ画素配列のも
のを用意していたが、両パターンは、必ずしも同じ大き
さの画素配列にする必要はない。たとえば、図25にお
いて、木肌パターンPfiber(1)の画素配列と、ホワ
イトノイズパターンWの画素配列とは、必ずしも同一に
する必要はなく、木肌パターンPfiber (1)を構成す
る各画素と、ホワイトノイズパターンW内の特定の画素
とが対応づけられればよい。また、図27において、木
肌パターンPfiber (3)の画素配列と、年輪パターン
Pringの画素配列とは、必ずしも同一にする必要はな
く、やはり両者の各画素間に所定の対応づけがなされて
いればよい。ただ、両パターンの画素配列の大きさが異
なると、一方のパターンについては画素を間引くような
演算が必要になるため、無用な演算を避ける意味では、
両者を同一の配列にしておくのが好ましい。
【0129】
【発明の効果】以上のとおり本発明によれば、年輪パタ
ーンと木肌パターンとを合成することにより木目柄パタ
ーンを生成するようにしたため、天然木の木目柄にでき
るだけ近似した人為的な木目柄パターンをもった印刷物
を提供することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る木目柄パターンの生成方法の基本
概念を説明する図である。
【図2】一次元フラクタル格子を発生させる第0段階の
状態を示す図である。
【図3】一次元フラクタル格子を発生させる第1段階の
状態を示す図である。
【図4】一次元フラクタル格子を発生させる第2段階の
状態を示す図である。
【図5】一次元フラクタル格子を発生させる第0段階に
おいて、各格子点に定義された具体的なスカラー値を示
す図である。
【図6】一次元フラクタル格子を発生させる第1段階に
おいて、各格子点に定義された具体的なスカラー値を示
す図である。
【図7】一次元フラクタル格子を発生させる第2段階に
おいて、各格子点に定義された具体的なスカラー値を示
す図である。
【図8】5つの格子点からなる一次元フラクタル格子に
おいて、各格子点に定義された具体的なスカラー値を示
す図である。
【図9】多数の格子点からなる一次元フラクタル格子の
自然なゆらぎを示すグラフである。
【図10】二次元単位フラクタル格子を発生させる第0
段階の状態を示す図である。
【図11】二次元単位フラクタル格子を発生させる第1
段階の状態を示す図である。
【図12】二次元単位フラクタル格子を発生させる第2
段階の状態を示す図である。
【図13】本発明の一実施例に係る木目柄パターンの作
成装置の構成を示すブロック図である。
【図14】本発明において年輪パターンPringを生成す
るために用いる三次元樹木モデルMの基本概念を説明す
る図である。
【図15】図14に示す三次元樹木モデルMにおけるポ
テンシャル分布を示す平面図である。
【図16】図14に示す三次元樹木モデルMにおけるポ
テンシャル分布を示すグラフである。
【図17】図14に示す三次元樹木モデルMを切断面J
によって切断した状態を示す図である。
【図18】図17に示すような切断によって切断面J上
に得られる年輪パターンPringの一例を示す図である。
【図19】切断面Jに基づいて、有皺切断面JJを生成
する原理を示す断面図である。
【図20】切断面Jに基づいて、有皺切断面JJを生成
する原理を示す別な断面図である。
【図21】一次元フラクタル格子F1に基づいて線状閉
領域Lを生成する原理を示す図である。
【図22】図21に示す線状閉領域Lを多数並べること
により生成された木肌パターンPfiber (0)を示す図
である。
【図23】木肌パターンPfiber に対するスムージング
処理の一例を説明する図である。
【図24】図23に示すスムージング処理の原理を説明
する図である。
【図25】木肌パターンPfiber に、ホワイトノイズパ
ターンWを合成する処理を説明する図である。
【図26】木肌パターンPfiber に対する二次元フラク
タル格子を用いた画像変形処理を説明する図である。
【図27】木肌パターンPfiber と年輪パターンPring
とを合成して木目柄パターンPtreeを得る処理を説明す
る図である。
【図28】作成した木目柄パターンの各画素に色調割り
当てを行うために用いるカラーマップの一例を示す図で
ある。
【図29】年輪パターンPringを成長年に基づいて複数
の周期領域に分類した状態の一例を示す図である。
【図30】図29に示す分類に基づいて、複数の木肌パ
ターンPfiber と年輪パターンPringとを合成して木目
柄パターンPtreeを得る処理を説明する図である。
【図31】有皺切断面JJに対して、更に木肌パターン
Pfiber のポテンシャル場をのせた状態で、三次元樹木
モデルMを切断する方法を説明する図である。
【図32】図31に示す方法を実施するために、有皺切
断面JJに基づいて、木肌パターンPfiber のポテンシ
ャル場をのせた有皺切断面JJJを生成する原理を説明
する断面図である。
【図33】リピータブルな年輪パターンPringを得るた
めの切断方法を示す図である。
【図34】図33に示す切断方法によって得られたリピ
ータブル年輪パターンPringを複数配列した状態を示す
図である。
【図35】二次元単位フラクタル格子の基本構造を示す
図である。
【図36】図35に示す二次元単位フラクタル格子を平
面上に複数配置することにより、二次元合成フラクタル
格子を形成した状態を示す図である。
【図37】リピータブル二次元単位フラクタル格子を生
成する基本原理を説明する図である。
【図38】リピータブル二次元単位フラクタル格子を発
生させる第0段階の状態を示す図である。
【図39】リピータブル二次元単位フラクタル格子を発
生させる第1段階の状態を示す図である。
【図40】リピータブル二次元単位フラクタル格子を発
生させる第2段階の状態を示す図である。
【図41】リピータブル一次元フラクタル格子を発生さ
せる第0段階の状態を示す図である。
【図42】リピータブルな木肌パターンを生成するため
に行うスムージング処理を示す図である。
【符号の説明】
10…二次元単位フラクタル格子 11…格子点 12…右辺上の格子点 13…左辺上の格子点 14…下辺上の格子点 15…オフセット量Wずれた下辺上の格子点 16…上辺上の格子点 17…下辺上の格子点 18…オフセット量Wずれた下辺上の格子点 19…上辺上の格子点 20…二次元合成フラクタル格子 30…二次元単位フラクタル格子 31…外側矩形の左辺 32…外側矩形の右辺 33…外側矩形の上辺 34…外側矩形の下辺 35…下辺上の格子点 36…上辺上の格子点 37…右辺上の格子点 38…左辺上の格子点 100…年輪パターン生成部 110…乱数発生装置 120…二次元フラクタル格子発生装置 130…年輪パターン設定装置 140…三次元樹木モデル発生装置 150…切断面発生装置 160…年輪パターン発生装置 200…木肌パターン生成部 210…一次元フラクタル格子発生装置 220…木肌パターン発生装置 230…スムージング処理装置 240…スムージングパラメータ設定装置 250…画像合成装置 260…ホワイトノイズ発生装置 270…画像変形装置 280…変形パラメータ設定装置 300…パターン合成印刷部 310…パターン合成装置 320…合成パラメータ設定装置 330…色調割り当て装置 340…カラーマップ設定装置 350…刷版装置 360…印刷装置 C…三次元樹木モデルの中心軸 D1〜D4…成長区間 d…変位量 F1…一次元フラクタル格子 F2…二次元フラクタル格子 J…切断面 JJ,JJJ…有皺切断面 L…線状閉領域 M…三次元樹木モデル Pfiber …木肌パターン Pring…年輪パターン Ptree…木目柄パターン Ur,Ut,Uf0,Uf1,Uf2,Uf3…ポテンシャル値
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋爪 家治 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 有吉 俊雄 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 岡本 優 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 助川 佳夫 埼玉県入間郡三芳町竹間沢311 株式会社 大日本トータルプロセス建材内 (72)発明者 室田 秀樹 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の中心軸からの距離に基づいて画素
    値が周期的に変化する三次元樹木モデルを所定の切断面
    によって切断することにより得られる年輪パターンと、 樹木の繊維質を表現するのに十分細長い形状をしてお
    り、長手方向に沿って多数の画素が配列され、各画素の
    画素値が前記長手方向に沿ってなだらかに変化している
    ような線状閉領域を、前記長手方向に直交する方向に隣
    接させて多数並べることにより形成される木肌パターン
    と、 を重畳することにより木目柄パターンを表現したことを
    特徴とする木目柄パターンをもった印刷物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の印刷物において、 年輪パターンが、自己相似的なスカラー場を与える二次
    元フラクタル格子に基づくゆらぎを含んでおり、 木肌パターンを構成する各線状閉領域が、自己相似的な
    スカラー場を与える一次元フラクタル格子に基づくゆら
    ぎを含んでいることを特徴とする木目柄パターンをもっ
    た印刷物。
  3. 【請求項3】 木目柄パターンを人為的に作成する方法
    であって、 所定の中心軸からの距離に基づいて画素値が周期的に変
    化する三次元樹木モデルを用意し、 このモデルを所定の切断面によって切断し、切断面上の
    画素を平面に投影することにより、二次元平面上の画素
    の集合からなる年輪パターンを生成し、 樹木の繊維質を表現するのに十分細長い形状をしてお
    り、長手方向に沿って多数の画素が配列され、各画素の
    画素値が前記長手方向に沿ってなだらかに変化している
    ような線状閉領域を多数用意し、 前記線状閉領域を、前記長手方向に直交する方向に隣接
    させて多数並べることにより、二次元平面上の画素の集
    合からなる木肌パターンを生成し、 前記年輪パターン上の各画素と、前記木肌パターン上の
    各画素と、をそれぞれ画素の配列位置に基づいて対応さ
    せ、対応する2つの画素のもつ画素値を所定の演算式に
    基づいて合成し、合成して得られる新たな画素値をもつ
    合成画素を、もとの画素の配列位置に応じて二次元平面
    上に並べることにより木目柄パターンを生成することを
    特徴とする木目柄パターンの作成方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の方法において、所定の
    スカラー値を自己相似的に二次元平面上の各格子点に定
    義した二次元フラクタル格子を用意し、 この二次元フラクタル格子の各格子点のもつスカラー値
    に応じて、切断面上の各点を所定方向に変位させること
    により有皺切断面を生成し、 この有皺切断面によって三次元樹木モデルを切断するこ
    とにより年輪パターンを生成することを特徴とする木目
    柄パターンの作成方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の方法において、 二次元フラクタル格子として、このフラクタル格子を空
    間的に複数配列した場合に、個々のフラクタル格子の境
    界部分が連続的に接続されるように各スカラー値が定義
    されたリピータブルフラクタル格子を用意し、 所定の平面上の各点を、前記リピータブルフラクタル格
    子の各格子点のもつスカラー値に応じて所定方向に変位
    させることにより有皺切断面を生成し、 この有皺切断面によって三次元樹木モデルを切断するこ
    とにより、空間的に複数配列した場合に境界部分が連続
    的に接続されるようなリピータブル年輪パターンを生成
    し、 このリピータブル年輪パターンを用いて、空間的に複数
    配列した場合に境界部分が連続的に接続されるようなリ
    ピータブル木目柄パターンを生成することを特徴とする
    木目柄パターンの作成方法。
  6. 【請求項6】 木目柄パターンを人為的に作成する方法
    であって、 所定の中心軸からの距離に基づいて画素値が周期的に変
    化する三次元樹木モデルを用意し、 樹木の繊維質を表現するのに十分細長い形状をしてお
    り、長手方向に沿って多数の画素が配列され、各画素の
    画素値が前記長手方向に沿ってなだらかに変化している
    ような線状閉領域を多数用意し、 前記線状閉領域を、前記長手方向に直交する方向に隣接
    させて多数並べることにより、二次元平面上の画素の集
    合からなる木肌パターンを生成し、 この木肌パターンを構成する各画素のもつ画素値に応じ
    て、所定面上の各点を所定方向に変位させて有皺切断面
    を生成し、 前記モデルを前記有皺切断面によって切断し、切断面上
    の画素を平面に投影することにより、二次元平面上の画
    素の集合からなる木目柄パターンを生成することを特徴
    とする木目柄パターンの作成方法。
  7. 【請求項7】 請求項3〜6のいずれかに記載の方法に
    おいて、 所定のスカラー値を自己相似的に一次元線分上の各格子
    点に定義した一次元フラクタル格子を用意し、この一次
    元フラクタル格子の各格子点を各画素に対応させ、各格
    子点のもつスカラー値を各画素値に対応させることによ
    り線状閉領域を生成し、このような方法により生成した
    多数の線状閉領域を、その長手方向をY軸方向に向け
    て、このY軸とは直交するX軸方向に隣接させて多数並
    べることにより、XY二次元平面上に画素配列をもった
    木肌パターンを生成することを特徴とする木目柄パター
    ンの作成方法。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の方法において、 XY二次元平面上に配列された木肌パターンを構成する
    各画素に対して、その画素のX軸負方向に隣接して配さ
    れた画素およびX軸正方向に隣接して配された画素のも
    つ画素値に基づいて、画素値を修正するスムージング処
    理を施し、このスムージング処理後の木肌パターンに基
    づいて木目柄パターンを作成することを特徴とする木目
    柄パターンの作成方法。
  9. 【請求項9】 請求項7または8に記載の方法におい
    て、 木肌パターンを構成する各画素の配列に応じた画素配列
    をもち、しかも、各画素の画素値がそれぞれ独立した乱
    数値によって構成されているホワイトノイズパターンを
    用意し、 前記木肌パターン上の各画素と、前記ホワイトノイズパ
    ターン上の各画素と、をそれぞれ画素の配列位置に基づ
    いて対応させ、対応する2つの画素のもつ画素値を所定
    の演算式に基づいて合成し、合成して得られる新たな画
    素値をもつ合成画素を、もとの画素の配列位置に応じて
    二次元平面上に並べることにより新たな木肌パターンを
    生成し、この新たな木肌パターンに基づいて木目柄パタ
    ーンを作成することを特徴とする木目柄パターンの作成
    方法。
  10. 【請求項10】 請求項7〜9のいずれかに記載の方法
    において、 所定のスカラー値を自己相似的に二次元平面上の各格子
    点に定義した二次元フラクタル格子を用意し、 この二次元フラクタル格子の各格子点のもつスカラー値
    に応じて、木肌パターンを構成する各画素の位置を所定
    方向に変位させることにより、前記木肌パターンに対し
    て画像変形処理を施し、この画像変形処理後の木肌パタ
    ーンに基づいて木目柄パターンを作成することを特徴と
    する木目柄パターンの作成方法。
  11. 【請求項11】 請求項3〜10のいずれかに記載の方
    法において、 互いに異なる複数の木肌パターンを用意し、年輪パター
    ンの各周期領域ごとに、異なる木肌パターンを合成して
    木目柄パターンを得ることを特徴とする木目柄パターン
    の作成方法。
  12. 【請求項12】 木目柄パターンを人為的に作成する装
    置であって、 所定の数値範囲内の乱数を発生する乱数発生装置と、 前記乱数発生装置が発生した乱数を利用して、所定のス
    カラー値を自己相似的に一次元線分上の各格子点に定義
    した一次元フラクタル格子を発生する一次元フラクタル
    格子発生装置と、 前記乱数発生装置が発生した乱数を利用して、所定のス
    カラー値を自己相似的に二次元平面上の各格子点に定義
    した二次元フラクタル格子を発生する二次元フラクタル
    格子発生装置と、 所定の中心軸からの距離に基づいて画素値が周期的に変
    化する三次元樹木モデルを発生する三次元樹木モデル発
    生装置と、 前記二次元フラクタル格子発生装置が発生した二次元フ
    ラクタル格子の各格子点のもつスカラー値に応じて、所
    定面上の各点を所定方向に変位させることにより有皺切
    断面を発生する切断面発生装置と、 前記有皺切断面によって前記モデルを切断することによ
    り、二次元平面上の画素の集合からなる年輪パターンを
    発生する年輪パターン発生装置と、 前記一次元フラクタル格子発生装置が発生した一次元フ
    ラクタル格子の各格子点を各画素に対応させ、各格子点
    のもつスカラー値を各画素値に対応させることにより線
    状閉領域を発生し、この線状閉領域を、その長手方向に
    直交する方向に隣接させて多数並べることにより、二次
    元平面上の画素の集合からなる木肌パターンを発生する
    木肌パターン発生装置と、 前記年輪パターンと前記木肌パターンとを合成すること
    により木目柄パターンを得るパターン合成装置と、 を備えることを特徴とする木目柄パターンの作成装置。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の装置において、 各画素のもつ画素値を、印刷に必要な複数の原色成分に
    1対1に対応させるためのカラーマップを設定するカラ
    ーマップ設定装置と、 前記カラーマップに基づいて、パターン合成装置が合成
    した木目柄パターンを構成する各画素に対して、それぞ
    れ印刷に必要な複数の原色成分を割り当てる色調割り当
    て装置と、 この色調割り当て装置によって割り当てられた原色成分
    を用いて、前記木目柄パターンの印刷を行う印刷装置
    と、 を更に備えることを特徴とする木目柄パターンの作成装
    置。
JP6179519A 1994-07-07 1994-07-07 木目柄パターンをもった印刷物ならびに木目柄パターンの作成方法および作成装置 Pending JPH0822538A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002541574A (ja) * 1999-04-09 2002-12-03 ザ、プロクター、エンド、ギャンブル、カンパニー アモルファスパターンを継ぎ合わせ且つ拡張させる方法
WO2008032593A1 (fr) * 2006-09-15 2008-03-20 Chiyoda Gravure Corporation Motif de grain d'une impression à motif de grain, procédé de création de motif de grain et programme, produit matériel de boîtier sur lequel le motif de grain est imprimé, composant interne d'automobile, appareil électroménager, et dispositif d'information
JP2013037703A (ja) * 2012-09-07 2013-02-21 Digital Media Professional:Kk コンピュータ・グラフィックス回路及びこの回路を用いて、二次元表示システムに表示される三次元オブジェクトに適用される二次元擬似ランダム・テクスチャ・パターンを、一次元テクスチャ画像を用いて生成する三次元コンピュータ・グラフィックス装置
JP5347058B1 (ja) * 2012-10-16 2013-11-20 子誠 十河 化粧シート又は化粧板の製造方法
CN113822989A (zh) * 2021-09-26 2021-12-21 浙大城市学院 一种无骨花灯数字化设计与制作方法

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