JPH08225657A - 薄肉物品の製造方法 - Google Patents

薄肉物品の製造方法

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JPH08225657A
JPH08225657A JP7337654A JP33765495A JPH08225657A JP H08225657 A JPH08225657 A JP H08225657A JP 7337654 A JP7337654 A JP 7337654A JP 33765495 A JP33765495 A JP 33765495A JP H08225657 A JPH08225657 A JP H08225657A
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polyolefin
ionomer
thermoforming
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JP7337654A
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Jack E Prince
ジヤツク・エドワード・プリンス
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Shell Internationale Research Maatschappij BV
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 向上した低温衝撃強さを有する物品、特にジ
ュアル・オーブナブル・トレーとして使用するための薄
肉物品を製造する。 【解決手段】 本発明による物品は、(a)少なくとも
0.7dL/gの極限粘度数を有する86〜98重量%
のポリエチレンテレフタレートと、(b)1〜7重量%
のポリエチレンイオノマーと、(c)2〜6個の炭素原
子を有するオレフィンモノマーから誘導された反復単位
を有する1〜7重量%のポリオレフィンとからなるポリ
マーブレンドを熱成形することにより製造され、ポリマ
ーブレンドは有効量の熱安定剤を含有する。ポリマーブ
レンドの熱成形は、加熱金型内で10〜40%の結晶度
を生ぜしめるのに充分な時間にわたり行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリマーブレンド
を熱成形することによるポリマーブレンドからの薄肉物
品の製造方法に関する。より詳細には本発明は、熱安定
剤と(1)少なくとも86重量%のポリエチレンテレフ
タレート、(2)7重量%以下のポリエチレンイオノマ
ーおよび(3)7重量%以下のポリオレフィンとを含有
するポリマーブレンドを加熱金型内で10〜40%の結
晶度を生ぜしめるのに充分な時間にわたり熱成形するこ
とによるジュアル・オーブナブル・トレー(dual-ovena
bletray)の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】家庭使用するための電子オーブンが広く
普及して、電子オーブンもしくは熱対流オーブンのいず
れかで使用しうる食品トレーに関心が集まり始めた。こ
の種の食品トレーは200℃に達するオーブン温度に耐
え得ねばならない。この種のトレーは特に凍結既製食品
の容器として価値がある。したがって、この種のトレー
はフリーザー温度における良好な衝撃強さと、オーブン
温度における寸法安定性との両者を有することが必要で
ある。勿論、この種のトレーは約−30℃のフリーザー
温度から約175℃もしくはそれ以上のオーブン温度ま
での急速加熱に耐えうることも重要である。対流オーブ
ンもしくは電子オーブンのいずれでも加熱しうる容器は
しばしばジュアル・オーブナブル(dual-ovenable )と
して記載される。この種のジュアル・オーブナブル容器
を製造する際に使用するにはポリエステルが極めて適し
ている。しかしながら、満足な高温度安定性を得るには
ポリエステルは非晶質状態でなく結晶質状態であること
が重要である。一般的に、ポリエステルで構成されたジ
ュアル・オーブナブル容器は少なくとも約15%の結晶
度を得るよう熱処理される。一般に、ポリエステルは高
温での熱処理により結晶化を受け、生成した結晶はポリ
エステルの融点近くまで実質的に安定に留まる。
【0003】熱可塑性ポリエステル物品を形成させるに
は、射出成形および熱成形が広く知られた方法である。
射出成形において、ポリエステルはその融点より高い温
度で加熱され、溶融ポリエステルを金型キャビティに押
込むのに充分な圧力下で射出される。溶融ポリエステル
は金型内で取出すのに充分な剛性を有するまで冷却され
る。しかしながら、射出成形法は一般にたとえばジュア
ル・オーブナブル・トレーのような薄肉物品の製造には
満足しえない。何故なら、流路と、金型の充填に際し発
生して不均一な性質、表面不規則性および仕上げ物品の
歪みをもたらす層状化とが生ずるからである。高溶融粘
度のため薄肉物品の射出成形は極めて高い充填圧力も必
要とされる。熱成形は、ポリエステル物品の製造に工業
上使用される他の方法である。これは、たとえばジュア
ル・オーブナブル食品トレーのような薄肉物品を工業規
模で製造する際に使用するための特に価値ある技術であ
る。熱成形においては、予備形成したポリエステルシー
トをこのシートの変形を可能にするのに充分な温度まで
予熱する。次いでシートをたとえば減圧補助、空気圧補
助またはマッチドモードル補助のような手段により金型
の輪郭に一致させる。製造された熱成形物品は一般に少
なくとも約15%の結晶度を得るよう金型内で熱処理さ
れる。
【0004】ポリエステルポリマーの物理的性質は、他
のポリマーを添加してポリエステルブレンドを形成させ
て改変することができる。たとえば米国特許発明明細書
第4,572,852号は、(1)ポリエチレンテレフ
タレートと、(2)2〜6個の炭素原子を有するポリオ
レフィンと、(3)有効量の熱安定剤とよりなり、向上
した耐衝撃性と高温度寸法安定性とを示す熱可塑性ポリ
エステル物品を開示している。さらに米国特許発明明細
書第5,023,137号は、(1)ポリエチレンテレ
フタレートと、(2)ポリエチレンイオノマーと必要に
応じ(3)有効量の熱安定剤とからなり、向上した低温
衝撃強さを示す熱可塑性ポリエステル物品を開示してい
る。ポリエステルブレンドで構成されたジュアル・オー
ブナブル・トレーは産業的に広く利用される。少なくと
も0.65dL/gの極限粘度数を有するポリエチレン
テレフタレートがこの種の用途に広く利用される。ジュ
アル・オーブナブル・トレーに使用するポリエチレンテ
レフタレートが少なくとも0.65dL/gの極限粘度
数を有して、物品をたとえばフリーザで経験されるよう
な低温度にて許容しうる衝撃強さを有するようにするこ
とが重要である。ジュアル・オーブナブル・トレーの低
温衝撃強さを向上させることが望ましい。これは、この
種のトレーを用いて包装された凍結既製食品の輸送に際
し或る程度のトレー破壊が生ずるからである。この種の
トレーはさらに、家庭用フリーザーから取出した後に落
すと破壊することも知られている。したがって、向上し
た低温衝撃強さを示す材料を用いてジュアル・オーブナ
ブル・トレーを製造することが極めて有利である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、向上した低
温衝撃性能を示す物品(たとえばジュアル・オーブナブ
ル・トレー)を熱成形するための改良された熱可塑性樹
脂組成物を得ることを課題とする。今回、予想外に
(1)ポリエチレンテレフタレートと、(2)ポリエチ
レンイオノマーと、(3)2〜6個の炭素原子を有する
ポリオレフィンとの3−成分ブレンドが向上した低温衝
撃強さを含め優れた性質の組合せを与えることを突き止
めた。ポリエチレンイオノマーとポリオレフィンとの両
成分は好ましくはさらに有効量の熱安定剤をも含有す
る。これら組成物は熱硬化した薄肉物品、たとえばジュ
アル・オーブナブル・トレーの熱成形に用途を有する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、薄肉物品をポ
リマーブレンドから製造するに際し:(a)60:40
のフェノール:テトラクロロエタン混合溶剤系にて30
℃で測定して少なくとも0.7dL/gの極限粘度数を
有する86〜98重量%のポリエチレンテレフタレート
と;(b)ASTM法D−1238を用いて測定し2g
/10min未満のメルトフローインデックスを有する
1〜7重量%のポリエチレンイオノマーと;(c)2〜
6個の炭素原子を有するオレフィンモノマーから誘導さ
れた反復単位を有する1〜7重量%のポリオレフィンと
を有効量の熱安定剤と共に含むポリマーブレンドを加熱
金型内で10〜40%のポリマーブレンドにおける結晶
度を生ぜしめるのに充分な時間にわたり熱成形すること
を特徴とする薄肉物品の製造方法に関するものである。
好ましくは、ポリエチレンイオノマーは有効量の熱安定
剤をも含有する。さらに本発明は熱硬化した薄肉の部分
結晶質物品の製造方法にも関し、この方法は:(a)6
0:40のフェノール:テトラクロロエタン混合溶剤系
にて30℃で測定して少なくとも0.7dL/gの極限
粘度数を有する86〜98重量%のポリエチレンテレフ
タレートと;(b)ASTM法D−1238を用いて測
定し2g/10min未満のメルトフローインデックス
を有する1〜7重量%のポリエチレンイオノマーと;
(c)2〜6個の炭素原子を有するオレフィンモノマー
から誘導された反復単位を有する1〜7重量%のポリオ
レフィンとで構成された実質的に非晶質のシートを熱成
形することからなり、ポリオレフィンは有効量の熱安定
剤を含有し、さらに熱成形を加熱金型内で10〜40%
の前記物品における結晶度を得るのに充分な時間にわた
り行う。好ましくは、ポリエチレンイオノマーも有効量
の熱安定剤を含有する。
【0007】本発明の熱可塑性樹脂組成物はポリエチレ
ンテレフタレート(PET)と、ポリエチレンイオノマ
ーと、ポリオレフィンとで構成される。この種の組成物
は一般に86〜98重量%のPETと、1〜7重量%の
ポリエチレンイオノマーと、1〜7重量%のポリオレフ
ィンとを含有する。一般に、本発明の熱可塑性樹脂組成
物は87〜97重量%のPETと、1〜6重量%のポリ
エチレンイオノマーと、2〜7重量%のポリオレフィン
とを含有することが好ましい。本発明の最も好適な組成
物は90〜94重量%のPETと、1〜3重量%のポリ
エチレンイオノマーと、5〜7重量%のポリオレフィン
とを含有する。
【0008】PETは、テレフタル酸もしくはそのジエ
ステルとエチレングリコールとから誘導される反復単位
を有する。本発明の熱可塑性樹脂組成物に使用するPE
Tは改質PETとすることができる。この種の改質PE
Tは、テレフタル酸以外の二酸および/またはエチレン
グリコール以外のグリコールから誘導される少量の反復
単位を含有することもできる。たとえば少量のイソフタ
ル酸もしくはナフタレンジカルボン酸を、PETの製造
に使用される二酸成分に使用することができる。3〜8
個の炭素原子を有する少量のジオールで改変されたPE
Tも、使用しうる改質PETの代表である。たとえば少
量の1,4−ブタンジオールを、改質PETの製造に使
用されるグリコール成分に用いることができる。一般
に、この種の改質PETにおける反復単位のわずか5重
量%はテレフタル酸およびエチレングリコール以外の二
酸もしくはジオールで構成される。勿論、この種のジカ
ルボン酸およびジオールのジエステルも使用しうると考
えられる。大抵の場合、この種の改質PETは3%未満
のテレフタル酸以外の二酸と、3%未満のエチレングリ
コール以外のジオールとを含有する。一般に、この種の
改質ポリエステルはテレフタル酸以外の僅か1%のジカ
ルボン酸および/またはエチレングリコール以外の1%
未満のグリコールとを含有することが好ましい。いずれ
にせよ、熱可塑性樹脂組成物に使用するにはPETホモ
ポリマーが優れた選択である。
【0009】熱可塑性樹脂組成物に使用するPETは一
般に少なくとも0.7dL/gの極限粘度数を有する。
大抵の場合、PETは0.8〜1.4dL/gの範囲の
極限粘度数を有する。一般にPETは少なくとも0.9
dL/gの極限粘度数を有することが好ましく、PET
は0.95dL/gの極限粘度数を有することがより好
ましい。極限粘度数は、C(ポリマー溶液の濃度)が0
に達する際のフラクションの限界値(In v)/Cと
して規定され、ここでvは60:40のフェノール:テ
トラクロロエタン混合溶剤系にて30℃で数種の異なる
ポリマー濃度につき測定される相対粘度である。
【0010】本発明の実施に用いうるポリエチレンイオ
ノマーは一般にエチレンと少なくとも1種のα,β−エ
チレン系不飽和カルボン酸とのコポリマーであり、カル
ボン酸基の5〜90%が金属イオンでの中和によりイオ
ン化される。α,β−エチレン系不飽和カルボン酸はモ
ノカルボン酸とすることができ、或いはこれに結合した
2個以上のカルボキシル基を有することができる。カル
ボン酸基は、1〜3の原子価を有する金属カチオンより
なる群から選択される少なくとも1種のカチオンで中和
される。ポリエチレンイオノマーは、ASTM法D−1
238を用いて測定し、63℃の減圧オーブン内で16
時間にわたり乾燥した後に2g/10min未満のメル
トフローインデックスを有する。ポリエチレンイオノマ
ーは1.5g/10min未満のメルトフローインデッ
クスを有することが好ましく、最も好ましくはポリエチ
レンイオノマーは1.2g/10min未満のメルトフ
ローインデックスを有する。エチレンモノマーと共重合
しうるα,β−エチレン系不飽和カルボン酸は好ましく
は3〜8個の炭素原子を有する。この種の酸の例はアク
リル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、イタコン酸、マ
レイン酸、フマル酸および他のジカルボン酸のモノエス
テル、たとえばマレイン酸メチル水素、フマル酸メチル
水素、フマル酸エチル水素および無水マレイン酸を包含
し、これは本発明では酸のように挙動すると共に酸であ
ると考えられる。
【0011】ポリエチレンイオノマーは一般に2〜40
重量%のα,β−エチレン系不飽和カルボン酸と60〜
98重量%のエチレンとを含有する。ポリエチレンイオ
ノマーはより典型的には3〜20重量%のα,β−エチ
レン系不飽和カルボン酸と80〜97重量%のエチレン
とを含有する。好適ポリエチレンイオノマーはエチレン
と3〜6個の炭素原子を有するα,β−エチレン系不飽
和モノカルボン酸とのコポリマーである。最も好適な
α,β−エチレン系不飽和モノカルボン酸はアクリル酸
である。メタクリル酸が他の極めて好適なα,β−エチ
レン系不飽和モノカルボン酸である。本発明に使用する
ポリエチレンイオノマーは一般に、ASTM法D−18
22Sを用い23℃で測定して少なくとも1100KJ
/m2 の衝撃強さを有する。ポリエチレンイオノマーは
少なくとも1150KJ/m2 の衝撃強さを有すること
が好ましく、最も好ましくはポリエチレンイオノマーは
少なくとも1200KJ/m2 の衝撃強さを有する。米
国特許発明明細書第4,248,990号は、ポリエチ
レンイオノマーおよびポリエチレンイオノマーの製造方
法を一層詳細に開示している。本発明の実施に使用しう
るポリエチレンイオノマーはE.I.デュポン・デ・ネ
モアス・アンド・カンパニー社から市販入手することが
でき、商品名「スルリン」として販売されている。たと
えば「スルリン」1605は約10%のアクリル酸と約
5%のアクリル酸ナトリウムとを含有するポリエチレン
イオノマーである。「スルリン」9721はエチレンと
メタクリル酸とを含有するポリエチレンイオノマーであ
る。
【0012】本発明の実施に使用しうるポリオレフィン
は2〜6個の炭素原子を有するオレフィンモノマーから
製造される。得られるポリマーは原モノマー単位から誘
導された反復単位を有する。これら反復単位は、もはや
炭素−炭素二重結合を持たない点でモノマーとは相違す
る。この種のポリマーは低密度ポリエチレン、高密度ポ
リエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリイソプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン、
ポリメチルペンテンを包含する。ポリオレフィンの好適
種類はポリエチレンであり、最も好適な種類はたとえば
商品名「ダウレックス」2045および2035として
ダウ・ケミカル社により市販される製品を代表とする線
状低密度ポリエチレンである。好ましくは熱可塑性樹脂
組成物は1種もしくはそれ以上の熱安定剤を含有する。
1種もしくはそれ以上の熱安定剤を含ませることは、こ
の樹脂組成物から製造される仕上物品を高い使用温度条
件に長時間にわたり晒す際に特に有用である。充分な物
理的性質(特に衝撃強さ)の保持は、たとえばジュアル
・オーブナブル用途に使用する食品トレーのような用途
に極めて重要である。ここで用いる熱安定剤は酸化防止
特性を示す化合物であって、その最も重要な性質は酸化
を抑制する能力である。効果的な熱安定剤は、高温に露
出した際に熱形成物品を保護し得ねばならない。一般
に、ブレンドのポリエチレンイオノマー成分および/ま
たはポリオレフィン成分に熱安定剤を混入した後、3種
のブレンド成分を配合して熱可塑性樹脂組成物とするの
が好適である。
【0013】次の化合物が本発明の熱可塑性樹脂組成物
に混入しうる有用な熱安定剤の代表例である:アルキル
化置換フェノール、ビスフェノール、チオビスアクリレ
ート、芳香族アミン、有機ホスファイトおよびポリホス
ファイト。特定の熱安定化能力を示す特定の芳香族アミ
ンは次のものを包含する:第一ポリアミン、ジアリール
アミン、ビスジアリールアミン、アルキル化ジアリール
アミン、ケトン−ジアリールアミン縮合生成物、アルデ
ヒド−アミン縮合生成物およびアルデヒドイミン。苛酷
であると考えられる条件は、熱成形物品が200℃近い
温度に約30分間を越える時間にわたり露出される条件
である。熱可塑性樹脂組成物のポリオレフィン成分に添
加するのに好適な熱安定剤は、2個より多いフェノール
環構造を有するポリフェノールを包含する。適するポリ
フェノールの幾つかの代表例はテトラキス(メチレン−
3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)−プロピオネート)メタンおよび1,3,5−トリ
メチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼンを包含する。熱可
塑性樹脂組成物のポリエチレンイオノマー成分につき好
適な熱安定剤は有機ホスファイトおよびポリホスファイ
トを包含する。代表的ホスファイトは2,2′−エチリ
デン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フルオ
ロホスファイトである。
【0014】当業者は必要とされる熱安定剤の有効量を
容易に確認することができ、この量は一般に熱可塑性樹
脂組成物の全重量に対し0.005〜0.5重量%の範
囲である。一般に、熱可塑性樹脂組成物の全重量に対し
0.01〜0.5重量%の範囲で用いる熱安定剤量が好
適である。熱安定剤の使用量は、たとえば必要とされる
保護の程度、熱露出の程度、熱可塑性樹脂組成物におけ
る選択された熱安定剤の溶解度限界および熱安定剤の全
体的効果のような因子と共に変化する。1種もしくはそ
れ以上の顔料もしくは着色料も、所望の色を付与すべく
熱可塑性樹脂組成物に添加することができる。たとえば
二酸化チタンを熱可塑性樹脂組成物に含ませて、光沢の
ある白色を付与することもできる。さらに1種もしくは
それ以上の着色料を熱可塑性樹脂組成物に添加して、任
意の着色程度を与えることもできる。この種の着色料は
一般に核形成剤としては作用しない。非核形成性の有機
着色料の代表例は次のものを包含する:フタロシアニン
ブルー、ソルベント レッド135およびディスパー
ス イエロー64(CAS No.10319−14−
9)。溶媒および分散基を有する多くの他の染料も、本
発明の熱可塑性樹脂組成物を着色するのに有用である。
特定所望の色を得るのに必要な着色料または着色料組合
せ物の量は当業者により容易に確認することができる。
【0015】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、単にPE
Tをポリエチレンイオノマー、ポリオレフィン、熱安定
剤および必要に応じ着色料と溶融配合するだけで調製す
ることができる。この種の溶融配合は、PETが液状で
ある温度にて行われる。PETホモポリマーは約260
℃の融点を有する。この種の溶融配合過程はPETの融
点より高い温度で行なわねばならないので、一般に26
0〜350℃の範囲の温度で行われる。一般に、溶融配
合過程は280〜320℃の範囲の温度で行うのが好ま
しい。この種の溶融配合過程においては、ポリエチレン
イオノマーとポリオレフィンとを単に溶融PETの全体
に分散させる。充分な混合作用を加えて均質系を形成さ
せる。換言すれば、ポリエチレンイオノマーとポリオレ
フィンと熱安定剤もしくは着色料とを添加して、PET
全体に均一分散させることにより最適な熱可塑性樹脂組
成物を生成させる。この種の溶融配合過程は工業的に
は、充分な剪断力を与えて充分な混合をもたらす押出機
で行うことができる。
【0016】その後に熱成形過程で使用するためのフィ
ルムもしくはシートを調製する際、ポリエチレンイオノ
マーとポリオレフィンとをPET全体に均一分散させて
均質ブレンドを形成させることにより最適の結果を得る
ことが極めて重要である。均質ブレンドを得るための好
適方法は、押出機中へ導入する前のPETとポリエチレ
ンイオノマーとポリオレフィンとの機械的配合である。
さらに、任意の熱安定剤をポリエチレンイオノマーおよ
びポリオレフィン成分に、これらをPETと混合する前
に配合することも好ましい。代案方法は、ポリエチレン
イオノマーとポリオレフィンと1種もしくはそれ以上の
熱安定剤とを或る程度のPETと共に或いはそれなしに
マスターバッチ化する予備工程を含む。この種のマスタ
ーバッチを溶融押出し、ペレット化させ、その後にPE
Tに添加すべく乾燥させることができる。熱可塑性樹脂
組成物が調製された後、これらを広範な種類の有用な製
造物品を製造すべく使用することができる。熱可塑性樹
脂組成物は、たとえばジュアル・オーブナブル・トレー
のような薄肉物品を製造しうる熱成形用組成物として使
用するのに特に価値がある。本発明に関する製造物品は
薄肉熱成形物品である。ここで用いる薄肉とは1mm未
満の肉厚を有する物品を意味する。
【0017】部分結晶質の仕上物品は高温における良好
な寸法安定性が必要であるため、結晶度または結晶性の
比率に関する知識が極めて重要である。結晶性の比率を
決定する便利な方法は密度である。何故なら、所定のポ
リエステル組成物につき両者間に直接的関係が存在する
からである。検定された濃度勾配カラムを用いて特定温
度における密度を決定することができる。次いで密度値
を結晶性の比率に変換することができる。「結晶化温
度」および「結晶化開始」という用語は、分子移動度と
第2結合力との組合せにより生ずる規則的な反復形態が
少なくとも数百オングストロームの分子間隔にわたりポ
リマー内に誘発される温度または温度範囲を意味すべく
互換的に使用される。結晶化温度または結晶化開始は、
実質的に非晶質のPETの未配向シートが半透明の曇っ
た外観から白色外観まで変化する点として肉眼観察する
ことができる。「ガラス転移温度」という用語は傾斜変
化が前記ポリマーにつき容積対温度曲線に出現する温度
もしくは温度範囲を意味し、ポリマーがガラス状特性を
示すより低くかつポリマーがゴム状特性を示すより高い
温度領域を規定する。非晶質ポリエチレンテレフタレー
トのガラス転移温度(Tg)は約70℃である。
【0018】本発明は、熱硬化した薄肉物品を熱可塑性
樹脂組成物から慣用の熱成形装置を用いて製造する方法
に関するものである。完全な技術は次の工程よりなって
いる; (1)実質的に非晶質のシートを、均質配合された熱可
塑性樹脂組成物から形成し; (2)このシートを軟化するまで予熱し; (3)シートを金型上に設置し; (4)予熱されたシートを加熱金型表面上に展延し; (5)加熱金型に対するシート接触をシートを部分結晶
化させるのに充分な時間にわたり維持して形成シートを
熱硬化させ; (6)金型キャビティから部品を剥離させる。 熱成形法に使用するためのシートおよびフィルムは任意
慣用の方法で調製することができ、最も一般的な方法は
フラットダイによる押出しである。シートもしくはフィ
ルムを押出直後に急冷して成形後に発生した結晶化の程
度を最小化させることが重要である。フィルムもしくは
シートの調製に用いる方法に応じ、出発熱可塑性樹脂組
成物の極限粘度数は流延過程もしくは押出過程により僅
かに減少させることができる。製造した熱成形物品は、
これを製造したフィルムもしくはシートの極限粘度数と
同様な極限粘度数を持たねばならない。
【0019】ここで用いる「実質的に非晶質」という用
語は、シートの熱成形を充分な金型規定および部品形成
にて行いうるよう充分低い結晶度レベルを持ったシート
を意味する。現在用いうる熱成形法において、予備形成
シートの結晶度レベルは10%を越えてはならない。現
存する工業過程に要する極めて短い成形時間を達成する
には、熱成形用金型に設置する前に実質的に非晶質のシ
ートを予熱することが必要である。シートは、そのガラ
ス転移温度より高くかつ金型キャビティ設置する際に過
度に垂れ下がる温度よりも低い温度に加熱せねばならな
い。熱成形法において、130〜210℃の範囲のシー
ト温度および140〜220℃の範囲の金型温度が一般
に使用される。しばしば120〜170℃の範囲のシー
ト温度および165〜195℃の範囲の金型温度を使用
するのが好適である。公知の熱成形法は減圧補助、空気
補助、機械的プラグ補助もしくはマッチドモールドを含
む。金型は、所望の結晶化度を達成するのに充分な温度
まで予熱すべきである。最適金型温度の選択は熱成形装
置の種類、成形される物品の形状および肉厚、並びに当
業者に知られた他の因子に依存する。
【0020】熱硬化は、顕著な配向を存在させることな
くポリエステル物品の部分結晶化を熱誘発させる過程を
説明する用語である。熱硬化は、フィルムもしくはシー
トと加熱金型表面との緊密接触を仕上部品に対し充分な
物理的性質を付与するレベルの結晶度を得るのに充分な
時間にわたり維持して達成される。所望の結晶度レベル
は10〜40%とすべきことが判明した。高温食品用途
に容器を使用する場合、少なくとも15%の結晶度レベ
ルが離型操作に際し充分な寸法安定性を得るのに必要で
あることが判明した。好適な結晶度の範囲は15〜35
%である。この範囲は優秀な寸法安定性と耐衝撃性とを
有する部品をもたらす。熱硬化部品は公知の取出手段に
より金型キャビティから剥離することができる。1つの
方法(すなわちブローバック)は、金型と成形シートと
の間に確立された減圧を圧縮空気の導入により破壊する
ことを含む。工業的熱成形操作においては、部品をその
後にトリミングすると共にスクラップを磨砕してリサイ
クルする。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明をさら
に説明する。
【0022】実施例1 0.95dL/gのIVを有するPET樹脂を3重量%
のポリエチレンイオノマーおよび3重量%の線状低密度
ポリエチレンと押出配合した(試料1A)。比較とし
て、同じPETを3重量%のポリエチレンイオノマー
(試料1B)および3重量%の線状低密度ポリエチレン
(試料1C)と押出配合した。全ての重量%は全組成物
重量に基づくものである。試料1Aおよび試料1Cにお
けるポリオレフィンは有効量の熱安定剤を含有した。こ
れら3種の試料を表1に示す。3種の試料を2.5イン
チ(6.35cm)押出機で配合し、この押出機を26
0〜300℃の範囲の温度で約45rpmの押出機速度
および275℃のダイ温度を用いて操作した。押出機
は、各試料を均質配合するのに充分な剪断力を発生する
スクリューを用いた。0.03インチ(0.076c
m)の厚さを有するシートを、約55℃の冷却ロール温
度と約5.8フィート/min(176.8cm/mi
n)の巻取速度とを用いて調製した。次いでシートを、
5インチ×5インチ×1インチのトレーを製造するため
の金型を装着した標準的な熱成形器を用いてトレーに熱
成形した。熱成形過程は、表に示した操作パラメータを
用いて行った。試料1Aから成形されたトレーでは、オ
ーブン内での予熱時間と金型内での成形時間がともに短
時間で済み、トレー成形サイクル時間における顕著な減
少を示した。試料1Bから成形したトレーは、粘着によ
り金型内での成形に相当長い時間を消費した。試料1C
から成形したトレーは、充分成形されると共に金型から
容易に剥離された。
【0023】シートおよびトレーの各試料を分析して密
度を測定し、これを結晶度および極限粘度数(IV)に
変換した。各トレーにつき密度と結晶度とIVとを未熟
成および熟成の各試料につき、トレーの底部から得られ
たセクションを用いて測定した。熟成試料は204℃の
対流オーブン内で1時間にわたり加熱した。試料1A〜
1Cの数値を表1に示す。3種の全試料からのトレーに
つき結晶度レベルは、寸法安定性を維持するのに要する
範囲内である。2種の異なる方法を用いて各トレーの低
温衝撃強さを測定した。落球型衝撃試験を、ASTM法
5379(説明したトレーの使用を可能にするよう改
変)を用い−29℃における42インチ落下にてカスタ
ム・サイエンチフィック・フォーリング・ダート・ドリ
ップ・ユニットで行うと共に、ASTM法D−1898
を用い同様に−29℃にてダイナタップ8250装置を
用いて行った。試料1A〜1Cに関する衝撃試験結果を
表1に示す。試料1Aから製造されたトレーは−29℃
にて驚異的な衝撃強さを示した。すなわち、カスタム・
サイエンチフィック試験法により測定して、比較試料1
Cの強さの2倍より大かつ比較試料1Bよりも顕著に大
であった。試料1Aから製造されたトレーはさらに−2
9℃にてダイナタップ法により測定して、比較試料1C
の1.8倍より大かつ比較試料1Bよりも顕著に大の衝
撃強さを示した。これは、対応するシートの衝撃値にさ
らに近づいた点で特に驚異的である。
【0024】
【表1】
【0025】実施例2 ポリエチレンイオノマーと有効量の熱安定剤を含有する
線状低密度ポリエチレンとを1:1、1:3および3:
1の比で合したマスターバッチを、1.25インチ
(3.18cm)押出機により調製して均質ブレンドを
得た。このマスターバッチブレンドを押出後に乾燥させ
た。1.04dL/gのIVを有するPET樹脂を3種
のマスターバッチ試料と押出配合すると共に、線状低密
度ポリエチレン単独と押出配合した。試料2Aは3重量
%のポリエチレンイオノマーと3重量%の線状低密度ポ
リエチレンとを含有し、試料2Bは6重量%のポリエチ
レンイオノマーと2重量%の線状低密度ポリエチレンと
を含有し、試料2Cは2重量%のポリエチレンイオノマ
ーと6重量%の線状低密度ポリエチレンとを含有し、さ
らに試料2D(比較)は3重量%の線状低密度ポリエチ
レンを含有した。0.023インチ(0.058cm)
の厚さを有するシートを実施例1に記載したように調製
し、このシートを用いて実施例1に記載したように標準
的な5インチ×5インチ×1インチのトレーを製造し
た。さらに、このシートを用いて7インチ×9インチ×
13/16インチの4−コンパートメント楕円形凍結デ
ィナートレーを製造した。これら標準的トレーを分析し
て、実施例1に記載したように密度および結晶度を測定
した。衝撃強さを測定する2種の方法、すなわち実施例
1で説明したカスタム・サイエンチッフィック法および
ダイナタップ法を用いて−40℃における衝撃強さを測
定した。これら試験の結果を表2に示す。さらに「エッ
ジ落下」衝撃試験を凍結ディナートレーにつき行った。
各トレーに325gの水を満たし、凍結させ、段ボール
箱に入れ、高さ24インチから落下させた。追加試験を
試料2B〜2Dにつき12、16、20、24、28、
32、36および40インチの高さにて行った。各試料
の試験を各落下高さにつき10反復にて行い、破壊%を
決定した。これら試験の結果を表2に示す。衝撃試験、
特にエッジ落下試験の結果は本発明の熱可塑性樹脂組成
物が驚異的に優れた低温衝撃強さを有することを示して
いる。
【0026】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 23:00) B29K 67:00

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄肉物品をポリマーブレンドから製造す
    るに際し: (a)60:40のフェノール:テトラクロロエタン混
    合溶剤系にて30℃で測定して少なくとも0.7dL/
    gの極限粘度数を有する86〜98重量%のポリエチレ
    ンテレフタレートと; (b)ASTM法D−1238を用いて測定し2g/1
    0min未満のメルトフローインデックスを有する1〜
    7重量%のポリエチレンイオノマーと; (c)2〜6個の炭素原子を有するオレフィンモノマー
    から誘導された反復単位を有する1〜7重量%のポリオ
    レフィンとを有効量の熱安定剤と共に含むポリマーブレ
    ンドを加熱金型内で10〜40%のポリマーブレンドに
    おける結晶度を生ぜしめるのに充分な時間にわたり熱成
    形することを特徴とする薄肉物品の製造方法。
  2. 【請求項2】 熱安定剤をポリオレフィンと混合する請
    求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 ブレンドが90〜94重量%のポリエチ
    レンテレフタレートと、1〜3重量%のポリエチレンイ
    オノマーと、2〜6個の炭素原子を有するオレフィンモ
    ノマーから誘導された反復単位を有する5〜7重量%の
    ポリオレフィンとからなる請求項1または2に記載の方
    法。
  4. 【請求項4】 ポリエチレンイオノマーがエチレンとメ
    タクリル酸とのコポリマーであって、その5〜90%が
    1〜3の原子価を有する少なくとも1種の金属カチオン
    で中和される請求項1〜3のいずれか一項に記載の方
    法。
  5. 【請求項5】 ポリエチレンイオノマーがエチレンとア
    クリル酸とアクリル酸ナトリウムとのターポリマーであ
    る請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  6. 【請求項6】 ポリエチレンイオノマーが、このポリエ
    チレンイオノマーの全重量に対し3〜20重量%のα,
    β−エチレン系不飽和カルボン酸と80〜97重量%の
    エチレンとを含有するポリマーである請求項1〜3のい
    ずれか一項に記載の方法。
  7. 【請求項7】 ポリエチレンイオノマーが1.5g/1
    0min未満のメルトフローインデックスを有する請求
    項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 【請求項8】 ポリオレフィンがポリエチレンまたはポ
    リプロピレンである請求項1〜7のいずれか一項に記載
    の方法。
  9. 【請求項9】 ポリオレフィンが線状低密度ポリエチレ
    ンである請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 ポリエチレンテレフタレートが少なく
    とも0.9dL/gの極限粘度数を有する請求項1〜9
    のいずれか一項に記載の方法。
  11. 【請求項11】 熱成形条件およびポリマーブレンド成
    分を、ASTM法でD−18225により測定して少な
    くとも1150KJ/m2 の衝撃強さを有する物品を生
    成させるよう選択する請求項1〜10のいずれか一項に
    記載の方法。
  12. 【請求項12】 熱成形時間が、15〜35%の全結晶
    度を生ぜしめるのに充分である請求項1〜11のいずれ
    か一項に記載の方法。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12のいずれか一項に記載
    の方法により製造されるジュアル・オーブナブル・トレ
    ー。
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