JPH0822821B2 - モノクローナル抗上皮成長因子抗体及びその使用法 - Google Patents

モノクローナル抗上皮成長因子抗体及びその使用法

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JPH0822821B2
JPH0822821B2 JP60007549A JP754985A JPH0822821B2 JP H0822821 B2 JPH0822821 B2 JP H0822821B2 JP 60007549 A JP60007549 A JP 60007549A JP 754985 A JP754985 A JP 754985A JP H0822821 B2 JPH0822821 B2 JP H0822821B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、ヒト上皮成長因子(以下、上皮成長因子Ep
idermal Growth FactorをEGFともいう)及びマウスEGF
の両者に特異的に結合するモノクローナル抗EGF抗体に
関する。
さらに、本発明は、マウスなどの動物の顎下腺、ヒト
尿あるいは乳などに存在するEGFを前記モノクローナル
抗EGF抗体を用いて高純度かつ効率よく分離採取する高
純度上皮成長因子の調製法に関する。
因に、EGFは、胃酸分泌抑制作用、上皮細胞及び線維
芽細胞等の増殖促進作用及び新生児マウス眼瞼開裂促進
作用等を有することが知られており、したがつて、この
ような生理作用を利用して創傷の治癒又は抗潰瘍のため
の医薬として適応可能であり、更には培養細胞の成長促
進因子として無血清培地へ添加して用いられる等の広範
囲な利用面が考えられる有用な物質である。
従来の技術 ヒトEGFは尿中、特に妊娠女性の尿中に大量に存在し
ているが、現状では尿中からヒトEGFを高純度で収率よ
く取得することは困難とされている。すなわち、尿中に
はヒトEGFは約50μg/l存在しているが、通常のクロマト
グラフイ吸着の手法によつては複雑な工程を要するた
め、尿中からヒトEGFを高純度で収率よく採取すること
は容易でなく、したがつて、現在のところヒトEGFの実
用的採取法は未だ確立されていない。
因に、ヒトの尿中に存在するEGFはβ−ウロガストロ
ンであつて、マウスの顎下腺より単離されたEGFと類似
したアミノ酸配列を有し、生理的活性も同様であること
から、ヒト由来のEGFと称せられている。
発明が解決しようとする問題点 本発明者は、上述した状況に鑑み、EGF含有物からEGF
を高純度かつ高収率で取得する方法について検討した。
その結果、ヒトEGF及びマウスEGFの両者に特異的に結合
するモノクローナル抗上皮成長因子抗体を見出し、さら
にこの免疫抗体を結合させた吸着カラム(抗体吸着カラ
ム)を用いることにより尿等のEGF含有物からEGFを高純
度かつ高収率で分離、採取し得ることを見出した。
すなわち、EGF含有物を上記特定の抗体吸着カラムに
通すとEGFが特異的にカラムに吸着されて、高純度で収
率よく分離される。したがって、本発明の主要な目的
は、このような特定のモノクローナル抗EGF抗体を提供
すること、及びEGF含有物をこの特定の免疫抗体を結合
させた吸着カラムに通すことにより、EGF含有物からEGF
を高純度かつ高収率で調製する方法を提供することにあ
る。
以下本発明を詳しく説明する。
発明の構成 本発明の特徴は、ヒト上皮成長因子により免疫化した
マウスの脾臓細胞とミエローマ細胞とを細胞融合して得
られたハイブリドーマから産生されるヒトEGF及びマウ
スEGFの両者に特異的に結合するモノクローナル抗上皮
成長因子抗体にある。
さらに本発明の特徴は、ヒト上皮成長因子により免疫
化したマウスの脾臓細胞とミエローマ細胞とを細胞融合
して得られたハイブリドーマからヒトEGF及びマウスEGF
の両者に特異的に結合するモノクローナル抗EGF抗体を
産生するハイブリドーマを選択し、該ハイブリドーマに
よりヒトEGF及びマウスEGFの両者に特異的に結合するモ
ノクローナル抗EGF抗体を産生させ、得られた該抗体を
結合して成る吸着剤に、EGF含有物を接触させてEGFを吸
着させ、ついでこれを溶出することにより高純度EGFを
溶出画分として取得することよりなる高純度上皮成長因
子の調製法にある。
ここでいう“EGF含有物”とは、人尿、人乳、マウス
やラツト等の顎下腺抽出物のほかにEGF産生細胞の培養
上清液又は組換えDNA法によりEGF産生能を付与した微生
物の菌体破砕抽出液等を包含したものを意味する。
問題点を解決するための手段 本発明のモノクローナル抗EGF抗体は下記手順により
作成される。
モノクローナル抗EGF抗体の作成: まず、上記抗体を産生するハイブリドーマを下記のよ
うにして調製する。
上記ハイブリドーマの調製は、まず、例えば、ヒト尿
より採取して精製したEGFで免疫したマウスの脾臓細胞
とミエローマ(骨髄腫)細胞とを細胞融合させる。
上記マウスに対する免疫は、例えば正常な男性尿より
採取、精製したヒトEGF標品を抗原として使用し、これ
を投与して行なう。
ここで抗原として使用されるEGF標品は、従来のクロ
マトグラフイ吸着法(後記の実施例参照)を組合わせて
得られる部分精製ヒトEGFである。
上記抗原のマウスへの投与は、通常腹腔内注射によっ
て行われ、免疫を十分に進めるために、例えば2週間の
間隔で数回注射することが好ましい。
上記免疫化に用いる注射液は、上記部分精製ヒトEGF
タンパク質を、例えばPBSと称せられるリン酸塩緩衝食
塩液に溶解し、これにフロイントアジユバント(Freun
d′adjuvant)を結合させてエマルジヨンを形成させた
ものである。
上述のようにして免疫化したマウスから、免疫処理し
てから約3日後に脾臓を摘出し、この脾臓細胞(主にB
細胞)と、別に調製したマウスのミエローマ細胞との間
で細胞融合を行なわせる。マウスのミエローマ細胞とし
ては、P3X63−Ag8、P3−NSI/1−Ag4−1、X63−Ag8 653
等を培養して増殖させたものを使用するとよい。
上記細胞融合は、公知の手法により行なうとよく、通
常ペニシリン(100単位/ml)及びストレプトマイシン
(100μg/ml)、更に2mMグルタミン、1mMピルビン酸を
添加したRPMI 1640合成培地(以下RPMI 1640液と略記す
る)と牛胎児血清(FCS)との混合液中で、上記脾臓細
胞を細断し単細胞化して十分細胞を分散した後、RPMI 1
640液に分散し、これに上記ミエローマ細胞を混合し、
遠心処理して上清を除去した混合細胞に対して細胞融合
剤としてのポリエチレングリコール1500の50%溶液を添
加して行われる。
上述のようにして作成した融合細胞の中から雑種細
胞、いわゆるハイブリドーマを公知のHAT選択により選
択する。HAT選択は、マイクロタイタープレートを使用
して行なうことができ、例えば、同種及び雑種の融合細
胞を96穴マイクロタイタープレート上に撒布してHAT
(ヒポキサンチン−アミノプリテン−チミジン)培地で
培養を行ない、約2週間後にハイブリドーマが死滅しな
いで増殖している穴を確認してハイブリドーマを得る。
次に、このようにして選択したハイブリドーマについ
て、EGFと特異的に結合する抗体を産生するか否かをソ
リツドフエーズ法(Solid Phase Method)で検定した
後、更に抗体産生の可否をヒト及びマウスの125−EGFを
用いた結合性分析により検定する。
なお、更にこのハイブリドーマが産生する抗体を吸着
剤に結合したときの特異抗原(EGF)の結合性の可否を
検定するには、該ハイブリドーマをマウスの腹腔内に移
植して腹水を発生させ、腹水から公知の手法、例えば硫
安分画法及びイオン交換カラムクロマトグラフイ法によ
り免疫グロブリン(IgG)を得、この抗体を吸着剤に結
合させ、得られた抗体結合吸着剤をカラムに充填して抗
体吸着カラムを作成し、このカラムにEGF標品を通してE
GFの吸着能を調べるとよい。
この目的に使用される吸着剤としては、アフイゲル
(バイオラツド社製)、セフアデツクス(フアルマシア
社製)等を例示し得る。
次に、上述のようにして得られた抗EGF抗体産生ハイ
ブリドーマは、更に公知の限界希釈法によりモノクロー
ン化を行なう。得られたモノクローンの抗EGF抗体の産
生能を上記ソリツドフエーズ法及び結合性分析により検
定を行ない、この中から安定してモノクローナル抗体を
産生する細胞を選出する。
上記により選出した細胞は凍結保存可能なので、必要
に応じ、融解してマウスの腹腔内に移植すればよく、し
たがつて、必要な抗体を永続的かつ安定的に供給し得る
利点がある。
叙上のようにして選出した、モノクローナル抗EGF抗
体産生ハイブリドーマから前述したと同様にしてマウス
腹腔内で生産させたモノクローナル抗EGF抗体を精製し
た後、吸着剤に結合して抗体結合吸着剤を作成する。
次に、上述のようにして作成した抗体結合吸着剤にEG
F含有物(例えばヒト尿)を通してアフイニテイクロマ
トグラフイの手法により吸着させ、ついで溶出して溶出
画分として高純度のEGFを取得する。
本発明による上述したような抗体吸着法では、EGF含
有物中のEGFはモノクローナル抗EGF抗体に特異的に吸着
されるので、EGF含有物を吸着カラムに1回通すのみ
で、EGFは溶出画分として高純度で効率よく取得できる
ようになる。
このようにして得られる高純度EGFは、出発原料とし
て用いたEGF含有物の状態によつては不純タンパク質を
含む場合があるので、その場合にはゲル濾過等の処理を
施して不純タンパク質を除去するとよい。
しかし、通常は、吸着カラムを1回通すのみで、EGF
を高純度で効率よく取得する。特に、吸着体としてアフ
ィゲル又はセファデックスを用い、溶出溶媒として酢酸
と食塩との混合液を使用すると不純タンパク質を混在さ
せることなく、高純度のEGFを得ることができる。
EGFの純度は、電気泳動法により測定できる。また、E
GFの活性については、ヒト胎盤或は各種線維芽細胞に含
まれるレセプターとの結合性及び3H−チミジンのDNAへ
の取り込み率をin vitroで調べる方法、またはin vivo
で新生マウスの眼瞼開裂、切歯出現時期の短縮を調べる
方法により決定することができる。
発明の効果 以上述べたとおり、本発明は、ヒトEGF及びマウスEGF
の両者に特異的に結合するモノクローナル抗EGF抗体を
結合して成る吸着剤を用い、アフイニテイクロマトグラ
フイの手法により、EGF含有物からEGFを高純度で効率よ
く取得し得るものであり、しかも、上記抗EGF抗体はヒ
トEGF及びマウスEGFを認識するので、これらのEGFを同
一抗体を用いて取得し得る利点を有するものである。し
たがって、本発明は、EGF含有物から高純度のEGFを取得
するうえで実用的な技術であるといえる。
以下に実施例を示して本発明を更に詳しく説明する。
実施例1 マウスの免疫化に使用するEGFの調製 正常人尿100lに10lの氷酢酸を加え、濃塩酸によりpH
を3.0〜3.3に調整した。このものに、活性化したBio Re
x 70 イオン交換樹脂(バイオラツド社製)を2.4l加
え、4℃で18時間攪拌を行なつた。攪拌終了後、樹脂を
カラムに充填し、36lの103N HClを通して洗浄した後、
10lの1.0M酢酸アンモニウム溶液で溶出した。溶出液を
凍結乾燥しタンパク質粉末7.5g(EGF量4mg)を得た。
(なお、タンパク質量は、以下の操作を含めBSA(牛血
清アルブミン)を標準タンパク質としてバイオラツド社
製プロテインアツセイキツトにより測定した)。
第1回クロマトグラフイ: 上述のようにして得た粉末を、10mM酢酸アンモニウム
溶液(pH7.2)に溶解し、予め10mM酢酸アンモニウム溶
液(pH7.2)で平衡化したBio−Gel−P−10充填カラム
に通し分子量による分画を行ない、EGF活性画分を得
た。このものに含まれるタンパク質は620mgであり、EGF
量は3mgであつた。
第2回クロマトグラフイ: 得られた前記EGF活性画分を凍結乾燥させた粉末を、
水に溶解し、予め10mM酢酸アンモニウム溶液(pH7.2)
で平衡化したSephadex G−50充填カラムに通し分子量に
よる分画を行ない、EGF活性画分を得た。このものに含
まれるタンパク質は280mgでありEGF量は2.1mgであつ
た。
第3回クロマトグラフイ: 得られた前記EGF活性画分を凍結乾燥させた粉末を、3
0mMギ酸に溶解しpH3.0に調整した。予め30mMギ酸アンモ
ニウム緩衝液(pH3.0)で平衡化したDE−52充填カラム
に前記溶液を通し、非吸着画分を得た。このものに含ま
れるタンパク質は61mgであり、EGF量は1.5mgであつた。
第4回クロマトグラフイ: 得られた前記EGF活性画分を凍結乾燥させた粉末を、4
0mM酢酸に溶解しpH3.8に調整した。予め40mM酢酸アンモ
ニウム緩衝液(pH3.8)で平衡化したCM−52充填カラム
に前記溶液を通し、タンパク質を吸着後酢酸アンモニウ
ムの濃度を40mMから1Mに上昇させるグラジエント溶出を
行ない、EGF活性画分を得た。このものに含まれるタン
パク質は5.3mgであり、EGF量は0.8mgであつた。
EGFによるマウスの免疫化 前記の方法によって調製した部分精製EGF標品を抗原
として使用し、マウス(BALB/Cマウス)に対し、次のと
おり2週間間隔で3回の免疫を行なった。
第1回免疫: PBS(リン酸塩緩衝食塩水)中に部分精製EGFタンパク
質1.2mg/mlで溶解し、これにフロイント完全アジユバン
トを混合して得たエマルジヨンをマウスに対し0.2ml(E
GFタンパク質400μg)を腹腔内注射で投与した。
第2回免疫: PBSに部分精製EGFタンパク質を1.2mg/mlで溶解し、こ
れにフロイント完全アジユバントを混合して得たエマル
ジヨンを2週間後にマウスに対して0.2ml(EGFタンパク
質400μg)を腹腔内注射で投与した。投与1週間後に
少量の血液を採血し、二重拡散法(オクタロニー法)に
て、抗EGF抗体の産生を認め、マウスがEGFタンパク質に
て免疫されたことを確認した。
第3回免疫: PBSに部分精製EGFタンパク質1.2mg/mlで溶解した液
に、フロイント完全アジユバントを混合して得たエマル
ジヨンをマウスに対し0.1ml(EGFタンパク質200μg)
を腹腔内注射で投与した。
抗EGF抗体産生ハイブリドーマの調製 融合細胞の作成: 前記免疫処理終了から3日後に免疫マウスの脾臓細胞
を無菌的に摘出し、合成培養液(RPMI 1640液)と15%
牛胎児血清(FCS)との混合液で洗浄後、該混合液中
で、脾臓細胞をハサミで細断して単細胞化を行ない、該
混合液で2回洗浄した後、単細胞化した細胞をRPMI 164
0液に分散した。細胞数は2.0×109個であつた。
別にマウスのミエローマ細胞(P3−NSI/1−Ag4−1)
を前記RPMI及びFCSの混合液中で培養し、増殖した細胞
をRPMI 1640液で洗浄した。細胞数は7.0×108個であつ
た。
次に、前記で調製した免疫マウス脾臓細胞とマウスミ
エローマ細胞とをRPMI 1640液に分散し、混合した後、
遠心し、上清を除去した。混合細胞をポリエチレングリ
コール1500の50%溶液中で細胞融合させた後、融合細胞
群をHT培養液(ヒポキサンチン、チミジン及び15%牛胎
児血清を含むRPMI 1640液)に混合し、混合液を12枚の9
6穴マイクロタイタープレートにまいて、2日目以降、H
AT培養液(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン
及び15%牛胎児血清を含むRPMI 1640液)を添加して、
各穴で2週間培養してHAT選択を行なつた。増殖したハ
イブリドーマ細胞を384穴において確認した。
抗体産生細胞の選択: 前記で得た384種類のハイブリドーマより特定の細
胞、すなわちヒト又はマウスの精製EGF標品と特異的に
結合しうる抗体を産生するハイブリドーマを選び出すた
めに、ビオチン−アビジンシステムを用いるソリツドフ
エーズ法及びヒト、マウスの125I−EGFを用いた結合性
分析により、スクリーニングを行なつた。その結果、目
的に適合したものとして、14種類の細胞が選出され、そ
のうち9種類が安定的に抗体産出を行なうことを認め
た。この9種類のうち5種はヒトEGFに強く結合し、1
種はマウスEGFに強く結合し、3種がマウス及びヒトEGF
に強く結合することを認めた。
EGF吸着能による抗EGF抗体産生細胞の選択: 前記9種類の細胞のうち、結合性の異なるものからそ
れぞれ一種類ずつを選び抗体吸収カラムを作成し、EGF
活性の吸着能を検定した。
すなわち、それぞれの細胞について5匹のマウスに対
し、一つの種類の細胞をマウス一匹当り5×106個腹腔
内に注射して抗体を産生させた後、マウスから腹水を採
取し、これを45%飽和硫安水溶液で硫安分画に付した
後、DE−52(DEAE−セルロース)充填カラムに通し免疫
グロブリン20〜30mgを得た。前記のようにして得られた
IgG画分をアフイゲル10(バイオラツド社製)と結合
し、抗体吸着カラムを作成した。すなわち、アフイゲル
10をガラスフイルター上で氷水冷却下イソプロパノール
で洗浄し、さらに氷水で3回洗浄し、ゲルを回収した。
このゲルと、前記で得た抗体を含む液(0.2MNaHCO3pH8.
3−0.3M NaCl)とを等容積で混和し、4℃で5時間攪拌
しながら結合反応を行わせた。反応後、ゲルを遠心回収
した。このものを0.1MNaHCO3と0.15M NaClの混合液で2
回洗浄後、0.1Mエタノールアミン塩酸塩(pH8)と室温
で1時間よく混合して、抗体結合ゲルを得た。このゲル
をカラムに充填して、抗体吸着カラムを作成した(3種
類のハイブリドーマにつき各1本、合計3本)。ここで
得た3本の抗体吸着カラムに対して、前記精製ヒトEGF
標品を用い、EGF活性吸着能を検定した。
すなわち、ヒトEGFをPBSに溶解し、この液を予めPBS
で平衡化した前記吸着カラムに通した。溶出は0.2M酢酸
と0.15M NaClとの混合液で行ない、未吸着画分及び溶出
画分のEGF活性を測定した。ここで得た3種のカラムは
いずれもEGF活性の吸着を認めた。
抗EGF抗体産生細胞のクローニング: 前記3種類の抗EGF抗体産生ハイブリドーマについ
て、常法に従い、限界希釈法により、クローニングを行
なつた。
すなわち、ハイブリドーマ細胞50個と4週令BALB/cマ
ウスの胸腺より常法により調製した胸腺細胞108個をRPM
I 1640液と15%FCSとの混合液10mlに分散し、96穴マイ
クロタイタープレートの各穴に0.1mlずつまき、5日目
及び12日目にRPMI 1640液と15%FCSの混合液(培養液)
を添加し、増殖したハイブリドーマ細胞について前記と
同様にしてソリツドフエーズ法による抗EGF抗体産生細
胞の選択を行ない、クローニングを行なつた。このよう
にして、前記3種類の抗体産生ハイブリドーマよりそれ
ぞれ細胞株HE−1、HE−2、HE−3を樹立した。
モノクローナル抗EGF抗体の産生 前記クローニングにより得られた抗EGF抗体産生細胞
株(HE−3)を用いて抗体産生を行なつた。すなわち、
前記と同様に、マウス腹腔内で抗体を産生させ、45%硫
安分画に付した後、DE52(ワツトマン社製・DEAE−セル
ロース)充填カラムを通し、未吸着画分として精製免疫
グロブリン(IgG)を得た。マウス30匹を用い540mgの精
製モノクローナル抗体を得た。
EGF含有物からEGFの調製 抗体吸着カラムの調製: 前記と同様の操作でIgGとアフイゲル10との間で結合
を行わせ、20mlの抗体結合ゲルを得た。なお、本ゲルに
はIgG360mgが結合した。このゲルをカラムに充填し、吸
着カラム(1.7cm×9cm)を作成した。
EGFの分離、採取: 出発原料としてのEGF含有物に正常人尿を用い、この
人尿100lを前記「マウスの免疫化に使用するEGFの調
製」で用いたBio Rex70イオン交換樹脂(バイオラツド
社製)で処理して得られたタンパク質粉末6.25g(EGF量
1.68mg)をPBS80mlに溶解し、外液5lのをPBSに対して一
夜透析を行ない遠心後上清液85mlを得、原料液として用
いた。次に4℃で以下のカラム操作を行なつた。
前記で作成した抗体吸着カラム(1.7cm×9cm、床容量
20ml)にPBS200mlを50ml/hrで流し、次いで0.2M酢酸と
0.15M NaClとの混合液200mlを同じ流速で流し洗浄した
後、さらにPBS200mlを同様に流し平衡化した。
このように前処理した吸着カラムに前記で調製した原
料液85mlを20ml/hrの流速で流した。次にPBS1000ml、0.
5M NaClを含む10mM燐酸緩衝液(pH7.4)200ml、0.15M N
aCl1200mlの順に50ml/hrでカラムを洗浄した後、0.2M酢
酸と0.15M NaClとの混合液を20ml/hrの流速で流し溶出
液として22mlを得た。尚、本溶出液中にはタンパク質が
0.86mg(EGF量0.82mg)含まれており原料液に対比し352
3倍純度が向上した。
実施例2 本例は、原料処理液に対し、予めクロマトグラフイに
よる精製を順次4回繰返した後、本発明による抗体結合
カラムに通した例を示したものである。クロマトグラフ
イによる精製は、マウスの免疫に使用するEGFの調製の
項に述べた如く行なつた。
100lの原料尿より調製したタンパク質粉末6g(EGF量
3.5mg)より4回のクロマトグラフイを行ない、部分精
製EGF4.5mg(EGF量0.7mg)を得た。
得られた部分精製EGFを実施例1と同様にして抗体カ
ラムに通し、溶出液として25mlを得た。本溶液中にはタ
ンパク質が0.7mg(EGF量0.65g)含まれており原料液に
対比し2056倍純度が向上した。
実施例3 雄性マウス40匹を屠殺後、直ちに顎下腺(9.5g)を抽
出し、これに50mM酢酸37mlを加えホモジナイズした。得
られたホモジネートを23000gで15分間冷却遠心し、得ら
れた上清に濃塩酸を1Nになるように加え、再度冷却遠心
を行なつて、固形物を除き、上清を得た。この上清を凍
結乾燥して得たタンパク質粉末450mg(EGF量8.7mg)を3
0mlのPBSに溶解し、実施例1と同様にして抗体カラムに
通して溶出液として24mlを得た。
本溶出液中にはタンパク質量8.8mg(EGF量4.5mg)が
含まれていた。
さらに、次のようにゲル濾過を行なつた。前記溶出液
を水に対して透析後凍結乾燥を行ない、得た粉末を10mM
酢酸アンモニウム緩衝液(pH8.0)3mlに溶解した。予め
前記と同じ緩衝液で平衡化したセフアデツクスG50充填
カラム(1.2cm×150cm、床容積170ml)に10ml/hrで前記
溶液を通し、分子量による分画を行なつて高分子不純物
を除去し、EGF活性画分を得た。本溶液中にはタンパク
質2.3mg(EGF量2.2mg)が含まれていた。
実施例4 Okayama−Berg法により作成したマウス顎下腺cDNAラ
イブラリーより分離したマウスEGF前駆体cDNAを含むプ
ラスミドpME10 20μgを、制限酵素Hpa IIで分解し、1.
2%アガロースゲル電気泳動にてフラグメントを分離
し、EGFをコードしている部分を含む分子量約460キロダ
ルトンのバンドをゲルより電気的に溶出させ、DNAフラ
グメントA1.2μgを得た。
別に、プラスミドpUC 8を制限酵素Acc Iで分解し、Ac
c I切断pUC 8を得た。
上述のようにして得たフラグメントA500ngとAcc I切
断pUC 8 150ngT4−DNAリガーゼを用いて結合させた後、
Rb−CaCl2法により大腸菌JM103株を軽質転換させた。
前記方法により得たプラスミドはlacプロモーターの
下流、β−ガラクトシターゼ遺伝子にマウスEGF前駆体c
DNAの一部が結合した形で含まれており、マウスEGFがβ
−ガラクトシターゼとの融合タンパクとして発現される
ように設計されている。トリプシンの様なアルギニンエ
ステラーゼの作用により本融合タンパクよりEGFが遊離
されるものと考えられる。
上記プラスミドを含む軽質転換株をβ−ガラクトシタ
ーゼ活性の有無及びプラスミドのDNA配列分析により選
択し、L培地(1%バクトトリプトン、0.5%バクトイ
ースト抽出液、1%食塩、25μg/mlアンピシリン、pH7.
4)中37℃で通気培養し、対数増殖期に集菌した。湿重
量2gの菌体を200mlの6M塩酸グアニジン溶液に懸濁し、
超音波破砕後、50mM Tris−HCl pH8.0、250mM NaCl、0.
25mM EDTA、0.01%Tween20、さらに0.2MACNH3pH8.0で透
析し、トリプシン消化を行ない、粗抽出液とした。この
抽出液中にはタンパク質240mg(EGF量250μg)が含ま
れていた。
上記の抽出液をPBSに対して透析し、実施例1と同様
にして抗体カラムに通し、溶出液24mlを得た。本溶出液
中にはタンパク質170μg(EGF量162μg)が含まれて
いた。
実施例5 ヒトEGFに対する2本鎖DNAを人工合成し、制限酵素Ps
t Iで分解した。プラスミドpUC 9についても同様に処理
を行ないPst I切断pUC 9を得た。ヒトEGF−Pst Iフラグ
メントとPst I切断pUC 9を実施例4と同様の方法で結合
させた形質転換JM103株を得た。
この場合もヒトEGFがβ−ガラクトシターゼとの融合
タンパクとして発現されるよに設計されており、本形質
転換株を実施例4に準じて培養し、同様に処理を行な
い、抗体カラムに通し溶出液22mlを得た。本溶出液中に
はタンパク質120μg(EGF量110μg)が含まれてい
た。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒトの皮成長因子(以下、上皮成長因子を
    EGFという)により免疫化したマウスの脾臓細胞とミエ
    ローマ細胞とを細胞融合して得られたハイブリドーマか
    ら産生されるヒトEGF及びマウスEGFの両者に特異的に結
    合するモノクローナル抗上皮成長因子抗体。
  2. 【請求項2】ヒト上皮成長因子(EGF)により免疫化し
    たマウスの脾臓細胞とミエローマ細胞とを細胞融合して
    得られたハイブリドーマからヒトEGF及びマウスEGFの両
    者に特異的に結合するモノクロナール抗EGF抗体を産生
    するハイブリドーマを選択し、該ハイブリドーマにより
    ヒトEGF及びマウスEGFの両者に特異的に結合するモノク
    ロナール抗EGF抗体を産生させ、得られた該抗体を結合
    して成る吸着剤に、EGF含有物を接触させてEGFを吸着さ
    せ、ついでこれを溶出することにより高純度EGFを溶出
    画分として取得することを特徴とする高純度上皮成長因
    子の調製法。
  3. 【請求項3】免疫化に用いるヒトEGFは部分精製したヒ
    トEGFである特許請求の範囲第(2)項記載の調製法。
  4. 【請求項4】吸着剤がN−ハイドロキシサクシイミドエ
    ステル化アガロースゲル(商品名:アフィゲル)又はデ
    キストランゲル(商品名:セファデックス)である特許
    請求の範囲第(2)項記載の調製法。
  5. 【請求項5】吸着剤がN−ハイドロキシサクシイミドエ
    ステル化アガロースゲル(商品名:アフィゲル)又はデ
    キストランゲル(商品名:セファデックス)であり、溶
    出を酢酸と食塩との混合液を用いて行う特許請求の範囲
    第(2)項記載の調製法。
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