JPH08231761A - セルロースエステル溶液およびセルロースエステルフイルムの製造方法 - Google Patents
セルロースエステル溶液およびセルロースエステルフイルムの製造方法Info
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- JPH08231761A JPH08231761A JP34461895A JP34461895A JPH08231761A JP H08231761 A JPH08231761 A JP H08231761A JP 34461895 A JP34461895 A JP 34461895A JP 34461895 A JP34461895 A JP 34461895A JP H08231761 A JPH08231761 A JP H08231761A
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Abstract
ら調製可能とし、優れた物性を有するセルロースエステ
ルフイルムをソルベントキャスト法により製造する。 【解決手段】 セルロースの水酸基をアセチル基および
炭素原子数が3以上のアシル基で置換して得られたセル
ロースの混合脂肪酸エステルが溶媒中に溶解しているセ
ルロースエステル溶液において、セルロースの混合脂肪
酸エステルにおけるアセチル基の置換度(DSace)
と炭素原子数が3以上のアシル基の置換度(DSac
y)とが、下記式(I)〜(III)を満足するようにす
る。 (I) 2.0<DSace≦2.7 (II) 0.3<DSacy≦0.8 (III) 2.6<DSace+DSacy≦3.0
Description
ル溶液に関する。さらに本発明は、ソルベントキャスト
法によるセルロースエステルフイルムの製造方法にも関
する。
強靭性と難燃性から各種の写真材料や光学材料に用いら
れている。セルロースアセテートフイルムは、代表的な
写真感光材料の支持体である。また、セルロースアセテ
ートフイルムは、その光学的等方性から、近年市場の拡
大している液晶表示装置にも用いられている。液晶表示
装置における具体的な用途としては、偏光板の保護フイ
ルムおよびカラーフィルターが代表的である。セルロー
スアセテートフイルムは、一般にソルベントキャスト法
またはメルトキャスト法により製造する。ソルベントキ
ャスト法では、セルロースアセテートを溶媒中に溶解し
た溶液(ドープ)を支持体上に流延し、溶媒を蒸発させ
てフイルムを形成する。メルトキャスト法では、セルロ
ースアセテートを加熱により溶融したものを支持体上に
流延し、冷却してフイルムを形成する。ソルベントキャ
スト法の方が、メルトキャスト法よりも平面性の高いフ
イルムを製造することができる。このため、実用的に
は、ソルベントキャスト法の方が普通に採用されてい
る。
文献に記載がある。最近のソルベントキャスト法では、
ドープを支持体上へ流延してから、支持体上の成形フイ
ルムを剥離するまでに要する時間を短縮して、製膜工程
の生産性を向上させることが課題になっている。例え
ば、特公平5−17844号公報には、高濃度ドープを
冷却ドラム上に流延することにより、流延後、剥ぎ取り
までの時間を短縮することが提案されている。ソルベン
トキャスト法に用いる溶媒は、単にセルロースアセテー
トを溶解することだけでなく、様々な条件が要求され
る。すなわち、平面性に優れ、厚みの均一なフイルム
を、経済的に効率よく製造するためには、適度な粘度と
ポリマー濃度を有する保存安定性に優れた溶液(ドー
プ)を調製する必要がある。ドープについては、ゲル化
が容易であることや支持体からの剥離が容易であること
も要求される。そのようなドープを調製するためは、溶
媒の種類の選択が極めて重要である。溶媒については、
蒸発が容易で、フイルム中の残留量が少ないことも要求
される。
な有機溶媒が提案されているが、以上の要求を全て満足
する溶媒は、実質的にはメチレンクロリドに限られてい
た。言い換えると、メチレンクロリド以外の溶媒は、ほ
とんど実用化されていない。しかしながら、メチレンク
ロリドのようなハロゲン化炭化水素は、近年、地球環境
保護の観点から、その使用は著しく規制される方向にあ
る。また、メチレンクロリドは、低沸点(41℃)であ
るため、製造工程において揮散しやすい。このため、作
業環境においても問題である。これらの問題を防止する
ため、製造工程のクローズド化が行なわれているが、密
閉するにしても技術的な限界がある。一方、汎用の有機
溶剤であるアセトン(沸点:56℃)やメチルアセテー
ト(沸点:57℃)は、適度の沸点を有し、乾燥負荷も
それほど大きくない。また、人体や地球環境に対して
も、塩素系有機溶剤に比べて問題が少ない。しかし、ア
セトンやメチルアセテートは、セルロースアセテートに
対する溶解性が低い。特に置換度が2.80(酢化度:
60.1%)以上のセルローストリアセテートは、アセ
トン中やメチルアセテート中では膨潤するだけで、ほと
んど溶解しない。
ig.Chem.、43巻、688頁、1951年)に
は、セルロースアセテートよりも、セルロースプロピオ
ネートやセルロースブチレートの方が溶媒の選択の範囲
が広いことが記載されている。セルロースプロピオネー
トやセルロースブチレートは、セルロースアセテートを
溶解できないケトン類やエステル類にも溶解する。しか
し、セルロースプロピオネートやセルロースブチレート
から製造したフイルムは、機械的強度や耐久性がセルロ
ースアセテートフイルムよりも劣っている。また、セル
ロースアセテートプロピオネートまたはセルロースアセ
テートブチレートのようなセルロースの混合脂肪酸エス
テルが市販されている。例えば、イーストマン・ケミカ
ル社のカタログ(1994年)には、セルロースの混合
脂肪酸エステルが多数記載されている。それらの多く
は、アセトンやメチルアセテートのような汎用の有機溶
剤に溶解する。しかし、これらのセルロースの混合脂肪
酸エステルから製造したフイルムも、機械的強度や耐久
性が不充分であった。実際にも、これらの市販品は、高
い機械的強度が要求される保護フイルムや写真感光材料
支持体の用途ではなく、塗料用の原料として販売されて
いる。
ような問題を有するソルベントキャスト法に代えて、メ
ルトキャスト法を用いることを提案している。ただし、
メルトキャスト法には、セルローストリアセテートの融
点が分解温度よりも高いとの問題がある。すなわち、ア
セチル基の置換度が高いセルローストリアセテートは、
加熱すると溶融する前に分解してしまう。この問題を解
決するため、同公報記載の発明では、セルロースアセテ
ート中のアセチル基の置換度を1.9乃至2.6に調節
している。同公報には、さらにセルロースアセテートプ
ロピオネートの開示もあり、プロピオニル基の置換度を
0乃至0.9と規定している。具体的には、同公報の例
Bに、アセチル基の置換度が1.90、プロピオニル基
の置換度が0.71のセルロースアセテートプロピオネ
ートが記載されている。また、同公報の例Cには、アセ
チル基の置換度が2.10、プロピオニル基の置換度が
0.50のセルロースアセテートプロピオネートが記載
されている。しかしながら、前述したように、ソルベン
トキャスト法の方が、メルトキャスト法よりも平面性の
高いフイルムを製造することができる。言い換えると、
メルトキャスト法で製造したフイルムは、平面性に問題
がある。フイルムの平面性は二軸延伸により改善するこ
とができるが、フイルムを延伸すると分子が配向し、フ
イルムの光学的異方性が増大する。特殊な用途を除き、
写真材料や光学材料に用いられるフイルムは、光学的等
方性が要求される。従って、セルロースエステルフイル
ムの製造では、原則としてメルトキャスト法よりもソル
ベントキャスト法を採用することが望ましい。
トキャスト法によるセルロースエステルフイルムの製造
方法について、さらに研究を進めた。セルロースアセテ
ート、特にセルローストリアセテートを溶解できる有機
溶媒の種類が少ない問題については、セルロースアセテ
ートに代えて、セルロースの他の脂肪酸エステルまたは
セルロースの混合脂肪酸エステルを使用することで解決
できることが既に知られている(前述したC.J.Ma
lm他の論文やイーストマン・ケミカル社のカタログに
記載)。しかし、これらのセルロースエステルを使用し
て、ソルベントキャスト法により製造したセルロースエ
ステルフイルムは、セルローストリアセテートフイルム
よりも物性が著しく劣っている。
用いて調製できるセルロースエステル溶液を提供するこ
とである。さらに本発明の目的は、セルローストリアセ
テートフイルムと同程度またはそれ以上の物性を有する
セルロースエステルフイルムを製造することができるソ
ルベントキャスト法によるセルロースエステルフイルム
の製造方法を提供することでもある。
(1)のセルロースエステル溶液により達成された。 (1)セルロースの水酸基をアセチル基および炭素原子
数が3以上のアシル基で置換して得られたセルロースの
混合脂肪酸エステルが溶媒中に溶解しているセルロース
エステル溶液であって、セルロースの混合脂肪酸エステ
ルにおけるアセチル基の置換度(DSace)と炭素原
子数が3以上のアシル基の置換度(DSacy)とが、
下記式(I)〜(III)を満足することを特徴とするセル
ロースエステル溶液。 (I) 2.0<DSace≦2.7 (II) 0.3<DSacy≦0.8 (III) 2.6<DSace+DSacy≦3.0
(8)の態様で実施してもよい。 (2)セルロースの混合脂肪酸エステルにおけるアセチ
ル基の置換度(DSace)と炭素原子数が3以上のア
シル基の置換度(DSacy)とが、さらに下記式(I
V)を満足する(1)に記載のセルロースエステル溶
液。 (IV) 5×DSace+3×DSacy≦13.3 (3)炭素原子数が3以上のアシル基が、プロピオニル
基またはブチリル基である(1)に記載のセルロースエ
ステル溶液。 (4)セルロースの混合脂肪酸エステルが、350乃至
800の重量平均重合度を有する(1)に記載のセルロ
ースエステル溶液。 (5)セルロースの混合脂肪酸エステルが、70000
乃至230000の数平均分子量を有する(1)に記載
のセルロースエステル溶液。 (6)溶媒が、ケトン類、エステル類およびエーテル類
から選ばれるハロゲン原子を含まない有機溶媒である
(1)に記載のセルロースエステル溶液。 (7)セルロースの混合脂肪酸エステルが、5乃至50
重量%の濃度で溶解している(1)に記載のセルロース
エステル溶液。 (8)さらに可塑剤が、セルロースの混合脂肪酸エステ
ルの量に対して0.1乃至40重量%の割合で溶解して
いる(1)に記載のセルロースエステル溶液。
エステルフイルムの製造方法も提供する。 (9)セルロースの水酸基をアセチル基および炭素原子
数が3以上のアシル基で置換して得られたセルロースの
混合脂肪酸エステルが溶媒中に溶解しているセルロース
エステル溶液を支持体上に流延する工程、および溶媒を
蒸発させてフイルムを形成する工程からなるセルロース
エステルフイルムの製造方法であって、セルロースの混
合脂肪酸エステルにおけるアセチル基の置換度(DSa
ce)と炭素原子数が3以上のアシル基の置換度(DS
acy)とが、下記式(I)〜(III)を満足することを
特徴とするセルロースエステルフイルムの製造方法。 (I) 2.0<DSace≦2.7 (II) 0.3<DSacy≦0.8 (III) 2.6<DSace+DSacy≦3.0
セルロースの混合脂肪酸エステルにおけるアセチル基の
置換度と他のアシル基の置換度を上記式(I)〜(III)
の範囲内とすることにより、優れた物性を有するセルロ
ースエステルフイルムをソルベントキャスト法で製造で
きることが判明した。さらに、上記のセルロースの混合
脂肪酸エステルは、様々な種類の有機溶媒に溶解する。
従って、本発明のセルロースエステル溶液は、様々な種
類の有機溶媒を用いて調製できるという効果を有する。
本発明者の研究によると、市販されているセルロースの
混合脂肪酸エステル(前述したイーストマン・ケミカル
社のカタログに記載)は、他のアシル基の置換度が高い
(0.8<DSacy)。その結果として、これらの市
販品からセルロースエステルフイルムを製造しても、物
性が著しく劣ったフイルムしか得られなかったのであ
る。本発明では、他のアシル基の置換度を0.8以下と
することにより、セルローストリアセテートフイルムと
同程度またはそれ以上の物性を有するセルロースエステ
ルフイルムを製造することができる。
ースの混合脂肪酸エステルにおけるアセチル基の置換度
(DSace)と炭素原子数が3以上のアシル基の置換
度(DSacy)とが、下記式(I)〜(III)を満足す
ることを特徴とする。 (I) 2.0<DSace≦2.7 (II) 0.3<DSacy≦0.8 (III) 2.6<DSace+DSacy≦3.0 上記式(I)は、下記式(Ia)の範囲であることがさ
らに好ましい。 (Ia)2.0<DSace≦2.4 上記式(II)は、下記式(IIa)の範囲であることがさ
らに好ましい。 (IIa)0.3<DSacy<0.7 アセチル基の置換度(DSace)と炭素原子数が3以
上のアシル基の置換度(DSacy)とは、下記式(I
V)を満足することがさらに好ましい。 (IV) 5×DSace+3×DSacy≦13.3
4グリコシド結合しているグルコース)に存在している
三つの水酸基がエステル結合している割合を意味する。
置換度は、セルロースの構成単位重量当りの結合脂肪酸
量を測定して算出することができる。測定方法は、AS
TM−D817−91に準じて実施する。置換度の規定
について、図1を参照しながら説明する。図1は、横軸
をアセチル基の置換度(DSace)、縦軸を炭素原子
数が3以上のアシル基の置換度(DSacy)とするグ
ラフである。縦線でハッチングした領域は、式(I)〜
(III)を満足する値の範囲に相当する。横線でハッチン
グした領域は、式(I)〜(IV)を満足する値の範囲に
相当する。なお、図1における1〜6、15および16
は、それぞれ実施例1〜6、15および16で使用した
セルロースの混合脂肪酸エステルを意味する。本発明が
規定する範囲よりも、アセチル基の置換度が低いか、他
のアシル基の置換度が高い値(図1でハッチングした領
域よりも左側または上側の値)では、セルロースエステ
ルの分子鎖の相互作用が弱くなり、製造するフイルムの
機械的強度(弾性率、耐折強度)が低下する。また、本
発明が規定する範囲よりも、アセチル基の置換度が高い
か、他のアシル基の置換度が低い値(図1でハッチング
した領域よりも右側または下側の値)では、種々の有機
溶媒中でのセルロースエステルの溶解度が低下する。さ
らに、本発明が規定する範囲よりも、全アシル基の置換
度(DSace+DSacy)が低い値(図1でハッチ
ングした領域よりも左下側の値)では、製造したフイル
ムの寸度安定性や耐湿熱性が低下する。
置換度(DSace)と炭素原子数が3以上のアシル基
の置換度(DSacy)を、有機溶媒中でのセルロース
エステルの溶解度と製造するフイルムの物性を考慮して
決定した。アセチル基以外のアシル基の炭素原子数は3
乃至6であることが好ましい。他のアシル基は、プロピ
オニル基またはブチリル基であることがさらに好まし
く、プロピオニル基が最も好ましい。セルロースの混合
脂肪酸エステルは、350乃至800の重量平均重合度
を有することが好ましく、370乃至600の重量平均
重合度を有することがさらに好ましい。セルロースの混
合脂肪酸エステルは、70000乃至230000の数
平均分子量を有することが好ましく、75000乃至2
30000の数平均分子量を有することがさらに好まし
く、78000乃至120000の数平均分子量を有す
ることが最も好ましい。
ル化剤として酸無水物や酸塩化物を用いて合成できる。
アシル化剤が酸無水物である場合は、反応溶媒として有
機酸(例、酢酸)や塩化メチレンが使用される。触媒と
しては、硫酸のようなプロトン性触媒が用いられる。ア
シル化剤が酸塩化物である場合は、触媒として塩基性化
合物が用いられる。工業的に最も一般的な合成方法で
は、セルロースをアセチル基および他のアシル基に対応
する有機酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸)またはそれら
の酸無水物(無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸)
を含む混合有機酸成分でエステル化してセルロースエス
テルを合成する。この方法において、綿花リンターや木
材パルプのようなセルロースは、酢酸のような有機酸で
活性化処理した後、硫酸触媒の存在下で、上記のような
有機酸成分の混合液を用いてエステル化する場合が多
い。有機酸無水物成分は、一般にセルロース中に存在す
る水酸基の量に対して過剰量で使用する。このエステル
化処理では、エステル化反応に加えてセルロース主鎖
(β1→4グリコシド結合)の加水分解反応(解重合反
応)が進行する。主鎖の加水分解反応が進むとセルロー
スエステルの重合度が低下し、製造するセルロースエス
テルフイルムの物性が低下する。そのため、反応温度の
ような反応条件は、得られるセルロースエステルの重合
度や分子量を考慮して決定する必要がある。
スエステルを得るためには、エステル化反応工程におけ
る最高温度を50℃以下に調節することが重要である。
最高温度は、好ましくは35乃至50℃、さらに好まし
くは37乃至47℃に調節する。反応温度が35℃未満
では、エステル化反応が円滑に進行しない場合がある。
反応温度が50℃を越えると、セルロースエステルの重
合度が低下しやすい。エステル化反応の後、温度上昇を
抑制しながら反応を停止すると、さらに重合度の低下を
抑制でき、高い重合度のセルロースエステルを合成でき
る。すなわち、反応終了後に反応停止剤(例、水、酢
酸)を添加すると、エステル化反応に関与しなかった過
剰の酸無水物は、加水分解して対応する有機酸を副成す
る。この加水分解反応は激しい発熱を伴い、反応装置内
の温度が上昇する。反応停止剤の添加速度が大きいと、
反応装置の冷却能力を超えて急激に発熱する。そのた
め、セルロース主鎖の加水分解反応が著しく進行し、得
られるセルロースエステルの重合度が低下する。また、
エステル化の反応中に触媒の一部はセルロースと結合し
ており、その大部分は反応停止剤の添加中にセルロース
から解離する。しかし、反応停止剤の添加速度が大きい
と、触媒が解離するために充分な反応時間がなく、触媒
の一部がセルロースに結合した状態で残る。強酸の触媒
が一部結合しているセルロースエステルは安定性が非常
に悪く、製品の乾燥時の熱などで容易に分解して重合度
が低下する。これらの理由により、エステル化反応の
後、好ましくは4分以上、さらに好ましくは4乃至30
分の時間をかけて反応停止剤を添加して、反応を停止す
ることが望ましい。なお、反応停止剤の添加時間が30
分を越えると、工業的な生産性が低下する。反応停止剤
としては、一般に酸無水物を分解する水やアルコールが
用いられている。ただし、本発明では、各種有機溶媒へ
の溶解性が低いトリエステルを析出させないために、水
と有機酸との混合物が、反応停止剤として好ましく用い
られる。以上のような条件でエステル化反応を実施する
と、重量平均重合度が500以上である高分子量セルロ
ースエステルを容易に合成することができる。
混合脂肪酸エステルは、溶媒中に溶解してセルロースエ
ステル溶液を調製する。溶媒としては、有機溶媒が好ま
しく用いられるれる。前述したように、本発明のセルロ
ースエステル溶液は、様々な種類の有機溶媒を用いて調
製できるという効果を有する。すなわち、メチレンクロ
リドのようなハロゲン原子を含む有機溶媒を使用しなく
ても溶液の調製が可能である。全溶媒中のハロゲン原子
を含む有機溶媒の割合は、5重量%未満であることが好
ましく、2重量%未満であることがさらに好ましい。ケ
トン類、エステル類およびエーテル類から選ばれるハロ
ゲン原子を含まない有機溶媒が好ましく用いられる。ケ
トン類およびエステル類がさらに好ましい。ケトン類、
エステル類およびエーテル類は環状構造を有していても
よい。有機溶媒の沸点は、140℃未満であることが好
ましく、100℃未満であることがさらに好ましく、6
0℃未満であることが最も好ましい。有機溶媒の例とし
ては、アセトン(沸点:56℃)、N−メチルピロリド
ン(沸点:202℃)、テトラヒドロフラン(沸点:6
5.4℃)、1,4−ジオキサン(沸点:101℃)、
メチルアセテート(沸点:57℃)、エチルホルメート
(沸点:54℃)、2−メトキシエタノール(沸点:1
24℃)を挙げることができる。アセトンおよびメチル
アセテートが特に好ましい。二種類以上の有機溶媒を併
用してもよい。有機溶媒を併用する場合、上記のような
良溶媒と貧溶媒を併用してもよい。貧溶媒の例として
は、炭素原子数が1乃至4の低級アルコール(例、メタ
ノール、n−ブタノール)およびシクロヘキサンを挙げ
ることができる。良溶媒と貧溶媒を併用する場合、良溶
媒の割合は60重量%以上であることが好ましい。
ベントキャスト法におけるドープの調製方法および装置
を用いて調製することができる。比較的低濃度の溶液は
常温で攪拌することにより得ることができる。高濃度の
溶液の場合は、加圧および加熱条件下で攪拌して調製す
ることが好ましい。具体的には、セルロースの混合脂肪
酸エステルと溶媒を加圧容器に入れて密閉し、加圧下で
溶媒の常温における沸点以上、かつ溶媒が沸騰しない範
囲の温度に加熱しながら攪拌する。加熱温度は、通常は
60℃以上であり、好ましくは80乃至110℃であ
る。各成分は予め粗混合してから容器に入れてもよい。
また、順次容器に投入してもよい。容器は攪拌できるよ
うに構成されている必要がある。窒素ガス等の不活性気
体を注入して容器を加圧することができる。また、加熱
による溶媒の蒸気圧の上昇を利用してもよい。あるい
は、容器を密閉後、各成分を圧力下で添加してもよい。
とが好ましい。例えば、ジャケットタイプの加熱装置を
用いることができる。また、容器の外部にプレートヒー
ターを設け、配管して液体を循環させることにより容器
全体を加熱することもできる。容器内部に攪拌翼を設け
て、これを用いて攪拌することが好ましい。攪拌翼は、
容器の壁付近に達する長さのものが好ましい。攪拌翼の
末端には、容器の壁の液膜を更新するため、掻取翼を設
けることが好ましい。容器には、圧力計、温度計等の計
器類を設置してもよい。容器内で各成分を溶剤中に溶解
する。調製したドープは冷却後容器から取り出すか、あ
るいは、取り出した後、熱交換器等を用いて冷却する。
調製する溶液中のセルロースの混合脂肪酸エステルの濃
度は、溶液の用途に応じて決定する。溶液中の濃度は、
一般に5乃至50重量%であり、好ましくは10乃至4
0重量%である。セルロースエステル溶液をフイルムの
製造に使用する場合、溶液の粘度は10000乃至10
00000cPの範囲であることが好ましい。
応じて、添加剤(例、可塑剤、劣化防止剤、紫外線防止
剤)を添加してもよい。セルロースエステルフイルムに
は、機械的物性を改良するため、または乾燥速度を向上
するために、可塑剤を添加することが普通である。可塑
剤としては、リン酸エステルまたはカルボン酸エステル
が用いられる。リン酸エステルの例には、トリフェニル
フォスフェート(TPP)およびトリクレジルホスフェ
ート(TCP)が含まれる。カルボン酸エステルとして
は、フタル酸エステルおよびクエン酸エステルが代表的
である。フタル酸エステルの例には、ジメチルフタレー
ト(DMP)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチ
ルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート、(D
OP)およびジエチルヘキシルフタレート(DEHP)
が含まれる。クエン酸エステルの例には、クエン酸アセ
チルトリエチル(OACTE)およびクエン酸アセチル
トリブチル(OACTB)が含まれる。その他のカルボ
ン酸エステルの例には、オレイン酸ブチル、リシノール
酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチル、種々のトリメ
リット酸エステルが含まれる。二種類以上の可塑剤を併
用してもよい。製造するフイルムの耐湿熱性を向上させ
るために、フタル酸エステル系可塑剤(上記DMP、D
EP、DBP、DOP、DEHP)を用いることが好ま
しい。DEPが特に好ましく用いられる。
テルに対して0.1乃至40重量%の範囲である。本発
明のセルロースの混合脂肪酸エステルでは、3乃至12
重量%の範囲であることが好ましい。本発明のセルロー
スの混合脂肪酸エステルは、従来のセルロースアセテー
トと比較して、可塑剤の添加量が少なくても、可塑剤が
充分に作用するとの利点がある。このため、可塑剤の量
が12重量%以下でも、可塑剤の効果が得られる。セル
ロースエステル溶液(ドープ)あるいはセルロースエス
テルフイルムに添加できる劣化防止剤の例には、過酸化
物分解剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤および酸捕
獲剤が含まれる。劣化防止剤については、特開平5−1
97073号公報に記載がある。また、紫外線防止剤に
ついては、特開平7−11056号公報に記載がある。
ルロースエステルフイルムは、セルロースエステル溶液
を用いてソルベントキャスト法により製造する。ソルベ
ントキャスト法については、米国特許2336310
号、同2367603号、同2492077号、同24
92078号、同2607704号、同2739069
号、同2739070号、英国特許640731号、同
736892号の各明細書、特公昭45−4554号、
同49−5614号、特開昭60−176834号、同
60−203430号および同62−115035号の
各公報に記載がある。一般的なソルベントキャスト法で
は、調製したセルロースエステル溶液(ドープ)を鏡面
状態に仕上げた支持体(例、ドラム、バンド)上に流延
し、乾燥してからフイルムを剥ぎ取る。特に好ましいソ
ルベントキャスト法では、ドープを表面温度が10℃以
下の支持体に流延して2秒以上風に当てた後、フイルム
を剥ぎ取り、さらに100℃から160℃まで逐次温度
を変えた高温風で乾燥して残留溶媒を蒸発させる。この
方法については、特公平5−17844号公報に記載が
ある。この方法によると、流延から剥ぎ取りまでの時間
を短縮することができる。その結果、流延設備を小型化
したり、製膜速度を上げて生産性を向上させることがで
きる。そのためには、流延時の支持体表面温度において
ドープがゲル化する必要がある。本発明のセルロースエ
ステル溶液は、そのような条件を満足する。
温度25℃かつ相対湿度60%における平衡含水率が
0.1乃至3%であることが好ましく、0.1乃至1.
5%であることがさらに好ましい。フイルムの厚さは、
5乃至500μmであることが好ましく、20乃至20
0μmであることがさらに好ましく、60乃至120μ
mであることが最も好ましい。
液およびフイルムの化学的性質および物理的性質は、以
下のように測定および計算した。
ン70mlとジメチルスルホキシド30mlを加え溶解
した後、さらにアセトン50mlを加えた。攪拌しなが
ら1N−水酸化ナトリウム水溶液30mlを加え、2時
間ケン化した。熱水100mlを加え、フラスコ側面を
洗浄した後、フェノールフタレインを指示約として1N
−硫酸で滴定した。別に試料と同じ方法で空試験を行な
った。滴定が終了した溶液の上澄み液を100倍に希釈
し、イオンクロマトグラフを用いて、常法により有機酸
の組成を測定した。測定結果とイオンクロマトグラフに
よる酸組成分析結果から、下記式により置換度を計算し
た。 TA=(B−A)×F/(1000×W) DSace=(162.14×TA)/{1−42.1
4×TA+(1−56.06×TA)×(AL/A
C)} DSacy=Sace×(AL/AC) A: 試料滴定量(ml) B: 空試験滴定量(ml) F: 1N−硫酸の力価 W: 試料重量(g) TA:全有機酸量(mol/g) AL/AC:イオンクロマトグラフで測定した酢酸(A
C)と他の有機酸(AL)とのモル比 DSace:アセチル基の置換度 DSacy:他のアシル基の置換度
を接続した高速液体クロマトグラフィーシステム(GP
C−LALLS)を用いて、数平均分子量を測定した。
測定条件は以下の通りである。 溶媒: アセトン カラム: MPW×1(東ソー(株)製) 試料濃度: 0.2W/v% 流量: 1.0ml/min 試料注入量:300μl 標準試料: ポリメタクリル酸メチル(Mw=188,
200) 温度: 23℃
度 上記(2)と同じ測定条件で、重量平均分子量を測定し
た。測定結果により得られた重量平均分子量と平均置換
度から、重量平均重合度を以下の式により求めた。 重量平均重合度=Mw/(162+42×DSace+
(Mal−18)×DSacy Mw :重量平均分子量 DSace:アセチル基の置換度 DSacy:他のアシル基の置換度 Mal :他のアシル置換基に対応する有機酸の分子
量
ースエステル試料を投入し、常温(23℃)で3時間攪
拌した。得られた溶液またはスラリーの状態を、常温で
静置したまま保存し、その状態を観察して、以下のA、
BおよびCの三段階で評価した。 A:10日間経時しても、透明性と均一性を保持し、良
好な溶解性と溶液安定性を示す。 B:攪拌終了時には透明性と均一性を保持して良好な溶
解性を示すが、一日経時すると相分離を生じ、不均一な
状態となる。 C;攪拌終了直後から不均一なスラリーを形成し、透明
性と均一性のある溶液状態を示さない。
4時間放置した後、平衡に達した試料の水分量をカール
フィッシャー法で測定した。得られた水分量(g)を試
料重量(g)で除して、平衡水分率を算出した。測定装
置としては、三菱化学(株)製の水分測定装置CA−0
3、同試料乾燥装置VA−05を用いた。カールフィッ
シャー試薬としては、同社製のAKS、CKSを用い
た。
用いて測定した。
e)値 エリプソメーター(偏光解析計AEP−100:島津製
作所(株)製)を用いて、波長632.8nmにおける
フイルム面に垂直方向から測定した正面レターデーショ
ン値を求めた。
率 長さ100mm、巾10mmの試料を、ISO1184
−1983の規格に従い、初期試料長50mm、引張速
度20mm/minにて測定し、破断伸度または引張弾
性率を求めた。
3/2−1983の規格に従い、引裂に要した引裂荷重
を求めた。
988の規格に従い、折り曲げよって切断するまでの往
復回数を求めた。
温度90℃、相対湿度100%条件下で調湿した後、密
閉した。これを90℃で経時して200時間後に取り出
した。フイルムの状態を目視で確認し、以下の判定をし
た。 A:特に異常が認められない B:分解臭または分解による形状の変化が認められる
07gとプロピオン酸203gを加え、54℃で30分
間混合した。混合物を冷却した後、約−20℃に冷却し
た無水酢酸318g、無水プロピオン酸739g、硫酸
10.6gおよびプロピオン酸6.3gを加えてエステ
ル化を行なった。エステル化における最高温度は40℃
に調節した。エステル化反応を150分間行なった後、
反応停止剤として酢酸295gと水98.5gの混合溶
液を20分間かけて添加して過剰の無水物を加水分解し
た。反応液の温度を60℃に保ち、酢酸886gと水2
95gを加えた。1時間後、酢酸マグネシウム17.0
gを含む水溶液を加えて系内の硫酸を中和した。得られ
たセルロースアセテートプロピオネートは、アセチル置
換度が2.18、プロピオニル置換度が0.73、重量
平均重合度が540、数平均分子量が77900であっ
た。セルロースアセテートプロピオネートを常温で、ア
セトン、メチルアセテート、2−メトキシエタノールお
よびメチレンクロリドに、それぞれ溶解して溶液を作成
した。セルロースアセテートプロピオネートは、いずれ
の有機溶媒にも20重量%以上溶解した。
1gとプロピオン酸993gを加え、54℃で30分間
混合した。混合物を冷却した後、約−20℃に冷却した
無水酢酸919g、無水プロピオン酸739g、硫酸1
0.6gおよびプロピオン酸6.3gを加えてエステル
化を行なった。エステル化における最高温度は40℃に
調節した。エステル化反応を130分間行なった後、反
応停止剤として酢酸295gと水98.5gの混合溶液
を20分間かけて添加して過剰の無水物を加水分解し
た。反応液の温度を60℃に保ち、酢酸886gと水2
95gを加えた。1時間後、酢酸マグネシウム17.0
gを含む水溶液を加えて系内の硫酸を中和した。得られ
たセルロースアセテートプロピオネートは、アセチル置
換度が2.17、プロピオニル置換度が0.72、重量
平均重合度が613、数平均分子量が85200であっ
た。セルロースアセテートプロピオネートを常温で、ア
セトン、メチルアセテート、2−メトキシエタノールお
よびメチレンクロリドに、それぞれ溶解して溶液を作成
した。セルロースアセテートプロピオネートは、いずれ
の有機溶媒にも20重量%以上溶解した。
81gとプロピオン酸203gを加え、54℃で30分
間混合した。混合物を冷却した後、約−20℃に冷却し
た無水酢酸431g、無水プロピオン酸622g、硫酸
10.6gおよびプロピオン酸6.3gを加えてエステ
ル化を行なった。エステル化における最高温度は40℃
に調節した。エステル化反応を130分間行なった後、
反応停止剤として酢酸295gと水98.5gの混合溶
液を20分間かけて添加して過剰の無水物を加水分解し
た。反応液の温度を80℃に保ち、酢酸886gと水2
95gを加えた。30分後、酢酸マグネシウム17.0
gを含む水溶液を加えて系内の硫酸を中和した。得られ
たセルロースアセテートプロピオネートは、アセチル置
換度が2.23、プロピオニル置換度が0.60、重量
平均重合度が632、数平均分子量が107000であ
った。セルロースアセテートプロピオネートを常温で、
アセトン、メチルアセテート、2−メトキシエタノール
およびメチレンクロリドに、それぞれ溶解して溶液を作
成した。セルロースアセテートプロピオネートは、いず
れの有機溶媒にも20重量%以上溶解した。
81gとプロピオン酸203gを加え、54℃で30分
間混合した。混合物を冷却した後、約−20℃に冷却し
た無水酢酸520g、無水プロピオン酸508g、硫酸
10.6gおよびプロピオン酸6.3gを加えてエステ
ル化を行なった。エステル化における最高温度は40℃
に調節した。エステル化反応を140分間行なった後、
反応停止剤として酢酸295gと水98.5gの混合溶
液を20分間かけて添加して過剰の無水物を加水分解し
た。反応液の温度を80℃に保ち、酢酸886gと水2
95gを加えた。40分後、酢酸マグネシウム17.0
gを含む水溶液を加えて系内の硫酸を中和した。得られ
たセルロースアセテートプロピオネートは、アセチル置
換度が2.30、プロピオニル置換度が0.48、重量
平均重合度が584、数平均分子量が78000であっ
た。セルロースアセテートプロピオネートを常温で、ア
セトン、メチルアセテート、2−メトキシエタノールお
よびメチレンクロリドに、それぞれ溶解して溶液を作成
した。セルロースアセテートプロピオネートは、いずれ
の有機溶媒にも20重量%以上溶解した。
87gとプロピオン酸197gを加え、54℃で30分
間混合した。混合物を冷却した後、約−20℃に冷却し
た無水酢酸334g、無水プロピオン酸739g、硫酸
10.6gおよびプロピオン酸6.3gを加えてエステ
ル化を行なった。エステル化における最高温度は54℃
であった。エステル化反応を80分間行なった後、反応
停止剤として酢酸295gと水98.5gの混合溶液を
2分以内で添加して過剰の無水物を加水分解した。反応
液の温度を60℃に保ち、酢酸886gと水295gを
加えた。1時間後、酢酸マグネシウム17.0gを含む
水溶液を加えて系内の硫酸を中和した。得られたセルロ
ースアセテートプロピオネートは、アセチル置換度が
2.20、プロピオニル置換度が0.70、重量平均重
合度が323、数平均分子量が61400であった。セ
ルロースアセテートプロピオネートを常温で、アセト
ン、メチルアセテート、2−メトキシエタノールおよび
メチレンクロリドに、それぞれ溶解して溶液を作成し
た。セルロースアセテートプロピオネートは、いずれの
有機溶媒にも20重量%以上溶解した。
81gと酪酸203gを加え、54℃で30分間混合し
た。混合物を冷却した後、約−20℃に冷却した無水酢
酸307g、無水酪酸949g、硫酸10.6gおよび
酪酸6.3gを加えてエステル化を行なった。エステル
化における最高温度は40℃に調節した。エステル化反
応を160分間行なった後、反応停止剤として酢酸29
5gと水98.5gの混合溶液を20分間かけて添加し
て過剰の無水物を加水分解した。反応液の温度を60℃
に保ち、酢酸886gと水295gを加えた。1時間
後、酢酸マグネシウム17.0gを含む水溶液を加えて
系内の硫酸を中和した。得られたセルロースアセテート
ブチレートは、アセチル置換度が2.31、ブチルル置
換度が0.62、重量平均重合度が520、数平均分子
量が75000であった。セルロースアセテートブチレ
ートを常温で、アセトン、メチルアセテート、2−メト
キシエタノールおよびメチレンクロリドに、それぞれ溶
解して溶液を作成した。セルロースアセテートブチレー
トは、いずれの有機溶媒にも20重量%以上溶解した。
5gを加えて混合した後、無水酢酸260g、酢酸41
5gおよび硫酸11.7gを加えてエステル化を行なっ
た。反応が進行して反応混合物が均一なドープとなった
後、酢酸マグネシウム12gを含む水溶液を添加してエ
ステル化反応を停止した。その後、反応液の温度を63
℃に保ち、脱硫酸を行なった。そして、酢酸マグネシウ
ム5gを含む溶液を添加して触媒硫酸を中和した。得ら
れたセルロースアセテートは、アセチル置換度が2.8
1(酢化度:60.2%)、重量平均重合度が680、
数平均分子量が70000であった。セルロースアセテ
ートは、常温でメチレンクロリドに溶解して溶液を作成
することができた。しかし、アセトン、メチルアセテー
トおよび2−メトキシエタノールには、ほとんど溶解し
なかった。
セチル置換度が2.89、重量平均重合度が630、数
平均分子量が65000であるセルロースアセテートを
合成した。セルロースアセテートは、常温でメチレンク
ロリドに溶解して溶液を作成することができた。しか
し、アセトン、メチルアセテートおよび2−メトキシエ
タノールには、ほとんど溶解しなかった。
セチル置換度が2.57、重量平均重合度が790、数
平均分子量が85000であるセルロースアセテートを
合成した。セルロースアセテートを常温で、アセトン、
メチルアセテート、2−メトキシエタノールおよびメチ
レンクロリドに、それぞれ溶解して溶液を作成した。セ
ルロースアセテートは、いずれの有機溶媒にも20重量
%以上溶解した。
で、アセチル置換度が2.70、プロピオニル置換度が
0.20,重量平均重合度が512、数平均分子量が7
6500であるセルロースアセテートプロピオネートを
合成した。セルロースアセテートプロピオネートを常温
で、アセトン、メチルアセテート、2−メトキシエタノ
ールおよびメチレンクロリドに、それぞれ溶解して溶液
を作成した。しかし、アセトン溶液、メチルアセテート
溶液および2−メトキシエタノール溶液は、一日放置す
ると相分離して不均一な状態となり、溶解性は不充分で
あった。
す。
セテートプロピオネート100重量部に対して、ジエチ
ルフタレート(可塑剤)5重量部を加えて混合後、セル
ロースアセテートプロピオネートの濃度が19重量%に
なるようにアセトンに溶解してドープを調製した。この
ドープを支持体上に流延して厚さが100μmのセルロ
ースエステルフイルムを得た。これを温度25℃で相対
湿度60%の条件下で24時間放置した後、引張弾性
率、破断伸度および平衡含水率を測定した。結果は第2
表に示す。
セテートプロピオネート100重量部に対して、ジエチ
ルフタレート(可塑剤)10重量部を加えて混合後、セ
ルロースアセテートプロピオネートの濃度が18重量%
になるようにアセトンに溶解してドープを調製した。こ
のドープを支持体上に流延して厚さが100μmのセル
ロースエステルフイルムを得た。これを温度25℃で相
対湿度60%の条件下で24時間放置した後、引張弾性
率、破断伸度および平衡含水率を測定した。結果は第2
表に示す。
セテート100重量部に対して、ジエチルフタレート
(可塑剤)5重量部を加えて混合後、セルロースアセテ
ートの濃度が19重量%になるようにメチレンクロリド
に溶解してドープを調製した。このドープを支持体上に
流延して厚さが100μmのセルロースエステルフイル
ムを得た。これを温度25℃で相対湿度60%の条件下
で24時間放置した後、引張弾性率、破断伸度および平
衡含水率を測定した。結果は第2表に示す。
セテート100重量部に対して、ジエチルフタレート
(可塑剤)15重量部を加えて混合後、セルロースアセ
テートの濃度が17重量%になるようにメチレンクロリ
ドに溶解してドープを調製した。このドープを支持体上
に流延して厚さが100μmのセルロースエステルフイ
ルムを得た。これを温度25℃で相対湿度60%の条件
下で24時間放置した後、引張弾性率、破断伸度および
平衡含水率を測定した。結果は第2表に示す。
セテートプロピオネート100重量部に対して、ジエチ
ルフタレート(可塑剤)15重量部を加えて混合後、セ
ルロースアセテートプロピオネートの濃度が13重量%
になるようにメチルアセテートに溶解してドープを調製
した。このドープを支持体上に流延して厚さが100μ
mのセルロースエステルフイルムを得た。これを温度2
5℃で相対湿度60%の条件下で24時間放置した後、
平衡含水率、ヘイズ、レターデーション(Re)値、引
張弾性率、引裂強度および耐折強度を測定した。結果は
第3表に示す。
ロースアセテートプロピオネート100重量部に代え
て、実施例2〜6で得たセルロースエステル100重量
部をそれぞれ用いた以外は実施例9と同様にして、厚さ
が100μmのセルロースエステルフイルムを得た。こ
れを温度25℃で相対湿度60%の条件下で24時間放
置した後、平衡含水率、ヘイズ、レターデーション(R
e)値、引張弾性率、引裂強度および耐折強度を測定し
た。結果は第3表に示す。
スアセテートプロピオネート100重量部に代えて、比
較例1〜3で得たセルロースアセテート100重量部を
それぞれ用いた以外は実施例9と同様にして、厚さが1
00μmのセルロースエステルフイルムを得た。これを
温度25℃で相対湿度60%の条件下で24時間放置し
た後、平衡含水率、ヘイズ、レターデーション(Re)
値、引張弾性率、引裂強度および耐折強度を測定した。
結果は第3表に示す。また、実施例9〜14および比較
例7〜9において、溶媒を従来のメチレンクロリドに代
えて、同様に物性値を測定した。その結果は、第3表に
示したアセトン溶液の結果とそれぞれ同等であった。
アセチル置換度が2.28(酢化度:47.5%)、プ
ロピオニル置換度が0.55(結合プロピオン酸量:1
4%)、(粘度平均)重合度が300、数平均分子量が
85000であるセルロースアセテートプロピオネート
を合成した。得られたセルロースアセテートプロピオネ
ート100重量部にジエチルフタレート(可塑剤)15
重量部を加え、アセトン350重量部に溶解してドープ
を調製した。得られたドープを有効長6mのバンド流延
機を用いて、乾燥膜厚が100μmになるように流延し
た。バンドの温度は5℃として、乾燥のため2秒以上風
に当てた後、フイルムを剥ぎ取り、さらに100℃で3
分、130℃で5分、160℃で5分、フイルムの端部
を固定して段階的に乾燥し、残りのアセトンを蒸発させ
てフイルムを得た。得られたフイルムを温度25℃で相
対湿度60%の条件下で24時間放置した後、平衡含水
率、ヘイズ、引張弾性率、引裂強度、耐折強度および耐
湿熱性を測定した。結果は第4表に示す。
アセチル置換度が2.41(酢化度:47.5%)、ブ
チリル置換度が0.55(結合酪酸量:17%)、(粘
度平均)重合度が300、数平均分子量が85000で
あるセルロースアセテートブチレートを合成した。得ら
れたセルロースアセテートブチレート100重量部にジ
エチルフタレート(可塑剤)15重量部を加え、アセト
ン350重量部に溶解してドープを調製した。得られた
ドープを有効長6mのバンド流延機を用いて、乾燥膜厚
が100μmになるように流延した。バンドの温度は5
℃として、乾燥のため2秒以上風に当てた後、フイルム
を剥ぎ取り、さらに100℃で3分、130℃で5分、
160℃で5分、フイルムの端部を固定して段階的に乾
燥し、残りのアセトンを蒸発させてフイルムを得た。得
られたフイルムを温度25℃で相対湿度60%の条件下
で24時間放置した後、平衡含水率、ヘイズ、引張弾性
率、引裂強度、耐折強度および耐湿熱性を測定した。結
果は第4表に示す。
において用いたアセトン350重量部に代えて、アセト
ン245重量部とメタノール105重量部からなる混合
溶媒を用いた以外は実施例15と同様にしてセルロース
エステルフイルムを製造した。このように溶媒の組成を
変更しても、得られたフイルムの試験結果は、第4表に
示す実施例15の結果と同様であった。この溶媒組成
は、フイルムを支持体から剥ぎ取りやすいとの利点があ
った。
において用いたアセトン350重量部に代えて、アセト
ン245重量部とメタノール105重量部からなる混合
溶媒を用いた以外は実施例16と同様にしてセルロース
エステルフイルムを製造した。このように溶媒の組成を
変更しても、得られたフイルムの試験結果は、第4表に
示す実施例16の結果と同様であった。この溶媒組成
は、フイルムを支持体から剥ぎ取りやすいとの利点があ
った。
において用いたアセトン350重量部に代えて、酢酸メ
チル245重量部とメタノール105重量部からなる混
合溶媒を用いた以外は実施例15と同様にしてセルロー
スエステルフイルムを製造した。このように溶媒の組成
を変更しても、得られたフイルムの試験結果は、第4表
に示す実施例15の結果と同様であった。この溶媒組成
は、フイルムを支持体から剥ぎ取りやすいとの利点があ
った。
において用いたアセトン350重量部に代えて、酢酸メ
チル245重量部とメタノール105重量部からなる混
合溶媒を用いた以外は実施例16と同様にしてセルロー
スエステルフイルムを製造した。このように溶媒の組成
を変更しても、得られたフイルムの試験結果は、第4表
に示す実施例16の結果と同様であった。この溶媒組成
は、フイルムを支持体から剥ぎ取りやすいとの利点があ
った。
軸を炭素原子数が3以上のアシル基の置換度(DSac
y)とするグラフである。
テルの置換度 2 実施例2で使用したセルロースの混合脂肪酸エス
テルの置換度 3 実施例3で使用したセルロースの混合脂肪酸エス
テルの置換度 4 実施例4で使用したセルロースの混合脂肪酸エス
テルの置換度 5 実施例5で使用したセルロースの混合脂肪酸エス
テルの置換度 6 実施例6で使用したセルロースの混合脂肪酸エス
テルの置換度 15 実施例15で使用したセルロースの混合脂肪酸エ
ステルの置換度 16 実施例16で使用したセルロースの混合脂肪酸エ
ステルの置換度
Claims (9)
- 【請求項1】 セルロースの水酸基をアセチル基および
炭素原子数が3以上のアシル基で置換して得られたセル
ロースの混合脂肪酸エステルが溶媒中に溶解しているセ
ルロースエステル溶液であって、セルロースの混合脂肪
酸エステルにおけるアセチル基の置換度(DSace)
と炭素原子数が3以上のアシル基の置換度(DSac
y)とが、下記式(I)〜(III)を満足することを特徴
とするセルロースエステル溶液。 (I) 2.0<DSace≦2.7 (II) 0.3<DSacy≦0.8 (III) 2.6<DSace+DSacy≦3.0 - 【請求項2】 セルロースの混合脂肪酸エステルにおけ
るアセチル基の置換度(DSace)と炭素原子数が3
以上のアシル基の置換度(DSacy)とが、さらに下
記式(IV)を満足する請求項1に記載のセルロースエス
テル溶液。 (IV) 5×DSace+3×DSacy≦13.3 - 【請求項3】 炭素原子数が3以上のアシル基が、プロ
ピオニル基またはブチリル基である請求項1に記載のセ
ルロースエステル溶液。 - 【請求項4】 セルロースの混合脂肪酸エステルが、3
50乃至800の重量平均重合度を有する請求項1に記
載のセルロースエステル溶液。 - 【請求項5】 セルロースの混合脂肪酸エステルが、7
0000乃至230000の数平均分子量を有する請求
項1に記載のセルロースエステル溶液。 - 【請求項6】 溶媒が、ケトン類、エステル類およびエ
ーテル類から選ばれるハロゲン原子を含まない有機溶媒
である請求項1に記載のセルロースエステル溶液。 - 【請求項7】 セルロースの混合脂肪酸エステルが、5
乃至50重量%の濃度で溶解している請求項1に記載の
セルロースエステル溶液。 - 【請求項8】 さらに可塑剤が、セルロースの混合脂肪
酸エステルの量に対して0.1乃至40重量%の割合で
溶解している請求項1に記載のセルロースエステル溶
液。 - 【請求項9】 セルロースの水酸基をアセチル基および
炭素原子数が3以上のアシル基で置換して得られたセル
ロースの混合脂肪酸エステルが溶媒中に溶解しているセ
ルロースエステル溶液を支持体上に流延する工程、およ
び溶媒を蒸発させてフイルムを形成する工程からなるセ
ルロースエステルフイルムの製造方法であって、セルロ
ースの混合脂肪酸エステルにおけるアセチル基の置換度
(DSace)と炭素原子数が3以上のアシル基の置換
度(DSacy)とが、下記式(I)〜(III)を満足す
ることを特徴とするセルロースエステルフイルムの製造
方法。 (I) 2.0<DSace≦2.7 (II) 0.3<DSacy≦0.8 (III) 2.6<DSace+DSacy≦3.0
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