JPH0823181B2 - 横架材接合用金具、その金具に接合される横架材およびそれらの接合方法 - Google Patents

横架材接合用金具、その金具に接合される横架材およびそれらの接合方法

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JPH0823181B2
JPH0823181B2 JP3347476A JP34747691A JPH0823181B2 JP H0823181 B2 JPH0823181 B2 JP H0823181B2 JP 3347476 A JP3347476 A JP 3347476A JP 34747691 A JP34747691 A JP 34747691A JP H0823181 B2 JPH0823181 B2 JP H0823181B2
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陽幸 八木
陸郎 齋藤
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有限会社エヌ・テイ・エス
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、横架材接合用金具、そ
の金具に接合される横架材およびそれらの接合方法に係
り、特に、施工容易でかつ接合強度を向上させた横架材
接合用金具、その金具に接合される横架材およびそれら
の接合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】木造建築は、わが国では古来から行われ
てきた建築様式であり、超高層ビル等が林立する現代に
おいても、木材特有の美観あるいは機能を生かして盛ん
に建てられている。
【0003】木造建築構造は、RC構造のような一体構
造ではなく、柱や梁等の構造部材を接合して組み上げる
ものである。
【0004】したがって、木造建築では、木材自体の強
度も重要であるが、特に個々の構造部材を接合する接合
部の強度が重要となる。
【0005】このような接合部として、わが国では、い
わゆる和風仕口とよばれる伝統的な接合形式が存在す
る。
【0006】和風仕口は、ほぞ等による嵌合により構造
部材を接合する仕口である。
【0007】図24は、柱と梁を接合する接合関係を示
したものであり、図24(a) は、管柱1aおよび胴差し
2に床梁3を接合した接合部を、同図(b) は、通し柱1
bに床梁3を接合した接合部を示してある。
【0008】管柱1a、通し柱1bのどちらの場合に
も、大入れ等の欠き込みを柱に入れておき、その欠き込
みに床梁3の端を載せることによって床梁3のせん断力
を管柱1aあるいは通し柱1bに伝達するようになって
いる。
【0009】図24はさらに、床梁3が管柱1aあるい
は通し柱1bから外れるのを防止するため、管柱1aあ
るいは通し柱1bと床梁3とを羽子板ボルト4で緊結す
るようになっている。
【0010】すなわち、図24の接合部は、伝統的な和
風仕口と補強用金物としての羽子板ボルト4を併用した
接合部であり、現代の和風建築の接合部には、このよう
な補強用金物が多く用いられている。
【0011】また欧米では、日本のように嵌合によって
接合する形式ではなく、補強用金物だけで接合する形式
が多い。
【0012】図25(a) および(b) は、梁5および柱6
にT字状の補強用金物7をあてがい、この補強用金物7
をボルト8で締結した接合部を示したものである。
【0013】一方、最近では、集成材等で構成した大断
面の木造部材を用いて大スパンの木造建築が建てられる
ようになってきた。
【0014】また、建築基準法の改正により準防火地域
において3階建木造住宅を建設できるようになった。
【0015】このため、木造建築においても、より強度
が高い接合部が要求されるようになってきている。
【0016】このような高い接合強度は、補強用金物を
釘、ボルト等で柱および梁に締結することにより一定の
強度を得ることができるが、補強用金物を取り付ける
釘、ボルトには、以下の問題がある。
【0017】まず、釘で補強用金物を取り付ける際、大
きな接合強度を得ようとすると必然的に多くの釘を打ち
込む必要が生じるが、木材の割れを防止するために、釘
と釘の間に一定の距離を確保しなければならず、その結
果、相当の接合面積を必要とする。
【0018】したがって、接合強度にはおのずと限界が
ある。
【0019】また、ボルトで補強用金物を取り付ける場
合、ボルトを通すための貫通孔を柱あるいは梁に設け、
この貫通孔にボルトを通して補強用金物と柱あるいは梁
とを緊結するが、貫通孔はボルト径に対して一定の遊び
を有しているため、接合強度は期待できるが接合部の変
形が大きくなってしまう場合がある。
【0020】このような接合部の強度あるいは変形に関
する問題のみならず、補強用金物を取り付けるためのボ
ルトが突出することによって仕上げ材の施工が困難にな
るという問題や、構造部材の大断面化に伴って補強用金
物も大きくなるため、デザイン上の美観を損ねるといっ
た問題も生ずる。
【0021】実開平2−74403号公報は、接合強度
を高めた柱と横架材との締結金具を開示する。
【0022】図26は上述の締結金具11を用いて横架
材10を柱19に接合する手順を示したものである。
【0023】締結金具11を用いて柱9と横架材10と
を接合するには、まず締結金具11をボルト12および
ナット18で予め柱9に固定しておき、締結金具11の
上から横架材10を下げ降ろす。
【0024】ここで、横架材10には欠き込み14がし
てあり、この欠き込み14内に、締結金具11に設けた
突条13を嵌めながら横架材10を下げていく。
【0025】図27(a) は、横架材10を完全に下げた
状態を示したものである。
【0026】次いで、図27(b) に示すように、欠き込
み14の残りの部分にくさび15を打ち込むことによっ
て横架材10を柱9に寄せる。
【0027】最後に、図27(c) に示すように、上部固
定板16をボルト17で取り付けて接合を完了する。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図27
(c) をみればわかるように、上部固定板16およびボル
ト17があるため、横架材10の上端は平坦にならな
い。
【0029】このため、根太を省いて床梁10に直接床
板を施工するような場合には床板の施工が困難になって
しまう。
【0030】また、横架材10を柱9に沿って下げ降ろ
すと図26に示すナット18が邪魔になるため、図27
(a) に示すように、ナット18の高さ分だけいったん横
架材10を側方に逃がしてやり、横架材10を締結金具
11の底板に当接させた後、横架材10を柱9に寄せ、
ナット18は、横架材10に予め設けた図26に示す嵌
合部19に嵌まるようになっている。
【0031】このため、柱9を直立に固定した後で横架
材10を真っ直ぐ降ろすことはできない。したがって、
柱9を仮止めして側方に若干移動できるようにしてお
き、横架材10を完全に降ろし、くさび15を打ち込ん
で柱9に寄せてから柱9を完全に固定することになる。
【0032】したがって、締結金具11を用いて3階建
て住宅の通し柱に2、3階梁を接合するにあたっては、
施工が相当困難になる。
【0033】また、横架材10と締結金具11とを水平
方向で緊結していないため、横架材10および締結金具
11は一体とみなすことができず、したがって、上述の
欠き込み14は、大きな断面欠損となる。
【0034】このため、図27(a) に白抜き矢印で示す
方向の地震、風等の水平力を受けたときに、締結金具1
1を介して柱9に伝達できる水平方向せん断力の算定に
あたっては、横架材10の全断面ではなく、幅d1 に相
当する断面だけしか考慮できない。
【0035】したがって、横架材10の全断面が有効で
あるとして設計すると、幅d1 の部分にせん断応力が集
中し、欠き込み14の隅部で横架材10がせん断破壊を
生じるおそれがある。
【0036】また、締結金具11には、上述したよう
に、横架材10に突条13およびくさび15を嵌めるた
めの大きな矩形の欠き込み14を設けてあるが、このよ
うな角穴は、丸穴に比べ加工が比較的煩雑である。
【0037】本発明は、上述した事情を考慮してなされ
たもので、施工容易にもかかわらず接合強度が高くしか
も木造構造部材に露出する金具部分を少なくするととも
に仕上げ材の施工をも容易にした横架材接合用金具、そ
の金具に接合される横架材およびそれらの接合方法を提
供することを目的とする。
【0038】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の横架材接合用金具は請求項1に記載したよ
うに、横架材を受ける基準板と、この基準板の一側端か
ら直立し他の構造部材に取り付ける取付板と、前記基準
板および前記取付板を補強するように介装された補強板
とを一体に設け、前記横架材の取付け位置を位置合わせ
する位置合わせ部を前記基準板に設け、この位置合わせ
部は前記基準板にほぼ鉛直に固定したロケットピンで構
成したものである。
【0039】また、本発明の横架材は請求項6に記載し
たように、横架材を受ける基準板とこの基準板の一側端
から直立し他の構造部材に取り付ける取付板と前記基準
板および前記取付板を補強するように介装された補強板
とを一体に設けた横架材接合用金具を介して他の構造部
材に接合される横架材において、前記横架材接合用金具
の補強板に嵌合する嵌合部を横架材の端部に形成すると
ともに、上記横架材には横架材接合用金具の基準板にぼ
鉛直に固定されたロケットピンに密に嵌合する位置合わ
せ用嵌合部を形成し、上記嵌合部および位置合わせ用嵌
合部で横架材の取付位置を位置合わせする位置合わせ部
を構成したものである。
【0040】また、本発明の接合方法は請求項8に記載
したように、横架材を他の構造部材に接合する接合方法
において、横架材の端部側に横架材接合用金具の補強板
に嵌合可能な嵌合部とその金具の基準板にほぼ鉛直に固
定されたロケットピンに密に嵌合可能な位置合わせ用嵌
合部を形成する工程と、横架材接合用金具の取付板を他
の構造部材に取付ける取付け工程と、横架材に設けた嵌
合部および位置合わせ用嵌合部に横架材接合用金具の補
強板およびロケットピンを嵌合させながら前記横架材を
下げ降ろす嵌合工程と、前記横架材が前記基準板に当接
した後、横架材と補強板とを一体に連結する連結工程と
からなる方法である。
【0041】さらに、本発明の床構造体は請求項11に
記載したように、横架材を受ける基準板とこの基準板の
一側端から直立し他の構造部材に取り付ける取付板と前
記基準板および前記取付板を補強するように介装された
補強板とを一体に設けた横架材接合用金具を用いて横架
材を他の構造部材に取り付ける一方、この取付の瞭、基
準板にほぼ鉛直に固定されたロケットピンに横架材に形
成された位置合わせ用嵌合部を密に嵌合させて横架材の
取付位置を位置合わせし、他の構造部材に取り付けられ
た横架材に、床板を直接取り付けたものである。
【0042】
【作用】上述の横架材接合用金具、その金具に接合され
る横架材およびそれらの接合方法により、横架材を容易
に施工することができるとともに、接合強度を大きくす
ることができる。
【0043】しかも、木造構造部材に露出する部分が少
なくなり、特に梁の上面から突出する部分をなくしたの
で、例えば床板を容易に施工することができる。
【0044】
【実施例】以下、本発明の横架材接合用金具、その金具
に接合される横架材およびそれらの接合方法の実施例に
ついて、添付図面を参照して説明する。
【0045】なお、本実施例では説明の便宜上、横架材
を胴差しあるいは床梁等に限定して説明するが、本発明
の”横架材接合用金具、その金具に接合される横架材お
よびそれらの接合方法”の”横架材”の用語は、胴差
し、軒桁、床梁、小屋梁、根太その他鉛直荷重を受ける
すべての横架材をいい、”横架材接合用金具”とは、こ
れらの横架材を他の構造部材に接合するための金具をい
い、”他の構造部材”とは、通し柱、管柱、間柱等のす
べての柱を含むとともに、胴差し、軒桁、床梁、その他
の横架材をも含むものとする。
【0046】図1は、横架材接合用金具21を斜視図で
示したものである。
【0047】また、図2(a) は横架材接合用金具21を
側面図で、図2(b) は平面図で示したものである。
【0048】横架材接合用金具21は、図示しない横架
材を受ける基準板22と、この基準板22の一側端から
直立し図示しない他の構造部材に取り付ける取付板23
と、基準板22および取付板23を補強するように介装
された補強板24とを一体に設けてある。
【0049】基準板22、取付板23および補強板24
は、一体成形してもよいし、各板を溶接により組み立て
てもよい。
【0050】また、横架材接合用金具21は、さらに、
横架材の取付け位置を位置合わせする位置合わせ部25
を基準板22に設けてある。
【0051】位置合わせ部25は、接合補強を兼ねるよ
うに構成するのがよく、本実施例では、ロケットピン2
6を基準板22にほぼ鉛直に固定するとともに、さらに
補強板24に例えば溶接により固定して構成してある。
【0052】ロケットピン26は、接合強度の要求に応
じてその長さを調整するのがよい。
【0053】また、本実施例の横架材接合用金具21
は、横架材接合用金具21自身を柱の所定の位置に位置
合わせする第2の位置合わせ部27を設けてあるととも
に、取付板23には、横架材接合用金具21を柱に取り
付けるボルトを通す孔28を設けてある。
【0054】図3は上述の横架材接合用金具21に接合
される横架材31を示したものである。
【0055】また図4(a) は、横架材31を側面図で示
したものであり、同図(b) は、同図(a) のA−A線に沿
う水平断面図で示したものである。
【0056】図3、図4でわかるように、横架材31
は、補強板24と嵌合する嵌合部32aおよび位置合わ
せ部25と嵌合する嵌合部32bを形成してある。
【0057】嵌合部32bの内径は、ロケットピン26
の胴体部の直径とほぼ同じかあるいはわずかに小さくし
ておくのがよい。
【0058】嵌合部32a、32bは、工場でプレカッ
ト可能であるため、高精度で仕上げることができる。
【0059】また、基準板22を横架材31の下面から
突出させないようにするため、横架材31に第2の嵌合
部33を設けてもよい。
【0060】また、横架材31は、取付板23を柱に取
り付けるためのボルト等の取付け用部材の位置に対応す
る位置に嵌合溝34を設けるのがよい。
【0061】本実施例の横架材接合用金具21を用いて
本実施例の横架材31を他の構造部材例えば柱に接合す
るには、図5に示すように、まず、横架材接合用金具2
1の取付板23をハッチを施した矢印方向に進めて、柱
41に設けた金具取付け用嵌合部42に嵌め込む。
【0062】嵌合部42には、横架材接合用金具21に
設けた第2の位置合わせ部27と嵌合する嵌合部43を
設けてあるので、横架材接合用金具21を柱41にぴっ
たりと位置決めすることができる。
【0063】次に、横架材接合用金具21の取付板23
をボルト44およびナット45で柱41に取付ける。
【0064】必要ならばワッシャー46を挟んで取り付
けるのがよい。
【0065】図6は、柱41への取付けを完了した横架
材接合用金具21を示したものである。
【0066】再び図5を参照して、横架材31の嵌合部
32aを補強板24に嵌合させながら、図5の白抜き矢
印の方向に下げ降ろす。
【0067】補強板24が挿入される横架材31の嵌合
部32aの下部は、適宜、面取りをして挿入を容易にし
ておくのがよい。
【0068】図6のように横架材接合用金具21を柱4
1に取付けた状態でボルト45が柱41の面から突出す
る場合には、横架材31にボルト45の位置に対応して
嵌合溝34を設けておき、ボルト45を嵌合溝34に嵌
めながら横架材31を下げ降ろすことによって、横架材
31とボルト45が当たらないようにすることができ
る。
【0069】再び図5を参照して、さらに横架材31を
降ろしていくと、ロケットピン26の先端部が嵌合部3
2bの下部と嵌まり合う位置にくる。
【0070】ここで、ロケットピン26の先端を尖らせ
てあるので、ロケットピン26は嵌合部32bにスムー
ズに挿入され、横架材31全体を容易に位置決めするこ
とができる。
【0071】ここで、ロケットピン26の胴体部の直径
は、嵌合部32bの内径とほぼ同じかあるいはわずかに
大きくしてあるので、ロケットピン26の先端部が嵌合
部32bに挿入された後は、ロケットピン26の胴体部
を嵌合部32bに嵌合させるため、横架材31の上方か
ら例えばハンマーで力を加えながら横架材31を下げ降
ろす。
【0072】このようにロケットピン26を嵌合部32
bに圧入することによって、横架材31を横架材接合用
金具21にしっかりと固定することができる。
【0073】図7は、横架材31が横架材接合用金具2
1の基準板22に当接するまで横架材31を下げ降ろし
た状態を示したものである。
【0074】次に、横架材31と補強板24とを連結す
る。
【0075】上述したように、ロケットピン26を嵌合
部32bに完全に圧入した段階で、すでに、横架材31
および柱41は、横架材接合用金具21を介して強固に
連結されている。
【0076】しかし、補強板24と嵌合部32aとの間
には、施工の都合上、わずかな隙間を設けてある。
【0077】この隙間による接合強度の低下を防止する
ため、両者の隙間に接着剤47を充填することによって
横架材31と補強板24との完全な一体化を図る。
【0078】接着剤47は、硬化後、木材と同等かある
いはそれ以上の強度を有しかつ木材および金属との接着
性がよいものを選択するのがよい。
【0079】例えば、エポキシ樹脂等を用いるのがよ
い。
【0080】図8は、接着剤47を充填した後の断面図
であり、図4(b) と同じ水平位置で示したものである。
【0081】図9は、一本の柱41に、4つの横架材3
1a,31b,31c、31dを接合した状態を平面図
で示したものであり、図10は、柱41に設けたボルト
孔48の立体交差状態を斜視図で示したものである。
【0082】以上説明した本実施例の横架材接合用金具
21、その金具に接合される横架材31およびそれらの
接合方法により、従来技術では達成できなかった以下の
ような利点が生じる。
【0083】第1の利点は、横架材31の施工が極めて
容易になることである。
【0084】すなわち、位置合わせ部25をロケットピ
ン26で構成することにより、横架材31を容易に位置
合わせすることができる。
【0085】したがって、横架材31を横架材接合用金
具21に取り付ける際の位置調整等がまったく不要にな
り、横架材31の施工精度を向上させることができると
ともに工期を大幅に短縮させることができる。
【0086】また、柱41への取付け用部材が柱面から
突出している場合でも、嵌合溝34を設けておけば、柱
41を側方に逃がしてから横架材31を降ろす必要がな
くなり、施工の手順が省けるとともに、3階建て住宅等
で通し柱を使用する場合に特に有利となる。
【0087】第2の利点は、位置合わせ部25であるロ
ケットピン26を補強板24に溶接等で固定することに
よって接合補強を兼ねるように構成するとともに、嵌合
部32bをプレカットによって高精度に加工するように
したため、ロケットピン26を横架材31の嵌合部32
bに圧入した後は、横架材31と横架材接合用金具21
との取付け強度が大幅に向上することである。
【0088】したがって、横架材31と柱41との接合
強度を従来技術に比べ格段に大きくすることができる。
【0089】すなわち、横架材31に加わる固定荷重あ
るいは積載荷重等の鉛直力により、横架材31には鉛直
方向のせん断力および水平軸線回りの曲げモーメントが
作用するが、基準板22、取付板23および補強板24
を一体に構成したことにより、せん断力を柱41に十分
伝達させることができる。
【0090】この場合、嵌合部32aと補強板24との
隙間を接着剤47で充填してあるので、断面欠損はまっ
たく考慮する必要はない。
【0091】また、ロケットピン26および嵌合部32
bを上述のように構成することにより、水平軸線回りの
曲げモーメントを横架材接合用金具21を介して柱41
に十分に伝達することができる。
【0092】ここで、補強板24および横架材31と接
着剤47とのせん断方向接着力は、上述の曲げモーメン
トの抵抗力に寄与することができる。
【0093】なお、接着剤47によるせん断抵抗および
ロケットピン26と嵌合部32bとの間に生じるせん断
抵抗により、横架材31が上方に抜けるのも同時に防止
することができる。
【0094】また、横架材31に柱41から外れる引張
り方向の水平力が作用した場合には、主としてロケット
ピン26が抵抗し、接着剤47によるせん断抵抗もこれ
に寄与する。
【0095】ロケットピン26が受けた引張力は補強板
24を介して柱41に伝達する。
【0096】次に、図11に示すように、地震や風等に
よる水平力が横架材31に作用した場合(図11の白抜
き矢印方向に作用するとする)には、横架材31には水
平方向のせん断力および鉛直軸線回りの曲げモーメント
が作用する。
【0097】本実施例では、ロケットピン26を嵌合部
32bに圧入するとともに接着剤47を嵌合部32aと
補強板24の隙間に充填することによって、横架材31
と補強板24とを水平方向において一体化させたので、
横架材31の水平せん断力は、特定箇所に応力集中を生
じることなく柱41に伝達する。
【0098】また、水平力による鉛直軸線回りの曲げモ
ーメントは、圧縮側では横架材31から圧縮力として柱
41に伝達し(図11のハッチした矢印)、引張側では
主としてロケットピン26に引張力として作用し、ロケ
ットピン26はこの引張力を補強板24を介して柱に伝
達させる。
【0099】したがって、本実施例による横架材接合用
金具と横架材とを用いて接合することにより、鉛直力の
みならず水平力に対しても十分な接合強度を有している
ことがわかる。
【0100】第3の利点は、仕上げ材の施工容易性であ
る。
【0101】すなわち、図7でわかるように横架材31
の上面から突出する部材が存在しない。
【0102】したがって、根太を省いて横架材31の上
に直接床板を施工する場合には、この床板の施工が容易
になる。
【0103】さらに、例えば28mm程度の合板を用い
て床板を一体に施工すれば水平面内の剛性を高めること
ができ、上述した接合強度の向上とあいまって、耐震強
度をさらに高めることができるとともに、設計荷重によ
っては、水平面内の剛性を高めるためのブレース、火打
ち梁等の耐震要素を省くことができる。
【0104】第4の利点は、横架材接合用金具21が横
架材31あるいは柱41に露出する部分が基準板22の
みとなるため、基準板22と同面積でかつ横架材31と
同等の外観をもつ化粧板を基準板22の外面に張付けて
横架材31の下面を均一にすれば、外観上、横架材接合
用金具21をまったく見せないようにすることができる
ことである。
【0105】したがって、木材自身の美しさを生かした
デザインを行う上で非常に有利となる。
【0106】本実施例の接合方法では、横架材31と補
強板24とを連結する連結工程を接着剤47によって行
ったが、図12に示すように、補強板24aにボルト孔
51を設けた横架材接合用金具52を用意し、このボル
ト孔51を介してねじあるいはボルトを横架材31の側
方から捩じ込むことによって、横架材と補強板24aと
を連結する構成としてもよい。
【0107】図13(a) 、(b) は、横架材接合用金具5
2を各々側面図、平面図で示したものである。
【0108】図14は、横架材接合用金具52に接合さ
れる横架材53を斜視図で示したものである。
【0109】図3で説明した横架材31と異なり、横架
材53には補強板24aと連結するためのボルトを通す
ボルト孔54をさらに設けてある。
【0110】この横架材接合用金具52を用いて横架材
53を柱41に接合する手順は、図5で説明した手順と
ほぼ同じであるが、図15に示すように、横架材53を
基準板22に当接させた後、図16、図17に各々示す
タッピングネジ55a、55bを横架材53の側方から
挿入し、ボルト孔51および54を貫通させながら補強
板24aの向こう側の横架材53に捩じ込む点が異な
る。
【0111】タッピングネジ55aは、図16に示すよ
うに段付きタッピングネジであり、タッピングネジ55
bは、図17に示すように段のないタッピングネジであ
り、両者とも六角レンチで捩じ込むことができるように
なっている。
【0112】設計接合強度が大きい場合には、タッピン
グネジ55a、55bの外径をボルト孔51よりもわず
かに大きくしておけば、タッピングネジ55a、55b
は、ボルト孔51にしっかりと固定され、結果的に横架
材53と補強板24aとを一体化することができる。
【0113】なお、必要に応じて、ボルト孔51、54
の数量を調整すればよいことはもちろん、高い接合強度
を求められるときには、接着剤47とタッピングネジ5
5a、55bとを併用してもよい。
【0114】図18は、横架材接合用金具52を柱41
に取り付けた状態を、図19は横架材53を柱41に接
合した状態を示した図である。
【0115】また、本実施例では、位置合わせ部25で
あるロケットピン26が接合補強をも兼ねるように、基
準板22および補強板24に溶接等で固定して構成した
が、設計上、接合強度が小さくて良ければ、図20に示
すように、ロケットピン26を補強板24から離して基
準板22の上に固定してもよいし、図21に示すよう
に、例えば三角錐状の位置合わせ部25aとしてもよ
い。
【0116】また、本実施例では、位置合わせ部25を
2本のロケットピン26で構成したが、設計接合強度に
応じてロケットピン26の本数を調整すればよい。
【0117】また、位置合わせ部25の形状はロケット
ピンに限定されるものではなく、例えば、補剛リブを補
強板24および基準板22に直交するようにそれらに固
定することにより、接合補強を兼ねた位置合わせ部とし
てもよいし、あるいは単に位置合わせ部としてもよい。
【0118】また、本実施例では、横架材接合用金具2
1に第2の位置合わせ部27を設けることによって、横
架材接合用金具21自身の位置合わせが容易になるよう
に構成したが、場合によっては第2の位置合わせ部27
を省略してもよい。
【0119】本実施例の横架材接合用金具21の変形例
として、図22、図23に各々横架材接合用金具61、
62を示す。
【0120】横架材接合用金具61、62は、各々水平
ブレース63、鉛直ブレース64を取り付けるためのブ
レース取り付け部65、66を基準板22b、補強板2
4bに設けてある。
【0121】また、上述したように、横架材接合用金具
21を用いて接合強度を高くすることにより、火打ち
梁、ブレース等の耐震要素を省くことができるが、水平
力に対する接合強度の要求が非常に大きい場合、あるい
は横架材接合用金具を小形化したい場合には、ブレース
を設ける必要が生じてくる。
【0122】一方、ブレースの強度は、ブレース自身の
強度よりもブレースと柱あるいは梁との接合強度が不足
したために、所定の耐震性能を発揮できない場合が多
い。
【0123】このような問題は、ブレース取り付け部6
5、66を横架材接合用金具61、62に設けることに
よって解決する。
【0124】すなわち、ブレース取付け部65、66
は、横架材接合用金具61、62の一部として一体化し
てあるため、高いブレース接合強度を得ることができ
る。
【0125】なお、図22は、横架材が床梁である場合
を想定したものであり、図23は、横架材が胴差しであ
る場合を想定したものである。
【0126】また、本発明の横架材は、本実施例の横架
材接合用金具に用いるものとして説明してきたが、横架
材を受ける基準板とこの基準板の一側端から直立し他の
構造部材に取り付ける取付板と前記基準板および前記取
付板を補強するように介装された補強板とを一体に設け
た横架材接合用金具に広く用いることもできる。
【0127】すなわち、本発明の横架材は、前記補強板
と嵌合する嵌合部を形成するとともに、前記取付板を前
記他の構造部材に取り付けるための取付け用部材の位置
に対応する位置に嵌合溝を設けてあるので、柱を側方に
逃がす必要がなくなり、3階建て以上の木造構造物にお
いては、横架材の施工が非常に容易になる。
【0128】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の横架材接合
用金具、その金具に接合される横架材およびそれらの接
合方法によれば、横架材を容易に施工することができる
とともに、接合強度を大きくすることができる。請求項
1乃至5に記載の横架材接合用金具においては、横架材
の取付位置を位置合わせする基準板の位置合わせ部を、
基準板にほぼ鉛直に固定したロケットピンで構成したの
で、先端先細構造のロケットピンへの横架材の位置合わ
せが容易となり、横架材をロケットピンに当初ラフに嵌
合させてそのまま下降させると、横架材の先端が他の構
造部材側にシフトしつつ下降して正確に位置決めでき、
横架材をその接合用金具に取り付ける際の位置調整等が
全く不要となり、作業性が良好で横架材の施工精度を向
上させ、工期を大幅に短縮できる。また、請求項6およ
び7に記載したように、横架材接合用金具の基準板にほ
ぼ鉛直に固定されたロケットピンに密に嵌合する位置合
わせ用嵌合部を横架材に形成した場合には、横架材の位
置合わせ用嵌合部をロケットピンにラフに位置合わせ
し、横架材の嵌合部を横架材接合用金具の補強板に嵌合
させつつ下降させることにより、横架材の下降がロケッ
トピンに案内されて他の構造部材側に寄せられ、横架材
を他の構造部材に取付精度よく位置合わせされた状態で
連結させることができ、作業性が良好で連結部に間隙が
生じたり、横架材接合用金具が大きく露出するのを防止
できる。さらに、請求項8乃至10に記載の接合方法に
おいても、横架材接合用金具の基準板にほぼ鉛直に固定
されたロケットピンに密に嵌合可能な位置合わせ用嵌合
部を横架材に形成し、横架材接合用金具の補強板および
ロケットピンに横架材の嵌合部およびは位置合わせ用嵌
合部を下げ降ろすことにより、横架材接合用金具を用い
て横架材を他の構造部材に取付精度よく連結させること
ができ、横架材をその接合用金具に連結させた後、横架
材を他の構造部材側に寄せたり、寄せた状態に保持する
位置調整作業が不要となる。また、この場合、請求項9
に記載したように、補強板と嵌合部との隙間に接着剤を
充填させると、横架材の断面欠損を考慮する必要がな
く、横架材に鉛直方向に作用するせん断力を他の構造部
材に充分に有効的に伝達させることができ、取付強度の
向上が図れる。
【0129】一方、木造構造部材に横架材接合用金具の
露出する部分が少なくなり、特に梁の上面から突出する
部分をなくしたので、例えば床板を容易に施工すること
ができる。請求項11に記載の床構造体では、横架材の
取付位置の位置合わせを、基準板にほぼ鉛直に固定され
たロケットピンに横架材の位置合わせ用嵌合部を密に嵌
合させて行なうことにより、他の構造部材に取り付けら
れた横架材上に突出する部材がなく、この横架材上に床
板を直接取り付けることができ、施工が容易であるとと
もに、施工精度を向上させ得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の横架材接合用金具の斜視図。
【図2】(a) は、図1の横架材接合用金具の側面図、
(b) は、図1の横架材接合用金具の平面図。
【図3】本実施例の横架材の斜視図。
【図4】(a) は図3の横架材の側面図、(b) は(a) のA
−A線に沿う水平断面図。
【図5】本実施例の接合方法を示す説明図。
【図6】本実施例の横架材接合用金具を柱に取付けた状
態を示す斜視図。
【図7】本実施例の横架材接合用金具を用いて横架材を
柱に接合した状態を示す斜視図。
【図8】本実施例の接合方法で横架材を柱に接合した状
態の水平断面図。
【図9】1つの柱に4つの横架材を接合した場合の平面
図。
【図10】図9のボルト孔の立体交差状態を示した斜視
図。
【図11】水平力が作用したときの力の流れを示す図。
【図12】本実施例の横架材接合用金具の変形例を示す
斜視図。
【図13】(a) は、図12の横架材接合用金具の側面
図、(b) は、図12の横架材接合用金具の平面図。
【図14】図12の横架材接合用金具に接合される横架
材の斜視図。
【図15】図12の横架材接合用金具を用いた接合方法
を示す説明図。
【図16】タッピングネジで補強板と横架材とを連結し
た断面図。
【図17】タッピングネジで補強板と横架材とを連結し
た断面図。
【図18】図12の横架材接合用金具を柱に取付けた状
態を示す斜視図。
【図19】図12の横架材接合用金具を用いて横架材を
柱に接合した状態を示す斜視図。
【図20】本実施例の横架材接合用金具の変形例を示す
斜視図。
【図21】本実施例の横架材接合用金具の変形例を示す
斜視図。
【図22】本実施例の横架材接合用金具の変形例を示す
斜視図。
【図23】本実施例の横架材接合用金具の変形例を示す
斜視図。
【図24】伝統的和風仕口を示した斜視図。
【図25】補強金物を用いて柱と梁を接合した斜視図。
【図26】従来技術の横架材接合用金具を用いて横架材
を柱に接合する説明図。
【図27】従来技術の横架材接合用金具を用いて横架材
を柱に接合する説明図。
【符号の説明】
21 横架材接合用金具 22 基準板 23 取付板 24 補強板 25 位置合わせ部 26 ロケットピン 31 横架材 32a 嵌合部 32b 嵌合部 34 鉛直方向溝 47 接着剤

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 横架材を受ける基準板と、この基準板の
    一側端から直立し他の構造部材に取り付ける取付板と、
    前記基準板および前記取付板を補強するように介装され
    た補強板とを一体に設け、前記横架材の取付け位置を位
    置合わせする位置合わせ部を前記基準板に設け、この位
    置合わせ部は前記基準板にほぼ鉛直に固定したロケット
    ピンで構成したことを特徴とする横架材接合用金具。
  2. 【請求項2】 ロケットピンはさらに補強板に固定さ
    れ、接合補強を兼ねるように構成した請求項1記載の横
    架材接合用金具。
  3. 【請求項3】 ロケットピンは補強板の両側に対向して
    基準板にほぼ鉛直に対をなして固定された請求項1また
    は2に記載の横架材接合用金具。
  4. 【請求項4】 前記他の構造部材の所定の位置に位置合
    わせする第2の位置合わせ部を取付板に設け、この第2
    の位置合わせ部は取付板の他の部材への接合面側から突
    設された請求項1乃至3のいずれか一に記載の横架材接
    合用金具。
  5. 【請求項5】 ブレースを取り付けるブレース取付け部
    を基準板および補強板の少なくとも一方にさらに設けた
    請求項1乃至4のいずれか一に記載の横架材接合用金
    具。
  6. 【請求項6】 横架材を受ける基準板とこの基準板の一
    側端から直立し他の構造部材に取り付ける取付板と前記
    基準板および前記取付板を補強するように介装された補
    強板とを一体に設けた横架材接合用金具を介して他の構
    造部材に接合される横架材において、前記横架材接合用
    金具の補強板に嵌合する嵌合部を横架材の端部に形成す
    るとともに、上記横架材には横架材接合用金具の基準板
    にぼ鉛直に固定されたロケットピンに密に嵌合する位置
    合わせ用嵌合部を形成し、上記嵌合部および位置合わせ
    用嵌合部で横架材の取付位置を位置合わせする位置合わ
    せ部を構成したことを特徴とする横架材。
  7. 【請求項7】 横架材接合用金具の取付板を他の構造部
    材に取付ける取付用部材の位置に対応する横架材の端部
    位置に取付用部材を逃がす嵌合溝を設けた請求項6記載
    の横架材。
  8. 【請求項8】 横架材を他の構造部材に接合する接合方
    法において、横架材の端部側に横架材接合用金具の補強
    板に嵌合可能な嵌合部とその金具の基準板にほぼ鉛直に
    固定されたロケットピンに密に嵌合可能な位置合わせ用
    嵌合部を形成する工程と、横架材接合用金具の取付板を
    他の構造部材に取付ける取付け工程と、横架材に設けた
    嵌合部および位置合わせ用嵌合部に横架材接合用金具の
    補強板およびロケットピンを嵌合させながら前記横架材
    を下げ降ろす嵌合工程と、前記横架材が前記基準板に当
    接した後、横架材と補強板とを一体に連結する連結工程
    とからなることを特徴とする接合方法。
  9. 【請求項9】 前記連結工程は、補強板と嵌合部との隙
    間に接着剤を充填する請求項8記載の接合方法。
  10. 【請求項10】 前記連結工程は、ねじあるいはボルト
    を前記横架材の側方から前記補強板に設けた孔を介して
    捩じ込む請求項8記載の接合方法。
  11. 【請求項11】 横架材を受ける基準板とこの基準板の
    一側端から直立し他の構造部材に取り付ける取付板と前
    記基準板および前記取付板を補強するように介装された
    補強板とを一体に設けた横架材接合用金具を用いて横架
    材を他の構造部材に取り付ける一方、この取付の際、基
    準板にほぼ鉛直に固定されたロケットピンに横架材に形
    成された位置合わせ用嵌合部を密に嵌合させて横架材の
    取付位置を位置合わせし、他の構造部材に取り付けられ
    た横架材に、床板を直接取り付けたことを特徴とする床
    構造体。
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