JPH08232020A - 方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

方向性電磁鋼板の製造方法

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JPH08232020A
JPH08232020A JP3810195A JP3810195A JPH08232020A JP H08232020 A JPH08232020 A JP H08232020A JP 3810195 A JP3810195 A JP 3810195A JP 3810195 A JP3810195 A JP 3810195A JP H08232020 A JPH08232020 A JP H08232020A
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JP
Japan
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annealing
inhibitor
temperature
primary
grain
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Withdrawn
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JP3810195A
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English (en)
Inventor
Jiro Harase
二郎 原勢
Nobunori Fujii
宣憲 藤井
Fumio Kurosawa
文夫 黒澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 方向性電磁鋼板の製造方法を提供する。 【構成】 N≦0.0020、AlN及びMnS(S
e),Bi,Cuを主インヒビター成分とし、更にP,
Sn,B,P,V,Zr,Nb等を適宜含有した方向性
電磁鋼板冷延板を一次再結晶焼鈍後窒化処理の工程を経
て焼鈍分離剤を塗布後二次再結晶焼鈍を行う。この場合
一次再結晶焼鈍後の結晶平均粒径を限定する。 【効果】 方向性電磁鋼板を熱延条件Freeで安定し
て安価に製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、方向性電磁鋼板の製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】結晶粒成長を抑える析出物や溶質原子等
をインヒビターと呼ぶが、AlNを主たるインヒビター
として使用し、一次再結晶前の冷延率が75%以上95
%以下である方法で製造されている一方向性電磁鋼板に
は、特公昭57−9419、62−54846、59−
48935、60−48862、63−11406、6
3−11407号各公報等で開示された製造法(以下A
法と呼ぶ)と特公昭61−60896、62−4528
5号各公報等で開示された製造法(以下B法と呼ぶ)が
知られている。
【0003】A法では、二次再結晶粒成長に必要なイン
ヒビターとして微細分散させたAlNとMnSを主とし
て活用している。このためスラブ加熱時にこれら析出相
を完全に溶解させた後、熱延及び熱延板焼鈍工程で微細
析出させる。このためスラブ加熱温度は1400℃程度
の高温にする必要がある。このように微細分散した析出
物が存在するため一次再結晶粒径は8μm程度と小さ
い。
【0004】一方B法ではインヒビターとしてAlNを
主として使っている。このAlNの主たる部分は一次再
結晶後の窒化によって形成された鋼板表面相の窒化物を
二次再結晶焼鈍過程でAlNとして板厚方向にほぼ均等
に析出させることで構成される。B法ではスラブ加熱温
度が1150℃程度と低い。この段階では既にAlNが
析出しているため一次再結晶焼鈍時には微細分散したA
lNやMnS析出物が殆ど存在しない。そのためA法と
ほぼ同一の840℃程度の一次再結晶焼鈍温度で一次再
結晶焼鈍後の結晶粒径は24μm程度と大きい。
【0005】従ってB法では一次再結晶焼鈍後の状態で
インヒビター強度が弱いので二次再結晶焼鈍過程でイン
ヒビターを強化するため一次再結晶焼鈍後窒化処理を行
い窒素量を200ppm 程度とする。
【0006】A法はB法と比べて最終製品の磁束密度が
若干高いが、極めて高い温度でスラブを加熱する必要が
あり、Sを0.03%程度含有しているため熱延時耳割
れの発生が多いという欠点がある。B法はこのような高
温の加熱は必要なく、Sも低いため耳割れの発生もな
い。しかしA法と比較すると僅かながら磁束密度が低い
という欠点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はスラブ加熱温
度が1000℃程度と低い場合でもスラブ加熱の段階で
は窒化物がほぼ固溶するように窒化物を形成する基とな
るNを好ましくは0.002重量%以下とした後、窒化
部が殆ど存在しないようにすることで一次再結晶時の結
晶粒径を容易に制御し、一次再結晶焼鈍窒化処理を施す
ことで、二次再結晶過程で微細均質分散した窒化物を形
成させてインヒビターの強度を確保することでB法同様
の低温スラブ加熱でありながらA法と同等以上の高い磁
束密度を持った製品を安定して安価に製造する方法を提
供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の手段は、次の通
りである。C:0.001〜0.090重量%、Si:
2.0〜4.5重量%、酸可溶性Al:0.010〜
0.080重量%、N:0.0001〜0.0040重
量%、好ましくは0.002重量%以下、SまたはSe
の和:0.0080〜0.060重量%、Cu:0.0
1〜1重量%、Mn:0.01〜0.5重量%、及びB
i:0.005〜0.15重量%、P:0.001〜
0.15重量%、Sn:0.001〜0.3重量%、S
b:0.001〜0.15重量%、Pb:0.001〜
0.15重量%、B:0.0010〜0.1重量%、
V:0.01〜0.10重量%、Nb:0.001〜
0.10重量%、Zr:0.001〜0.10重量%の
範囲で1種またはそれ以上含有し、残部Fe及び不可避
的不純物を含んだ一次再結晶焼鈍前の冷延率が75%以
上95%以下とした電磁鋼冷延板を800℃以上100
0℃以下の温度で1秒以上300秒以内加熱後全窒素量
が50ppm 以上1000ppm の範囲に入るように調整し
た後焼鈍分離剤を塗布し、仕上焼鈍を施す方向性電磁鋼
板の製造方法において、一次再結晶焼鈍後の平均結晶粒
径が図1で示した範囲となるように制御することにあ
る。
【0009】
【作用】以下本発明について詳細に説明する。発明者は
方向性電磁鋼板の(110)〔001〕二次再結晶粒の
優先発現の条件について研究を行い以下の結論を得た。
一般にインヒビターは、一次再結晶焼鈍工程において
結晶粒成長を抑えて一次再結晶粒径を小さくし、二次
再結晶焼鈍過程でのマトリクス結晶粒の成長を抑えて二
次再結晶開始温度に影響を与え、発現する二次再結晶
方位の選択に影響を与える。
【0010】一次再結晶組織の形成から二次再結晶の完
了までに働くインヒビターの役割を理解しやすくする目
的で、ここでは一次再結晶粒径を決めるともいうべきイ
ンヒビターを一次インヒビターと呼ぶ。一次インヒビタ
ーは、溶解から一次再結晶までの工程で形成されたもの
であり、一次再結晶焼鈍後窒化処理することでインヒビ
ターを付与するB法と対比させて先天的インヒビターと
も呼ぶべきものである。
【0011】一次インヒビター強度が強いほど一次再結
晶粒径が小さい。一次再結晶完了後二次再結晶発現まで
のインヒビターを二次インヒビターと呼ぶ。
【0012】B法の窒化処理の第一の目的は二次インヒ
ビターを付与することである。この窒化によるインヒビ
ター付与は後天的インヒビターとも呼ぶべきものであ
る。二次再結晶粒の駆動力は粒界エネルギーなので、駆
動力が小さい即ちマトリクス粒径が大きい程、二次再結
晶温度は高温となる。同じ結晶粒径であれば二次インヒ
ビター強度が強いほど二次再結晶温度は高温となる。
【0013】二次インヒビターの強さだけでは二次再結
晶温度は決まらないが、ここでは結晶粒径も考慮して、
二次再結晶温度が低いときに二次インヒビターが弱い、
二次再結晶温度が高温ほど二次インヒビターが強いと表
現する。
【0014】二次再結晶粒が選択的に成長している過程
でのインヒビター強度、即ち既に発現した二次再結晶粒
の優先成長に深く係わるインヒビター強度を三次インヒ
ビターと呼ぶ。三次インヒビター強度が強いほど、一般
粒界と対応粒界の粒界移動差が大きくなり、二次再結晶
粒が優先的に成長する。
【0015】二次再結晶開始時のインヒビター強度は二
次再結晶開始という点を強調すれば二次インヒビター強
度といえるし、二次再結晶粒が発生し成長しつつあると
いう点を強調すれば三次インヒビターともいえる。一次
再結晶焼鈍後窒化処理を行うB法では、一次再結晶完了
時と二次再結晶焼鈍開始時ではインヒビター強度が著し
く異なるが、A法の場合一次インヒビター強度と、二次
再結晶焼鈍開始時の二次インヒビター強度とはほぼ同一
である。
【0016】上に述べたように一次再結晶粒径は一次イ
ンヒビターの強度でほぼ決まる。A法で例えばMnSの
みをインヒビターとした場合は18μm、AlNのみで
は14μm、AlNとMnSを併用している通常のA法
では8μmとなる。またスラブ加熱温度が1150℃と
低いB法の場合は同じAlNを使っているが、AlNの
析出サイズが大きいため一次インヒビターが弱いので一
次再結晶粒径は24μm程度と大きい。即ちAlNの析
出分散状況の差のみで粒径が10μm程度異なるといえ
る。
【0017】本発明鋼のスラブ加熱温度はB法同様低い
が、窒素が0.004%、好ましくは0.002%以下
であるためAlNその他窒化物からなる析出物はスラブ
加熱の段階では析出しているとしても極めて僅かであ
る。このためこの析出物による一次再結晶粒径の微細化
効果は殆どない。しかしMnS(Se),CuS(S
e),Bi等のインヒビター及びP,Sn,Sb,P
b,Bの1種または2種以上を含んでいるため一次再結
晶粒径はA法より大きく、B法と同程度またはそれ以下
である。
【0018】インヒビターの存在下においては二次再結
晶焼鈍により粒界移動による粒成長が僅かに起きるが、
ある温度(臨界二次再結晶温度Tcr)に達すると一般
粒界と対応粒界の粒界移動速度に大きな差がある状態に
なる。この状態で、対応粒界と接する確率の最も高い結
晶方位が周囲の結晶粒を食べて大きくなり、サイズ効果
(寸法の優位性)を得て異常成長を開始する。即ち二次
再結晶の発現である。
【0019】二次再結晶粒成長過程で動きやすい対応粒
界にはΣ5対応粒界からΣ33対応粒界まで存在する
が、方向性電磁鋼板の二次再結晶に関与する存在頻度の
高い対応粒界はΣ5,Σ7,Σ9の3種類であり、この
中でΣ7粒界は1方向性電磁鋼板で存在頻度が低いの
で、Σ5粒界とΣ9粒界を考慮すればよい。
【0020】冷延率を75%以上95%以下とした本発
明の一次再結晶板では(110)〔001〕方位粒は他
の方位と比べてΣ9対応粒界を形成する確率が最も高
い。また理想(110)〔001〕方から外れた方位で
はΣ5対応粒界を形成する確率も高い。
【0021】Σ5対応粒界はΣ9対応粒界では動きやす
くなる温度領域及び、インヒビター強度範囲が若干異な
っており、Σ5粒界とΣ9粒界が共存する場合は、Σ5
粒界がより弱いインヒビター強度、またインヒビター強
度が同じならより低温で優先的に動きやすくなる。
【0022】従って(110)〔001〕方位の集積度
の高い二次再結晶粒が優先的に成長するためには、Σ5
粒界が優先的に動きやすくなる温度域や、Σ9粒界もΣ
5粒界も動きやすい温度域においてはΣ9粒界がより動
きやすくなるように二次インヒビターを強くする必要が
ある。
【0023】A法は一次再結晶粒径が小さいので二次イ
ンヒビターが弱く低温で二次再結晶が発現する。A法で
はAlが0.022〜0.030%の範囲にあるがその
範囲でAlが低いと一次再結晶粒径は1〜2μm程度小
さくなり、二次再結晶焼鈍過程でAlが酸化することに
より鋼板表面近傍のAl量が更に減少し、この部分のイ
ンヒビター強度が弱くなる。
【0024】従ってこの部分から二次再結晶が発現する
が、この二次再結晶が発現する温度は925℃以下の低
温でΣ5粒界が優先的に動くため、発現する二次再結晶
方位は理想Goss方位から10°以上離れた方位とな
る。
【0025】一方Alが0.033%以上と高くなる場
合、一次粒径が大きくなるので駆動力が減少するため
と、Alの濃度そのものが高いので、直ちにAlNが
形成されてインヒビター強度が低下しないため、二次イ
ンヒビターが相対的に強くなり低温での二次再結晶の発
現は防止できる。そのためΣ5粒界の優先的粒界移動に
基づく方位の悪い二次再結晶の発現は防止できる。
【0026】しかしながら二次再結晶温度が1100℃
以上の高温ではAlの酸化が急激に起き、三次インヒビ
ター強度が急激に低下して選択的な粒界移動が起き難く
なり、二次再結晶が発現せず細粒組織となる。
【0027】従ってA法で(110)〔001〕方位の
集積度の高い二次再結晶を発現させるためには、低温で
二次再結晶が発現することを防ぐことと、高温で三次イ
ンヒビター強度が急激に低下して細粒が発生するのを防
ぐため、Al含有量を極めて狭い範囲に管理する必要が
ある。
【0028】一方B法ではAlが低く表面相近傍でAl
が減少しても、粒径が大きいためΣ5粒界が優先的に
動きやすくなる925℃以下の低温では二次再結晶が発
現しない、表面相から窒化してあるので、脱Alが起
きても、直ちにAlNが形成されるため表面相近傍のイ
ンヒビターの低下を防止でき、925℃以下の低温では
二次再結晶の発現を防止できる。しかしながらB法では
一次インヒビター強度が弱いため、仕上げ熱延開始温度
や固溶Al、一次再結晶焼鈍温度のばらつき等により一
次再結晶粒径は変動しやすい。
【0029】一次再結晶粒径が大すぎる場合や、窒化量
が多すぎる場合、二次再結晶温度が1100℃以上とな
りAlの酸化速度が著しく速まり、三次インヒビター強
度が急激に減少し、Σ9粒界の選択的移動速度が相対的
に遅くなり、(110)〔001〕方位の二次再結晶の
集積度が低下する。
【0030】ところでA法ではB法と比べて低温で二次
再結晶が発現するが、発現する二次再結晶方位の(11
0)〔001〕方位集積度はB法と同等またはそれ以上
である。この理由はA法では微細分散したAlNに加え
て微細分散したMnSが存在するのでインヒビターが主
としてAlNのみで構成されているB法と比べて三次イ
ンヒビター強度がB法と同等またはそれ以上の強さのた
めである。
【0031】B法では一次再結晶後窒化することと、一
次再結晶粒径が大きいので二次再結晶発現まで殆ど粒成
長は認められず、二次再結晶開始温度はA法と比べて高
い。即ち二次インヒビターの強さはA法より強い。しか
し発現する二次再結晶粒の方位集積度はA法と同等また
は僅かに劣る。これは三次インヒビターはA法と同等ま
たは若干弱いためである。
【0032】本発明鋼の場合は熱延の段階では硫化物の
み析出させ、一次再結晶焼鈍後窒化処理をすることで、
窒化物をこれら硫化物を核として形成させることで、一
次インヒビター、二次インヒビターの強度はA法とB法
の中間の強度となり、三次インヒビター強度はA法と同
等またはそれ以上となる。
【0033】即ち一次再結晶焼鈍前は殆ど窒化物が存在
せず、硫化物やその他の添加物のみであるので、一次イ
ンヒビター強度は硫化物と窒化物が微細分散したA法よ
り弱いが、MnS(Se),CuS(Se),Biを含
有し更に必要に応じてP,Sn,Pb,B,Sbを添加
しているのでこれらの効果によりB法より強い。
【0034】従って本発明材の一次再結晶後の結晶粒径
はA法より大きくB法より小さいか同等である。本発明
法の場合の二次再結晶開始温度はB法と比べて同等か若
干低く、A法のそれと比べると高い。この理由は、A法
と比べると粒径が大きいためである。
【0035】本発明法で発現する二次再結晶の(11
0)〔001〕方位集積度はA,B何れの方法より若干
良好である。その理由は、三次インヒビターがA,B何
れの方法より強いためである。
【0036】以下その他の条件を限定した理由を説明す
る。本発明法に従って処理すればCは0.090%を超
えても磁束密度の高い二次再結晶が得られるが、これ以
上Cが高い場合一次再結晶焼鈍の脱炭時間が長くなり経
済的でない。Cの下限を0.001%としたのはこれ以
下のCとしても特性向上には影響しないので、これ以下
にCを下げることは経済的でないためである。
【0037】Siは含有量が多いほど固有抵抗が増加し
て製品の渦流損を減少させるので、渦流損を減少させる
ためにはSiは多いほどよい。Siを2.0%以上と限
定したのはこれ以下では渦流損が大きく好ましくないの
で下限を2.0%としたものである。しかしSiは添加
量が増すほど冷間圧延工程で割れやすくなる。Siが
4.5%以上では冷間圧延に特別の工夫が必要で経済的
に製造するという本発明の目的にそれるので上限を4.
5%とした。
【0038】Alは(Al,Si)Nを形成しインヒビ
ターとして働くが、酸可溶性Alとして0.010%以
上ないとその効果が発揮されないので下限を0.010
%とした。上限を0.080%としたのはこれ以上のA
lが存在するとインヒビターとして有効に働かなくなる
ためである。
【0039】VはVNを形成しインヒビターとして働く
が、0.01%以上ないとその効果が発揮されないので
下限を0.01%とした。上限を0.10%としたのは
これ以上のVが存在するとインヒビターとして有効に働
かなくなるためである。
【0040】NbはNb窒化物を形成しインヒビターと
して働くが、0.001%以上ないとその効果が発揮さ
れないので下限を0.001%とした。上限を0.10
%としたのはこれ以上のNbが存在するとインヒビター
として有効に働かなくなるためである。
【0041】ZrはZr窒化物を形成しインヒビターと
して働くが、0.001%以上ないとその効果が発揮さ
れないので下限を0.001%とした。上限を0.10
%としたのはこれ以上のZrが存在するとインヒビター
として有効に働かなくなるためである。
【0042】Nはナイトライドを形成しインヒビターと
して働くが、スラブの段階で0.0040%以下、好ま
しくは0.002%以下であれば熱延条件に関係なく一
次再結晶焼鈍までは窒化物の形成を防止できる。次いで
窒化することでの均質に微細分散したが窒化物の形成が
可能となる。Nが0.004%を超えて含まれると一次
再結晶前に、窒化物が形成されるが、この窒化物は数が
少なくサイズが大きく、引き続く窒化処理で更に大きく
成長して、均質に微細分散しなくなることが多く、方位
に優れた二次再結晶粒を発現させることに効果的に働か
ない。このためNの上限を0.0040%、好ましくは
0.002%とした。
【0043】下限を0.0001%としたのはこれまで
窒素量を下げれば熱延工程での窒化物の形成が皆無とな
り、一次再結晶焼鈍後の窒化により、強度の強い窒化物
を均一に分散させることが可能だがこれ以上下げても、
一次再結晶焼鈍後に窒化物を均質に微細分散させる効果
は変わらないので下限を0.0001%とした。
【0044】以下の元素は一次インヒビターを強化する
働きがあるが主に三次インヒビターを強化する目的で添
加したものである。Biは三次インヒビターを強くする
働きがあるが、0.0050%以下では効果が小さいの
で下限を0.005%とした。Biは0.15%以上で
も効果はあるが、これ以上添加することは経済的でない
ので上限を0.15%とした。
【0045】SまたはSe単独またはそれらを合計した
ものを0.0080〜0.060%の範囲に限定したの
は本発明素材成分においてはSまたはSe単独またはそ
れらを合計したものが0.0080%未満では、三次イ
ンヒビターが弱く(110)〔001〕から外れた二次
再結晶粒の発現が多くなるためである。
【0046】Se,Sは多いほど三次インヒビターを強
化する効果があり、磁束密度が向上するが、それらが
0.060%以上では熱延時に耳割れが発生しやすくな
るので上限を0.060%とした。
【0047】CuはS,Seと析出物を形成したりまた
は単独で三次インヒビターを強化する働きがあるが、
0.01%以下ではその効果が小さいので下限を0.0
1%とした。1%以上添加しても三次インヒビター強化
効果があるが、それ以上添加するのは経済的でないので
上限を1%とした。
【0048】MnはS,Seと析出物を形成して三次イ
ンヒビターを強化する働きがあるが、0.01%以下で
はその効果が小さいので下限を0.01%とした。0.
5%以上添加しても三次インヒビター強化効果がある
が、それ以上添加するのは経済的でないので上限を0.
5%とした。
【0049】Pは三次インヒビターを強くする働きがあ
るが、0.001%以下では効果が小さいので下限を
0.001%とした。Pは0.15%以上でも効果はあ
るがこれ以上添加することは経済的でないので上限を
0.15%とした。
【0050】Snは三次インヒビターを強くする働きが
あるが、0.001%以下では効果が小さいので下限を
0.001%とした。Snは0.3%以上でも効果はあ
るがこれ以上添加することは経済的でないので上限を
0.3%とした。
【0051】Sbは三次インヒビターを強くする働きが
あるが、0.001%以下では効果が小さいので下限を
0.001%とした。Sbは0.15%以上でも効果は
あるがこれ以上添加することは経済的でないので上限を
0.15%とした。
【0052】Pbは三次インヒビターを強くする働きが
あるが、0.001%以下では効果が小さいので下限を
0.001%とした。Pbは0.15%以上でも効果は
あるがこれ以上添加することは経済的でないので上限を
0.15%とした。
【0053】Bは三次インヒビターを強くする働きがあ
るが、0.0010%以下では効果が小さいので下限を
0.0010%とした。Bは0.1%以上でも効果はあ
るがこれ以上添加することは経済的でないので上限を
0.1%とした。
【0054】一次再結晶前の冷延率を75%以上とした
のは、これ以下の冷延率では(110)〔001〕二次
再結晶粒が優先的に成長するためのΣ9対応粒界を形成
する確率が少なく、製品の磁束密度が低くなるので75
%以下とした。上限を95%以下としたのはこれ以上冷
延率を高めると核となる(110)〔001〕方位の存
在量が少なくなり、二次再結晶粒径が著しく大きくなり
鉄損が劣化するので上限を95%とした。
【0055】一次再結晶焼鈍温度を800℃以上とした
のは、これ以下の温度で焼鈍した場合は高い磁束密度が
得られない場合があるので800℃以上とした。焼鈍温
度を1000℃以下としたのはこれ以上の温度で焼鈍し
ても高い磁束密度が得られるが、熱的に不経済であるの
で1000℃以下とした。
【0056】加熱時間1秒以上としたのはこれより短い
と磁束密度がばらつく傾向が見られるためであり、30
0秒以下としたのはこれ以上長く加熱しても磁束密度の
向上は見られず、経済的でないためである。必要に応じ
て一次再結晶焼鈍後窒素量を50ppm 以上としたのはこ
れ以下では三次インヒビターが弱く高い磁束密度が得ら
れないためであり、1000ppm 以下と限定したのはこ
れ以上高くしても高い磁束密度が得られるが、これ以上
窒素量を高めるために窒化処理を施すことは経済的でな
いためである。一次再結晶焼鈍後の結晶粒径を図1の範
囲に限定したのはこの範囲外では安定して高い磁束密度
を得ることが困難なためである。
【0057】
【実施例】C:0.002%、Si:3.25%、M
n:0.074%、P:0.099%、Al:0.03
6%、S:0.0090%、Sn:0.051%、C
u:0.15%、Bi:0.086%、N:0.001
%、Sb:0.062%を主成分としたスラブを105
0℃の温度で2時間加熱後、粗圧延、仕上圧延を経て厚
さ2.3mmの熱延板とした。その鋼板は900℃120
秒の熱延板焼鈍を行った後冷間圧延を行い厚さ0.30
mmとした。この場合冷間圧延途中板厚1.6mm,1.2
mm,0.8mm,0.6mm,0.4mmの各厚みで250℃
20分保持した条件でパスエージング圧延を行った。
【0058】次いで900℃の温度で露点69℃、75
%H2 −N2 雰囲気中で加熱後、窒化処理を行い窒素量
を104ppm と130ppm とした。このときに一次再結
晶焼鈍後の結晶粒径は20μmであった。次に重量でM
gOを100部に対し+TiO2 を5部、Na2 4
7 を0.3部の割合で混合した焼鈍分離剤を塗布し95
%N2 −H2 の雰囲気で昇温速度15℃/hrで1200
℃まで加熱後、100%H2 雰囲気で20時間加熱後冷
却した。次いで歪取り焼鈍を行い磁束密度を測定しその
値を表1に示す。
【0059】比較のためA法及びB法についても工程処
理を行った。A法としてはC:0.078%、Si:
3.25%、Mn:0.075%、P:0.01%、
S:0.025%、Al:0.030%、N:0.00
83%、Cu:0.07%、Sn:0.12%を主成分
としたスラブを1400℃で2時間加熱後直ちに厚さ
2.3mmに圧延し550℃で巻き取った。次いで112
0℃まで100秒で加熱後930℃で約120秒加熱後
水冷した。
【0060】次いで本発明材と同一条件で冷延を行い、
830℃で120秒本発明材と同じ雰囲気で加熱した。
一次再結晶焼鈍後の結晶粒径は8μmであった。次いで
本発明と同一の焼鈍分離剤を塗布し、25%N2 −H2
の雰囲気で昇温速度15℃/hrで1200℃まで加熱
後、100%H2 雰囲気で20時間加熱後冷却した。次
いで歪取り焼鈍を行い磁束密度を測定しその結果を表1
に示す。
【0061】B法としてはC:0.055%、Si:
3.25%、Mn:0.100%,P:0.025%、
S:0.007%、Al:0.030%、N:0.00
77%、Cu:0.07%、Sn:0.05%、Cr:
0.12%を主成分としたスラブを1150℃で2時間
加熱後直ちに厚さ2.3mmに圧延し550℃で巻き取っ
た。次いで1120℃まで100秒で加熱後930℃で
約120秒加熱後水冷した。
【0062】次いで本発明材と同一条件で冷延を行い、
830℃で120秒本発明材と同じ雰囲気で加熱後77
0℃で36秒間窒化処理を行い窒素量を200ppm とし
た。一次再結晶後の結晶粒径は24μmであった。
【0063】次いで本発明と同一の焼鈍分離剤を塗布
し、50%N2 −H2 の雰囲気で昇温速度15℃/hrで
1200℃まで加熱後、100%H2 雰囲気で20時間
加熱後冷却した。次いで歪取り焼鈍を行い磁束密度を測
定し表1に示す。表1に示した如く本発明で作成した電
磁鋼板は熱延板焼鈍を省略しているにもかかわらず著し
く磁束密度が高い。表1に示したように本発明材は比較
材と同等以上の良好な磁気特性が得られた。
【0064】
【表1】
【0065】
【発明の効果】本発明により、磁気特性の優れた電磁鋼
板が安価に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】A法、B法及び本発明法の一次再結晶焼鈍後の
結晶粒径と一次再結晶温度の関係を示す図表。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量比で C :0.001〜0.090%、 Si:2.0〜4.5%、 酸可溶性Al:0.010〜0.080%、 N :0.0001〜0.0040%、 SまたはSe単独またはそれらの和:0.0080〜
    0.060%、 Cu:0.01〜1%、 Mn:0.01〜0.5%、及び Bi:0.005〜0.15%、 P :0.001〜0.15%、 Sn:0.001〜0.3%、 Sb:0.001〜0.15%、 Pb:0.001〜0.15%、 B :0.0010〜0.1%、 V :0.01〜0.10%、 Nb:0.001〜0.10%、 Zr:0.001〜0.10% の1種または2種以上、 残部Fe及び不可避的不純物を含んだ一次再結晶焼鈍前
    の冷延率が75%以上95%以下とした電磁鋼冷延板を
    800℃以上1000℃以下の温度で1秒以上300秒
    以内焼鈍後全窒素量が50ppm 以上1000ppm に入る
    ように調整した後焼鈍分離剤を塗布し、仕上焼鈍を施す
    ことを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】 一次再結晶焼鈍後の平均結晶粒径が図1
    に示すA点(800℃,18μm)、B点(800℃,
    14μm)、C点(1000℃,14μm)、D点(1
    000℃,26μm)で囲まれる範囲にあることを特徴
    とする請求項1記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0959142A3 (en) * 1998-05-21 2003-09-17 Kawasaki Steel Corporation Grain oriented electromagnetic steel sheet and manufacturing method thereof
WO2014032216A1 (zh) 2012-08-30 2014-03-06 宝山钢铁股份有限公司 一种高磁感取向硅钢及其制造方法
CN104294155A (zh) * 2014-09-28 2015-01-21 东北大学 一种超低碳取向硅钢及其制备方法
EP3561103A4 (en) * 2016-12-22 2019-11-20 Posco CORNORATED ELECTRIC STEEL PLATE AND METHOD OF MANUFACTURING THEREOF

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