JPH08232176A - インクジェット捺染方法および同方法により記録された捺染物 - Google Patents

インクジェット捺染方法および同方法により記録された捺染物

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JPH08232176A
JPH08232176A JP7040378A JP4037895A JPH08232176A JP H08232176 A JPH08232176 A JP H08232176A JP 7040378 A JP7040378 A JP 7040378A JP 4037895 A JP4037895 A JP 4037895A JP H08232176 A JPH08232176 A JP H08232176A
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ink
weight
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cloth
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JP7040378A
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Yoshiko Miyashita
佳子 宮下
Yasushi Miura
康 三浦
Atsushi Aoki
淳 青木
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インクの定着時において捺染物の画像のにじ
み状態・鮮明性・濃度・発色状態を安定させ、所望の捺
染物を繰り返し形成可能とし、且つ画像品位の優れた捺
染物を形成するインクジェット捺染方法を提供する。 【構成】 液体成分と固体成分からなり、液体成分とし
て水と有機溶剤を含むインクを使用するインクジェット
捺染方法において、前記インクを記録媒体へ付与した
後、インク中の液体成分比(重量比)が固体成分比1に
対して9以下になるように乾燥を行い、次いで定着処理
を行うことを特徴とするインクジェット捺染方法。ま
た、その方法により記録された捺染物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェット捺染方法
および同方法により記録された捺染物に関する。
【0002】
【従来の技術】現在の捺染の主流は、スクリーン捺染、
ローラー捺染である。これらの方式はいずれも、版を起
こす必要があり、多品種少量生産には不向きであり、流
行への迅速な対応も困難であることから、最近では無製
版の電子捺染システムが要望されている。この要望に対
して、インクジェット記録方法による捺染方法(以下
「インクジェット捺染方法」と表す。)が数多く提案さ
れており、各方面からの期待も大きくなっている。
【0003】インクジェット記録装置は、記録ヘッド
(記録手段)から記録媒体(被記録材)にインクを吐出
して記録を行うものである。このインクジェット記録装
置は、記録ヘッドのコンパクト化が容易であり、高精細
な画像を高速で記録することができ、ランニングコスト
が低く、ノンインパクト方式であるため騒音が少なく、
しかも多色のインクを使用してカラー画像を記録するこ
とが容易である等の利点を有している。
【0004】特に、熱エネルギーを利用してインクを吐
出するインクジェット記録装置の記録ヘッドは、エッチ
ング、蒸熱、スパッタリング等の半導体製造プロセスを
経て、基盤上に製膜された電気熱変換体、電極、液路
壁、天板等を形成することにより作製され、高密度の液
路・吐出口配置を容易に形成することができるため、一
層のコンパクト化を図ることができる。
【0005】しかしながら、上述のインクジェット記録
装置を捺染に利用し、直接布帛に複数色のインクを吐出
してカラープリントを行うと、複数のドットが隣接また
は重なる場合、ドットが広がり、高精細な画像が得られ
ないという欠点があった。特に混色部やエッジなどでド
ット間の混色やにじみ等による画像劣化が顕著に目立
つ。
【0006】このような問題に対し、インクジェット記
録装置でインクを布帛に付与する際、インクの面積被覆
率を、対応するプリント画素の面積に対し100%未満
とすることを本出願人は既に提案している。これによれ
ばにじみを適度に抑えることが可能になり、画像品位の
向上を図ることができる。
【0007】ところで、捺染においては、インクの布帛
への付与工程の後、染料を布帛に定着させるための定着
処理を必要とする。定着処理においては、染料や布帛の
種類によって定着メカニズムが多少異なるものの、一般
に蒸熱処理などがなされ、定着処理の最適化が行われて
いる。しかし、この定着処理前の捺染物の状態が定着処
理後の捺染物の画像品位に大きな影響を与え、同じ定着
条件で処理を行っても、染料のにじみ状態・鮮明性・濃
度・発色状態が異なり、前記のインクの面積被覆率の制
御だけでは、常に所望の捺染物を得ることが困難であっ
た。
【0008】このような問題に対し、捺染物が定着処理
後に適度なにじみ状態・鮮明性・濃度・発色状態を有す
ることを目的として、インクの付着した布帛が規定の水
分率を有するように定着処理前に布帛の乾燥を行うこと
が提案されている(特開平6−270401号公報)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
布帛の水分率の規定では、記録を行う繊維種や布帛種に
よって記録前の布帛が持つ水分量が異なったり、画像デ
ータによって布帛上のインク量が異なったりすることか
ら、布帛上のインクの状態を十分に規定することができ
なかった。
【0010】また、定着時のインクの状態に影響を与え
る因子としては、特に布帛上の染料の動きやすさが挙げ
られるが、この染料の挙動は、定着処理条件に対して敏
感であったり、水以外の液体成分(有機溶剤等)にも影
響されたりすることから、前記の布帛の水分率の規定だ
けでは、常に所望の捺染物を得ることができなかった。
【0011】そこで本発明の目的は、上記の問題を解決
し、インクの定着時において捺染物の画像のにじみ状態
・鮮明性・濃度・発色状態を安定させ、所望の捺染物を
繰り返し形成可能とし、且つ画像品位の優れた捺染物を
形成するインクジェット捺染方法を提供することであ
る。また、この方法により画像品位の優れた捺染物を提
供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために種々の検討を重ねた結果、本発明を
完成した。すなわち本発明は、液体成分と固体成分から
なり、液体成分として少なくとも水と有機溶剤を含むイ
ンクを使用するインクジェット捺染方法において、前記
インクを記録媒体へ付与した後、インク中の液体成分比
(重量比)が固体成分比1に対して9以下、好ましくは
6以下、さらに好ましくは2以下になるように乾燥を行
い、次いで定着処理を行うことを特徴とするインクジェ
ット捺染方法に関する。また、この方法により記録され
た捺染物に関する。
【0013】以下、本発明を詳細に説明する。
【0014】一般的なインクジェット捺染方法は、次の
ようにして行われる。すなわち、布帛の前処理、インク
の布帛への付与(以下「インクの付与」と表す。)、イ
ンクの布帛への定着処理(以下「インクの定着処理」と
表す。)、インクが定着した布帛の洗浄、インクが定着
した布帛の乾燥の順で捺染が行われる。
【0015】本発明の方法の特徴は、インクの付与後、
定着処理前において、布帛上のインク中の液体成分比が
固体成分比に対して特定の値以下となるように乾燥(以
下「中間乾燥」と表す。)を行うことである。
【0016】中間乾燥は、布帛上のインク中の液体成分
比(重量比)が固体成分比1に対して9以下になるよう
に行う。好ましくは6以下であり、より好ましくは2以
下である。なお、インク中の液体成分比とは、常温で液
体である成分のインク中の組成比(重量比)であり、主
に水や水溶性有機溶媒の組成比である。ここで「常温で
液体である」とは、好ましくは0〜50℃の範囲で液体
であることをいう。一方、固体成分比とは、インク中か
ら前記液体成分を除いた残りの組成比であり、主に染料
の組成比である。
【0017】布帛上のインク中の液体成分比(重量比)
が固体成分比1に対して9よりも大きい場合は、インク
中の染料が繊維上を移動しやすい環境になるため、定着
時にドットの領域が著しく広がる。特に混色部では、繊
維内への浸透よりも繊維表面における移動が激しいた
め、各ドット間での混色がひどく、画像の鮮明性が低下
し、エッジではにじみがひどくなる。また、各領域のイ
ンクの状態によって混色の程度が異なるため、定着処理
後の捺染物の濃度や混色部の色味(発色状態)に大きな
影響を与えやすくなる。さらに、インク中の染料の挙動
が定着処理の条件に敏感になるため、毎回、同じ画像品
位の捺染物を得ることが困難となる。
【0018】しかし、布帛上のインク中の液体成分比
(重量比)が固体成分比1に対して9以下になるように
中間乾燥を行えば、上記のようなインク中の染料の不都
合な挙動もなく、定着処理の条件にも左右されにくい。
したがって、定着処理において画像のにじみ状態・鮮明
性・濃度・発色状態が安定するため、所望の捺染物を繰
り返し形成することができ、且つ画像品位の優れた捺染
物を得ることができる。
【0019】中間乾燥は、布帛上のインク中の液体成分
比(重量比)が固体成分比1に対して0.1より小さく
ならないように行うことが望ましい。好ましくは0.5
より小さくならないように行う。布帛によるが、通常、
0.1より小さくしようとすると、その乾燥処理によっ
て、布帛の風合いが低下する場合が多いためである。
【0020】中間乾燥の方法は特に限定されず、例え
ば、恒温乾燥器、赤外線ヒータ、熱風乾燥器、アイロン
等を用いて行う。また、中間乾燥の処理条件は、布帛上
に付与するインクの量や種類、乾燥装置の仕様、乾燥エ
リアの空気の流動の有無などによって異なるので特に限
定されないが、乾燥温度および乾燥時間はともに布帛の
風合いを劣化させない条件とすることが望ましい。好ま
しい乾燥温度は、乾燥時間にもよるが25〜200℃が
適当である。
【0021】中間乾燥後の布帛上のインク中の液体成分
比(固体成分に対する重量比)は、以下のようにして決
定した。正確に秤量した同質量(W)の布帛を2枚用意
する。布帛の一方のみに記録を行い、この記録を行った
布帛を正確に秤量する(Wi)。次いで、記録を行った
布帛と未記録の布帛の双方を同じ条件下で中間乾燥し、
再びそれぞれを正確に秤量する(Wit、Wi)。下記の
式(I)、式(II)及び式(III)から、中間乾燥
後の布帛上のインク中の液体成分比(L)を求める。
【0022】 L=(Mlt/Mst)=((Mt−Mst)/Mst) (I) Mt=Wit−Wt (II) Mst=r×M=r×(Wi−W) (III) 中間乾燥後の布帛上のインク中の液体成分の重量:Mlt 中間乾燥後の布帛上のインク中の固体成分の重量:Mst 中間乾燥後の布帛上のインク重量 :Mt 記録された布帛の中間乾燥後の重量 :Wit 未記録の布帛の中間乾燥後の重量 :Wt 中間乾燥前のインク中の固体成分の重量比率 :r 中間乾燥前の布帛上のインク重量 :M(=Wi−W) 記録された布帛の中間乾燥前の重量 :Wi 未記録の布帛の中間乾燥前の重量 :W なお、中間乾燥前のインク中の固体成分の重量比率
(r)は、インク調製時のインクの組成比率(記録前)
を直接用いることができる。また、調製時の組成比率が
わからない場合などは、インク(記録前)を所定の温度
で乾固し、このとき得られた重量(恒量値)の全インク
量に対する比率(重量%)をrとして用いてもよい。
【0023】本発明のインクジェット捺染方法に用いる
インクとしては、基布(布帛)の繊維を染色できるもの
であれば特に制限されないが、各種染料を含んだ水性溶
媒から構成されるインク(染料インク)が好ましい。イ
ンク中の染料は水性溶媒に溶解または分散している。
【0024】染料インクに用いられる染料は、布帛を構
成する繊維に対して染色可能な染料であれば特に限定さ
れないが、酸性染料、直接染料、反応染料、塩基性染
料、分散染料等が好ましい。
【0025】これらの染料は、インク中に1種または2
種以上を含有させ、また色相の異なる染料を併用しても
よい。染料の使用量としては、インク全量に対して1〜
30重量%が適当であり、好ましくは1.5〜25重量
%、より好ましくは2〜20重量%である。1重量%未
満では発色濃度が不十分であり、一方、30重量%を超
えるとインクの吐出適正が不十分となる。
【0026】インクに用いられる水性溶媒は、少なくと
も水と有機溶剤から調製する。水が主成分として用いら
れ、その使用量は全インク量に対して30〜90重量%
が適当であり、好ましくは40〜90重量%、より好ま
しくは、50〜85重量%である。
【0027】一方、有機溶剤は、インクの吐出適正・発
一性・固着防止性の向上させるために水と併用する。好
適な有機溶剤としては、チオジグリコール、ジエチレン
グリコール等が挙げられる。有機溶剤の使用量は、全イ
ンク量に対して3〜60重量%が適当であり、好ましく
は5〜50重量%である。
【0028】さらに、水溶性であるか又は水と親和性の
ある一般的な有機溶剤を上記有機溶剤と併用してもよ
い。これらの1種を又は2種以上を混合して併用しても
よい。使用量は、前記有機溶剤との合計が前記有機溶剤
の使用量の範囲内となるように併用することが望まし
い。一般的な有機溶剤としては、例えば、メタノール・
エタノール・イソプロピルアルコール等の一価アルコー
ル類、アセトン・ジアセトンアルコール等のケトンまた
はケトアルコール類、テトラヒドロフラン・ジオキサン
等のエーテル類、トリエチレングリコール・テトラエチ
レングリコール・ジプロピレングリコール・トリプロピ
レングリコール・ポリエチレングリコール・ポリプロピ
レングリコール等のオキシエチレンまたはオキシプロピ
レン付加重合体、エチレングリコール・プロピレングリ
コール・トリメチレングリコール・ブチレングリコール
・ヘキシレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の
炭素原子を含むアルキレングリコール類、1,2,6−
ヘキサントリオール等のトリオール類、グリセリン、エ
チレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル・
ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテ
ル・トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)
エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル
類、トリエチレングリコールジメチル(又はエチル)エ
ーテル・テトラエチレングリコールジメチル(又はエチ
ル)エーテル等の多価アルコールの低級ジアルキルエー
テル類、スルホラン、N−メチル−2−ピロリドン、
1,3−ジメチル−2−イミダゾリンジノン等が挙げら
れる。
【0029】本発明の方法に使用されるインクの主要成
分は上記の通りであるが、添加助剤として各種の分散
剤、界面活性剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、蛍光増
白剤等を必要に応じて添加してもよい。例えば、ポリビ
ニルアルコール・セルロース類・水溶性樹脂等の粘度調
整剤、カチオン又はノニオン型の各種界面活性剤、ジエ
タノールアミン・トリエタノールアミン等の表面張力調
整剤、緩衝液によるpH調整剤、防カビ剤等を挙げるこ
とができる。
【0030】以上が本発明の方法に使用されるインクの
全成分であるが、インク中に固体成分が全インク量の1
〜30重量%以上含有されていることが適当である。好
ましくは1.5〜25重量%であり、より好ましくは2
〜20重量%である。
【0031】本発明の方法に用いる布帛としては、次の
性能が要求される。(a)インクを十分な濃度に発色さ
せ得ること。(b)インクの染着率が高いこと。(c)
インクが布帛上で速やかに乾燥すること。(d)布帛上
での不規則なインクのにじみの発生が少ないこと。
(e)装置内での搬送性に優れていること。
【0032】これらの要求性能を満足させるために、布
帛に対して、あらかじめ前処理を行うことが望ましい。
例えば、特開昭62−53492号公報においてはイン
ク受容層を有する布帛類が開示され、また、特公平3−
46589号公報においては還元防止材やアルカリ性物
質を含有させた布帛の提案がなされている。
【0033】本発明の方法に好ましい前処理の例として
は、アルカリ性物質・水溶性高分子・水溶性金属塩・尿
素・チオ尿素から選ばれる物質(前処理剤)を布帛に含
有させる処理を挙げることができる。
【0034】アルカリ性物質としては、例えば、水酸化
ナトリウム・水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属、
モノエタノールアミン・ジエタノールアミン・トリエタ
ノールアミン等のアミン類、炭酸ナトリウム・炭酸カリ
ウム・重炭酸ナトリウム等の炭酸もしくは重炭酸アルカ
リ金属塩、酢酸カルシウム・酢酸バリウム等の有機酸金
属塩、アンモニア、アンモニア化合物等が挙げられる。
また、スチーミング及び乾熱下でアルカリ物質となるト
リクロロ酢酸ナトリウム等を用いてもよい。特に好まし
いアルカリ性物質は、反応性染料の染色に用いられる炭
酸ナトリウムおよび重炭酸ナトリウムである。
【0035】水溶性高分子としては、天然高分子系とし
て、例えば、トウモロコシ・小麦等のデンプン物質、カ
ルボキシメチルセルロース・メチルセルロース・ヒドロ
キシエチルセルロース等のセルロース系物質、アルギン
酸ナトリウム・アラビアゴム・ローカスイトビーンガム
・トラガントガム・グアガム・タマリンド種子等の多糖
類、ゼラチン・カゼイン等の蛋白質物質、タンニン系物
質、リグニン系物質等が挙げられる。合成高分子として
は、例えば、ポリビニルアルコール系化合物、ポリエチ
レンオキサイド系化合物、アクリル酸系水溶性高分子、
無水マレイン酸系水溶性高分子等が挙げられる。これら
の中でも多糖類系高分子やセルロース系高分子が好まし
い。
【0036】水溶性金属塩としては、アルカリ金属・ア
ルカリ土類金属のハロゲン化物のように典型的なイオン
結晶を作るものであって、水性溶媒中でpH4〜10を
示す化合物が望ましい。このような化合物の例として
は、例えば、NaCl・Na2SO4・KCl・CH3
OONa等のアルカリ金属化合物、CaCl2・MgC
2等のアルカリ土類金属化合物が挙げられる。中でも
Na、K又はCaの塩類が好ましい。
【0037】前処理において上記の物質を布帛に含有さ
せる方法としては、特に制限はないが、浸漬法・パッド
法・コーティング法・スプレー法などの一般的な方法を
用いることができる。
【0038】本発明の方法における定着処理は従来公知
の方法で行うことができる。例えば、スチーミング法・
HTスチーミング法・サーモフィックス法等が挙げら
れ、布帛の前処理としてアルカリ処理を行っていない場
合は、アルカリパッドスチーム法・アルカリブロッチス
チーム法・アルカリショックスチーム法・アルカリコー
ルドフィックス法等が挙げられる。インクを布帛に付与
しただけでは、インク中の染料は布帛上に単に物理的に
付着しているにすぎず、染料を繊維と反応させ化学的に
固定するため、定着(染着)処理を行う必要がある。
【0039】本発明の方法において定着処理後の布帛の
洗浄は、従来公知の方法によって行うことができる。例
えば、常温あるいは常温より若干高い温度において中性
洗剤で洗浄する。このような洗浄は、定着処理後の未反
応の染料や布帛の前処理に用いた物質を除去するために
行われる。
【0040】次にインクジェット記録装置について図面
を参照しながら説明する。図1は、本発明の方法に用い
るインクジェット記録装置の記録部の一例を示す斜視図
である。
【0041】インクジェット記録部の構成は、大別する
と、フレーム枠(1)、2本のガイドレール(2)、記
録ヘッド(3)(インクジェットヘッド)、記録ヘッド
の移動用キャリッジ(4)、インク供給装置(5)、イ
ンク供給装置の移動用キャリッジ(6)、記録ヘッド回
復装置(7)および電送系(8)からなる。記録ヘッド
(3)は、複数のノズル列と、電気信号をインク吐出エ
ネルギーに変換するための変換装置とを備え、画像処理
部(図示せず)から送られてきた画像信号に応じてノズ
ル列から選択的にインクを吐出させる機能を持つ。
【0042】上記記録ヘッド(3)は、吐出手段として
電気熱変換体等を備えている。電気熱変換体は、インク
に熱エネルギーを与えてインクに状態変化を生起させ、
この状態変化によってインクを吐出させる。
【0043】インク供給装置(5)は、インクを貯留
し、記録ヘッド(3)にインクを必要量供給するための
ものであり、不図示のインクタンクやインクポンプなど
と接続されている。インク供給装置(5)と記録ヘッド
(3)とはインク供給チューブ(9)で接続され、イン
クは毛細管作用により記録ヘッド(3)から吐出される
量だけ自動的に記録ヘッド(3)に供給される。また、
後述する記録ヘッド回復動作においては、インクポンプ
により強制的にインクが記録ヘッド(3)に供給され
る。
【0044】記録ヘッド(3)及びインク供給装置
(5)は、それぞれキャリッジ(4)及びキャリッジ
(6)に搭載され、不図示の駆動装置によりガイドレー
ル(2)に沿って往復移動を行うように構成されてい
る。
【0045】記録ヘッド回復装置(7)は、記録ヘッド
(3)のインク吐出安定性を維持するために設けられた
ものであり、記録ヘッドのホームポジション(待機位
置)において記録ヘッドに対向する位置に設置されてい
る。この記録ヘッド回復装置(7)は、矢印A方向に前
進・後退ができ、具体的には次に述べるような機能を持
つ。非動作時に記録ヘッド(3)のノズル内からのイン
クの蒸発を防ぐためにホームポジションにおいて記録ヘ
ッドのキャッピングを行う(キャッピング動作)。ま
た、インクポンプにより記録ヘッド内のインク流路を加
圧してノズルから強制的にインクを排出する動作(加圧
回復動作)やノズルからインクを強制的に吸引排出する
動作(吸引回復動作)を行い、このときに排出されるイ
ンクを回収する。これにより、画像記録開始前にノズル
内の気泡やゴミなどを排出することができる。
【0046】電送系は、電源部および記録部全体のシー
ケンス制御を行うための制御部を備える。
【0047】布帛(10)には次のようにして画像が形
成される。記録ヘッド(3)がキャリッジ(4)に沿っ
て主走査方向に移動して所定の長さの記録が行われ、そ
の都度、布帛は、不図示の搬送装置により副走査方向
(矢印B方向)に所定量搬送される。これらの動作が繰
り返されて画像が形成されていく。図1中、斜線部(1
1)は記録が終了した領域を示す。
【0048】以下、記録ヘッド(3)についてさらに説
明する。記録ヘッド(3)としては、単色記録用の記録
ヘッド、カラー記録用の異なる色のインクで記録する複
数個の記録ヘッド、あるいは同一色彩で濃度の異なる濃
淡インクで記録する複数の記録ヘッドなどを用いること
ができる。また、記録ヘッドとインクタンクとを一体化
したカートリッジタイプのもの、あるいは記録ヘッドと
インクタンクを別体としこれらをインク供給チューブで
接続する構成のものなど、記録部およびインクタンクの
構成を問わず適用することができる。
【0049】さらに記録ヘッドとしては、ピエゾ素子等
の電気機械変換体等を備えた記録ヘッドも適用できる
が、熱エネルギーを利用してインクを吐出する電気熱変
換体方式の記録ヘッドを用いることが好ましい。この方
式によれば、記録の高密度化、高精細化が達成できる。
この方式の代表的な構成や原理については、例えば、米
国特許第4723129号明細書や同第4740796
号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行なう
ことが好ましい。この方式は、いわゆるオンデマンド型
やコンティニュアス型のいずれにも適用可能である。特
にオンデマンド型の場合には、記録ヘッド内の電気熱変
換体に、記録情報に対応して、インクが沸騰する急激な
温度上昇を誘因する駆動信号を印加することによって、
電気熱変換体に熱エネルギーを発生させ、熱作用面にお
いてインクを膜沸騰させ、結果的にこの駆動信号に一対
一に対応した気泡を形成する。この気泡の成長時の圧力
により吐出口からインクを吐出させ、インク滴を形成す
る。その際、駆動信号をパルス形状とすることがより好
ましい。これにより、即時適切に気泡の成長・収縮が行
なわれるので、応答性に優れたインクの吐出が達成でき
る。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4
463359号明細書及び同第4345262号明細書
に記載されているものが適している。また、熱作用面の
温度上昇率に関する発明(米国特許第4313124
号)によれば、さらに優れた記録を行なうことができ
る。
【0050】記録ヘッドの構成としては、上述の吐出口
・液路・電気熱変換体の組み合わせ構成(直線状液流路
又は直角液流路)の他に、熱作用部が流路の屈曲する領
域に配置されている構成としてもよい(米国特許第45
58333号、米国特許第4459600号)。加え
て、複数の電気熱変換体に対して共通するスリットを設
けて吐出部とする構成(特開昭59−1236780号
公報)や、熱エネルギーの圧力波を吸収する開孔を吐出
部に対応させる構成(特開昭59−138461号公
報)をとってもよい。また、記録媒体(被記録材)の最
大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘ
ッドを用いてもよい。複数の記録ヘッドの組み合わせに
よってその長さを満たす構成、または一体的に形成され
た1個の記録ヘッドとしての構成のいずれの構成を採用
してもよい。さらに、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、装置本体と
脱着可能な交換自在のチップタイプの記録ヘッド、また
は記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられた
カートリッジタイプの記録ヘッド等を用いることもでき
る。
【0051】記録ヘッドに対して回復手段、その他予備
的な補助手段等を付加することは記録を一層安定できる
ので好ましい。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッド
に対しての、キャッピング手段、クリーニング手段、加
圧・吸引手段、予備加熱手段(電気熱変換体、加熱素
子)を設けたり、予備吐出手段(記録とは別の吐出手
段)を設けてもよい。
【0052】搭載される記録ヘッドの種類や個数につい
ては、例えば、単色のインクに対応して1個の記録ヘッ
ドだけを設けたり、記録色や濃度を異にする複数のイン
クに対応して複数個の記録ヘッドを設けてもよい。記録
装置の記録モードとしては、記録ヘッドを一体的に構成
するか複数個の組み合わせにするかはいずれでもよく、
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、異なる
色の複色カラー又は/及び混色によるフルカラーの記録
モードを備えたインクジェット記録装置とすることもで
きる。
【0053】
【作用】捺染操作中の要因に限ると、捺染物の画像品位
は、定着処理前の布帛上のインクの状態に著しく影響を
受ける。これは、インク中の染料の挙動によるものと考
えられるが、この染料の挙動は布帛やインク中の水分量
だけでなく、その他の液体成分量によっても大きな影響
を受けていると思われる。これは換言すれば、布帛上の
インク中の液体成分量(水および有機溶剤を含む)が、
固体成分のほとんどである染料の挙動を左右していると
いえる。
【0054】したがって、定着処理の前に、インクを付
与した布帛を乾燥(中間乾燥)し、布帛上のインク中の
液体成分比を一定にすると、染料の挙動状態も一定とな
り、その結果、所望の画像が繰り返し形成可能となる。
【0055】さらに、これと同時に、布帛上のインク中
の液体成分比を固体成分比(ほぼ染料の成分比)に対し
て特定の値より小さくなるように中間乾燥を行うと、染
料の挙動状態が好適となり、その結果、上記の画像品位
の安定性が向上するとともに画像品位の優れた捺染物が
得られる。
【0056】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例によりさ
らに説明するが、本発明はこれらに限定するものではな
い。
【0057】実施例1 布帛としては、ナイロン100%の織布を使用した。ま
た、前処理として、布帛を濃度15重量%の尿素水溶液
中に浸漬し、乾燥を行った。この布帛を正確に秤量し、
同質量のものを2枚用意した。
【0058】インクジェット記録方法としては、吐出手
段として電気熱変換体を有し、400dpi、256ノ
ズル、矩形状ノズル口径22×33μmの記録ヘッドを
備えたインクジェット記録装置を使用し、平均吐出量3
0pl/ノズルで布帛へインクを吐出し、画像の記録を
行った。
【0059】インクとしては、以下の組成のものを用い
た。 染料 7重量部 シアン :C.I.Acid Blue 90(反応性染料) マゼンタ:C.I.Acid Red 266(反応性染料) イエロー:C.I.Acid Yellow 110(反応性染料) ブラック:C.I.Acid Black 26(反応性染料) チオジグリコール 5重量部 ジエチレングリコール 10重量部 エチルアルコール 13重量部 水 65重量部 塩化カリウム 0.004重量部 メタケイ酸ナトリウム 0.001重量部 塩化鉄 0.0005重量部 塩化亜鉛 0.0003重量部 本実施例では上記のインクを用い、前記布帛上に100
%濃度のベタ画像および平均総打ち込み量が200%の
幾何学模様の画像を記録した。
【0060】次に、記録を行ったこの布帛を、未記録の
布帛と一緒に50℃の乾燥機で15分間、中間乾燥を行
った。
【0061】中間乾燥後、それぞれの布帛を正確に秤量
した。中間乾燥後の布帛上のインク中の液体成分比(固
体成分比1に対する比率(重量比))(L)を式
(I)、式(II)及び式(III)にしたがって算出
したところ、6であった。
【0062】中間乾燥後の布帛(記録を行ったもの)に
対して定着処理を行った。定着処理は、温度102℃、
蒸気量100%の条件下で8分間蒸熱処理を行った。
【0063】その後、洗浄、次いで乾燥を行い本発明の
捺染物を得た。
【0064】得られた捺染物の濃度(O.D.値)、鮮明
性およびにじみ状態を評価した。結果を表1に示す。
【0065】実施例2 中間乾燥の処理時間を60分とした以外は実施例1と同
様にして行った。中間乾燥後の布帛上のインク中の液体
成分比(固体成分比1に対する比率(重量比))(L)
を式(I)、式(II)及び式(III)にしたがって
算出したところ、2であった。
【0066】得られた捺染物の濃度(O.D.値)、鮮明
性、にじみ状態、および実施例1の捺染物に対する、画
像の同じ部分の混色部における色差(MAXΔE)を評
価した。結果を表1に示す。
【0067】実施例3 以下に示すインクを用い、中間乾燥の処理時間を18分
とした以外は実施例1と同様にして行った。
【0068】 染料 5重量部 シアン :C.I.Acid Blue 90(反応性染料) マゼンタ:C.I.Acid Red 266(反応性染料) イエロー:C.I.Acid Yellow 110(反応性染料) ブラック:C.I.Acid Black 26(反応性染料) チオジグリコール 10重量部 ジエチレングリコール 5重量部 エチルアルコール 15重量部 水 65重量部 塩化カリウム 0.004重量部 メタケイ酸ナトリウム 0.001重量部 塩化鉄 0.0005重量部 塩化亜鉛 0.0003重量部 中間乾燥後の布帛上のインク中の液体成分比(固体成分
比1に対する比率(重量比))(L)を式(I)、式
(II)及び式(III)にしたがって算出したとこ
ろ、8であった。
【0069】得られた捺染物の濃度(O.D.値)、鮮明
性およびにじみ状態を評価した。結果を表1に示す。
【0070】実施例4 中間乾燥の処理時間を25分とした以外は実施例2と同
様にして行った。中間乾燥後の布帛上のインク中の液体
成分比(固体成分比1に対する比率(重量比))(L)
を式(I)、式(II)及び式(III)にしたがって
算出したところ、5であった。
【0071】得られた捺染物の濃度(O.D.値)、鮮明
性、にじみ状態、および実施例3の捺染物に対する、画
像の同じ部分の混色部における色差(MAXΔE)を評
価した。結果を表1に示す。
【0072】比較例1 中間乾燥の処理時間を5分とした以外は実施例1と同様
にして行った。中間乾燥後の布帛上のインク中の液体成
分比(固体成分比1に対する比率(重量比))(L)を
式(I)、式(II)及び式(III)にしたがって算
出したところ、10であった。
【0073】得られた捺染物の濃度(O.D.値)、鮮明
性、にじみ状態、および実施例1の捺染物に対する、画
像の同じ部分の混色部における色差(MAXΔE)を評
価した。結果を表1に示す。
【0074】比較例2 中間乾燥の処理時間を4分とした以外は実施例2と同様
にして行った。中間乾燥後の布帛上のインク中の液体成
分比(固体成分比1に対する比率(重量比))(L)を
式(I)、式(II)及び式(III)にしたがって算
出したところ、15であった。
【0075】得られた捺染物の濃度(O.D.値)、鮮明
性、にじみ状態、および実施例3の捺染物に対する、画
像の同じ部分の混色部における色差(MAXΔE)を評
価した。結果を表1に示す。
【0076】 液体性分比 :中間乾燥後の布帛上のインク中の液体成分比 (固体成分比1に対する比率(重量比)) 蒸発した液体量:中間乾燥により蒸発した布帛上のインク中の液体量 (中間乾燥前の布帛上のインク中の液体量を100 とした場合の相対量) O.D.値 :100%濃度の記録における最高O.D.値 (インクはマゼンタで測定。) 鮮明性 :図柄のシャープさを目視により判定。 (○:良好、△:やや良好、×:不良) にじみ状態 :エッジの直線部分の不規則な乱れを目視により判定。 (○:乱れが全くない。△:乱れが少しある。×:乱れが多い。) MAXΔE :色差(MINOLTA製分光光度計CM-2022により測定。)
【0077】
【発明の効果】本発明の方法によれば、画像のにじみ状
態および鮮明性が良好であり、画像品位が優れた捺染物
を得ることができる。
【0078】また、同一条件で繰り返し記録を行った
際、画像のにじみ状態や鮮明性はもちろん、画像濃度や
色味(発色状態)の変化が小さい。すなわち、高品位の
画像を安定して繰り返し形成できる。さらに、定着処理
の条件を従来ほど厳密に設定しなくても所望の捺染物を
繰り返し得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法に用いるインクジェット記録装置
の記録部の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 フレーム枠 2 ガイドレール 3 記録ヘッド 4 記録ヘッドの移動用キャリッジ 5 インク供給装置 6 インク供給装置の移動用キャリッジ 7 記録ヘッド回復装置 8 電送系 9 インク供給チューブ 10 布帛 11 記録が終了した領域

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体成分と固体成分からなり、液体成分
    として少なくとも水と有機溶剤を含むインクを使用する
    インクジェット捺染方法において、前記インクを記録媒
    体へ付与した後、インク中の液体成分比(重量比)が固
    体成分比1に対して9以下になるように乾燥を行い、次
    いで定着処理を行うことを特徴とするインクジェット捺
    染方法。
  2. 【請求項2】 液体成分比(重量比)が固体成分比1に
    対して6以下になるように乾燥を行う請求項1記載のイ
    ンクジェット捺染方法。
  3. 【請求項3】 液体成分比(重量比)が固体成分比1に
    対して2以下になるように乾燥を行う請求項1または2
    記載のインクジェット捺染方法。
  4. 【請求項4】 記録媒体へ付与前のインク中に、有機溶
    剤が全インク量の5〜50重量%含有されている請求項
    1、2または3記載のインクジェット捺染方法。
  5. 【請求項5】 記録媒体へ付与前のインク中に、固体成
    分が全インク量の2〜20重量%含有されている請求項
    1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット捺染方
    法。
  6. 【請求項6】 インクが染料インクである請求項1〜5
    のいずれか1項に記載のインクジェット捺染方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項の方法によ
    り記録された捺染物。
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