JPH08236349A - 軟磁性薄膜およびそれを用いた薄膜磁気デバイス - Google Patents
軟磁性薄膜およびそれを用いた薄膜磁気デバイスInfo
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- JPH08236349A JPH08236349A JP6335195A JP6335195A JPH08236349A JP H08236349 A JPH08236349 A JP H08236349A JP 6335195 A JP6335195 A JP 6335195A JP 6335195 A JP6335195 A JP 6335195A JP H08236349 A JPH08236349 A JP H08236349A
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- B82—NANOTECHNOLOGY
- B82Y—SPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
- B82Y25/00—Nanomagnetism, e.g. magnetoimpedance, anisotropic magnetoresistance, giant magnetoresistance or tunneling magnetoresistance
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- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01F—MAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
- H01F10/00—Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure
- H01F10/32—Spin-exchange-coupled multilayers, e.g. nanostructured superlattices
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高温熱処理後も低い保磁力、特に1 Oe 以下
という優れた軟磁気特性を実現することができる軟磁性
薄膜、およびこの軟磁性薄膜を備える薄膜磁気デバイス
を提供する。 【構成】 Ni−Fe合金で、成膜後の保磁力が1 Oe
以下の軟磁性材料で形成された軟磁性薄膜において、N
iの含有率を30〜80wt%に設定すると、成膜後に3
50℃を超える温度での熱処理を受けた後も保磁力が1
Oe 以下を維持する。
という優れた軟磁気特性を実現することができる軟磁性
薄膜、およびこの軟磁性薄膜を備える薄膜磁気デバイス
を提供する。 【構成】 Ni−Fe合金で、成膜後の保磁力が1 Oe
以下の軟磁性材料で形成された軟磁性薄膜において、N
iの含有率を30〜80wt%に設定すると、成膜後に3
50℃を超える温度での熱処理を受けた後も保磁力が1
Oe 以下を維持する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軟磁性薄膜、およびそ
れを用いた薄膜磁気デバイスに関する。
れを用いた薄膜磁気デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】薄膜磁気ヘッドや薄膜トランスの磁性薄
膜には、低保磁力、高飽和磁束密度等の優れた軟磁気特
性が要求される。
膜には、低保磁力、高飽和磁束密度等の優れた軟磁気特
性が要求される。
【0003】これらの磁性薄膜は、スパッタ法等の気相
成膜法やめっき法等の液相成膜法により形成されるのが
一般的であるが、めっき法、特に電気めっき法は、大面
積の成膜が容易で、しかも均一性の高い膜が得られ、ま
た、工程数が少なく設備が安価であるという利点があ
る。
成膜法やめっき法等の液相成膜法により形成されるのが
一般的であるが、めっき法、特に電気めっき法は、大面
積の成膜が容易で、しかも均一性の高い膜が得られ、ま
た、工程数が少なく設備が安価であるという利点があ
る。
【0004】このようなことから電着パーマロイ(Ni
−Fe合金)膜が薄膜ヘッド磁極材料として現在広く使
用されている。
−Fe合金)膜が薄膜ヘッド磁極材料として現在広く使
用されている。
【0005】パーマロイはNiFe合金の軟磁性材料の
総称でありJIS規格ではPC(77−81%Ni−F
e)、PB(40−50%Ni−Fe)、PE(50%
Ni−Fe)、PD(36%Ni−Fe)等の広い組成
でそれぞれ特徴ある材料が知られている。またインバー
として知られる低熱膨張率36%Ni−Fe合金もあ
る。
総称でありJIS規格ではPC(77−81%Ni−F
e)、PB(40−50%Ni−Fe)、PE(50%
Ni−Fe)、PD(36%Ni−Fe)等の広い組成
でそれぞれ特徴ある材料が知られている。またインバー
として知られる低熱膨張率36%Ni−Fe合金もあ
る。
【0006】薄膜磁気ヘッドや薄膜トランスの軟磁性薄
膜として電着法によるパーマロイ薄膜が広く検討されて
いる。このパーマロイ電着膜は約80%Ni−Fe合金
膜である。電着法によるパーマロイ薄膜はバルク材とは
異なり成膜したままで、すなわち特別な熱処理を施すこ
となく優れた軟磁気特性を有する。しかしながら耐熱性
が悪く350℃以上の熱が加わることで軟磁気特性が失
われてしまうことが広く知られていた。
膜として電着法によるパーマロイ薄膜が広く検討されて
いる。このパーマロイ電着膜は約80%Ni−Fe合金
膜である。電着法によるパーマロイ薄膜はバルク材とは
異なり成膜したままで、すなわち特別な熱処理を施すこ
となく優れた軟磁気特性を有する。しかしながら耐熱性
が悪く350℃以上の熱が加わることで軟磁気特性が失
われてしまうことが広く知られていた。
【0007】例えばIEEE Trans.Magn,Vol.27,No.6,
page4452(1991)における電着パーマロイの熱処理による
影響を述べた論文ではパーマロイの代表(Nominally) と
して82wt% Ni−18wt% Fe合金膜を揚げて、その
結果を論じている。この場合には400℃以上で保磁力
が5 Oe に急激に劣化することが報告されている。
page4452(1991)における電着パーマロイの熱処理による
影響を述べた論文ではパーマロイの代表(Nominally) と
して82wt% Ni−18wt% Fe合金膜を揚げて、その
結果を論じている。この場合には400℃以上で保磁力
が5 Oe に急激に劣化することが報告されている。
【0008】また、J.Electronic Materials,Vol.2,No.
2,page161(1973) では、論文巻頭のアブストラクトやイ
ントロダクションによれば軟磁気特性を有するパーマロ
イ電着膜として80wt% Ni−20wt% Fe合金膜につ
いて熱処理による影響を上記文献と同様に検討したとさ
れている。しかし詳細な内容を記した本文では実験に用
いられたパーマロイ合金膜の真の組成は82wt% Ni−
18wt% Feであるとしている。そして350℃以上の
熱処理で、やはり急激に保磁力が劣化することが報告さ
れている。すなわち、パーマロイ電着膜の組成による耐
熱性の違いについては全く知られておらず、80wt% N
i−20wt% Fe合金膜と82wt% Ni−18wt% Fe
合金膜の違いは無く、電着法によるパーマロイ膜は高温
の熱処理により保磁力は劣化すると考えられていたこと
がわかる。しかし、本発明に至る実験において、80wt
% Ni−20wt% Feの合金膜の場合には、400℃程
度までは耐熱性があることが判明した。
2,page161(1973) では、論文巻頭のアブストラクトやイ
ントロダクションによれば軟磁気特性を有するパーマロ
イ電着膜として80wt% Ni−20wt% Fe合金膜につ
いて熱処理による影響を上記文献と同様に検討したとさ
れている。しかし詳細な内容を記した本文では実験に用
いられたパーマロイ合金膜の真の組成は82wt% Ni−
18wt% Feであるとしている。そして350℃以上の
熱処理で、やはり急激に保磁力が劣化することが報告さ
れている。すなわち、パーマロイ電着膜の組成による耐
熱性の違いについては全く知られておらず、80wt% N
i−20wt% Fe合金膜と82wt% Ni−18wt% Fe
合金膜の違いは無く、電着法によるパーマロイ膜は高温
の熱処理により保磁力は劣化すると考えられていたこと
がわかる。しかし、本発明に至る実験において、80wt
% Ni−20wt% Feの合金膜の場合には、400℃程
度までは耐熱性があることが判明した。
【0009】より広い範囲のNi−Fe合金電着膜につ
いて日本金属学会春期講演大会概要(1993)、81
ページにパーマロイ組成と30wt% −Ni組成で保磁力
が低いとの報告がある。しかしその保磁力は1 Oe 以上
で特に優れた軟磁性膜には該当しない。
いて日本金属学会春期講演大会概要(1993)、81
ページにパーマロイ組成と30wt% −Ni組成で保磁力
が低いとの報告がある。しかしその保磁力は1 Oe 以上
で特に優れた軟磁性膜には該当しない。
【0010】また日本応用磁気学会誌Vol.18,page277(1
994)にはCoNiFe合金電着膜の広範囲組成の成膜直
後の保磁力と400℃アニール後の保磁力が開示されて
いる。NiFe合金付近の合金薄膜の挙動を見ると40
0℃以上では1 Oe 以上となっている。
994)にはCoNiFe合金電着膜の広範囲組成の成膜直
後の保磁力と400℃アニール後の保磁力が開示されて
いる。NiFe合金付近の合金薄膜の挙動を見ると40
0℃以上では1 Oe 以上となっている。
【0011】すなわちNi−Fe合金軟磁性電着膜の組
成による耐熱特性については全く知られておらず、パー
マロイ電着軟磁性薄膜と同様に350℃を超える温度で
の熱処理を受けると軟磁気特性は得られないものとされ
てきた。
成による耐熱特性については全く知られておらず、パー
マロイ電着軟磁性薄膜と同様に350℃を超える温度で
の熱処理を受けると軟磁気特性は得られないものとされ
てきた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】軟磁性薄膜に要求され
てる最重要特性はもちろん低い保磁力であるが、薄膜磁
気デバイスとしての実際の応用では耐熱特性が重要とな
る。すなわち他の材料との積層であり、他の材料の特性
を得るために高温で処理が不可欠となる。例えば絶縁層
として熱硬化フォトレジストを用いるには300℃から
400℃でのアニールが必要である。また真空成膜によ
る軟磁性薄膜との複合では成膜時に400℃以上の基板
加熱を行わなければならないことも多い。しかし電着法
によるパーマロイ薄膜は耐熱性が低いとされてきたため
に通常は300℃以下の熱履歴となるようなプロセスに
のみ使用されていた。しかしより高機能磁気デバイスの
ためにはより耐熱性の優れた軟磁性電着膜が要求されて
いる。
てる最重要特性はもちろん低い保磁力であるが、薄膜磁
気デバイスとしての実際の応用では耐熱特性が重要とな
る。すなわち他の材料との積層であり、他の材料の特性
を得るために高温で処理が不可欠となる。例えば絶縁層
として熱硬化フォトレジストを用いるには300℃から
400℃でのアニールが必要である。また真空成膜によ
る軟磁性薄膜との複合では成膜時に400℃以上の基板
加熱を行わなければならないことも多い。しかし電着法
によるパーマロイ薄膜は耐熱性が低いとされてきたため
に通常は300℃以下の熱履歴となるようなプロセスに
のみ使用されていた。しかしより高機能磁気デバイスの
ためにはより耐熱性の優れた軟磁性電着膜が要求されて
いる。
【0013】そこで、本発明は、高温熱処理後も低い保
磁力、特に1 Oe 以下という優れた軟磁気特性を実現す
ることができる軟磁性薄膜、およびこの軟磁性薄膜を備
える薄膜磁気デバイスを提供することを目的とする。
磁力、特に1 Oe 以下という優れた軟磁気特性を実現す
ることができる軟磁性薄膜、およびこの軟磁性薄膜を備
える薄膜磁気デバイスを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(7)の構成によって達成される。 (1)Ni−Fe合金で、成膜後の保磁力が1 Oe 以下
の軟磁性材料で形成された軟磁性薄膜において、Niの
含有率を30〜80wt%に設定し、成膜後に350℃を
超える温度での熱処理を受けた後の保磁力が1 Oe 以下
を維持する軟磁性薄膜。 (2)Niの含有率を70wt%以上、80wt%未満に設
定し、成膜後に350超〜520℃の熱処理を受けた後
の保磁力が1 Oe 以下を維持する上記(1)の軟磁性薄
膜。 (3)熱処理を受けた後の透磁率μが1000以上を維
持する上記(1)または(2)の軟磁性薄膜。 (4)面心立方晶相を主として含み、X線回折における
(200)面のピーク強度、面心立方晶(111)面の
ピーク強度をそれぞれI(200)、I(111)とし
たとき、 0.15≦I(200)/I(111)≦0.3 である上記(1)ないし(3)のいずれかの軟磁性薄
膜。 (5)熱処理を受けた後のグレインの平均粒径{X線回
折の(111)回折線の2θの半値幅から求めたもの}
が、120〜370A である上記(1)ないし(4)の
いずれかの軟磁性薄膜。 (6)電気めっき法により形成された上記(1)ないし
(5)のいずれかの軟磁性薄膜。 (7)上記(1)ないし(6)のいずれかの軟磁性薄膜
を備え、製造工程において、少なくとも1度、350℃
を超える温度での熱処理を受けた薄膜磁気デバイス。
(1)〜(7)の構成によって達成される。 (1)Ni−Fe合金で、成膜後の保磁力が1 Oe 以下
の軟磁性材料で形成された軟磁性薄膜において、Niの
含有率を30〜80wt%に設定し、成膜後に350℃を
超える温度での熱処理を受けた後の保磁力が1 Oe 以下
を維持する軟磁性薄膜。 (2)Niの含有率を70wt%以上、80wt%未満に設
定し、成膜後に350超〜520℃の熱処理を受けた後
の保磁力が1 Oe 以下を維持する上記(1)の軟磁性薄
膜。 (3)熱処理を受けた後の透磁率μが1000以上を維
持する上記(1)または(2)の軟磁性薄膜。 (4)面心立方晶相を主として含み、X線回折における
(200)面のピーク強度、面心立方晶(111)面の
ピーク強度をそれぞれI(200)、I(111)とし
たとき、 0.15≦I(200)/I(111)≦0.3 である上記(1)ないし(3)のいずれかの軟磁性薄
膜。 (5)熱処理を受けた後のグレインの平均粒径{X線回
折の(111)回折線の2θの半値幅から求めたもの}
が、120〜370A である上記(1)ないし(4)の
いずれかの軟磁性薄膜。 (6)電気めっき法により形成された上記(1)ないし
(5)のいずれかの軟磁性薄膜。 (7)上記(1)ないし(6)のいずれかの軟磁性薄膜
を備え、製造工程において、少なくとも1度、350℃
を超える温度での熱処理を受けた薄膜磁気デバイス。
【0015】
【作用・効果】本発明においては、上記したようにNi
含有率が30〜80wt%、特に70wt%以上、80wt%
未満のNi−Fe合金で軟磁性薄膜を構成したので、3
50℃を超える高温の熱処理に対しても、磁気特性が劣
化せず、1 Oe 以下の低い保磁力Hcを維持するととも
に、1000以上の透磁率μを維持する。
含有率が30〜80wt%、特に70wt%以上、80wt%
未満のNi−Fe合金で軟磁性薄膜を構成したので、3
50℃を超える高温の熱処理に対しても、磁気特性が劣
化せず、1 Oe 以下の低い保磁力Hcを維持するととも
に、1000以上の透磁率μを維持する。
【0016】したがって、従来は不可能であった、軟磁
性薄膜の成膜後に、必然的に350℃を超える熱処理を
受けるMIG(メタル・イン・ギャップ)型の薄膜磁気
ヘッドやポリイミド系絶縁膜を使用する薄膜磁気トラン
ス等の軟磁性薄膜として用いることができる。
性薄膜の成膜後に、必然的に350℃を超える熱処理を
受けるMIG(メタル・イン・ギャップ)型の薄膜磁気
ヘッドやポリイミド系絶縁膜を使用する薄膜磁気トラン
ス等の軟磁性薄膜として用いることができる。
【0017】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について詳細
に説明する。本発明の軟磁性薄膜は、Ni−Fe合金す
なわちパーマロイで形成されている。この軟磁性薄膜
は、一般に面心立方晶(fcc)相の単相である。
に説明する。本発明の軟磁性薄膜は、Ni−Fe合金す
なわちパーマロイで形成されている。この軟磁性薄膜
は、一般に面心立方晶(fcc)相の単相である。
【0018】本発明の軟磁性薄膜は、Ni含有量が30
〜80wt%、特に70wt%以上、80wt%未満、特に7
9.9wt% 以下であることが好ましい。Ni含有量が、
上記の範囲にあるとき、350℃を超える高温で熱処理
を受けても、1 Oe 以下の保磁力(Hc)を維持できる
からである。本発明では、成膜直後に0.3〜1 Oe、
特に0.3〜0.6 Oe 、熱処理後に0.3〜1 Oe 、
特に0.3〜0.6 Oe のHcをもつ。なお、Hcは通
常60Hzでの値である。
〜80wt%、特に70wt%以上、80wt%未満、特に7
9.9wt% 以下であることが好ましい。Ni含有量が、
上記の範囲にあるとき、350℃を超える高温で熱処理
を受けても、1 Oe 以下の保磁力(Hc)を維持できる
からである。本発明では、成膜直後に0.3〜1 Oe、
特に0.3〜0.6 Oe 、熱処理後に0.3〜1 Oe 、
特に0.3〜0.6 Oe のHcをもつ。なお、Hcは通
常60Hzでの値である。
【0019】また、本発明の軟磁性薄膜は、薄膜磁気デ
バイスに用いたとき、高再生出力や高変換効率を得るこ
とができるように上記熱処理を受けた後の1MHz での透
磁率μが1000以上、一般に1000〜5000であ
ることが好ましい。
バイスに用いたとき、高再生出力や高変換効率を得るこ
とができるように上記熱処理を受けた後の1MHz での透
磁率μが1000以上、一般に1000〜5000であ
ることが好ましい。
【0020】本発明の軟磁性薄膜においては、熱処理前
のグレインの平均粒径が80〜100A 程度で、熱処理
後のグレインの平均粒径が120〜370A 程度である
ことが好ましい。なお、この平均粒径は、X線回折(X
D)の(111)回折線の2θの半値幅(FWHM: F
ull width at half maximum )に基づいて求めた値であ
る。この値は透過電子顕微鏡等による直接観察とは異な
る値を示すことがある。たとえばNi組成81.9%の
合金薄膜の成膜時の粒径はXD法では95A で、透過電
子顕微鏡観察では60A 程度とほぼ一致しているが、こ
の試料の400℃アニール後ではXD法での408A に
対して透過電子顕微鏡観察では3500A である。しか
し透過電子顕微鏡観察では非常に時間のかかる作業であ
り、多くの試料の粒径を求めるのは実用的ではない。こ
のため本発明では粒径としてXD法による推定値を用い
た。熱処理後の平均粒径が上記の値を超えると、保磁力
(Hc)が増大し、透磁率μが減少する傾向がある。ま
た、小さすぎると、Bs やHcが劣化する傾向がある。
のグレインの平均粒径が80〜100A 程度で、熱処理
後のグレインの平均粒径が120〜370A 程度である
ことが好ましい。なお、この平均粒径は、X線回折(X
D)の(111)回折線の2θの半値幅(FWHM: F
ull width at half maximum )に基づいて求めた値であ
る。この値は透過電子顕微鏡等による直接観察とは異な
る値を示すことがある。たとえばNi組成81.9%の
合金薄膜の成膜時の粒径はXD法では95A で、透過電
子顕微鏡観察では60A 程度とほぼ一致しているが、こ
の試料の400℃アニール後ではXD法での408A に
対して透過電子顕微鏡観察では3500A である。しか
し透過電子顕微鏡観察では非常に時間のかかる作業であ
り、多くの試料の粒径を求めるのは実用的ではない。こ
のため本発明では粒径としてXD法による推定値を用い
た。熱処理後の平均粒径が上記の値を超えると、保磁力
(Hc)が増大し、透磁率μが減少する傾向がある。ま
た、小さすぎると、Bs やHcが劣化する傾向がある。
【0021】本発明の軟磁性薄膜がfcc相の単相から
なる場合、X線回折チャートにおけるfcc(200)
面のピーク強度およびfcc(111)面のピーク強度
をそれぞれI(200)およびI(111)としたと
き、 0.15≦I(200)/I(111)≦0.3 であることが好ましい。I(200)/I(111)<
0.15であると、保磁力が大きくなってしまう。この
値が0.3を超えると、結晶磁気異方性が変化して保磁
力が劣化することがある。
なる場合、X線回折チャートにおけるfcc(200)
面のピーク強度およびfcc(111)面のピーク強度
をそれぞれI(200)およびI(111)としたと
き、 0.15≦I(200)/I(111)≦0.3 であることが好ましい。I(200)/I(111)<
0.15であると、保磁力が大きくなってしまう。この
値が0.3を超えると、結晶磁気異方性が変化して保磁
力が劣化することがある。
【0022】本発明の軟磁性薄膜の飽和磁束密度(Bs
)は、0.8〜1.8T 程度であることが好ましい。
このBs は、VSMで測定した値である。なお、本発明
の発明者らの実験によれば、この飽和磁束密度(Bs )
は、熱処理の前後で変化がなかった。
)は、0.8〜1.8T 程度であることが好ましい。
このBs は、VSMで測定した値である。なお、本発明
の発明者らの実験によれば、この飽和磁束密度(Bs )
は、熱処理の前後で変化がなかった。
【0023】従って、本発明の軟磁性薄膜は、薄膜ヘッ
ドや薄膜トランス用の磁性薄膜として極めて有用であ
る。特に、MIG型磁気ヘッドのオーバーライト特性の
向上効果等の効果が期待できる。
ドや薄膜トランス用の磁性薄膜として極めて有用であ
る。特に、MIG型磁気ヘッドのオーバーライト特性の
向上効果等の効果が期待できる。
【0024】本発明の軟磁性薄膜は、ワット浴系、塩化
浴系、スルファミン浴系、硫酸浴系等の電気めっき法に
より作製することが好ましい。このとき用いるめっき浴
にはFeイオン、Niイオンが含有される。めっき浴中
におけるFeイオンおよびNiイオンの濃度は目的とす
る膜組成等に応じ適宜選択すればよく、通常、Feイオ
ン、Niイオンの濃度は、いずれも、各々0.01モル
/リットル〜溶解限度までとすることが好ましい。各金
属イオンの濃度が低くなると、金属の析出速度が低下し
やすく、実用的でない。Fe、Niの各イオンの供給源
は、硫酸塩、スルファミン酸塩、酢酸塩、硝酸塩等の水
溶性の塩から選択することが好ましく、安価であること
から特に硫酸塩を用いることが好ましい。また、Feイ
オンは、金属をめっき浴中に浸漬して自然溶解させた
り、電解により陽極を溶解させることにより供給するこ
ともできる。
浴系、スルファミン浴系、硫酸浴系等の電気めっき法に
より作製することが好ましい。このとき用いるめっき浴
にはFeイオン、Niイオンが含有される。めっき浴中
におけるFeイオンおよびNiイオンの濃度は目的とす
る膜組成等に応じ適宜選択すればよく、通常、Feイオ
ン、Niイオンの濃度は、いずれも、各々0.01モル
/リットル〜溶解限度までとすることが好ましい。各金
属イオンの濃度が低くなると、金属の析出速度が低下し
やすく、実用的でない。Fe、Niの各イオンの供給源
は、硫酸塩、スルファミン酸塩、酢酸塩、硝酸塩等の水
溶性の塩から選択することが好ましく、安価であること
から特に硫酸塩を用いることが好ましい。また、Feイ
オンは、金属をめっき浴中に浸漬して自然溶解させた
り、電解により陽極を溶解させることにより供給するこ
ともできる。
【0025】めっき浴のpHは2〜10、特に2〜4と
することが好ましく、浴温度は10〜80℃、特に20
〜45℃とすることが好ましい。めっき浴のpHおよび
温度を上記範囲とすることにより、良好なめっき膜を得
ることができる。これに対し、pHが低くなると金属の
析出速度が低下し、pHが高くなるとアンモニアガスの
発生等により作業環境が悪くなる。また、浴温度が低く
なると金属の析出速度が低下し、浴温度が高くなると浴
の安定性が得られない。
することが好ましく、浴温度は10〜80℃、特に20
〜45℃とすることが好ましい。めっき浴のpHおよび
温度を上記範囲とすることにより、良好なめっき膜を得
ることができる。これに対し、pHが低くなると金属の
析出速度が低下し、pHが高くなるとアンモニアガスの
発生等により作業環境が悪くなる。また、浴温度が低く
なると金属の析出速度が低下し、浴温度が高くなると浴
の安定性が得られない。
【0026】めっき浴中には、有機光沢剤を含有させて
もよい。有機光沢剤としてはサッカリンが好ましい。添
加量は0.5グラム/リットル以上とすれば十分である
が、使用中の消耗等を考慮して1〜6グラム/リットル
とすることが好ましい。めっき浴中には、この他、ラウ
リル硫酸ナトリウム等の界面活性剤、ホウ酸、塩化アン
モニウム等の通常の電気めっき浴に添加する成分を適宜
含有させてもよい。また、適宜、安定化剤として有機酸
イオン、還元剤、キレート剤等を添加してもよい。な
お、一般の条件では3価のFeイオンは沈澱を生じ好ま
しくないが、クエン酸、酒石酸等の安定剤ないしキレー
ト剤(錯体形成剤)を添加した場合は沈澱を生じないば
かりでなく、Hc低下に効果があるため、むしろ3価の
Feイオンを浴中に存在させる方が好ましい。
もよい。有機光沢剤としてはサッカリンが好ましい。添
加量は0.5グラム/リットル以上とすれば十分である
が、使用中の消耗等を考慮して1〜6グラム/リットル
とすることが好ましい。めっき浴中には、この他、ラウ
リル硫酸ナトリウム等の界面活性剤、ホウ酸、塩化アン
モニウム等の通常の電気めっき浴に添加する成分を適宜
含有させてもよい。また、適宜、安定化剤として有機酸
イオン、還元剤、キレート剤等を添加してもよい。な
お、一般の条件では3価のFeイオンは沈澱を生じ好ま
しくないが、クエン酸、酒石酸等の安定剤ないしキレー
ト剤(錯体形成剤)を添加した場合は沈澱を生じないば
かりでなく、Hc低下に効果があるため、むしろ3価の
Feイオンを浴中に存在させる方が好ましい。
【0027】なお、連続フィルタリングによりめっき浴
中の微粒子や水酸化物を取り除いてもよい。
中の微粒子や水酸化物を取り除いてもよい。
【0028】陽極は、微粒子除去の観点からは不溶性の
TiPt、フェライト電極が好ましい。しかし、陽極に
おいて酸化反応が起こるので、例えばイオン交換膜によ
り陰極部と分離することが望ましい。
TiPt、フェライト電極が好ましい。しかし、陽極に
おいて酸化反応が起こるので、例えばイオン交換膜によ
り陰極部と分離することが望ましい。
【0029】成膜時の電流密度は、0.1〜10A/dm2
とすることが好ましく、さらに は0.2〜5A/dm2 と
することが好ましい。電流密度を上記範囲とすることに
よって、良好なめっき膜を得ることができる。これに
対し、電流密度が小さくなると金属の析出速度が低下
し、電流密度が大きくなると膜中の金属粒子の粒子サイ
ズが増大し、内部応力も高くなる傾向があり、保磁力H
cが低下する。直流以外にもパルス電解や陰極溶解まで
行なう交流併用型も可能である。
とすることが好ましく、さらに は0.2〜5A/dm2 と
することが好ましい。電流密度を上記範囲とすることに
よって、良好なめっき膜を得ることができる。これに
対し、電流密度が小さくなると金属の析出速度が低下
し、電流密度が大きくなると膜中の金属粒子の粒子サイ
ズが増大し、内部応力も高くなる傾向があり、保磁力H
cが低下する。直流以外にもパルス電解や陰極溶解まで
行なう交流併用型も可能である。
【0030】めっき浴の溶媒としては、通常の水の他に
非水系溶媒、例えばメチルアルコール、ジメチルホルム
アミド、エチルアルコール、プロピレンカーバイド、溶
融塩等も使用可能である。
非水系溶媒、例えばメチルアルコール、ジメチルホルム
アミド、エチルアルコール、プロピレンカーバイド、溶
融塩等も使用可能である。
【0031】本発明の軟磁性薄膜では、Fe、Niの一
部を置換する形で、Cu、Cr、Sn、Rh、Pd、M
n、P、B、Zn、Sn、Pt等から選択された1種以
上の元素を含有させてもよい。含有量は全体の3wt% 以
下とすることが好ましい。
部を置換する形で、Cu、Cr、Sn、Rh、Pd、M
n、P、B、Zn、Sn、Pt等から選択された1種以
上の元素を含有させてもよい。含有量は全体の3wt% 以
下とすることが好ましい。
【0032】なお、膜中にはC、Sが微量含有されるこ
とがあるが、これらのものは磁気特性に大きな影響を与
えるので注意が必要となる。具体的には共に1000pp
m 以下であることが望ましい。
とがあるが、これらのものは磁気特性に大きな影響を与
えるので注意が必要となる。具体的には共に1000pp
m 以下であることが望ましい。
【0033】本発明の軟磁性薄膜の厚さは、目的に応じ
て適宜決定すればよく、特に制限はないが、低い保磁力
を得るためには、通常、0.5〜10μm 程度とするこ
とが好ましく、また、薄膜磁気ヘッドに適用する場合は
0.5〜4.5μm 程度、薄膜トランスに適用する場合
は3〜7μm 程度とすることが好ましい。
て適宜決定すればよく、特に制限はないが、低い保磁力
を得るためには、通常、0.5〜10μm 程度とするこ
とが好ましく、また、薄膜磁気ヘッドに適用する場合は
0.5〜4.5μm 程度、薄膜トランスに適用する場合
は3〜7μm 程度とすることが好ましい。
【0034】次に、以上説明した軟磁性薄膜を使用した
薄膜磁気ヘッドの構造の1例について説明する。
薄膜磁気ヘッドの構造の1例について説明する。
【0035】図1において、符号1は薄膜磁気ヘッド
で、この薄膜磁気ヘッド1は、スライダ2上に、絶縁層
3、下部磁極層4、ギャップ層5、絶縁層6、コイル層
7、絶縁層8、上部磁極層9および保護層10を順次有
するいわゆるMIG型薄膜磁気ヘッドである。
で、この薄膜磁気ヘッド1は、スライダ2上に、絶縁層
3、下部磁極層4、ギャップ層5、絶縁層6、コイル層
7、絶縁層8、上部磁極層9および保護層10を順次有
するいわゆるMIG型薄膜磁気ヘッドである。
【0036】スライダ2の構成材料としては、従来公知
の種々のものを用いればよく、例えばセラミックス、フ
ェライト等により構成すればよい。この場合、セラミッ
クス、特にAl2 O3 −TiCを主成分とするセラミッ
クス、ZrO2 を主成分とするセラミックス、SiCを
主成分とするセラミックスまたはAlNを主成分とする
セラミックスが好適である。なお、これらには、添加物
としてMg、Y、ZrO2 、TiO2 等が含有されてい
てもよい。スライダ7の形状やサイズ等の諸条件は公知
の何れのものであってもよく、用途に応じ適宜選択され
る。
の種々のものを用いればよく、例えばセラミックス、フ
ェライト等により構成すればよい。この場合、セラミッ
クス、特にAl2 O3 −TiCを主成分とするセラミッ
クス、ZrO2 を主成分とするセラミックス、SiCを
主成分とするセラミックスまたはAlNを主成分とする
セラミックスが好適である。なお、これらには、添加物
としてMg、Y、ZrO2 、TiO2 等が含有されてい
てもよい。スライダ7の形状やサイズ等の諸条件は公知
の何れのものであってもよく、用途に応じ適宜選択され
る。
【0037】スライダ2上には、絶縁層3が形成され
る。絶縁層3の材料としては従来公知のものは何れも使
用可能であり、例えば、SiO2 、ガラス、Al2 O3
等を用いることができる。絶縁層3の膜厚やパターンは
公知の何れのものであってもよく、例えば膜厚は、5〜
40μm 程度とする。
る。絶縁層3の材料としては従来公知のものは何れも使
用可能であり、例えば、SiO2 、ガラス、Al2 O3
等を用いることができる。絶縁層3の膜厚やパターンは
公知の何れのものであってもよく、例えば膜厚は、5〜
40μm 程度とする。
【0038】磁極は、通常、図示のように、下部磁極層
4と上部磁極層9として設けられる。上記上部磁性層9
は、第1、第2および第3磁性膜9−1、9−2、9−
3から構成されていることが好ましい。本発明では、下
部磁極層4および上部磁極層9の第1と第3の磁性膜9
−1、9−3として、本発明の軟磁性薄膜を用いること
が好ましい。下部磁極層4および上部磁極層9のパター
ン、膜厚等は公知のいずれのものであってもよい。例え
ば両磁極層の厚さは1〜5μm 程度とすればよい。上記
上部磁性層9の第2磁性膜9−2としては、FeTa
N、FeZrN、FeNbN、FeN等のBs が1.5
T 以上の高Bs 軟磁性材料を用いることが好ましい。
4と上部磁極層9として設けられる。上記上部磁性層9
は、第1、第2および第3磁性膜9−1、9−2、9−
3から構成されていることが好ましい。本発明では、下
部磁極層4および上部磁極層9の第1と第3の磁性膜9
−1、9−3として、本発明の軟磁性薄膜を用いること
が好ましい。下部磁極層4および上部磁極層9のパター
ン、膜厚等は公知のいずれのものであってもよい。例え
ば両磁極層の厚さは1〜5μm 程度とすればよい。上記
上部磁性層9の第2磁性膜9−2としては、FeTa
N、FeZrN、FeNbN、FeN等のBs が1.5
T 以上の高Bs 軟磁性材料を用いることが好ましい。
【0039】このようなFe−N系の膜は成膜時にはア
モルファス状態であるが熱処理によりαFe(アルファ
鉄)の微結晶にTa等の窒化物微粒子が均一に分散した
構造となり軟磁気特性が改善される。このアニール温度
は、通常、400℃から550℃が好ましく、特に50
0℃以上で十分なアニール効果が得られる。
モルファス状態であるが熱処理によりαFe(アルファ
鉄)の微結晶にTa等の窒化物微粒子が均一に分散した
構造となり軟磁気特性が改善される。このアニール温度
は、通常、400℃から550℃が好ましく、特に50
0℃以上で十分なアニール効果が得られる。
【0040】このような、アニールを行うと、先に設層
された下部磁性層4および上部磁性層9の第1磁性膜9
−1もこのアニールによる熱を受けてしまうが、上記し
たように、本発明においては、このような熱処理を受け
ても、下部磁性層4および上部磁性層9の第1磁性膜9
−1は、そのHcが1 Oe 以下、μが1000以上を維
持し、良好な特性を保ったままであり、その結果、高特
性の薄膜磁気ヘッドを得ることができる。
された下部磁性層4および上部磁性層9の第1磁性膜9
−1もこのアニールによる熱を受けてしまうが、上記し
たように、本発明においては、このような熱処理を受け
ても、下部磁性層4および上部磁性層9の第1磁性膜9
−1は、そのHcが1 Oe 以下、μが1000以上を維
持し、良好な特性を保ったままであり、その結果、高特
性の薄膜磁気ヘッドを得ることができる。
【0041】下部磁極層4および上部磁極層9の間には
ギャップ層5が形成される。ギャップ層5には、Al2
O3 、SiO2 等公知の種々の材料を用いればよい。ま
た、ギャップ層5のパターン、膜厚等は公知の何れのも
のであってもよく、例えば、膜厚は0.2〜1.0μm
程度とすればよい。
ギャップ層5が形成される。ギャップ層5には、Al2
O3 、SiO2 等公知の種々の材料を用いればよい。ま
た、ギャップ層5のパターン、膜厚等は公知の何れのも
のであってもよく、例えば、膜厚は0.2〜1.0μm
程度とすればよい。
【0042】コイル層7の材質には特に制限はなく、通
常用いられるAl、Cu等の金属を用いればよい。コイ
ルの巻回パターンや巻回密度についても制限はなく、公
知のものを適宜選択使用すればよい。例えば巻回パター
ンについては、図示のスパイラル型の他、積層型、ジグ
ザグ型等何れであってもよい。また、コイル層7の形成
にはスパッタ法等の各種気相被着法やめっき法等を用い
ればよい。図示例ではコイル層7は、いわゆるスパイラ
ル型としてスパイラル状に上部および下部磁極層4、9
間に配設されており、コイル層7と上部および下部磁極
層4、9間には絶縁層6、8が設層されている。
常用いられるAl、Cu等の金属を用いればよい。コイ
ルの巻回パターンや巻回密度についても制限はなく、公
知のものを適宜選択使用すればよい。例えば巻回パター
ンについては、図示のスパイラル型の他、積層型、ジグ
ザグ型等何れであってもよい。また、コイル層7の形成
にはスパッタ法等の各種気相被着法やめっき法等を用い
ればよい。図示例ではコイル層7は、いわゆるスパイラ
ル型としてスパイラル状に上部および下部磁極層4、9
間に配設されており、コイル層7と上部および下部磁極
層4、9間には絶縁層6、8が設層されている。
【0043】絶縁層6、8の材料としては従来公知のも
のは何れも使用可能であり、例えば、薄膜作製をスパッ
タ法により行なうときには、SiO2 、ガラス、Al2
O3等を用いることができる。
のは何れも使用可能であり、例えば、薄膜作製をスパッ
タ法により行なうときには、SiO2 、ガラス、Al2
O3等を用いることができる。
【0044】また、上部磁極層9上には保護層10が設
層される。保護層12の材料としては従来公知のものは
何れも使用可能であり、例えばAl2 O3 等を用いるこ
とができる。この場合、保護層10のパターンや膜厚等
は従来公知のものはいずれも使用可能であり、例えば膜
厚は10〜50μm 程度とすればよい。
層される。保護層12の材料としては従来公知のものは
何れも使用可能であり、例えばAl2 O3 等を用いるこ
とができる。この場合、保護層10のパターンや膜厚等
は従来公知のものはいずれも使用可能であり、例えば膜
厚は10〜50μm 程度とすればよい。
【0045】なお、本発明ではさらに各種樹脂コート層
等を積層してもよい。
等を積層してもよい。
【0046】このような薄膜磁気ヘッドの製造工程は、
通常、薄膜作製とパターン形成とによって行なわれる。
各層の薄膜作製には、上記したように、従来公知の技術
である気相被着法、例えば真空蒸着法、スパッタ法、あ
るいはめっき法等を用いればよい。薄膜磁気ヘッドの各
層のパターン形成は、従来公知の技術である選択エッチ
ングあるいは選択デポジションにより行なうことができ
る。エッチングには、各種のウエットエッチングやドラ
イエッチングを利用すればよい。
通常、薄膜作製とパターン形成とによって行なわれる。
各層の薄膜作製には、上記したように、従来公知の技術
である気相被着法、例えば真空蒸着法、スパッタ法、あ
るいはめっき法等を用いればよい。薄膜磁気ヘッドの各
層のパターン形成は、従来公知の技術である選択エッチ
ングあるいは選択デポジションにより行なうことができ
る。エッチングには、各種のウエットエッチングやドラ
イエッチングを利用すればよい。
【0047】本発明の薄膜磁気ヘッドは、アーム等の従
来公知のアセンブリーと組み合わせて使用される。
来公知のアセンブリーと組み合わせて使用される。
【0048】なお、高Bs 磁極膜に施される前述した熱
処理(アニール)は、絶縁層や保護層の形状加工の際の
フォトリソグラフィー工程中のレジスト加熱処理(35
0〜450℃程度)で代用することができる。また、絶
縁層や保護層の形成をスパッタ法により行なう場合、プ
ラズマや基板加熱により磁極層を350超〜520℃、
特に360〜520℃程度の温度にまで昇温できるの
で、これを前記熱処理に代えることもできる。本発明の
軟磁性薄膜および軟磁性多層膜は、この程度の温度で熱
処理した場合でも、良好な軟磁気特性が得られる。
処理(アニール)は、絶縁層や保護層の形状加工の際の
フォトリソグラフィー工程中のレジスト加熱処理(35
0〜450℃程度)で代用することができる。また、絶
縁層や保護層の形成をスパッタ法により行なう場合、プ
ラズマや基板加熱により磁極層を350超〜520℃、
特に360〜520℃程度の温度にまで昇温できるの
で、これを前記熱処理に代えることもできる。本発明の
軟磁性薄膜および軟磁性多層膜は、この程度の温度で熱
処理した場合でも、良好な軟磁気特性が得られる。
【0049】本発明の軟磁性薄膜は、上記した各種磁気
ヘッドのほかにも、薄膜インダクタ等の各種軟磁性部品
等に適用することができる。
ヘッドのほかにも、薄膜インダクタ等の各種軟磁性部品
等に適用することができる。
【0050】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明
をさらに詳細に説明する。 実施例1 10mm×10mm×0.1mm厚のガラス上に、スパッタ法
によりNiFeを500A 成膜した基板を使用した。め
っき前処理として1N−塩酸(常温)に30秒浸漬し、
水洗した後、以下のめっき条件にて軟磁性薄膜サンプル
を成膜した。
をさらに詳細に説明する。 実施例1 10mm×10mm×0.1mm厚のガラス上に、スパッタ法
によりNiFeを500A 成膜した基板を使用した。め
っき前処理として1N−塩酸(常温)に30秒浸漬し、
水洗した後、以下のめっき条件にて軟磁性薄膜サンプル
を成膜した。
【0051】めっき浴中の基板の周囲には銅板で補助カ
ソードを設けた。陰極全体の形状は3インチの円盤状で
あり、陽極には4インチ径のTiPt板を使用した。攪
拌には断面が三角形のパドルを用い、60回/分間の周
期で陰極から2mmの場所でパドル攪拌を行なった。めっ
き液は下記組成とし、その総量は約7リットルとした。
ソードを設けた。陰極全体の形状は3インチの円盤状で
あり、陽極には4インチ径のTiPt板を使用した。攪
拌には断面が三角形のパドルを用い、60回/分間の周
期で陰極から2mmの場所でパドル攪拌を行なった。めっ
き液は下記組成とし、その総量は約7リットルとした。
【0052】めっき浴組成(1リットル中) 硫酸ニッケル・6水塩 80〜350g 硫酸第一鉄・7水塩 4〜200g ホウ酸 25g 塩化アンモニウム 15g サッカリン 2g 界面活性剤 微量
【0053】めっき浴温度は20〜40℃、めっき浴の
pHは2〜3.5、電流密度は0.6〜2A/dm2 、めっ
き時間は10分間とし、300 Oe の直流磁界を印加し
ながら電気めっきを行ない、厚さ2μm の軟磁性薄膜サ
ンプルを得た。この場合、浴中の金属イオンの濃度比を
変化させることにより種々の組成のものを得た。まため
っき浴温度、pH、電流密度温度等によっても、異なる
組成が得られた。各サンプルについて、2kOe の磁場を
印加しながら真空熱処理炉にて300℃、400℃、4
50℃、500℃、600℃と温度を変え、で30分間
のアニールを行なった。
pHは2〜3.5、電流密度は0.6〜2A/dm2 、めっ
き時間は10分間とし、300 Oe の直流磁界を印加し
ながら電気めっきを行ない、厚さ2μm の軟磁性薄膜サ
ンプルを得た。この場合、浴中の金属イオンの濃度比を
変化させることにより種々の組成のものを得た。まため
っき浴温度、pH、電流密度温度等によっても、異なる
組成が得られた。各サンプルについて、2kOe の磁場を
印加しながら真空熱処理炉にて300℃、400℃、4
50℃、500℃、600℃と温度を変え、で30分間
のアニールを行なった。
【0054】得られた各サンプルについて、組成、熱処
理後の保磁力Hc(Oe)、飽和磁束密度Bs (T) 、透磁率
μ、X線回折からのグレインの平均粒径d(A) およびI
(200)/I(111)を測定した。なお、表1およ
び表2において、「as」はアニール前のサンプルを、
「300」、「360」、「400」、「450」およ
び「500」は、各サンプルのアニール温度をそれぞれ
示す。
理後の保磁力Hc(Oe)、飽和磁束密度Bs (T) 、透磁率
μ、X線回折からのグレインの平均粒径d(A) およびI
(200)/I(111)を測定した。なお、表1およ
び表2において、「as」はアニール前のサンプルを、
「300」、「360」、「400」、「450」およ
び「500」は、各サンプルのアニール温度をそれぞれ
示す。
【0055】測定は下記により行った。
【0056】(組成)蛍光X線分析装置、ICPを用い
て測定した。
て測定した。
【0057】(保磁力Hc)交流B−Hトレーサーによ
り60Hzにて測定した。
り60Hzにて測定した。
【0058】(飽和磁束密度Bs )VSMにより測定し
た。
た。
【0059】(透磁率μ)8の字コイル法により5MHz
、3mOe にて測定した。
、3mOe にて測定した。
【0060】(X線回折)Cu−Kα線(50kV,40
mA)を用い、各面のピークの強度を求めた。
mA)を用い、各面のピークの強度を求めた。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】表1、表2から明瞭なように、パーマロイ
において、Niの含有量は本発明範囲である30〜80
wt% のとき、350℃を超え、400℃以上の熱処理を
受けても、1 Oe 以下の低保磁力を維持する。また、特
に好ましいNiの含有量である70wt% 以上、80wt%
未満では、520℃程度までの熱処理を受けても、1Oe
以下の低保磁力や、1000以上の高μを保った。
において、Niの含有量は本発明範囲である30〜80
wt% のとき、350℃を超え、400℃以上の熱処理を
受けても、1 Oe 以下の低保磁力を維持する。また、特
に好ましいNiの含有量である70wt% 以上、80wt%
未満では、520℃程度までの熱処理を受けても、1Oe
以下の低保磁力や、1000以上の高μを保った。
【0064】実施例2 図1に示すようなMIG型薄膜磁気ヘッドを次のように
して作製した。
して作製した。
【0065】スライダ2にはアルティック(AlTi
C)基板を用い、この上にSiO2 の絶縁層3をスパッ
タで形成し、さらにその上に、電気めっきにて下部磁極
層4として電気めっきパーマロイ磁性層を3μm 成膜し
た。
C)基板を用い、この上にSiO2 の絶縁層3をスパッ
タで形成し、さらにその上に、電気めっきにて下部磁極
層4として電気めっきパーマロイ磁性層を3μm 成膜し
た。
【0066】さらにその上に下部磁極層4上に、ギャッ
プ層5としてアルミナ膜をスパッタによりを成膜し、こ
の上に再び上記と同様にSiO2 で絶縁層6を形成し
た。
プ層5としてアルミナ膜をスパッタによりを成膜し、こ
の上に再び上記と同様にSiO2 で絶縁層6を形成し
た。
【0067】この絶縁層6上にコイル層7を硫酸銅めっ
き浴を用い電気めっき法にて成膜し、またSiO2 絶縁
層8をスパッタ法にて成膜した。
き浴を用い電気めっき法にて成膜し、またSiO2 絶縁
層8をスパッタ法にて成膜した。
【0068】次いで、0.5μm のパーマロイを電気め
っき法にて上部磁極層9の第1の磁性膜9−1として成
膜し、
っき法にて上部磁極層9の第1の磁性膜9−1として成
膜し、
【0069】この上に、1.0μm のFeTaN膜(B
s =1.6T )を第2磁性膜9−2としてスパッタ法に
て成膜した。
s =1.6T )を第2磁性膜9−2としてスパッタ法に
て成膜した。
【0070】下記の条件でアニールしFeTaN膜の磁
気特性を改善した。
気特性を改善した。
【0071】次いで、電気めっきにてパーマロイ第3磁
性膜9−3を2.5μm 成膜し、この上に、保護層10
をスパッタ法によるアルミナで形成し、実施例および比
較例のサンプルを得た。
性膜9−3を2.5μm 成膜し、この上に、保護層10
をスパッタ法によるアルミナで形成し、実施例および比
較例のサンプルを得た。
【0072】 実施例2 層および膜4、9−1、9−3の電気めっき
組成78.5wt% Ni、アニール450℃、30分間。 比較例1 層および膜4、9−1、9−3の電気めっき
組成81.5wt% Ni、アニール450℃、30分間。 比較例2 層および膜4、9−1、9−3の電気めっき
組成81.5wt% Ni、アニール300℃、30分間。
組成78.5wt% Ni、アニール450℃、30分間。 比較例1 層および膜4、9−1、9−3の電気めっき
組成81.5wt% Ni、アニール450℃、30分間。 比較例2 層および膜4、9−1、9−3の電気めっき
組成81.5wt% Ni、アニール300℃、30分間。
【0073】以上のサンプルを用いて、Hc=2300
Oe の磁気媒体に記録再生しオーバーライト(OW)、
S/N特性を評価した。結果を下記する。
Oe の磁気媒体に記録再生しオーバーライト(OW)、
S/N特性を評価した。結果を下記する。
【0074】
【0075】OW、S/Nともに本発明の実施例が優れ
ていることがわかる。特に、S/Nの向上が顕著であっ
た。
ていることがわかる。特に、S/Nの向上が顕著であっ
た。
【0076】なお、上部磁性層9の第3磁性膜はアニー
ル工程が無いので81.5wt% Ni組成でも可能であ
る。
ル工程が無いので81.5wt% Ni組成でも可能であ
る。
【0077】
【発明の効果】本発明によれば、熱処理後でも低Hcで
高μの軟磁性薄膜が得られる。
高μの軟磁性薄膜が得られる。
【図1】本発明の軟磁性薄膜を用いた薄膜磁気ヘッドの
層構成例を示す断面図である。 1 薄膜磁気ヘッド 2 スライダ 3 絶縁層 4 下部磁性層 5 ギャップ層 6 絶縁層 7 コイル層 8 絶縁層 9 上部磁性層 10 保護層
層構成例を示す断面図である。 1 薄膜磁気ヘッド 2 スライダ 3 絶縁層 4 下部磁性層 5 ギャップ層 6 絶縁層 7 コイル層 8 絶縁層 9 上部磁性層 10 保護層
Claims (7)
- 【請求項1】 Ni−Fe合金で、成膜後の保磁力が1
Oe 以下の軟磁性材料で形成された軟磁性薄膜におい
て、Niの含有率を30〜80wt%に設定し、成膜後に
350℃を超える温度での熱処理を受けた後の保磁力が
1 Oe 以下を維持する軟磁性薄膜。 - 【請求項2】 Niの含有率を70wt%以上、80wt%
未満に設定し、成膜後に350超〜520℃の熱処理を
受けた後の保磁力が1 Oe 以下を維持する請求項1の軟
磁性薄膜。 - 【請求項3】 熱処理を受けた後の透磁率μが1000
以上を維持する請求項1または2の軟磁性薄膜。 - 【請求項4】 面心立方晶相を主として含み、X線回折
における(200)面のピーク強度、面心立方晶(11
1)面のピーク強度をそれぞれI(200)、I(11
1)としたとき、 0.15≦I(200)/I(111)≦0.3 である請求項1ないし3のいずれかの軟磁性薄膜。 - 【請求項5】 熱処理を受けた後のグレインの平均粒径
{X線回折の(111)回折線の2θの半値幅から求め
たもの}が、120〜370A である請求項1ないし4
のいずれかの軟磁性薄膜。 - 【請求項6】 電気めっき法により形成された請求項1
ないし5のいずれかの軟磁性薄膜。 - 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかの軟磁性薄
膜を備え、製造工程において、少なくとも1度、350
℃を超える温度での熱処理を受けた薄膜磁気デバイス。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6335195A JPH08236349A (ja) | 1995-02-27 | 1995-02-27 | 軟磁性薄膜およびそれを用いた薄膜磁気デバイス |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6335195A JPH08236349A (ja) | 1995-02-27 | 1995-02-27 | 軟磁性薄膜およびそれを用いた薄膜磁気デバイス |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08236349A true JPH08236349A (ja) | 1996-09-13 |
Family
ID=13226751
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6335195A Withdrawn JPH08236349A (ja) | 1995-02-27 | 1995-02-27 | 軟磁性薄膜およびそれを用いた薄膜磁気デバイス |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08236349A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2003090290A1 (en) * | 2002-04-22 | 2003-10-30 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Magnetoresistance effect element, magnetic head comprising it, magnetic memory, and magnetic recorder |
| US6898054B2 (en) | 2000-06-01 | 2005-05-24 | Alps Electric Co., Ltd. | Corrosion-resistant soft magnetic film, method of producing the same, thin film magnetic head using the same and method of manufacturing the thin film magnetic head |
-
1995
- 1995-02-27 JP JP6335195A patent/JPH08236349A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6898054B2 (en) | 2000-06-01 | 2005-05-24 | Alps Electric Co., Ltd. | Corrosion-resistant soft magnetic film, method of producing the same, thin film magnetic head using the same and method of manufacturing the thin film magnetic head |
| WO2003090290A1 (en) * | 2002-04-22 | 2003-10-30 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Magnetoresistance effect element, magnetic head comprising it, magnetic memory, and magnetic recorder |
| US6842317B2 (en) | 2002-04-22 | 2005-01-11 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Magnetoresistive element, magnetic head, magnetic memory and magnetic recording apparatus using the same |
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