JPH08236457A - 堆積膜形成方法および電子写真用感光体 - Google Patents

堆積膜形成方法および電子写真用感光体

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JPH08236457A
JPH08236457A JP7041863A JP4186395A JPH08236457A JP H08236457 A JPH08236457 A JP H08236457A JP 7041863 A JP7041863 A JP 7041863A JP 4186395 A JP4186395 A JP 4186395A JP H08236457 A JPH08236457 A JP H08236457A
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JP
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deposited film
high frequency
conductive substrate
cylindrical conductive
frequency power
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JP7041863A
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English (en)
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Tatsuyuki Aoike
達行 青池
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 大面積の基体上に、膜厚が均一で、優れた特
性を有する堆積膜を形成する方法、ならびに優れた電子
写真用感光体を提供する。 【構成】 排気手段と原料ガス導入手段を備えた真空気
密が可能な堆積室内に円筒状導電性基体を配置し、該円
筒状導電性基体を外包しかつ該基体と同心円状に配置さ
れた円筒状の高周波電極を複数配置し、その高周波電極
のそれぞれに対して交互に高周波電力を印加しながら、
高周波電極と円筒状導電性基体の間で放電を生じさせ、
堆積室内に導入された原料ガスをその放電によって分解
することにより、円筒状導電性基体上に堆積膜を形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体デバイスとしての
電子写真用感光体デバイス、画像入力用ラインセンサ
ー、撮像デバイス、光起電力デバイスなどに有用な結晶
質または非単結晶質の機能性堆積膜;半導体デバイスや
光学素子としての絶縁膜または金属配線などを形成する
堆積膜形成方法に関するもので、特にプラズマCVD法
に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体などで使用されているプラズマ処
理方法はそれぞれの用途に応じてさまざまなものがあ
る。例えば成膜などでは、プラズマCVD法を用いた酸
化膜、窒化膜の形成やアモルファスシリコン系の半導体
膜、またスパッタリング法を用いた金属配線膜、エッチ
ング方法を用いた微細加工技術などさまざまにその特徴
を生かす方法が使用されている。
【0003】さらに近年、膜質および処理能力向上に対
する要望も強くなっており、さまざまな工夫も検討され
ている。
【0004】特に高周波電力を用いたプラズマプロセス
は、放電の安定性が高く、酸化膜や窒化膜などの絶縁性
の材料形成にも使用できるなどの各種利点があることか
ら、広く利用されている。従来、プラズマCVDなどの
プラズマプロセスに用いられている放電用高周波電源の
発振周波数は、一般的に13.56MHzである。
【0005】そのような従来の堆積膜形成に一般的に多
く用いられているプラズマCVD装置の1例を図8に示
す。図8に示されるプラズマCVD装置は、円筒状導電
性基体上にアモルファスシリコン膜(以下、「a−Si
膜」と記す)を堆積して電子写真用感光体を作製する場
合に好適な成膜装置である。以下、この装置を用いたa
−Si膜の形成方法を説明する。
【0006】減圧可能な堆積室801内に円筒状の高周
波電極811および対向電極としての円筒状導電性基体
(電子写真感光体用基体)802が配置されている。円
筒状導電性基体802の両端部には補助基体803およ
び804が取りつけられており、対向電極の一部を成し
ている。膜厚および膜特性の均一性を向上させるため
に、高周波電極811の円筒軸方向の寸法は円筒状導電
性基体802および補助基体803,804の円筒軸方
向の長さと同程度に設定されている。円筒状導電性基体
802は、内部の加熱ヒーター805により内側より加
熱される。高周波電源831は、整合回路821を介し
て高周波電極811に接続されている。808は真空排
気ロ、809はメインバルブ、807は原料ガス導入バ
ルブ、806は原料ガス導入ロである。
【0007】堆積室801内に円筒状導電性基体802
を設置し、メインバルブ809を開け、排気口808を
介して堆積室801内を一旦排気する。その後原料ガス
導入バルブ807を開け、原料ガス導入ロ806を介し
て不活性ガスを堆積室801内に導入し、所定の圧力に
なるように流量を調整する。加熱用ヒーター805に通
電し、円筒状導電性基体802を所望の温度に加熱す
る。その後、原料ガス導入口806を介して成膜用の原
料ガス、例えばシランガス、ジシランガス、メタンガ
ス、エタンガスなどの材料ガスを、またジボランガス、
ホスフィンガスなどのドーピングガスを導入し、数Pa
から数100Paの圧力に維持するよう排気速度を調整
する。
【0008】13.56MHzの高周波電力を、高周波
電源831より整合回路821を介して高周波電極81
1に供給して、高周波電極811と対向電極としての円
筒状導電性基体802との間にプラズマ放電を発生さ
せ、原料ガスを分解することにより、円筒状導電性基体
802上にa−Si膜を堆積する。この間、円筒状導電
性基体802は加熱ヒーター805により所望の温度に
維持されている。その際、必要に応じて不図示の回転機
構により円筒状導電性基体802を回転させ、周方向の
膜厚分布を改善しても良い。
【0009】この成膜方法で電気写真用感光体の性能を
満足するa−Si膜を得るための堆積速度は、例えば1
時間当たり0.5〜6μm程度の堆積速度であり、それ
以上に堆積速度を上げると感光体としての特性を得るこ
とができない場合がある。また、一般に電子写真用感光
体としてa−Si膜を利用する場合、帯電能を得るため
に少なくとも20〜30μmの膜厚が必要であり、電子
写真用感光体を製造するためには長時間を要していた。
このため、感光体としての特性を落とさずに製造時間を
短縮する技術が切望されていた。
【0010】ところで近年、平行平板型のプラズマCV
D装置により20MHz以上の高周波電源を用いたプラ
ズマCVD法の報告があり、(Plasma Chemistry and P
lasma Processing, Vol.7, No.3, (1987) p.267-27
3)、放電周波数を従来の13.56MHzより高くす
ることで、堆積膜の性能を落とさずに堆積速度を向上さ
せることができる可能性が示されており、注目されてい
る。また、その放電周波数を高くする報告はスパッタリ
ングなどでもなされ、近年広くその優位性が検討されて
いる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者らが
堆積速度向上のために放電周波数を従来の13.56M
Hzより高い周波数の高周波電力に替え、成膜手順は従
来と同様の方法で成膜を行ったところ、確かに従来より
高い堆積速度で成膜することができることは確認でき
た。しかしながら、この場合、13.56MHzの放電
周波数の場合には問題とはならなかった以下のような問
題が新たに発生する場合があることが判明した。
【0012】すなわち、円筒状導電性基体を回転させな
がら成膜を行うと、確かに従来の膜の特性とほぼ同等の
膜が堆積され、周方向の膜厚分布も当然ながら均−に堆
積することができる。しかし、成膜炉のコスト低減、メ
ンテナンスの煩雑さを少なくするといった目的で円筒状
導電性基体の回転機構を省略した堆積膜形成装置を使
い、円筒状導電性基体を静止状態で成膜を行うと、周方
向に大きな膜厚差が生じることが判明した。つまり、円
筒状導電性基体を回転させている時には表面に現れなか
ったが、実際には成膜炉内のプラズマ状態は周方向でか
なり偏在化しており、堆積速度も場所により大きく異な
っていることが明らかになった。
【0013】さらに、円筒状導電性基体を静止状態で成
膜して電子写真用感光体を作製すると、周方向で異なっ
ているのは堆積速度だけではなく、堆積膜の電子写真特
性も場所によってかなり異なっていることが分った。こ
の特性のムラは堆積された膜の膜厚差のみでは説明でき
ないことから、堆積膜の膜質そのものが周方向で異なっ
ているものと推測される。
【0014】また、周方向の膜質の良好な部分では円筒
状導電性基体を回転させて成膜を行った電子写真用感光
体よりも特性に優れ、反対に周方向の膜質の劣っている
部分では回転させた電子写真用感光体の特性よりも劣っ
ていることが判明した。すなわち、円筒状導電性基体を
回転させて成膜した電子写真用感光体では特性の劣った
膜と優れた膜が積層状となり、平均的な特性が現れてい
ると推測される。
【0015】以上より、従来の13.56MHzより高
い周波数の高周波電力による成膜では、円筒状導電性基
体を静止した状態で成膜した場合に周方向の膜厚および
膜特性にムラが生じ、その結果、電子写真用感光体のよ
うな比較的大面積の被加工体においては実用上問題とな
るような画像ムラが生じる場合があった。
【0016】さらに、円筒状導電性基体を回転させて成
膜を行う場合においては、プラズマの偏在化のために特
性の優れた膜と劣った膜の積層が避けられず、トータル
としての膜特性を劣化させることから、本来あるべき良
好な膜特性が得られないという問題があった。
【0017】このような膜厚(すなわち堆積速度)や膜
特性のムラは電子写真用感光体のみならず、画像入力用
ラインセンサー、撮像デバイス、光起電力デバイスなど
に有用な単結晶質または非単結晶質の機能性堆積膜を形
成する場合に大きな問題となる。さらに、ドライエッチ
ング、スパッタなどのほかのプラズマプロセスにおいて
も、放電周波数を上げた場合に同様の処理ムラが生じ、
このままでは実用上大きな問題になってくる。
【0018】そこで本発明の目的は、上述のような従来
の問題点を克服し、従来のプラズマプロセスでは達成で
きなかった高速の処理速度で、比較的大面積の基体を均
一にプラズマ処理することが可能な堆積膜形成方法を提
供し、画像特性に優れた電子写真用感光体を提供するこ
とにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、排気手段と原
料ガス導入手段を備えた真空気密が可能な堆積室内に円
筒状導電性基体を配置し、該円筒状導電性基体を外包し
かつ該基体と同心円状に配置された円筒状の高周波電極
に高周波電力を印加して該高周波電極と該円筒状導電性
基体の間で放電を生じさせ、堆積室内に導入された原料
ガスをその放電によって分解することにより、該円筒状
導電性基体上に堆積膜を形成する堆積膜形成方法におい
て、前記円筒状の高周波電極を複数配置し、該高周波電
極のそれぞれに対して交互に高周波電力を印加しながら
放電を生じさせることを特徴とする堆積膜形成方法、な
らびにその方法によって得られる電子写真用感光体を提
供する。
【0020】本発明者らは、円筒状導電性基体に対し
て、静止状態で20〜450MHzの高周波を用いて成
膜を行った場合の周方向および軸方向の膜厚および膜特
性ムラを解決するために鋭意検討を行った。
【0021】まず、膜厚ムラが高周波電力を導入する位
置とどのような位置関係で発生するのかを確認する実験
を行った。その結果、予想に反して高周波電力を導入す
る位置と相関のない膜厚分布が認められた。現在その理
由については未解明であるが、20MHz〜450MH
zという、いわゆるVHF領域の高周波を用いる場合、
高周波電力が印加される高周波電極(カソード)のイン
ダクタンス成分が無視できなくなるためであると考えら
れる。
【0022】しかし、単にインダクタンスのみが問題と
なる場合には高周波を印加した側で堆積速度が大きくな
り、印加位置より物理的な距離が遠くなる反対側で堆積
速度が小さくなるはずである。位置関係に相関が出ない
ということは、この周波数領域では高周波電極のインダ
クタンスのみが問題となるだけではなく、高周波電極と
円筒状導電性基体(アノード)の間のキャパシタンスも
問題となっている可能性がある。つまり、20〜450
MHzという周波数領域では成膜炉自体がインダクタン
スとキャパシタンスの直列共振回路を形成しており、下
記式で示される共振条件を満たす位置で高周波電力が高
まり、原料ガスの分解速度が高まるものと推測される。
【0023】
【数1】ω=1/(L・C)1/2 上記式中、ωは角速度、Lはインダクタンス、Cはキャ
パシタンスである。
【0024】さらに、成膜後の円筒状導電性基体に堆積
した膜の電気特性を測定したところ、堆積速度の大きい
場所の膜の方が、速度の小さい場所の膜よりも良好な特
性を示すことが判明した。通常、堆積速度が小さいほど
膜特性は良好となるが、この場合には原料ガスに充分な
高周波エネルギーを供給することが膜特性の向上に寄与
しているものと思われる。
【0025】以上の実験から、20〜450MHzの高
周波を用いる成膜において、高周波電極の周方向に均一
に高周波電力を印加することができれば、円筒状導電性
基体を回転させなくても充分な周方向の膜厚の均一性が
得られ、かつ充分な電力を供給できると考えられること
から、堆積膜の膜質をも向上させ得るとの見解に至っ
た。
【0026】そこで、高周波電極の軸方向の長さを円筒
状導電性基体より短くすることにより、周方向により均
一に高周波電力を印加することが可能となり、その結
果、周方向の膜厚の均一性が向上し、さらには膜質も向
上することが明らかになってきた。しかしながら、特に
長尺の円筒状導電性基体を用いる場合には、軸方向の均
一性を確保するために、これらの高周波電極を複数用い
て軸方向に配置する必要性が出てきた。そのように高周
波電極を複数用いる場合、軸方向の均一性を確保するこ
とが可能とはなるものの、放電条件によっては、複数の
高周波電極による放電が相互に干渉し、高周波電力の整
合が取りにくくなったり、放電が不安定になったり、円
筒状導電性基体全面にわたって均一な放電を生起させる
のが困難となる場合があった。そのために成膜条件に制
限を受け、十分な膜質の堆積膜を得ることができない場
合があり、さらに成膜方法の改善を行う必要があった。
【0027】本発明者は以上の知見に基づき、複数の高
周波電極に交互に放電電力を印加し、複数の高周波電極
と円筒状導電性基体間で交互に放電を生起させることに
より、実質的には円筒状導電性基体全面に渡って均一な
放電を生起させようとするものである。そのように複数
の高周波電極に交互に放電を生起させる場合、同時に放
電させる場合と比較して、高周波電極相互の放電の干渉
が減ることから、整合性に優れ、安定した放電が得ら
れ、円筒状導電性基体全面にわたって均一な放電が得や
すくなる。さらには、安定した放電により、原料ガスの
分解状態を所望の状態とすることが容易となり、堆積膜
の膜質を向上させることが可能となる。
【0028】
【作用】以下、図面を用いて本発明を詳細に説明する。
【0029】図1は、本発明の方法を行うための装置の
1例の模式的縦断面図であり、電子写真用感光体のよう
な円筒状の基体の堆積膜の作製に好適なものである。
【0030】図1において、101は堆積膜を形成する
ための堆積室であり、排気ロ108、メインバルブ10
9を介して不図示の排気装置に接続されている。106
は原料ガスを堆積室101に導入するための原料ガス導
入ロであり、不図示のガス供給系から原料ガス導入バル
ブ107を介して原料ガスを堆積室101内に導入す
る。102はアースに接続された円筒状導電性基体であ
り、その上下には補助基体103および104が設けて
ある。105は基体を所定の温度に加熱するための加熱
用ヒーターである。また、円筒状導電性基体102は、
必要に応じて不図示の回転機構によって回転すること
で、周方向の膜厚をさらに均一化させることもできる。
【0031】131および132は、20MHz〜45
0MHzの高周波を発生する高周波電源であり、高周波
電源制御装置141によって各々の高周波電源131お
よび132より断続的に出力される高周波出力の周期を
所定の値に制御され、各々121および122の整合回
路を介して、各高周波電極111および112に交互に
高周波電力を印加する。図に示したように、高周波電極
111および112は絶縁リング110により所定の間
隔で配置されている。また、これら高周波電極111お
よび112と絶縁リング110が、堆積室101の内壁
を兼ねていてももちろん良い。
【0032】図2は、図1に示したような装置の1例の
横断面を模式的に示したものである。図2において、2
01は堆積膜を形成するための堆積室であり、円筒状導
電性基体202と同心円上に高周波電極211および2
12が配置されている。堆積室202内には原料ガス導
入口206を配置してある。不図示の高周波電源より整
合回路221および222を介して各々の高周波電極2
11および212に高周波電力が供給される。その際、
整合回路221および222より、高周波電極211お
よび212のそれぞれに対して2カ所で高周波電力を導
入することで、高周波電極211および212の周方向
にさらに均一に高周波電力を印加することが可能とな
る。
【0033】高周波電極111および112に用いる材
料としては、導電性が高いものであれば何でも使用可能
であるが、電極自体のインダクタンスをできるだけ小さ
くするという目的から、用いる材料は透磁率の小さいも
のが好ましい。具体的な材料としてはCu、Al、A
u、Ag、Pt、Pb、Ni、Co、Fe、Cr、M
o、Ti等の金属およびそれらの合金(例えばステンレ
ス)などが好ましい。
【0034】高周波電極111および112には必要に
応じて冷却手段を設けても良い。具体的な冷却手段とし
ては、水、空気、液体窒素、ペルチェ素子などを必要に
応じて用いる。
【0035】また高周波電極111および112の形状
は、高周波電力の表皮効果を考慮して、表面積ができる
だけ大きい形状とすることが好ましく、整合の取りやす
さや加工のしやすさ等を考慮すると、円筒平板状が最適
である。
【0036】また高周波電極111および112の軸方
向の長さは、対向する電極である円筒状導電性基体10
2および補助基体103,104の長さや、さらには整
合回路から高周波電力導入手段への配線を考慮して適宜
設定するが、円筒状導電性基体102の長さと補助基体
103および104の長さを合計したものの1/2以下
の長さが好適であり、さらに好適には1/3以下とす
る。
【0037】絶縁リング110に用いる材料は、真空を
保持する強度を有し、絶縁性が高いものであれば何でも
使用できるが、高周波電極111および112に印加さ
れる高周波電力に影響を与えないことが望ましいことか
ら、絶縁破壊電圧が高く、誘電正接が小さいものが好ま
しい。具体的な材料としては、テフロン(商品名;デュ
ポン社)、アルミナ、酸化珪素、炭化珪素、窒化珪素、
窒化ホウ素、窒化アルミニウム、ポリスチレン等が挙げ
られる。
【0038】使用される高周波電源115および116
は、発振周波数が20MHz〜450MHzであれば何
でも使用することができるが、50MHz〜450MH
zの範囲の発振周波数がより好ましい。発振周波数が2
0MHz未満の場合は、条件によっては放電が不安定と
なり、堆積膜の形成条件に制限が生じる場合がある。特
に、堆積室内の圧力が低い場合に、放電が不安定となる
傾向がある。また、450MHzより大きいと、高周波
電力の伝送特性が悪化し、さらには伝送途中での高周波
電力の漏れが起きやすく、場合によってはグロー放電を
発生させること自体が困難になることもある。
【0039】高周波の波形には特に制限はないが、正弦
波、矩形波等が適する。また、出力は、10W〜10k
Wの範囲で、装置に適した電力を発生することができれ
ば、いかなる出力でもよい。
【0040】高周波電源131および132のそれぞれ
より断続的に出力される高周波電力は、例えば図7に示
すような周期で交互に出力される。
【0041】すなわち、図7(a)においては、各々の
高周波電源より出力される電力を交互に正弦波状に変化
させている。
【0042】図7(b)においては、各々の高周波電源
より出力される電力を交互に三角波状に変化させてい
る。
【0043】図7(c)においては、各々の高周波電源
より出力される電力を交互に矩形波(台形波)状に変化
させている。
【0044】図(d)においては、各々の高周波電源よ
り出力される電力を交互にデューテイー比の小さい矩形
波(台形波)状に変化させている。
【0045】使用される整合回路121および122
は、高周波電源131および132と負荷の整合を取る
ことができるものであればいかなる構成のものでも好適
に使用できる。また、整合を取る方法としては、自動的
に調整されるものが製造時の煩雑さを避けるために好適
であるが、手動で調整されるものであっても本発明の効
果を達成することができる。また、整合回路が配置され
る位置に関しては整合が取れる範囲においてどこに設置
しても問題はないが、整合回路から高周波電力導入手段
までの間の配線のインダクタンスをできるだけ小さくす
るような配置とした方が、広い負荷条件で整合を取れる
ことから望ましい。
【0046】本発明の堆積膜の形成方法の1例の手順
を、以下に説明する。
【0047】まず、例えば表面を旋盤によって鏡面加工
した円筒状導電性基体102に補助基体103および1
04を取りつけ、堆積室101内の加熱用ヒーター10
5に、それら円筒状導電性基体102および補助基体1
03・104を挿入する。
【0048】次に、原料ガス導入バルブ107を閉と
し、メインバルブ109を開として排気ロ108を介し
て堆積室101内を一旦排気した後、原料ガス導入バル
ブ107を開として、加熱用の不活性ガス(例えば、ア
ルゴン)を原料ガス導入ロ106より堆積室101内に
導入し、堆積室101内が所定の圧力になるように加熱
用ガスの流量を調整する。その後、不図示の温度コント
ローラーを作動させて円筒状導電性基体102を加熱用
ヒーター105により加熱し、円筒状導電性基体102
が所定の温度まで加熱されたところで原料ガス導入バル
ブ107を閉じ、堆積室101内へのガス流入を止め
る。
【0049】堆積膜の形成は原料ガス導入バルブ107
を開として原料ガス導入ロ106から所定の原料ガスを
堆積室101内に導入し、0.01Pa〜1000Pa
の範囲の所定の圧力に維持するよう排気速度を調整す
る。圧力が安定した後、高周波電源131および132
の電源を入れ、高周波電源制御装置141により高周波
電源131および132の断続的な出力の周期を所望の
値に調整して周波数20MHz〜450MHzの電力を
高周波電極111および112に供給し、グロー放電を
生起させる。このとき整合回路121および122を調
整し、反射波が最小となるように調整する。高周波の入
射電力から反射電力を差し引いた値が所定の値となるよ
うに調整し、所望の膜厚で堆積膜が形成されたところで
グロー放電を止め、また、原料ガス導入バルブ107を
閉じて、原料ガスの堆積室101への流入を止めて、堆
積室101内を一旦高真空に引き上げた後に層の形成を
終える。種々の機能を有する堆積膜を積層する場合に
は、上記のような操作が繰り返し行われる。
【0050】本発明において使用される原料ガスは、例
えばアモルファスシリコンを形成する場合には、SiH
4、Si26等のガス状態またはガス化し得る水素化珪
素(シラン類)が、シリコン導入用ガスとして有効に使
用される。また、水素化珪素のほかにも、弗素を含む珪
素化合物、いわゆる弗素で置換されたシラン誘導体、具
体的には、例えばSiF4、Si26等のフッ化珪素
や、SiH3F、SiH22、SiHF3等の弗素置換水
素化珪素等のガス状またはガス化し得る物質も本発明の
シリコン導入用ガスとしては有効である。また、これら
のシリコン導入用の原料ガスを、必要に応じてH2、H
e、Ar、Ne等のガスにより希釈して使用しても本発
明には何ら差し支えない。
【0051】また、a−Si膜にハロゲン原子を含有さ
せるためのハロゲン導入用ガスとしては、たとえばハロ
ゲンガス、ハロゲン化物、ハロゲンを含むハロゲン間化
合物、ハロゲンで置換されたシラン誘導体等のガス状ま
たはガス化し得るハロゲン化合物が好ましく挙げられ
る。また、さらには珪素とハロゲン元素とを構成要素と
するガス状またはガス化し得る、ハロゲンを含む水素化
珪素化合物も有効なものとして挙げることができる。
【0052】好適に使用し得るハロゲン化合物として
は、具体的には弗素ガス(F2)、BrF、ClF、C
lF3、BrF3、BrF5、IF3、IF7等のハロゲン
間化合物を挙げることができる。ハロゲンを含む珪素化
合物、いわゆるハロゲンで置換されたシラン誘導体とし
ては、具体的には、例えばSiF4、Si26等の弗化
珪素を好ましいものとして挙げることができる。
【0053】本発明においては、ハロゲン導入用ガスと
して上記されたハロゲン化合物あるいはハロゲンを含む
珪素化合物が有効なものとして使用されるものである
が、その他に、HF、HCl、HBr、HI等のハロゲ
ン化水素;SiH3F、SiH22、SiHF3、SiH
22、SiH2Cl2、SiHCl3、SiH2Br2、S
iHBr3等のハロゲン置換水素化珪素等のガス状態ま
たはガス化し得る、水素を構成元素として含有するハロ
ゲン化物も有効な原料ガスとして挙げることができる。
【0054】これらの水素を含むハロゲン化物は、ハロ
ゲン原子と共に水素原子も導入されるので、本発明にお
いて好適なハロゲン原子導入用ガスとして使用される。
【0055】さらに、a−Si膜に水素原子を含有させ
るための水素導入用ガスとして有効なのは、上記の他に
2、D2あるいはSiH4、Si26、Si38、Si4
10等の水素化珪素が挙げられる。
【0056】さらには、前記のガスに加えて、必要に応
じて周期律表3族に属する元素(以後「第3族元素」と
略記する)、または周期律表5族に属する元素(以後
「第5族元素」と略記する)を伝導性を制御する元素
を、いわゆるドーパントとして用いることもできる。
【0057】第3族元素としては、具体的には、硼素
(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、イ
ンジウム(In)、タリウム(Tl)等があり、特に
B、Al、Gaが好適である。第5族元素としては、具
体的には燐(P)、砒素(As)、アンチモン(S
b)、ビスマス(Bi)等があり、特にP、Asが好適
である。例えば硼素導入用ガスとしては、B26、B4
10等の水素化硼素、BF3、BCl3等のハロゲン化硼
素等が挙げられる。この他の第3族元素導入用ガスとし
て、AlCl3、GaCl3、Ga(CH33、InCl
3、TlCl3等も挙げることができる。
【0058】また燐導入用ガスとしては、PH3、P2
4等の水素化燐、PH4I、PF3、PCl3、PBr3
PI3等のハロゲン化燐が使用できる。この他の第5族
元素導入用ガスとして、AsH3、AsF3、AsCl
3、ASBr3、AsF5、SbH3、SbF3、Sb
F5、SbCl3、SbCl5、BiH3、BiCl3、B
iBr3等も挙げることができる。
【0059】また、これらの伝導性を制御する元素導入
用ガスを必要に応じてH2および/またはHeにより希
釈して使用してもよい。
【0060】また、例えばアモルファスシリコンカーバ
イト(a−SiC)を形成する場合には、前記の原料ガ
スのほかに、炭素原子導入用のガスとして、CとHとを
構成元素とする、例えば炭素数1〜5の飽和炭化水素、
炭素数2〜4のエチレン系炭化水素、炭素数2〜3のア
セチレン系炭化水素等を使用できる。具体的には、飽和
炭化水素としては、メタン(CH4)、エタン(C
26)等、エチレン系炭化水素としては、エチレン(C
24)、プロピレン(C36)等、アセチレン系炭化水
素としては、アセチレン(C22)、メチルアセチレン
(C34)等が挙げられる。
【0061】また、例えばアモルファス酸化シリコン
(a−SiO)を形成する場合には、前記の原料ガスの
ほかに、酸素原子導入用のガスとして使用できるものと
して、酸素(O2)、オゾン(O3)、一酸化空素(N
O)、二酸化窒素(NO2)、二酸化窒素(N2O)、三
酸化二窒素(N23)、四酸化二窒素(N24)、五酸
化二窒素(N25)、三酸化窒素(NO3);シリコン
(Si),酸素(O)および水素(H)とを構成元素と
する例えばジシロキサン(H3SiOSiH3)、トリシ
ロキサン(H3SiOSiH2OSiH3)等の低級シロ
キサン等を挙げることができる。
【0062】本発明において、例えばアモルファス窒化
シリコン(a−SiN)を形成する場合には、前記の原
料ガスのほかに、窒素原子導入用のガスとして使用でき
るものとして、窒素(N2)、アンモニア(NH3)、ヒ
ドラジン(H2NNH2)、アジ化水素(HN3)、アジ
化アンモニウム(NH43)等のガス状またはガス化し
得る窒素、窒素物およびアジ化物等の窒素化合物を挙げ
ることがでぎる。この他に、窒素原子の導入に加えて、
ハロゲン原子の導入も行えるという点から、三弗化窒素
(F3N),四弗化窒素(F42)等のハロゲン化窒素
化合物を挙げることができる。
【0063】本発明を用いて電子写真用感光体を作製す
る場合の層構成の代表例を図6に示す。
【0064】図6(a)に示す電子写真用感光体600
は、基体601の上に水素および/またはハロゲンを含
有するa−Si(以下、「a−Si(H、X)」と記
す)からなり光導電性を有する光導電層602が設けら
れている。
【0065】図6(b)に示す電子写真用感光体600
は、基体601の上に、a−Si(H、X)からなり光
導電性を有する光導電層602と、アモルファスシリコ
ン系表面層603とから構成されている。
【0066】図6(c)に示す電子写真用感光体600
は、基体601の上に、a−Si(H、X)からなり光
導電性を有する光導電層602と、アモルファスシリコ
ン系表面層603と、アモルファスシリコン系電荷注入
阻止層604とから構成されている。
【0067】図6(d)に示す電子写真用感光体600
は、基体601の上に、光導電層602が設けられてい
る。その光導電層602はa−Si(H、X)からなる
電荷発生層605ならびに電荷輸送層606とからな
り、その上にアモルファスシリコン系表面層603が設
けられている。
【0068】次に、基体について説明する。
【0069】電子写真用感光体の基体としては、導電性
でも電気絶縁性であってもよい。導電性基体としては、
Al、Cr、Mo、Au、In、Nb、Te、V、T
i、Pt、Pd、Fe等の金属およびこれらの合金(例
えばステンレス)等が挙げられる。また、ポリエステ
ル、ポリエチレン、ポリカーボネート、セルロースアセ
テート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレ
ン、ポリアミド等の合成樹脂のフィルムまたはシート、
ガラス、セラミック等の電気絶縁性基体の少なくとも光
受容層を形成する側の表面を導電処理した基体も用いる
ことができる。さらに、光受容層を形成する側と反対側
も導電処理することが望ましい。
【0070】基体601の形状は円筒状であることが好
ましく、その厚さは、所望通りの電子写真用感光体60
0を形成し得るように適宜決定するが、電子写真用感光
体600としての可撓性が要求される場合には、基体6
01としての機能が充分発揮できる範囲内で可能な限り
薄くすることができる。しかしながら、基体601は製
造上および取り扱い上、機械的強度等の点から通常は1
0μm以上とされる。
【0071】基体601の表面形状は、平滑平面または
凹凸表面とすることができる。例えば電子写真用感光体
などで、レーザー光などの可干渉性光を用いて像記録を
行う場合には、可視画像において現われる干渉縞模様に
よる画像不良を解消するために、特開昭60−1681
56号公報、同60−178457号公報、同60−2
25854号公報等に記載された公知の方法により作製
された凹凸表面であることができる。
【0072】光導電層602は、所望特性が得られるよ
うに適宜成膜パラメーターの数値条件を設定して、基体
601上に形成される。光導電層602を形成するに
は、基本的には前述したようなシリコン導入用ガスと、
水素導入用ガスおよび/またはハロゲン導入用ガスを、
堆積室内に所定のガス状態で導入して、堆積室内にグロ
ー放電を生起させ、あらかじめ所定の位置に設置された
基体601上にa−Si(H、X)からなる層を形成す
る。
【0073】また、光導電層602中のa−Si膜に水
素原子および/またはハロゲン原子が含有されることに
より、Si原子の未結合手を補償し、層品質の向上、特
に光導電性および電荷保持特性を向上させるために必須
不可欠であるからである。よって水素原子またはハロゲ
ン原子の含有量、または水素原子とハロゲン原子の和は
シリコン原子と水素原子および/またはハロゲン原子の
和に対して10〜40原子%、より好ましくは15〜2
5原子%とするのが望ましい。
【0074】光導電層602中に含有される水素原子お
よび/またはハロゲン原子の量を制御するには、例えば
基体601の温度、水素原子および/またはハロゲン原
子を含有させるために使用される原料物質の堆積室内へ
の導入量、放電電力等を制御すればよい。
【0075】光導電層602には必要に応じて伝導性を
制御する元素を含有させることが好ましい。伝導性を制
御する元素は、光導電層602中に万偏なく均一に分布
した状態で含有されても良いし、あるいは層厚方向には
不均一な分布状態で含有している部分があってもよい。
【0076】前記伝導性を制御する元素としては、前述
した第3族元素または第5族元素を用いることができ
る。
【0077】光導電層602に含有される伝導性を制御
する元素の含有量としては、好ましくは1×10ー2〜1
×104原子ppm、より好ましくは5×10-2〜5×
103原子ppm、最適には1×10-1〜1×103原子
ppmとするのが望ましい。
【0078】伝導性を制御する元素、例えば第3族元素
あるいは第5族元素を構造的に導入するには、層形成の
際に、前述した第3族元素導入用ガスあるいは第5族元
素導入用ガスを堆積室中に、光導電層602を形成する
ための他のガスとともに導入してやればよい。
【0079】さらに光導電層602に炭素原子、酸素原
子および/または窒素原子を含有させることも有効であ
る。炭素原子、酸素原子および/または窒素原子の含有
量は、シリコン原子、炭素原子、酸素原子および窒素原
子の和に対して、好ましくは1×10ー5〜10原子%、
より好ましくは1×10ー4〜8原子%、最適には1×1
ー3〜5原子%が望ましい。炭素原子、酸素原子および
/または窒素原子は、光導電層602中に万遍なく均ー
に含有されても良いし、光導電層602の層厚方向に含
有量が変化するような不均一な分布を持たせた部分があ
っても良い。
【0080】炭素原子、酸素原子および/または窒素原
子を構造的に導入するには、層形成の際に、前述した炭
素原子、酸素原子および/または窒素原子導入用ガスを
堆積室中に、光導電層602を形成するための他のガス
とともに導入してやればよい。
【0081】光導電層602の層厚は所望の電子写真特
性および経済的効果等の点から適宜決定され、好ましく
は1〜100μm、より好ましくは10〜50μm、最
適には20〜40μmとするのが望ましい。
【0082】所望の特性を有する光導電層602を形成
するには、基体601の温度、堆積室内のガス圧を適宜
設定する必要がある。
【0083】基体601の温度(Ts)は、層設計に従
って適宜最適範囲が選択されるが、通常、好ましくは1
50〜350℃、より好ましくは200〜330℃、最
適には250〜300℃とする。
【0084】堆積室内のガス圧も同様に層設計に従って
適宜最適範囲が選択されるが、通常、好ましくは0.0
1〜1000Pa、より好ましくは0.05〜500P
a、最適には0.1〜100Paとする。
【0085】光導電層602を形成するための基体温
度、ガス圧の望ましい数値範囲として前記した範囲が挙
げられるが、その他にもシリコン導入用のガスやその他
の原子導入用ガスとの混合比、放電電力等を適宜設定す
ることが必要である。これら条件は通常は独立的に別々
に決められるものではなく、所望の特性を有する電子写
真感光体を形成すべく相互的旦つ有機的関連性に基づい
て最適値を決めるのが望ましい。
【0086】次に、表面層について説明する。
【0087】上述のようにして基体601上に形成され
た光導電層602の上に、さらにアモルファスシリコン
系の表面層603を形成することが好ましい。この表面
層603は主に耐湿性、連続繰り返し使用特性、電気的
耐圧性、使用環境特性、耐久性向上を主たる目的として
設けられる。
【0088】表面層603は、アモルファスシリコン系
の材料であればいずれの材質でも可能であるが、例え
ば、水素(H)および/またはハロゲン(X)を含有
し、更に炭素を含有するアモルファスシリコン(以下
「a−SiC(H、X)」と表記する);水素(H)お
よび/またはハロゲン(X)を含有し、更に酸素を含有
するアモルファスシリコン(以下「a−SiO(H、
X)」と表記する);水素(H)および/またはハロゲ
ン(X)を含有し、さらに窒素を含有するアモルファス
シリコン(以下「a−SiN(H、X)」と表記す
る);水素(H)および/またはハロゲン(X)を含有
し、さらに炭素、酸素、窒素の少なくとも一つを含有す
るアモルファスシリコン(以下「a−Si(C、O、
N)(H、X)」と表記する)等の材料が好適に用いら
れる。
【0089】表面層603は、所望特性が得られるよう
に適宜成膜パラメータ−の数値条件を設定して、真空堆
積膜形成方法によって形成される。
【0090】例えば、a−SiC(H、X)よりなる表
面層603を形成するには、基本的には前述したシリコ
ン原子導入用ガスと、炭素原子導入用ガスと、水素原子
導入用ガスおよび/またはハロゲン原子導入用ガスを、
内部を減圧にし得る堆積室内に所定のガス状態で導入
し、堆積室内にグロー放電を生起させ、あらかじめ所定
の位置に設置された光導電層602を形成した基体60
1上にa−SiC(H、X)からなる層を形成すればよ
い。
【0091】表面層603をa−SiCを主成分として
構成する場合の炭素量は、シリコン原子と炭素原子の和
に対して10%〜90%の範囲が好ましい。
【0092】表面層603をa−SiOを主成分として
構成する場合の酸素量は、シリコン原子と酸素原子の和
に対して10%〜90%の範囲が好ましい。
【0093】表面層603をa−SiNを主成分として
構成する場合の窒素量は、シリコン原子と炭素原子の和
に対して10%〜90%の範囲が好ましい。
【0094】また、表面層603中に水素原子および/
またはハロゲン原子が含有されることが必要であるが、
これはシリコン原子や炭素原子,酸素原子および/また
は窒素原子の未結合手を補償し、層品質の向上、特に光
導電性特性および電荷保持特性を向上させるために重要
である。
【0095】水素含有量は、構成原子の総量に対して通
常の場合10〜70原子%、好適には20〜65原子
%、最適には30〜60原子%とするのが望ましい。ま
た、弗素原子の含有量として、通常の場合は0.01〜
15原子%、好適には0.1〜10原子%、最適には
0.6〜4原子%とするのが望ましい。
【0096】表面層603中に含有される水素原子およ
び/またはハロゲン原子の量を制御するには、例えば基
体601の温度、水素原子および/またはハロゲン原子
を含有させるために使用される原料物質の堆積室内へ導
入される量、放電電力等を制御すればよい。
【0097】炭素原子、酸素原子および/または窒素原
子は、表面層603中に万遍なく均一に含有されても良
いし、表面層603の層厚方向に含有量が変化するよう
な不均一な分布を持たせた部分があっても良い。
【0098】さらに表面層603には必要に応じて伝導
性を制御する元素を含有させても良い。伝導性を制御す
る元素は、表面層603中に万偏なく均一に分布した状
態で含有されても良いし、あるいは層厚方向に不均一な
分布状態で含有している部分があってもよい。
【0099】前記の伝導性を制御する元素としては、前
述した第3族元素または第5族元素を用いることができ
る。
【0100】表面層603に含有される伝導性を制御す
る元素の含有量としては、好ましくは1×10-3〜1×
105原子ppm、より好ましくは1×10-2〜1×1
4原子ppm、最適には1×10-1〜1×103原子p
pmとするのが望ましい。伝導性を制御する元素、たと
えば、第3族元素あるいは第5族元素を構造的に導入す
るには、層形成の際に、前述した第3族元素導入用ガス
あるいは第5族元素導入用ガスを堆積室中に、表面層6
03を形成するための他のガスとともに導入してやれば
よい。表面層603の層厚としては、通常0.01〜3
μm、好適には0.05〜2μm、最適には0.1〜1
μmとする。層厚が0.01μmよりも薄いと電子写真
用感光体を使用中に摩耗等の理由により表面層603が
失われてしまい、3μmを越えると残留電位の増加等の
電子写真特性の低下がみられる。
【0101】表面層603は、その要求される特性が得
られるように注意深く形成する。即ち、Si;C,Nお
よび/またはO;ならびにHおよび/またはXを構成元
素とする物質はその形成条件によって構造的には結晶か
らアモルファスまでの形態を取り、電気物性的には導電
性から半導体性、絶縁性までの間の性質を、また、光導
電的性質から非光導電的性質までの間の幅広い性質を示
し得ることから、本発明においては、目的に応じた特性
を有する化合物が形成されるよう、その形成条件の選択
を厳密に行う。
【0102】例えば、表面層603を電気的耐圧性の向
上を主な目的として設ける場合には、使用環境において
顕著な電気絶縁性を示す非単結晶材料として作製され
る。
【0103】また、連続繰り返し使用特性や使用環境特
性の向上を主たる目的として表面層603が設けられる
場合には、上記の電気絶縁性はさほど顕著でなくとも、
照射される光に対してある程度の感度を有する非単結晶
材料として形成される。
【0104】目的に合った所望の特性を有する表面層6
03を形成するには、基体601の温度、堆積室内のガ
ス圧を、適宜設定する必要がある。
【0105】基体601の温度(Ts)は、層設計に従
って適宜最適範囲が選択されるが、通常、好ましくは1
50〜350℃、より好ましくは200〜330℃、最
適には250〜300℃とする。
【0106】堆積室内のガス圧も同様に層設計に従って
適宜最適範囲が選択されるが、通常、好ましくは0.0
1〜1000Pa、より好ましくは0.05〜500P
a、最適には0.1〜100Paとする。
【0107】表面層603を形成するための基体温度、
ガス圧の望ましい数値範囲として前記した範囲が挙げら
れるが、条件は通常は独立的に別々に決められるもので
はなく、所望の特性を有する電子写真用感光体を形成す
べく相互的かつ有機的関連性に基づいて最適値を決める
のが望ましい。
【0108】また表面層603と光導電層602との間
に炭素原子,酸素原子および/または窒素原子の含有量
が光導電層602に向かって連続的に減少する領域を設
けても良い。これにより表面層と光導電層602の密着
性を向上させ、界面での光の反射による干渉の影響をよ
り少なくすることができると同時に、界面でのキャリア
のトラップを防止し、感光体特性向上を達成し得る。
【0109】次に、電荷注入阻止層について説明する。
【0110】必要に応じて導電性基体と光導電層602
との間に、導電性基体側からの電荷の注入を阻止する働
きのある電荷注入阻止層604を設けてもよい。すなわ
ち、電荷注入阻止層604は感光体が一定極性の帯電処
理をその表面に受けた際、基体側より光導電層602側
に電荷が注入されるのを阻止する機能を有し、逆の極性
の帯電処理を受けた際にはそのような機能は発揮されな
い、いわゆる極性依存性を有している。そのような機能
を付与するために、電荷注入阻止層604には伝導性を
制御す元素を光導電層602に比べて比較的多く含有さ
せる。
【0111】電荷注入阻止層に含有させる伝導性を制御
する元素は、その層中に万偏なく均一に分布されても良
いし、あるいは層厚方向には万偏なく含有されてはいる
が、不均一に分布する状態で含有している部分があって
もよい。濃度分布が不均一な場合には、基体側に多く分
布するように含有させるのが好適である。
【0112】しかしながら、いずれの場合にも基体の表
面と平行面内方向においては、均一な分布で万偏なく含
有されることが面内方向における特性の均一化をはかる
点からも必要である。
【0113】電荷注入阻止層604に含有される伝導性
を制御する元素としては、前述した第3族元素または第
5族元素を用いることができる。
【0114】電荷注入阻止層604中に含有される伝導
性を制御する元素の含有量としては、所望に従って適宜
決定されるが、好ましくは10〜1×104原子pp
m、より好適には50〜5×103原子ppm、最適に
は1×102〜1×103原子ppmとする。
【0115】さらに、電荷注入阻止層604には、炭素
原子、窒素原子および酸素原子の少なくとも1種を含有
させることによって、電荷注入阻止層604に直接接触
して設けられる他の層との間の密着性の向上をよりいっ
そう図ることができる。
【0116】電荷注入阻止層に含有される炭素原子また
は窒素原子または酸素原子は該層中に万偏なく均一に分
布されても良いし、あるいは層厚方向には万偏なく含有
されてはいるが、不均一に分布する状態で含有している
部分があってもよい。しかしながら、いずれの場合にも
基体の表面と平行面内方向においては、均一な分布で万
偏なく含有されることが面内方向における特性の均一化
をはかる点からも必要である。
【0117】電荷注入阻止層604の全層領域に含有さ
れる炭素原子,窒素原子および/または酸素原子の含有
量は、所望の膜特性が得られるよう適宜決定されるが、
それら元素の総和として、好ましくは1×10-3〜50
原子%、より好適には5×10-3〜30原子%、最適に
は1×10-2〜10原子%とする。
【0118】また、電荷注入阻止層604に含有される
水素原子および/またはハロゲン原子は層内に存在する
未結合手を補償し、膜質を向上させる上で有効である。
電荷注入阻止層604中の水素原子またはハロゲン原子
あるいは水素原子とハロゲン原子の和の含有量は、好適
には1〜50原子%、より好適には5〜40原子%、最
適には10〜30原子%とする。
【0119】電荷注入阻止層604の層厚は、所望の電
子写真特性および経済的効果等の点から決定し、好まし
くは0.1〜10μm、より好ましくは0.3〜5μ
m、最適には0.5〜3μmとする。
【0120】電荷注入阻止層604を形成するには、前
述の光導電層602を形成する方法と同様の真空堆積法
が採用される。光導電層602と同様に、シリコン原子
導入用ガスとその他の原子の導入用ガスとの混合比、堆
積室内のガス圧、放電電力ならびに基体601の温度を
適宜設定することが必要である。
【0121】堆積室内のガス圧は適宜最適範囲が選択さ
れるが、通常の場合0.01〜1000Pa、好ましく
は0.05〜500Pa、最適には0.1〜100Pa
とする。
【0122】電荷注入阻止層604を形成するための希
釈ガスの混合比、ガス圧、放電電力、基体温度等の層形
成ファクターは通常は独立的に別々に決められるもので
はなく、所望の特性を有する電荷注入阻止層604を形
成すべく相互的且つ有機的関連性に基づいて、それぞれ
の層形成ファクターの最適値を決めるのが望ましい。
【0123】基体601と光導電層602あるいは電荷
注入阻止層604との間の密着性の一層の向上を図る目
的で、例えば、Si34、SiO2、SiO、あるいは
シリコン原子を母体とし、水素および/またはハロゲン
と炭素,酸素および/または窒素とを含む非晶質材料等
で構成される密着層を設けても良い。さらに、基体から
の反射光による干渉模様の発生を防止するための光吸収
層を設けても良い。
【0124】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに詳細に
説明する。
【0125】(実施例1)図1に示した2つの高周波電
極を用いた堆積膜形成装置を用い、発振周波数105M
Hzの高周波電力を10kHzの周期で交互に図7
(c)に示すパターンで各々の高周波電極に印加した。
【0126】アルミニウム製の円筒状導電性基体を用
い、放電条件として、SiH4ガス流量100scc
m、放電電力200W、放電空間内の圧力を表1に示す
条件に変えて、アルミニウム製円筒状導電性基体上に約
10μmのa−Si膜を堆積して、膜厚分布測定用ドラ
ムを作製した。
【0127】さらに、アルミニウム製の円筒状導電性基
体上の軸方向中央に単結晶シリコン基板を設置し、同様
の製造条件に従って約1μmのa−Si膜を成膜して、
赤外分光測定用サンプルを作製した。
【0128】いずれの成膜においても、基体は静止状態
で成膜した。
【0129】(比較例1)図1に示した2つの高周波電
極を用いた堆積膜形成装置を用い、発振周波数105M
Hzの高周波電力を10kHzの周期で同じタイミング
で各々の高周波電極に印加した以外は実施例1と同様な
成膜条件により、膜厚分布測定用ドラムおよび赤外分光
測定用サンプルを作製した。
【0130】(比較例2)図1に示した2つの高周波電
極を用いた堆積膜形成装置を用い、発振周波数105M
Hzの連続した高周波電力を各々の高周波電極に印加し
た以外は実施例1と同様な成膜条件により、膜厚分布測
定用ドラムおよび赤外分光測定用サンプルを作製した。
【0131】実施例1、比較例1および比較例2で作製
した膜厚分布測定用ドラムおよび赤外分光測定用サンプ
ルを次の方法で評価した。
【0132】(1)膜厚分布評価 各々の膜厚分布測定用ドラムについて、軸方向15ヶ所
の膜厚を渦電流式膜厚計(Kett科学研究所製)によ
って測定し、最大膜厚と最小膜厚の差を平均膜厚で割る
ことにより、膜厚分布の比を計算した。そして、比較例
2の膜厚分布測定用ドラムの膜厚分布比を1とする相対
値で評価を行った。つまり、数値が小さくなるほど膜厚
ムラは改善されていることを示す。
【0133】(2)膜質評価 赤外分光測定用サンプルを、赤外分光光度計(Perkin E
lmer製、1720−X)に設置し、2000cm-1付近
に現われるSi−Hn(n=1〜3)の赤外吸収スペク
トルを、Si−Hによる2000cm-1付近によるもの
と、Si−H2およびSi−H3による2100cm-1
近によるものに波形分離し、各々の赤外吸収断面積の比
(2100cm-1付近の吸収断面積/2000cm-1
近の吸収断面積)を求めた。そして、比較例2の赤外吸
収断面積比を1とする相対値で評価を行った。つまり、
数値が小さくなるほど2100cm-1付近の吸収断面積
が小さく、膜質が改善されていることを示す。
【0134】以上の結果を表1にまとめて示す。その表
1からわかる通り、比較例1および2で作製した膜厚分
布測定用ドラムおよび赤外分光測定用サンプルより、実
施例1で作製した膜厚分布測定用ドラムおよび赤外分光
測定用サンプルの方が、いずれの評価でも良好な結果を
与え、すなわち、軸方向の膜厚差が小さく、特性も優れ
ている。
【0135】以上の結果より、本発明の製造方法によっ
て、軸方向の膜厚を均一にし、かつ良好な膜質の堆積膜
を形成することができることが判明した。
【0136】
【表1】 注)表中の値は全て、比較例2で得られた値を1とした場合の相対値 (実施例2)放電空間内の圧力を0.5Paとし、高周
波電力を2つの高周波電極に交互に印加する周期を表2
に示す条件にした以外は、実施例1と同様な条件で、膜
厚分布測定用ドラムと赤外分光測定用サンプルを作製し
た。
【0137】(比較例3)放電空間内の圧力を0.5P
aとし、高周波電力を2つの高周波電極に同じタイミン
グで印加する周期を表2に示す条件にした以外は、比較
例1と同様な条件で、膜厚分布測定用ドラムと赤外分光
測定用サンプルを作製した。
【0138】実施例2および比較例3で作製した膜厚分
布測定用ドラムおよび赤外分光測定用サンプルについ
て、実施例1と同様の手順で膜厚分布比および赤外吸収
断面積比を求めた。その結果を表2に示す。表2からわ
かるように、実施例2は比較例3と比較して、いずれの
評価でも優れている(すなわち、軸方向の膜厚差が小さ
く、特性も優れている)。
【0139】以上の結果より、本発明の製造方法に従え
ば、軸方向の膜厚を均一にし、かつ良好な膜質の堆積膜
を形成することができることが判明した。
【0140】
【表2】 注)表中の値は全て、比較例3で得られた値を1とした場合の相対値 (実施例3)放電空間内の圧力を0.7Paとし、高周
波電力を2つの高周波電極に交互に印加する周期を10
kHzとし、高周波電力の周波数を表3に示す条件にし
た以外は、実施例1と同様な条件で、膜厚分布測定用ド
ラムと赤外分光測定用サンプルを作製した。
【0141】(比較例4)放電空間内の圧力を0.7P
aとし、高周波電力を2つの高周波電極に同じタイミン
グで印加する周期を10kHzとし、高周波電力の周波
数を表3に示す条件にした以外は、比較例1と同様な条
件で、膜厚分布測定用ドラムと赤外分光測定用サンプル
を作製した。
【0142】これら実施例3および比較例4で作製した
膜厚分布測定用ドラムと赤外分光測定用サンプルについ
て、実施例1と同様の手順で膜厚分布比および赤外吸収
断面積比を求めた。その結果を表3に示す。表3からわ
かるように、実施例3は比較例4と比較して、いずれの
評価でも優れている(すなわち、軸方向の膜厚差が小さ
く、特性も優れている)。
【0143】以上の結果より、本発明の製造方法に従え
ば、軸方向の膜厚を均一にし、かつ良好な膜質の堆積膜
を形成できることが判明した。
【0144】
【表3】 注)表中の値は全て、比較例4で得られた値を1とした場合の相対値 (実施例4)図1に示した堆積膜形成装置において発振
周波数105MHzの高周波電源を設置し、アルミニウ
ム製の円筒状基体上にa−Si膜を形成し、図6(c)
に示す層構成の電子写真用感光体を作製した。
【0145】本実施例では2つの高周波電極を用い、1
0kHzの周期で図7(c)に示すパターンで交互に高
周波電力を供給した。
【0146】成膜は、表4に示された成膜条件に従って
行った。
【0147】
【表4】 (比較例5)図1に示した2つの高周波電極を用いた堆
積膜形成装置を用い、発振周波数105MHzの高周波
電力を、10kHzの周期で同じタイミングで各々の高
周波電極に印加した以外は、実施例4と同様な成膜条件
により、アルミニウム製円筒状導電性基体上にa−Si
膜を堆積し、電子写真用感光体を作製した。
【0148】(比較例6)図1に示した2つの高周波電
極を用いた堆積膜形成装置を用い、発振周波数105M
Hzの連続した高周波電力を各々の高周波電極に印加し
た以外は、実施例4と同様な成膜条件により、アルミニ
ウム製円筒状導電性基体上にa−Si膜を堆積し、電子
写真用感光体を作製した。
【0149】以上の実施例4、比較例5および比較例6
で作製した各々の電子写真用感光体について、電子写真
装置(キヤノン社製NP6060を実験用に改造したも
の)にセットして、初期の電子写真特性として帯電能を
次のように評価した。
【0150】電子写真用光感光体を電子写真装置に設置
し、帯電器に+6kVの高電圧を印加してコロナ帯電を
行ない、表面電位計により電子写真用感光体の軸方向の
暗部表面電位を測定し、暗部表面電位の最大値と最小値
の差を平均の暗部表面電位で割ることにより、暗部表面
電位の比を計算した。そして、比較例6の電子写真用感
光体の暗部表面電位比を1とする相対値で評価を行っ
た。つまり、数値が小さくなるほど暗部表面電位ムラは
改善されていることを示す。
【0151】さらには、平均の暗部表面電位を平均膜厚
で割ることによってノーマライズし、膜厚の影響を除い
た上で平均暗部表面電位を計算し、比較例6の電子写真
用感光体の平均暗部表面電位を各々の平均暗部表面電位
で割ることによる相対値で評価を行った。つまり、数値
が小さくなるほど平均暗部表面電位は改善されているこ
とを示す。
【0152】以上の結果を、表5にまとめて示す。この
表より、比較例5および6で作製した電子写真用感光体
より、実施例4で作製した電子写真用感光体の方が軸方
向の膜厚差が小さく、特性も優れていることがわかる。
【0153】以上の結果から、本発明の製造方法に従え
ば、軸方向の膜厚を均一にし、かつ良好な膜質の堆積膜
を形成できることが判明した。
【0154】
【表5】 注)表中の値は全て、比較例6で得られた値を1とした
場合の相対値 (実施例5)図3に示した3つの高周波電極を用いた堆
積膜形成装置を用い、発振周波数105MHzの高周波
電力を5kHzの周期で交互に図7(c)に示したパタ
ーンに類似のパタ−ンで各々の高周波電極に印加した以
外は、実施例4と同様な条件で電子写真用感光体を作製
した。
【0155】(比較例7)図3に示した3つの高周波電
極を用いた堆積膜形成装置を用い、発振周波数105M
Hzの高周波電力を5kHzの周期で同じタイミングで
各々の高周波電極に印加した以外は、実施例5と同様な
条件で電子写真用感光体を作製した。
【0156】(比較例8)図3に示した3つの高周波電
極を用いた堆積膜形成装置を用い、発振周波数105M
Hzの連続した高周波電力を各々の高周波電極に印加し
た以外は、実施例5と同様な条件で電子写真用感光体を
作製した。
【0157】以上の実施例5、比較例7および比較例8
で作製した電子写真用感光体を、実施例4と同様の手順
で暗部表面電位ムラ、平均暗部表面電位を評価した。そ
の結果を表6に示す。表6からわかるように、実施例5
の電子写真用感光体は軸方向の膜厚差が小さく、特性も
優れている。
【0158】以上の結果より、本発明の製造方法に従え
ば、軸方向の膜厚を均ーにし、かつ良好な膜質の堆積膜
を形成できることが判明した。
【0159】
【表6】 注)表中の値は全て、比較例8で得られた値を1とした
場合の相対値 (実施例6)図4に示した4つの高周波電極を用い、2
つのアルミニウム製円筒状導電性基体を軸方向に重ねた
堆積膜形成装置を用い、発振周波数105MHzの高周
波電力を20kHzの周期で交互に図7(c)に示した
パターンに類似したパターンで各々の高周波電極に印加
し、表7に示した成膜条件に従った以外は、実施例4と
同様な条件で電子写真用感光体を作製した。
【0160】
【表7】 (比較例9)図4に示した4つの高周波電極を用い、2
つのアルミニウム製円筒状導電性基体を軸方向に重ねた
堆積膜形成装置を用い、発振周波数105MHzの高周
波電力を20kHzの周期で同じタイミングで各々の高
周波電極に印加した以外は、実施例6と同様な条件で電
子写真用感光体を作製した。
【0161】(比較例10)図4に示した4つの高周波
電極を用い、2つのアルミニウム製円筒状導電性基体を
軸方向に重ねた堆積膜形成装置を用い、発振周波数10
5MHzの連続した高周波電力を各々の高周波電極に印
加した以外は、実施例6と同様な条件で電子写真用感光
体を作製した。
【0162】以上の実施例6、比較例9および比較例1
0で作製した3本の電子写真用感光体について、実施例
4と同様の手順で、暗部表面電位ムラおよび平均暗部表
面電位の評価を行った。その結果を表8に示す。表8か
らわかるように、実施例6の電子写真用感光体は軸方向
の膜厚差が小さく、特性も優れている。
【0163】以上の結果より、本発明の製造方法に従え
ば軸方向の膜厚を均一にし、かつ良好な膜質の堆積膜を
形成できることが判明した。
【0164】
【表8】 注)表中の値は全て、比較例10で得られた値を1とし
た場合の相対値 (実施例7)図5に示した絶縁材(アルミナセラミック
ス)で構成された絶縁リング510の外周に2つの高周
波電極511および512を用いた堆積膜形成装置を用
い、発振周波数105MHzの高周波電力を30kHz
の周期で交互に図7(c)に示したパターンで各々の高
周波電極に印加した以外は、実施例4と同様な条件で電
子写真用感光体を作製した。
【0165】(比較例11)図5に示した絶縁材(アル
ミナセラミックス)で構成された絶縁リング510の外
周に2つの高周波電極511および512を用いた堆積
膜形成装置を用い、発振周波数105MHzの高周波電
力を30kHzの周期で同じタイミングで各々の高周波
電極に印加した以外は、実施例7と同様な条件で電子写
真用感光体を作製した。
【0166】(比較例12)図5に示した絶縁材(アル
ミナセラミックス)で構成された絶縁リング510の外
周に2つの高周波電極511および512を用いた堆積
膜形成装置を用い、発振周波数105MHzの連続した
高周波電力を各々の高周波電極に印加した以外は、実施
例7と同様な条件で電子写真用感光体を作製した。
【0167】以上の実施例7、比較例11および比較例
12で作製した電子写真用感光体について、実施例4と
同様の手順で暗部表面電位ムラおよび平均暗部表面電位
の評価を行った。その結果を表9に示す。表9からわか
るように、実施例7の電子写真用感光体は、軸方向の膜
厚差が小さく、特性も優れている。
【0168】以上の結果より、本発明の製造方法に従え
ば、軸方向の膜厚を均一にし、かつ良好な膜質の堆積膜
を形成できることが判明した。
【0169】
【表9】 注)表中の値は全て、比較例12で得られた値を1とし
た場合の相対値 (実施例8)図1に示した2つの高周波電極111およ
び112を用いた堆積膜形成装置を用い、アルミニウム
製円筒状導電性基体を不図示の回転機構により回転さ
せ、発振周波数105MHzの高周波電力を5kHzの
周期で交互に図7(d)に示したパターンで各々の高周
波電極に印加した以外は、実施例4と同様な条件で電子
写真用感光体を作製した。
【0170】(比較例13)図1に示した2つの高周波
電極111および112を用いた堆積膜形成装置を用
い、アルミニウム製円筒状導電性基体を不図示の回転機
構により回転させ、発振周波数105MHzの高周波電
力を5kHzの周期で同じタイミングで各々の高周波電
極に印加した以外は、実施例8と同様な条件で電子写真
用感光体を作製した。
【0171】(比較例14)図1に示した2つの高周波
電極111および112を用いた堆積膜形成装置を用
い、アルミニウム製円筒状導電性基体を不図示の回転機
構により回転させ、発振周波数105MHzの連続した
高周波電力を各々の高周波電極に印加した以外は、実施
例8と同様な条件で電子写真用感光体を作製した。
【0172】以上の実施例8、比較例13および比較例
14で作製した電子写真用感光体について、実施例4と
同様の手順で、暗部表面電位ムラおよび平均暗部表面電
位の評価を行った。その結果を表10に示す。表10か
らわかるように、実施例8の電子写真用感光体は、軸方
向の膜厚差が小さく、特性も優れている。
【0173】以上の結果より、本発明の製造方法に従え
ば、軸方向の膜厚を均一にし、かつ良好な膜質の堆積膜
を形成できることが判明した。
【0174】
【表10】 注)表中の値は全て、比較例14で得られた値を1とし
た場合の相対値
【0175】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の製造方法
により、使用される各高周波電極に均一に電力を供給で
きることから、堆積室内での放電安定性が高まり、放電
分布が均一となって、短時間で、膜厚が均一で特性の優
れた堆積膜を形成することが可能となり、優れた電子写
真用感光体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の堆積膜形成方法で使用される堆積膜形
成装置の1例の模式的縦断面図である。
【図2】本発明の堆積膜形成方法で使用される堆積膜形
成装置の1例の模式的横断面図である。
【図3】本発明の堆積膜形成方法で使用される堆積膜形
成装置の別の例の模式的縦断面図である。
【図4】本発明の堆積膜形成方法で使用される堆積膜形
成装置のさらに別の例の模式的縦断面図である。
【図5】本発明の堆積膜形成方法で使用される堆積膜形
成装置のさらに別の例の模式的縦断面図である。
【図6】本発明の堆積膜形成方法で作製される電子写真
用感光体の層構成の例をいくつか示す模式図である。
【図7】本発明の堆積膜形成方法において、高周波電源
より周期的に出力される電力の変化パターンの例をいく
つか示すパターン図である。
【図8】従来の堆積膜形成方法で使用される堆積膜形成
装置の1例を示す模式的縦断面図である。
【符号の説明】
101、201、301、401、501、801
堆積室 102、202、302、402、502、802
円筒状導電性基体 103、303、403、503、803 補助
基体 104、304、404、504、804 補助
基体 105、305、405、505、805 加熱
用ヒーター 106、206、306、406、506、806
原料ガス導入口 107、307、407、507、807 原料
ガス導入バルブ 108、308、408、508、808 排気
口 109、309、409、509、809 メイ
ンバルブ 110、310、410、510 絶縁リング 111、211、311、411、511、811
高周波電極 112、212、312、412、512 高周
波電極 121、221、321、421、521、821
整合回路 122、222、322、422、522 整合
回路 131、331、431、531、831 高周
波電源 132、332、432、532 高周波電源 333、433、434 高周波電源 141、341、441、541 位相制御装置 600 電子写真用感光体 601 基体 602 光導電層 603 表面層 604 電荷注入阻止層 605 電荷発生層 606 電荷輸送層

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排気手段と原料ガス導入手段を備えた真
    空気密が可能な堆積室内に円筒状導電性基体を配置し、
    該円筒状導電性基体を外包しかつ該基体と同心円状に配
    置された円筒状の高周波電極に高周波電力を印加して該
    高周波電極と該円筒状導電性基体の間で放電を生じさ
    せ、堆積室内に導入された原料ガスをその放電によって
    分解することにより、該円筒状導電性基体上に堆積膜を
    形成する堆積膜形成方法において、前記円筒状の高周波
    電極を複数配置し、該高周波電極のそれぞれに対して交
    互に高周波電力を印加しながら放電を生じさせることを
    特徴とする堆積膜形成方法。
  2. 【請求項2】 前記高周波電力の発振周波数が20MH
    z〜450MHzである請求項1記載の堆積膜形成方
    法。
  3. 【請求項3】 前記高周波電力の発振周波数が50MH
    z〜450MHzである請求項1記載の堆積膜形成方
    法。
  4. 【請求項4】 前記複数の高周波電極に交互に印加する
    高周波電力の周期が0.1〜100kHzである請求項
    1ないし3のいずれかに記載の堆積膜形成方法。
  5. 【請求項5】 前記複数の円筒状の高周波電極を、前記
    円筒性導電性基体の軸方向に配置する請求項1ないし4
    のいずれかに記載の堆積膜形成方法。
  6. 【請求項6】 前記円筒状導電性基体を静止させて堆積
    膜形成を行う請求項1ないし5のいずれかに記載の堆積
    膜形成方法。
  7. 【請求項7】 前記円筒状導電性基体を、前記円筒状導
    電性基体の円周方向に回転させながら堆積膜形成を行う
    請求項1ないし5のいずれかに記載の堆積膜形成方法。
  8. 【請求項8】 前記円筒状導電性基体を、該導電体の軸
    方向に複数積み重ねて堆積室内に配置する請求項1ない
    し7のいずれか記載の堆積膜形成方法。
  9. 【請求項9】 高周波電力の印加を、前記円筒状導電性
    基体の軸に対して対称の位置にある複数箇所から行う請
    求項1ないし9のいずれかに記載の堆積膜形成方法。
  10. 【請求項10】 前記高周波電力を正弦波状に周期的に
    変化させて印加する請求項1ないし9のいずれかに記載
    の堆積膜形成方法。
  11. 【請求項11】 前記高周波電力を三角波状に周期的に
    変化させて印加することを請求項1ないし9のいずれか
    に記載の堆積膜形成方法。
  12. 【請求項12】 前記高周波電力を矩形波状に周期的に
    変化させて印加することを請求項1ないし9のいずれか
    に記載の堆積膜形成方法。
  13. 【請求項13】 請求項1ないし12のいずれかに記載
    の方法によって導電性基体上に堆積膜を形成して得られ
    る電子写真感光体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004018908A (ja) * 2002-06-13 2004-01-22 Onward Giken:Kk ワークの表面処理方法と、その装置

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