JPH08242563A - 回転電機絶縁コイルの製造方法 - Google Patents

回転電機絶縁コイルの製造方法

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JPH08242563A
JPH08242563A JP7064827A JP6482795A JPH08242563A JP H08242563 A JPH08242563 A JP H08242563A JP 7064827 A JP7064827 A JP 7064827A JP 6482795 A JP6482795 A JP 6482795A JP H08242563 A JPH08242563 A JP H08242563A
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JP
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resin
insulating
coil
impregnated
electric machine
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JP7064827A
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Masao Maeda
昌男 前田
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Fuji Electric Co Ltd
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Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】絶縁コイルの対地絶縁層への含浸性の向上と、
絶縁層からの樹脂漏れを防止し、空隙部の発生を無くし
た耐電界性の優れた絶縁コイルの製造方法を提供する。 【構成】エポキシ系シランカップリング剤にて処理した
マイカ絶縁テープを素線導体束1に巻回した対地絶縁層
10と、この対地絶縁層10の外周に、エポキシ樹脂と
マイクロカプセル化された粒状の潜在性硬化促進剤を処
理した漏れ防止層9とを巻回して形成された未含浸の絶
縁コイル3を、固定子鉄心の鉄心スロット内に装着し
て、エポキシ樹脂と酸無水物硬化剤からなる含浸樹脂に
て一体含浸し、加熱硬化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、回転電機の絶縁コイ
ル、特に高圧回転電機の鉄心スロットに収納した固定子
絶縁コイルに含浸樹脂を全含浸して得られる回転電機絶
縁コイルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図4は従来の高圧回転機の固定子絶縁コ
イルの断面図である。回転電機の絶縁コイルの製造方法
には、絶縁コイルを鉄心スロットに収納し、樹脂にて絶
縁コイルと鉄心とを一体に含浸し硬化する全含浸絶縁方
式がある。この全含浸絶縁方式は、図4に示すように、
まず素線絶縁を施した素線導体を複数回巻回して素線導
体束1を作製し、この素線導体束1に耐電界性の優れた
マイカ箔を焼成あるいは高圧水流等により粉砕して微細
な鱗片状にして抄造した集成マイカに、ガラス繊維等か
らなる織布あるいはフイルムを裏打材として少量のエポ
キシ樹脂等の結合材で貼合わせたマイカ絶縁テープを巻
回して対地絶縁層2を形成した樹脂を含浸していない未
含浸の絶縁コイル3を作製する。次にこの未含浸の絶縁
コイル3を固定子鉄心4の鉄心スロット5内に相間絶縁
6、楔7等の副材料とともに装着し、各絶縁コイル3間
を結線後、樹脂含浸槽内に設置して、熱硬化性樹脂から
なる含浸樹脂を真空・加圧で一体含浸し、その後樹脂含
浸槽より取り出し加熱硬化炉内で硬化して作製される。
なお、含浸樹脂の熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹
脂,不飽和ポリエステル樹脂及びポリイミド樹脂等が適
用されているが、高圧回転機の固定子絶縁コイルには、
熱硬化後の熱的,機械的及び電気的特性にバランスのと
れたエポキシ樹脂が多用されている。なお、高圧回転電
機の固定子絶縁コイルでは、絶縁コイル3と固定子鉄心
4との間には、電気的接触不良による部分放電(コロナ
放電)の発生を防止するために図示しない低抵抗からな
る表面コロナ防止層が設けられている。
【0003】この全含浸絶縁方式による高圧回転機の絶
縁コイルは、高電圧が印加されるために対地絶縁層内部
に充分に樹脂が含浸された緻密な絶縁層を形成して、部
分放電の発生の原因となる空隙のない均質な絶縁層を形
成する必要がある。このため、全含浸絶縁に用いられる
含浸樹脂は対地絶縁層への含浸性向上のために樹脂粘度
が低いことが要求される。
【0004】上記の含浸樹脂の粘度を低くするために、
全含浸時に含浸樹脂を加温することが通常行われてい
る。ところで、この全含浸方式による絶縁コイルの樹脂
含浸は、未含浸の絶縁コイル3を鉄心スロット5に挿入
した固定子鉄心4全体を樹脂含浸槽で樹脂含浸するため
に、多量の含浸樹脂を必要とし、また繰り返し使用す
る。従って、繰り返し含浸することによる含浸樹脂の粘
度上昇による対地絶縁層への含浸不良を回避するために
粘度上昇の少ない安定した樹脂を選択しなければならな
い。このため、含浸樹脂をエポキシ樹脂からなる熱硬性
化樹脂と酸無水物硬化剤とから構成し、硬化反応を促進
する硬化促進剤を配合しない樹脂系が用いられる。この
場合、対地絶縁層2を構成するマイカ絶縁テープに前記
した硬化促進剤を施して、加熱硬化時に対地絶縁層2内
に含浸された含浸樹脂の硬化反応を促進するようにして
いる。また、含浸樹脂の加熱による粘度上昇を避けるた
め室温近くの低温度(30〜40℃)にて含浸する方式
も採用され、低粘度エポキシ樹脂又は低分子量のエポキ
シ系の樹脂を配合した低粘度樹脂を使用することも行わ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、絶縁コイル
の対地絶縁層への樹脂の含浸性は、前記したように含浸
樹脂の粘度が低い程良好であるが、この含浸樹脂と対地
絶縁層を構成する集成マイカとその裏打材の各基材との
濡れ性にも大きく左右される。即ち、前記の対地絶縁層
のマイカ絶縁テープを構成している集成マイカ及びガラ
スクロスを貼り合わせている結合樹脂や、前記の含浸樹
脂の表面張力が大きいために、前記したマイカ絶縁テー
プとの濡れ性が小さく含浸樹脂のはじきにより、部分的
にマイカ絶縁テープに樹脂が付着しない未含浸の部分が
発生するという問題があった。 更に、エポキシ樹脂か
らなる熱硬化性樹脂の含浸樹脂は、未含浸の絶縁コイル
3に含浸した後に固定子鉄心4とともに硬化炉で加熱硬
化される際に、樹脂粘度が低下して対地絶縁層2より樹
脂が漏洩する現象が見られる。この対地絶縁層2からの
樹脂の漏洩は、前記した対地絶縁層2を構成するマイカ
絶縁テープと樹脂との濡れ性にも影響されて、濡れ性が
劣るとマイカ絶縁テープとの界面での結合力が弱いため
に、対地絶縁層2からの樹脂の流出がし易くなり、対地
絶縁層2のマイカ絶縁テープ間の接着不良や未含浸部分
8の発生を助長することになる。
【0006】上記した対地絶縁層2に含浸した樹脂の樹
脂漏れ防止策としては、マイカ絶縁テープに硬化促進剤
を予め処理して、加熱硬化時にマイカ絶縁テープに含浸
された樹脂との硬化反応を促進することにより含浸樹脂
を硬化させて流動性をなくする方法も採用されている。
しかしながら、前記した樹脂のマイカ絶縁テープに対す
る濡れ性が小さいことによる樹脂のハジキにより、不均
一な未含浸部分が発生し、そのために加熱硬化後に対地
絶縁層中に微小な空隙が生じるのを完全に解消するには
到らなかった。
【0007】この発明の目的は、前記の課題を解決した
回転電機絶縁コイルの対地絶縁層を構成するマイカ絶縁
テープの含浸樹脂との濡れ性及び樹脂の浸透性を向上さ
せ、樹脂含浸性が良好で、加熱硬化時に絶縁コイルの絶
縁層からの樹脂の漏洩を防止した空隙部の発生のない絶
縁性能の優れた絶縁コイルの製造方法を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために、この発明は、集成マイカとガラスクロス基材と
をエポキシ系シランカップリング剤にて処理し、これら
をエポキシ樹脂で貼り合わせて絶縁テープを構成して、
この絶縁テープを素線導体束の外周に巻回して対地絶縁
層を設けた未含浸の絶縁コイルを、エポキシ樹脂にて一
体含浸し、加熱硬化するものとする。
【0009】そして、前記した集成マイカとガラスクロ
ス基材とに処理するエポキシ系シランカップリング剤
が、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランであ
るれば、好適である。
【0010】また、対地絶縁層を施した未含浸の絶縁コ
イルの最外層に、織布及び不織布に加熱により溶融し含
浸樹脂と硬化反応する潜在性硬化促進剤を施した樹脂漏
れ防止層を設けるものとする。
【0011】更に、前記樹脂漏れ防止層を構成する潜在
性硬化剤が加熱により溶融する樹脂により表面を覆われ
たマイクロカプセル化したものであれば、更に好適であ
る。
【0012】
【作用】この発明は、シランカップリング剤で、特に樹
脂と反応し易い有機官能基を有するエポキシ系シラン系
カップリング剤を選択して、これを集成マイカとガラス
クロスに処理してマイカ絶縁テープを作製し、このマイ
カ絶縁テープを素線導体束に巻回させて対地絶縁層を構
成するようにした。これにより、含浸されたエポキシ樹
脂と、マイカ及びこの裏打材である前記ガラスクロスの
各基材に処理された前記エポキシ系シラン系カップリン
グ剤の有機官能基とが反応して生成する結合力により、
マイカ絶縁テープとのエポキシ樹脂との濡れ性を向上さ
せ、樹脂含浸時に樹脂の浸透性,拡散性を高めて絶縁層
中のエポキシ樹脂の保持性を高めるようにした。これに
より対地絶縁層中に樹脂の未含浸部分が発生しないよう
にするとともに、加熱硬化時に絶縁層から樹脂が漏洩す
ることを防ぎ、対地絶縁層内部に空隙が発生するのを防
止することが可能となる。
【0013】更に、前記エポキシ系シランカップリング
剤として、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ンを用いることにより、前記したエポキシ樹脂と反応す
る有機側のグリシドキシ基の他に、マイカやガラスクロ
スの無機質と共有結合を生成する無機側のメトキシ基を
有するので、エポキシ樹脂とマイカ絶縁テープを構成す
る前記集成マイカとガラスクロスとの結合力を強化する
ことにより、エポキシ含浸樹脂とマイカ絶縁テープとの
接着力を向上させることができる。
【0014】また、前記した加熱硬化時の対地絶縁層か
らの樹脂漏れを防止するものとして、絶縁コイルの最外
層に、加熱により溶融し含浸樹脂と硬化反応する潜在性
硬化促進剤を処理した基材からなる樹脂漏れ防止層を設
けることにより、含浸樹脂と前記した樹脂漏れ防止層の
潜在性硬化促進剤との反応が促進されて硬化反応した絶
縁層を形成するので、この絶縁層から加熱硬化時に粘度
が低下した絶縁層内の含浸樹脂が外部へ漏洩するのを防
ぐこきができる。
【0015】上記した樹脂漏れ防止層を構成する潜在性
硬化剤を、絶縁コイルの加熱硬化温度で溶融する樹脂で
加熱硬化促進剤を覆ったマイクロカプセル化された潜在
性硬化促進剤を用いることにより、保存安定性が良好
で,かつ水分の吸湿による硬化促進剤の変質をすること
を防止することができる。また、含浸樹脂の加熱硬化時
に硬化促進剤の水分の吸着による硬化反応性の低下によ
る樹脂漏れ防止層の形成を阻害することを防ぐことがで
きる。
【0016】
【実施例】以下この発明を実施例に基づいて説明する。
図1は、この発明の実施例からなる高圧回転電機の固定
子絶縁コイル3の断面図である。なお、図は従来の図4
の絶縁コイルに対応するものであり、従来と同じ部分に
は同一符号を用いることにより詳細な説明を省略する。
図1において、絶縁コイル3の対地絶縁層10は、素線
導体を複数段巻回してなる素線導体束1に集成マイカに
裏打材としてガラスクロスを貼合わせたマイカ絶縁テー
プを所定回数巻回して構成されている。前記したマイカ
絶縁テープの作製は以下のとおりである。
【0017】絶縁テープに処理するエポキシ系シランカ
ップリング剤として、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシランSH6040(東レ・ダウコーニング・シ
リコーン社製)を用いて、これをイオン交換水に3重量
%に溶解させた水溶液を用意した。次に、集成マイカシ
ートとこの裏打材としてガラスクロスを重ね合わせた基
材を、網目の細かい金網に挟み、前記したエポキシ系シ
ランカップリング剤を含有する水溶液中に浸漬して含浸
させ、この水溶液から取り出し125℃の乾燥炉中で1
時間乾燥させた。この乾燥し重ね合わせた基材を再度剥
がし、集成マイカシートとガラスクロスとを、集成マイ
カシートに対して5重量%のエポキシ樹脂結合剤にて貼
り合わせたシートをテープ状に切断してマイカ絶縁テー
プを得た。上記したエポキシ樹脂結合剤は、エポキシ基
を2個以上含むエポキシ樹脂と後記するエポキシ樹脂と
酸無水物硬化剤の樹脂配合からなる含浸樹脂の加熱硬化
反応を促進する促進剤が所定量付着されている。この促
進剤としては金属塩類,イミダゾール類,第三級アミン
類から選択することができる。
【0018】前記したマイカ絶縁テープを、図1に示す
ように、素線導体束1に所定回数巻回して対地絶縁層1
0を構成して、この対地絶縁層10の最外層に漏れ防止
層9を巻回して未含浸の絶縁3コイルを作製した。この
漏れ防止層9は、エポキシ樹脂と酸無水物硬化剤との混
合樹脂に、イミダゾール系の潜在性硬化促進剤を、約8
0℃で溶融する樹脂で被覆したマイクロカプセル化した
粒径数μmのノバキュアHX3742(旭化成工業社)
を分散配合した液体にガラス不織布を浸漬処理して作製
した。
【0019】前記した未含浸の絶縁コイル3は、従来と
同様に図示しない表面コロナ防止層介して固定子鉄心の
鉄心スロット内に相間絶縁、楔等の副材料とともに装着
し設置される(図4参照)。この鉄心スロット内に挿入
された絶縁コイル3と固定子鉄心とを全含浸する含浸樹
脂は、ビスフエノールAのエポキシ樹脂と酸無水物硬化
剤を配合し液状化した樹脂を用いて、含浸槽内にて30
℃に加温して、真空・加圧含浸にて一体含浸した後、含
浸槽より取り出し、加熱硬化炉中で140℃にて加熱硬
化し固定子絶縁コイルを作製した。
【0020】図2に、定格電圧6kv級の対地絶縁層を
施した前記したこの発明からなる全含浸後の絶縁コイル
の部分放電電圧特性Iを、従来のこの発明からなるエポ
キシ系シランカップリング剤を処理していないマイカ絶
縁テープを用いて、かつ対地絶縁層の最外層の樹脂漏れ
防止層9を施していない絶縁コイルを前記したこの発明
と同様に全含浸方式で作製した絶縁コイルからなる特性
IIと比較して図示した。この発明の実施例の絶縁コイ
ルの特性Iは、対地絶縁層内での部分放電開始電圧及び
最大放電電荷量とも、従来の絶縁コイルの特性IIと比
べて大幅に向上しており、顕微鏡による絶縁コイルの断
面観察においても対地絶縁層に大きな空隙の発生はなく
緻密な絶縁層を形成していることが確認できた。
【0021】参考のために、図3にこの発明の実施例に
て用いたエポキシ系シランカップリング剤のマイカに対
する樹脂の濡れ性の効果を図示した。この濡れ性の評価
は、シランカップリング剤をイオン交換水に0.5〜6
重量%溶解させた溶液に、マイカ箔を浸漬して処理し、
125℃で1時間乾燥して得られたマイカ箔の表面に、
前記したビスフエノールAのエポキシ樹脂と酸無水物硬
化剤を配合した含浸樹脂を滴下し、この滴下した樹脂と
マイカ箔の接触角を測定して行ったものである。即ち、
接触角が小さい程、表面張力が小さくマイカ箔面上に拡
散し易いく、濡れ性が大きいことを示す。Aは、この発
明のγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランのエ
ポキシ系シランカップリング剤を、Bはアミノ系シラン
カップリング剤のγ−(2−アミノエチル)アミノプロ
ピルトリメトキシシランSH6020(東レ・ダウコー
ニング・シリコーン社製)を処理したもので、Cはシラ
ンカップリング剤を処理しないマイカ箔を用いた特性で
ある。エポキシ系シランカップリング剤を3重量%以上
処理したマイカ箔のAが、無処理のマイカ箔Cの約1/
5の接触角になり、エポキシ樹脂のマイカ箔への濡れ性
を向上させる効果は大きい。しかしながら、アミノ系シ
ランカップリング剤のBはその効果が小さいことがわか
る。
【0022】
【発明の効果】以上のように、この発明においては、素
線導体束に巻回させて対地絶縁層を構成するマイカ絶縁
テープを、エポキシ系シラン系カップリング剤を処理し
た集成マイカとガラスクロスとで構成した。これによ
り、エポキシ系シラン系カップリング剤の有機官能基と
含浸されたエポキシ樹脂とが反応することにより、マイ
カ絶縁テープとエポキシ樹脂との濡れ性を向上させ、樹
脂含浸時に樹脂の浸透性,拡散性を高めて対地絶縁層中
のエポキシ樹脂の保持性を高めるようにした。その結果
樹脂の未含浸部分の発生が減少し、絶縁層内部に空隙部
が発生するのを防止することができた。更に、含浸樹脂
の対地絶縁層への濡れ性、拡散性が向上できるので含浸
樹脂の含浸時の粘度を従来より高くした樹脂でも含浸性
を損なうことなく均質な対地絶縁層が得られる。このた
め、含浸樹脂の含浸時の加熱温度を下げることが可能と
なり、これにより繰り返し使用による樹脂粘度の上昇を
抑えることができ、含浸樹脂の貯蔵安定性が向上し、長
期に亘り含浸樹脂を使用でるという経済的効果をもあ
る。
【0023】また、前記エポキシ系シランカップリング
剤として、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ンを用いることにより、前記したエポキシ樹脂と反応す
る有機側の官能基の他に、マイカやガラスクロスの無機
質と共有結合を生成する無機側のメトキシ基を有するの
で、無機剤である集成マイカとガラスクロスとの結合力
を高めることができ、エポキシ含浸樹脂との接着力を向
上させたコイル絶縁層を得ることができる。
【0024】また、対地絶縁層の最外層に、加熱により
溶融する樹脂で覆ったマイクロカプセル化された潜在性
硬化促進剤等を処理した基材からなる樹脂漏れ防止層を
設けることにより、含浸樹脂と前記した樹脂漏れ防止層
の潜在性硬化促進剤との反応により硬化した絶縁層が絶
縁コイルの最外層に形成させることができるので、絶縁
層内の含浸樹脂の硬化反応時の温度上昇により粘度低下
して流動する樹脂を、対地絶縁層から漏洩するのを防ぐ
ことができる。
【0025】前記のようにこの発明からなる回転電機絶
縁コイルは、対地絶縁層内への含浸樹脂の含浸性を向上
させるとともに、含浸された樹脂が外部へ漏洩するのを
防止することができるので、絶縁層内部に空隙部のない
絶縁コイルを作製できる。従って、特に高圧回転電機の
絶縁コイルでの絶縁劣化の要因となる前記空隙部での部
分放電の発生を排除でき、高信頼性のある絶縁コイルを
提供することができる。また緻密で均質な絶縁層が得ら
れるので、コイル絶縁層の熱伝導率の向上による回転電
機の小形化、容量増大の達成に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例からなる高圧回転電機の固定
子絶縁コイルの断面図である。
【図2】この発明からなる定格電圧6kv級の絶縁を施
した高圧回転電機の固定子絶縁コイルの部分放電開始電
圧特性である。
【図3】シランカップリング剤を処理したマイカ箔とエ
ポキシ樹脂との接触角の特性図である。
【図4】従来の高圧回転機の固定子絶縁コイルの断面図
である。
【符号の説明】
1 素線導体束 2 対地絶縁層 3 絶縁コイル 4 固定子鉄心 9 漏れ防止層 10 対地絶縁層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】素線導体を複数回巻回した素線導体束と、
    この素線導体束の外周に設けられた対地絶縁層とを有す
    る未含浸の絶縁コイルを、鉄心スロット内に収納し、こ
    の未含浸の絶縁コイルと鉄心とを含浸槽内で熱硬化性の
    含浸樹脂にて一体含浸して、その後硬化炉にて加熱硬化
    してなる回転電機絶縁コイルの製造方法において、集成
    マイカとガラスクロス基材とをエポキシ系シランカップ
    リング剤にて処理し、これらをエポキシ樹脂で貼り合わ
    せてマイカ絶縁テープを構成し、このマイカ絶縁テープ
    を素線導体束の外周に巻回して対地絶縁層を設けた未含
    浸の絶縁コイルを、エポキシ樹脂にて一体含浸し、加熱
    硬化することを特徴とする回転電機絶縁コイルの製造方
    法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の回転電機絶縁コイルの製
    造方法において、エポキシ系シランカップリング剤がγ
    −グリシドキシプロピルトリメトキシシランであること
    を特徴とする回転電機絶縁コイルの製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の回転電機絶縁コイルの製
    造方法において、対地絶縁層を設けた未含浸の絶縁コイ
    ルの最外層に、織布又は不織布に加熱により溶融し含浸
    樹脂と硬化反応する潜在性硬化促進剤を施した樹脂漏れ
    防止層を設けたことを特徴とする回転電機絶縁コイルの
    製造方法。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の回転電機絶縁コイルの製
    造方法において、樹脂漏れ防止層を構成する潜在硬化促
    進剤が、加熱により溶融する樹脂により表面を覆われた
    マイクロカプセル化されたものからなることを特徴とす
    る回転電機絶縁コイルの製造方法。
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