JPH08243409A - 金属酸化物系触媒の製造方法および触媒燃焼器 - Google Patents

金属酸化物系触媒の製造方法および触媒燃焼器

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JPH08243409A
JPH08243409A JP7048410A JP4841095A JPH08243409A JP H08243409 A JPH08243409 A JP H08243409A JP 7048410 A JP7048410 A JP 7048410A JP 4841095 A JP4841095 A JP 4841095A JP H08243409 A JPH08243409 A JP H08243409A
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JP
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metal oxide
gas
catalyst
combustion
temperature
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JP7048410A
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English (en)
Inventor
Yoshio Hanakada
佳男 羽中田
Tomiaki Furuya
富明 古屋
Kunihiko Sasaki
佐々木  邦彦
Toshiyuki Ohashi
俊之 大橋
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 高温においても酸素解離に伴う活性低下の少
ない金属酸化物系触媒を容易に製造し得る方法、および
燃焼触媒設置領域での燃焼ガス温度を高くすることによ
り、気相反応部で燃焼させる燃料の低減化、窒素酸化物
の発生を抑制する燃焼器の提供をする。 【構成】 触媒活性成分を成す金属酸化物を還元処理し
た後、再酸化させる工程を行う、触媒の製法及び燃料ガ
ス供給口と、空気供給口と、前記燃料ガス供給口から供
給される燃料ガスおよび空気供給口から供給される酸素
含有ガスを混合するガス混合部と、ガス混合部から流出
する混合ガス流路に配置された燃焼触媒とを具備して成
る燃焼器より成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえば酸化パラジウ
ムなど、ある温度で酸化物,金属元素+酸素の平衡関係
を有する金属酸化物を主とする触媒活性成分して成る金
属酸化物系触媒の製造方法、および前記金属酸化物系燃
焼触媒を備えた燃焼器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、石油資源などの枯渇化に伴い、代
替エネルギールが要求される一方、エネルギー資源の効
率的な利用に多くの関心が払われている。そして、これ
らの要求に応える手段の中に、たとえば燃料として天然
ガスを用いるガスタービン・スチームタービン複合サイ
クル発電システム、もしくは石炭ガス化ガスタービン・
スチームタービン複合サイクル発電システムが開発され
ている。また、これらの発電システムは、化石燃料を使
用する従来のスチームタービン・発電システムに比較し
て発電効率が高いので、将来、使用量の増加が予想され
る天然ガスや石炭ガス化ガスなどの燃料を、有効に電力
に変換できる発電システムとして期待されている。
【0003】ところで、ガスタービン発電システムに使
用されているガスタービン燃焼器においては、一般的
に、燃料と空気との混合物をスパークプラグによって着
火し、燃焼を行う均一系反応の燃焼方式が採られてい
る。
【0004】図3は,ガスタービン燃焼器の要部構造例
を断面的に示したもので、1は筐体、2は燃料ノズル、
3はスパークプラグ(着火素子)、4は燃焼用気体(た
とえば空気)供給口4a,冷却用空気供給口4b,および希
釈用空気供給口4cなどを側壁に備え、かつ所要の燃焼ガ
スをタービンノズル5に供給するガス供給路である。
【0005】そして、前記燃焼器においては、燃料ノズ
ル2から噴射された燃料ガスが、燃焼用気体供給口4aか
ら供給された空気などと混合され、スパークプラグ3に
よって着火され燃焼する。この燃焼に伴って、冷却用空
気供給口4bおよび希釈用空気供給口4cから所要の空気が
供給され、所定の温度(タービン入り口温度)まで冷却
された燃焼ガスが、タービンノズル5を介してタービン
内に噴射されるという機能を果たしている。
【0006】しかしながら、前記ガスタービン燃焼器
は、燃焼用気体として空気を使用するため、燃焼時にお
ける窒素酸化物(NOx )の生成による環境汚染が問題と
なっている。ここで、窒素酸化物の生成は、燃焼温度が
1500℃を超えると急激に増加するが、燃焼器内では燃料
濃度分布が存在し、部分的に1500℃を超える高温部が存
在するため、ガスタービンでの窒素酸化物の大量発生・
生成は不可避的であり、高価な排煙脱硝装置の付設が必
要となっている。
【0007】このような問題の解決手段として、触媒を
用いた不均一系反応および気相反応を連続させた燃焼方
式が提案されている(特公平 2− 45772号公報)。この
触媒を用いる燃焼方式によれば、比較的低温で燃焼の開
始が可能となり、また、燃焼温度を緩やかに上昇して、
燃焼機内の最高温度を低く抑えることもできるので、燃
焼用気体として空気を用いた場合でも、窒素酸化物の生
成を低減し得る利点がある。なお、前記ガスタービン燃
焼器で使用されている燃焼触媒は、含浸法もしくは無電
解メッキ法などで、パラジウムやパラジウム酸化物を主
成分とする触媒活性成分を、たとえばジコニウムなどの
セラミック粒子面に被着・担持させて成る触媒粒子を、
ハニカム担持体などの耐久性支持体に被着・担持させた
構成を採っている。
【0008】ところで、前記触媒活性成分は、図4に例
示するように、燃焼雰囲気の酸素濃度と温度とによって
決定される平衡に従い約 900℃以上では、酸素分圧が高
くても酸素が解離して、金属パラジウムの形態を採る。
ここで、金属パラジウムは酸化パラジウムに比較して触
媒活性が低いため、前記酸素解離開始温度での触媒活性
ピークで触媒活性が頭打ちになって、触媒はある程度以
上の温度に上昇しなくなる。そして、前記触媒がある温
度以上にならないことは、前記したパラジウム系触媒の
利点であるとともに、使用可能な最高温度に限界がある
という欠点でもある。
【0009】一方、他の貴金属、たとえば白金を触媒活
性成分として使用する試みもあるが、高温化にともなっ
て触媒活性が増加する。このため、燃焼用ガスの濃度に
起因する僅かの温度上昇によって、触媒活性の上昇、さ
らには触媒設置領域の温度上昇を招来するという温度暴
走を生じ、ひいては耐久性支持体などの融解,破損を生
じる恐れもある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記触媒燃焼方式で使
用するパラジウム系触媒は、触媒設置領域の温度暴走を
生じないという利点があるものの、実際のガスタービン
の運転を考慮すると、なお問題がある。すなわち、ガス
タービンの運転においては、燃焼ガス流路の燃焼触媒設
置領域で、燃焼ガスを可能な限り高温に加熱するほど、
気相反応で燃焼させる燃料の量が低減される。したがっ
て、より窒素酸化物の発生を抑制し得ることになるが、
そのためには、燃焼触媒の温度をより高温に保持するこ
とが望まれる。しかしながら、前記したように、パラジ
ウム系触媒は、触媒温度が酸化パラジウムの解離温度を
超えると、触媒活性の頭打ちになる領域が生じる。そし
て、この触媒活性の頭打ちに伴って、燃料ガス流路の出
口温度は、前記酸化パラジウムの解離温度まで上昇して
頭打ちになる。つまり、従来のパラジウム系触媒の場合
は、燃焼触媒設置領域での燃焼ガス温度に上限があるの
で、気相反応部で燃焼させる燃料の低減化にも限界があ
る。このように、従来のパラジウム系触媒、実用面で有
効な温度暴走を抑え易いという利点を有しながらも、な
お十分満足し得る燃焼触媒とはいえない。換言すると、
たとえばガスタービン燃焼器用においては、より高温に
おいても酸素の解離が生じ難く、かつ所要の触媒活性を
維持・発揮する燃焼触媒が期待されている。
【0011】前記期待に対応して、先に、本発明者らは
純粋な酸化パラジウムの酸素解離温度以上の温度領域で
も、所要の活性が維持される燃焼触媒を提案した(特願
平 6−189334号)。すなわち、セラミック粒子面にパラ
ジウム系活性成分を被着・担持させた形態で、使用前に
熱処理を施した場合、酸化パラジウムが担体との作用で
安定化され、純粋な酸化パラジウムの酸素解離温度以上
の温度でも酸素を保持し、より高温において酸素を解離
することに着目して、より高温で所要の触媒活性を維持
・発揮する燃焼触媒を提案した。
【0012】本発明者らは、前記提案した手段をさらに
検討した結果、たとえば前記酸化パラジウムを触媒活性
成分として成る燃焼触媒を、使用に先だって還元処理
し、その後再酸化させた場合、さらに触媒機能の安定性
などが向上され、より実用性の高い金属酸化物系触媒と
して作用することを見出した。
【0013】本発明は、上記事情に基づいてなされたも
ので、自己温度制御性を保ちつつ、高温においても酸素
解離に伴う活性低下の少ない金属酸化物系触媒を容易に
製造し得る方法の提供を目的とする。
【0014】また、本発明は、燃焼触媒設置領域での燃
焼ガス温度を高くすることにより、気相反応部で燃焼さ
せる燃料の低減化を可能し、窒素酸化物の発生を抑制す
ることができる燃焼器の提供を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明に係る金属酸化物
系触媒の製造方法は、ある温度で酸化物,金属+酸素
(酸化物と金属+酸素とが可逆反応関係にある)の平衡
関係を有する金属酸化物(たとえば酸化パラジウム)を
主たる触媒活性成分とし、耐熱性物質製担体に担持させ
て成る金属酸化物系触媒の製造方法において、前記触媒
活性成分を成す金属酸化物を還元処理した後、再酸化さ
せる工程を行うことを特徴とする。
【0016】本発明に係る燃焼器は、燃料ガス供給口
と、空気供給口と、前記燃料ガス供給口から供給される
燃料ガスおよび空気供給口から供給される酸素含有ガス
を混合するガス混合部と、前記ガス混合部から流出する
混合ガス流路に配置された燃焼触媒とを具備して成る燃
焼器であって、前記燃焼触媒は、互いに区画・独立した
他数個のガス流路を有する耐久性支持体および前記ガス
流路内壁面にある温度で酸化物,金属+酸素(酸化物と
金属+酸素とが可逆反応関係にある)の平衡関係を有す
る金属酸化物を主とする触媒活性成分を耐熱性物質製担
体に担持させた金属酸化物系触媒とを具備し、かつ前記
金属酸化物は還元処理された後に再酸化されたものであ
ることを特徴とする。
【0017】本発明において、触媒活性成分の主成分を
成すところの、ある温度で酸化物,金属+酸素の平衡関
係を有する金属酸化物としては、たとえば酸化パラジウ
ム−金属パラジウム系が例示される。触媒活性成分の主
成分とは、耐熱性物質製担体に担持されている物質中の
金属元素全体の20原子%以上を占める金属元素もしくは
その金属元素の酸化物を指し、単独で20原子%以上を占
る金属元素がない場合には、最も多量に含まれる金属元
素もしくはその金属元素の酸化物である。さらに、この
触媒活性成分に含まれるである金属元素の酸化物は、燃
焼触媒として実際の使用温度の 0〜 100℃程度の範囲に
おいて酸素を解離する性質を有することが望ましい。な
お、使用温度付近での温度制御にこだわらず、単に温度
の異常上昇を防止し、触媒構造体の破損を抑えるためだ
けならば、通常の使用温度以上、触媒構造体の耐熱温度
以下で、酸素を解離する金属酸化物を含有させることも
できる。また、助触媒の添加によって実際の使用温度よ
りも低い温度〜− 100℃で、酸素を解離する金属酸化物
を使用できる。その理由は、貴金属酸化物から金属に変
化することで触媒活性を失うことによって、温度暴走を
抑えて触媒使用温度付近に温度をコントロールできると
いう自己温度制御性を期待できるからである。 本発明
において、触媒活性成分は、たとえばパラジウムおよび
/または酸化パラジウムを含み好ましくは耐熱性担体に
担持されている触媒系の50質量%、より好ましくは80質
量%以上含有していることが望ましい。そして、このパ
ラジウム系の活性成分の他に、たとえば金,白金などの
貴金属を含んでもよい。また、前記パラジウム系の触媒
活性成分以外の活性成分(助触媒)として、たとえばニ
ッケル,マグネシウム,チタン,バナジウム,クロム,
マンガン,鉄,コバルト,銅,亜鉛,モリブデン,ルテ
ニウム,ロジウム,銀,白金,金,ランタノイドを含む
希土類(スカンジウム,イットリウム,ランタン,セリ
ウム,プラセオジミウム,ネオジム,プロメチウム,サ
マリウム,ユーロピウム,ガドリニウム,テルビウム,
ジスプロシウム,ホルミウム,エルビウム,ツリウム,
イッテルビウム,ルテチウム)もしくはこれらの化合物
(たとえば酸化物など)を添加することもできる。特
に、ニッケルもしくは酸化ニッケルを添加した場合は、
大幅に触媒活性が向上する。
【0018】本発明において、上記触媒活性成分を担持
する耐熱性の担体としては、前記触媒活性成分たる金属
酸化物以外の酸化物,窒化物,炭化物などのセラミック
ス類、耐酸化性金属,表面に酸化物層が形成された金属
などを素材としたものが挙げられ、これらは2種以上の
混合系で用いることもできる。これらの中、金属酸化
物、特に遷移金属元素の酸化物は、前記活性成分の金属
酸化物との間で酸素のやり取りを行い、触媒性能発現の
助力となり得るので好ましい。さらに、前記遷移金属元
素の酸化物中、ジルコニア( ZrO2 )が望ましく、特に
イットリア(Y2 O3 )によって安定化を行った立方晶系
ジルコニアが望ましい。
【0019】本発明において、耐熱性担体に対する金属
酸化物の担持量の割合は、特に限定されないが、たとえ
ば耐熱性担体粒子および金属酸化物の場合は、触媒活性
の点から、一般的に、金属酸化物を10〜70質量%(好ま
しくは40〜60質量%)、したがって耐熱性担体粒子を90
〜30質量%(好ましくは60〜40質量%)程度に選択され
る。さらに、このとき、耐熱性担体粒子および金属酸化
物は、ともに平均粒度0.1〜 100μm 程度が好ましい
が、両成分を遊星ボールミルを利用してミリングするこ
とによって、両者を凝集させ担体粒子上に金属酸化物を
担持させ、金属酸化物系触媒を作成する場合は、前記以
下の粒径の1次粒子が凝集し、平均粒度 0.1〜 100μm
程度の2次粒子を生成していることが望ましい。なお、
この混合法による調製は、遊星ボールミルでのミリング
以外に、通常のボールミルによる手段もあるが、遊星ボ
ールミルでのミリングの方が、両成分の接触が密にな
り、接触面積も増え、かつ良好な接触を維持して両者の
相互作用が高まるので好ましい。 また、前記金属酸化
物系触媒の製造は、前記のように耐熱性担体粒子および
金属酸化物粒子とを混合させることにより担持させる形
態でもよいが、耐熱性担体粒子の表面(もしくは金属酸
化物粒子表面)に、金属酸化物粒子(もしくは耐熱性担
体粒子)を被着させることにより、担持させた形態を採
ってもよいし、さらにはそれらの併用型であってもよ
い。そして、前記耐熱性担体粒子面に対する金属酸化物
触媒粒子の被着・担持などは、たとえば含浸法,メッキ
法(たとえば塩化錫水溶液による処理後、塩化パラジウ
ム水溶液で処理し、析出させた錫原子をパラジウムで置
換ししてメッキ核を生成させる),スパッタ法,共沈法
などで行うことが可能である。
【0020】さらに、本発明において、助触媒を添加・
配合する場合は、前記耐熱性担体粒子および金属酸化物
粒子を混合するとき同時に、もしくは混合後改めて添加
・配合してもよいし、あるいは前記含浸法などによって
耐熱性担体粒子面に金属酸化物粒子を被着・担持すると
きに同時もしくは事後に添加・配合してもよい。
【0021】本発明においては、金属酸化物系触媒が還
元された後、再び酸化された形態を採ることが必要であ
る。ここで、金属酸化物系触媒の還元は、還元性雰囲気
下に曝して、もしくは還元性の液体や粉体中に浸漬・埋
め込みなどで行うことができ、また、還元の程度は触媒
活性成分の少なくとも90%程度であることが望ましい。
さらに、前記還元させた状態から、再び酸化させた状態
に戻す再酸化は、特に設定された酸化性雰囲気中で行っ
てもよいし、あるいは酸素含有雰囲気中での使用におけ
る昇温時の酸化で代用してもよい。
【0022】なお、前記還元に当たっては、酸化した状
態にある金属酸化物系触媒を、たとえば還元性雰囲気に
曝して還元を行う方が、還元処理の効果が大きい。ま
た、この金属酸化物系触媒の還元は、水素ガスもしくは
不活性ガスである窒素や希ガス(ヘリウム,ネオン,ア
ルゴン,クリプトン,キセノン,ラドン)で希釈した水
素ガスを用いるのが好ましく、特に発熱を抑える意味で
水素の濃度 1%程度以下の還元性雰囲気で行うことが好
ましい。そして、前記使用に先だっての還元処理、およ
び還元処理後の再酸化はそれぞれ多くて3回、普通は1
回施せば十分である。つまり、使用に先だっての還元処
理、および還元処理後の再酸化を繰り返しても、若干の
向上は見られるものの、1回の処理時程の作用・効果の
格別な向上も認められないからである。
【0023】さらに、前記還元処理においては、温度,
雰囲気圧力など制限されないが、高温,高圧はシンタリ
ングを招来し易いので、一般的に 100℃以下,好ましく
は25℃以下、0.2MPa以下程度に抑えるのが望ましい。特
に、実行できない理由がなければ、常温(25℃程度),
常圧(0.1MPa程度)で行うこともできる。また、前記触
媒活性成分の還元を行った後、急激に酸化反応を起こす
よう雰囲気に曝すと発熱など起こすので、還元性雰囲気
から取り出す前に、稀薄な酸素雰囲気に曝して金属酸化
物系触媒の還元により生じた金属の表面に薄い酸化膜を
形成しておくことが好ましい。
【0024】さらに、本発明において、金属酸化物系触
媒粉末(粒子)を被着・支持させる耐熱性素材(物質)
としては、たとえばコージェライト,ムライト,α−ア
ルミナ,シリカ,チタニア,ジルコニア,ジルコニアス
ピネル,マグネシアなどの耐熱性セラミックス素材、ス
テンレス鋼などの耐熱性金属素材、または前記耐熱性金
属の表面に酸化物層を形成した素材などが挙げられる。
そして、この耐熱性素材から成る支持体の大きさ,構造
などは用途に応じて適宜選択され、特に限定されない。
たとえばハニカム形状に加工した構造体を支持体とし
て、この支持体面に前記金属酸化物系触媒粉末を被着・
支持させた形態を採ることも可能である。特に、燃焼器
などにおいては、通風抵抗など考慮すると、ハニカム形
状の構造体を支持体とすることが好ましい。つまり、前
記ハニカム構造をしている耐久性支持体の、互いに区画
され独立した多数個のガス流路内壁面に対する触媒活性
成分の被着・担持は、ガス流路内壁面の全て、もしくは
一部(たとえば互いに隣接ガス流路を区画する壁の一方
の壁面)に、たとえばパラジウム系触媒粒子を含むスラ
リーを塗布し、その後焼結する手法で製造したものが好
ましい。
【0025】
【作用】本発明に係る金属酸化物系触媒は、触媒活性成
分の還元、および耐熱性担体の部分的な還元に伴って、
触媒活性成分が耐熱性担体との間で容易に相互作用をも
つようになる。すなわち、触媒活性成分および耐熱性担
体の間で電荷のバランスの変化、格子歪み複合酸化物の
生成などの現象を呈し、熱的な安定性が高められる。そ
して、この熱的な安定性の向上に伴って、触媒活性成分
の本来の(純粋な触媒活性成分のみの場合)酸素解離温
度よりも高い温度で、酸素を解離するようになり、より
高温で所要の触媒活性を維持・発揮することになる。そ
して、本発明に係る金属酸化物系触媒の製造方法によれ
ば、前記したような作用を呈する金属酸化物系触媒を容
易に、かつ歩留まりよく量産的に提供できる。
【0026】さらに、本発明に係る燃焼器の場合は、前
記したような作用を呈する金属酸化物系触媒を備えてい
るため、たとえばガスタービンの高温ガス発生燃焼に利
用することにより、ガスタービンの駆動用高温ガスを効
率よく生成・利用し得るし、さらに排気のクリーン化な
どの点ですぐれた機能を呈することになる。
【0027】
【実施例】以下図1,図2および図5を参照して本発明
の実施例を説明する。
【0028】実施例1 先ず、耐熱性担体である平均粒径 1μm の 8モル%イッ
トリア安定化ジルコニア粉末と、平均粒径 0.3μm の金
属パラジウム粉末とを等重量秤取し、空気雰囲気中にお
いて遊星ボールミルを用い 1分間 450回転の回転を与え
て、 5時間粉砕・混合して金属酸化物系触媒の混合素材
を調製した。このような操作によって、耐熱性担体上に
パラジウムが担持された形となり、その後、酸化処理を
行った。すなわち、前記混合素材の約30mgを白金パンに
秤取・収容し、TG/DTA 装置にセットし、酸素を 5%含
む窒素ガスを流速 200ml/min で流しながら、 700℃ま
で加熱昇温させ、 700℃に 1時間保持してTGの変化がな
くなるまで、前記金属パラジウムを酸化させた。その
後、窒素ガスを流速 200ml/min で流し、前記酸化性雰
囲気を窒素ガス雰囲気に置換しながら室温まで冷却し
た。
【0029】次ぎに還元処理を行った。すなわち前記窒
素ガスでの置換終了後、水素を 0.2%含む窒素ガスを流
速 200ml/min で流し、前記不活性雰囲気を還元性雰囲
気に切り換えて室温に保持し、TGの変化が観察できなく
なるまで、約 4時間パラジウムの還元を行った。なお、
前記還元処理で、パラジウムだけでなく、 8モル%イッ
トリア安定化ジルコニア粉末の表面も僅かながら還元さ
れていた。この後、流速 200ml/min の酸素を 0.5%含
む窒素ガス流に切り換え、前記パラジウム粉末表面に薄
い酸化膜を形成した。なお、前記各処理はいずれも室圧
下で行った。
【0030】次に、前記酸素を 0.5%を含む窒素ガス流
を、流速 200ml/min のメタンを 0.5%および酸素を 5
%含む窒素ガス流に切り換える一方、10℃/min の昇温
速度で昇温して、金属酸化物系触媒の酸素挙動特性評価
した。図1は前記酸素挙動特性例を示すもので、曲線A
はTGを、曲線A′は DTGをそれぞれ示す。そして、この
酸素挙動特性例から分かるように、前記金属酸化物系触
媒の場合は、本来の純酸化パラジウムの酸素解離開始温
度よりも約25℃高温から大部分の酸素の解離が起こって
おり、純酸化パラジウムの酸素解離開始温度で解離した
酸素は極めて少量であった。また、この現象は一旦降温
後、再度昇温したときも同様に認められた。なお、前記
DTGはTGの微分値であるが、この温度域では酸素解離以
外の質量変化は極めて少ないので、ほぼその絶対値は酸
素の解離速度に対応している。
【0031】上記では、 8モル%イットリア安定化ジル
コニア粉末を耐熱性担体とした金属酸化物系触媒の製造
例を説明したが、アルミナ,シリカ,チタニア,ランタ
ニア,セリア,酸化ニッケル,酸化タンタル,マグネシ
ア、これれらの2種以上の混合系の粉末、もしくはラン
タンドープセリア,ネオジムドープセリア,イットリウ
ムドープセリアなどを耐熱性担体とした場合も、ほぼ同
様の結果が認められた。 比較例1,2 前記実施例1の場合において、水素を 0.2%含む窒素ガ
スを流してのパラジウムの還元を省略した他は、同一条
件として金属酸化物系触媒(比較例1)を製造した。ま
た、前記実施例1の場合において、水素を 0.2%含む窒
素ガスを流してのパラジウムの還元を行う代わりに、純
空気雰囲気中、10℃/min の昇温速度で900℃まで昇温
した後に、50℃/min の降温速度で冷却した他は、同一
条件として金属酸化物系触媒(比較例2)を製造した。
【0032】これらの金属酸化物系触媒(比較例1,
2)について、実施例1の場合と同様に、酸素解離挙動
を検討した結果を図5にそれぞれ示す。図5において、
曲線Bは比較例1のTG、曲線B′は比較例1の DTG、ま
た、曲線Cは比較例2のTG、曲線C′は比較例2の DTG
である。図5から分かるように、比較例1の場合は全て
の酸素が、また比較例2の場合は一部ではあるものの、
実施例に比べて遥かに多量の酸素が、純酸化パラジウム
の酸素解離温度から解離を開始した。
【0033】実施例2 先ず、直径30mm,長さ 170mmであり,長さ方向に6.45cm
2 ( 1平方インチ)当たり 100個の燃焼ガス流路を区画
・形成して成るコーデジェライト製ハニカム型の耐久性
支持体を用意した。一方、耐熱性担体としての 8モル%
イットリア安定化ジルコニア粉末上に、等質量のパラジ
ウムを無電解メッキ法により担持させて、パラジウム担
持触媒粉末を得た。このパラジウム担持触媒粉末を硝酸
アルミニウム水溶液中に添加し、水酸化カリウムを用い
て共沈差せて得られたスラリー状物質を濾取し(カリウ
ム除去)、洗浄,乾燥した後、再び水を加えてボールミ
ルで混合してスラリー化した。このとき、流動性をよく
するため、微量の硝酸を加えた。
【0034】次いで、前記で得たスラリーをコーデジェ
ライト製ハニカム型の耐久性支持体の、隔別化した開口
(ガス流路)内壁面に塗布・乾燥した後、空気中 700℃
で焼成を行って、 3個のハニカム型触媒を作成した。こ
のハニカム型燃焼触媒について、前記実施例1の場合、
比較例1の場合、もしくは比較例2の場合と同様の条件
で酸化処理、還元処理を行って、実施例1,比較例1,
比較例2にそれぞれ相当する 3種類のハニカム型燃焼触
媒とした。
【0035】上記実施例1および比較例1,2に相当す
る各ハニカム型燃焼触媒を、ガスタービン燃焼器に組み
込み(装着)、耐久性試験を行った。すなわち、図2に
要部構造例を断面的に示したように、燃焼用ガス供給口
(図示せず)から供給される燃焼用気体(たとえば空気
など酸素含有ガス)が流れるガス供給路6と、前記ガス
供給路6の側壁に設置され、ガス供給路6を流れる燃焼
用気体に燃料ガスを混合して燃焼作用を進める燃料ガス
供給口6aと、前記ガス供給路6を流れる混合ガス系に補
給用燃料ガスを供給する補給用燃料供給口6bとを具備し
て成る構成において、前記燃焼ガスをタービン側に供給
するガス供給路6に、前記ハニカム型の燃焼用触媒7を
各別に装着して燃焼試験を行った。
【0036】この燃焼試験においては、 0.7 MPaの圧力
とした, 450℃まで予備加熱した空気を燃焼用気体供給
口から 0.1Nm3 /min で流す一方、たとえば天然ガス
2.5%濃度と成るように燃料ガス供給口6aから、ガス供
給路6へ流し、前記ハニカム型の燃焼用触媒7の出口に
設置した熱電対で,燃焼用触媒7出口の温度をそれぞれ
測定した。その結果、実施例1に相当する燃焼触媒を用
いた場合は 955℃、比較例1に相当する燃焼触媒を用い
た場合は 900℃、比較例2に相当する燃焼触媒を用いた
場合は 950℃であった。また、いずれの場合も、燃焼用
触媒7出口の窒素酸化物の濃度は 1.5 ppmであった。
【0037】次に、前記燃料ガスを加えた後の天然ガス
濃度が 4%となるようにした場合において、前記ハニカ
ム型の燃焼用触媒7の下流で、スパークプラグ8によっ
て着火して完全燃焼させた。そして、このときの窒素酸
化物の発生濃度をそれぞれ測定したところ、実施例1に
相当する燃焼触媒を用いた場合は1.78 ppm、比較例1に
相当する燃焼触媒を用いた場合は2.00 ppm、比較例2に
相当する燃焼触媒を用いた場合は1.81 ppmであり、本発
明に係る場合は窒素酸化物の生成も低減でき、またハニ
カム型の燃焼用触媒7内への炎の逆火も起こらなかっ
た。さらに、燃焼用触媒7出口の温度は、天然ガス濃度
2.5%の場合と同様に、実施例,比較例1,比較例2の
順に、 955℃, 900℃, 950℃であった。
【0038】さらに、前記燃料ガスを加えた後の天然ガ
ス濃度が 3%となるようにし、前記ハニカム型の燃焼用
触媒7を通過するとき触媒燃焼を起こさせ、かつ前記ハ
ニカム型の燃焼用触媒7の下流に設置されている補給燃
料供給口6bから、ハニカム型の燃焼用触媒7の下流での
天然ガス濃度を 1%増やすだけの補給燃料を供給して、
よく混合した後にスパークプラグ8によって着火して完
全燃焼させた。そして、窒素酸化物の発生濃度をそれぞ
れ測定したところ、実施例1に相当する燃焼触媒を用い
た場合は2.45 ppm、比較例1に相当する燃焼触媒を用い
た場合は3.00 ppm、比較例2に相当する燃焼触媒を用い
た場合は2.50 ppmであり、本発明に係る場合は窒素酸化
物の生成も低減でき、また、このときタービンノズル
側、すなわち燃焼器出口側の温度(気相燃焼後のガス温
度)は、いずれの場合も1250℃であった。 なお、本発
明は、上記実施例に限定されるものでなく、発明の趣旨
を逸脱しない範囲でいろいろの変形を採ることが可能で
ある。たとえば、ハニカム型の燃焼用触媒7に関して、
素材,燃焼ガス流路の開口部形状,金属酸化物系触媒の
被着・担持を燃焼ガス流路の全ての内壁面とするか否
か、助触媒の併用(共存的な被着・担持)、燃焼ガス流
路6の位置もしくは内壁面の位置などによって被着・担
持量を調整するなど、本発明の趣旨に沿って適宜選択・
設定した変形を採ることができる。
【0039】また、前記金属酸化物系触媒の使用態様
も、ガスタービン燃焼器に限定されるものでなく、燃料
効率の向上、もしくは燃焼においてクリーンさなどが望
まれる他の燃焼器などへの適用も勿論可能である。
【0040】
【発明の効果】上記説明したように本発明に係る金属酸
化物系触媒の製造方法によれば、自己制御性を有しつ
つ、従来のパラジウム系触媒よりも高温で、安定な使用
が可能な燃焼触媒を容易に得ることができる。また、こ
の金属酸化物系触媒を、たとえば燃焼器に適用すること
により、燃料ガスの利用効率が向上するだけでなく、窒
素酸化物の発生も低減・抑制し得るので、環境保全の面
でも有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る金属酸化物系燃焼触媒の特性例を
示す特性図。
【図2】本発明に係る燃焼器の要部構成例を示す断面
図。
【図3】従来のガスタービン用燃焼器の要部構成を示す
断面図。
【図4】パラジウム系燃焼触媒における酸化物および金
属+酸素系の温度による平衡関係を示す特性図。
【図5】純パラジウム系の特性例を示す特性図。
【符号の説明】
1……筐体 2……燃料ノズル 3,8……ス
パークプラグ4……燃焼ガス流路 4a……燃焼用空
気供給口 4b……冷却用空気供給口 4c……希
釈用空気供給口 5……タービンノズル 6…
…燃焼用空気供給 6a……路燃料ガス供給口
6b……補給燃料供給口 7……ハニカム型燃焼触媒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 23/89 ZAB B01J 23/56 ZAB F23R 3/40 ZAB 301A 23/64 102A (72)発明者 大橋 俊之 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ある温度で酸化物,金属+酸素の平衡関
    係を有する金属酸化物を主とする触媒活性成分を、耐熱
    性物質製担体に担持させて成る金属酸化物系触媒の製造
    方法において、 前記触媒活性成分を成す金属酸化物を還元処理した後、
    再酸化させる工程を行うことを特徴とする金属酸化物系
    触媒の製造方法。
  2. 【請求項2】 ある温度で酸化物,金属+酸素の平衡関
    係を有する金属酸化物が、酸化パラジウムであることを
    特徴とする請求項1記載の金属酸化物系触媒の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 燃料ガス供給口と、空気供給口と、前記
    燃料ガス供給口から供給される燃料ガスおよび空気供給
    口から供給される酸素含有ガスを混合するガス混合部
    と、前記ガス混合部から流出する混合ガス流路に配置さ
    れた燃焼触媒とを具備して成る燃焼器であって、 前記燃焼触媒は、互いに区画・独立した他数個のガス流
    路を有する耐久性支持体および前記ガス流路内壁面にあ
    る温度で酸化物,金属+酸素の平衡関係を有する金属酸
    化物を主とする触媒活性成分を耐熱性物質製担体に担持
    させた金属酸化物系触媒とを具備し、かつ前記触媒活性
    成分は還元処理された後に再酸化されたものであること
    を特徴とする燃焼器。
JP7048410A 1995-03-08 1995-03-08 金属酸化物系触媒の製造方法および触媒燃焼器 Withdrawn JPH08243409A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012161751A (ja) * 2011-02-08 2012-08-30 Okayama Univ 触媒及びその製造方法

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JP2012161751A (ja) * 2011-02-08 2012-08-30 Okayama Univ 触媒及びその製造方法

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