JPH08243603A - 高光沢ステンレス鋼帯の製造方法 - Google Patents

高光沢ステンレス鋼帯の製造方法

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JPH08243603A
JPH08243603A JP7251495A JP7251495A JPH08243603A JP H08243603 A JPH08243603 A JP H08243603A JP 7251495 A JP7251495 A JP 7251495A JP 7251495 A JP7251495 A JP 7251495A JP H08243603 A JPH08243603 A JP H08243603A
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Kazuhito Kenmochi
一仁 剣持
Osamu Sonobe
治 園部
Eisuke Kawasumi
英輔 河澄
Yoshiichi Kiyono
芳一 清野
Takashi Akazawa
高 赤澤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた表面光沢を有するステンレス冷延鋼帯
を製造可能とすること。 【構成】 高光沢ステンレス鋼帯の製造方法において、
酸洗後であって冷間タンデムミルで圧延する前に、 5%
を越えて30%以下の圧下率にて、無潤滑又はワークロー
ルの表面に厚み 1μm以下の流体潤滑財を塗布して予備
処理圧延し、冷間タンデムミルでは、少なくとも第1ス
タンド及び/又は最終スタンドにWC合金からなるワー
クロールを用いて圧延するもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた表面光沢を有す
るステンレス冷延鋼帯を有利に生産し得る高光沢ステン
レス鋼帯の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ステンレス冷延鋼帯は、熱延鋼帯
を焼鈍酸洗した後、ワークロール径 150mmφ以下のゼン
ジミアミル等において、鋼製合金ワークロールを用いて
冷間圧延を施し、更に仕上げ焼鈍酸洗又は仕上げ光輝焼
鈍した後、圧下率1.2 %以下の仕上げ調質圧延を施し製
造していた。
【0003】そして、熱延鋼帯の酸洗では酸洗の前にレ
ベラーやショットブラスト等の機械的脱スケール処理を
行うことも行なわれていた。
【0004】上記ステンレス冷延鋼帯は、例えば、SU
S430に代表されるフェライト系の場合、製造後の表
面のまま使用されることが多く、仕上げ調質圧延後の製
品に優れた表面光沢が要求される。また、SUS304
に代表されるオーステナイト系の場合、仕上げ調質圧延
後にバフ研磨を施すことが多く、このバフ研磨後に優れ
た表面光沢を呈することが重要である。
【0005】また、一方、圧延時間を大幅に短縮して高
能率にステンレス冷延鋼帯を製造するものとして、 150
mmφ以上の大径ワークロールを用いた冷間タンデムミル
により一方向に連続して冷間圧延する方法が採られてい
る。しかし、大径ワークロールで冷間圧延した鋼帯の表
面粗さは、熱延鋼帯を焼鈍酸洗した表面の著しく大きな
粗さが冷間圧延後に残留し、然も、小径ワークロールを
用いる冷間圧延に比べて更に大きい粗さとして残留する
ため、その製品は、表面光沢を要求される用途には全く
適用できなかった。
【0006】そこで、従来、ゼンジミアミル等の小径ワ
ークロールを用いる冷間圧延においては、例えば特開昭
60-261609 号公報に示される如く、セラミックを被覆し
たロールを低粘度の圧延油とともに用いる方法が提案さ
れている。これは、セラミックを被覆したロールを常時
圧延に用いることにより高速圧延におけるヒート・スク
ラッチと称する疵を防止し、かつ、低粘度の圧延油によ
って、冷間圧延中に生成するオイルピットを防止するこ
とにより光沢を向上するものであった。しかし、その実
施例にもある通り、ゼンジミアミル等の小径ワークロー
ルを用いる冷間圧延のみに適用されたものであって、本
発明のように大径のワークロールを用いる冷間タンデム
ミルによるステンレス鋼帯の圧延とは異なっている。即
ち、小径ワークロールを用いる圧延ではロールと鋼帯と
の間に導入される圧延油の油膜厚みが著しく薄いために
ヒートストリークが発生し易く、この防止技術が重要で
あってセラミックを被覆したロールの適用がなされてい
た。また、光沢については油膜厚みが著しく薄いために
ロール材質を変更してもその相違が現れず、ロール材質
の代わりに圧延油の粘度を低減してオイルピットを減少
させ光沢を向上する工夫がなされていた。これに対し
て、大径ワークロールを用いる冷間圧延ではロールと鋼
帯との間に導入される圧延油の油膜厚みが著しく厚いた
めに、小径ワークロールを用いる場合のようなヒートス
トリーク発生の問題は少なくて、光沢が低下する問題が
大きい。本発明はこの大径ワークロールを用いる冷間圧
延における光沢向上を図るため、ロール材質に着目した
新たな知見を見い出して行なわれたものである。
【0007】ステンレス鋼帯におけるこの種の表面光沢
を向上する方法として、従来、例えば特開昭61-23720号
公報に記載される如く、冷間圧延した後に焼鈍酸洗しそ
の後再び冷間圧延する方法や、特開昭61-49701号公報に
記載されるように、大径ワークロールで冷間した後に小
径ワークロールで圧延する方法が提案されている。しか
し、これらの方法では中間焼鈍酸洗や小径ワークロール
圧延が冷間タンデムミルに比較して著しく能率が低くて
生産能率が低下する。その結果、ステンレス鋼帯の製造
に冷間タンデムミルを採用することの本来の効果として
の高能率生産が成立しなくなり、大きな問題である。ま
た、特開平5-57304 号公報及び特開平5-123704号公報等
にはワークロールを特定条件の基で圧延中に交差させる
方法が開示されている。これらの方法を採用した場合、
設備コストが著しく高くて実機圧延設備への適用は困難
であった。
【0008】また、ステンレス鋼帯におけるこの種の表
面光沢低下問題を解決する方法として、従来、例えば特
開平3-146211号公報等に記載される如く、熱延後に鋼帯
を焼鈍酸洗する場合、焼鈍に引き続いて鋼帯表面を研削
し、予め冷延母板の表面粗さを低減する方法が提案され
ていた。しかし、この方法だけを採用した場合、研削に
伴う大きな線状疵が冷延後にも残留する場合があって十
分な表面光沢を得られず、更に有効な方法が望まれてい
た。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ステンレス
鋼帯を冷間タンデムミルで圧延するに際して、従来から
かかえていた表面光沢低下問題を解決し、高品質材を高
能率に生産することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、熱間圧延後のステンレス鋼帯を焼鈍し、酸洗した
後、又は焼鈍し、機械的脱スケールし、酸洗した後、冷
間タンデムミルで圧延するステンレス鋼帯の製造方法に
おいて、酸洗後であって冷間タンデムミルで圧延する前
に、 5%を越えて30%以下の圧下率にて、無潤滑又はワ
ークロールの表面に厚み 1μm以下の流体潤滑財を塗布
して予備処理圧延し、冷間タンデムミルでは、少なくと
も第1スタンド及び/又は最終スタンドにWC合金から
なるものである。
【0011】請求項2に記載の本発明は、熱間圧延後の
ステンレス鋼帯を焼鈍し、酸洗した後、又は焼鈍し、機
械的脱スケールし、酸洗した後、冷間タンデムミルで圧
延するステンレス鋼帯の製造方法において、焼鈍後又は
機械的脱スケール後であって酸洗する前に、樹脂に砥粒
を固着させた回転式研削具で表面を研削し、冷間タンデ
ムミルでは、少なくとも第1スタンド及び/又は最終ス
タンドにWC合金からなるワークロールを用いて圧延す
るようにしたものである。
【0012】請求項3に記載の本発明は、熱間圧延後の
ステンレス鋼帯を焼鈍し、酸洗した後、又は焼鈍し、機
械的脱スケールし、酸洗した後、冷間タンデムミルで圧
延するステンレス鋼帯の製造方法において、焼鈍は焼鈍
直後から400 ℃の範囲での冷却速度を25℃/秒以上、又
は850 〜400 ℃の範囲での冷却速度を25℃/秒以上と
し、冷間タンデムミルでは、少なくとも第1スタンド及
び/又は最終スタンドにWC合金からなるワークロール
を用いて圧延するようにしたものである。
【0013】請求項4に記載の本発明は、請求項1〜3
のいずれかに記載の本発明において更に、外層の厚さを
5mm以上WC合金としたワークロールを用いるようにし
たものである。
【0014】
【作用】従来、ステンレス冷延鋼帯の表面光沢を良好に
するには、その製品の表面粗さを左右する冷間圧延後の
鋼帯の表面粗さを低減すると良いことが知られていた。
【0015】しかし、本発明者らの検討において、上述
の冷間圧延後の鋼帯の表面粗さは、冷間圧延前の鋼帯、
即ち、熱延後に焼鈍酸洗した鋼帯の表面粗さの一部が冷
間圧延後に残存するものであることを見出した。
【0016】そこで、熱延後に焼鈍酸洗した鋼帯の表面
粗さについて、以下に示す。最終仕上げ製品で平均粗さ
Ra 0.1μm 以下の表面粗さを目標とするステンレス冷
延鋼帯の製造において、熱延鋼帯を焼鈍酸洗した直後の
鋼帯表面粗さは、硫酸等の酸洗や酸洗時のショットブラ
スト等の機械的脱スケール処理により、平均粗さRa 2
〜 4μm と著しく大きな粗さを有している。
【0017】然るに、一般に、冷間圧延時には圧延機の
入側より大量の圧延油がロールと鋼帯に供給される。こ
れは、圧延油による潤滑と冷却とを同時に実施し、ヒー
トストリーク等の焼付き疵の発生を防止して、安定して
鋼帯を製造するために行なわれる。
【0018】従って、冷間圧延機の入側において、ロー
ル及び鋼帯表面に数μm 以上の厚みの圧延油が付着し、
熱延後に焼鈍酸洗した鋼帯表面の著しく大きい凹みに圧
延油が溜まってロールバイトに噛み込まれる。この凹み
に溜まった油は、ロールバイトの中でロールと鋼帯が接
触している間逃げ場がなくなり、封じ込められたまま圧
延される。
【0019】一般に、圧延油を含めた液体は、空気等の
気体に比較して著しく圧縮され難いので、圧延中に油を
封じ込めた凹みは、圧延前よりいくらか小さくなるが、
大部分が圧延後も残留する。
【0020】以上のように、冷間圧延前の鋼帯の表面粗
さが、冷間圧延後も残留し製品の表面光沢を著しく損な
うわけである。
【0021】そこで、表面光沢の良好な鋼帯を得るため
には、冷間圧延開始時の鋼帯の表面粗さの凹部を圧延中
に小さくすると良い。即ち、冷間圧延中にロール表面の
粗さの凸起を充分に鋼帯表面に接触させて、冷間圧延前
の鋼帯表面粗さの凹部を充分に低減すると良いわけであ
る。
【0022】しかし、大径ワークロールを用いる冷間タ
ンデムミルにおいては、従来の小径ワークロールに比較
してロール径が大きいため、圧延油を十分にロールと鋼
帯の間に介在させてしまい、ロール表面の粗さの凸起を
十分に鋼帯表面に接触させることが難しい。
【0023】そのために、本発明者らの検討では、以下
の方法をとると良いことを見出した。 (a) 圧延油をロールと鋼帯との間に引き込まないように
すること。 (b) ロールと鋼帯との間に十分な圧力を生じさせるこ
と。
【0024】まず、(a) について、ロールと鋼帯との間
に圧延油が引き込まれる原因は圧延油に働く流体力学的
な力であり、この力はこれらの噛み込み角度に大きく影
響され、かつ、この角度を大きくすると圧延油が引き込
まれ難くなることがわかった。そこで、この角度を小さ
くするには、圧延条件を種々検討するのが良いが、冷間
タンデムミルではスタンド数が限定されるため、小径ロ
ールミルのようなリバース圧延によるパス回数の変更が
容易にできないために、他の方法を検討する必要があっ
た。
【0025】本発明者らは、ロールのヤング率に着目し
た。即ち、ロールのヤング率が大きくなると噛み込み角
度を大きくできて、圧延油が引き込まれ難くできること
を把握したわけである。
【0026】また、ロールのヤング率が大きくなると、
圧延油が引き込まれ難くなり、ロールと鋼帯との間の圧
力が著しく増加し、(b) に示す効果もあることを把握し
た。
【0027】そこで、ロールのヤング率を可能な限り大
きくする方法として、WC合金ロールを用いると良いこ
とを見い出したわけである。WC合金は例えば、WC50
〜99%にCo0 〜30%、Ni0 〜30%、他等を添加した
ものが良い。
【0028】WC合金ロールは、冷間タンデムミルの全
部のスタンドに適用しても良いが、光沢向上の効果及び
コストを考慮して、少なくとも第1スタンド及び/又は
最終スタンドに適用すれば良い。
【0029】第1スタンドに適用すれば、前述した冷延
素材表面の大きな粗さの凹部を充分に低減できて、表面
光沢は向上する。また、最終スタンドに適用すれば、そ
の1つ手前のスタンドまでに減少できなかった冷延素材
表面の凹部を十分に減少できて、著しく光沢を向上でき
る。
【0030】尚、従来の小径ワークロールにWC合金を
適用しても、小径ワークロールであるためにもともとロ
ールと鋼帯との噛み込み角度が大きくて、通常の鋼系合
金ロール( 5%Cr鍛鋼、冷間ダイス、ハイス系)とW
C合金との圧延油の引込量の差は小さく、ロールと鋼帯
との間に介在する圧延油の膜厚を小さくすることは難し
く、冷延素材表面の大きな粗さを低減する効果は、WC
合金ロール、通常の鋼系合金ロールともほぼ同じであ
る。
【0031】しかし、冷間タンデムミルのように大径ワ
ークロールの場合、ロールのヤング率による圧延油の引
込量への影響は著しく大きくて、ロールと鋼帯との間に
介在する圧延油の膜厚を小さくすることが容易に行なえ
るわけである。
【0032】尚、本発明において、WC合金の一体ロー
ルを用いても良いが、コストが大きいため、ロールバレ
ル部分のみWC合金としロールネック部分は従来の鋼系
合金とするか、或いは、ロールバレル部分の表層のみを
WC合金とすると良い。更に、ロールバレル部分の表層
のみをWC合金とする方法として、WC合金を従来の鋼
系合金に嵌合したり溶射すると良いが、ヤング率を大き
くするためにその厚みは5mm 以上とすることが望まし
い。
【0033】(A) ここで、本発明者らは更に光沢を向上
する方法を検討した。即ち、前述の知見から、冷間圧延
前の鋼帯表面の粗さが冷間圧延後も残留し、製品の表面
光沢を著しく損なうわけである。従って、光沢の良好な
鋼帯を得るためには、予め、冷間圧延前の鋼帯表面の凹
凸を小さくすると良いことが理解される。
【0034】そこで、圧延油等の液体潤滑剤を用いない
無潤滑予備処理圧延を冷間圧延前の鋼帯、即ち、熱延鋼
帯を焼鈍酸洗した鋼帯に施すと良いのである。このとき
の圧下率について種々検討したところ、 5%以下である
と冷間圧延前の鋼帯表面の粗さが十分低減できず、 5%
を越える圧下率が必要なことを把握した。
【0035】また、無潤滑予備処理圧延において、微小
な焼付き疵が発生して光沢が低下する場合が生じたた
め、この焼付き疵を防止しつつ冷間圧延前の鋼帯表面粗
さを低減する方法として、ワークロール表面に厚み 1μ
m 以下の液体潤滑剤を塗布して予備処理圧延すると良い
ことを見い出した。このときの圧下率についても種々検
討したところ、 5%以下であると冷間圧延前の鋼帯表面
の粗さが十分低減できず、 5%を越える圧下率が必要な
ことを把握した。
【0036】一方、焼付き疵を確実に防止するために、
ある程度圧下率を低く保つ必要があることを認めた。即
ち、本発明者らの検討において、30%の圧下率を超える
と必ず焼付きが発生するため、圧下率を30%以下とする
必要があるとしたのである。
【0037】(B) 本発明者らは、別の方法により、冷間
圧延前の鋼帯表面の凹凸を低減した。即ち、粗さを発生
する原因は、ショットブラストによる機械的脱スケール
処理及び酸洗にある。これらを用いる理由は鋼帯表面の
酸化スケールを完全に除去するためであるが、その完全
に除去する条件のために、鋼帯表面に大きな粗さが付与
されていた。そこで、酸化スケールを完全に除去しつ
つ、かつ、鋼帯表面粗さを低くできる方法を検討した結
果、樹脂等に砥粒を固着させた回転式研削具を使用する
と良いことがわかった。しかも、本研削具を使用すると
焼鈍酸洗における連続工程でありながら鋼帯表面を十分
に研削可能であり、能率良く酸化スケールの除去と鋼帯
表面粗さの低減ができることを見い出した。
【0038】尚、この研削具を用いると、鋼帯表面に線
状の大きな疵が残留する場合があり、冷間圧延してもそ
の疵が残留して、製品鋼帯のむらや疵となって問題にな
る場合があったが、本発明の冷間タンデムミルでWC合
金で圧延することを組合わせた結果、この線状疵を消去
できることを把握した。この理由は、上述した冷延素材
粗さの凹部が減少する理由と同じく、ロールのヤング率
が大きいことが有利に働いている。
【0039】従って、焼鈍後の研削具と冷延時の超硬合
金の適用の双方により、良好な光沢を有するステンレス
冷延鋼帯が製造できるわけである。
【0040】(C) 本発明者らは更に別の光沢を向上する
方法を検討した。即ち、SUS304を代表とするオー
ステナイト系ステンレス鋼板について、光沢阻害原因を
更に調査した結果、製品鋼帯の表面に網目状のミクロな
欠陥が残存し、これが原因で表面光沢を低下させること
を把握した。しかもこの網目状の欠陥は冷間圧延後の鋼
帯表面に残存し、更に冷間圧延前の鋼帯、即ち熱延し焼
鈍酸洗した鋼帯の表面に生成した欠陥の一部が冷間圧延
後まで残存するものであることを見い出した。
【0041】また、熱延後に焼鈍酸洗した鋼帯の表面を
詳細に調査した結果、この網目状欠陥は鋼帯表面の結晶
粒界に一致することが判明し、結晶粒界に沿って生成す
るクロム欠乏層が原因であることを把握した。即ち、ス
テンレス鋼帯を熱延し焼鈍すると、結晶粒界に沿ってク
ロム欠乏層が生成する。このクロム欠乏層はマルテンサ
イトとなって熱間脆性を持つため著しく割れが発生しや
すい。しかも、焼鈍された鋼帯は酸洗によって鋼帯表面
の酸化スケールが除去されるが、粒界割れは、この酸洗
時の酸により浸食を受けて更に拡大し増加して、粒界浸
食溝となる。
【0042】この鋼帯を大量の圧延油を供給して冷間圧
延すると、粒界浸食溝の内部に圧延油が封入されてロー
ル及び鋼帯の接触部分で押し潰されにくくなる結果、粒
界浸食溝が冷延後も残留し、さらに製品鋼帯の表面にも
残留して、表面光沢を低下させていたわけである。
【0043】そこで、この粒界浸食溝の生成を根本的に
防止するために、以下の方法を検討した。 (a) 粒界浸食溝の元となるクロム欠乏層を著しく低減す
る。 (b) 粒界浸食溝を機械的に除去する。 (c) 粒界割れを押し潰す。
【0044】これらの中で、最も効果の大きい方法とし
て、本発明者らは(a) クロム欠乏層を減少させる方法を
採用した。
【0045】クロム欠乏層を低減させるには、その生成
を抑制すると良く、高温に加熱された鋼板を冷却すると
良いことが知られているが、具体的にどの程度の温度か
ら冷却し、冷却速度をどの程度にすれば良いのか、従来
不明であった。
【0046】そこで、本発明者らは、これらについて検
討したところ、熱延時よりもその後に焼鈍した鋼帯表面
に深くて著しいクロム欠乏層が生成して粒界浸食溝とな
ることを見い出した。即ち、焼鈍後の鋼帯をこれに連続
して急冷すれば良いわけである。
【0047】また、急冷を開始するタイミングについて
検討したところ、種々のオーステナイト系ステンレス鋼
板のいずれにおいても、クロム欠乏層を著しく減少させ
て粒界浸食溝をなくすには、焼鈍直後からの例が良いこ
とを見い出した。
【0048】しかし、焼鈍炉の構造によっては、焼鈍直
後から急冷できない場合もある。そこで、粒界浸食溝が
生成しにくい鋼帯の温度を種々検討したところ、850 〜
400℃の範囲で急冷すると良いことを見い出した。
【0049】また、オーステナイト系ステンレス鋼帯の
冷却速度を種々変更して得られた鋼帯の粒界浸食溝を観
察したところ、25℃/秒以上の冷却速度であれば粒界浸
食溝が著しく減少し、その鋼帯を冷間圧延して仕上げた
製品の表面光沢は著しく向上することを見い出した。
【0050】以上の本発明にあっては、熱延鋼帯の酸洗
に従来のレベラーやショットブラスト等の機械的脱スケ
ール処理を行なっても、同一の作用であった。
【0051】
【実施例】熱延鋼帯の酸洗に従来の機械的脱スケール処
理を行なわない場合について以下に示す。
【0052】[グループA(請求項1の発明)の実施
例] (実施例1)(表1) フェライト系ステンレス鋼帯の一例としてのSUS43
0鋼帯を用いて、本発明方法の一例として、熱延鋼帯を
焼鈍酸洗した後に 5%を超える圧下率で無潤滑予備処理
圧延を実施し、その後に5スタンド冷間タンデムミルで
全スタンドにロール内芯をハイス鋼とし、ロール外周に
Coを10%含有するWC合金を嵌合したワークロールを
適用して、該鋼帯を素材厚み4.0mm から仕上げ厚み1.0m
m まで冷間圧延した。
【0053】また、比較例として、熱延鋼帯を焼鈍酸洗
した後に圧下率 5%以下で無潤滑予備処理圧延を実施
し、その後に5スタンド冷間タンデムミルで全スタンド
にCoを10%含有するWC合金のワークロールを適用し
て冷間圧延した。
【0054】また、比較例として、熱延鋼帯を焼鈍酸洗
した後に 5%を超える圧下率で無潤滑予備処理圧延を実
施し、その後に5スタンド冷間タンデムミルで全スタン
ドに通常の 5%Cr鍛鋼を用いたワークロールを適用し
て冷間圧延した。
【0055】更に、従来例として、熱延鋼帯を焼鈍酸洗
したまま、5スタンド冷間タンデムミルの全スタンドに
通常の 5%Cr鍛鋼を用いたワークロールを適用して圧
延した場合についても同様に冷間圧延した。
【0056】その後に、これら鋼帯を仕上げ焼鈍酸洗し
て伸び率1.0 %で調質圧延し鋼帯表面の光沢を調査し
た。これらステンレス冷延鋼帯の表面光沢について、JI
S Z8741 光沢度測定方法5(GS20°)により測定し、
良好な順に光沢度を950 以上と特A、800 〜950 をA、
600 〜800 をB、400 〜600 をC、400 以下をDとして
5段階で評価した。
【0057】表1に示す結果より、本発明方法で製造し
たステンレス冷延鋼帯は、比較例及び従来例で製造した
鋼帯に比較して著しく良好な光沢を有していた。
【表1】
【0058】(実施例2)(表2) フェライト系ステンレス鋼帯の一例としてのSUS43
0鋼帯を用いて、本発明方法の一例として、熱延鋼帯を
焼鈍酸洗した後に 5%を超える圧下率でワークロール表
面に厚み 1μm 以下の圧延油を塗布して予備処理圧延を
実施し、その後に5スタンド冷間タンデムミルで第1ス
タンドから第3スタンドにCoを30%含有するWC合金
の一体型ワークロールを適用して、該鋼帯を素材厚み5.
0mm から仕上げ厚み2.0mm まで冷間圧延した。
【0059】また、比較例として、ワークロール表面に
厚み 1μm 以上の圧延油を塗布して予備処理圧延し、他
は上述の条件と同一とした。
【0060】また、比較例として、熱延鋼帯を焼鈍酸洗
した後に圧下率 5%以下で無潤滑予備処理圧延を実施
し、その後に5スタンド冷間タンデムミルで第1スタン
ドから第3スタンドにCoを30%含有するWC合金のワ
ークロールを適用して冷間圧延した。
【0061】また、比較例として、熱延鋼帯を焼鈍酸洗
した後に 5%を超える圧下率で無潤滑予備処理圧延を実
施し、その後に5スタンド冷間タンデムミルで全スタン
ドに通常の 5%Cr鍛鋼を用いたワークロールを適用し
て冷間圧延した。
【0062】更に、従来例として、熱延鋼帯を焼鈍酸洗
したまま、予備処理圧延せずに、5スタンド冷間タンデ
ムミルの全スタンドに通常の 5%Cr鍛鋼を用いたワー
クロールを適用した場合についても同様に冷間圧延し
た。
【0063】その後に、これら鋼帯を仕上げ焼鈍酸洗し
て伸び率1.2 %で調質圧延し、鋼帯表面の光沢を調査し
た。これらステンレス冷延鋼帯の表面光沢は実施例1の
方法と同一にして評価した。
【0064】表2に示す結果より、本発明方法で製造し
たステンレス冷延鋼帯は、比較例及び従来例で製造した
鋼帯に比較して著しく良好な光沢を有していた。
【表2】
【0065】(実施例3)(表3) フェライト系ステンレス鋼帯の一例としてのSUS43
0鋼帯を用いて、本発明方法の一例として、熱延鋼帯を
焼鈍酸洗した後に 5%を超える圧下率で無潤滑予備処理
圧延を実施し、その後に5スタンド冷間タンデムミルで
最終第5スタンドにロール軸芯を冷間ダイス鋼とし、ロ
ール外周にNiを 5%含有するWC合金を嵌合したワー
クロールを適用して、該鋼帯を素材厚み3.0mm から仕上
げ厚み0.7mm まで冷間圧延した。
【0066】また、比較例として、熱延鋼帯を焼鈍酸洗
した後に圧下率 5%以下で無潤滑予備処理圧延を実施
し、その後に5スタンド冷間タンデムミルで第5スタン
ドにNiを 5%含有するWC合金のワークロールを適用
して冷間圧延した。
【0067】また、比較例として、熱延鋼帯を焼鈍酸洗
した後に 5%を超える圧下率で無潤滑予備処理圧延を実
施し、その後に5スタンド冷間タンデムミルで全スタン
ドに通常の 5%Cr鍛鋼を用いたワークロールを適用し
て冷間圧延した。
【0068】更に、従来例として、熱延鋼帯を焼鈍酸洗
したまま、5スタンド冷間タンデムミルの全スタンドに
通常の 5%Cr鍛鋼を用いたワークロールを適用した場
合についても同様に冷間圧延した。
【0069】その後に、これら鋼帯を仕上げ焼鈍酸洗し
て伸び率0.8 %で調質圧延し、鋼帯表面の光沢を調査し
た。これらステンレス冷延鋼帯の表面光沢は実施例1の
方法と同一にして評価した。
【0070】表3に示す結果より、本発明方法で製造し
たステンレス冷延鋼帯は、比較例及び従来例で製造した
鋼帯に比較して著しく良好な光沢を有していた。
【表3】
【0071】(実施例4)(表4) フェライト系ステンレス鋼帯の一例としてのSUS43
0鋼帯を用いて、本発明方法の一例として、熱延鋼帯を
焼鈍酸洗した後に 5%を超える圧下率で無潤滑予備処理
圧延を実施し、その後に5スタンド冷間タンデムミルで
第4スタンド及び第5スタンドにロールネックをセミハ
イス鋼とし、ロールバレルにNiを15%含有するWC合
金を設けたワークロールを適用して、該鋼帯を素材厚み
4.0mm から中間厚み1.3mm まで冷間圧延した。
【0072】また、比較例として、熱延鋼帯を焼鈍酸洗
した後に圧下率 5%以下で無潤滑予備処理圧延を実施
し、その後に5スタンド冷間タンデムミルで第4スタン
ド及び第5スタンドにNiを15%含有するWC合金のワ
ークロールを適用して冷間圧延した。
【0073】また、比較例として、熱延鋼帯を焼鈍酸洗
した後に 5%を超える圧下率で無潤滑予備処理圧延を実
施し、その後に5スタンド冷間タンデムミルで全スタン
ドに通常の 5%Cr鍛鋼を用いたワークロールを適用し
て冷間圧延した。
【0074】更に、従来例として、熱延鋼帯を焼鈍酸洗
したまま、5スタンド冷間タンデムミルの全スタンドに
通常の 5%Cr鍛鋼を用いたワークロールを適用した場
合についても同様に冷間圧延した。
【0075】これら鋼帯は、その後に冷間ダイスの小径
ワークロールを用いるゼンジミア圧延機で中間厚み1.3m
m から仕上げ厚み1.0mm まで5パスで圧延し、仕上げ焼
鈍酸洗して伸び率1.0 %で調質圧延した。これらステン
レス冷延鋼帯の表面光沢は実施例1の方法と同一にして
評価した。
【0076】表4に示す結果より、本発明方法で製造し
たステンレス冷延鋼帯は、比較例及び従来例で製造した
鋼帯に比較して著しく良好な光沢を有していた。
【表4】
【0077】(実施例5)(表5) オーステナイト系ステンレス鋼帯の一例としてのSUS
304鋼帯を用いて、本発明方法の一例として、熱延鋼
帯を焼鈍・酸洗した後に 5%を超える圧下率で無潤滑予
備処理圧延を実施し、その後に5スタンド冷間タンデム
ミルで全スタンドにロール内芯をハイス鋼とし、ロール
外周にCoを10%含有するWC合金を嵌合したワークロ
ールを適用し、該鋼帯を素材厚み4.0mm から仕上げ厚み
1.3mm まで冷間圧延した。
【0078】また、比較例として、熱延鋼帯を焼鈍・酸
洗した後に圧下率 5%以下で無潤滑予備処理圧延を実施
し、その後に5スタンド冷間タンデムミルで全スタンド
にCoを10%含有するWC合金のワークロールを適用し
て冷間圧延した。
【0079】また、比較例として、熱延鋼帯を焼鈍・酸
洗した後に 5%を超える圧下率で無潤滑予備処理圧延を
実施し、その後に5スタンド冷間タンデムミルで全スタ
ンドに通常の 5%Cr鍛鋼を用いたワークロールを適用
して冷間圧延した。
【0080】更に、従来例として、熱延鋼帯を焼鈍・酸
洗したまま、5スタンド冷間タンデムミルの全スタンド
に通常の 5%Cr鍛鋼を用いたワークロールを適用した
場合についても同様に冷間圧延した。
【0081】その後に、これら鋼帯を仕上げ焼鈍、酸洗
して伸び率0.6 %で調質圧延し、#600 のバブ研磨を3
パス施して鋼帯表面の光沢を調査した。これらステンレ
ス冷延鋼帯の表面光沢は実施例1の方法と同一にして評
価した。
【0082】表5に示す結果より、本発明方法で製造し
たステンレス冷延鋼帯は、比較例及び従来例で製造した
鋼帯に比較して著しく良好な光沢を有していた。
【表5】
【0083】(実施例6)(表6) オーステナイト系ステンレス鋼帯の一例としてのSUS
304鋼帯を用いて、本発明方法の一例として、熱延鋼
帯を焼鈍・酸洗した後に 5%を超える圧下率でワークロ
ール表面に厚み 1μm 以下の水溶性潤滑剤を塗布して予
備処理圧延を実施し、その後に5スタンド冷間タンデム
ミルで第3スタンドから第5スタンドにCoを30%含有
するWC合金の一体型ワークロールを適用して、該鋼帯
を素材厚み5.0mm から仕上げ厚み2.3mm まで冷間圧延し
た。
【0084】また、比較例として、熱延鋼帯を焼鈍・酸
洗した後に圧下率 5%以下でワークロール表面に厚み 1
μm 以下の水溶性潤滑剤を塗布して予備処理圧延を実施
し、その後に5スタンド冷間タンデムミルで第3スタン
ドから第5スタンドにCoを30%含有するWC合金のワ
ークロールを適用して冷間圧延した。
【0085】また、比較例として、熱延鋼帯を焼鈍・酸
洗した後に 5%を超える圧下率でワークロールに厚み 1
μm 以下の水溶性潤滑剤を塗布して予備処理圧延を実施
し、その後に5スタンド冷間タンデムミルの全スタンド
に通常の 5%Cr鍛鋼を用いたワークロールを適用して
冷間圧延した。
【0086】更に、従来例として、熱延鋼帯を焼鈍・酸
洗したまま、5スタンド冷間タンデムミルの全スタンド
に通常の 5%Cr鍛鋼を用いたワークロールを適用した
場合についても同様に冷間圧延した。
【0087】その後に、これら鋼帯を仕上げ焼鈍、酸洗
して伸び率 0.8%で調質圧延し、バフ研磨を上述と同じ
条件で施して鋼帯表面の光沢を調査した。これらステン
レス冷延鋼帯の表面光沢は実施例1と同一にして評価し
た。
【0088】表6に示す結果より、本発明方法で製造し
たステンレス冷延鋼帯は、比較例及び従来例で製造した
鋼帯に比較して著しく良好な光沢を有していた。
【表6】
【0089】(実施例7)(表7) オーステナイト系ステンレス鋼帯の一例としてのSUS
304鋼帯を用いて、本発明方法の一例として、熱延鋼
帯を焼鈍・酸洗した後に5%を超える圧下率で無潤滑予
備処理圧延を実施し、その後に5スタンド冷間タンデム
ミルで第1スタンドにロール軸芯を冷間ダイス鋼とし、
ロール外周にNiを 5%含有するWC合金を嵌合したワ
ークロールを適用して、該鋼帯を素材厚み3.0mm から仕
上げ厚み0.98mmまで冷間圧延した。
【0090】また、比較例として、熱延鋼帯を焼鈍・酸
洗した後に圧下率 5%以下で無潤滑予備処理圧延を実施
し、その後に5スタンド冷間タンデムミルで第1スタン
ドにNiを 5%含有するWC合金のワークロールを適用
して冷間圧延した。
【0091】また、比較例として、熱延鋼帯を焼鈍・酸
洗した後に 5%を超える圧下率で無潤滑予備処理圧延を
実施し、その後に5スタンド冷間タンデムミルで全スタ
ンドに通常の 5%Cr鍛鋼を用いたワークロールを適用
して冷間圧延した。
【0092】更に、従来例として、熱延鋼帯を焼鈍・酸
洗したまま、5スタンド冷間タンデムミルで全スタンド
に通常の 5%Cr鍛鋼を用いたワークロールを適用した
場合についても同様に冷間圧延した。
【0093】その後に、これら鋼帯を仕上げ焼鈍、酸洗
して伸び率 1.0%で調質圧延し、#400 のバフ研磨を1
パス施して鋼帯表面の光沢を調査した。これらステンレ
ス冷延鋼帯の表面光沢は実施例1と同一にして評価し
た。
【0094】表7に示す結果より、本発明方法で製造し
たステンレス冷延鋼帯は、比較例及び従来例で製造した
鋼帯に比較して著しく良好な光沢を有していた。
【表7】
【0095】(実施例8)(表8) オーステナイト系ステンレス鋼帯の一例としてのSUS
304鋼帯を用いて、本発明方法の一例として、熱延鋼
帯を焼鈍・酸洗した後に 5%を超える圧下率で圧延油エ
マルションをワークロールに塗布して、油膜厚さ 1μm
以下として予備処理圧延を実施し、その後に5スタンド
冷間タンデムミルで第4スタンド及び第5スタンドに本
発明方法の一例であるロールネックをセミハイス鋼と
し、ロールバレルにNiを15%含有するWC合金を設け
たワークロールを適用して、該鋼帯を素材厚み3.0mm か
ら中間厚み1.30mmまで冷間圧延した。
【0096】また比較例として、ワークロール表面に厚
み 1μm 以上の圧延油エマルションを塗布して予備処理
圧延し、他は上述の条件と同一とした。
【0097】また、比較例として、熱延鋼帯を焼鈍・酸
洗した後に圧下率 5%以下の無潤滑予備処理圧延を実施
し、その後に5スタンド冷間タンデムミルで第4スタン
ド及び第5スタンドにWC合金のワークロールを適用し
て冷間圧延した。
【0098】また、比較例として、熱延鋼帯を焼鈍・酸
洗した後に 5%を超える圧下率で無潤滑予備処理圧延を
実施し、その後に5スタンド冷間タンデムミルで全スタ
ンドに通常の 5%Cr鍛鋼を用いたワークロールを適用
して冷間圧延した。
【0099】更に、従来例として、熱延鋼帯を焼鈍・酸
洗したまま、5スタンド冷間タンデムミルで全スタンド
に通常の 5%Cr鍛鋼を用いたワークロールを適用した
場合についても同様に冷間圧延した。
【0100】これら鋼帯は、その後にハイス系小径ワー
クロールを用いるクラスター型圧延機で中間厚み1.3mm
から仕上げ厚み0.8mm まで冷間圧延し、仕上げ焼鈍、酸
洗して伸び率0.6 %で調質圧延し、#600 でバフ研磨を
2パス施して鋼帯表面の光沢を調査した。これらステン
レス冷延鋼帯の表面光沢は実施例1と同一にして評価し
た。
【0101】表8に示す結果より、本発明方法で製造し
たステンレス冷延鋼帯は、比較例及び従来例で製造した
鋼帯に比較して著しく良好な光沢を有していた。
【表8】
【0102】[グループB(請求項2の発明)の実施
例] (実施例9)(表9) フェライト系ステンレス鋼帯の一例としてのSUS43
0鋼帯を用いて、本発明方法の一例として、熱延鋼帯を
焼鈍し、これに連続して樹脂に砥粒を固着させた回転式
砥石で鋼帯表面を研削して酸洗した。その後、5スタン
ド冷間タンデムミルで全スタンドにロール内芯をハイス
鋼とし、ロール外周にCoを10%含有するWC合金を嵌
合したワークロールを適用して、該鋼帯を素材厚み4.0m
m から仕上げ厚み1.0mm まで冷間圧延した。
【0103】また、比較例として、熱延鋼帯を焼鈍して
そのまま酸洗し、その後に5スタンド冷間タンデムミル
で全スタンドにCoを10%含有するWC合金のワークロ
ールを適用して冷間圧延した。
【0104】また、比較例として、熱延鋼帯を焼鈍し、
これに連続して樹脂に砥粒を固着させた回転式砥石で鋼
帯表面を研削して酸洗した。その後に5スタンド冷間タ
ンデムミルで全スタンドに通常の 5%Cr鍛鋼を用いた
ワークロールを適用して冷間圧延した。
【0105】更に、従来例として、熱延鋼帯を焼鈍しそ
のまま酸洗し、その後に5スタンド冷間タンデムミルの
全スタンドに通常の 5%Cr鍛鋼を用いたワークロール
を適用して圧延した場合についても同様に冷間圧延し
た。
【0106】その後に、これら鋼帯を仕上げ焼鈍酸洗し
て伸び率0.8 %で調質圧延した。これらステンレス冷延
鋼帯の表面光沢は実施例1の方法と同一にして評価し
た。
【0107】表9に示す結果より、本発明方法で製造し
たステンレス冷延鋼帯は、比較例及び従来例で製造した
鋼帯に比較して著しく良好な光沢を有していた。
【表9】
【0108】(実施例10)(表10) フェライト系ステンレス鋼帯の一例としてのSUS43
0鋼帯を用いて、本発明方法の一例として、熱延鋼帯を
焼鈍し、これに連続して樹脂に砥粒を固着させたブラシ
をロール状に植毛した回転式研削具で鋼帯表面を研削し
て酸洗した。その後に5スタンド冷間タンデムミルで第
1スタンドから第3スタンドに本発明方法の一例である
Coを30%含有するWC合金の一体型ワークロールを適
用し、該鋼帯を素材厚み5.0mm から仕上げ厚み2.0mm ま
で冷間圧延した。
【0109】また、比較例として、熱延鋼帯を焼鈍しそ
のまま酸洗した。その後に5スタンド冷間タンデムミル
で第1スタンドから第3スタンドにCoを30%含有する
WC合金のワークロールを適用し冷間圧延した。
【0110】また、比較例として、熱延鋼帯を焼鈍し、
これに連続して樹脂に砥粒を固着させたブラシをロール
状に植毛した回転式研削具で鋼帯表面を研削して酸洗し
た。その後に5スタンド冷間タンデムミルで全スタンド
に通常の 5%Cr鍛鋼を用いたワークロールを適用して
冷間圧延した。
【0111】更に、従来例として、熱延鋼帯を焼鈍しそ
のまま酸洗した。その後に5スタンド冷間タンデムミル
の全スタンドに通常の 5%Cr鍛鋼を用いたワークロー
ルを適用した場合についても同様に冷間圧延した。
【0112】その後に、これら鋼帯を仕上げ焼鈍酸洗し
て伸び率1.2 %で調質圧延した。これらステンレス冷延
鋼帯の表面光沢は実施例1の方法と同一にして評価し
た。
【0113】表10に示す結果より、本発明方法で製造
したステンレス冷延鋼帯は、比較例及び従来例で製造し
た鋼帯に比較して著しく良好な光沢を有していた。
【表10】
【0114】(実施例11)(表11) フェライト系ステンレス鋼帯の一例としてのSUS43
0鋼帯を用いて、本発明方法の一例として、熱延鋼帯を
焼鈍し、これに連続して樹脂に砥粒を固着させた回転式
砥石で鋼帯表面を研削して酸洗した。その後に5スタン
ド冷間タンデムミルで最終第5スタンドにロール軸芯を
冷間ダイス鋼とし、ロール外周にNiを5%含有するW
C合金を嵌合したワークロールを適用し、該鋼帯を素材
厚み3.0mm から仕上げ厚み0.7mm まで冷間圧延した。
【0115】また、比較例として、熱延鋼帯を焼鈍しそ
のまま酸洗した。その後に5スタンド冷間タンデムミル
で第5スタンドにNiを 5%含有するWC合金のワーク
ロールを適用して冷間圧延した。
【0116】また、比較例として、熱延鋼帯を焼鈍し、
これに連続して樹脂に砥粒を固着させた回転式砥石で鋼
帯表面を研削して酸洗した。その後に5スタンド冷間タ
ンデムミルで全スタンドに通常の 5%Cr鍛鋼を用いた
ワークロールを適用して冷間圧延した。
【0117】更に、従来例として、熱延鋼帯を焼鈍しそ
のまま酸洗した。その後に5スタンド冷間タンデムミル
の全スタンドに通常の 5%Cr鍛鋼を用いたワークロー
ルを適用した場合についても同様に冷間圧延した。
【0118】その後に、これら鋼帯を仕上げ焼鈍酸洗し
て伸び率0.8 %で調質圧延して鋼帯表面の光沢を調査し
た。これらステンレス冷延鋼帯の表面光沢は実施例1の
方法と同一にして評価した。
【0119】表11に示す結果より、本発明方法で製造
したステンレス冷延鋼帯は、比較例及び従来例で製造し
た鋼帯に比較して著しく良好な光沢を有していた。
【表11】
【0120】(実施例12)(表12) フェライト系ステンレス鋼帯の一例としてのSUS43
0鋼帯を用いて、本発明方法の一例として、熱延鋼帯を
焼鈍し、これに連続して樹脂に砥粒を固着させたブラシ
をロール状に植毛した回転式研削具で鋼帯表面を研削し
て酸洗した。その後に5スタンド冷間タンデムミルで第
4スタンド及び第5スタンドにロールネックをセミハイ
ス鋼とし、ロールバレルにNiを15%含有するWC合金
を設けたワークロールを適用し、該鋼帯を素材厚み4.0m
m から中間厚み1.3mm まで冷間圧延した。
【0121】また、比較例として、熱延鋼帯を焼鈍しそ
のまま酸洗した。その後に5スタンド冷間タンデムミル
で第4スタンド及び第5スタンドにNiを15%含有する
WC合金のワークロールを適用して冷間圧延した。
【0122】また、比較例として、熱延鋼帯を焼鈍し、
これに連続して樹脂に砥粒を固着させたブラシをロール
状に植毛した回転式研削具で鋼帯表面を研削した。その
後に5スタンド冷間タンデムミルで全スタンドに通常の
5%Cr鍛鋼を用いたワークロールを適用して冷間圧延
した。
【0123】更に、従来例として、熱延鋼帯を焼鈍しそ
のまま酸洗した。その後に5スタンド冷間タンデムミル
の全スタンドに通常の 5%Cr鍛鋼を用いたワークロー
ルを適用した場合についても同様に冷間圧延した。
【0124】これら鋼帯は、その後に冷間ダイスの小径
ワークロールを用いるゼンジミア圧延機で中間厚み1.3m
m から仕上げ厚み1.0mm まで5パスで圧延し、仕上げ焼
鈍酸洗して伸び率1.0 %で調質圧延して鋼帯表面の光沢
を調査した。これらステンレス冷延鋼帯の表面光沢は実
施例1の方法と同一にして評価した。
【0125】表12に示す結果より、本発明方法で製造
したステンレス冷延鋼帯は、比較例及び従来例で製造し
た鋼帯に比較して著しく良好な光沢を有していた。
【表12】
【0126】(実施例13)(表13) オーステナイト系ステンレス鋼帯の一例としてのSUS
304鋼帯を用いて、本発明方法の一例として、熱延鋼
帯を焼鈍し、これに連続して樹脂に砥粒を固着させた回
転式砥石で鋼帯表面を研削して酸洗した。その後に5ス
タンド冷間タンデムミルで全スタンドにロール内芯をハ
イス鋼とし、ロール外周にCoを10%含有するWC合金
を嵌合したワークロールを適用し、該鋼帯を素材厚み4.
0mm から仕上げ厚み1.3mm まで冷間圧延した。
【0127】また、比較例として、熱延鋼帯を焼鈍しそ
のまま酸洗した。その後に5スタンド冷間タンデムミル
で全スタンドにCoを10%含有するWC合金のワークロ
ールを適用して冷間圧延した。
【0128】また、比較例として、熱延鋼帯を焼鈍し、
これに連続して樹脂に砥粒を固着させた回転式砥石で鋼
帯表面を研削して酸洗した。その後に5スタンド冷間タ
ンデムミルで全スタンドに通常の 5%Cr鍛鋼を用いた
ワークロールを適用して冷間圧延した。
【0129】更に、従来例として、熱延鋼帯を焼鈍しそ
のまま酸洗した。その後に5スタンド冷間タンデムミル
の全スタンドに通常の 5%Cr鍛鋼を用いたワークロー
ルを適用した場合についても同様に冷間圧延した。
【0130】その後に、これら鋼帯を仕上げ焼鈍、酸洗
して伸び率0.6 %で調質圧延し、#600 のバフ研磨を3
パス施して鋼帯表面の光沢を調査した。これらステンレ
ス冷延鋼帯の表面光沢は実施例1の方法と同一にして評
価した。
【0131】表13に示す結果より、本発明方法で製造
したステンレス冷延鋼帯は、比較例及び従来例で製造し
た鋼帯に比較して著しく良好な光沢を有していた。
【表13】
【0132】(実施例14)(表14) オーステナイト系ステンレス鋼帯の一例としてのSUS
304鋼帯を用いて、本発明方法の一例として、熱延鋼
帯を焼鈍し、これに連続して樹脂に砥粒を固着させたブ
ラシをロール状に植毛した回転式研削具で鋼帯表面を研
削して酸洗した。その後に5スタンド冷間タンデムミル
で第3スタンドから第5スタンドにCoを30%含有する
WC合金の一体型ワークロールを適用して、該鋼帯を素
材厚み5.0mm から仕上げ厚み2.3mm まで冷間圧延した。
【0133】また、比較例として、熱延鋼帯を焼鈍しそ
のまま酸洗した。その後に5スタンド冷間タンデムミル
で第3スタンドから第5スタンドにCoを30%含有する
WC合金のワークロールを適用して冷間圧延した。
【0134】また、比較例として、熱延鋼帯を焼鈍し、
これに連続して樹脂に砥粒を固着させたブラシをロール
状に植毛した回転式研削具で鋼帯表面を研削して酸洗し
た。その後に5スタンド冷間タンデムミルの全スタンド
に通常の 5%Cr鍛鋼を用いたワークロールを適用して
冷間圧延した。
【0135】更に、従来例として、熱延鋼帯を焼鈍しそ
のまま酸洗した。その後に5スタンド冷間タンデムミル
の全スタンドに通常の 5%Cr鍛鋼を用いたワークロー
ルを適用した場合についても同様に冷間圧延した。
【0136】その後に、これら鋼帯を仕上げ焼鈍、酸洗
して伸び率0.8 %で調質圧延し、#400 のバフ研磨を2
パス施して鋼帯表面の光沢を調査した。これらステンレ
ス冷延鋼帯の表面光沢は実施例1の方法と同一にして評
価した。
【0137】表14に示す結果より、本発明方法で製造
したステンレス冷延鋼帯は、比較例及び従来例で製造し
た鋼帯に比較して著しく良好な光沢を有していた。
【表14】
【0138】(実施例15)(表15) オーステナイト系ステンレス鋼帯の一例としてのSUS
304鋼帯を用いて、本発明方法の一例として、熱延鋼
帯を焼鈍し、これに連続して樹脂に砥粒を固着させた回
転式砥石で鋼帯表面を研削して酸洗した。その後に5ス
タンド冷間タンデムミルの第1スタンドにロール軸芯を
冷間ダイス鋼とし、ロール外周にNiを5%含有するW
C合金を嵌合したワークロールを適用し、該鋼帯を素材
厚み3.0mm から仕上げ厚み0.98mmまで冷間圧延した。
【0139】また、比較例として、熱延鋼帯を焼鈍しそ
のまま酸洗した。その後に5スタンド冷間タンデムミル
で第1スタンドにNiを 5%含有するWC合金のワーク
ロールを適用して冷間圧延した。
【0140】また、比較例として、熱延鋼帯を焼鈍し、
これに連続して樹脂に砥粒を固着させた回転式砥石で鋼
帯表面を研削して酸洗した。その後に5スタンド冷間タ
ンデムミルで全スタンドに通常の 5%Cr鍛鋼を用いた
ワークロールを適用して冷間圧延した。
【0141】更に、従来例として、熱延鋼帯を焼鈍しそ
のまま酸洗した。その後に5スタンド冷間タンデムミル
で全スタンドに通常の 5%Cr鍛鋼を用いたワークロー
ルを適用した場合についても同様に冷間圧延した。
【0142】その後に、これら鋼帯を仕上げ焼鈍、酸洗
して伸び率1.0 %で調質圧延し、#400 のバフ研磨を1
パス施して鋼帯表面の光沢を調査した。これらステンレ
ス冷延鋼帯の表面光沢は実施例1の方法と同一にして評
価した。
【0143】表15に示す結果より、本発明方法で製造
したステンレス冷延鋼帯は、比較例及び従来例で製造し
た鋼帯に比較して著しく良好な光沢を有していた。
【表15】
【0144】(実施例16)(表16) オーステナイト系ステンレス鋼帯の一例としてのSUS
304鋼帯を用いて、本発明方法の一例として、熱延鋼
帯を焼鈍し、これに連続して樹脂に砥粒を固着させたブ
ラシをロール状に植毛した回転式研削具で鋼帯表面を研
削して酸洗した。その後に5スタンド冷間タンデムミル
で第4スタンド及び第5スタンドに本発明方法の一例で
あるロールネックをセミハイス鋼とし、ロールバレルに
Niを15%含有するWC合金を設けたワークロールを適
用して、該鋼帯を素材厚み3.0mmから中間厚み1.30mmま
で冷間圧延した。
【0145】また、比較例として、熱延鋼帯を焼鈍しそ
のまま酸洗した。その後に5スタンド冷間タンデムミル
で第4スタンド及び第5スタンドにWC合金のワークロ
ールを適用して冷間圧延した。
【0146】また、比較例として、熱延鋼帯を焼鈍し、
これに連続して樹脂に砥粒を固着させたブラシをロール
状に植毛した回転式研削具で鋼帯表面を研削して酸洗し
た。その後に5スタンド冷間タンデムミルで全スタンド
に通常の 5%Cr鍛鋼を用いたワークロールを適用して
冷間圧延した。
【0147】更に、従来例として、熱延鋼帯を焼鈍しそ
のまま酸洗した。その後に5スタンド冷間タンデムミル
で全スタンドに通常の 5%Cr鍛鋼を用いたワークロー
ルを適用した場合についても同様に冷間圧延した。
【0148】これら鋼帯は、その後にハイス系小径ワー
クロールを用いるクラスター型圧延機で中間厚み1.3mm
から仕上げ厚み0.8mm まで冷間圧延し、仕上げ焼鈍、酸
洗して伸び率0.6 %で調質圧延し、#600 でバフ研磨を
2パス施して鋼帯表面の光沢を調査した。これらステン
レス冷延鋼帯の表面光沢は実施例1の方法と同一にして
評価した。
【0149】表16に示す結果より、本発明方法で製造
したステンレス冷延鋼帯は、比較例及び従来例で製造し
た鋼帯に比較して著しく良好な光沢を有していた。
【表16】
【0150】[グループC(請求項3の発明)の実施
例] (実施例17)(表17) オーステナイト系ステンレス鋼帯の一例としてのSUS
304鋼帯を用いて、本発明方法の一例として、熱延鋼
帯を焼鈍し、その直後から25℃/秒以上の冷却速度で急
冷し、酸洗した。その後に5スタンド冷間タンデムミル
で全スタンドにロール内芯をハイス鋼とし、ロール外周
にCoを10%含有するWC合金を嵌合したワークロール
を適用して、該鋼帯を素材厚み4.0mm から仕上げ厚み1.
0mm まで冷間圧延した。
【0151】また、比較例として、熱延鋼帯を焼鈍し、
その直後から25℃/秒未満の冷却速度で水冷し、酸洗し
た。その後に5スタンド冷間タンデムミルで全スタンド
にCoを10%含有するWC合金のワークロールを適用し
て冷間圧延した。
【0152】また、比較例として、熱延鋼帯を焼鈍し、
その直後から25℃/秒以上の冷却速度で急冷し、酸洗し
た。その後に5スタンド冷間タンデムミルで全スタンド
に通常の 5%Cr鍛鋼を用いたワークロールを適用して
冷間圧延した。更に、従来例として、熱延鋼帯を焼鈍
し、その後に鋼帯温度が700 ℃まで徐冷してから25℃/
秒未満の冷却速度で水冷し、酸洗した。その後に5スタ
ンド冷間タンデムミルの全スタンドに通常の 5%Cr鍛
鋼を用いたワークロールを適用して圧延した場合につい
ても同様に冷間圧延した。
【0153】その後に、これら鋼帯を仕上げ焼鈍酸洗し
て伸び率1.0 %で調質圧延し、#400 番のバフ研磨を3
パス施して鋼帯表面の光沢を調査した。これらステンレ
ス冷延鋼帯の表面光沢は実施例1の方法と同一にして評
価した。
【0154】表17に示す結果より、本発明方法で製造
したステンレス冷延鋼帯は、比較例及び従来例で製造し
た鋼帯に比較して著しく良好な光沢を有していた。
【表17】
【0155】(実施例18)(表18) オーステナイト系ステンレス鋼帯の一例としてのSUS
304鋼帯を用いて、本発明方法の一例として、熱延鋼
帯を焼鈍し、その直後から25℃/秒以上の冷却速度で急
冷し、酸洗した。その後に5スタンド冷間タンデムミル
で第1スタンドから第3スタンドにCoを30%含有する
WC合金の一体型ワークロールを適用して、該鋼帯を素
材厚み5.0mm から仕上げ厚み2.0mm まで冷間圧延した。
【0156】また、比較例として、熱延鋼帯を焼鈍し、
その直後から25℃/秒未満の冷却速度で水冷し、酸洗し
た。その後に5スタンド冷間タンデムミルで第1スタン
ドから第3スタンドにCoを30%含有するWC合金のワ
ークロールを適用して冷間圧延した。
【0157】また、比較例として、熱延鋼帯を焼鈍し、
その直後から25℃/秒以上の冷却速度で急冷し、酸洗し
た。その後に5スタンド冷間タンデムミルで全スタンド
に通常の 5%Cr鍛鋼を用いたワークロールを適用して
冷間圧延した。
【0158】更に、従来例として、熱延鋼帯を焼鈍し、
その後に鋼帯温度が700 ℃まで徐冷してから25℃/秒未
満の冷却速度で水冷し、酸洗した。その後に5スタンド
冷間タンデムミルの全スタンドに通常の 5%Cr鍛鋼を
用いたワークロールを適用して圧延した場合についても
同様に冷間圧延した。
【0159】その後に、これら鋼帯を仕上げ焼鈍酸洗し
て伸び率1.2 %で調質圧延し、#600 番のバフ研磨を2
パス施して鋼帯表面の光沢を調査した。これらステンレ
ス冷延鋼帯の表面光沢は実施例1の方法と同一にして評
価した。
【0160】表18に示す結果より、本発明方法で製造
したステンレス冷延鋼帯は、比較例及び従来例で製造し
た鋼帯に比較して著しく良好な光沢を有していた。
【表18】
【0161】(実施例19)(表19) オーステナイト系ステンレス鋼帯の一例としてのSUS
304鋼帯を用いて、本発明方法の一例として、熱延鋼
帯を焼鈍し、その直後から25℃/秒以上の冷却速度で急
冷し、酸洗した。その後に5スタンド冷間タンデムミル
で最終第5スタンドにロール軸芯を冷間ダイス鋼とし、
ロール外周にNiを 5%含有するWC合金を嵌合したワ
ークロールを適用して、該鋼帯を素材厚み3.0mm から仕
上げ厚み0.7mm まで冷間圧延した。
【0162】また、比較例として、熱延鋼帯を焼鈍し、
その直後から25℃/秒未満の冷却速度で水冷し、酸洗し
た。その後に5スタンド冷間タンデムミルで第5スタン
ドにNiを 5%含有するWC合金のワークロールを適用
して冷間圧延した。
【0163】また、比較例として、熱延鋼帯を焼鈍し、
その直後から25℃/秒以上の冷却速度で急冷し、酸洗し
た。その後に5スタンド冷間タンデムミルで全スタンド
に通常の 5%Cr鍛鋼を用いたワークロールを適用して
冷間圧延した。
【0164】更に、従来例として、熱延鋼帯を焼鈍し、
その後に鋼帯温度が700 ℃まで徐冷してから25℃/秒未
満の冷却速度で水冷し、酸洗した。その後に5スタンド
冷間タンデムミルの全スタンドに通常の 5%Cr鍛鋼を
用いたワークロールを適用した場合についても同様に冷
間圧延した。
【0165】その後に、これら鋼帯を仕上げ焼鈍、酸洗
して伸び率0.8 %で調質圧延し、#400 番のバフ研磨を
5パス施して鋼帯表面の光沢を調査した。これらステン
レス冷延鋼帯の表面光沢は実施例1の方法と同一にして
評価した。
【0166】表19に示す結果より、本発明方法で製造
したステンレス冷延鋼帯は、比較例及び従来例で製造し
た鋼帯に比較して著しく良好な光沢を有していた。
【表19】
【0167】(実施例20)(表20) オーステナイト系ステンレス鋼帯の一例としてのSUS
304鋼帯を用いて、本発明方法の一例として、熱延鋼
帯を焼鈍し、その直後から25℃/秒以上の冷却速度で40
0 ℃まで急冷し、酸洗した。その後に5スタンド冷間タ
ンデムミルで第4スタンド及び第5スタンドにロールネ
ックをセミハイス鋼とし、ロールバレルにNiを15%含
有するWC合金を設けたワークロールを適用して、該鋼
帯を素材厚み4.0mm から中間厚み1.3mm まで冷間圧延し
た。
【0168】また、比較例として、熱延鋼帯を焼鈍し、
その直後から25℃/秒未満の冷却速度で水冷し、酸洗し
た。その後に5スタンド冷間タンデムミルで第4スタン
ド及び第5スタンドにNiを15%含有するWC合金のワ
ークロールを適用して冷間圧延した。
【0169】また、比較例として、熱延鋼帯を焼鈍し、
その直後から25℃/秒以上の冷却速度で急冷し、酸洗し
た。その後に5スタンド冷間タンデムミルで全スタンド
に通常の 5%Cr鍛鋼を用いたワークロールを適用して
冷間圧延した。
【0170】更に、従来例として、熱延鋼帯を焼鈍し、
その後に鋼帯温度が700 ℃まで徐冷してから25℃/秒未
満の冷却速度で水冷し、酸洗した。その後に5スタンド
冷間タンデムミルの全スタンドに通常の 5%Cr鍛鋼を
用いたワークロールを適用した場合についても同様に冷
間圧延した。
【0171】これら鋼帯は、その後に冷間ダイスの小径
ワークロールを用いるゼンジミア圧延機で中間厚み1.3m
m から仕上げ厚み1.0mm まで5パスで圧延し、仕上げ焼
鈍酸洗して伸び率1.0 %で調質圧延し、#600 番のバフ
研磨を3パス施して鋼帯表面の光沢を調査した。これら
ステンレス冷延鋼帯の表面光沢は実施例1の方法と同一
にして評価した。
【0172】表20に示す結果より、本発明方法で製造
したステンレス冷延鋼帯は、比較例及び従来例で製造し
た鋼帯に比較して著しく良好な光沢を有していた。
【表20】
【0173】(実施例21)(表21) オーステナイト系ステンレス鋼帯の一例としてのSUS
304鋼帯を用いて、本発明方法の一例として、熱延鋼
帯を焼鈍し、鋼帯温度が850 ℃から400 ℃の範囲で25℃
/秒以上の冷却速度で急冷し、酸洗した。その後に5ス
タンド冷間タンデムミルで全スタンドにロール内芯をハ
イス鋼とし、ロール外周にCoを10%含有するWC合金
を嵌合したワークロールを適用して、該鋼帯を素材厚み
4.0mm から仕上げ厚み1.3mm まで冷間圧延した。
【0174】また、比較例として、熱延鋼帯を焼鈍し、
鋼帯温度が850 ℃から400 ℃の範囲を25℃/秒未満の冷
却速度で水冷して、酸洗した。その後に5スタンド冷間
タンデムミルで全スタンドにCoを10%含有するWC合
金のワークロールを適用して冷間圧延した。
【0175】また、比較例として、熱延鋼帯を焼鈍し、
鋼帯温度が850 ℃から400 ℃の範囲で25℃/秒以上の冷
却速度で急冷し、酸洗した。その後に5スタンド冷間タ
ンデムミルで全スタンドに通常の 5%Cr鍛鋼を用いた
ワークロールを適用して冷間圧延した。
【0176】更に、従来例として、熱延鋼帯を焼鈍し、
鋼帯温度が700 ℃まで徐冷しその後25℃/秒未満で水冷
して、酸洗した。その後に5スタンド冷間タンデムミル
の全スタンドに通常の 5%Cr鍛鋼を用いたワークロー
ルを適用した場合についても同様に冷間圧延した。
【0177】その後に、これら鋼帯を仕上げ焼鈍、酸洗
して伸び率0.6 %で調質圧延し、#600 番のバフ研磨を
3パス施して鋼帯表面の光沢を調査した。これらステン
レス冷延鋼帯の表面光沢は実施例1の方法と同一にして
評価した。
【0178】表21に示す結果より、本発明方法で製造
したステンレス冷延鋼帯は、比較例及び従来例で製造し
た鋼帯に比較して著しく良好な光沢を有していた。
【表21】
【0179】(実施例22)(表22) オーステナイト系ステンレス鋼帯の一例としてのSUS
304鋼帯を用いて、本発明方法の一例として、熱延鋼
帯を焼鈍し、鋼帯温度が850 ℃から400 ℃の範囲で25℃
/秒以上の冷却速度で急冷し、酸洗した。その後に5ス
タンド冷間タンデムミルで第3スタンドから第5スタン
ドにCoを30%含有するWC合金を一体型ワークロール
を適用して、該鋼帯を素材厚み5.0mm から仕上げ厚み2.
3mm まで冷間圧延した。
【0180】また、比較例として、熱延鋼帯を焼鈍し、
鋼帯温度が850 ℃から400 ℃の範囲で25℃/秒未満で水
冷して、酸洗した。その後に5スタンド冷間タンデムミ
ルで第3スタンドから第5スタンドにCoを30%含有す
るWC合金のワークロールを適用し、#5スタンドの圧
下率を12%として冷間圧延した。
【0181】また、比較例として、熱延鋼帯を焼鈍し、
鋼帯温度が850 ℃から400 ℃の範囲で25℃/秒以上の冷
却速度で急冷し、酸洗した。その後に5スタンド冷間タ
ンデムミルの全スタンドに通常の 5%Cr鍛鋼を用いた
ワークロールを適用して冷間圧延した。
【0182】更に、従来例として、熱延鋼帯を焼鈍し、
鋼帯温度が700 ℃まで徐冷しその後25℃/秒未満で水冷
して、酸洗した。その後に5スタンド冷間タンデムミル
の全スタンドに通常の 5%Cr鍛鋼を用いたワークロー
ルを適用した場合についても同様に冷間圧延した。
【0183】その後に、これら鋼帯を仕上げ焼鈍、酸洗
して伸び率0.8 %で調質圧延し、#400 のバフ研磨を2
パス施して鋼帯表面の光沢を調査した。これらステンレ
ス冷延鋼帯の表面光沢は実施例1の方法と同一にして評
価した。
【0184】表22に示す結果より、本発明方法で製造
したステンレス冷延鋼帯は、比較例及び従来例で製造し
た鋼帯に比較して著しく良好な光沢を有していた。
【表22】
【0185】(実施例23)(表23) オーステナイト系ステンレス鋼帯の一例としてのSUS
304鋼帯を用いて、本発明方法の一例として、熱延鋼
帯を焼鈍し、鋼帯温度が850 ℃から400 ℃の範囲で25℃
/秒以上の冷却速度で急冷し、酸洗した。その後に5ス
タンド冷間タンデムミルで第1スタンドにロール軸芯を
冷間ダイス鋼とし、ロール外周にNiを5%含有するW
C合金を嵌合したワークロールを適用して、該鋼帯を素
材厚み3.0mm から仕上げ厚み0.98mmまで冷間圧延した。
【0186】また、比較例として、熱延鋼帯を焼鈍し、
従来どおり鋼帯温度が850 ℃から400 ℃の範囲で25℃/
秒未満で水冷して、酸洗した。その後に5スタンド冷間
タンデムミルで第1スタンドにNiを 5%含有するWC
合金のワークロールを適用して冷間圧延した。
【0187】また、比較例として、熱延鋼帯を焼鈍し、
鋼帯温度が850 ℃から400 ℃の範囲で25℃/秒以上の冷
却速度で急冷し、酸洗した。その後に5スタンド冷間タ
ンデムミルで全スタンドに通常の 5%Cr鍛鋼を用いた
ワークロールを適用して冷間圧延した。
【0188】更に、従来例として、熱延鋼帯を焼鈍し、
鋼帯温度が700 ℃まで徐冷しその後25℃/秒未満で水冷
して、酸洗した。その後に5スタンド冷間タンデムミル
で全スタンドに通常の 5%Cr鍛鋼を用いたワークロー
ルを適用して圧延した場合についても同様に冷間圧延し
た。
【0189】その後に、これら鋼帯を仕上げ焼鈍、酸洗
して伸び率1.0 %で調質圧延し、#400 のバフ研磨を1
パス施して鋼帯表面の光沢を調査した。これらステンレ
ス冷延鋼帯の表面光沢は実施例1の方法と同一にして評
価した。
【0190】表23に示す結果より、本発明方法で製造
したステンレス冷延鋼帯は、比較例及び従来例で製造し
た鋼帯に比較して著しく良好な光沢を有していた。
【表23】
【0191】(実施例24)(表24) オーステナイト系ステンレス鋼帯の一例としてのSUS
304鋼帯を用いて、本発明方法の一例として、熱延鋼
帯を焼鈍し、鋼帯温度が850 ℃から400 ℃の範囲で25℃
/秒以上の冷却速度で急冷し、酸洗した。その後に5ス
タンド冷間タンデムミルで第4スタンド及び第5スタン
ドにロールネックをセミハイス鋼とし、ロールバレルに
Niを15%含有するWC合金を設けたワークロールを適
用して、該鋼帯を素材厚み3.0mm から中間厚み1.30mmま
で冷間圧延した。
【0192】また、比較例として、熱延鋼帯を焼鈍し、
鋼帯温度が850 ℃から400 ℃の範囲で25℃/秒未満で水
冷して、酸洗した。その後に5スタンド冷間タンデムミ
ルで第4スタンド及び第5スタンドにWC合金のワーク
ロールを適用して冷間圧延した。
【0193】また、比較例として、熱延鋼帯を焼鈍し、
鋼帯温度が850 ℃から400 ℃の範囲で25℃/秒以上の冷
却速度で急冷し、酸洗した。その後に5スタンド冷間タ
ンデムミルで全スタンドに通常の 5%Cr鍛鋼を用いた
ワークロールを適用して冷間圧延した。
【0194】更に、従来例として、熱延鋼帯を焼鈍し、
鋼帯温度が700 ℃まで徐冷しその後25℃/秒未満で水冷
して、酸洗した。その後に5スタンド冷間タンデムミル
で全スタンドに通常の 5%Cr鍛鋼を用いたワークロー
ルを適用した場合についても同様に冷間圧延した。
【0195】これら鋼帯は、その後にハイス系小径ワー
クロールを用いるクラスター型圧延機で中間厚み1.3mm
から仕上げ厚み0.8mm まで冷間圧延し、仕上げ焼鈍、酸
洗して伸び率0.6 %で調質圧延し、#600 でバフ研磨を
2パス施して鋼帯表面の光沢を調査した。これらステン
レス冷延鋼帯の表面光沢は実施例1の方法と同一にして
評価した。
【0196】表24に示す結果より、本発明方法で製造
したステンレス冷延鋼帯は、比較例及び従来例で製造し
た鋼帯に比較して著しく良好な光沢を有していた。
【表24】
【0197】以上のグループA、B、Cでは熱延鋼帯の
酸洗の前に従来のレベラーやショットブラスト等の機械
的脱スケール処理を行なっても、全く同一の結果が得ら
れたが、これらの結果の記載は省略した。
【0198】
【発明の効果】以上のとおり、本発明方法により製造し
たステンレス冷延鋼帯は、比較例及び従来例の方法によ
り製造した鋼帯に比較して著しく優れた表面光沢を有す
る。特に、冷間タンデムミル等の大径ワークロールを用
いた圧延の場合、従来全く到達不可能であったゼンジミ
アミル等の小径ワークロールを用いた圧延と同等以上の
優れた表面光沢を有する。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C21D 9/573 101 C21D 9/573 101Z (72)発明者 河澄 英輔 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 清野 芳一 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 赤澤 高 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱間圧延後のステンレス鋼帯を焼鈍し、
    酸洗した後、又は焼鈍し、機械的脱スケールし、酸洗し
    た後、冷間タンデムミルで圧延するステンレス鋼帯の製
    造方法において、 酸洗後であって冷間タンデムミルで圧延する前に、 5%を越えて30%以下の圧下率にて、無潤滑又はワーク
    ロールの表面に厚み 1μm 以下の流体潤滑剤を塗布して
    予備処理圧延し、 冷間タンデムミルでは、少なくとも第1スタンド及び/
    又は最終スタンドにWC合金からなるワークロールを用
    いて圧延することを特徴とする高光沢ステンレス鋼帯の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 熱間圧延後のステンレス鋼帯を焼鈍し、
    酸洗した後、又は焼鈍し、機械的脱スケールし、酸洗し
    た後、冷間タンデムミルで圧延するステンレス鋼帯の製
    造方法において、 焼鈍後又は機械的脱スケール後であって酸洗する前に、
    樹脂に砥粒を固着させた回転式研削具で表面を研削し、 冷間タンデムミルでは、少なくとも第1スタンド及び/
    又は最終スタンドにWC合金からなるワークロールを用
    いて圧延することを特徴とする高光沢ステンレス鋼帯の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 熱間圧延後のステンレス鋼帯を焼鈍し、
    酸洗した後、又は焼鈍し、機械的脱スケールし、酸洗し
    た後、冷間タンデムミルで圧延するステンレス鋼帯の製
    造方法において、 焼鈍は焼鈍直後から400 ℃の範囲での冷却速度を25℃/
    秒以上、 又は850 〜400 ℃の範囲での冷却速度を25℃/秒以上と
    し、 冷間タンデムミルでは、少なくとも第1スタンド及び/
    又は最終スタンドにWC合金からなるワークロールを用
    いて圧延することを特徴とする高光沢ステンレス鋼帯の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 外層の厚さを 5mm以上WC合金としたワ
    ークロールを用いることを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれかに記載の高光沢ステンレス鋼帯の製造方法。
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