JPH082444B2 - 塗装鮮映性の優れた鋼板 - Google Patents

塗装鮮映性の優れた鋼板

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JPH082444B2
JPH082444B2 JP26582387A JP26582387A JPH082444B2 JP H082444 B2 JPH082444 B2 JP H082444B2 JP 26582387 A JP26582387 A JP 26582387A JP 26582387 A JP26582387 A JP 26582387A JP H082444 B2 JPH082444 B2 JP H082444B2
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克彦 辻
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は自動車、トラック、電車等の各種車輛用外板
あるいは家庭用電気製品用外板の如く、成形加工後塗装
して使用される鋼板に関し、殊に成形加工時に型かじり
を起こし難く且つ塗装鮮映性が改善された鋼板に関する
ものである。
[従来の技術] 前述の様な外板用として使用される鋼板においては、
プレス加工等の成形加工時に生じる型かじり(鋼板の金
型への焼付きをともなったむしれ状の損傷)を防止する
ため、ダル仕上げロールで調質圧延して表面粗さを調整
するのが通例である。このダル仕上げには従来よりショ
ットブラスト法あるいは放電加工法が採用されており、
これらの方法で仕上げたロールを用いて圧延した鋼板の
表面は、たとえば第2図に示す如き不規則な山と谷で構
成されるプロフィルを呈している。そして成形加工時に
おいては、該プロフィルにおける谷部が潤滑油の油溜め
部として作用すると共に生成した金属粉を捕捉し、焼付
きを防いで型かじりを抑止する作用を発揮する。従って
型かじり防止という観点からすれば表面粗さは大きいも
のほど好ましい。
他方、前述の如き外板用鋼板においては、美的装飾感
を高めるうえで塗装仕上りの良否は重要な評価項目であ
り、その中でも特に塗膜表面に物体を写した時の像の鮮
明度が重要視されており、この特性を一般に鮮映性と称
している。ところで塗装面の鮮映性は、塗料の種類や塗
装方法等の影響もさることながら、鋼板自体の表面粗さ
にも強く影響される。即ち鋼板表面の細かな凹凸は塗料
により埋めつくされたレベリングされるため悪影響は殆
んど現われないが、ある程度大きな凹凸になると該凹凸
に沿って塗膜が形成されるため反射光が散乱し、光沢が
低下すると共に鮮映性も悪化してくる。たとえば第3図
は、ショットブラスト処理ロールで調質圧延された鋼板
の表面粗さ(中心線表面粗さRa)と塗装鮮映性の関係を
例示するグラフであり、表面粗さの小さいものほど鮮映
性は明らかに向上している。
即ち耐型かじり性を高めるために表面粗さを大きくす
ると塗装鮮映性が悪化し、表面粗さを小さくして塗装鮮
映性を高めると耐型かじり性が低下するという傾向があ
り、そのため従来は表面粗さを適当な範囲に調整するこ
とにより耐型かじり性と鮮映性の両立を図っているが、
あくまで折衷的措置であるため両要求性能を十分に満た
すものとは言えない。
こうした状況に対処するための方策として、たとえば
特開昭62-168602号公報に開示されている様な技術が提
案された。この方法は、レーザビームの如き高密度エネ
ルギービームでダル仕上げされた調質圧延ロールを使用
して鋼板表面に特異な形状の凹凸を形成するものであ
り、概要は下記の通りである。
即ちロールを回転させながら該ロール表面に向けてた
とえばレーザパルスを照射すると、第4図(A),
(B)に示す様にレーザ照射部の金属が溶融してクレー
タ1が形成され、その周りには溶融した金属が盛り上っ
て環状の凸部2が形成される。該クレータ1や凸部2の
ロール円筒方向形成ピッチは、ダル仕上げ時におけるロ
ールの回転速度とレーザパルスの照射周期を変えること
によって任意に調整することができ、またロール軸方向
の形成ピッチはロール1回転毎のレーザ照射装置の移動
距離によって自由に調整することができる。またクレー
タ1の直径や深さ、凸部2の幅や高さは、レーザパルス
のエネルギーや照射時間によって変えることができる。
そしてこの様な方法で表面にクレータ1や凸部2を無数
に形成したダル仕上げロールによって鋼板を調質圧延す
ると、第5図(A),(B)に示す如くロールRの凸部
2は鋼板Pの表面に食い込んで環状凹部2aが形成される
と共に、この部分の金属はクレータ1方向へ流れ込んで
盛り上がり、略円形状の台地部1aが形成され、凸部2よ
り外側における未加工(即ちレーザエネルギーが与えら
れなかった部分)の平坦面3で押し付けられた鋼板Pの
面は平坦な平地部3aとなる。かくして得られる鋼板の表
面は、略円形の台地部1aとこれをとり囲む環状凹部2a、
および台地部1aより若干低めの平地部3aを有するものと
なる。
そしてこの様な表面形状の鋼板においては、環状凹部
2aが成形加工時の潤滑油溜めおよび削粉捕捉部としての
機能を果たし型かじり防止効果を発揮し、且つ第2図に
示した様な従来の粗面化鋼板に比べて平坦面が多く乱反
射も抑えられるので鮮映性も非常に優れたものとなる。
前述の公開発明はこうした知見に基づくものであり、具
体的には、台地部1a、環状凹部2aおよび平地部3aを含め
た金鋼板表面の中心線平均粗さRaを0.3〜2.0μmの範囲
に設定すると共に、隣り合う台地部1a,1a間の平均中心
間距離をSm、環状凹部2a外縁の平均直径をD、台地部1a
山頂面の平均直径をd0、および台地部1aと平地部3aの
面積の総和が鋼板全面積に占める割合をηとしたとき、
これらが次式の関係を満たす様に調整するところに特徴
を有するものである。
0.85≦Sm/D≦1.7 Sm−D<280(μm) 30≦d0≦500(μm) 20≦η≦85(%) [発明が解決しようとする問題点] 本発明は上記の様な公開発明の特徴を生かしつつ、鋼
板表面の微視的形状特性を違った角度から改善すること
によって、鋼板の耐型かじり性および塗装鮮映性を更に
高めることを目的とするものである。
[問題点を解決するための手段] 上記の目的を達成することのできた本発明鋼板の構成
は、鋼板表面に略円形の台地部と該台地部裾野を取り囲
む谷部からなる凹凸が無数に形成され、且つ該凹凸を除
く部分を平地部とする鋼板において、鋼板の平面視全表
面積中に占める上記平地部の割合F(%)と上記平地部
の中心線平均粗さRaf(μm)が下記[I]および[I
I]式の関係を満たすものであるところに要旨を有する
ものである。
20≦F≦90 …[I] F≧68(Raf)2+27Raf−11 …[II] [作用] 本発明者らは、前述の様な高密度エネルギービームに
よるダル仕上げロールで調質圧延された粗面化鋼板の耐
型かじり性および塗装鮮映性の両特性に与える表面形状
特性の影響について様々の角度から検討を重ねたとこ
ろ、次の様な事実が明らかとなってきた。
即ち粗面化鋼板の耐型かじり性については、前記第5図
(A),(B)に示した様な環状凹部2aが重要な機能を
果し、また塗装鮮映性については表面における平坦部の
存在比率が重大な影響を及ぼす、という傾向に関して
は、前記公開発明に開示されている通りであることが確
認された。しかし、塗装鮮映性については、特に 台地部1aおよび環状凹部2aを除いた平地部(未加工
部)3aの鋼板表面視全表面積に占める割合F(%)と、 該平地部3aにおける中心線平均粗さRaf(μm)、 が重要な影響を及ぼしていることが分かってきた。
上記の点に関しては、従来例では台地部1aと平地部
3aの両面積の総和が全表面積に占める割合(Sm)を基準
にして定めていたが、本発明者らが研究したところによ
ると、台地部1aの頂面は第6図でも説明した様にダル仕
上げロールR表面のクレータ1方向への金属の盛り上り
によって形成されるためか、必ずしも平坦面とはならな
いでたとえば第6図に示す様な曲面状となり、環状凹部
2aと同様に乱反射面となること、そして塗装鮮映性に真
に影響してくるのは非加工部である平地部3aのみである
こと、が確認された。また上記の点に関しては、従来
は台地部1a、環状凹部2aおよび平地部3aを含めた表面全
体の中心線平均粗さを基準にして定めていたが、本発明
者らが研究を行なったところでは、マクロ的に見ても乱
反射面を構成する台地部1aや環状凹部2aはその判断要素
から外れ、マクロ的に見て非乱反射面を構成する平地部
3aの中心線平均粗さ(Raf)のみを基準として表面粗さ
を定めれば、一段と高レベルの塗装鮮映性を保障し得る
ことが明らかになってきた。
そこで平地部3aの平面視面積率(以下平地部面積率と
いうことがある)(F:%)および該平地部3aの中心線平
均粗さ(以下平地部平均粗さということがある)(Ra
r:μm)が塗装鮮映性にどの様な影響を及ぼすかを定
量的に把握するため、調質圧延前(即ち素材鋼板の表面
粗さおよびダル仕上げロールの平坦部3の表面粗さを変
えることによってあるいは調質圧延時の伸び率を変える
ことによって粗面化鋼板の平地部平均粗さ(Raf)を種
々変えると共に、成形ロールのダル仕上げ条件を変える
ことによって粗面化鋼板の平地部面積率を様々に変化さ
せ、夫々について塗装後の鮮映性に与える影響を調べ
た。塗装は、膜厚80μmの3回塗りによって行ない、鮮
映性はATI SYSTEMS INC社製のDOIメータによって評価し
た。尚鮮映性の評価に当っては、自動車用外板の場合
「DOI値≧90」であれば合格という基準が当業界でほぼ
確立しているので、この基準で鮮映性の良否を評価し、
平地部面積率(F)と平地部平均粗さ(Raf)との様々
の組合せにおいてDOI値の合格範囲がどの様に変化する
かを調べた。結果は第1図に示す通りであり、鮮映性合
否の境界線Lは、平地部平均粗さ(Raf)が大きくなる
につれて平地部面積率(F)は大きくなる方向へ移行し
ていく傾向が見られる。この境界線LはF=68(Raf)
2+27Raf−11の2次函数として表わすことができ、結局
のところ前記[II]式の関係を満たす様に平地部平均粗
さ(Raf)及び平地部面積率(F)を調整することによ
って、自動車外板用の一般的合格基準である「DOI≧9
0」を確実に達成することができる。但し前記[II]式
の要件を満足する場合であっても、平地部面積率Fが20
%未満になると乱反射面の増大によって鮮映性が乏しく
なり、しかもその様な平地部面積率を得ようとすると、
成形用ダル仕上げロール表面の環状凸部2が重なり合う
ことになって粗面化パターンがくずれ、調質圧延時に該
凸部2の重なり部がひび割れを起こして鋼板表面にとび
込み疵ができるといった問題も生じてくる。
一方、平地部面積率Fが90%を超えると粗面化の目的
が有効に達成されず、殊に潤滑油溜めおよび切削粉捕捉
の為の環状凹部が不足気味となって型かじりを防止し得
なくなる。この様なところから本発明では平地部面積率
Fを「20〜90%」の範囲に定めている。F値のより好ま
しい範囲は40〜80%である。
尚上記F値は、ダル仕上げロールにおけるクレータ1
および凸部2の大きさや形成ピッチ(高密度エネルギー
ビームによる加工条件)を変えることによって調整すれ
ばよく、またRaf値は、調質圧延前の鋼板の表面粗度、
ダル仕上げ前におけるロールの表面粗度(即ち非加工部
の表面粗度に相当する)あるいは調質圧延時の伸び率に
よって調整すればよい。そして前述の様なレベルのDOI
値を確保する為の製造基準は特に限定されないが、代表
例を示せば、たとえば調質圧延前の表面粗度が1.0μm
以下である鋼板を使用し、平坦部(非加工部)の仕上げ
後の表面粗度が0.3μm以下であるダル仕上げロールを
用い、調質圧延時の伸び率を0.5〜1.5%に設定してF値
が40〜80%となる様にコントロールするといった条件設
定が挙げられる。
[実施例] 低炭素アルミキルド鋼板を素材とし、表面粗さの異な
るワークロールを用いて冷間圧延を行なった後脱脂洗
浄、焼鈍を行ない、表面粗さの異なる数種の冷延鋼板を
得た。一方、調質圧延用のロールとして、レーザビーム
によりダル仕上げしたものと、ショットブラストにより
ダル仕上げしたものを用意した。尚レーザビームによる
ダル仕上げロールについては、ダル仕上げ前における研
削用砥石番手を変えることによって種々の表面粗さのも
のを調整し、またダル仕上げ条件を変えることにより種
々の平地部面積率のものを得た。
これらの調質圧延ロールを使用し、前述の冷延鋼板を
調質圧延(伸び率は1.0%に調整)することにより、第
1表に示す様々の粗面化鋼板を製造した。
得られた各粗面化鋼板は夫々燐酸塩処理した後、塗料
を膜厚が80μmとなる様に3回塗りし、前述のDOIメー
タを用いて鮮映性を評価した。また各粗面化鋼板につい
ては、ハット型絞り試験機を用いて型かじり発生の有無
を調べた。
結果は第1表に一括して示す通りであり、本発明の規
定要件を満たすもの(実施例)は、比較例に比べて鮮映
性が良くいずれも「DOI値90以上」の基準を満たしてお
り、成形加工時に型かじりも発生しておらず、各種外板
用として優れたものであることが分かる。
[発明の効果] 本発明は以上の様に構成されており、高密度エネルギ
ービームによるダル仕上げロールを用いた粗面化処理鋼
板の特徴を保持しつつ、前記[I],[II]式に規定す
る如く表面の形状特性を定めることによって、耐型かじ
り性が良く且つ塗装鮮映性の卓越した粗面化鋼板を提供
し得ることになった。
【図面の簡単な説明】
第1図は鮮映性に与える平地部面積率(F)と平地部平
均粗さ(Raf)の相関々係を示すグラフ、第2図はショ
ットブラストでダル仕上げされたロールを用いた粗面化
鋼板の表面プロフィルを例示する拡大断面図、第3図
は、該粗面化鋼板の表面粗さと鮮映性の関係を示すグラ
フ、第4図は高密度エネルギービームを用いたダル仕上
げロールの表面形状を示す説明図、第5,6図は第4図の
ダル仕上げロールを用いて粗面化した鋼板の表面形状を
示す説明図である。 1……クレータ、2……環状凸部 3……平坦部(非加工部) 1a……台地部、2a……環状凹部 3a……平地部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋼板表面に略円形の台地部と該台地部裾野
    を取り囲む谷部からなる凹凸が無数に形成され、且つ該
    凹凸を除く部分を平地部とする鋼板において、鋼板の平
    面視全表面積中に占める上記平地部の割合F(%)と上
    記平地部の中心線平均粗さRaf(μm)が下記[I]式
    および[II]式の関係を満たすものであることを特徴と
    する塗装鮮映性の優れた鋼板。 20≦F≦90 …[I] F≧68(Raf)2+27Raf−11 …[II]
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