JPH0824542B2 - 植物性素材の製造法 - Google Patents

植物性素材の製造法

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JPH0824542B2
JPH0824542B2 JP4128286A JP12828692A JPH0824542B2 JP H0824542 B2 JPH0824542 B2 JP H0824542B2 JP 4128286 A JP4128286 A JP 4128286A JP 12828692 A JP12828692 A JP 12828692A JP H0824542 B2 JPH0824542 B2 JP H0824542B2
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soybean
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soybean protein
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慎二 関
中島  剛
尚美 平野
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Nisshin Oillio Group Ltd
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Nisshin Oil Mills Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は油糧原料臭、もしくは製
造工程中に発生する異臭が極めて少なく、風味、色調が
優れ、かつ油分および蛋白質を多く含む新規な植物性素
材の製造法に係わる。
【0002】
【従来の技術】油糧種子を原料としたたん白素材の一つ
である大豆たん白は、植物性の優れたたん白でありなが
ら、独特の風味、色調を有するため、食品への利用が制
限されている。この問題を解決するための研究は、古く
から数多くの研究者により検討され、多くの知見や技術
が報告されている。かかる技術の一つとして、脱脂大豆
を含水アルコールを用いて洗浄処理することが一般的に
知られており、有効な手段ではあるが、依然としてさら
に優れた風味、色調を有する大豆たん白が要望されてい
る。
【0003】大豆たん白の風味、色調における欠点の原
因としては、脱脂大豆を製造する過程で大豆臭の主原因
として知られているリポキシゲナーゼが働き、生じた大
豆臭の原因物質が完全には除去されないためと考えられ
る。さらに、脱脂大豆を原料としてアルコール洗浄する
場合には、通常、脱溶剤工程、すなわち油脂抽出のため
に使用したヘキサン等の脱溶剤工程、および脱脂大豆洗
浄のために使用したアルコール等の脱溶剤工程の2つの
工程が入り、蛋白質の変性、褐変反応をさらに誘起する
原因となっている。また、抽出大豆たん白や分離大豆た
ん白のように、脱脂大豆から水抽出によって製造される
大豆たん白も、水洗処理等を繰り返しても上記大豆臭の
原因物質は完全には除去されず、問題とされている。
【0004】一方、植物(大豆)たん白が食品に素材と
して応用される場合、原料として油脂を同時に使用する
ケースが多く、その際、例えば大豆たん白の水和物に油
脂を添加してエマルジョンカードとして利用したり、大
豆たん白と水と油脂を別個に添加して利用されたりす
る。また、大豆は本来、蛋白質と油脂を多く含んだ優れ
たものとして、全脂大豆(粉)として利用されている。
全脂大豆には、リポキシゲナーゼ等によって生じる大豆
臭を軽減するために、加熱処理を行ったもの等が紹介さ
れている。しかしながら、これらの全脂大豆にはきな粉
臭等の加熱臭が認められ、さらに色調的にも食品素材と
しては問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、植物性
たん白の食品への応用に際し、たん白と油脂が併用され
るケースが多いことに着目し、風味、色調が優れ、かつ
油分および蛋白質を多く含む植物性たん白の製造につい
て鋭意検討した。すなわち本発明の目的は、油糧種子本
来の組成、性質を最大限に生かしながら、油脂および蛋
白質を安定な状態で多く含む風味、色調の優れた新規な
植物性素材を開発することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課
題について種々検討した結果、本発明を完成するに到っ
た。すなわち本発明は、油糧種子の圧扁フレークに対し
て、該フレークをアルコール濃度が50〜75重量%の含水
低級アルコールに浸漬して洗浄する第1工程、第1工程
で得られる処理物をアルコール濃度が75〜85重量%の含
低級アルコールに浸漬して洗浄する第2工程、第2工
程で得られる処理物を脱溶剤、乾燥する第3工程からな
る処理を施すことを特徴とする油分および蛋白質を多く
含む植物性素材を製造することにある。
【0007】まず、油糧種子としては大豆、菜種、ご
ま、ピーナツ等が考えられるが、一般にたん白原料とし
て使用されている大豆が好ましい。大豆はそのまま、も
しくは風味、色調の点から、好ましくは精選し、皮、胚
軸部分等を取り除き、ついで圧扁し、通常の圧扁フレー
クを製造する。かかる圧扁フレークの厚さは、ホエー抽
出条件にも左右されるが、ホエー画分の抽出率、ひいて
は粗たん白の含有率、あるいはホエー抽出時のフレーク
の崩れ等の点から、0.2 〜0.6mm 程度に調整するのが好
ましい。特に0.4mm 前後が最も良い。アルコールとして
はメタノール、エタノール、プロパノール等の低級アル
コール(以下、単にアルコールということがある)が考
えられるが、食品衛生上またホエー画分の抜けの点から
エタノールが好ましい。
【0008】本発明では、含水低級アルコールを用いて
2工程に分けて圧扁フレークを洗浄することを特徴とす
る。第1工程で使用するアルコール濃度は50〜75重量%
で使用することが好ましい。これをえる高濃度で使用
した場合にはホエー画分の抽出効率が悪くなり、ひいて
は粗たん白含量の低下を招き好ましくない。特に、50〜
65重量%で使用すれば、ホエー画分の抽出効率が高く、
さらに第2工程で使用するより高い濃度のアルコール
とフレーク中のアルコールが容易に置換され、その後の
乾燥効率も良い。第2工程の主要目的はフレーク中のア
ルコールを高濃度のアルコールと置換することにより、
製品の乾燥効率を上げることにある。ゆえに第2工程で
使用するアルコール濃度は、製品の乾燥効率とアルコー
ルの蒸留・回収効率といった経済的な要因によって決定
され、75〜85重量%の含水低級アルコールを使用するこ
とが好ましく、特に75〜83重量%が良い。抽出温度は特
に限定する必要はないが、50〜75℃の範囲で行えば、製
品の色調劣化、油脂の安定性にも影響を与えず、ホエー
の抽出率も良好である。
【0009】
【実施例】実施例1 油分抽出前の圧扁フレーク 500重量部を、該フレークに
対して7倍量の60重量%含水エタノールに浸漬し、50℃
で60分間、アルコール洗浄を行った。次にこの処理物を
遠心・脱水した後に、5倍量の82重量%含水エタノール
に浸漬し、70℃で60分間、同様に洗浄を行った。以下、
この処理物を脱水・脱溶剤し新規大豆たん白を得た。こ
れを大豆たん白Aとする。表1に大豆たん白A、市販の
アルコール洗浄濃縮大豆たん白(大豆たん白B)、脱脂
大豆(大豆たん白C)、全脂大豆(大豆たん白D)の分
析値を示す。
【0010】
【表1】各種大豆たん白の性状 *1 色調は日本電色(株)の色度計で測定した。 L値は明るさを示し、値の大きい程明るいことを表す。 a値は赤味を示し、値の大きい程赤味が強いことを表
す。 b値は黄色味を示し、値の大きい程黄色味が強いことを
表す。 注*2 カードは粉に対し、重量で3倍量の水を添加し
混合した後、加熱、冷却したもの。 注*3 H.W.=100−(100−L)2 +a2
+b2 1/2
【0011】この結果から明らかなように、本発明で得
られる新規大豆たん白 (大豆たん白A)は油分および蛋
白質を多量に含んでおり、また、従来のアルコール洗浄
濃縮大豆たん白、脱脂大豆、全脂大豆のいずれよりもカ
ード状態の色調が優れていた。
【0012】実施例2 実施例1の大豆たん白A、アルコール洗浄濃縮大豆たん
白(大豆たん白B、市販品)、脱脂大豆(大豆たん白
C、市販品)、全脂大豆(大豆たん白D、市販品)につ
いて官能評価を行った。官能評価は、12名の熟練したパ
ネルによる順位法で評価した。この結果を表2に示す。
【0013】
【表2】各種大豆たん白の官能評価
【0014】この結果から明らかなように、本発明の新
規大豆たん白(大豆たん白A)は、アルコール洗浄によ
り得られる大豆たん白Bより、有意差をもってはるかに
その風味は好ましいものであり、さらに油分を多く含む
大豆たん白Dよりも風味が良いと評価された。
【0015】実施例3 本発明による新規大豆たん白は、多くの油分を含んでい
るにもかかわらず、その保存安定性にも特徴を有する。
これに関して、油分のPOV(過酸化物価)の経時的変
化の結果を表3に示す。なお、比較のために、全脂大豆
粉 (大豆たん白D、市販品) 、大豆たん白Bに大豆白絞
油を20重量%添加したもの(大豆たん白E)も同時に保
存安定性テストを実施した。その結果も併せて表3に示
す。
【0016】
【表3】各種大豆たん白の油分のPOV
【0017】この結果から、本発明による油分を多く含
んだ新規大豆たん白の保存安定性は非常に優れているこ
とがわかる。これとは対照的に、大豆たん白E(濃縮大
豆たん白+油脂20%)は酸化が促進されており、安定性
が悪いことがわかる。すなわち、本発明による新規大豆
たん白に含まれる油分は非常に安定した状態で存在し、
さらに、自然酸化が起こりにくい存在形態を保持してい
るこが示唆される。
【0018】実施例4、5および比較例1、2 油分抽出前の圧扁フレーク原料(実施例1と同じ) 500
重量部を、本発明の第工程においてエタノール濃度の
異なる7倍量の含水エタノールに浸漬し、50℃で60分間
洗浄した後、以下、実施例1と同様の操作を行い新規大
豆たん白を得た。これらの分析結果を表4に示す。
【0019】
【表4】大豆たん白の性状
【0020】この結果から分かる様に、第1工程で使用
するエタノール濃度が高くなるにつれ、油分の抜けが多
くなることが分かる。さらに、50および60重量%ではホ
エーの抜けが良く、相対的に粗蛋白が上昇している。な
お、これらの処理物からカードを調製(実施例1の注
2)参照)し、その色調を比較したところ、60重量%エ
タノール処理物(実施例1)が最も良かった。
【0021】比較例3 油分抽出前の圧扁フレーク(実施例1と同じ) 500重量
部を、エタノール濃度が70重量%の含水エタノール12倍
量に浸漬し、50℃で60分間、アルコール洗浄を行った。
以下、この処理物を脱水・脱溶剤し、大豆たん白を得
た。このものの分析結果は水分:8.1 %、粗蛋白(D.
B):48.3%、油分(D.B):19.8%であった。 この
結果から、全体として同アルコール濃度および同量の含
水アルコールで処理する際に、実施例1のように2工程
に分けて処理すると、本例のように1工程で処理すると
きに比べて、油分はほぼ同程度だが、粗蛋白が多くなる
ことが明らかになった。
【0022】
【発明の効果】本発明により油糧原料臭、製造工程中で
生する異臭が極めて少なく、色調、風味が優れ、かつ
油分および蛋白質を安定な状態で多く含んだ新規植物性
素材を提供できる。この風味、色調の優れた新規植物性
素材は、大豆およびその他の油糧原料の食品素材として
の利用、用途およびその量の拡大に大いに寄与するもの
である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油糧種子の圧扁フレークをアルコール濃
    度が50〜75重量%の含水低級アルコールに浸漬して洗浄
    する第1工程、第1工程で得られる処理物をアルコール
    濃度が75〜85重量%の含水低級アルコールに浸漬して
    浄する第2工程、第2工程で得られる処理物を脱溶剤、
    乾燥する第3工程からなる処理を施すことを特徴とする
    油分および蛋白質を多く含む植物性素材の製造法。
  2. 【請求項2】 油糧種子が大豆である請求項1に記載の
    製造法。
  3. 【請求項3】 含水低級アルコールが含水エタノールで
    ある請求項1又は2に記載の製造法。
  4. 【請求項4】 第1工程に使用する含水低級アルコール
    のアルコール濃度が、50〜65重量%である請求項1〜3
    のいずれかに記載の製造法。
  5. 【請求項5】 第2工程に使用する含水低級アルコール
    のアルコール濃度が、75〜83重量%である請求項1〜4
    のいずれかに記載の製造法。
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