JPH08246143A - 酸化物焼結体 - Google Patents

酸化物焼結体

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JPH08246143A
JPH08246143A JP4814695A JP4814695A JPH08246143A JP H08246143 A JPH08246143 A JP H08246143A JP 4814695 A JP4814695 A JP 4814695A JP 4814695 A JP4814695 A JP 4814695A JP H08246143 A JPH08246143 A JP H08246143A
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達夫 名手
Shoji Takanashi
昌二 高梨
Toshito Kishi
俊人 岸
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 インジウム、錫および酸素を主成分とし、相
対密度が85%以上で、かつ、直径2μm以上の空孔の
面積基準の個数分布が任意表面で20%以下である酸化
物焼結体。又、インジウム、錫および酸素を主成分と
し、相対密度が85%以上で、かつ、直径2μm以上の
空孔の95%以上が断面形状の扁平率が2以下の概ね球
状である酸化物焼結体。 【効果】 スパッタリング中の異常放電回数がきわめて
少なく、また長時間使用後においてもノジュールが発生
しないITOターゲットが提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スパッタリング法によ
って透明導電膜を形成する際のスパッタリング用ターゲ
ットとして極めて優れた性能を有する、酸化インジウム
・酸化錫(以下、「ITO」という)焼結体に関する。
【0002】
【従来の技術】ITO焼結体をスパッタリングして得ら
れる透明導電膜は、その比抵抗値の低さから有望な膜と
して注目されている。例えば300℃程度に加熱された
基板上に適当な条件でITOをスパッタリングすること
により、透明性が良くかつ比抵抗値が2.0×10-4Ω
・cm以下の良質なITO膜が得られる。
【0003】このような抵抗値の低いITO膜を成膜す
るためのITO焼結体として、特開昭62−21751
号公報には酸化インジウム粉末と酸化錫粉末との適当な
量を配合し、混合・粉砕して、これを成形し仮焼した後
再度粉砕を行い、得られた仮焼済み粉末を、更に成形・
焼結して製造されたITO焼結体が開示されている。こ
のようにして得られたITO焼結体を用いてスパッタリ
ングを行うと、異常放電の発生によりプラズマ状態が不
安定になり、スパッタされた膜の構造が悪化し、膜の特
性値が劣化するという不都合を生じる。また、異常放電
が頻繁に発生する状況下で長時間ターゲットを使用して
いると、ターゲット表面にノジュールが生じ、これによ
り成膜速度が低下するという問題も生じる。これらの問
題の原因がターゲット中に存在する空孔にあると考え、
空孔の数を減らすことにより解決しようという試みがな
されている。例えば、特開平2−115326号公報に
は酸化インジウム粉末と金属錫粉末を適当な量だけ配合
し、仮焼した後再度粉砕を行って粉末とし、得られた仮
焼済み粉末を、加圧下での焼結法であるホットプレスに
よって高密度の、すなわち空孔数の少ないITO焼結体
の製造方法が開示されている。
【0004】しかし、このようにして得られたITOタ
ーゲットでさえも工業的に十分満足できるターゲットと
はいい難い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述したI
TOターゲットのスパッタリングにかかわる問題点を解
決し、異常放電の発生およびノジュールの生成を有効に
抑制することが可能な酸化物焼結体を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の第1の本発明の酸化物焼結体は、インジウム、錫およ
び酸素を主成分とし、相対密度が85%以上で、かつ、
直径2μm以上の空孔の面積基準の個数分布が任意表面
で20%以下であることを特徴とする。又、第2の本発
明の酸化物焼結体は、インジウム、錫および酸素を主成
分とし、相対密度が85%以上で、かつ、直径2μm以
上の空孔の95%以上が断面形状の扁平率が2以下の概
ね球状であることを特徴とする。
【0007】
【作用】異常放電現象の発生およびノジュールの生成を
抑制するためには空孔の数を減少させるだけでは不十分
であり、空孔の分布状態および、あるいは空孔の形状を
コントロールしなくてはならない。即ち異常放電やノジ
ュールの生成は、空孔が集中し電気伝導度が悪化してい
る微小領域や、空孔が鋭角の突起やくぼみを持ち電荷が
集中しやすい部分、あるいは空孔が互いにつながりなが
ら連続していて電荷の通過を妨げる部分を起点として生
じているため、これらの組織上の微小な欠陥を除去する
ことにより異常放電の発生およびノジュールの生成を有
効に抑制することが可能となるのである。
【0008】(ITO焼結体)本発明のITO焼結体は
実質的にインジウム、錫および酸素を主成分とするもの
であり、酸化インジウム・酸化錫系のものである。この
組成自体は公知のITO焼結体と同様であり、一般に錫
の平均組成は3〜12重量%であり、インジウムの平均
組成は70〜78重量%である。
【0009】焼結体の密度は相対密度が85%以上でな
くてはならない。相対密度が90%以上であれば更に好
ましい。相対密度が85%未満であるとターゲット内に
存在する空孔の個数が多くなり、ターゲット全体の電気
伝導度が悪化してしまい、本発明の効果が得られなくな
る。なお相対密度は、理論密度を7.15g/cm3
して計算される。
【0010】また直径10μm以上の粗大な空孔は存在
しないことが好ましい。但し本発明の要件を満たす空孔
であれば存在していたとしても本発明の効果を損なうこ
とはない。
【0011】第1の本発明においては、直径2μm以上
の空孔の面積基準の個数分布が任意表面で20%以下で
なくてはならない。上記個数分布が20%を超える微小
領域が存在すると、それは空孔が集中していることを意
味するが、電気伝導度が他の領域と比較して相対的に高
くなり、異常放電やノジュールの起点となり易いからで
ある。なお、直径2μm未満の空孔の存在は電気伝導度
に与える影響が無視し得るほど小さいため、考慮する必
要はない。
【0012】空孔の面積基準の個数分布は、例えば、焼
結体の任意表面を鏡面に研磨した後、異なる20以上の
視野で1000倍の倍率で撮影された一辺100mmの
写真に存在する空孔の数を平均して求められる。
【0013】第2の本発明においては、空孔の形状は限
りなく球形に近いことが必要である。空孔が長くつなが
っていたり、鋭角の突起やくぼみをもっていると、その
部分に電荷が集中し易く異常放電やノジュールの起点と
なり易い。従って、直径2μm以上の空孔の95%以上
が断面形状の扁平率が2以下の概ね球状であることが必
要である。
【0014】なお、上記第1、第2の発明は組み合わさ
れていても良い。
【0015】(ITO焼結体の製造)第1の本発明のI
TO焼結体において空孔の分布が均一な焼結体を得るた
めには、原料粉末の選択と、混合・粉砕工程および成形
工程が極めて重要となる。
【0016】また、第2の本発明において空孔の形状を
コントロールするためには、焼結温度および焼結時間、
昇温速度を正確にコントロールする必要がある。
【0017】原料粉末にはいずれも一次粒径が0.2μ
m以下、平均粒径が1μm以下の微細なIn23および
SnO2酸化物粉末を用いる。原料粉末の一次粒径は微
細である方が好ましい。また、原料粉末の混合・粉砕に
は湿式ボールミルを用いる。混合には直径5mm以下の
ボールを使用し、ボールの挿入量は重量比で原料粉末の
2倍以上とする。また混合時間は18時間以上とする。
この条件は原料粉末の凝集を解砕するために必要な条件
である。
【0018】なお、従来技術の例に述べられている仮焼
は行わない。これは仮焼によって粉末の粒度が大きくな
ると、焼結体の空孔の分布が不均一になるめである。
【0019】混合・粉砕を行われたスラリーは、30μ
mから60μmの大きさで球形に造粒することが好まし
い。造粒方法としては例えばスプレードライヤーがあ
る。
【0020】成形は静水圧加圧プレスによって行う。一
軸のプレスであると厚み方向で空孔の分布が不均一にな
るので好ましくない。
【0021】焼結温度は1450℃以上、1550℃以
下とする。焼結温度が1450℃未満であると、空孔の
形状が球形にならず、また1550℃よりも高温である
と空孔どうしの結合が起こり、空孔が粗大化あるいは連
続化してしまう。焼結保持時間は5時間以上15時間以
下とする。昇温速度は特に1000℃以上の温度範囲で
制御する必要があり、3℃/min以上、10℃/mi
n以下とする。また焼結雰囲気を酸素ガスの気流中とす
ると高密度の焼結体が得られる。
【0022】
【実施例】以下に実施例を用いて本発明の優れた効果を
説明する。実施例1は第1、第2の本発明の要件を兼ね
備えた実施例、実施例2は第1の本発明の実施例、実施
例3は第2の本発明の実施例、比較例1、2はいずれの
要件も満たさない例である。である。
【0023】実施例1 ・・・ BET比表面積から求
めた一次粒径が0.04μm、平均粒径が0.2μmの
酸化インジウム粉末と、BET比表面積から求めた一次
粒径が0.09μm、平均粒径が0.5μmの酸化錫粉
末を原料粉末とし、これらの粉末を酸化錫組成が10重
量%となるように配合した。粉末を5kg、成形用バイ
ンダーとしてPVAを50g、直径3mmのφジルコニ
アボールを12kg、イオン交換水を7.5kgを容量
20リットルの樹脂ポットに入れて24時間混合し、取
り出した後スプレードライヤーで造粒した。造粒粉をビ
ニル製の型に充填し3ton/cm2でCIP成形し
た。焼結は酸素ガスを5l/minで流しながら150
0℃にて10時間保持した。また1000℃から150
0℃までの昇温速度は5℃/minである。得られた焼
結体を幅127mm、長さ507mm、厚さ6mmに加
工した。
【0024】焼結体の密度および任意の20視野の空孔
の分布および形状を観察した後スパッタリング用ターゲ
ット材として使用し、DCマグネトロンスパッタ法によ
ってスパッタリングを行った。使用開始から20時間経
過後の10分間当たりの異常放電回数の測定と、40時
間経過後のターゲット表面のノジュールの生成状況の観
察を行った。直径2μm以上の空孔の面積基準の個数分
布(%)、断面形状の扁平率が2以下の概ね球状である
直径2μm以上の空孔の存在率(%)、焼結体密度
(%)、異常放電回数(/10分)、ノジュールの発生
状況を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】実施例2 ・・・ BET比表面積から求
めた一次粒径が0.04μm、平均粒径が0.2μmの
酸化インジウム粉末と、BET比表面積から求めた一次
粒径が0.09μm、平均粒径0.5μmの酸化錫粉末
を原料粉末とし、これらの粉末を酸化錫組成が10重量
%となるように配合した。粉末を5kg、成形用バイン
ダーとしてPVAを50g、直径3mmのφジルコニア
ボールを12kg、イオン交換水を7.5kgを容量2
0リットルの樹脂ポットに入れて24時間混合し、取り
出した後スプレードライヤーで造粒した。造粒粉をビニ
ル製の型に充填し3ton/cm2でCIP成形した。
焼結は酸素ガスを5l/minで流しながら1400℃
にて15時間保持した。また1000℃から1500℃
までの昇温速度は1℃/minである。焼結体の大き
さ、および試験方法は実施例1と同様である。得られた
結果を表1に示す。
【0027】実施例3 ・・・ BET比表面積から求
めた一次粒径が0.04μm、平均粒径が0.2μmの
酸化インジウム粉末と、BET比表面積から求めた一次
粒径が0.09μm、平均粒径0.5μmの酸化錫粉末
を原料粉末とし、これらの粉末を酸化錫組成が10重量
%となるように配合した。粉末を5kg、成形用バイン
ダーとしてPVAを50g、直径20mmのφジルコニ
アボールを5kg、イオン交換水を7.5kgを容量2
0リットルの樹脂ポットに入れて24時間混合し、取り
出した後スプレードライヤーで造粒した。造粒粉をビニ
ル製の型に充填し3ton/cm2でCIP成形した。
焼結は酸素ガスを5l/minで流しながら1500℃
にて10時間保持した。また1000℃から1500℃
までの昇温速度は5℃/minである。焼結体の大き
さ、および試験方法は実施例1と同様である。得られた
結果を表1に示す。
【0028】比較例1 ・・・ BET比表面積から求
めた一次粒径が0.04μm、平均粒径が0.2μmの
酸化インジウム粉末と、BET比表面積から求めた一次
粒径が0.09μm、平均粒径0.5μmの酸化錫粉末
を原料粉末とし、これらの粉末を酸化錫組成が10重量
%となるように配合した。粉末を5kg、成形用バイン
ダーとしてPVAを50g、直径20mmのφジルコニ
アボールを5kg、イオン交換水を7.5kgを容量2
0リットルの樹脂ポットに入れて24時間混合し、取り
出した後スプレードライヤーで造粒した。造粒粉をビニ
ル製の型に充填し3ton/cm2でCIP成形した。
焼結は酸素ガスを5l/minで流しながら1400℃
にて20時間保持した。また1000℃から1500℃
までの昇温速度は1℃/minである。焼結体の大き
さ、および試験方法は実施例1と同様である。得られた
結果を表1に示す。
【0029】比較例2 ・・・ BET比表面積から求
めた一次粒径が0.3μm、平均粒径が2μmの酸化イ
ンジウム粉末と、BET比表面積から求めた一次粒径が
0.5μm、平均粒径3μmの酸化錫粉末を原料粉末と
し、これらの粉末を酸化錫組成が10重量%となるよう
に配合した。粉末を5kg、成形用バインダーとしてP
VAを50g、直径20mmのφジルコニアボールを5
kg、イオン交換水を7.5kgを容量20リットルの
樹脂ポットに入れて24時間混合し、取り出した後スプ
レードライヤーで造粒した。造粒粉をグラファイト型に
充填し真空ホットプレスを用いて800℃、0.6to
n/cm2の条件で成形・焼結を行った。焼結体の大き
さ、および試験方法は実施例1と同様である。得られた
結果を表1に示す。
【0030】表1より、本発明の実施例は比較例と比べ
て、
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、スパッタリング中の異
常放電回数がきわめて少なく、また長時間使用後におい
てもノジュールが発生しないITOターゲットを提供す
ることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インジウム、錫および酸素を主成分と
    し、相対密度が85%以上で、かつ、直径2μm以上の
    空孔の面積基準の個数分布が任意表面で20%以下であ
    ることを特徴とする酸化物焼結体。
  2. 【請求項2】 インジウム、錫および酸素を主成分と
    し、相対密度が85%以上で、かつ、直径2μm以上の
    空孔の95%以上が断面形状の扁平率が2以下の概ね球
    状であることを特徴とする酸化物焼結体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002029744A (ja) * 2000-07-17 2002-01-29 Sumitomo Chem Co Ltd 酸化錫粉末の製造方法
WO2008081585A1 (ja) * 2007-01-05 2008-07-10 Kabushiki Kaisha Toshiba スパッタリングターゲットとその製造方法

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