JPH10147861A - 酸化インジウム・酸化錫焼結体の製造方法 - Google Patents
酸化インジウム・酸化錫焼結体の製造方法Info
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- JPH10147861A JPH10147861A JP30449296A JP30449296A JPH10147861A JP H10147861 A JPH10147861 A JP H10147861A JP 30449296 A JP30449296 A JP 30449296A JP 30449296 A JP30449296 A JP 30449296A JP H10147861 A JPH10147861 A JP H10147861A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 スパッタリング中の異常放電の発生及びノジ
ュールの生成が少ない、ターゲット用の酸化インジウム
・酸化錫焼結体の製造方法を提供する。 【解決手段】 微細なIn2O3粉末とSnO2粉末を、
湿式ボールミルにより(1)使用するボールの直径が3〜
10mm、(2)原料粉末に対して添加する水分量が重量
比で1.8〜2.0倍、(3)原料粉末に対して添加するボ
ール量が重量比で3.0〜5.0倍、(4)原料粉末と水と
ボールの合計量がポット容積の40〜60%、(5)混合
時間が12〜72時間の条件で混合し、乾燥造粒して、
酸素雰囲気中で焼結する。
ュールの生成が少ない、ターゲット用の酸化インジウム
・酸化錫焼結体の製造方法を提供する。 【解決手段】 微細なIn2O3粉末とSnO2粉末を、
湿式ボールミルにより(1)使用するボールの直径が3〜
10mm、(2)原料粉末に対して添加する水分量が重量
比で1.8〜2.0倍、(3)原料粉末に対して添加するボ
ール量が重量比で3.0〜5.0倍、(4)原料粉末と水と
ボールの合計量がポット容積の40〜60%、(5)混合
時間が12〜72時間の条件で混合し、乾燥造粒して、
酸素雰囲気中で焼結する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化インジウム・
酸化錫(以下ITOと記載する)焼結体、特にスパッタ
リング法により透明導電膜を形成する際のスパッタリン
グ用ターゲットとして極めて優れた性能を有するITO
焼結体の製造方法に関する。
酸化錫(以下ITOと記載する)焼結体、特にスパッタ
リング法により透明導電膜を形成する際のスパッタリン
グ用ターゲットとして極めて優れた性能を有するITO
焼結体の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】ITO焼結体をターゲットとしてスパッタ
リングにより得られる薄膜は、その比抵抗値の低さから
有望な透明電極膜として注目されている。例えば、30
0℃程度の高温に加熱された基板上に、適当な条件でI
TOを物理蒸着することによって、透明性が良く且つ比
抵抗値が2.0×10-4Ω・cm以下の良質なITO膜
を形成することができる。
リングにより得られる薄膜は、その比抵抗値の低さから
有望な透明電極膜として注目されている。例えば、30
0℃程度の高温に加熱された基板上に、適当な条件でI
TOを物理蒸着することによって、透明性が良く且つ比
抵抗値が2.0×10-4Ω・cm以下の良質なITO膜
を形成することができる。
【0003】このような加熱基板上に比抵抗値の低いI
TO膜を成膜するためのスパッタリング用ターゲットと
して、特開昭62−21751号公報には、In2O3粉
末とSnO2粉末を配合し、混合及び粉砕を行い、これ
を成形して仮焼した後、再度粉砕を行って粉末とし、得
られた仮焼済み粉末を、更に成形及び焼結して製造され
たITO焼結体が開示されている。また、同公報には、
仮焼済み粉末を成形した後、ホットプレスのような高温
加圧下で焼結する方法も記載されている。更に、特開平
5−148636号公報には、In2O3粉末とSnO2
粉末を配合し、これを成形した後に、酸素加圧法にて1
550℃以上で焼結することにより製造されたITO焼
結体が開示されている。
TO膜を成膜するためのスパッタリング用ターゲットと
して、特開昭62−21751号公報には、In2O3粉
末とSnO2粉末を配合し、混合及び粉砕を行い、これ
を成形して仮焼した後、再度粉砕を行って粉末とし、得
られた仮焼済み粉末を、更に成形及び焼結して製造され
たITO焼結体が開示されている。また、同公報には、
仮焼済み粉末を成形した後、ホットプレスのような高温
加圧下で焼結する方法も記載されている。更に、特開平
5−148636号公報には、In2O3粉末とSnO2
粉末を配合し、これを成形した後に、酸素加圧法にて1
550℃以上で焼結することにより製造されたITO焼
結体が開示されている。
【0004】しかし、このようにして得られたITO焼
結体のターゲットを用いてスパッタリングを行うと、異
常放電の発生によりプラズマ状態が不安定になり、安定
した成膜が行われず、得られる膜の構造が悪化し、膜の
特性値が劣化するという不都合が生じていた。また、異
常放電が頻繁に発生する状況下において長時間スパッタ
リングを行うと、ITO焼結体からなるターゲット表面
にノジュールと呼ばれる黒色の突起物が生成し、これに
よって成膜速度が低下するという問題も生じていた。
結体のターゲットを用いてスパッタリングを行うと、異
常放電の発生によりプラズマ状態が不安定になり、安定
した成膜が行われず、得られる膜の構造が悪化し、膜の
特性値が劣化するという不都合が生じていた。また、異
常放電が頻繁に発生する状況下において長時間スパッタ
リングを行うと、ITO焼結体からなるターゲット表面
にノジュールと呼ばれる黒色の突起物が生成し、これに
よって成膜速度が低下するという問題も生じていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来の事情に鑑み、透明電極膜のスパッタリング用ター
ゲットとして、スパッタリング中の異常放電の発生及び
ノジュールの生成が少なく、特性の優れたITO膜を効
率良く成膜することが可能な酸化インジウム・酸化錫焼
結体の製造方法を提供することを目的とする。
従来の事情に鑑み、透明電極膜のスパッタリング用ター
ゲットとして、スパッタリング中の異常放電の発生及び
ノジュールの生成が少なく、特性の優れたITO膜を効
率良く成膜することが可能な酸化インジウム・酸化錫焼
結体の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明が提供する酸化インジウム・酸化錫焼結体の
製造方法は、In2O3粉末とSnO2粉末を湿式混合
し、乾燥造粒して成形した後、酸素雰囲気中で焼結する
酸化インジウム・酸化錫焼結体の製造方法において、比
表面積20m2/g以上のIn2O3粉末と比表面積5m2
/g以上のSnO2粉末とを原料粉末とし、原料粉末を
湿式ボールミルにて混合する際に、 (1) 使用するボールの直径が3〜10mm、 (2) 原料粉末に対して添加する水分量が重量比で1.8
〜2.0倍 (3) 原料粉末に対して添加するボール量が重量比で3.
0〜5.0倍 (4) 原料粉末と水とボールの合計量がポット容積の40
〜60% (5) 混合時間が12〜72時間 の条件で混合することを特徴とするものである。
め、本発明が提供する酸化インジウム・酸化錫焼結体の
製造方法は、In2O3粉末とSnO2粉末を湿式混合
し、乾燥造粒して成形した後、酸素雰囲気中で焼結する
酸化インジウム・酸化錫焼結体の製造方法において、比
表面積20m2/g以上のIn2O3粉末と比表面積5m2
/g以上のSnO2粉末とを原料粉末とし、原料粉末を
湿式ボールミルにて混合する際に、 (1) 使用するボールの直径が3〜10mm、 (2) 原料粉末に対して添加する水分量が重量比で1.8
〜2.0倍 (3) 原料粉末に対して添加するボール量が重量比で3.
0〜5.0倍 (4) 原料粉末と水とボールの合計量がポット容積の40
〜60% (5) 混合時間が12〜72時間 の条件で混合することを特徴とするものである。
【0007】また、本発明の酸化インジウム・酸化錫焼
結体の製造方法は、その焼結方法の一つとして、酸素雰
囲気中において1350〜1550℃で15時間以下の
焼結を行うことを特徴とする。別の焼結方法として、酸
素雰囲気中において1350〜1550℃で5〜10時
間の焼結を行った後、更に還元雰囲気中において135
0〜1550℃で10時間以下の焼結を行うこともでき
る。
結体の製造方法は、その焼結方法の一つとして、酸素雰
囲気中において1350〜1550℃で15時間以下の
焼結を行うことを特徴とする。別の焼結方法として、酸
素雰囲気中において1350〜1550℃で5〜10時
間の焼結を行った後、更に還元雰囲気中において135
0〜1550℃で10時間以下の焼結を行うこともでき
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明者らは、異常放電の発生及
びノジュールの生成原因を調べるために、従来公知の方
法によって得たITO焼結体を分析し、詳細に検討し
た。その結果、特開昭62−21751号公報記載にの
方法で作製されるITO焼結体においては、例えば10
重量%のSnO2粉末を配合して焼結し、錫分散性をE
PMA面分析により測定することによって、粒径5μm
以上の錫の凝集体が存在していることが判明した。
びノジュールの生成原因を調べるために、従来公知の方
法によって得たITO焼結体を分析し、詳細に検討し
た。その結果、特開昭62−21751号公報記載にの
方法で作製されるITO焼結体においては、例えば10
重量%のSnO2粉末を配合して焼結し、錫分散性をE
PMA面分析により測定することによって、粒径5μm
以上の錫の凝集体が存在していることが判明した。
【0009】また、このITO焼結体では、EPMA線
分析及びX線回析により、In2O3相中に固溶される錫
原子は3重量%前後であり、残りの錫は錫濃度の高いI
n2O3とSnO2との中間化合物相として存在してい
た。更に、この焼結体は低密度であるために、内部に大
きな空孔部が点在していた。ホットプレスを用いれば大
きな空孔部は消失するが、600〜800℃程度の低温
処理であるため錫原子は殆ど固溶されず、錫は全てSn
O2相として存在した。
分析及びX線回析により、In2O3相中に固溶される錫
原子は3重量%前後であり、残りの錫は錫濃度の高いI
n2O3とSnO2との中間化合物相として存在してい
た。更に、この焼結体は低密度であるために、内部に大
きな空孔部が点在していた。ホットプレスを用いれば大
きな空孔部は消失するが、600〜800℃程度の低温
処理であるため錫原子は殆ど固溶されず、錫は全てSn
O2相として存在した。
【0010】一方、特開平5−148636号公報に記
載の方法でITO焼結体を作製した場合には、SnO2
相が存在せず且つ緻密な焼結体が得られる。しかし、1
550℃以上での高温処理によって製造されるために、
焼結体中に粒径10μm以上の錫の凝集体が存在した。
更に、In2O3相の結晶粒径又はIn2O3相中に錫原子
が固溶された相の結晶粒径が、10μm以上と粗大であ
った。
載の方法でITO焼結体を作製した場合には、SnO2
相が存在せず且つ緻密な焼結体が得られる。しかし、1
550℃以上での高温処理によって製造されるために、
焼結体中に粒径10μm以上の錫の凝集体が存在した。
更に、In2O3相の結晶粒径又はIn2O3相中に錫原子
が固溶された相の結晶粒径が、10μm以上と粗大であ
った。
【0011】そして、これら従来のITO焼結体をター
ゲットとしたとき、高電圧をかけてのスパッタリングが
できず、従って成膜速度を上げることができず、良質な
ITO膜も得られない。また、高電圧をかければ異常放
電及びノジュールが多発するばかりでなく、焼結体の結
晶粒径が粗大化しているために熱衝撃に弱く、焼結体の
ターゲットに割れが発生することが分かった。
ゲットとしたとき、高電圧をかけてのスパッタリングが
できず、従って成膜速度を上げることができず、良質な
ITO膜も得られない。また、高電圧をかければ異常放
電及びノジュールが多発するばかりでなく、焼結体の結
晶粒径が粗大化しているために熱衝撃に弱く、焼結体の
ターゲットに割れが発生することが分かった。
【0012】以上のことから、スパッタリング用ターゲ
ットとしてのITO焼結体における異常放電の発生及び
ノジュールの生成という問題点は、 (1) 比抵抗値の低いSnO2相、錫の凝集体又は錫濃
度の高い中間化合物相 (2) 焼結体内にある大きな空孔部 (3) 粗大化されたIn2O3相又はIn2O3相中に錫元
素が固溶された相 の3点が主な原因であると判断された。
ットとしてのITO焼結体における異常放電の発生及び
ノジュールの生成という問題点は、 (1) 比抵抗値の低いSnO2相、錫の凝集体又は錫濃
度の高い中間化合物相 (2) 焼結体内にある大きな空孔部 (3) 粗大化されたIn2O3相又はIn2O3相中に錫元
素が固溶された相 の3点が主な原因であると判断された。
【0013】本発明は、ITO焼結体の製造方法を改良
し、上記3点を解決することによって、スパッタリング
用ターゲットとして使用したときの異常放電の発生及び
ノジュールの生成を防止し又は低減することのできるI
TO焼結体を提供するものである。
し、上記3点を解決することによって、スパッタリング
用ターゲットとして使用したときの異常放電の発生及び
ノジュールの生成を防止し又は低減することのできるI
TO焼結体を提供するものである。
【0014】本発明が対象とするITO焼結体は、イン
ジウム、錫及び酸素を主成分とするIn2O3−SnO2
系の焼結体であって、その組成自体は公知のITO焼結
体と同様であり、一般に錫の平均組成は3〜12重量
%、及びインジウムの平均組成は70〜78重量%の範
囲にある。
ジウム、錫及び酸素を主成分とするIn2O3−SnO2
系の焼結体であって、その組成自体は公知のITO焼結
体と同様であり、一般に錫の平均組成は3〜12重量
%、及びインジウムの平均組成は70〜78重量%の範
囲にある。
【0015】本発明のITO焼結体の製造方法において
は、In2O3粉末とSnO2粉末とを原料粉末とし、こ
れに水と、酢酸ビニル、ポリビニルアルコール等からな
るバインダーを添加して、湿式混合を行う。混合後に得
られたスラリーを乾燥造粒した後、コールドプレス若し
くは冷間静水圧プレスによって成形する。得られた成形
体を、In2O3及びSnO2の蒸発を抑制するため酸素
雰囲気中にて焼結することによって、ITO焼結体を得
ることができる。
は、In2O3粉末とSnO2粉末とを原料粉末とし、こ
れに水と、酢酸ビニル、ポリビニルアルコール等からな
るバインダーを添加して、湿式混合を行う。混合後に得
られたスラリーを乾燥造粒した後、コールドプレス若し
くは冷間静水圧プレスによって成形する。得られた成形
体を、In2O3及びSnO2の蒸発を抑制するため酸素
雰囲気中にて焼結することによって、ITO焼結体を得
ることができる。
【0016】原料粉末としては、平均一次粒径が共に
0.1μm以下のIn2O3粉末とSnO2粉末とを使用す
る。これらの原料粉末は、例えば、インジウム又は錫の
金属水酸化物を加水分解又は熱分解して得ることができ
る。In2O3粉末とSnO2粉末は、InとSnの組成
が前記した通常の範囲となるように混合して使用され
る。
0.1μm以下のIn2O3粉末とSnO2粉末とを使用す
る。これらの原料粉末は、例えば、インジウム又は錫の
金属水酸化物を加水分解又は熱分解して得ることができ
る。In2O3粉末とSnO2粉末は、InとSnの組成
が前記した通常の範囲となるように混合して使用され
る。
【0017】原料粉末のBET法により測定される比表
面積は、In2O3粉末では20m2/g以上であるが、
余り微細なものは凝集が激しいので30〜40m2/g
が好ましい。SnO2粉末では5m2/g以上であり、同
じく5〜8m2/gが好ましい。しかし、これらの原料
粉末は微細であるために凝集し易く、凝集によって局部
的に焼結速度の異なる場所が生じ、収縮が不均一に起こ
って大きな空孔ができたり、空孔径分布が広くなり易
い。また、粒子によって粒成長する速度が異なるので、
不均一な微細構造になり易い。従って、本発明のITO
焼結体を得るためには、凝集している原料粉末を一次粒
子に解砕することが重要である。
面積は、In2O3粉末では20m2/g以上であるが、
余り微細なものは凝集が激しいので30〜40m2/g
が好ましい。SnO2粉末では5m2/g以上であり、同
じく5〜8m2/gが好ましい。しかし、これらの原料
粉末は微細であるために凝集し易く、凝集によって局部
的に焼結速度の異なる場所が生じ、収縮が不均一に起こ
って大きな空孔ができたり、空孔径分布が広くなり易
い。また、粒子によって粒成長する速度が異なるので、
不均一な微細構造になり易い。従って、本発明のITO
焼結体を得るためには、凝集している原料粉末を一次粒
子に解砕することが重要である。
【0018】この凝集している原料粉末の解砕は、以下
に説明する粉末の粉砕混合方法により行う。即ち、原料
粉末の粉砕混合は、湿式法又は乾式法によるボールミ
ル、振動ミル等を用いることができるが、均一微細な結
晶粒及び空孔を得るには湿式法によるボールミル混合が
最も好ましい。その理由は、乾式ボールミルや振動ミル
にて長時間の粉砕混合を行うと、不純物の混入が多くな
るからである。また、微粉砕にはボールの落下による衝
撃よりも、ボールとボール又はボールとポット内壁との
間における摩擦力の方が大きな役割を果たしていること
から、ボールミルによる粉砕混合が最も効果的である。
に説明する粉末の粉砕混合方法により行う。即ち、原料
粉末の粉砕混合は、湿式法又は乾式法によるボールミ
ル、振動ミル等を用いることができるが、均一微細な結
晶粒及び空孔を得るには湿式法によるボールミル混合が
最も好ましい。その理由は、乾式ボールミルや振動ミル
にて長時間の粉砕混合を行うと、不純物の混入が多くな
るからである。また、微粉砕にはボールの落下による衝
撃よりも、ボールとボール又はボールとポット内壁との
間における摩擦力の方が大きな役割を果たしていること
から、ボールミルによる粉砕混合が最も効果的である。
【0019】湿式のボールミル混合は、樹脂性ポットの
容器内に原料粉末、ボール、水、及びバインダーを任意
の量だけ添加して行う。スラリー濃度が高い場合には、
ボールが浮き上がって互いに接触し難くなり、逆にスラ
リー濃度が低い場合には、ボールに滑りが生じて十分な
高さにまで到達することができないため、添加する水分
量やボール量等を調整する必要がある。添加する水分量
は原料粉末に対して重量で1.8〜2.0倍の範囲とし、
ボール量は原料粉末に対して重量で3.0〜5.0倍の範
囲とする。また、ポット内に添加する原料粉末、ボー
ル、及び水の全体量は、ポット容積に対して40%〜6
0%の範囲内に納まるようにしなければならない。
容器内に原料粉末、ボール、水、及びバインダーを任意
の量だけ添加して行う。スラリー濃度が高い場合には、
ボールが浮き上がって互いに接触し難くなり、逆にスラ
リー濃度が低い場合には、ボールに滑りが生じて十分な
高さにまで到達することができないため、添加する水分
量やボール量等を調整する必要がある。添加する水分量
は原料粉末に対して重量で1.8〜2.0倍の範囲とし、
ボール量は原料粉末に対して重量で3.0〜5.0倍の範
囲とする。また、ポット内に添加する原料粉末、ボー
ル、及び水の全体量は、ポット容積に対して40%〜6
0%の範囲内に納まるようにしなければならない。
【0020】使用するボールは、摩耗の少ない硬質ジル
コニアボールが好ましく、そのボール径が小さいほど表
面積が大きくなるので粉砕効果は高くなる。しかし、ボ
ール径が小さ過ぎると、ボールの摩耗が激しくなるため
不純物の混入量が多くなる。従って、ボール径は3〜1
0mmの範囲とする。ボールミル混合では、ポットの回
転によってボールが到達した最高の高さから45°の角
度で流れ落ちるのが理想的な回転数であり、この状態が
達成されると高い粉砕効果が得られる。この理想的な回
転数はポットの直径にもよるが、例えばポットの直径が
100mmであれば、その回転数は40〜60rpmが
好ましい。
コニアボールが好ましく、そのボール径が小さいほど表
面積が大きくなるので粉砕効果は高くなる。しかし、ボ
ール径が小さ過ぎると、ボールの摩耗が激しくなるため
不純物の混入量が多くなる。従って、ボール径は3〜1
0mmの範囲とする。ボールミル混合では、ポットの回
転によってボールが到達した最高の高さから45°の角
度で流れ落ちるのが理想的な回転数であり、この状態が
達成されると高い粉砕効果が得られる。この理想的な回
転数はポットの直径にもよるが、例えばポットの直径が
100mmであれば、その回転数は40〜60rpmが
好ましい。
【0021】ボールミル混合における混合時間は、12
時間〜72時間の範囲とする。混合時間が12時間未満
であると、微細な原料粉末の凝集を十分に解砕すること
ができず、結晶粒径が小さく且つ空孔径並びに錫の凝集
径が小さいITO焼結体を得ることが困難となる。ま
た、混合時間が72時間を越えると、混合粉末中に不純
物が多く混入するため好ましくない。
時間〜72時間の範囲とする。混合時間が12時間未満
であると、微細な原料粉末の凝集を十分に解砕すること
ができず、結晶粒径が小さく且つ空孔径並びに錫の凝集
径が小さいITO焼結体を得ることが困難となる。ま
た、混合時間が72時間を越えると、混合粉末中に不純
物が多く混入するため好ましくない。
【0022】上記の湿式混合により得られたスラリー
は、乾燥造粒した後、コールドプレス若しくは冷間静水
圧プレスにより3ton/cm2以上で成形し、成形体
を酸素雰囲気中にて1350℃〜1550℃、好ましく
は1450℃〜1500℃の温度範囲で、15時間以下
の焼結を行う。この焼結条件の範囲内であれば、酸素雰
囲気中で焼結を行うことによって、前記した中間化合物
相の粗大化等の弊害を阻止できる。しかし、焼結温度が
1550℃を越えるか又は焼結時間が15時間を越える
と、粗大化された錫原子の凝集体が形成されるか、若し
くは結晶粒成長による粒径の粗大化と共に空孔径も粗大
化するため、スパッタリング時の異常放電やノジュール
が多発する原因となる。
は、乾燥造粒した後、コールドプレス若しくは冷間静水
圧プレスにより3ton/cm2以上で成形し、成形体
を酸素雰囲気中にて1350℃〜1550℃、好ましく
は1450℃〜1500℃の温度範囲で、15時間以下
の焼結を行う。この焼結条件の範囲内であれば、酸素雰
囲気中で焼結を行うことによって、前記した中間化合物
相の粗大化等の弊害を阻止できる。しかし、焼結温度が
1550℃を越えるか又は焼結時間が15時間を越える
と、粗大化された錫原子の凝集体が形成されるか、若し
くは結晶粒成長による粒径の粗大化と共に空孔径も粗大
化するため、スパッタリング時の異常放電やノジュール
が多発する原因となる。
【0023】このようにして得られたITO焼結体は、
実質的にIn2O3相と、In2O3相中に錫元素が固溶さ
れた相とから構成され、これらIn2O3相及びIn2O3
相中に錫元素が固溶された相の平均結晶粒径が3〜8μ
mと微細に制御されている。また、焼結体内部に存在す
る最大空孔径が1μm以下、錫原子の最大凝集径も3μ
m以下となり、ITO焼結体の密度は6.8g/cm3以
上である。
実質的にIn2O3相と、In2O3相中に錫元素が固溶さ
れた相とから構成され、これらIn2O3相及びIn2O3
相中に錫元素が固溶された相の平均結晶粒径が3〜8μ
mと微細に制御されている。また、焼結体内部に存在す
る最大空孔径が1μm以下、錫原子の最大凝集径も3μ
m以下となり、ITO焼結体の密度は6.8g/cm3以
上である。
【0024】また、このITO焼結体では、錫は大部分
がIn2O3相中に固溶され、In2O3相中に固溶される
錫原子は2重量%以上であることが好ましい。更に、I
n2O3とSnO2との中間化合物相として、主に(In60
Sn40)2O3などが形成されることがあるが、この中間
化合物相の量は少ないほど好ましい。この中間化合物相
の量としては、X線回析において2θ=30.2°に現
れる上記組成の中間化合物相の回析ピーク強度が、In
2O3相の(222)面の回析ピーク強度の10%以下で
あることが好ましい。
がIn2O3相中に固溶され、In2O3相中に固溶される
錫原子は2重量%以上であることが好ましい。更に、I
n2O3とSnO2との中間化合物相として、主に(In60
Sn40)2O3などが形成されることがあるが、この中間
化合物相の量は少ないほど好ましい。この中間化合物相
の量としては、X線回析において2θ=30.2°に現
れる上記組成の中間化合物相の回析ピーク強度が、In
2O3相の(222)面の回析ピーク強度の10%以下で
あることが好ましい。
【0025】本発明における別の焼結方法として、最初
に酸素雰囲気中にて1350℃〜1550℃、好ましく
は1450℃〜1500℃の温度範囲で15時間以下の
焼結を行い、続いて窒素ガス又はAr等の不活性ガス若
しくは真空雰囲気のような還元雰囲気中において、13
50〜1550℃の温度範囲で10時間以下の焼結を行
うこともできる。この1次焼結と2次焼結によって得ら
れるITO焼結体は、上記した特徴のほかに、焼結体内
の酸欠により酸素空孔が導入されて空孔拡散が行われる
ので、密度が容易に上昇して7.0g/cm3以上に緻密
化でき、更に0.1オーム・cm以下のバルク抵抗値を容
易に達成することができる。
に酸素雰囲気中にて1350℃〜1550℃、好ましく
は1450℃〜1500℃の温度範囲で15時間以下の
焼結を行い、続いて窒素ガス又はAr等の不活性ガス若
しくは真空雰囲気のような還元雰囲気中において、13
50〜1550℃の温度範囲で10時間以下の焼結を行
うこともできる。この1次焼結と2次焼結によって得ら
れるITO焼結体は、上記した特徴のほかに、焼結体内
の酸欠により酸素空孔が導入されて空孔拡散が行われる
ので、密度が容易に上昇して7.0g/cm3以上に緻密
化でき、更に0.1オーム・cm以下のバルク抵抗値を容
易に達成することができる。
【0026】上記ITO焼結体の各特性の測定方法は以
下の通りである。即ち、結晶粒径及び空孔径は、焼結体
断面を研磨した後、熱腐食によって粒界を析出させ、S
EM観察することで測定する。中間化合物相の存在は、
焼結体を粉末化した試料をX線回析法にて測定し、その
量は上記のごとく中間化合物相の上記回析ピークの積分
強度とIn2O3相の(222)面の回析ピークの積分強
度との強度比から求める。また、In2O3相中に固溶さ
れる錫量、及び錫原子の凝集径は、焼結体断面を研磨
し、ビーム径1μmのEPMA線分析及び面分析によっ
て測定することができる。
下の通りである。即ち、結晶粒径及び空孔径は、焼結体
断面を研磨した後、熱腐食によって粒界を析出させ、S
EM観察することで測定する。中間化合物相の存在は、
焼結体を粉末化した試料をX線回析法にて測定し、その
量は上記のごとく中間化合物相の上記回析ピークの積分
強度とIn2O3相の(222)面の回析ピークの積分強
度との強度比から求める。また、In2O3相中に固溶さ
れる錫量、及び錫原子の凝集径は、焼結体断面を研磨
し、ビーム径1μmのEPMA線分析及び面分析によっ
て測定することができる。
【0027】
【実施例】実施例1 比表面積30m2/g、平均粒径0.08μmのIn2O3
粉末に、比表面積7m2/g、平均粒径0.08μmのS
nO2粉末を、錫組成が7.8重量%になるように配合
し、これを原料粉末とした。この原料粉末を硬質ジルコ
ニアボール及び水と共に樹脂製ポットに入れ、原料粉
末:ボール:水分の重量比を1.0:3.0:1.8とす
ると共に、その全体量をポット容積に対して60%とし
た。次に、バインダーとしてポリビニルアルコールを1
重量%加え、ボールミルで24時間混合した。尚、使用
したボールの直径は3mm、ポットの直径は150m
m、ボールミルの回転数は50rpmとした。
粉末に、比表面積7m2/g、平均粒径0.08μmのS
nO2粉末を、錫組成が7.8重量%になるように配合
し、これを原料粉末とした。この原料粉末を硬質ジルコ
ニアボール及び水と共に樹脂製ポットに入れ、原料粉
末:ボール:水分の重量比を1.0:3.0:1.8とす
ると共に、その全体量をポット容積に対して60%とし
た。次に、バインダーとしてポリビニルアルコールを1
重量%加え、ボールミルで24時間混合した。尚、使用
したボールの直径は3mm、ポットの直径は150m
m、ボールミルの回転数は50rpmとした。
【0028】その後、スラリーを取り出して乾燥造粒し
た後、得られた造粒粉を冷間静水圧プレスによって3t
on/cm2の圧力で成形した。得られた成形体は、1
0リットル/minで酸素ガスを導入しながら昇温速度
5℃/minにて1500℃に昇温させ、この温度で1
5時間の焼結を行った。得られたITO焼結体は、直径
127mm×厚さ6mmの円盤状の焼結体である。
た後、得られた造粒粉を冷間静水圧プレスによって3t
on/cm2の圧力で成形した。得られた成形体は、1
0リットル/minで酸素ガスを導入しながら昇温速度
5℃/minにて1500℃に昇温させ、この温度で1
5時間の焼結を行った。得られたITO焼結体は、直径
127mm×厚さ6mmの円盤状の焼結体である。
【0029】得られたITO焼結体の密度を求めた後、
焼結体の一部を切断して粉砕し、X線回析測定を2θ=
25°〜37°の角度範囲で行って10回積算し、その
結果から中間化合物相(In60Sn40)2O3の回折ピーク
の強度比を求めた。また、焼結体の一部を切断して切断
面を研磨した後、試料をEPMA線分析及び面分析によ
り測定し、In2O3相中に固溶された錫量、及び錫原子
の凝集径を求めた。更に、この試料を用いて熱腐食によ
り粒界を析出させ、SEM観察によって平均結晶粒径と
空孔径を測定した。得られた各測定値を下記表1に示し
た。
焼結体の一部を切断して粉砕し、X線回析測定を2θ=
25°〜37°の角度範囲で行って10回積算し、その
結果から中間化合物相(In60Sn40)2O3の回折ピーク
の強度比を求めた。また、焼結体の一部を切断して切断
面を研磨した後、試料をEPMA線分析及び面分析によ
り測定し、In2O3相中に固溶された錫量、及び錫原子
の凝集径を求めた。更に、この試料を用いて熱腐食によ
り粒界を析出させ、SEM観察によって平均結晶粒径と
空孔径を測定した。得られた各測定値を下記表1に示し
た。
【0030】また、得られたITO焼結体を直径100
mm×厚さ6mmの円盤状に加工してスパッタリング用
ターゲットを形成し、このターゲットを用いてDCマグ
ネトロンスパッタ法によりスパッタリングを行った。ス
パッタリング条件は、投入電力2W/cm2、ガス圧0.
5Pa、O2分圧2%に固定した。実験開始から20時
間経過後に投入電力の変化から異常放電回数を10分間
測定すると同時に、40時間経過後のターゲット表面に
生成したノジュールの状況を目視観察した。得られた結
果を下記表2に示した。
mm×厚さ6mmの円盤状に加工してスパッタリング用
ターゲットを形成し、このターゲットを用いてDCマグ
ネトロンスパッタ法によりスパッタリングを行った。ス
パッタリング条件は、投入電力2W/cm2、ガス圧0.
5Pa、O2分圧2%に固定した。実験開始から20時
間経過後に投入電力の変化から異常放電回数を10分間
測定すると同時に、40時間経過後のターゲット表面に
生成したノジュールの状況を目視観察した。得られた結
果を下記表2に示した。
【0031】実施例2 比表面積34m2/g、平均粒径0.07μmのIn2O3
粉末に、比表面積7m2/g、平均粒径0.08μmのS
nO2粉末を、錫組成が7.8重量%になるように配合し
て、原料粉末とした。この原料粉末を硬質ジルコニアボ
ール及び水と共に樹脂製ポットに入れ、原料粉末:ボー
ル:水分の重量比を1.0:5.0:1.8とし、その全
体量をポット容積に対して40%とした。更にバインダ
ーとしてポリビニルアルコールを1重量%加え、ボール
ミルで24時間混合した。使用したボールの直径は10
mm、ポットの直径は150mm、ボールミルの回転数
は50rpmとした。
粉末に、比表面積7m2/g、平均粒径0.08μmのS
nO2粉末を、錫組成が7.8重量%になるように配合し
て、原料粉末とした。この原料粉末を硬質ジルコニアボ
ール及び水と共に樹脂製ポットに入れ、原料粉末:ボー
ル:水分の重量比を1.0:5.0:1.8とし、その全
体量をポット容積に対して40%とした。更にバインダ
ーとしてポリビニルアルコールを1重量%加え、ボール
ミルで24時間混合した。使用したボールの直径は10
mm、ポットの直径は150mm、ボールミルの回転数
は50rpmとした。
【0032】その後、スラリーを取り出して乾燥造粒し
た後、得られた造粒粉を冷間静水圧プレスにより3to
n/cm2で成形した。この成形体は、10リットル/
minで酸素ガスを導入しながら昇温速度5℃/min
で1500℃まで昇温させ、この温度で10時間の焼結
を行った。得られたITO焼結体について実施例1と同
様の測定及び試験を行い、その結果を下記表1及び表2
に示した。
た後、得られた造粒粉を冷間静水圧プレスにより3to
n/cm2で成形した。この成形体は、10リットル/
minで酸素ガスを導入しながら昇温速度5℃/min
で1500℃まで昇温させ、この温度で10時間の焼結
を行った。得られたITO焼結体について実施例1と同
様の測定及び試験を行い、その結果を下記表1及び表2
に示した。
【0033】実施例3 上記実施例2と同じIn2O3粉末とSnO2粉末を同様
に配合し、これを原料粉末とした。この原料粉末を硬質
ジルコニアボール及び水と共に樹脂製ポットに入れ、原
料粉末:ボール:水分の重量比を1.0:3.0:2.0
とし、その全体量をポット容積に対して40%とした。
更にバインダーとしてポリビニルアルコールを1重量%
加え、ボールミルで18時間混合した。使用したボール
の直径は5mm、ポットの直径は150mm、ボールミ
ルの回転数は50rpmとした。
に配合し、これを原料粉末とした。この原料粉末を硬質
ジルコニアボール及び水と共に樹脂製ポットに入れ、原
料粉末:ボール:水分の重量比を1.0:3.0:2.0
とし、その全体量をポット容積に対して40%とした。
更にバインダーとしてポリビニルアルコールを1重量%
加え、ボールミルで18時間混合した。使用したボール
の直径は5mm、ポットの直径は150mm、ボールミ
ルの回転数は50rpmとした。
【0034】その後、スラリーを取り出して乾燥造粒し
た後、得られた造粒粉を冷間静水圧プレスにより3to
n/cm2で成形した。この成形体は、10リットル/
minで酸素ガスを導入しながら昇温速度1℃/min
で1500℃まで昇温させ、この温度で10時間の1次
焼結を行った。次に、酸素ガスを窒素ガスに切り換えて
同一流速で導入しながら1500℃で5時間の2次焼結
を行った。得られたITO焼結体について実施例1と同
様の測定及び試験を行い、その結果を下記表1及び表2
に示した。
た後、得られた造粒粉を冷間静水圧プレスにより3to
n/cm2で成形した。この成形体は、10リットル/
minで酸素ガスを導入しながら昇温速度1℃/min
で1500℃まで昇温させ、この温度で10時間の1次
焼結を行った。次に、酸素ガスを窒素ガスに切り換えて
同一流速で導入しながら1500℃で5時間の2次焼結
を行った。得られたITO焼結体について実施例1と同
様の測定及び試験を行い、その結果を下記表1及び表2
に示した。
【0035】比較例1 上記実施例2と同じIn2O3粉末とSnO2粉末を同様
に配合し、これを原料粉末とした。この原料粉末を硬質
ジルコニアボール及び水と共に樹脂製ポットに入れ、原
料粉末:ボール:水分の重量比を1.0:3.0:1.2
とし、その全体量をポット容積に対して60%とした。
更に、バインダーとしてポリビニルアルコールを1重量
%加え、ボールミルで24時間混合した。使用したボー
ルの直径は20mm、ポットの直径は150mm、ボー
ルミルの回転数は50rpmとした。
に配合し、これを原料粉末とした。この原料粉末を硬質
ジルコニアボール及び水と共に樹脂製ポットに入れ、原
料粉末:ボール:水分の重量比を1.0:3.0:1.2
とし、その全体量をポット容積に対して60%とした。
更に、バインダーとしてポリビニルアルコールを1重量
%加え、ボールミルで24時間混合した。使用したボー
ルの直径は20mm、ポットの直径は150mm、ボー
ルミルの回転数は50rpmとした。
【0036】その後、スラリーを取り出して乾燥造粒し
た後、得られた造粒粉を冷間静水圧プレスにより3to
n/cm2で成形した。この成形体は、10リットル/
minにて酸素ガスを導入しながら昇温速度1℃/mi
nにて1500℃に昇温させ、この温度で15時間の焼
結を行った。得られたITO焼結体について実施例1と
同様の測定及び試験を行い、その結果を下記表1及び表
2に示した。
た後、得られた造粒粉を冷間静水圧プレスにより3to
n/cm2で成形した。この成形体は、10リットル/
minにて酸素ガスを導入しながら昇温速度1℃/mi
nにて1500℃に昇温させ、この温度で15時間の焼
結を行った。得られたITO焼結体について実施例1と
同様の測定及び試験を行い、その結果を下記表1及び表
2に示した。
【0037】比較例2 上記実施例1と同様に、比表面積30m2/g、平均粒
径0.08μmのIn2O3粉末に、比表面積7m2/g、
平均粒径0.08μmのSnO2粉末を、錫組成が7.8
重量%になるように配合し、これを原料粉末とした。こ
の原料粉末を硬質ジルコニアボール及び水と共に樹脂製
ポットに入れ、原料粉末:ボール:水分の重量比を1.
0:3.0:2.5とし、その全体量をポット容積に対し
て60%とした。更に、バインダーとしてポリビニルア
ルコールを1重量%加え、ボールミルで24時間混合し
た。使用したボールの直径は10mm、ポットの直径は
150mm、ボールミルの回転数は35rpmとした。
径0.08μmのIn2O3粉末に、比表面積7m2/g、
平均粒径0.08μmのSnO2粉末を、錫組成が7.8
重量%になるように配合し、これを原料粉末とした。こ
の原料粉末を硬質ジルコニアボール及び水と共に樹脂製
ポットに入れ、原料粉末:ボール:水分の重量比を1.
0:3.0:2.5とし、その全体量をポット容積に対し
て60%とした。更に、バインダーとしてポリビニルア
ルコールを1重量%加え、ボールミルで24時間混合し
た。使用したボールの直径は10mm、ポットの直径は
150mm、ボールミルの回転数は35rpmとした。
【0038】その後、スラリーを取り出して乾燥造粒し
た後、得られた造粒粉を比較例1と同様に成形した。得
られた成形体は、10リットル/minにて酸素ガスを
導入しながら昇温速度1℃/minにて1500℃に昇
温させ、この温度で15時間の焼結を行った。得られた
ITO焼結体について実施例1と同様の測定及び試験を
行い、その結果を下記表1及び表2に示した。
た後、得られた造粒粉を比較例1と同様に成形した。得
られた成形体は、10リットル/minにて酸素ガスを
導入しながら昇温速度1℃/minにて1500℃に昇
温させ、この温度で15時間の焼結を行った。得られた
ITO焼結体について実施例1と同様の測定及び試験を
行い、その結果を下記表1及び表2に示した。
【0039】比較例3 上記実施例1と同じIn2O3粉末とSnO2粉末を同様
に配合し、これを原料粉末とした。この原料粉末を硬質
ジルコニアボール及び水と共に樹脂製ポットに入れ、原
料粉末:ボール:水分の重量比を1.0:1.0:2.0
とし、その全体量をポット容積に対して60%とした。
更に、バインダーとしてポリビニルアルコールを1重量
%加え、ボールミルで24時間混合した。使用したボー
ルの直径は10mm、ポットの直径は150mm、ボー
ルミルの回転数は40rpmとした。
に配合し、これを原料粉末とした。この原料粉末を硬質
ジルコニアボール及び水と共に樹脂製ポットに入れ、原
料粉末:ボール:水分の重量比を1.0:1.0:2.0
とし、その全体量をポット容積に対して60%とした。
更に、バインダーとしてポリビニルアルコールを1重量
%加え、ボールミルで24時間混合した。使用したボー
ルの直径は10mm、ポットの直径は150mm、ボー
ルミルの回転数は40rpmとした。
【0040】その後、スラリーを取り出して乾燥造粒し
た後、得られた造粒粉を油圧プレスにより1ton/c
m2で成形した。得られた成形体は、3気圧の酸素ガス
雰囲気中で昇温速度1℃/minにて1600℃まで昇
温させ、この温度で10時間の焼結を行った。得られた
ITO焼結体について実施例1と同様の測定及び試験を
行い、その結果を下記表1及び表2に示した。
た後、得られた造粒粉を油圧プレスにより1ton/c
m2で成形した。得られた成形体は、3気圧の酸素ガス
雰囲気中で昇温速度1℃/minにて1600℃まで昇
温させ、この温度で10時間の焼結を行った。得られた
ITO焼結体について実施例1と同様の測定及び試験を
行い、その結果を下記表1及び表2に示した。
【0041】
【表1】 密 度 中間化合物相 錫固溶量 最大錫凝集 平均粒径 最大空孔焼結体試料 (g/cm3) 強度比 (%) (重量%) 径 (μm) (μm) 径(μm) 実施例 1 6.9 9 4 2 7 1 実施例 2 7.0 8 4 2 6 1 実施例 3 7.1 8 5 3 8 1 比較例 1 6.7 8 4 12 8 8 比較例 2 6.6 7 4 8 8 5 比較例 3 6.5 7 4 10 7 6
【0042】
【表2】
【0043】以上の結果から分かるように、本発明の実
施例1〜3のITO焼結体においては、平均結晶粒径や
錫の最大凝集径並びに最大空孔径がいずれも小さく、ス
パッタリングにおける異常放電及びノジュールの生成を
少なくすることができた。これに対して比較例1〜3の
焼結体では、湿式ボールミルでの混合条件が適切でない
ため錫の凝集径及び空孔径が粗大化した。また、比較例
2の焼結体では、更に焼結温度が高過ぎるため、錫の凝
集径や空孔径に加えて平均結晶粒径も大きくなった。そ
の結果、比較例の各焼結体はいずれも異常放電が多発
し、ノジュールの生成も多かった。
施例1〜3のITO焼結体においては、平均結晶粒径や
錫の最大凝集径並びに最大空孔径がいずれも小さく、ス
パッタリングにおける異常放電及びノジュールの生成を
少なくすることができた。これに対して比較例1〜3の
焼結体では、湿式ボールミルでの混合条件が適切でない
ため錫の凝集径及び空孔径が粗大化した。また、比較例
2の焼結体では、更に焼結温度が高過ぎるため、錫の凝
集径や空孔径に加えて平均結晶粒径も大きくなった。そ
の結果、比較例の各焼結体はいずれも異常放電が多発
し、ノジュールの生成も多かった。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、スパッタリング用ター
ゲットとして、長時間の使用後であっても、異常放電の
発生及びノジュールの発生が極めて少ない酸化インジウ
ム・酸化錫焼結体を製造することができる。従って、本
発明により得られた酸化インジウム・酸化錫焼結体をス
パッタリング用ターゲットとして使用すれば、優れた特
性のITO透明電極膜を安定して効率良く成膜すること
が可能である。
ゲットとして、長時間の使用後であっても、異常放電の
発生及びノジュールの発生が極めて少ない酸化インジウ
ム・酸化錫焼結体を製造することができる。従って、本
発明により得られた酸化インジウム・酸化錫焼結体をス
パッタリング用ターゲットとして使用すれば、優れた特
性のITO透明電極膜を安定して効率良く成膜すること
が可能である。
Claims (3)
- 【請求項1】 In2O3粉末とSnO2粉末を湿式混合
し、乾燥造粒して成形した後、酸素雰囲気中で焼結する
酸化インジウム・酸化錫焼結体の製造方法において、比
表面積20m2/g以上のIn2O3粉末と比表面積5m2
/g以上のSnO2粉末とを原料粉末とし、原料粉末を
湿式ボールミルにて混合する際に、 (1) 使用するボールの直径が3〜10mm、 (2) 原料粉末に対して添加する水分量が重量比で1.8
〜2.0倍 (3) 原料粉末に対して添加するボール量が重量比で3.
0〜5.0倍 (4) 原料粉末と水とボールの合計量がポット容積の40
〜60% (5) 混合時間が12〜72時間 の条件で混合することを特徴とする酸化インジウム・酸
化錫焼結体の製造方法。 - 【請求項2】 酸素雰囲気中において1350〜155
0℃で15時間以下の焼結を行うことを特徴とする、請
求項1に記載の酸化インジウム・酸化錫焼結体の製造方
法。 - 【請求項3】 酸素雰囲気中において1350〜155
0℃で5〜10時間の焼結を行った後、更に還元雰囲気
中において1350〜1550℃で10時間以下の焼結
を行うことを特徴とする、請求項1に記載の酸化インジ
ウム・酸化錫焼結体の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30449296A JPH10147861A (ja) | 1996-11-15 | 1996-11-15 | 酸化インジウム・酸化錫焼結体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30449296A JPH10147861A (ja) | 1996-11-15 | 1996-11-15 | 酸化インジウム・酸化錫焼結体の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10147861A true JPH10147861A (ja) | 1998-06-02 |
Family
ID=17933693
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP30449296A Pending JPH10147861A (ja) | 1996-11-15 | 1996-11-15 | 酸化インジウム・酸化錫焼結体の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10147861A (ja) |
Cited By (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002030429A (ja) * | 2000-07-18 | 2002-01-31 | Tosoh Corp | Itoスパッタリングターゲットおよびその製造方法 |
| JP2002047562A (ja) * | 2000-07-28 | 2002-02-15 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | Itoターゲットの製造方法 |
| JP2002302761A (ja) * | 2001-04-06 | 2002-10-18 | Tosoh Corp | Itoスパッタリングターゲットおよびその製造方法 |
| WO2003014409A1 (en) * | 2001-08-02 | 2003-02-20 | Idemitsu Kosan Co., Ltd. | Sputtering target, transparent conductive film, and their manufacturing method |
| JP2009029706A (ja) * | 2001-03-12 | 2009-02-12 | Nikko Kinzoku Kk | Itoスパッタリングターゲット用酸化錫粉末、同粉末の製造方法、ito膜形成用焼結体スパッタリングターゲット及び同ターゲットの製造方法 |
| KR101010563B1 (ko) | 2003-04-24 | 2011-01-24 | 토소가부시키가이샤 | 투명 도전막 및 스퍼터링 타겟 |
| JP2011202276A (ja) * | 2011-04-19 | 2011-10-13 | Jx Nippon Mining & Metals Corp | 透明電極膜 |
| CN118164745A (zh) * | 2024-05-14 | 2024-06-11 | 芜湖映日科技股份有限公司 | 一种低中毒率的ito靶材的制备方法 |
-
1996
- 1996-11-15 JP JP30449296A patent/JPH10147861A/ja active Pending
Cited By (9)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002030429A (ja) * | 2000-07-18 | 2002-01-31 | Tosoh Corp | Itoスパッタリングターゲットおよびその製造方法 |
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| JP2009029706A (ja) * | 2001-03-12 | 2009-02-12 | Nikko Kinzoku Kk | Itoスパッタリングターゲット用酸化錫粉末、同粉末の製造方法、ito膜形成用焼結体スパッタリングターゲット及び同ターゲットの製造方法 |
| JP2002302761A (ja) * | 2001-04-06 | 2002-10-18 | Tosoh Corp | Itoスパッタリングターゲットおよびその製造方法 |
| WO2003014409A1 (en) * | 2001-08-02 | 2003-02-20 | Idemitsu Kosan Co., Ltd. | Sputtering target, transparent conductive film, and their manufacturing method |
| KR101010563B1 (ko) | 2003-04-24 | 2011-01-24 | 토소가부시키가이샤 | 투명 도전막 및 스퍼터링 타겟 |
| JP2011202276A (ja) * | 2011-04-19 | 2011-10-13 | Jx Nippon Mining & Metals Corp | 透明電極膜 |
| CN118164745A (zh) * | 2024-05-14 | 2024-06-11 | 芜湖映日科技股份有限公司 | 一种低中毒率的ito靶材的制备方法 |
| CN118164745B (zh) * | 2024-05-14 | 2024-07-05 | 芜湖映日科技股份有限公司 | 一种低中毒率的ito靶材的制备方法 |
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