JPH08246196A - 不溶性電極及びその製造方法 - Google Patents
不溶性電極及びその製造方法Info
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- JPH08246196A JPH08246196A JP7846195A JP7846195A JPH08246196A JP H08246196 A JPH08246196 A JP H08246196A JP 7846195 A JP7846195 A JP 7846195A JP 7846195 A JP7846195 A JP 7846195A JP H08246196 A JPH08246196 A JP H08246196A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、100A/dm2 以上の高電流密
度で電解を行っても耐食性に優れ、長時間の使用に耐え
る不溶性電極及びその製造方法を提供する。 【構成】 電極母材を導電性金属で構成し、電極最表層
をIrO2 を主成分とする導電層とした不溶性電極にお
いて、前記電極母材と電極最表層の間に、表面が多孔質
絶縁性酸化物層で覆われ、かつ電極母材に対して平行な
層状構造を持つバルブ金属の多孔質被膜からなり、その
空孔に導電性材料で充填した中間層を設ける。 【効果】 電極母材の腐食、絶縁性被膜の形成を防止で
き、高電流密度下での耐用性に優れている。
度で電解を行っても耐食性に優れ、長時間の使用に耐え
る不溶性電極及びその製造方法を提供する。 【構成】 電極母材を導電性金属で構成し、電極最表層
をIrO2 を主成分とする導電層とした不溶性電極にお
いて、前記電極母材と電極最表層の間に、表面が多孔質
絶縁性酸化物層で覆われ、かつ電極母材に対して平行な
層状構造を持つバルブ金属の多孔質被膜からなり、その
空孔に導電性材料で充填した中間層を設ける。 【効果】 電極母材の腐食、絶縁性被膜の形成を防止で
き、高電流密度下での耐用性に優れている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば金属材の電気
メッキや金属の電気精錬等に用いる不溶性電極及びその
製造方法に関するものである。
メッキや金属の電気精錬等に用いる不溶性電極及びその
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に金属材の電気メッキに際しては、
電気メッキ浴中にて不溶性電極を使用し、陰極たる被メ
ッキ金属材の表面にZn,Sn,Ni,Crなどの金属
を電気メッキすることが行われている。また金属の電気
精錬に際しても、精錬浴中にて不溶性電極を使用し、M
n、Zn等の金属を電気精錬することが行われている。
電気メッキ浴中にて不溶性電極を使用し、陰極たる被メ
ッキ金属材の表面にZn,Sn,Ni,Crなどの金属
を電気メッキすることが行われている。また金属の電気
精錬に際しても、精錬浴中にて不溶性電極を使用し、M
n、Zn等の金属を電気精錬することが行われている。
【0003】このとき不溶性電極として最も一般的に使
用されているものに、Pb系合金製不溶性電極がある。
この不溶性電極は、電気メッキ浴中や電気精錬浴中、特
に硫酸溶液中で、通電処理時にその表面にPbO2が生
成する。このPbO2は、不溶性電極としての機能は発
揮するが、生成したPbO2 とPb金属との付着力が弱
く、電気メッキ浴の硫酸溶液中に混入してメッキ不良、
あるいは電気精錬浴中に混入して不純物としてPbO2
の含まれた精錬金属を生じる。
用されているものに、Pb系合金製不溶性電極がある。
この不溶性電極は、電気メッキ浴中や電気精錬浴中、特
に硫酸溶液中で、通電処理時にその表面にPbO2が生
成する。このPbO2は、不溶性電極としての機能は発
揮するが、生成したPbO2 とPb金属との付着力が弱
く、電気メッキ浴の硫酸溶液中に混入してメッキ不良、
あるいは電気精錬浴中に混入して不純物としてPbO2
の含まれた精錬金属を生じる。
【0004】その対策として、電気メッキ浴中や電気精
錬浴中、特に硫酸溶液中で最も電気化学的に安定である
白金族酸化物のIrO2 を、導電性金属から成る電極母
材上に被膜化した不溶性電極が特公昭48−3954号
公報に示されている。
錬浴中、特に硫酸溶液中で最も電気化学的に安定である
白金族酸化物のIrO2 を、導電性金属から成る電極母
材上に被膜化した不溶性電極が特公昭48−3954号
公報に示されている。
【0005】さらに、電極母材金属の酸化を抑制し、あ
るいは電極母材金属へのIrO2 の密着性を向上させる
ために、中間層として主成分がTa金属である被膜を形
成し、この上にIrO2 を主成分とする層を形成した不
溶性電極を使用する方法が特開平6−146047号公
報に示されている。
るいは電極母材金属へのIrO2 の密着性を向上させる
ために、中間層として主成分がTa金属である被膜を形
成し、この上にIrO2 を主成分とする層を形成した不
溶性電極を使用する方法が特開平6−146047号公
報に示されている。
【0006】図3にその電極構造を示す。1は電極母
材、2はTa−SiO2 層、3はIrO2を主成分とす
る層である。Ta−SiO2層2は、PVD法により、
IrO2が主成分である層3は、Ir化合物の溶液を電
極母材金属上に塗布し、それが酸化物となる温度で焼成
することを繰り返す、いわゆる塗布焼付法により作製す
る。
材、2はTa−SiO2 層、3はIrO2を主成分とす
る層である。Ta−SiO2層2は、PVD法により、
IrO2が主成分である層3は、Ir化合物の溶液を電
極母材金属上に塗布し、それが酸化物となる温度で焼成
することを繰り返す、いわゆる塗布焼付法により作製す
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】特開平6−14604
7号公報に提示されているような塗布焼付法によりIr
O2を主成分とする層を形成した不溶性電極は、硫酸溶
液中で200A/dm2の通電酸化試験を行うと、10
00〜1400時間で急激な電圧上昇が起こり、電極が
使用不可能となる。
7号公報に提示されているような塗布焼付法によりIr
O2を主成分とする層を形成した不溶性電極は、硫酸溶
液中で200A/dm2の通電酸化試験を行うと、10
00〜1400時間で急激な電圧上昇が起こり、電極が
使用不可能となる。
【0008】この電極の酸化メカニズムを図4により説
明する。IrO2 を主成分とする層3はIr化合物の溶
液を塗布して熱処理することにより作製されるため、溶
液成分の揮発により生成する気孔と、電極母材1とIr
O2 を主成分とする層3との熱膨張差によって生成する
亀甲状クラックとが被膜中に存在している。
明する。IrO2 を主成分とする層3はIr化合物の溶
液を塗布して熱処理することにより作製されるため、溶
液成分の揮発により生成する気孔と、電極母材1とIr
O2 を主成分とする層3との熱膨張差によって生成する
亀甲状クラックとが被膜中に存在している。
【0009】このため、被膜の空孔率は10〜30%と
大きく、気孔及びクラック4が原因となって電極使用時
に電極母材1との直接通電が生じ、電極母材1の表面に
絶縁性酸化物被膜5が形成されるとともに、更に電極母
材1とTa−SiO2 層2との界面方向に電極母材1の
酸化が進み、電圧上昇を引き起こして電極としての機能
を失ってしまう。
大きく、気孔及びクラック4が原因となって電極使用時
に電極母材1との直接通電が生じ、電極母材1の表面に
絶縁性酸化物被膜5が形成されるとともに、更に電極母
材1とTa−SiO2 層2との界面方向に電極母材1の
酸化が進み、電圧上昇を引き起こして電極としての機能
を失ってしまう。
【0010】この対策としては、塗布焼付被膜中の気孔
及びクラック4により電極母材1が露出しないようにす
ること、並びに電極母材1とTa−SiO2 層2との界
面方向への酸化を抑制することが必要である。本発明
は、100A/dm2 以上の高電流密度で電解を行って
も耐食性に優れ、長時間の使用に耐える不溶性電極及び
その製造方法を提供するものである。
及びクラック4により電極母材1が露出しないようにす
ること、並びに電極母材1とTa−SiO2 層2との界
面方向への酸化を抑制することが必要である。本発明
は、100A/dm2 以上の高電流密度で電解を行って
も耐食性に優れ、長時間の使用に耐える不溶性電極及び
その製造方法を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、電極母材を導
電性金属で構成し、電極最表層をIrO2 を主成分とす
る導電層とした不溶性電極において、前記電極母材と電
極最表層の間に、表面が多孔質絶縁性酸化物層で覆わ
れ、かつ電極母材に対して平行な層状構造を持つバルブ
金属の多孔質被膜からなり、その空孔を導電性材料で充
填した中間層を設けた不溶性電極及びその製造方法に関
するものである。
電性金属で構成し、電極最表層をIrO2 を主成分とす
る導電層とした不溶性電極において、前記電極母材と電
極最表層の間に、表面が多孔質絶縁性酸化物層で覆わ
れ、かつ電極母材に対して平行な層状構造を持つバルブ
金属の多孔質被膜からなり、その空孔を導電性材料で充
填した中間層を設けた不溶性電極及びその製造方法に関
するものである。
【0012】すなわち、本発明の第1は、電極母材を導
電性金属で構成し、電極最表層をIrO2 を主成分とす
る導電層とした不溶性電極において、前記電極母材と電
極最表層の間に、電極最表層側表面及び空孔表面が多孔
質絶縁性酸化物層で覆われ、かつ電極母材に対して平行
な層状構造を持つバルブ金属の多孔質被膜からなり、そ
の空孔をIrO2 を主成分とする導電性酸化物で充填し
た中間層を設けた不溶性電極である。
電性金属で構成し、電極最表層をIrO2 を主成分とす
る導電層とした不溶性電極において、前記電極母材と電
極最表層の間に、電極最表層側表面及び空孔表面が多孔
質絶縁性酸化物層で覆われ、かつ電極母材に対して平行
な層状構造を持つバルブ金属の多孔質被膜からなり、そ
の空孔をIrO2 を主成分とする導電性酸化物で充填し
た中間層を設けた不溶性電極である。
【0013】特に、中間層を構成するバルブ金属とIr
O2 を主成分とする導電性酸化物との体積比が60:4
0ないし95:5の範囲にあること、並びに中間層の厚
みが5〜100μmの範囲にあることを特徴とする。
O2 を主成分とする導電性酸化物との体積比が60:4
0ないし95:5の範囲にあること、並びに中間層の厚
みが5〜100μmの範囲にあることを特徴とする。
【0014】また、この第1の発明において、電極母材
と中間層と電極最表層の3層からなる不溶性電極の製造
方法は以下の通りである。
と中間層と電極最表層の3層からなる不溶性電極の製造
方法は以下の通りである。
【0015】すなわち、本発明の不溶性電極は、電極母
材を導電性金属層で構成し、その電極母材上に、電極最
表層側表面及び空孔表面が多孔質の絶縁性酸化物層で覆
われ、かつ電極母材に対して平行な層状構造を持つバル
ブ金属の多孔質被膜からなり、その空孔をIrO2 を主
成分とする導電性酸化物で充填した中間層を設け、電極
最表層を塗布焼付法により成膜してIrO2 を主成分と
する導電層としたものである。
材を導電性金属層で構成し、その電極母材上に、電極最
表層側表面及び空孔表面が多孔質の絶縁性酸化物層で覆
われ、かつ電極母材に対して平行な層状構造を持つバル
ブ金属の多孔質被膜からなり、その空孔をIrO2 を主
成分とする導電性酸化物で充填した中間層を設け、電極
最表層を塗布焼付法により成膜してIrO2 を主成分と
する導電層としたものである。
【0016】その製造方法の特徴は、電極母材上にバル
ブ金属を溶射して空孔率5〜40%の範囲にあるバルブ
金属の多孔質被膜を形成し、次にバルブ金属の多孔質被
膜表面に、絶縁性化合物前駆体を含有する溶液を塗布し
酸化性雰囲気中で熱処理を行なう操作を繰り返して、バ
ルブ金属の多孔質被膜の電極最表層側表面及び空孔表面
に多孔質の絶縁性酸化物層を形成したのち、更に、その
上に、Ir化合物を主成分とする溶液を塗布し酸化性雰
囲気中で熱処理を行なう操作を繰り返して、バルブ金属
の多孔質被膜の空孔にIrO2 を主成分とする導電性酸
化物を充填し、前記の中間層を形成する点にある。
ブ金属を溶射して空孔率5〜40%の範囲にあるバルブ
金属の多孔質被膜を形成し、次にバルブ金属の多孔質被
膜表面に、絶縁性化合物前駆体を含有する溶液を塗布し
酸化性雰囲気中で熱処理を行なう操作を繰り返して、バ
ルブ金属の多孔質被膜の電極最表層側表面及び空孔表面
に多孔質の絶縁性酸化物層を形成したのち、更に、その
上に、Ir化合物を主成分とする溶液を塗布し酸化性雰
囲気中で熱処理を行なう操作を繰り返して、バルブ金属
の多孔質被膜の空孔にIrO2 を主成分とする導電性酸
化物を充填し、前記の中間層を形成する点にある。
【0017】次に、本発明の第2は、電極母材を導電性
金属で構成し、電極最表層をIrO2 を主成分とする導
電層とした不溶性電極において、前記電極母材と電極最
表層の間に、電極最表層側表面及び空孔表面が多孔質絶
縁性酸化物層で覆われ、かつ電極母材に対して平行な層
状構造を持つバルブ金属の多孔質被膜からなり、その空
孔のうち電極最表層側の被膜表面から5〜95μmの深
さまでをIrO2 を主成分とする導電性酸化物で充填
し、電極母材側の残部を導電性金属で充填した中間層を
設けた不溶性電極である。
金属で構成し、電極最表層をIrO2 を主成分とする導
電層とした不溶性電極において、前記電極母材と電極最
表層の間に、電極最表層側表面及び空孔表面が多孔質絶
縁性酸化物層で覆われ、かつ電極母材に対して平行な層
状構造を持つバルブ金属の多孔質被膜からなり、その空
孔のうち電極最表層側の被膜表面から5〜95μmの深
さまでをIrO2 を主成分とする導電性酸化物で充填
し、電極母材側の残部を導電性金属で充填した中間層を
設けた不溶性電極である。
【0018】特に、中間層を構成するバルブ金属と、導
電性金属及びIrO2 を主成分とする導電性酸化物の合
計との体積比が60:40ないし95:5の範囲にある
こと、並びに中間層の厚みが10〜100μmの範囲に
あることを特徴とする。
電性金属及びIrO2 を主成分とする導電性酸化物の合
計との体積比が60:40ないし95:5の範囲にある
こと、並びに中間層の厚みが10〜100μmの範囲に
あることを特徴とする。
【0019】また、この第2の発明において、電極母材
と中間層と電極最表層の3層からなる不溶性電極の製造
方法は以下の通りである。
と中間層と電極最表層の3層からなる不溶性電極の製造
方法は以下の通りである。
【0020】すなわち、本発明の不溶性電極は、電極母
材を導電性金属層で構成し、その電極母材上に、電極最
表層側表面及び空孔表面が多孔質の絶縁性酸化物層で覆
われ、かつ電極母材に対して平行な層状構造を持つバル
ブ金属の多孔質被膜からなり、その空孔のうち電極最表
層側の被膜表面から5〜95μmの深さまでをIrO2
を主成分とする導電性酸化物で充填し、電極母材側の残
部を導電性金属で充填した中間層を設け、電極最表層を
塗布焼付法により成膜してIrO2 を主成分とする導電
層としたものである。
材を導電性金属層で構成し、その電極母材上に、電極最
表層側表面及び空孔表面が多孔質の絶縁性酸化物層で覆
われ、かつ電極母材に対して平行な層状構造を持つバル
ブ金属の多孔質被膜からなり、その空孔のうち電極最表
層側の被膜表面から5〜95μmの深さまでをIrO2
を主成分とする導電性酸化物で充填し、電極母材側の残
部を導電性金属で充填した中間層を設け、電極最表層を
塗布焼付法により成膜してIrO2 を主成分とする導電
層としたものである。
【0021】その製造方法の特徴は、電極母材上にバル
ブ金属を溶射して空孔率5〜40%の範囲にあるバルブ
金属の多孔質被膜を形成し、次に、バルブ金属の多孔質
被膜表面に、絶縁性化合物前駆体を含有する溶液を塗布
し酸化性雰囲気中で熱処理を行なう操作を繰り返して、
バルブ金属の多孔質被膜の電極最表層側表面及び空孔表
面に多孔質の絶縁性酸化物層を形成したのち、電極母材
を陰極にして導電性金属を電気メッキして、バルブ金属
の多孔質被膜の空孔のうち電極最表層側の被膜表面から
5〜95μmの深さまでを除いた該被膜の下層を導電性
金属で充填し、更に、その上に、Ir化合物を主成分と
する溶液を塗布し酸化性雰囲気中で熱処理を行なう操作
を繰り返して、バルブ金属の多孔質被膜上層の空孔にI
rO2 を主成分とする導電性酸化物を充填し、前記の中
間層を形成する点にある。
ブ金属を溶射して空孔率5〜40%の範囲にあるバルブ
金属の多孔質被膜を形成し、次に、バルブ金属の多孔質
被膜表面に、絶縁性化合物前駆体を含有する溶液を塗布
し酸化性雰囲気中で熱処理を行なう操作を繰り返して、
バルブ金属の多孔質被膜の電極最表層側表面及び空孔表
面に多孔質の絶縁性酸化物層を形成したのち、電極母材
を陰極にして導電性金属を電気メッキして、バルブ金属
の多孔質被膜の空孔のうち電極最表層側の被膜表面から
5〜95μmの深さまでを除いた該被膜の下層を導電性
金属で充填し、更に、その上に、Ir化合物を主成分と
する溶液を塗布し酸化性雰囲気中で熱処理を行なう操作
を繰り返して、バルブ金属の多孔質被膜上層の空孔にI
rO2 を主成分とする導電性酸化物を充填し、前記の中
間層を形成する点にある。
【0022】なお、本発明の不溶性電極では、バルブ金
属の多孔質被膜の電極最表層側表面及び空孔表面を覆っ
ている多孔質の絶縁性酸化物層の厚みが0.05〜5μ
mの範囲にあること、また、その製造方法では、バルブ
金属の多孔質被膜の電極最表層側表面及び空孔表面に多
孔質の絶縁性酸化物層を形成する際の熱処理温度を20
0〜600℃の範囲とすることを特徴としている。
属の多孔質被膜の電極最表層側表面及び空孔表面を覆っ
ている多孔質の絶縁性酸化物層の厚みが0.05〜5μ
mの範囲にあること、また、その製造方法では、バルブ
金属の多孔質被膜の電極最表層側表面及び空孔表面に多
孔質の絶縁性酸化物層を形成する際の熱処理温度を20
0〜600℃の範囲とすることを特徴としている。
【0023】本発明で用いる電極母材は、導電性金属で
あれば良いが、硫酸溶液中での耐用性に優れたバルブ金
属(Ti,Ta,Zr,Nb)とすることが好ましい。
その理由は、硫酸溶液中では耐食性に優れており、その
破壊電圧が高いからである。
あれば良いが、硫酸溶液中での耐用性に優れたバルブ金
属(Ti,Ta,Zr,Nb)とすることが好ましい。
その理由は、硫酸溶液中では耐食性に優れており、その
破壊電圧が高いからである。
【0024】また、本発明の不溶性電極において、中間
層を構成する多孔質被膜の材質としては、硫酸溶液中で
安定なバルブ金属(Ti,Ta,Zr,Nb)であるこ
とが必要である。バルブ金属の多孔質被膜は、粒径20
〜40μmのバルブ金属粉末を通常のプラズマ溶射で溶
射することで形成できる。原料粉末は溶射により変形
し、厚み2μm程度、直径数10μmの円盤型薄膜とな
り、これが堆積して多孔質多層被膜が形成される。
層を構成する多孔質被膜の材質としては、硫酸溶液中で
安定なバルブ金属(Ti,Ta,Zr,Nb)であるこ
とが必要である。バルブ金属の多孔質被膜は、粒径20
〜40μmのバルブ金属粉末を通常のプラズマ溶射で溶
射することで形成できる。原料粉末は溶射により変形
し、厚み2μm程度、直径数10μmの円盤型薄膜とな
り、これが堆積して多孔質多層被膜が形成される。
【0025】溶射により形成するバルブ金属の多孔質被
膜の厚みは、100μm以下にすると、特に密着性に優
れる。
膜の厚みは、100μm以下にすると、特に密着性に優
れる。
【0026】一方、電極母材、あるいはバルブ金属の多
孔質被膜空孔の充填材として用いられている導電性金属
が露出するのを防止するためには、電極最表層の塗布焼
付被膜に対してアンカー効果による密着性向上を図る必
要がある。それには、バルブ金属の多孔質被膜空孔を電
極最表層側から少なくとも5μm以上の厚みについてI
rO2 を主成分とする導電性酸化物により充填する。す
なわち、溶射により形成するバルブ金属の多孔質被膜の
厚みは、本発明の第1では少なくとも5μm以上とす
る。
孔質被膜空孔の充填材として用いられている導電性金属
が露出するのを防止するためには、電極最表層の塗布焼
付被膜に対してアンカー効果による密着性向上を図る必
要がある。それには、バルブ金属の多孔質被膜空孔を電
極最表層側から少なくとも5μm以上の厚みについてI
rO2 を主成分とする導電性酸化物により充填する。す
なわち、溶射により形成するバルブ金属の多孔質被膜の
厚みは、本発明の第1では少なくとも5μm以上とす
る。
【0027】また、本発明の第2では、多孔質被膜空孔
に対する導電性金属の充填厚み5〜95μmに応じて、
少なくとも10μm以上とする。従って、多孔質被膜の
厚みは、本発明の第1では5〜100μmの範囲に、本
発明の第2では10μm〜100μmの範囲にあること
が好ましい。
に対する導電性金属の充填厚み5〜95μmに応じて、
少なくとも10μm以上とする。従って、多孔質被膜の
厚みは、本発明の第1では5〜100μmの範囲に、本
発明の第2では10μm〜100μmの範囲にあること
が好ましい。
【0028】溶射条件として、本発明の第1ではバルブ
金属とIrO2 を主成分とする導電性酸化物との体積
比、本発明の第2ではバルブ金属と導電性金属及びIr
O2 を主成分とする導電性酸化物の合計との体積比が6
0:40ないし95:5の範囲にあること、すなわち空
孔率が5〜40%の範囲にある場合に耐用性に優れてい
る。
金属とIrO2 を主成分とする導電性酸化物との体積
比、本発明の第2ではバルブ金属と導電性金属及びIr
O2 を主成分とする導電性酸化物の合計との体積比が6
0:40ないし95:5の範囲にあること、すなわち空
孔率が5〜40%の範囲にある場合に耐用性に優れてい
る。
【0029】なぜならば、バルブ金属の体積比を60%
以上とすること、バルブ金属による電極母材の露出面積
低減効果が発揮され、また体積比を95%以下とするこ
とで通電に充分な量の導電性金属、またはIrO2 を主
成分とする導電性酸化物、あるいは、IrO2 を主成分
とする導電性酸化物と導電性金属と被膜中の空孔へ充填
される。なお、バルブ金属の多孔質被膜の空孔率は、例
えば被膜の縦断面または横断面を観察し、その面積率か
ら算出することができる。
以上とすること、バルブ金属による電極母材の露出面積
低減効果が発揮され、また体積比を95%以下とするこ
とで通電に充分な量の導電性金属、またはIrO2 を主
成分とする導電性酸化物、あるいは、IrO2 を主成分
とする導電性酸化物と導電性金属と被膜中の空孔へ充填
される。なお、バルブ金属の多孔質被膜の空孔率は、例
えば被膜の縦断面または横断面を観察し、その面積率か
ら算出することができる。
【0030】本発明の不溶性電極において、バルブ金属
の多孔質被膜の電極最表層側表面及び空孔表面に施工す
る、多孔質の絶縁性酸化物層の材質としては、メッキ液
中で安定な酸化物、例えばSiO2、Al2O3、ZrO2
等が好ましい。また、多孔質の絶縁性酸化物層は、厚み
が5μm以下で密着性に優れ、0.05μm以上である
と電極母材の酸化抑制効果に優れる。
の多孔質被膜の電極最表層側表面及び空孔表面に施工す
る、多孔質の絶縁性酸化物層の材質としては、メッキ液
中で安定な酸化物、例えばSiO2、Al2O3、ZrO2
等が好ましい。また、多孔質の絶縁性酸化物層は、厚み
が5μm以下で密着性に優れ、0.05μm以上である
と電極母材の酸化抑制効果に優れる。
【0031】絶縁性酸化物層の成膜方法としては、絶縁
性化合物前駆体、例えば、金属アルコキシド、β−ジケ
トンキレート体、β−ケトエステルキレート体、カルボ
ン酸塩等の溶液を塗布して熱処理する、いわゆるゾルー
ゲル法を採用できる。
性化合物前駆体、例えば、金属アルコキシド、β−ジケ
トンキレート体、β−ケトエステルキレート体、カルボ
ン酸塩等の溶液を塗布して熱処理する、いわゆるゾルー
ゲル法を採用できる。
【0032】絶縁性酸化物層内にバルブ金属の多孔質被
膜まで貫通するクラックを生成させること、すなわち、
多孔化するには、高温、例えば300℃から急冷すれば
良い。
膜まで貫通するクラックを生成させること、すなわち、
多孔化するには、高温、例えば300℃から急冷すれば
良い。
【0033】あるいは、前記の溶液に有機高分子、例え
ばセルロース、ポリエチレングリコール、ウレタンを添
加して塗布し、熱処理することにより、熱処理時に有機
高分子が分解してガスが発生するため、被膜を多孔化で
きる。
ばセルロース、ポリエチレングリコール、ウレタンを添
加して塗布し、熱処理することにより、熱処理時に有機
高分子が分解してガスが発生するため、被膜を多孔化で
きる。
【0034】本発明第2の不溶性電極の場合には、前述
したように、バルブ金属の多孔質被膜の表面に多孔質の
絶縁性酸化物層を作製した後に、メッキによりその空孔
に導電性金属を充填する。
したように、バルブ金属の多孔質被膜の表面に多孔質の
絶縁性酸化物層を作製した後に、メッキによりその空孔
に導電性金属を充填する。
【0035】その方法は、電極母材を陰極として通常の
電解メッキ法を行なう。それによって、バルブ金属の多
孔質被膜の空孔に導電性金属を電極母材表面から必要と
される厚さだけ充填することができる。
電解メッキ法を行なう。それによって、バルブ金属の多
孔質被膜の空孔に導電性金属を電極母材表面から必要と
される厚さだけ充填することができる。
【0036】この導電性金属による空孔の充填は、バル
ブ金属の多孔質被膜の空孔のうち被膜表面から5〜95
μmの深さまでを除いた多孔質被膜の下層に電極母材側
から充填することが必要である。
ブ金属の多孔質被膜の空孔のうち被膜表面から5〜95
μmの深さまでを除いた多孔質被膜の下層に電極母材側
から充填することが必要である。
【0037】これは、バルブ金属の多孔質被膜の空孔の
うち電極母材側から5μmよりも薄い厚みでしか導電性
金属を充填できなかった場合には、その充填による金属
母材との密着性向上効果が得られないこと、また、電極
最表層側に5μmよりも薄い厚みでしか空孔を残すこと
ができなかった場合には、電極最表層の塗布焼付被膜に
対してアンカー効果による密着性向上を図ることができ
ないことによる。
うち電極母材側から5μmよりも薄い厚みでしか導電性
金属を充填できなかった場合には、その充填による金属
母材との密着性向上効果が得られないこと、また、電極
最表層側に5μmよりも薄い厚みでしか空孔を残すこと
ができなかった場合には、電極最表層の塗布焼付被膜に
対してアンカー効果による密着性向上を図ることができ
ないことによる。
【0038】なお、ここで用いる導電性金属としては、
メッキ浴の硫酸溶液中での耐食性に優れた白金族系金属
が好ましい。
メッキ浴の硫酸溶液中での耐食性に優れた白金族系金属
が好ましい。
【0039】また、前述したように本発明第2の不溶性
電極では、IrO2 を主成分とする導電性酸化物のアン
カー効果による電極最表層の密着性向上、及び導電性金
属の充填による金属母材との密着性向上効果を得るた
め、中間層の厚みは少なくとも10μm以上であること
が好ましい。
電極では、IrO2 を主成分とする導電性酸化物のアン
カー効果による電極最表層の密着性向上、及び導電性金
属の充填による金属母材との密着性向上効果を得るた
め、中間層の厚みは少なくとも10μm以上であること
が好ましい。
【0040】本発明で多孔質バルブ金属被膜の空孔を充
填する際に用いるIr化合物を主成分とする溶液の例
が、例えば特開昭62−240780号公報、特開昭6
3−235493号公報、特開平3−193889号公
報、あるいは特開昭59−150091号公報に示され
ている。具体的には、塩化イリジウム酸を主成分とし、
タンタルアルコキド、塩化白金酸等の化合物を含むアル
コール溶液である。
填する際に用いるIr化合物を主成分とする溶液の例
が、例えば特開昭62−240780号公報、特開昭6
3−235493号公報、特開平3−193889号公
報、あるいは特開昭59−150091号公報に示され
ている。具体的には、塩化イリジウム酸を主成分とし、
タンタルアルコキド、塩化白金酸等の化合物を含むアル
コール溶液である。
【0041】このような溶液をバルブ金属の多孔質被膜
の表面に、例えばハケ塗り、スプレー法、あるいは浸漬
法等の手段で塗布した後、溶媒を蒸発させるために10
0〜200℃で数十分間乾燥し、酸化性雰囲気中、例え
ば大気中において300〜700℃で熱処理する。こう
した操作により、IrO2 を主成分とする導電性酸化物
が形成される。この一連の操作を複数回繰り返すこと
で、バルブ金属の多孔質被膜の空孔にIrO2 を主成分
とする導電性酸化物を充填することができ、中間層が形
成される。更に、中間層を形成した後に同様な操作を繰
り返すことで、電極最表層としてのIrO2を主成分と
する導電層が形成される。
の表面に、例えばハケ塗り、スプレー法、あるいは浸漬
法等の手段で塗布した後、溶媒を蒸発させるために10
0〜200℃で数十分間乾燥し、酸化性雰囲気中、例え
ば大気中において300〜700℃で熱処理する。こう
した操作により、IrO2 を主成分とする導電性酸化物
が形成される。この一連の操作を複数回繰り返すこと
で、バルブ金属の多孔質被膜の空孔にIrO2 を主成分
とする導電性酸化物を充填することができ、中間層が形
成される。更に、中間層を形成した後に同様な操作を繰
り返すことで、電極最表層としてのIrO2を主成分と
する導電層が形成される。
【0042】
【作用】本発明第1の不溶性電極の構造を図1に、第2
の不溶性電極の構造を図2に示す。以下これらの図に基
づいて作用を説明する。
の不溶性電極の構造を図2に示す。以下これらの図に基
づいて作用を説明する。
【0043】本発明第1の不溶性電極では、電極最表層
であるIrO2 を主成分とする導電層3に気孔及びクラ
ック4が多数存在する場合にも、バルブ金属の多孔質被
膜とIrO2 を主成分とする導電性酸化物とで構成され
た中間層6、本発明第2の電極では、中間層6と更に、
バルブ金属の多孔質被膜と導電性金属とで構成された中
間層7が存在するため、電極最表層3に存在する気孔及
びクラック4が電極母材1へ貫通することはなく、従っ
て、電極母材1の露出面積が少ない。
であるIrO2 を主成分とする導電層3に気孔及びクラ
ック4が多数存在する場合にも、バルブ金属の多孔質被
膜とIrO2 を主成分とする導電性酸化物とで構成され
た中間層6、本発明第2の電極では、中間層6と更に、
バルブ金属の多孔質被膜と導電性金属とで構成された中
間層7が存在するため、電極最表層3に存在する気孔及
びクラック4が電極母材1へ貫通することはなく、従っ
て、電極母材1の露出面積が少ない。
【0044】更に中間層6,7を構成するバルブ金属の
多孔質被膜は電極母材1と同材質で熱膨張係数に差がな
いため、導着性に優れている。
多孔質被膜は電極母材1と同材質で熱膨張係数に差がな
いため、導着性に優れている。
【0045】また、この多孔質被膜の電極最表層側表面
及び空孔表面に多孔質絶縁性酸化物層8がコーティング
されているため、バルブ金属の多孔質被膜表面でその界
面方向への酸化が進行することはなく、電極最表層のI
rO2 を主成分とする導電性酸化物の塗布焼付被膜が剥
離することはない。
及び空孔表面に多孔質絶縁性酸化物層8がコーティング
されているため、バルブ金属の多孔質被膜表面でその界
面方向への酸化が進行することはなく、電極最表層のI
rO2 を主成分とする導電性酸化物の塗布焼付被膜が剥
離することはない。
【0046】このように本発明の不溶性電極は、電極母
材の露出面積が少なく、バルブ金属の多孔質被膜表面で
の界面方向への酸化進展も抑制できるため、100A/
dm2以上の高電流密度でも長時間の使用に耐えること
ができる。
材の露出面積が少なく、バルブ金属の多孔質被膜表面で
の界面方向への酸化進展も抑制できるため、100A/
dm2以上の高電流密度でも長時間の使用に耐えること
ができる。
【0047】先に出願した特願平4−279315号の
発明では、中間層を多孔質非導電性材料で構成するとし
ているが、本発明では、それに代わって電極母材と同材
質のバルブ金属を中間層に用いており、母材との密着性
に優れている。
発明では、中間層を多孔質非導電性材料で構成するとし
ているが、本発明では、それに代わって電極母材と同材
質のバルブ金属を中間層に用いており、母材との密着性
に優れている。
【0048】
【実施例】まず、(1)本発明第1の不溶性電極、すな
わち、電極母材を導電性金属で構成し、電極最表層をI
rO2 を主成分とする導電層とした不溶性電極におい
て、前記電極母材と電極最表層の間に、電極最表層側表
面及び空孔表面が多孔質絶縁性酸化物層で覆われ、かつ
電極母材に対して平行な層状構造を持つバルブ金属の多
孔質被膜からなり、その空孔にIrO2 を主成分とする
導電性酸化物を充填した中間層を設けたことを特徴とす
る不溶性電極、
わち、電極母材を導電性金属で構成し、電極最表層をI
rO2 を主成分とする導電層とした不溶性電極におい
て、前記電極母材と電極最表層の間に、電極最表層側表
面及び空孔表面が多孔質絶縁性酸化物層で覆われ、かつ
電極母材に対して平行な層状構造を持つバルブ金属の多
孔質被膜からなり、その空孔にIrO2 を主成分とする
導電性酸化物を充填した中間層を設けたことを特徴とす
る不溶性電極、
【0049】及び(2)本発明第2の不溶性電極、すな
わち、電極母材を導電性金属で構成し、電極最表層をI
rO2 を主成分とする導電層とした不溶性電極におい
て、前記電極母材と電極最表層の間に、電極最表層側表
面及び空孔表面が多孔質絶縁性酸化物層で覆われ、かつ
電極母材に対して平行な層状構造を持つバルブ金属の多
孔質被膜からなり、その空孔のうち電極最表層側の被膜
表面から5〜95μmの深さまでをIrO2 を主成分と
する導電性酸化物で充填し、電極母材側の残部を導電性
金属で充填した中間層を設けたことを特徴とする不溶性
電極、のそれぞれについてその作製方法の一例を述べ
る。なお、図5にその製造フローチャートを示す。
わち、電極母材を導電性金属で構成し、電極最表層をI
rO2 を主成分とする導電層とした不溶性電極におい
て、前記電極母材と電極最表層の間に、電極最表層側表
面及び空孔表面が多孔質絶縁性酸化物層で覆われ、かつ
電極母材に対して平行な層状構造を持つバルブ金属の多
孔質被膜からなり、その空孔のうち電極最表層側の被膜
表面から5〜95μmの深さまでをIrO2 を主成分と
する導電性酸化物で充填し、電極母材側の残部を導電性
金属で充填した中間層を設けたことを特徴とする不溶性
電極、のそれぞれについてその作製方法の一例を述べ
る。なお、図5にその製造フローチャートを示す。
【0050】不溶性電極の作製方法: (1)電極母材の処理;電極母材としてTi板を使用
し、100×100×20mm厚の電極母材表面を蓚酸
を用いて洗浄後、プラストにより粗面化した。
し、100×100×20mm厚の電極母材表面を蓚酸
を用いて洗浄後、プラストにより粗面化した。
【0051】(2)中間層の形成; (2−1)バルブ金属の多孔質被膜の形成 まず、バルブ金属としてTi,Ta,Zr,Nbの4種
類を選択し、それぞれについて通常のプラズマ溶射法に
より電極母材に対して溶射を行ない、電極母材上にバル
ブ金属の多孔質被膜を形成した。 被膜厚み:5〜100μm 空孔率:5〜40%
類を選択し、それぞれについて通常のプラズマ溶射法に
より電極母材に対して溶射を行ない、電極母材上にバル
ブ金属の多孔質被膜を形成した。 被膜厚み:5〜100μm 空孔率:5〜40%
【0052】(2−2)多孔質絶縁性酸化物層の形成 シリコンアルコキシドを加水分解したアルコール溶液
を、バルブ金属の多孔質被膜上に、浸漬法で塗布し、大
気中で熱処理する操作を1回または複数回繰り返して、
非導電性被膜を形成した後、300℃から急冷した。 熱処理温度:200〜600℃ 被膜厚み:0.05〜5μm
を、バルブ金属の多孔質被膜上に、浸漬法で塗布し、大
気中で熱処理する操作を1回または複数回繰り返して、
非導電性被膜を形成した後、300℃から急冷した。 熱処理温度:200〜600℃ 被膜厚み:0.05〜5μm
【0053】(2−3)メッキによる充填 本発明の第2の不溶性電極については、上記(2−2)
で電極母材に施工したバルブ金属の多孔質被膜表面に多
孔質絶縁性酸化物層を形成した後、メッキ液中に浸し、
この電極母材を陰極としてPtをメッキした。この方法
で、バルブ金属の多孔質被膜の空孔を所定の厚さまで充
填した。 メッキ方法:電解メッキ 電流密度:1A/dm2 メッキ成分:Pt
で電極母材に施工したバルブ金属の多孔質被膜表面に多
孔質絶縁性酸化物層を形成した後、メッキ液中に浸し、
この電極母材を陰極としてPtをメッキした。この方法
で、バルブ金属の多孔質被膜の空孔を所定の厚さまで充
填した。 メッキ方法:電解メッキ 電流密度:1A/dm2 メッキ成分:Pt
【0054】(2−4)IrO2を主成分とする導電性
酸化物による充填 熱分解によりIrO2となるH2IrCl690部に、熱
分解によりTa2O5 となるTa(OC2H5)3 を10
部添加混合して、ブタノールに溶解させた溶液を、表面
に多孔質絶縁性酸化物層を形成したバルブ金属の多孔質
被膜表面に筆で塗布し、120℃で20分乾燥した後、
電気炉に入れ、450℃で焼き付ける操作を複数回行な
った。この方法で、バルブ金属の多孔質被膜の空孔にI
rO2 を主成分とする導電性酸化物を充填し、目標とす
る中間層を形成した。更に、これと同じ操作を繰り返
し、電極最表層を形成した。
酸化物による充填 熱分解によりIrO2となるH2IrCl690部に、熱
分解によりTa2O5 となるTa(OC2H5)3 を10
部添加混合して、ブタノールに溶解させた溶液を、表面
に多孔質絶縁性酸化物層を形成したバルブ金属の多孔質
被膜表面に筆で塗布し、120℃で20分乾燥した後、
電気炉に入れ、450℃で焼き付ける操作を複数回行な
った。この方法で、バルブ金属の多孔質被膜の空孔にI
rO2 を主成分とする導電性酸化物を充填し、目標とす
る中間層を形成した。更に、これと同じ操作を繰り返
し、電極最表層を形成した。
【0055】表1に、こうして得られた本発明第1及び
第2の不溶性電極について耐用性試験結果を従来品、比
較品と共に示した。
第2の不溶性電極について耐用性試験結果を従来品、比
較品と共に示した。
【0056】なお、作製した不溶性電極の耐用性評価は
以下の方法により行った。すなわち、陽極に従来品、比
較品、及び本発明の不溶性電極を陰極に白金板を使用
し、60℃、5wt%硫酸溶液中で、電流密度200A
/dm2 の通電試験を行ない、電圧が10V上昇するま
での時間を測定した。表1において、○は寿命4000
hr以上の耐用性を示し、×は寿命4000hr未満で
あった不溶性電極である。表1から本発明の不溶性電極
はいずれも4000hr以上の寿命があり、耐用性に優
れていることがわかる。
以下の方法により行った。すなわち、陽極に従来品、比
較品、及び本発明の不溶性電極を陰極に白金板を使用
し、60℃、5wt%硫酸溶液中で、電流密度200A
/dm2 の通電試験を行ない、電圧が10V上昇するま
での時間を測定した。表1において、○は寿命4000
hr以上の耐用性を示し、×は寿命4000hr未満で
あった不溶性電極である。表1から本発明の不溶性電極
はいずれも4000hr以上の寿命があり、耐用性に優
れていることがわかる。
【0057】
【表1】
【0058】尚、表1において、11は比較のために従
来の塗布焼付法により体製した電極、また、12は、比
較のために、本発明と異なる条件で作製した電極であ
る。比較品12は電極最表層であるIrO2 を主成分と
する導電層のアンカー効果が得られず短寿命であった。
来の塗布焼付法により体製した電極、また、12は、比
較のために、本発明と異なる条件で作製した電極であ
る。比較品12は電極最表層であるIrO2 を主成分と
する導電層のアンカー効果が得られず短寿命であった。
【0059】
【発明の効果】本発明の不溶性電極は、高電流密度で電
解を行なっても耐食性に優れていて、長時間の使用に耐
えるものであり、電気メッキ用電極に限らず、電極精錬
等の他の用途の電極としても極めて有用である。
解を行なっても耐食性に優れていて、長時間の使用に耐
えるものであり、電気メッキ用電極に限らず、電極精錬
等の他の用途の電極としても極めて有用である。
【図1】本発明第1の不溶性電極の構造を示す。
【図2】本発明第2の不溶性電極の構造を示す。
【図3】従来の電極の構造を示す。
【図4】従来の電極における酸化メカニズムの説明図で
ある。
ある。
【図5】本発明の不溶性電極製造フローチャートを示
す。
す。
1 電極母材 2 Ta−SiO2層(クロス斜線部) 3 IrO2を主成分とする導電層(密斜線部) 4 気孔とクラック 5 絶縁性酸化物被膜(黒色部) 6 表面に多孔質絶縁性酸化物層8を有するバルブ金属
の多孔質被膜とIrO2を主成分とする導電性酸化物と
で構成される層 7 表面に多孔質絶縁性酸化物層8を有するバルブ金属
の多孔質被膜と導電性金属とで構成される層(粗斜線
部) 8 多孔質絶縁性酸化物層(黒色部)
の多孔質被膜とIrO2を主成分とする導電性酸化物と
で構成される層 7 表面に多孔質絶縁性酸化物層8を有するバルブ金属
の多孔質被膜と導電性金属とで構成される層(粗斜線
部) 8 多孔質絶縁性酸化物層(黒色部)
【手続補正書】
【提出日】平成7年6月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】一方、電極母材、あるいはバルブ金属の多
孔質被膜空孔の充填材として用いられている導電性金属
が露出するのを防止するため、また、電極最表層の塗布
焼付被膜に対してアンカー効果による密着性向上を図る
ため、バルブ金属の多孔質被膜空孔を電極最表層側から
少なくとも5μm以上の厚みについてIrO2を主成分
とする導電性酸化物により充墳する。すなわち、溶射に
より形成するバルブ金属の多孔質被膜の厚みは、本発明
の第1では少なくとも5μm以上とする。
孔質被膜空孔の充填材として用いられている導電性金属
が露出するのを防止するため、また、電極最表層の塗布
焼付被膜に対してアンカー効果による密着性向上を図る
ため、バルブ金属の多孔質被膜空孔を電極最表層側から
少なくとも5μm以上の厚みについてIrO2を主成分
とする導電性酸化物により充墳する。すなわち、溶射に
より形成するバルブ金属の多孔質被膜の厚みは、本発明
の第1では少なくとも5μm以上とする。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】なぜならば、バルブ金属の体積比を60%
以上とすることで、バルブ金属による電極母材の露出面
積低減効果が発揮され、また体積比を95%以下とする
ことで通電に充分な量の導電性金属、またはIrO2を
主成分とする導電性酸化物、あるいは、IrO2を主成
分とする導電性酸化物と導電性金属とが被膜中の空孔へ
充填される。なお、バルブ金属の多孔質被膜の空孔率
は、例えば被膜の縦断面または横断面を観察し、その面
積率から算出することができる。
以上とすることで、バルブ金属による電極母材の露出面
積低減効果が発揮され、また体積比を95%以下とする
ことで通電に充分な量の導電性金属、またはIrO2を
主成分とする導電性酸化物、あるいは、IrO2を主成
分とする導電性酸化物と導電性金属とが被膜中の空孔へ
充填される。なお、バルブ金属の多孔質被膜の空孔率
は、例えば被膜の縦断面または横断面を観察し、その面
積率から算出することができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正内容】
【0044】更に中間層6,7を構成するバルブ金属の
多孔質被膜は電極母材1と同材質で熱膨張係数に差がな
いため、密着性に優れている。
多孔質被膜は電極母材1と同材質で熱膨張係数に差がな
いため、密着性に優れている。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正内容】
【0058】尚、表1において、11は比較のために従
来の塗布焼付法により作製した電極、また、12は、比
較のために、本発明と異なる条件で作製した電極であ
る。比較品12は電極最表層であるIrO2を主成分と
する導電層のアンカー効果が得られず短寿命であった。
来の塗布焼付法により作製した電極、また、12は、比
較のために、本発明と異なる条件で作製した電極であ
る。比較品12は電極最表層であるIrO2を主成分と
する導電層のアンカー効果が得られず短寿命であった。
Claims (10)
- 【請求項1】 電極母材を導電性金属で構成し、電極最
表層をIrO2 を主成分とする導電層とした不溶性電極
において、前記電極母材と電極最表層との間に、電極最
表層側表面及び空孔表面が多孔質絶縁性酸化物層で覆わ
れ、かつ電極母材に対して平行な層状構造を持つバルブ
金属の多孔質被膜からなり、その空孔にIrO2 を主成
分とする導電性酸化物を充填した中間層を設けたことを
特徴とする不溶性電極。 - 【請求項2】 バルブ金属とIrO2 を主成分とする導
電性酸化物との体積比が60:40ないし95:5の範
囲にある中間層を設けたことを特徴とする請求項第1項
記載の不溶性電極。 - 【請求項3】 中間層の厚みが5〜100μmの範囲に
あることを特徴とする請求項第1項、または第2項記載
の不溶性電極。 - 【請求項4】 電極母材を導電性金属で構成し、電極最
表層をIrO2 を主成分とする導電層とした不溶性電極
において、前記電極母材と電極最表層との間に、電極最
表層側表面及び空孔表面が多孔質絶縁性酸化物層で覆わ
れ、かつ電極母材に対して平行な層状構造を持つバルブ
金属の多孔質被膜からなり、その空孔のうち電極最表層
側の被膜表面から5〜95μmの深さまでをIrO2 を
主成分とする導電性酸化物で充填し、電極母材側の残部
を導電性金属で充填した中間層を設けたことを特徴とす
る不溶性電極。 - 【請求項5】 バルブ金属と、導電性金属及びIrO2
を主成分とする導電性酸化物の合計との体積比が60:
40ないし95:5の範囲にある中間層を設けたことを
特徴とする請求項第4項記載の不溶性電極。 - 【請求項6】 中間層の厚みが10〜100μmの範囲
にあることを特徴とする請求項第4項、または第5項記
載の不溶性電極。 - 【請求項7】 バルブ金属の多孔質被膜の電極最表層側
表面及び空孔表面を覆っている多孔質絶縁性酸化物層の
厚みが0.05〜5μmの範囲にあることを特徴とする
請求項第1〜6項のいずれかに記載の不溶性電極。 - 【請求項8】 電極母材と中間層と電極最表層の3層か
らなる不溶性電極であって、電極母材を導電性金属層で
構成し、その電極母材上に、電極最表層側表面及び空孔
表面が多孔質絶縁性酸化物層で覆われ、かつ電極母材に
対して平行な層状構造を持つバルブ金属の多孔質被膜か
らなり、その空孔にIrO2 を主成分とする導電性酸化
物を充填した中間層を設け、電極最表層を塗布焼付法に
より成膜してIrO2 を主成分とする導電層とした不溶
性電極の製造方法において、電極母材上にバルブ金属を
溶射して空孔率5〜40%の範囲にあるバルブ金属の多
孔質被膜を形成し、次に、バルブ金属の多孔質被膜表面
に、絶縁性化合物前駆体を含有する溶液を塗布し酸化性
雰囲気中で熱処理を行なう操作を繰り返して、バルブ金
属の多孔質被膜の電極最表層側表面及び空孔表面に多孔
質絶縁性酸化物層を形成したのち、更に、その上に、I
r化合物を主成分とする溶液を塗布し酸化性雰囲気中で
熱処理を行なう操作を繰り返して、バルブ金属の多孔質
被膜の空孔にIrO2 を主成分とする導電性酸化物を充
填し、前記の中間層を形成することを特徴とする不溶性
電極の製造方法。 - 【請求項9】 電極母材と中間層と電極最表層の3層か
らなる不溶性電極であって、電極母材を導電性金属層で
構成し、その電極母材上に、電極最表層側表面及び空孔
表面が多孔質絶縁性酸化物層で覆われ、かつ電極母材に
対して平行な層状構造を持つバルブ金属の多孔質被膜か
らなり、その空孔のうち電極最表層側の被膜表面から5
〜95μmの深さまでをIrO2 を主成分とする導電性
酸化物で充填し、電極母材側の残部を導電性金属で充填
した中間層を設け、電極最表層を塗布焼付法により成膜
してIrO2 を主成分とする導電層とした不溶性電極の
製造方法において、電極母材上にバルブ金属を溶射して
空孔率5〜40%の範囲にあるバルブ金属の多孔質被膜
を形成し、次に、バルブ金属の多孔質被膜表面に、絶縁
性化合物前駆体を含有する溶液を塗布し酸化性雰囲気中
で熱処理を行なう操作を繰り返して、バルブ金属の多孔
質被膜の電極最表層側表面及び空孔表面に多孔質絶縁性
酸化物層を形成したのち、電極母材を陰極にして導電性
金属を電気メッキして、バルブ金属の多孔質被膜の空孔
のうち電極最表層側の被膜表面から5〜95μmの深さ
までを除いた該被膜の下層を導電性金属で充填し、更
に、その上に、Ir化合物を主成分とする溶液を塗布し
酸化性雰囲気中で熱処理を行なう操作を繰り返して、バ
ルブ金属の多孔質被膜上層の空孔にIrO2 を主成分と
する導電性酸化物を充填し、前記の中間層を形成するこ
とを特徴とする不溶性電極の製造方法。 - 【請求項10】 バルブ金属の多孔質被膜の電極最表層
側表面及び空孔表面に多孔質の絶縁性酸化物層を形成す
る際の熱処理温度を200〜600℃の範囲とすること
を特徴とする請求項第8項または第9項記載の不溶性電
極の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7846195A JPH08246196A (ja) | 1995-03-10 | 1995-03-10 | 不溶性電極及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7846195A JPH08246196A (ja) | 1995-03-10 | 1995-03-10 | 不溶性電極及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08246196A true JPH08246196A (ja) | 1996-09-24 |
Family
ID=13662673
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7846195A Withdrawn JPH08246196A (ja) | 1995-03-10 | 1995-03-10 | 不溶性電極及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08246196A (ja) |
-
1995
- 1995-03-10 JP JP7846195A patent/JPH08246196A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20020604 |