JPH08246831A - 二系統潤滑式内燃機関 - Google Patents

二系統潤滑式内燃機関

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Publication number
JPH08246831A
JPH08246831A JP5121095A JP5121095A JPH08246831A JP H08246831 A JPH08246831 A JP H08246831A JP 5121095 A JP5121095 A JP 5121095A JP 5121095 A JP5121095 A JP 5121095A JP H08246831 A JPH08246831 A JP H08246831A
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JP
Japan
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valve
cylinder head
lubricating
lubrication
oil
Prior art date
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Pending
Application number
JP5121095A
Other languages
English (en)
Inventor
Zenichiro Kato
善一郎 加藤
康之 ▲楡▼井
Yasuyuki Nirei
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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  • Lubrication Details And Ventilation Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Lubrication Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 動弁系用潤滑系統の長期にわたるメンテナン
スフリーを確保する。 【構成】 内燃機関は、シリンダブロック1とオイルパ
ン2とにより画定されるクランク室5と、シリンダヘッ
ド3とシリンダヘッドカバー4とにより画定されるシリ
ンダヘッド室6とを具備する。クランク室5内の被潤滑
要素を潤滑するためのクランク室内用潤滑系統と、シリ
ンダヘッド室6内に収容された動弁系12を潤滑するた
めの動弁系用潤滑系統とを設け、動弁系用潤滑系統をク
ランク室内用潤滑系統と異なる潤滑系統から構成する。
動弁系用潤滑系統の潤滑油を有機モリブデン系オイルが
添加された潤滑油から構成する。クランク室5内のブロ
ーバイガスをシリンダヘッド室6を介することなくサー
ジタンク18内に導くブローバイガス通路29を設け
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は二系統潤滑式内燃機関に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、クランク室内の被潤滑要素、
すなわち例えばクランクシャフト、コネクティングロッ
ド、ピストンなどと、シリンダヘッドおよびシリンダヘ
ッドカバーにより画定されるシリンダヘッド室内に収容
された動弁系とを共通の潤滑系統により潤滑するように
した内燃機関が知られている。このような内燃機関で
は、潤滑油がクランク室内にあるときにクランク室内の
ブローバイガスと接触し、次第に潤滑油中にブローバイ
ガス中のカーボン、すなわち炭素または炭化水素が混入
するようになる。動弁系に対する潤滑作用は境界潤滑で
あるのでこのような潤滑油により動弁系を潤滑すると動
弁系の各要素が早期に摩耗してしまう。云い換えると、
潤滑油が早期に劣化してしまう。このため、良好な潤滑
作用を得るために潤滑油を頻繁に交換または追加しなけ
ればならなくなる。そこで、クランク室内の被潤滑要素
を潤滑するためのクランク室内用潤滑系統と、シリンダ
ヘッド室内に収容された動弁系を潤滑するための動弁系
用潤滑系統であってクランク室内用潤滑系統とは異なる
動弁系用潤滑系統とを具備した二系統潤滑式内燃機関が
公知である(実開昭56−149012号公報参照)。
【0003】一方、動弁系に対して行われる潤滑作用で
あり、このような境界潤滑では潤滑油内に摩擦調整剤と
して有機モリブデン系オイルを添加することにより優れ
た潤滑性能が得られることが知られている。なお、クラ
ンク室内の被潤滑要素に対して行われる潤滑作用は流体
潤滑である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで通常の内燃機
関では、クランク室内に漏れたブローバイガスは次いで
シリンダヘッド室内に導かれ、次いでシリンダヘッド室
内に漏れたブローバイガスと共にスロットル弁下流の吸
気通路内に排出されるようになっている。しかしなが
ら、上述の二系統潤滑式内燃機関において、クランク室
内のブローバイガスをシリンダヘッド室内に導くように
すると動弁系用潤滑系統の潤滑油がブローバイガスと接
触することとなり、その結果動弁系用潤滑系統の潤滑油
が早期に劣化することとなるので動弁系用潤滑系統の潤
滑油を頻繁に交換または追加しなければならないという
問題がある。特に、動弁系用潤滑系統の潤滑油に有機モ
リブデン系オイルを添加した場合には動弁系潤滑系統の
潤滑油の劣化が著しく促進されることが本願発明者によ
り確認されており、すなわちこの場合動弁系用潤滑系統
の潤滑油の交換頻度がさらに高くなるという問題点があ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明によれば、クランク室内の被潤滑要素を潤滑す
るためのクランク室内用潤滑系統と、シリンダヘッド室
内に収容された動弁系を潤滑するための動弁系用潤滑系
統であってクランク室内用潤滑系統とは異なる動弁系用
潤滑系統とを具備した二系統潤滑式内燃機関において、
動弁系用潤滑系統の潤滑油を有機モリブデン系オイルが
添加された潤滑油から構成し、クランク室内のブローバ
イガスをシリンダヘッド室を介することなく吸気系に導
くブローバイガス通路を設けている。
【0006】また本発明によれば、上記動弁系のバルブ
ステムとバルブガイド間に形成される環状の間隙をシー
ルするシール部材をバルブガイドまたはシリンダヘッド
に取付け、該シール部材は内側に向け突出してバルブス
テムと互いに摺接する環状の一対のリップを具備してお
り、これらリップはシール部材の中心軸線方向に互いに
離間して配置されており、これらリップとバルブステム
周面とにより画定される環状空間内にシール剤を充填
し、一対のリップのうちシール部材の頂部側に位置する
頂部側リップの頂面とバルブステム周面間に形成される
角が、頂部側リップの底面とバルブステム周面間に形成
される角と同じかまたは該角よりも大きくなるように頂
部側リップを形成している。
【0007】
【作用】請求項1に記載の発明では、クランク室内のブ
ローバイガスはシリンダヘッド室を介することなく吸気
系に導かれるので動弁系用潤滑系統の潤滑油がブローバ
イガスと接触するのが阻止される。また請求項2に記載
の発明では、環状空間内にシール剤を充填しているので
ブローバイガスがシリンダヘッド室内に漏れ入るのが阻
止され、さらに頂部側リップの頂面とバルブステム周面
間に形成される角が、頂部側リップの底面とバルブステ
ム周面間に形成される角と同じかまたは該角よりも大き
くなるようにしているので動弁系用潤滑系統の潤滑油が
シリンダヘッド室から漏れる、いわゆるオイル下がりが
阻止される。
【0008】
【実施例】図1を参照すると、1はオイルパン2上に固
定されたシリンダブロック、3はシリンダブロック1上
に固定されたシリンダヘッド、4はシリンダヘッド3上
に固定されたシリンダヘッドカバー、5はシリンダブロ
ック1とオイルパン2とにより画定されるクランク室、
6はシリンダヘッド3とシリンダヘッドカバー4とによ
り画定されるシリンダヘッド室をそれぞれ示す。クラン
ク室5内にはクランクシャフト7が配置され、このクラ
ンクシャフト7はコネクティングロッド8およびピスト
ンピン9を介して各ピストン10に連結される。なお、
ピストン10の頂面とシリンダヘッド3の内壁面間には
燃焼室11が形成される。一方、シリンダヘッド室6内
には動弁系12が収容される。動弁系12は吸気弁13
と排気弁14とを具備する。
【0009】さらに図1を参照すると、シリンダヘッド
3内には吸気ポート15および排気ポート16が形成さ
れる。各吸気ポート16は対応する吸気枝管17を介し
てサージタンク18に接続され、サージタンク18は吸
気ダクト19を介して図示しないエアフローメータおよ
びエアクリーナに接続される。吸気ダクト19内にはス
ロットル弁20が配置される。
【0010】図1のA部の拡大図である図2を参照する
と、シリンダヘッド3内にはバルブガイド挿入孔21が
形成され、このバルブガイド挿入孔21内に吸気弁13
のバルブステム13aを案内するためのバルブガイド2
2が圧入される。バルブガイド22の頂部には、バルブ
ガイド22とバルブステム13a間に形成される環状の
間隙をシールするためのシール部材23が取付けられ
る。このシール部材23はシリンダヘッド3に取付けて
もよい。また、バルブステム13aの頂部にはコッタを
介してバルブリテーナ24が取付けられる。バルブリテ
ーナ24とシリンダヘッド3間には圧縮ばね25が挿入
され、この圧縮ばね25のばね力により吸気弁13が閉
弁方向に付勢されている。さらに、バルブステム13a
の頂部と、吸気弁13を駆動するためのカム26間には
バルブリフタ27が挿入される。バルブリフタ27はシ
リンダヘッド3内に形成されたバルブリフタ案内孔28
により案内される。
【0011】カム26がバルブリフタ27に作用すると
バルブリフタ27が吸気弁13と共に下降せしめられ、
斯くして吸気弁13が開弁せしめられる。一方、カム2
6がバルブリフタ27に作用しなくなるとバルブリテー
ナ24に作用する圧縮ばね25のばね力によってバルブ
リフタ27と吸気弁13とが上昇せしめられ、斯くして
吸気弁13が閉弁せしめられる。なお、排気弁14につ
いても同様であるので説明を省略する。
【0012】さらに図2を参照すると、シリンダヘッド
室6内の最も低い位置には凹部40が形成される。この
凹部40はサブオイルパン、すなわち動弁系用潤滑系統
のオイルパンを構成し、以下サブオイルパンと称する。
後述するようにカム26、バルブリフタ28などを潤滑
した潤滑油はシリンダヘッド室6の壁面に沿いつつ流れ
てサブオイルパン40内に集められることとなる。
【0013】再び図1を参照すると、クランク室5はブ
ローバイガス通路29を介してサージタンク18に接続
される。ブローバイガス通路29はシリンダブロック1
内に形成された第1ブローバイガス通路29aと、管か
らなる第2ブローバイガス通路29bとを具備し、これ
ら第1ブローバイガス通路29aと第2ブローバイガス
通路29b間にはブローバイガス通路29内を流通する
ブローバイガス量を制御するための制御弁30が設けら
れる。
【0014】これに対し、シリンダヘッド室6は一方で
は新気導入管31を介してスロットル弁20上流の吸気
ダクト19に接続され、他方ではブローバイガス排出管
32を介してサージタンク18に接続される。ブローバ
イガス排出管32内にはブローバイガス排出管32内を
流通するブローバイガス量を制御するための制御弁33
が設けられる。
【0015】図1に示す内燃機関では2つの潤滑系統を
備えている。すなわち内燃機関は、クランク室5内の被
潤滑要素、すなわちクランクシャフト7、コネクティン
グロッド8、ピストン10などを潤滑するためのクラン
ク室内用潤滑系統と、シリンダヘッド室6内の動弁系1
2を潤滑するための、クランク室内用潤滑系統とは異な
る動弁系用潤滑系統とを具備している。図3にはクラン
ク室内用潤滑系統が示され、図4には動弁系用潤滑系統
が示される。これらの図面において実線は潤滑油がオイ
ルポンプにより強制的に送られる潤滑油流れを示してお
り、これに対し破線は潤滑油が自然落下により流れる潤
滑油流れを示している。
【0016】まず図3を参照すると、クランク室内用潤
滑系統ではオイルパン内の潤滑油がオイルストレーナを
介し機関駆動式のオイルポンプにより汲み上げられる。
オイルポンプから吐出された潤滑油は次いでオイルフィ
ルタを介してクランクシャフトに供給される。クランク
シャフトに供給された潤滑油の一部はオイルパンに戻
り、残りの潤滑油は次いでコネクティングロッドに供給
される。コネクティングロッドに供給された潤滑油の一
部はオイルパンに戻り、残りの潤滑油は次いでピストン
およびシリンダ壁に供給される。ピストンおよびシリン
ダ壁に供給された潤滑油はオイルパンに戻る。なお、オ
イルポンプとオイルフィルタ間にはオイルポンプの下流
が例えば目詰まりしたときにオイルポンプから吐出され
た潤滑油をオイルパンに逃がすリリーフバルブが設けら
れる。
【0017】次に図4を参照すると、動弁系用潤滑系統
ではサブオイルパン内の潤滑油が機関駆動式のサブオイ
ルポンプにより汲み上げられる。サブオイルポンプから
吐出された潤滑油は次いでカムシャフトギアおよびカム
シャフトのジャーナル軸受に供給される。カムシャフト
ギアに供給された潤滑油は次いでサブオイルパンに戻
る。一方、カムシャフトのジャーナル軸受に供給された
潤滑油は次いでカム、バルブリフタ、バルブステム、カ
ムシャフトギアに供給され、次いでサブオイルパンに戻
る。図1に示す内燃機関はディーゼルエンジンから構成
されており、この場合カムシャフトのジャーナル軸受に
供給された潤滑油の一部は、フューエルタンク内の燃料
を燃料噴射弁に供給するための、機関駆動式のフューエ
ルポンプにも供給される。フューエルポンプに供給され
た潤滑油はサブオイルポンプに戻る。なお動弁系用潤滑
系統にも、サブオイルポンプから吐出された潤滑油をサ
ブオイルパンに逃がすリリーフバルブが設けられる。
【0018】なお本実施例において、クランク室用潤滑
系統はクランク室5内に収容されており、一方動弁系用
潤滑系統は、フューエルポンプを除いて、シリンダヘッ
ド室6内に収容されている。このように互いに異なる潤
滑系統を2つ設けることによって動弁系用潤滑系統の潤
滑油の劣化を低減することができる。すなわち、クラン
ク室内用潤滑系統の潤滑油は燃焼室11内からクランク
室5内に漏れ入るブローバイガスと接触し、それにより
潤滑油中にカーボンが混入しやすい。このカーボンを含
んだ潤滑油は境界潤滑である動弁系の潤滑には適さな
い。このため、動弁系用潤滑系統の潤滑油と、クランク
室用潤滑系統の潤滑油とが互いに共通であったり、また
は混合し合うと動弁系用潤滑系統の潤滑油が早期に劣化
することとなる。これに対し本実施例では、動弁系を潤
滑するための動弁系用潤滑系統をクランク室用潤滑系統
とは別個に設けており、すなわち動弁系用潤滑系統の潤
滑油と、クランク室用潤滑系統の潤滑油とが互いに混合
し合うことがない。したがって動弁系用潤滑系統の潤滑
油が劣化するのを低減することができ、したがって動弁
系用潤滑系統の潤滑油の交換または追加の頻度を低くす
ることができる。云い換えると、動弁系用潤滑系統にメ
ンテナンスを施す必要がない期間を長くすることがで
き、すなわち長期のメンテナンスフリーを確保すること
ができる。
【0019】クランク室用潤滑系統の潤滑油と、動弁系
用潤滑系統の潤滑油とを同一の潤滑油から構成してもよ
い。しかしながら、動弁系における潤滑作用は境界潤滑
であり、この場合摩擦調整剤として有機モリブデン系オ
イルを添加すると優れた潤滑作用が得られることが知ら
れている。潤滑油に有機モリブデン系オイルを添加する
と被潤滑要素、例えばカム26の表面に固体潤滑剤とし
て知られている二硫化モリブデンからなる被膜が形成さ
れ、それによって良好な潤滑作用が得られると考えられ
ている。そこで、本実施例では動弁系用潤滑系統の潤滑
油に有機モリブデン系オイル、例えばモリブデンジチオ
カーバメート(MoDTC)、を添加するようにしてい
る。
【0020】ところが、有機モリブデン系オイルが添加
された潤滑油がクランク室5内のブローバイガスに接触
すると潤滑油の劣化が著しく促進されることが本願発明
者により確認された。そこで本実施例では、クランク室
5とサージタンク18とを連結するブローバイガス通路
29を設け、ブローバイガス通路29を介してクランク
室5内のブローバイガスをシリンダヘッド室6を介する
ことなく、云い換えるとシリンダヘッド室6を迂回して
サージタンク18内に導くようにしている。その結果、
動弁系用潤滑系統の潤滑油がクランク室5内のブローバ
イガスと接触するのが阻止され、したがって潤滑油の劣
化が促進されるのが阻止される。斯くして、動弁系用潤
滑系統において長期のメンテナンスフリーをさらに確保
することができる。
【0021】これに対し、シリンダヘッド室6内には新
気導入管31を介して新気が導入される。この新気はシ
リンダヘッド室6内を掃気し、すなわちシリンダヘッド
室6内のブローバイガスと共にブローバイガス排出管3
2を介してサージタンク18内に排出される。したがっ
てシリンダヘッド室6内に漏れ出たブローバイガスを速
やかにシリンダヘッド室6の外部に排出することがで
き、したがって動弁系用潤滑系統の潤滑油が劣化するの
を低減することができる。このように図1に示す内燃機
関では、クランク室5内のブローバイガスを排出するた
めのブローバイガス排出系統と、シリンダヘッド室6内
のブローバイガスを排出するためのブローバイガス排出
系統とが互いに異なるようにしている。なお、サージタ
ンク18内に排出されたブローバイガスは吸入空気と共
に燃焼室11内に導入され、燃焼室11内において処理
される。したがってブローバイガスが大気中に排出され
るのが阻止される。
【0022】ところで、上述したようにバルブガイド2
2の頂部にはバルブガイド22とバルブステム13a間
に形成される間隙をシールするためのシール部材23が
設けられる。このシール部材23は特に排気ポート16
からシリンダヘッド室6内にブローバイガスが漏れ入る
のを阻止し、それによって動弁系用潤滑系統の潤滑系統
が劣化するのを阻止している。さらにシール部材23は
動弁系用潤滑系統の潤滑油がシリンダヘッド室6から漏
れ出るのを阻止し、それによって動弁系用潤滑系統の潤
滑油の補充を頻繁に行う必要がないようにしている。と
ころがこのようなシール部材23を設けるとバルブガイ
ド22とバルブステム13a間の接触面には動弁系用潤
滑系統の潤滑油が供給されないことになる。そこでバル
ブガイド22の内周面上に、例えば二硫化モリブデンま
たは窒化ほう素などの固体潤滑剤からなる固体潤滑膜を
設けている。このため、バルブガイド22とバルブステ
ム13a間の接触面に潤滑油を供給しなくてもこれら間
の良好な潤滑作用を確保することができる。
【0023】図5は図2のB部の部分拡大図を示してい
る。図5を参照すると、シール部材23は例えばゴムま
たは樹脂製の本体41を具備する。本体41の底部には
バルブガイド受容孔42が設けられており、このバルブ
ガイド受容孔42内にバルブガイド22の頂部が受容さ
れる。バルブガイド受容孔42周りの本体41外周面上
には例えば金属製のカラー43が取付けられ、それによ
りシール部材23がバルブガイド22に強固に固定され
る。
【0024】一方、本体41の頂部には本体41の内周
面から内側に向けて突出する一対のリップ44,45が
設けられる。これらリップ44,45は本体41の中心
軸線K−K方向に互いに離間して設けられており、以下
では本体41の頂部側に位置するリップ44を頂部側リ
ップと、本体41の底部側に位置するリップ45を底部
側リップと称する。これら頂部側リップ44および底部
側リップ45は各先端部においてバルブステム13aの
周面13bと互いに摺接する。リップ44,45周りの
本体41外周面上には環状ばね46が設けられ、この環
状ばね46によりリップ44,45をバルブステム13
aに向けて付勢するようにしている。なお、図5におい
て、バルブステム13aの中心軸線、およびバルブガイ
ド22の中心軸線は共に本体41の中心軸線K−Kと一
致している。
【0025】図6に詳細に示すように頂部側リップ44
は頂面44aと底面44bとを有している。中心軸線K
−Kを含む縦断面内において、頂部側リップ44の頂面
44aとバルブステムの周面13b間に角αが形成され
ており、また頂部側リップ44の底面44bとバルブス
テムの周面13b間に角βが形成されている。図6に示
す例では角αは約90度であり、角βは約30度となる
ように頂部側リップ44が形成される。同様に、底部側
リップ45は頂面45aと底面45bとを有している。
本実施例では、中心軸線K−Kを含む縦断面内において
底部側リップ45の頂面45aとバルブステムの周面1
3b間に形成される角γが角αと同じになるように、か
つ底部側リップ45の底面45bとバルブステムの周面
13b間に形成される角δが角βと同じになるように底
部側リップが形成される。
【0026】図5および図6に示すように、頂部側リッ
プ44の底面44bと、底部側リップ45の頂面45a
と、バルブステム13aの周面とにより環状空間47が
画定され、この環状空間47内にはシール剤が充填され
る。シール剤としては例えば比較的高粘度を有するグリ
スを用いることができ、このグリスは特にリップ44,
45とバルブステム周面13a間における潤滑剤として
も作用する。
【0027】このように一対のリップ44,45を設け
ると共に環状空間47内にシール剤を充填することによ
りバルブステムの周面13bとバルブガイド22の内周
面間に形成される間隙を良好にシールすることができ、
したがってこの間隙を介して排気ポート16からシリン
ダヘッド室6内にブローバイガスが漏れるのを阻止する
ことができる。したがって動弁系用潤滑系統の潤滑油が
ブローバイガスに接触するのを阻止することができ、斯
くして動弁系用潤滑系統の長期のメンテナスフリーを確
保することができる。
【0028】次に図7を参照して角α,βの設定方法に
ついて説明する。図7(A)にはバルブステム13aが
下降するときに頂部側リップ44によってバルブステム
13aの周面13b上に形成される油膜50が示され、
この図において油膜50の厚さはh1で示される。一
方、図7(B)にはバルブステム13aが上昇するとき
に頂部側リップ44によってバルブステム13aの周面
13b上に形成される油膜51が示され、この図におい
て油膜51の厚さはh2で示される。バルブステム13
aがシール部材23に対して上昇および下降するとシリ
ンダヘッド室6内の動弁系用潤滑系統の潤滑油が極くわ
ずか環状空間47内に漏れ、または環状空間47内のシ
ール剤が極くわずかシリンダヘッド室6内に漏れる。し
たがってこれら油膜50,51は動弁系用潤滑系統の潤
滑油およびシール剤とによって構成されるものである。
なお、図7(A)において環状空間47内にシール剤が
充填されていない状態が示される。
【0029】ところで、バルブステム13aが下降する
ときにバルブステム周面13b上に形成される油膜50
の厚さh2は角αによって定まり、バルブステム13a
が上昇するときにバルブステム周面13b上に形成され
る油膜の厚さh2は角βによって定まる。すなわち、角
αまたはβが小さいとき程油膜厚さh1またはh2が大
きくなる。一方、バルブステム13aが下降するときに
頂部側リップ44を介してシリンダヘッド室6から環状
空間47内に漏れる動弁系用潤滑系統の潤滑油またはシ
ール剤の量は油膜50の厚さh1に比例する。同様に、
バルブステム13aが上昇するときに頂部側リップ44
を介して環状空間47からシリンダヘッド室6内へ漏れ
るシール剤または動弁系用潤滑系統の潤滑油の量は油膜
51の厚さh2に比例する。本実施例では、α>βとな
るように頂部側リップ44を形成しているのでh1>h
2となる。したがって、シリンダヘッド室6から環状空
間47内に漏れる動弁系用潤滑系統の潤滑油量が、環状
空間47からシリンダヘッド室6内に漏れる潤滑油量よ
りも少なくなることになる。その結果、動弁系用潤滑系
統の潤滑油がシリンダヘッド室6から吸気ポート15ま
たは排気ポート16内に漏れ出る、いわゆるオイル下が
りを阻止することができ、したがって動弁系用潤滑系統
の潤滑油の消費量を低減することができる。さらに本実
施例では、上述したように底部側リップ45は頂部側リ
ップ44と同様に形成されており、したがって環状空間
47内に漏れ入った潤滑油が吸気ポート15または排気
ポート16内に漏れ出るのがさらに阻止される。斯くし
て動弁系用潤滑系統の長期のメンテナスフリーを確保す
ることができる。この場合、角δを角βと同じ鋭角とし
ても排気ポート16から環状空間47内にブローバイガ
スが漏れ入るのが阻止されている。
【0030】本実施例では、α>βとなるように頂部側
リップ44を形成している。しかしながら角αと角βが
同じになるように頂部側リップ44を形成することもで
きる。この場合シリンダヘッド室6から環状空間47内
に漏れる動弁系用潤滑系統の潤滑油量と、環状空間47
からシリンダヘッド室6内に漏れる潤滑油量とがほぼ同
じになることとなり、その結果オイル下がりを阻止しつ
つシール剤の消費量も低減することができる。したがっ
て、動弁系用潤滑系統の長期のメンテナスフリーをさら
に確保することができる。
【0031】また、角αを90度よりも大きい鈍角とす
ることもできる。ところがα>90(度)とした場合、
バルブステム13aがシール部材23に対して下降する
際にバルブステム周面13b上のシール剤のほとんどが
頂部側リップ44によりかき取られ、その結果バルブス
テム周面13b上に形成される油膜の厚さがほぼ零とな
る。すなわち、環状空間47からシリンダヘッド室6内
に漏れ出たシール剤が再び環状空間47内に入るのが阻
止される。したがってシール剤の消費量が多くなり、こ
の点においてα>90(度)とするのは好ましくない。
【0032】
【発明の効果】請求項1に記載の発明では、ブローバイ
ガス通路を設けてクランク室内のブローバイガスをシリ
ンダヘッド室を介することなく吸気系に導くようにして
いるので動弁系用潤滑系統の潤滑油がブローバイガスと
接触するのを阻止することができ、その結果動弁系用潤
滑系統の潤滑油が早期に劣化するのを阻止することがで
きる。したがって、動弁系用潤滑系統の長期のメンテナ
ンスフリーを確保することができる。また請求項2に記
載の発明では、環状空間内にシール剤を充填しているの
でブローバイガスがシリンダヘッド室内に漏れ入るのを
阻止することができる。しかも、頂部側リップの頂面と
バルブステム周面間に形成される角が、頂部側リップの
底面とバルブステム周面間に形成される角と同じかまた
は該角よりも大きくなるようにしているのでシリンダヘ
ッド室から環状空間内に漏れる潤滑油量を、環状空間か
らシリンダヘッド室内に漏れる潤滑油量と同じかまたは
少なくすることができる。その結果、動弁系用潤滑系統
の潤滑油のオイル下がりを阻止することができ、したが
って動弁系用潤滑系統の長期のメンテナンスフリーをさ
らに確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】内燃機関の側面断面図である。
【図2】図1のA部の部分拡大図である。
【図3】クランク室用潤滑系統を示す線図である。
【図4】動弁系用潤滑系統を示す線図である。
【図5】図2のB部の部分拡大図である。
【図6】図5のC部の部分拡大図である。
【図7】バルブステム上に形成される油膜の厚さを説明
する模式図である。
【符号の説明】
1…シリンダブロック 2…オイルパン 3…シリンダヘッド 4…シリンダヘッドカバー 5…クランク室 6…シリンダヘッド室 12…動弁系 13a…バルブステム 18…サージタンク 22…バルブガイド 23…シール部材 44…頂部側リップ 45…底部側リップ 47…環状空間 K…シール部材の中心軸線

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランク室内の被潤滑要素を潤滑するた
    めのクランク室内用潤滑系統と、シリンダヘッド室内に
    収容された動弁系を潤滑するための動弁系用潤滑系統で
    あってクランク室内用潤滑系統とは異なる動弁系用潤滑
    系統とを具備した二系統潤滑式内燃機関において、動弁
    系用潤滑系統の潤滑油を有機モリブデン系オイルが添加
    された潤滑油から構成し、クランク室内のブローバイガ
    スをシリンダヘッド室を介することなく吸気系に導くブ
    ローバイガス通路を設けた二系統潤滑式内燃機関。
  2. 【請求項2】 上記動弁系のバルブステムとバルブガイ
    ド間に形成される環状の間隙をシールするシール部材を
    バルブガイドまたはシリンダヘッドに取付け、該シール
    部材は内側に向け突出してバルブステムと互いに摺接す
    る環状の一対のリップを具備しており、これらリップは
    シール部材の中心軸線方向に互いに離間して配置されて
    おり、これらリップとバルブステム周面とにより画定さ
    れる環状空間内にシール剤を充填し、一対のリップのう
    ちシール部材の頂部側に位置する頂部側リップの頂面と
    バルブステム周面間に形成される角が、頂部側リップの
    底面とバルブステム周面間に形成される角と同じかまた
    は該角よりも大きくなるように頂部側リップを形成した
    請求項1に記載の二系統潤滑式内燃機関。
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