JPH0824778A - 昇華性染料を熱転写した意匠鋼板 - Google Patents

昇華性染料を熱転写した意匠鋼板

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JPH0824778A
JPH0824778A JP7124277A JP12427795A JPH0824778A JP H0824778 A JPH0824778 A JP H0824778A JP 7124277 A JP7124277 A JP 7124277A JP 12427795 A JP12427795 A JP 12427795A JP H0824778 A JPH0824778 A JP H0824778A
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JP
Japan
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steel sheet
design
layer
pattern
resin layer
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JP7124277A
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Masaki Sato
正樹 佐藤
Kazuhiko Takahashi
和彦 高橋
Hiromitsu Fukumoto
博光 福本
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Nisshin Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 昇華性染料を熱転写するときの方向性を活用
し,鮮明度や深み感に優れた印象性の高い模様を形成し
た意匠鋼板を得る。 【構成】 この意匠鋼板は、昇華性染料が厚み方向にほ
ぼ均一に染着した熱硬化性の透明樹脂からなるクリヤー
樹脂層4を備えている。クリヤー樹脂層4は、ベースコ
ート層2を介して(a),プライマー層3及びベースコ
ート層2を介して(b)或いは下地鋼板1に直接(c)
形成できる。 【効果】 クリヤー樹脂層4が厚み方向に染着されてい
るので、褪色耐候性に優れ深み感のある意匠模様が発現
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、昇華性染料を熱転写す
るときの方向性を活用して鮮明度や深み感に優れた印象
性の高い模様を形成した意匠鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】家電製品や内装材,外装材等の建材で
は、意匠鋼板を使用して外観の高級化を図った製品が増
加しつつある。この種の意匠鋼板は、めっき鋼板,ステ
ンレス鋼板,冷延鋼板等の基材鋼板にベースコート樹脂
塗膜を設けてグラビア印刷,オフセット印刷等で意匠模
様を直接形成し、その上に透明樹脂の保護塗膜を設ける
方法や、ベースコートを設けた塗装鋼板に予め意匠模様
を印刷した転写シートをラミネートする方法等によって
製造されている。通常、意匠鋼板に施される印刷インク
層は、数μmと薄く且つ皮膜強度が弱いため、「こす
れ」によって印刷薄れが生じ易い。そのため、印刷によ
り意匠性を付与した後で印刷面保護用の透明樹脂層を施
したり、印刷面を下層にして印刷フィルムを鋼板にラミ
ネートすることが必要とされる。
【0003】この点が紙等に対する印刷と異なり、印刷
面の保護を必要とすることなくユーザが必要枚数に応じ
て熱転写等の簡便な方法によって意匠鋼板を製造するこ
とができない。しかも、保護層とベースコート層との間
に印刷層があることから、印刷層とベースコート層又は
保護層との間の層間密着性に問題が生じる場合が多かっ
た。また、従来の意匠鋼板では、オフセット印刷又はグ
ラビア印刷によって模様を形成しているため、模様が異
なるたびに高価な版ロールを作製する必要がある。その
結果、小ロット生産では、意匠鋼板の製品価格が高くな
ってしまう。注文ロットが小さくても意匠鋼板を安価に
製造する方法として、特開昭59−95143号公報,
特開昭64−5833号公報等では、熱転写方式のカラ
ーゼログラフィで作製して転写シートを使用することが
紹介されている。この方法では、昇華性染料を用いてカ
ラーゼログラフィ法で転写シートを予め作製しておき、
この転写シートをベース樹脂塗膜を設けた塗装鋼板の塗
装面に写し絵のように昇華転写した後、透明樹脂の保護
塗膜を形成する。この方法によるとき、製造ロットに必
要な枚数だけの転写シートをカラーゼログラフィ法で作
製すればよいので、版ロールを作製する場合に比較して
小ロット生産であっても製造コストが著しく節減され
る。
【0004】しかし、印刷層に対する保護層を設けるこ
となく熱転写等の簡便な意匠付与方法のみで意匠鋼板を
ユーザが製造することは不可能であり、印刷層に対する
保護層を設ける後工程のために小ロット対応が困難な現
状である。また、転写インク層は、凝集破壊によって密
着不良を引き起こす原因になり易い。しかも、カラーゼ
ログラフィ法は、紙や繊維等の白地素材に対する模様印
刷を目的として開発されたものであることから、前掲し
た特開昭64−5833号公報でも言及されているよう
にベースコート樹脂塗膜を白色にする必要があるとされ
ている。しかし、ベースコート樹脂塗膜を白色のような
着色塗膜にすると、熱転写時にベースコート樹脂塗膜の
顔料の下側まで染料が浸透することがあり、結果として
顔料で印刷模様が遮蔽される虞れもある。そのため、得
られた意匠模様の濃度が上がらず、色調が白っぽく変化
する場合がある。
【0005】保護層を設けることなく熱転写等の簡便な
意匠付与のみで意匠鋼板をユーザが製造できる方法とし
て、昇華性又は蒸発性の染料で模様を形成した転写シー
トを使用する方法が知られている(特開平5−7898
8号公報)。この方法では、転写シートに含まれている
染料に対して染着性を呈する接着性又は粘着性の貼合せ
剤を用いて金属板又は塗装鋼板にフィルムをラミネート
し、得られたラミネート鋼板に転写シートを接触させて
加熱することにより染料を昇華又は蒸発させ、貼合せ剤
を染色している。この方法で使用される転写シートは、
小ロット印刷に適した電子写真法,静電記録法,インク
ジェット法,感熱転写法等により、製造ロットに必要な
枚数だけ作製できる。そのため、製造コストは、版ロー
ルを使用する場合に比較して著しく低減する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】貼合せ剤としては、前
掲の特開平5−78988号公報で紹介されているよう
に、染色性を呈するホットメルト樹脂接着剤が必要であ
るとされている。しかし、ホットメルト樹脂接着剤は、
転写シートの加熱により染料を染着させる際に150〜
200℃の温度に達することから、軟化し、転写シート
表面の凹凸がそのままフィルム表面に転写され、得られ
た意匠鋼板の光沢を低下させる。また、フィルムとして
は、染料に対する親和性が必要でなく、熱転写工程で染
料がフィルム内部に捕捉されることなく、昇華又は蒸発
した染料が投下し易い性質を呈することが望ましいとさ
れている。このような要求特性を満足する材質として、
具体的にはフッ素樹脂形のフィルムが掲げられている。
しかし、この種のフィルムは、熱転写時に150〜20
0℃の温度まで昇温すると収縮する傾向を示す。特にこ
の現象は、熱軟化するホットメルト樹脂のような接着剤
を使用した場合に顕著に現れる。そのため、印刷ズレや
印刷模様の不鮮明化等の欠陥が発生し易い。本発明は、
このような問題を解消すべく案出されたものであり、塗
装鋼板に設けた透明熱硬化樹脂層の厚み方向に昇華染料
をほぼ均一に染着させることにより、従来にはない深み
感を呈し鮮明度及び褪色耐候性に優れた意匠模様を発現
させた意匠鋼板を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の意匠鋼板は、そ
の目的を達成するため、下地鋼板の上にクリヤー樹脂層
として熱硬化性の透明樹脂層が形成されており、該透明
樹脂層の厚み方向に昇華性染料がほぼ均一に染着されて
いることを特徴とする。透明樹脂層と下地鋼板との間に
は、有色のベースコート層、或いは更にプライマー層を
形成してもよい。また、塗膜が形成されていない下地鋼
板の表面に、透明樹脂層を直接形成することもできる。
厚み方向に昇華性染料がほぼ均一に染着された透明樹脂
層は、昇華性染料を用いた熱転写シートを下地鋼板に接
触させて加熱することにより形成される。
【0008】
【作用】本発明では、図1に示すようにめっき鋼板,ス
テンレス鋼板等の下地鋼板1にクリヤー樹脂層4を設け
た塗装鋼板を使用する。下地鋼板1としては、最外層に
クリヤー樹脂層4がある限り、白色ベースコート層2を
設けた塗装鋼板(a),更にプライマー層3を形成した
塗装鋼板(b),白色ベースコート層2やプライマー層
3がなくクリヤー樹脂層4だけがある塗装鋼板(c)の
何れであってもよい。クリヤー樹脂層4には、ポリエス
テル系樹脂,シリコーンポリエステル系樹脂,ポリアク
リル系樹脂,エポキシ系樹脂,ポリウレタン系樹脂等の
熱硬化性樹脂が使用される。昇華性染料で予め模様を付
けた転写シートを下地鋼板1に接触させて加熱すると、
昇華した染料がクリヤー樹脂層4中を浸透し、厚み方向
に染着した模様が形成される。転写シートとしては、電
子写真法,静電記録法,インクジェット法,感熱転写法
等によって製造ロットに必要な枚数だけ製造することが
できる。昇華性染料としては、大気圧,70〜260℃
で昇華又は蒸発する染料が好ましい。たとえば、アゾ,
アントラキノン,キノフタロン,スチリル,ジ又はトリ
フェニルメタン,オキサジン,トリアジン,キサンテ
ン,メチン,アゾメチン,アクリジン,ジアジン等の染
料があり、これらの他、1,4−ジメチルアミノアント
ラキノン,臭化又は塩化1,5−ジハイドロオキシ−
4,8−ジアミノ−アントラキノン,1,4−ジアミノ
−2,3−ジクロロ−アントラキノン,1−アミノ−ハ
イドロオキシ−アントラキノン,1−アミノ−4−ハイ
ドロオキシ−2−(β−メトキシ−エトキシ)−アント
ラキノン,1,4−ジアミノ−アントラキノン−2−カ
ルボシキル酸のメチル,エチル,プロピル,ブチルエス
テル,1−アミノ−4−アニリド−アントラキノン,1
−アミノ−2−シアノ−4−アニリド(又はシクロヘキ
シアミノ)−アントラキノン,1−ハイドロオキシ−2
−(p−アセトアミノ−フェニルアゾ)−4−メチルベ
ンゼン,3−メチル−4−(ニトロフェニルアゾ)−ピ
ラゾロン,3−ハイドロオキシ−キノフタロン等があ
る。また、塩基性染料としてマラカイトグリーン,メチ
ルバイオレット,酢酸ナトリウム,ナトリウムエタレー
ト,ナトリウムメチラート等で変性した染料等が挙げら
れる。
【0009】下地鋼板1と接触した状態で転写シートが
加熱されると、転写シートに含まれている昇華性染料
は、昇華し、図1に示すようにクリヤー樹脂層4を厚み
方向に浸透する。そのため、厚み方向にほぼ均一に染着
されたクリヤー樹脂層4で立体的な印刷模様が発現され
る。得られた印刷模様は、クリヤー樹脂層4の表層のみ
に昇華染料が濃化したものではないため、「こすれ」に
より印刷薄れが生じることはなく、また熱転写で意匠を
付与した後で転写印刷層を透明樹脂によって保護する後
工程も省略される。しかも、厚み方向にほぼ均一に染着
されたクリヤー樹脂層4で印刷模様が発現されるため、
深み感,立体感,光沢度及び鮮映度に優れた印刷模様が
得られる。このようにして、必要な模様を必要な時に簡
便に付与することが可能になるため、各種模様付けが要
求される意匠鋼板の小ロット生産が容易になる。しか
も、所定の模様を付けた意匠鋼板としての在庫が必要で
なくなり、ニーズに応じた模様付けが可能になる。更
に、最上層の塗膜であるクリヤー樹脂層4として透明樹
脂塗膜を使用するとき、塗膜中に浸透した昇華染料が顔
料によって遮蔽されることがないため、濃度上昇が図ら
れ、色調変化も抑えられる。また、クリヤー樹脂層4と
金属層との間にインク層が単独で存在することがないの
で、従来のラミネート鋼板にみられたような層間剥離が
問題になることもない。
【0010】熱硬化型のクリヤー樹脂層4は、転写時の
150〜200℃の加熱で著しく軟化することはない。
そのため、熱転写により模様を付与した後で、鋼板表面
の光沢度が低下することはない。なお、クリヤー樹脂層
4として使用される透明樹脂塗膜には、太陽光線や紫外
線の透過による昇華性染料や透明樹脂塗膜の劣化を防止
するため、染料の褪色や塗膜の光沢低下を防止する紫外
線吸収剤や光安定剤を添加することが好ましい。紫外線
吸収剤としては、熱安定性に優れたベンゾトリアゾール
系,トリアジン系等が使用される。この場合にも、昇華
性染料がクリヤー樹脂層4の厚み方向に関してほぼ均一
に染まっているため、透明樹脂塗膜に添加した紫外線吸
収剤や光安定剤は、染料の褪色防止に十分な効果を発揮
する。
【0011】クリヤー樹脂層4としての透明樹脂塗膜
は、下地鋼板1に直接形成したり(図1c)、有色ベー
スコート層2(図1b)を介して形成することができ
る。何れの場合も、下地鋼板1やベースコート層2の色
調が地模様となって染着された透明樹脂層を通して現れ
る。そのため、下地素材の風合いを活かした独特の深み
感をもった意匠鋼板が作製される。ベースコート層2と
しては、白色に限らず他の色調をもつものでも良く、化
成処理済みのめっき鋼板,ステンレス鋼板等に直接(図
1a)或いは下塗り塗膜としてのプライマー層3(図1
b)を介して設けることができる。ベースコート層2
は、10〜20μmの塗膜厚をもつことが好ましい。ベ
ースコート層2の塗膜厚が10μmに満たないと、下地
鋼板1やプライマー層3の色調を十分に隠蔽できない。
逆に塗膜厚が20μmを超えるベースコート層2では、
焼付け時に塗膜中に残留した溶剤が急激に気化し、いわ
ゆる「ワキ」と呼ばれるピンホール状の塗膜欠陥が発生
する虞れがあることから、ロールコータを使用して1コ
ートで塗布することが難しくなる。
【0012】
【実施例】
実施例1下地鋼板として使用する塗装鋼板の製造 塗装鋼板1:板厚0.5mmのめっき鋼板に塗装前処理
を施し、白色ポリエステル系樹脂塗料(日本ペイント株
式会社製 FLC300)を乾燥塗膜厚で18μmにな
るように塗装した後、230℃で1分間焼き付けること
により白色ベースコート樹脂塗膜を形成した。次いで、
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤9重量%及びヒンダ
ートアミン系光安定剤1.5重量%を含むポリエステル
系クリヤー樹脂塗料(日本ペイント株式会社製 FLC
600)を乾燥塗膜厚で15μmになるように塗装した
後、同じ焼付け条件下で透明樹脂塗膜を形成した。 塗装鋼板2:塗装鋼板1における透明樹脂塗膜を形成す
ることなく、表面が白色ベースコート樹脂塗膜で覆われ
ている塗装鋼板を製造した。
【0013】昇華性染料を使用した模様の転写 昇華性染料トナー(新日鐵化学株式会社製 昇華捺染用
トナー)を用い、静電プロッタ方式の画像プリントシス
テム(日本電子計算株式会社製 Juana)で静電記
録紙に所定パターンの模様を出力した。得られた転写シ
ートを塗装鋼板1及び2の塗膜面に重ね合わせ、温度1
80℃及び圧力1kg/cm2 で90秒間加熱圧着し
た。圧着完了後、塗装鋼板から転写シートを剥離した。転写模様の鮮明度調査 各塗装鋼板に転写された模様を目視観察したところ、塗
装鋼板1から得られた意匠鋼板の画像は鮮明であった。
しかし、塗装鋼板2から得られた意匠鋼板に付けられた
模様は、色調が薄く、白みがかった画像であった。顕微
鏡による断面観察では、塗装鋼板1の透明樹脂層には厚
み方向に関してほぼ均一に昇華染料が染着していた。他
方、塗装鋼板2では、昇華染料の大半が白色ベースコー
ト層の顔料の下側まで浸透しており、染料の色彩が顔料
によって遮蔽されていた。
【0014】実施例2下地鋼板として使用する塗装鋼板の製造 塗装鋼板3:実施例1の白色ベースコート層を形成する
前に、防錆顔料含有ポリエステル系プライマー(日本ペ
イント株式会社製 P107)を乾燥塗膜厚で5μmに
なるように塗装した後、215℃で1分間焼き付け、め
っき鋼板と白色ベースコート層との間に下塗り塗膜を形
成した。 塗装鋼板4:塗装鋼板3における透明樹脂塗膜を形成す
ることなく、表面が白色ベースコート樹脂塗膜で覆われ
ている塗装鋼板を製造した。昇華性染料を使用した模様の転写 昇華性捺染用転写紙(凸版印刷株式会社製 凸版プリン
テックス)を塗装鋼板3及び4の塗膜面に重ね合わせ、
温度180℃及び圧力1kg/cm2 で90秒間加熱圧
着した。圧着完了後、塗装鋼板から昇華捺染用転写紙を
剥離した。転写模様の鮮明度調査 各塗装鋼板に転写された模様を目視観察したところ、塗
装鋼板3から得られた意匠鋼板の画像は鮮明であった。
しかし、塗装鋼板4から得られた意匠鋼板に付けられた
模様は、色調が薄く、白みがかった画像であった。
【0015】実施例3下地鋼板として使用する塗装鋼板の製造 塗装鋼板5:実施例1の塗装鋼板1と同じものを使用し
た。 塗装鋼板6:ベンゾトリアゾール系紫外線吸収材及びヒ
ンダートアミン系光安定剤を添加しない他は、実施例1
の塗装鋼板1と同じものを使用した。昇華性染料を使用した模様の転写 昇華性染料トナー(新日鐵化学株式会社製 昇華捺染用
トナー)を用い、静電プロッタ方式の画像プリントシス
テム(日本電子計算株式会社製 Juana)で静電記
録紙にシアン色のベタ模様を出力した。得られた静電記
録紙を塗装鋼板5及び6の塗膜面に重ね合わせ、温度1
80℃及び圧力1kg/cm2 で90秒間加熱圧着し
た。圧着完了後、塗装鋼板から静電記録紙を剥離した。転写模様褪色耐候性調査 得られた各塗装鋼板を、サンシャインウェザーメータ
(63℃)を使用した240時間耐候性試験に供した。
その結果、塗装鋼板5の褪色は色差計でΔE<5であっ
たが、塗装鋼板6のシアン色の褪色はΔE>15であっ
た。この対比から明らかなように、本発明に従ってクリ
ヤー樹脂層に染着した意匠鋼板は、褪色耐候性に優れて
いることが確認された。
【0016】実施例4下地鋼板として使用する塗装鋼板の製造 塗装鋼板7:実施例1の塗装鋼板1と同じものを使用し
た。 塗装鋼板8:実施例1の白色ベースコート層を形成した
後で熱可塑性ポリエステル系クリヤー樹脂(東洋紡績株
式会社製 バイロナールMD−1200)を乾燥塗膜厚
で15μmになるように塗装し、透明樹脂塗膜を形成し
た。昇華性染料を使用した模様の転写 昇華性染料トナー(新日鐵化学株式会社製 昇華捺染用
トナー)を用い、静電プロッタ方式の画像プリントシス
テム(日本電子計算株式会社製 Juana)で静電記
録紙に所定パターンの模様を出力した。得られた静電記
録紙を塗装鋼板7及び8の塗膜面に重ね合わせ、真空熱
転写装置(直本工業株式会社製 NP−500)を用い
て20トールの真空下、温度160℃及び圧力0.3k
g/cm2 で90秒間加熱圧着した。圧着完了後、塗装
鋼板から静電記録紙を剥離した。塗膜表面の光沢度保持率調査 各塗装鋼板及び転写模様が付けられた各意匠鋼板につい
て、光沢度計(株式会社村上色彩技術研究所製 MD−
3D)を使用して転写前後における塗膜表面の60度鏡
面反射率を測定した。そして、転写前の塗膜表面の反射
率に対する転写後の塗膜表面の反射率の比として、光沢
度保持率を算出した。塗装鋼板7から得られた意匠鋼板
では光沢度保持率が95%であったが、塗装鋼板8から
得られた意匠鋼板では光沢度保持率が49%に止まって
いた。この対比から、本発明に従って熱硬化型の透明樹
脂層が形成された塗装鋼板は、光沢度を低下させること
なく、所定の模様付けがされた意匠鋼板になることが判
る。
【0017】実施例5下地鋼板として使用する塗装鋼板の製造 塗装鋼板9:ヘアライン仕上げした板厚0.5mmのS
US304ステンレス鋼板に塗装前処理を施し、ベンゾ
トリアゾール系紫外線吸収剤9重量%及びヒンダートア
ミン系光安定剤1.5重量%を含むポリエステル系クリ
ヤー樹脂塗料(日本ペイント株式会社製 FLC60
0)を乾燥塗膜厚で15μmになるように塗装し、23
0℃で1分間焼き付けることにより透明樹脂塗膜を形成
した。 塗装鋼板10:板厚0.5mmのSUS430ステンレ
ス鋼板に、塗装鋼板9と同じ透明塗膜を形成した。 塗装鋼板11:板厚0.5mmのAlめっき鋼板に、塗
装鋼板9と同じ透明塗膜を形成した。昇華性染料を使用した模様の転写 実施例1と同じ条件下で、模様転写を行った。転写模様の鮮明度調査 各塗装鋼板9〜11に転写された模様を目視観察したと
ころ、下地鋼板の色調が地模様となり、染着された透明
樹脂層の色調と相俟つて下地素材の風合いを活かした独
特の深み感をもったものであった。
【0018】実施例6 実施例5の塗装鋼板9に、実施例1と同じ方法で模様転
写した。得られた意匠鋼板をパンチングし、半径4mm
の円形の孔を13mmのピッチで多数形成した。このパ
ンチングステンレス意匠鋼板は、パンチング模様と昇華
熱転写による意匠が融合したものであった。 実施例7 板厚0.5mmのZnめっき鋼板に塗装前処理を施し、
ウレタン系熱硬化性接着剤(日本ペイント株式会社製
パワータイト100)を乾燥塗膜厚で15μmになるよ
うに塗装し、180℃で2分間焼き付け、そのまま板温
を160±10℃に保って白色ポリエステル繊維の帆布
をラミネートした。このラミネート鋼板に実施例1と同
じ方法で意匠模様を付け、ポリエステル布貼り意匠鋼板
を作製した。使用した接着剤は、熱硬化性樹脂であるた
め転写時の150〜200℃の加熱で著しく軟化するこ
とがなく、転写後に顕著な光沢度の低下や凹凸の発生が
観察されなかった。また、昇温によるポリエステル布の
収縮もほとんど観察されず、良好な意匠模様が付与され
た。 実施例8 実施例1の塗装鋼板1と塗装前処理を施した板厚0.5
mmのZnめっき鋼板との間に熱可塑性ウレタン樹脂を
挟み、制振性金属積層板を形成した。この制振性金属積
層板に、実施例1と同様の方法で意匠模様を付けた。形
成された意匠模様は、鮮映性及び褪色耐候性に優れたも
のであった。また、意匠模様が付けられた制振性金属積
層板は、光沢度保持率が97%であり、十分な光沢度を
持っていた。
【0019】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の意匠性
鋼板は、厚み方向にほぼ均一に染着されたクリヤー樹脂
層を備えている。染着されたクリヤー樹脂層は、厚み方
向に関してほぼ均一に染着されているので、深み感や立
体感に富み鮮映性の優れた意匠模様を発現する。また、
従来の印刷方法で形成された意匠模様のように表層部の
みに染料が存在するものと異なり、転写後のこすれ等に
よって印刷薄れが生じることがないので、印刷層に対す
る保護層を必要とすることなく褪色耐候性に優れたもの
となる。そのため、必要な模様を必要な時に簡便に付与
することが可能になり、各種模様付けが要求される意匠
鋼板の小ロット生産が容易になる。しかも、所定の模様
を付けた意匠鋼板としての在庫が必要でなくなり、ニー
ズに応じた模様付けが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に従った昇華熱転写意匠鋼板の断面を
示し、白色ベースコート層を介して設けられたクリヤー
樹脂層を染着した意匠鋼板(a),プライマー層及び白
色ベースコート層を介して設けられたクリヤー樹脂層を
染着した意匠鋼板(b)及び下地鋼板に直接設けたクリ
ヤー樹脂層を染着した意匠鋼板(c)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下地鋼板の上にクリヤー樹脂層として熱
    硬化性の透明樹脂層が形成されており、該透明樹脂層の
    厚み方向に昇華性染料がほぼ均一に染着されていること
    を特徴とする昇華性染料を熱転写した意匠鋼板。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の透明樹脂層と下地鋼板と
    の間に有色のベースコート層が設けられている意匠鋼
    板。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のベースコート層と下地鋼
    板との間にプライマー層が形成されている意匠鋼板。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の透明樹脂層が下地鋼板の
    表面に直接設けられている意匠鋼板。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006248012A (ja) * 2005-03-10 2006-09-21 Nisshin Steel Co Ltd 熱転写用塗装金属板及びそれを用いた印刷塗装金属板
FR3166093A1 (fr) * 2024-09-12 2026-03-13 Stellantis Auto Sas Sublimation sur pièce laquée de véhicule automobile

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