JPH08252702A - 耐欠損性に優れたホイスカ−強化窒化ケイ素基セラミックス製切削工具 - Google Patents
耐欠損性に優れたホイスカ−強化窒化ケイ素基セラミックス製切削工具Info
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- JPH08252702A JPH08252702A JP7056201A JP5620195A JPH08252702A JP H08252702 A JPH08252702 A JP H08252702A JP 7056201 A JP7056201 A JP 7056201A JP 5620195 A JP5620195 A JP 5620195A JP H08252702 A JPH08252702 A JP H08252702A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 耐欠損性に優れたホイスカ−強化窒化ケイ素
基セラミックス製切削工具を提供する。 【構成】 本発明の耐欠損性に優れたホイスカ−強化窒
化ケイ素基セラミック製切削工具は、ReをYを含む希
土類元素のうちの1種以上とすると、Reの酸化物を5
〜20モル%固溶した酸化ジルコニウム:0.5〜10
wt%、ガラスに含まれる金属元素に対する割合でR
e:50〜70モル%、Zr:1〜5モル%を含むRe
−Zr−Al−Si−O−N系ガラスとReシリケ−ト
からなる結合相:0.05〜20wt%、Al2O3、A
l2O3−B2O3系またはSiCウィスカ−:10〜30
%、Al2O3、Al2O3−B2O3系またはSiC粒子:
0.5〜10wt%、β−Si3N4:残部からなること
を特徴とする。
基セラミックス製切削工具を提供する。 【構成】 本発明の耐欠損性に優れたホイスカ−強化窒
化ケイ素基セラミック製切削工具は、ReをYを含む希
土類元素のうちの1種以上とすると、Reの酸化物を5
〜20モル%固溶した酸化ジルコニウム:0.5〜10
wt%、ガラスに含まれる金属元素に対する割合でR
e:50〜70モル%、Zr:1〜5モル%を含むRe
−Zr−Al−Si−O−N系ガラスとReシリケ−ト
からなる結合相:0.05〜20wt%、Al2O3、A
l2O3−B2O3系またはSiCウィスカ−:10〜30
%、Al2O3、Al2O3−B2O3系またはSiC粒子:
0.5〜10wt%、β−Si3N4:残部からなること
を特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、耐欠損性に優れたホ
イスカ−強化窒化ケイ素基セラミックス製切削工具に関
するものである。
イスカ−強化窒化ケイ素基セラミックス製切削工具に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に窒化ケイ素基セラミックスは、高
温における強度、硬さ、化学的安定性などに優れている
ところから、エンジニアリングセラミックスの1つとし
て知られている。例えば、特開昭62−202864号
では、Y2O3を固溶した部分安定化、または安定化ジル
コニアとガラス成分とβ−Si3N4からなる窒化ケイ素
基セラミックスが提案されており、さらに特開昭64−
51379号では、3〜25vol%の立方晶ZrO2
とYシリケートとβ−Si3N4からなる窒化ケイ素基セ
ラミックスが提案されており、いずれも高温特性に優れ
ているとされている。
温における強度、硬さ、化学的安定性などに優れている
ところから、エンジニアリングセラミックスの1つとし
て知られている。例えば、特開昭62−202864号
では、Y2O3を固溶した部分安定化、または安定化ジル
コニアとガラス成分とβ−Si3N4からなる窒化ケイ素
基セラミックスが提案されており、さらに特開昭64−
51379号では、3〜25vol%の立方晶ZrO2
とYシリケートとβ−Si3N4からなる窒化ケイ素基セ
ラミックスが提案されており、いずれも高温特性に優れ
ているとされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記、従来の窒化ケイ
素基セラミックスは、高温構造部材として優れていて
も、この窒化ケイ素基セラミックスを、切削工具として
用いた場合には、特に耐欠損性が不足し、切削工具とし
て問題であった。
素基セラミックスは、高温構造部材として優れていて
も、この窒化ケイ素基セラミックスを、切削工具として
用いた場合には、特に耐欠損性が不足し、切削工具とし
て問題であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
従来よりも優れた耐欠損性を有する窒化ケイ素基セラミ
ックス製切削工具を得るべく研究を行った結果、Reを
Yを含む希土類元素のうちの1種以上とすると、(a)
Reの酸化物を5〜20モル%固溶した酸化ジルコニウ
ム:0.5〜10wt%、(b)ガラスに含まれる金属
元素に対する割合でRe:50〜70モル%Zr:1〜
5モル%を含むRe−Zr−Al−Si−O−N系ガラ
スとReシリケートからなる結合相:0.05〜20w
t%、(c)Al2O3ホイスカー、Al2O3−B2O3系
ホイスカー、またはSiCホイスカー:10〜35wt
%、(d)Al2O3粒子、Al2O3−B2O3系粒子、ま
たはSiC粒子:0.5〜10wt%、(e)β−Si
3N4および不可避不純物:残部の組成からなり、上記ホ
イスカーは、平均直径が、0.1〜10μm、平均長さ
が、1〜200μmであり、該ホイスカーの20〜90
%が、すくい面と平行方向に配向したセラミックスは、
従来の窒化ケイ素基セラミックスよりも耐欠損性に優れ
ており、切削工具に適用した場合でも、優れた切削性能
が得られるという知見を得たのである。
従来よりも優れた耐欠損性を有する窒化ケイ素基セラミ
ックス製切削工具を得るべく研究を行った結果、Reを
Yを含む希土類元素のうちの1種以上とすると、(a)
Reの酸化物を5〜20モル%固溶した酸化ジルコニウ
ム:0.5〜10wt%、(b)ガラスに含まれる金属
元素に対する割合でRe:50〜70モル%Zr:1〜
5モル%を含むRe−Zr−Al−Si−O−N系ガラ
スとReシリケートからなる結合相:0.05〜20w
t%、(c)Al2O3ホイスカー、Al2O3−B2O3系
ホイスカー、またはSiCホイスカー:10〜35wt
%、(d)Al2O3粒子、Al2O3−B2O3系粒子、ま
たはSiC粒子:0.5〜10wt%、(e)β−Si
3N4および不可避不純物:残部の組成からなり、上記ホ
イスカーは、平均直径が、0.1〜10μm、平均長さ
が、1〜200μmであり、該ホイスカーの20〜90
%が、すくい面と平行方向に配向したセラミックスは、
従来の窒化ケイ素基セラミックスよりも耐欠損性に優れ
ており、切削工具に適用した場合でも、優れた切削性能
が得られるという知見を得たのである。
【0005】本発明は、かかる知見に基づいてなされた
ものであって、ReをYを含む希土類元素のうちの1種
以上とすると、Reの酸化物を5〜20モル%固溶した
酸化ジルコニウム:0.5〜10wt%、ガラスに含ま
れる金属元素に対する割合でRe:50〜70モル%Z
r:1〜5モル%を含むRe−Zr−Al−Si−O−
N系ガラスとReシリケートガラスからなる結合相:
0.05〜20wt%、Al2O3ホイスカー、Al2O3
−B2O3系ホイスカー、またはSiCホイスカー:10
〜30wt%Al2O3粒子、Al2O3−B2O3系粒子、
またはSiC粒子:0.5〜10wt%、β−Si3N4
および不可避不純物:残部からなる組成を有し、上記ホ
イスカーは、平均直径が、0.1〜10μm、平均長さ
が、1〜200μmであり、該ホイスカーの20〜90
%が、すくい面と平行方向に配向した焼結体からなる耐
欠損性に優れた繊維強化窒化ケイ素基セラミックス製切
削工具に特徴を有するものである。
ものであって、ReをYを含む希土類元素のうちの1種
以上とすると、Reの酸化物を5〜20モル%固溶した
酸化ジルコニウム:0.5〜10wt%、ガラスに含ま
れる金属元素に対する割合でRe:50〜70モル%Z
r:1〜5モル%を含むRe−Zr−Al−Si−O−
N系ガラスとReシリケートガラスからなる結合相:
0.05〜20wt%、Al2O3ホイスカー、Al2O3
−B2O3系ホイスカー、またはSiCホイスカー:10
〜30wt%Al2O3粒子、Al2O3−B2O3系粒子、
またはSiC粒子:0.5〜10wt%、β−Si3N4
および不可避不純物:残部からなる組成を有し、上記ホ
イスカーは、平均直径が、0.1〜10μm、平均長さ
が、1〜200μmであり、該ホイスカーの20〜90
%が、すくい面と平行方向に配向した焼結体からなる耐
欠損性に優れた繊維強化窒化ケイ素基セラミックス製切
削工具に特徴を有するものである。
【0006】上記、窒化ケイ素基セラミックスの成分組
成並びに構成を、上記の如く数値限定した理由を説明す
る。
成並びに構成を、上記の如く数値限定した理由を説明す
る。
【0007】(1)Reの酸化物を固溶した酸化ジルコ
ニウム 酸化ジルコニウムは、窒化ケイ素基焼結体の耐欠損性を
向上させる作用効果があるが、そのためには、Reの酸
化物を5〜20モル%(好ましくは12〜18モル%)
を固溶した安定化または部分安定化酸化ジルコニウムで
あることが必要で、その含有量が0.5wt%未満で
は、上記作用効果が得られず、また一方、その含有量1
0wt%を越えると、焼結体の硬さが低下し、焼結体の
耐摩耗性が低下するので好ましくない。したがってその
含有量を0.5〜10wt%に、好ましくは0.8〜8
wt%に定めた。上記Reの酸化物は、主としてRe2
O3であり、さらに酸化ジルコニウムには、窒素が微量
固溶可能であるから、窒素雰囲気中での焼結により窒素
が固溶することがあるが、窒素が固溶しても何らさしつ
かえない。
ニウム 酸化ジルコニウムは、窒化ケイ素基焼結体の耐欠損性を
向上させる作用効果があるが、そのためには、Reの酸
化物を5〜20モル%(好ましくは12〜18モル%)
を固溶した安定化または部分安定化酸化ジルコニウムで
あることが必要で、その含有量が0.5wt%未満で
は、上記作用効果が得られず、また一方、その含有量1
0wt%を越えると、焼結体の硬さが低下し、焼結体の
耐摩耗性が低下するので好ましくない。したがってその
含有量を0.5〜10wt%に、好ましくは0.8〜8
wt%に定めた。上記Reの酸化物は、主としてRe2
O3であり、さらに酸化ジルコニウムには、窒素が微量
固溶可能であるから、窒素雰囲気中での焼結により窒素
が固溶することがあるが、窒素が固溶しても何らさしつ
かえない。
【0008】(2)Re−Zr−Al−Si−O−N系
ガラスとReシリケート結晶からなる結合相、 この結合相は、窒化ケイ素基焼結体の耐欠損性を向上さ
せる作用を有するが、その量が、0.05wt%未満で
はβ−Si3N4粒子の結合には不十分であり、一方、2
0wt%を越えると、窒化ケイ素基焼結体の硬さが小さ
くなって耐摩耗性が低下し、この窒化ケイ素基焼結体か
らなる切削工具の耐摩耗性が低下して実用上好ましくな
い。したがって、Re−Zr−Al−Si−O−N系ガ
ラスとReシリケートからなる結合相は、0.05〜2
0wt%、さらに好ましい範囲は、0.07〜12wt
%と定めた。
ガラスとReシリケート結晶からなる結合相、 この結合相は、窒化ケイ素基焼結体の耐欠損性を向上さ
せる作用を有するが、その量が、0.05wt%未満で
はβ−Si3N4粒子の結合には不十分であり、一方、2
0wt%を越えると、窒化ケイ素基焼結体の硬さが小さ
くなって耐摩耗性が低下し、この窒化ケイ素基焼結体か
らなる切削工具の耐摩耗性が低下して実用上好ましくな
い。したがって、Re−Zr−Al−Si−O−N系ガ
ラスとReシリケートからなる結合相は、0.05〜2
0wt%、さらに好ましい範囲は、0.07〜12wt
%と定めた。
【0009】(3)Al2O3 この結合相を構成するRe−Zr−Al−Si−O−N
系ガラスに含まれるReは含まれる金属元素に対する割
合で50モル%未満であると結合相の耐欠損性が不足
し、70モル%を越えると焼結時にガラス相の生成が困
難となるので好ましくない。したがって、Re−Zr−
Al−Si−O−N系ガラスに含まれるReは、金属元
素の割合で50〜70モル%に定めた。またRe−Zr
−Al−Si−O−N系ガラスに含まれるZrもReと
ほぼ同じ理由により1〜5モル%に定めた。
系ガラスに含まれるReは含まれる金属元素に対する割
合で50モル%未満であると結合相の耐欠損性が不足
し、70モル%を越えると焼結時にガラス相の生成が困
難となるので好ましくない。したがって、Re−Zr−
Al−Si−O−N系ガラスに含まれるReは、金属元
素の割合で50〜70モル%に定めた。またRe−Zr
−Al−Si−O−N系ガラスに含まれるZrもReと
ほぼ同じ理由により1〜5モル%に定めた。
【0010】(4)Al2O3ホイスカー、Al2O3−B
2O3系ホイスカー、またはSiCホイスカー これらホイスカー成分には、焼結体中に均一に分散して
焼結体の耐熱衝撃性を著しく向上させる作用があるが、
その含有量が10wt%未満の場合には、上記所望の作
用効果が得られず、一方その含有量が30wt%を越え
ると、曲げ強度および破壊強度が低下することから、そ
の含有量を10〜30wt%、望ましくは15〜25w
t%に定めた。
2O3系ホイスカー、またはSiCホイスカー これらホイスカー成分には、焼結体中に均一に分散して
焼結体の耐熱衝撃性を著しく向上させる作用があるが、
その含有量が10wt%未満の場合には、上記所望の作
用効果が得られず、一方その含有量が30wt%を越え
ると、曲げ強度および破壊強度が低下することから、そ
の含有量を10〜30wt%、望ましくは15〜25w
t%に定めた。
【0011】(5)Al2O3粒子、Al2O3−B2O3系
粒子、またはSiC粒子 これら成分には、焼結体中に分散して、焼結体の耐熱性
を向上させる作用を有するが、その含有量が、0.5w
t%未満では、上記所望の作用効果が得られず、一方、
その含有量が10wt%を越えると、耐熱衝撃性が低下
することから、その含有量を0.5〜10wt%、望ま
しくは0.8〜8wt%に定めた。
粒子、またはSiC粒子 これら成分には、焼結体中に分散して、焼結体の耐熱性
を向上させる作用を有するが、その含有量が、0.5w
t%未満では、上記所望の作用効果が得られず、一方、
その含有量が10wt%を越えると、耐熱衝撃性が低下
することから、その含有量を0.5〜10wt%、望ま
しくは0.8〜8wt%に定めた。
【0012】(6)各ホイスカーの平均直径 各ホイスカーの平均直径が0.1μm未満では焼結体の
靱性が低下し、一方その平均直径が10μmを越える
と、ホイスカー自体が粗大粒子と同様の働きをする様に
なり、曲げ強度を低下せしめるので、その平均直径を
0.1〜10μm、望ましくは0.5〜5μmに定め
た。
靱性が低下し、一方その平均直径が10μmを越える
と、ホイスカー自体が粗大粒子と同様の働きをする様に
なり、曲げ強度を低下せしめるので、その平均直径を
0.1〜10μm、望ましくは0.5〜5μmに定め
た。
【0013】(7)各ホイスカーの平均長さ 各ホイスカーの平均長さが1μm未満では、焼結体の靱
性が低下し、一方、その平均長さが200μmを越える
と、曲げ強度が低下するので、その平均長さを、1〜2
00μm、望ましくは10〜50μmに定めた。
性が低下し、一方、その平均長さが200μmを越える
と、曲げ強度が低下するので、その平均長さを、1〜2
00μm、望ましくは10〜50μmに定めた。
【0014】(8)ホイスカーの配向比(%) ホイスカーは、焼結体中に配向性良く分散して、曲げ強
度を向上させる作用があるが、その配向比が、20%未
満では、上記所望の作用効果が得られず、一方その値が
90%を越えると別方向での曲げ強度が低下するので、
その値を20〜90%に定めた。
度を向上させる作用があるが、その配向比が、20%未
満では、上記所望の作用効果が得られず、一方その値が
90%を越えると別方向での曲げ強度が低下するので、
その値を20〜90%に定めた。
【0015】この発明の耐欠損性に優れた窒化ケイ素基
焼結体からなる切削工具を製造する時に、Al2O3粉末
を0.5〜4wt%未満添加すると、1600℃以上
で、Al2O3粉末、Re2O3粉末、およびSi3N4粉末
とZrO2粉末の一部が反応してRe−Zr−Al−S
i−O−N系の液相が生成する。焼結後冷却する過程で
上記Re−Zr−Al−Si−O−N系液相からRe−
Zr−Al−Si−O−N系ガラスとReシリケート
(Re2Si2O7、Re2SiO5など)からなる結合相が
生成し、生成したRe−Zr−Al−Si−O−N系ガ
ラスのReおよびZr量が増加するにつれて、結合相の
ヤング率および熱膨張係数が大きくなり、焼結後に針状
のβ−Si3N4粒子に圧縮応力を生じさせ、β−Si3
N4粒子が容易に破断せずに強化粒子として働き、耐欠
損性が大きく向上するものと考えられる。
焼結体からなる切削工具を製造する時に、Al2O3粉末
を0.5〜4wt%未満添加すると、1600℃以上
で、Al2O3粉末、Re2O3粉末、およびSi3N4粉末
とZrO2粉末の一部が反応してRe−Zr−Al−S
i−O−N系の液相が生成する。焼結後冷却する過程で
上記Re−Zr−Al−Si−O−N系液相からRe−
Zr−Al−Si−O−N系ガラスとReシリケート
(Re2Si2O7、Re2SiO5など)からなる結合相が
生成し、生成したRe−Zr−Al−Si−O−N系ガ
ラスのReおよびZr量が増加するにつれて、結合相の
ヤング率および熱膨張係数が大きくなり、焼結後に針状
のβ−Si3N4粒子に圧縮応力を生じさせ、β−Si3
N4粒子が容易に破断せずに強化粒子として働き、耐欠
損性が大きく向上するものと考えられる。
【0016】Al2O3粉末を添加しない場合には、液相
の生成が困難となり、ガラス相が形成されにくく、4w
t%以上添加する場合には、焼結中に生成する液相の粘
性が高くなってガラス中にZrを含有することが困難と
なるばかりでなく、ガラス相に含まれるRe量が相対的
に少なくなり、耐欠損性向上が不十分となる。したがっ
て、添加するAl2O3粉末の量はRe2O3量と密接な関
係があり、Re2O3/Al2O3比はモルで1〜3の範囲
内にあることが好ましい。
の生成が困難となり、ガラス相が形成されにくく、4w
t%以上添加する場合には、焼結中に生成する液相の粘
性が高くなってガラス中にZrを含有することが困難と
なるばかりでなく、ガラス相に含まれるRe量が相対的
に少なくなり、耐欠損性向上が不十分となる。したがっ
て、添加するAl2O3粉末の量はRe2O3量と密接な関
係があり、Re2O3/Al2O3比はモルで1〜3の範囲
内にあることが好ましい。
【0017】この発明の耐欠損性に優れた窒化ケイ素基
焼結体からなる切削工具を製造する時にZrO2粉末を
添加するが、ZrO2はRe2O3の1部と反応し、Re2
O3を固溶する。大部分のZrO2はβ−Si3N4粒子の
粒界に存在し、粒界のすべりを抑制することにより高温
特性を向上させる。しかし、切削工具として用いた場合
には、ZrO2量が増加するにつれて硬さが低下し、耐
摩耗性が低下する。したがって、ZrO2粉末の添加量
の上限は、10wt%に定めた。一方、ZrO2を少な
くすると、硬度の低下が抑えられるばかりでなく、Zr
O2に固溶するRe2O3の量が多くなり、同時に結合相
中に含まれるRe量も多くなってヤング率および熱膨張
係数が大きくなり、焼結後に針状β−Si3N4粒子に働
く圧縮応力が大きくなることから、β−Si3N4粒子が
容易に破断せずに強化粒子として働き、耐欠損性が大き
く向上するが、ZrO2量が余り少なくなりすぎると結
合相中に含まれるZr量がすくなくなり、耐欠損性が低
下するので好ましくない。したがってZrO2粉末添加
量の下限は、0.7wt%とした。上記ZrO2粉末に
はRe2O3が固溶した安定化または部分安定化したZr
O2粉末を用いても良い。
焼結体からなる切削工具を製造する時にZrO2粉末を
添加するが、ZrO2はRe2O3の1部と反応し、Re2
O3を固溶する。大部分のZrO2はβ−Si3N4粒子の
粒界に存在し、粒界のすべりを抑制することにより高温
特性を向上させる。しかし、切削工具として用いた場合
には、ZrO2量が増加するにつれて硬さが低下し、耐
摩耗性が低下する。したがって、ZrO2粉末の添加量
の上限は、10wt%に定めた。一方、ZrO2を少な
くすると、硬度の低下が抑えられるばかりでなく、Zr
O2に固溶するRe2O3の量が多くなり、同時に結合相
中に含まれるRe量も多くなってヤング率および熱膨張
係数が大きくなり、焼結後に針状β−Si3N4粒子に働
く圧縮応力が大きくなることから、β−Si3N4粒子が
容易に破断せずに強化粒子として働き、耐欠損性が大き
く向上するが、ZrO2量が余り少なくなりすぎると結
合相中に含まれるZr量がすくなくなり、耐欠損性が低
下するので好ましくない。したがってZrO2粉末添加
量の下限は、0.7wt%とした。上記ZrO2粉末に
はRe2O3が固溶した安定化または部分安定化したZr
O2粉末を用いても良い。
【0018】Reは、Yを含む希土類元素であるが、通
常ReはYであり、その他La,Nd,Er,Ybなどの
希土類元素が用いられる。
常ReはYであり、その他La,Nd,Er,Ybなどの
希土類元素が用いられる。
【0019】なお、Al2O3、Al2O3−B2O3系、ま
たはSiCホイスカーは、通常単独で含有されるが、2
種または2種以上が同時に含有されても、本発明の特性
に何等の悪い影響を与えるものではない。またAl2O3
−B2O3系ホイスカーでは、通常Al2O35〜25モル
%B2O3の組成のものが利用される。
たはSiCホイスカーは、通常単独で含有されるが、2
種または2種以上が同時に含有されても、本発明の特性
に何等の悪い影響を与えるものではない。またAl2O3
−B2O3系ホイスカーでは、通常Al2O35〜25モル
%B2O3の組成のものが利用される。
【0020】上述せる如く、この発明の切削工具は、ホ
イスカー成分以外の結合相を含む素地の優れた耐欠損性
に加えて、適度な寸法を有するホイスカー成分が、すく
い面と平行方向に相当量が配向していることにより、特
に耐熱衝撃性が向上し、高負荷(高速、高送り、高切り
込み)下における切削条件下においても、充分な耐欠損
性を示すものである。
イスカー成分以外の結合相を含む素地の優れた耐欠損性
に加えて、適度な寸法を有するホイスカー成分が、すく
い面と平行方向に相当量が配向していることにより、特
に耐熱衝撃性が向上し、高負荷(高速、高送り、高切り
込み)下における切削条件下においても、充分な耐欠損
性を示すものである。
【0021】
【実施例】平均粒径0.6μmのSi3N4(α相含有
率:90vol%)粉末、平均粒径0.4μmのZrO
2粉末、平均粒径0.4μmのAl2O3粉末、平均粒径
1.3μmのY2O3粉末等を表1および表2に示すよう
な割合に混合し、24hrボ−ルミルを行い、水中に分
散させた。さらに、表3および表4に示す仕様のホイス
カ−を、表3および表4に示す本発明焼結体A〜Kおよ
び比較焼結体L〜Uの配合組成を持つように配合し、5
hrボ−ルミルを行い均一に分散させた。この様にして
作製したスラリ−を、石膏型に鋳込み、十分に吸水させ
た後脱型して、10X20X110の成形体を得た。こ
の成形体を乾燥、脱脂したのち、1気圧のN2雰囲気
中、温度1750〜1850℃で、2〜10時間保持の
条件で燒結し、さらにN2雰囲気中、温度:1780
℃、圧力:1000kgf/cm2の条件でHIP燒結
し、本発明焼結体A〜Kおよび比較焼結体L〜Uを作製
した。
率:90vol%)粉末、平均粒径0.4μmのZrO
2粉末、平均粒径0.4μmのAl2O3粉末、平均粒径
1.3μmのY2O3粉末等を表1および表2に示すよう
な割合に混合し、24hrボ−ルミルを行い、水中に分
散させた。さらに、表3および表4に示す仕様のホイス
カ−を、表3および表4に示す本発明焼結体A〜Kおよ
び比較焼結体L〜Uの配合組成を持つように配合し、5
hrボ−ルミルを行い均一に分散させた。この様にして
作製したスラリ−を、石膏型に鋳込み、十分に吸水させ
た後脱型して、10X20X110の成形体を得た。こ
の成形体を乾燥、脱脂したのち、1気圧のN2雰囲気
中、温度1750〜1850℃で、2〜10時間保持の
条件で燒結し、さらにN2雰囲気中、温度:1780
℃、圧力:1000kgf/cm2の条件でHIP燒結
し、本発明焼結体A〜Kおよび比較焼結体L〜Uを作製
した。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】
【表4】
【0026】上記燒結体の組成は、X線回折によりZr
O2、Reシリケ−ト、Al2O3、B 2O3、SiCを同
定、定量し、さらにTEMによりZrO2中に含まれる
Re量、ガラスに含まれるRe量を定量分析し、同時に
ZrO2量と結合相との総量を測定して成分組成を確か
めた。さらに燒結体の組織から、Al2O3ホイスカ−、
Al2O3−B2O3系ホイスカ−、またはSiCホイスカ
−の含有量、平均直径、平均長さ、および切削切刃のす
くい面と平行に配向しているホイスカ−の配向率(%)を
測定し、これらの結果を表5、表6、表7および表8に
示した。(比較燒結体は、本発明の条件から外れた組
成、または組織を有するもので、*印をもつて、表6お
よび表8に示した。)
O2、Reシリケ−ト、Al2O3、B 2O3、SiCを同
定、定量し、さらにTEMによりZrO2中に含まれる
Re量、ガラスに含まれるRe量を定量分析し、同時に
ZrO2量と結合相との総量を測定して成分組成を確か
めた。さらに燒結体の組織から、Al2O3ホイスカ−、
Al2O3−B2O3系ホイスカ−、またはSiCホイスカ
−の含有量、平均直径、平均長さ、および切削切刃のす
くい面と平行に配向しているホイスカ−の配向率(%)を
測定し、これらの結果を表5、表6、表7および表8に
示した。(比較燒結体は、本発明の条件から外れた組
成、または組織を有するもので、*印をもつて、表6お
よび表8に示した。)
【0027】
【表5】
【0028】
【表6】
【0029】
【表7】
【0030】
【表8】
【0031】次いで、上記それぞれの燒結体を、研削加
工し、ISO規格SNGN120408相当の形状を有
する切刃とし、これをそれぞれシャンクにロ−付し、本
発明切削工具1〜11、および比較切削工具1〜10を
作製した。
工し、ISO規格SNGN120408相当の形状を有
する切刃とし、これをそれぞれシャンクにロ−付し、本
発明切削工具1〜11、および比較切削工具1〜10を
作製した。
【0032】引き続き、上記本発明切削工具1〜11、
および比較切削工具1〜10を用い、 被削材:FC25(4本溝付丸棒) 切削速度:300m/min. 送り:0.45mm/rev. 切り込み:1mm. の条件の湿式切削試験を行い、欠損までの時間を測定
し、その結果を表9に示した。
および比較切削工具1〜10を用い、 被削材:FC25(4本溝付丸棒) 切削速度:300m/min. 送り:0.45mm/rev. 切り込み:1mm. の条件の湿式切削試験を行い、欠損までの時間を測定
し、その結果を表9に示した。
【0033】
【表9】
【0034】さらに、市販の窒化ケイ素基燒結体製切削
工具(以下、従来切削工具と言う)を用い、上記本発
明、および比較切削工具と同じ条件の湿式切削試験を行
い、欠損までの時間を測定し、その結果を同じく表9に
示した。
工具(以下、従来切削工具と言う)を用い、上記本発
明、および比較切削工具と同じ条件の湿式切削試験を行
い、欠損までの時間を測定し、その結果を同じく表9に
示した。
【0035】
【発明の効果】表9から明らかな様に、本発明の切削工
具1〜11は、従来切削工具に比較して、格段の優れた
切削寿命を有している。また、本発明の条件から外れた
組成、または組織を有する比較切削工具1〜10は、本
発明の切削工具に比べて、可成り短い切削寿命を示す。
上記の如く、本発明の切削工具を構成するホイスカ−強
化窒化ケイ素基セラミツクス燒結体は、優れた耐欠損性
を有し、さらに、耐熱衝撃性にも優れているため、これ
を切削工具の切刃として使用した場合、格段に工具寿命
が長く、産業上優れた効果を奏するものである。
具1〜11は、従来切削工具に比較して、格段の優れた
切削寿命を有している。また、本発明の条件から外れた
組成、または組織を有する比較切削工具1〜10は、本
発明の切削工具に比べて、可成り短い切削寿命を示す。
上記の如く、本発明の切削工具を構成するホイスカ−強
化窒化ケイ素基セラミツクス燒結体は、優れた耐欠損性
を有し、さらに、耐熱衝撃性にも優れているため、これ
を切削工具の切刃として使用した場合、格段に工具寿命
が長く、産業上優れた効果を奏するものである。
Claims (1)
- 【請求項1】 ReをYを含む希土類元素のうちの1種
以上とすると、Reの酸化物を5〜20モル%固溶した
酸化ジルコニウム:0.5〜10wt%、 ガラスに含まれる金属元素に対する割合でRe:50〜
70モル%、Zr:1〜5%モルを含むRe−Zr−A
l−Si−O−N系ガラスとReシリケートからなる結
合相:0.05〜20wt%、 Al2O3ホイスカー、Al2O3−B2O3系ホイスカーま
たはSiCホイスカー:10〜30wt%、 Al2O3粒子、Al2O3−B2O3系粒子またはSiC粒
子:0.5〜10wt%、 β−Si3N4および不可避不純物:残部からなる組成を
有し、上記ホイスカーは、平均直径が、0.1〜10μ
m、平均長さが、1〜200μmであり、該ホイスカー
の20〜90%が、すくい面と平行方向に配向した焼結
体からなることを特徴とする耐欠損性に優れたホイスカ
−強化窒化ケイ素基セラミックス製切削工具。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7056201A JPH08252702A (ja) | 1995-03-15 | 1995-03-15 | 耐欠損性に優れたホイスカ−強化窒化ケイ素基セラミックス製切削工具 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7056201A JPH08252702A (ja) | 1995-03-15 | 1995-03-15 | 耐欠損性に優れたホイスカ−強化窒化ケイ素基セラミックス製切削工具 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08252702A true JPH08252702A (ja) | 1996-10-01 |
Family
ID=13020510
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7056201A Withdrawn JPH08252702A (ja) | 1995-03-15 | 1995-03-15 | 耐欠損性に優れたホイスカ−強化窒化ケイ素基セラミックス製切削工具 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08252702A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN104311144A (zh) * | 2014-09-19 | 2015-01-28 | 大连理工大学 | 一种含有垂直于层界面定向排列晶须的层状氧化铝-环氧树脂复合材料及其制备方法 |
-
1995
- 1995-03-15 JP JP7056201A patent/JPH08252702A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN104311144A (zh) * | 2014-09-19 | 2015-01-28 | 大连理工大学 | 一种含有垂直于层界面定向排列晶须的层状氧化铝-环氧树脂复合材料及其制备方法 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20020604 |