JPH08252901A - グラビア彫刻システム - Google Patents

グラビア彫刻システム

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JPH08252901A
JPH08252901A JP28993395A JP28993395A JPH08252901A JP H08252901 A JPH08252901 A JP H08252901A JP 28993395 A JP28993395 A JP 28993395A JP 28993395 A JP28993395 A JP 28993395A JP H08252901 A JPH08252901 A JP H08252901A
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cell
engraving
signal
cells
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JP28993395A
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Hideaki Ogawa
秀明 小川
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Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像の解像度を低下させることなく、セルの
ボリュームを増加させることのできるグラビア彫刻シス
テムを提供することである。 【解決手段】 主走査モータ108は、グラビアシリン
ダを主走査方向に回転させる。加算部105は、一定周
波数および一定振幅のキャリー信号に、印刷すべき画像
の濃度に応じてレベルが変化する濃度信号を重畳するこ
とにより、彫刻信号を発生する。彫刻ヘッド21に含ま
れるスタイラスは、上記彫刻信号に従って往復振動する
ことにより、主走査方向に回転するグラビアシリンダに
対してセルを彫刻する。副走査モータ107は、グラビ
アシリンダの主走査方向に対して1列分のセルの彫刻が
終了する毎に、彫刻ヘッド21を主走査方向と直交する
副走査方向に送る。印刷濃度が最大のセルを彫刻する
際、スタイラスは、彫刻信号の全振幅の半分に相当する
部分、すなわち振幅に相当する部分でグラビアシリンダ
に対する彫刻を実行する。そして、主走査方向へ配置さ
れる1列分のセルは、2回のインターリーブ走査によっ
て形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、グラビア彫刻シス
テムに関し、より特定的には、グラビアシリンダの表面
に複数のセルを彫刻することにより、グラビア印刷のた
めの凹版を製造するグラビア彫刻システムに関する。
【0002】
【従来の技術】グラビア彫刻システムは、表面に銅メッ
キが施された円筒状のシリンダを回転させながら、この
シリンダ表面にセルと呼ばれる微小な凹部を形成し、グ
ラビア印刷のための凹版を作製するシステムである。そ
して、セルの深さと幅とによって当該セルに充填される
インキの量が制御され、印刷濃度が表現されるようにな
っている。シリンダ表面にセルを形成するためには、彫
刻ヘッドが用いられる。彫刻ヘッドには、先端にダイヤ
モンドの針(バイト)を有するスタイラスが設けられて
おり、このスタイラスを数KHzの周波数で振動させて
彫刻を行っている。
【0003】図40(c)は、彫刻ヘッドに印加される
彫刻信号の波形を示したものであり、スタイラスの変位
波形に相当している。この信号波形は、図40(a)に
示すような高周波のキャリー信号波形に、図40(b)
に示すような濃度信号波形を重畳(すなわち、キャリー
信号を濃度信号で変調)して得られるものである。この
ような彫刻信号を彫刻ヘッドに印加することにより、濃
度信号に対応する深さおよび幅のセルをグラビアシリン
ダの表面に彫刻することができる。なお、図40(c)
における一点鎖線Rがグラビアシリンダの表面に相当し
ており、図の斜線のハッチングで示す部分がセルに相当
している。
【0004】ところで、グラビア印刷では、セルの内容
積(ボリューム)が大きいと、印刷媒体にインキが多く
転写され、印刷濃度がアップする。その結果、画像のコ
ントラストがはっきりし、画像の鮮明度が向上する。例
えば、ビニール等の軟包装にグラビア印刷を行う場合、
印刷濃度が低いと中身が透けて見えるため、印刷濃度は
できるだけ濃い方が好ましい。そのため、グラビア印刷
では、いかにしてセルボリュームを増加させて印刷濃度
を向上させるかが、当面の課題となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のグラビア彫刻シ
ステムにおいて、セルのボリュームを向上させる場合、
図40(c)に示す彫刻信号の振幅を大きくすることに
より、セルを深く彫ることが考えられる。しかしなが
ら、セルが深くなると、それに比例して副走査方向(グ
ラビアシリンダの軸と平行な方向)へのセルの横幅が大
きくなる。これでは、副走査方向へのセル間ピッチが広
くなり、画像の解像度が低下し、好ましくない。なお、
スタイラスのダイヤモンドバイトの頂角をより鋭角にす
ることにより、セルの横幅を狭く保ちながらセルを深く
彫ることはできるが、ダイヤモンドバイトの鋭角化はダ
イヤモンドバイトの寿命の低下をもたらし、好ましくな
い。そのため、根本的にこれらの問題を解決する方法が
求められている。
【0006】また、従来のグラビア彫刻システムにおい
て、主走査方向(グラビアシリンダの周方向)への画像
の解像度を上げたい場合、キャリー信号の周波数を高く
して、主走査方向に配置されるセルの数を増やすことが
考えられる。すなわち、キャリー信号の周波数を高くす
ると、それに比例して主走査方向へのセルの長さが短く
なるため、主走査方向へのセル間ピッチを短くすること
ができる。しかしながら、このような方法では、各セル
のボリュームが小さくなり、印刷濃度が低下してしまい
好ましくない。また、装置を高周波で駆動する必要があ
るため、高い精度が要求され、高価になる。
【0007】それゆえに、本発明の目的は、副走査方向
への画像の解像度を低下させることなく、セルのボリュ
ームを増加させることのできるグラビア彫刻システムを
提供することである。本発明の他の目的は、セルボリュ
ームを低下させることなく、また装置のコストアップを
招くことなく、主走査方向への解像度を上げることので
きるグラビア彫刻システムを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段および発明の効果】第1の
発明は、グラビアシリンダの表面に複数のセルを彫刻す
ることにより、グラビア印刷のための凹版を製造するグ
ラビア彫刻システムであって、グラビアシリンダを主走
査方向に回転させる回転手段と、一定周波数および一定
振幅を有する正弦波状のキャリー信号を発生するキャリ
ー信号発生手段と、与えられる画像データの階調に応じ
てレベルが変化する濃度信号を発生する濃度信号発生手
段と、キャリー信号に濃度信号を重畳することにより、
彫刻信号を発生する彫刻信号発生手段と、彫刻信号に応
じて往復振動することにより、主走査方向に回転するグ
ラビアシリンダに対して、セルを彫刻するスタイラス
と、グラビアシリンダに対して主走査方向への1列分の
セルの彫刻が終了する毎に、スタイラスを主走査方向と
直交する副走査方向に送るスタイラス送り手段とを備
え、スタイラスが彫刻信号の全振幅の一部に相当する部
分でグラビアシリンダに対する彫刻を実行するように、
キャリー信号の振幅および濃度信号のレベルが所定の関
係に調整されており、スタイラスに基準位相に設定され
た第1の彫刻信号を印加することによりグラビアシリン
ダの主走査方向へ第1のセル群を形成させ、その後スタ
イラスに当該基準位相から所定位相量ずれた第2の彫刻
信号を印加することにより当該第1のセル群と所定の関
係を有する第2のセル群を主走査方向の同一ライン上に
形成させる2度彫り制御手段をさらに備え、それによっ
て主走査方向へ配置される1列分のセルを、2回のイン
ターリーブ走査によって形成することを特徴としてい
る。
【0009】上記のように、第1の発明では、彫刻信号
の全振幅の一部に相当する部分でグラビアシリンダに対
する彫刻を実行すると共に、主走査方向へ配置される1
列分のセルを、2回のインターリーブ走査によって形成
するようにしている。これによって、各セルは、従来の
グラビア彫刻機により形成されるセルよりも小さくなる
が、その壁面が従来のセルの壁面よりも切り立つことと
なる。その結果、主走査方向へ隣り合う2つのセルを一
部重ね合わせて彫刻した場合、それら2つのセルを合わ
せた場合のボリュームが、従来のセルのボリュームに比
べて増加する。従って、印刷濃度が従来に比べて向上す
る。また、各セルの副走査方向への横幅は従来のセルと
同程度にすることができ、副走査方向の画像の解像度の
低下を生じない。さらに、各セルの壁面面積は、従来の
セルの壁面面積に比べて少なくなり、インキの転写効率
が向上する。
【0010】第2の発明は、第1の発明において、第1
および第2のセル群における主走査方向に隣り合う2つ
のセルは、それぞれが同一の画像データに基づいて彫刻
されていることを特徴とする。
【0011】上記のように、第2の発明では、主走査方
向に隣り合う2つのセルを、それぞれ同一の画像データ
に基づいて彫刻することにより、当該2つのセルで実質
的に従来の1つのセル分の階調値を表現するようにして
いる。従って、当該2つのセルが重ね合わせて彫刻され
たとき、1つの画像データに対応するセルのボリューム
を、従来のセルよりも増加させることができ、印刷濃度
を向上させることができる。
【0012】第3の発明は、第2の発明において、第1
のセル群と第2のセル群との間の所定の関係は、主走査
方向に隣り合う2つのセルの内、一方のセルと他方のセ
ルとが重なり合わない第1の関係と、主走査方向に隣り
合う2つのセルの内、一方のセルと他方のセルとが一部
重なり合う第2の関係とを含むことを特徴とする。
【0013】上記第3の発明では、主走査方向に隣り合
う2つのセルを彫刻する際、画像データで示される階調
値が小さいときは、当該2つのセルが重なり合わないよ
うに彫刻される。一方、画像データで示される階調値が
大きいときは、当該2つのセルが一部重なり合うように
彫刻される。従って、画像データで示される階調値の大
小に応じて、適切な関係で彫刻を行うことができる。
【0014】第4の発明は、第1の発明において、第1
および第2のセル群における主走査方向に隣り合う2つ
のセルは、それぞれが異なる画像データに基づいて彫刻
されていることを特徴とする。
【0015】上記のように、第4の発明では、主走査方
向に隣り合う2つのセルを、それぞれ異なる画像データ
に基づいて彫刻するようにしているので、主走査方向へ
の解像度を従来に比べて上げることができる。
【0016】第5の発明は、第4の発明において、第1
のセル群と第2のセル群との間の所定の関係は、主走査
方向に隣り合う2つのセルの内、一方のセルと他方のセ
ルとが重なり合わない第1の関係と、主走査方向に隣り
合う2つのセルの内、一方のセルと他方のセルとが一部
重なり合う第2の関係と、主走査方向に隣り合う2つの
セルの内、一方のセルが他方のセルを内包する第3の関
係とを含むことを特徴とする。
【0017】上記第5の発明では、主走査方向に隣り合
う2つのセルを彫刻する際、当該2つのセル間の画像デ
ータの関係に応じて、種々の形態が生じ得る。すなわ
ち、第1の形態では、当該2つのセルが重なり合わない
ように彫刻される。また、第2の形態では、当該2つの
セルが重なり合うように彫刻される。また、第3の形態
では、一方のセルが他方のセルを内包するように彫刻さ
れる。従って、画像データの関係に応じて、適切な関係
で種々の形態の彫刻を行うことができる。
【0018】第6の発明は、第5の発明において、第2
または第3の関係にある2つのセルを彫刻する際、重な
り合いまたは内包によって減少する面積に応じて、当該
2つのセルに対応する画像データの階調を補正する補正
手段をさらに備えている。
【0019】上記のように、第6の発明では、主走査方
向に隣り合う2つのセルを彫刻する際、両セルが一部重
なり合うか、一方のセルが他方のセルを内包する場合
は、重なり合いまたは内包によって減少する面積に応じ
て、当該2つのセルに対応する画像データの階調を補正
するようにしている。これによって、元の画像データ上
で指示された階調が忠実に再現される。
【0020】第7の発明は、第6の発明において、補正
手段は、第3の関係にある2つのセルを補正する際、他
方のセルを一方のセルから強制的にはみ出させて、第2
の関係になるようにすることを特徴とする。
【0021】上記のように、第7の発明では、一方のセ
ルが他方のセルを内包する関係にあるセルペアを補正す
る際、他方のセルを一方のセルから強制的にはみ出させ
て、一部が重なり合う関係になるようにしている。これ
によって、内包によって失われていた他方のセルの階調
を忠実に表現することが可能となる。
【0022】第8の発明は、第1の発明において、印刷
濃度が最大のセルを彫刻する際に、スタイラスが彫刻信
号の振幅に相当する部分でグラビアシリンダに対する彫
刻を実行するように、キャリー信号の振幅および濃度信
号の最大濃度時のレベルが所定の関係に調整されてお
り、第2の彫刻信号は、第1の彫刻信号から+60°位
相がずれていることを特徴とする。
【0023】上記のように、第8の発明では、印刷濃度
が最大のセルを、彫刻信号の振幅に相当する部分を用い
て彫刻する際、スタイラスには、第1の彫刻信号から6
0°位相のずれた第2の彫刻信号が与えられる。これに
よって、隣接するセル列同士を最も接近して配置するこ
とが可能となり、各セルの開口面積が最大になる。その
結果、各セルのボリュームも最大になる。
【0024】第9の発明は、第1の発明において、印刷
濃度が最大のセルを彫刻する際に、スタイラスが彫刻信
号の振幅に相当する部分でグラビアシリンダに対する彫
刻を実行するように、キャリー信号の振幅および濃度信
号の最大濃度時のレベルが所定の関係に調整されてお
り、第2の彫刻信号は、第1の彫刻信号から−60°位
相がずれていることを特徴とする。
【0025】上記のように、第9の発明では、印刷濃度
が最大のセルを、彫刻信号の振幅に相当する部分を用い
て彫刻する際、スタイラスには、第1の彫刻信号から−
60°位相のずれた第2の彫刻信号が与えられる。これ
によって、隣接するセル列同士を最も接近して配置する
ことが可能となり、各セルの開口面積が最大になる。そ
の結果、各セルのボリュームも最大になる。また、スタ
イラスは、主走査方向に隣り合う2つのセルを彫刻する
際に、それぞれのセルを常にグラビアシリンダの表面か
ら彫り始めることになるため、彫りはじめの抵抗力が両
セルで均一となり、セル形状のバランスが崩れることが
ない。
【0026】
【発明の実施の形態】
(1)第1の実施形態 図1および図2は、それぞれ、本発明の第1の実施形態
に係るグラビア彫刻システムで用いられるグラビア彫刻
機の正面図および平面図である。図1および図2におい
て、このグラビア彫刻機は、ベッド1と、ベッド1の上
面に固定された主軸台2と、主軸台2と対向して配置さ
れた芯押し台3と、テーブル4とを備えている。芯押し
台3は、ベッド1の上面に配置された1対のガイドレー
ル6に沿って装置の左右方向に移動自在である。そし
て、ベッド側部に設けられたモータおよびベルト等から
なる駆動機構9によって、芯押し台3は主軸台2に対し
て接近または離反可能である。なお、芯押し台3のセン
タ12は、シリンダ13によって出没自在である。テー
ブル4は、ベッド1の上面に配置された1対のガイドレ
ール7に沿って左右方向に移動自在である。そして、1
対のガイドレール7間に配置されたボールネジ15およ
びこれを駆動するための駆動モータ16によって、テー
ブル4はガイドレール7に沿って移動可能である。主軸
台2の主軸10は、駆動モータおよびベルト等からなる
駆動機構11によって回転させられるようになってい
る。このような構成において、グラビアシリンダ14
は、図1の二点鎖線で示すように、主軸10とセンタ1
2との間に支持される。
【0027】テーブル4には、彫刻ヘッド21が、グラ
ビア彫刻機の前後方向に移動自在に設けられている。そ
して、テーブル4の上面には、1対のガイドレール20
が設けられ、ボールネジ22および駆動モータ23から
なる駆動機構によって彫刻ヘッド21が移動させられる
ようになっている。
【0028】図3は、上記彫刻ヘッド21に設けられた
スタイラスおよびその駆動機構を示す斜視図である。図
3において、スタイラス30は、捩りシャフト31の先
端に固定されており、その一端にはダイヤモンドバイト
32が装着されている。捩りシャフト31の他端部は固
定部33に固定されている。また、捩りシャフト31の
中間部には、平面視菱形のロータ34が固着されてい
る。ロータ34の周囲には、ロータ34を挟み込むよう
に積層磁性体(ステータ)35が配置されており、この
ステータ35の側部にはステータ35に磁力を与えるた
めの永久磁石36が配置されている。また、ロータ34
の周囲でロータ34とステータ35との間には、コイル
37が配置されている。このような構成では、コイル3
7に彫刻信号を印加することにより、スタイラス30は
図の矢印Bの方向に彫刻信号の周波数に応じて振動す
る。
【0029】図4は、上記ダイヤモンドバイト32の外
観図であり、特に、図4(a)はその正面図であり、図
4(b)はその左側面図であり、図4(c)はその底面
図である。図4に示すごとく、ダイヤモンドバイト32
は、三角錐の形状をしており、この三角錐の頂点32a
でグラビアシリンダ14の表面を彫る。
【0030】上記のように構成された、第1の実施形態
で用いられるグラビア彫刻機は、図5に示す主走査方向
(グラビアシリンダ14の周方向)に沿ってセルを彫
り、1列分彫り終わると、彫刻ヘッド21が副走査方向
(グラビアシリンダ14の回転軸と平行な方向)に所定
ピッチ送られ、次の列のセルを彫っていく。これを繰り
返すことにより、グラビアシリンダ14の表面に、複数
のセルで構成された凹版が形成される。
【0031】図6は、図1および図2に示すグラビア彫
刻機を用いたグラビア彫刻システムの電気的な構成を示
すブロック図である。図6において、グラビア彫刻機1
00には、パーソナルコンピュータ等により構成される
データ作成装置201が接続されている。このデータ作
成装置201には、スキャナ等の読取装置202と、そ
の他の画像システム203と、ハードディスク装置等の
外部記憶装置204と、キーボード,マウス等の操作部
205とが接続されている。データ作成装置201は、
読取装置202によって所定の原稿から読み取られたデ
ータや、その他の画像システム203から得られたデー
タに基づいて、グラビア製版用の画像データを作成す
る。例えば、データ作成装置201は、その他の画像シ
ステムからオフセット用画像データを得て、オフセット
/グラビア変換して画像データを作成する。オペレータ
は、操作部205を操作することにより、データ作成装
置201に種々の指令を入力する。オペレータは、例え
ば、彫刻条件(線数、セルパターン(エロンゲート,コ
ンプレスト等)の選択、1度彫り,2度彫りの選択等)
を入力して指令する。操作部205からの入力指令に基
づいて、データ作成装置201は、上記画像データと共
に、キャリー指令データ,副走査指令信号および主走査
指令信号を発生する。これらデータおよび信号は、グラ
ビア彫刻機100に与えられる。
【0032】グラビア彫刻機100は、濃度信号発生部
101と、キャリー信号発生部102と、副走査モータ
制御部103と、主走査モータ制御部104と、加算部
105と、彫刻ヘッド21と、副走査モータ107と、
主走査モータ108とを備えている。濃度信号発生部1
01は、データ作成装置201から与えられる画像デー
タに基づいて、濃度信号を発生する。キャリー信号発生
部102は、データ作成装置201から与えられるキャ
リー指令データに基づいて、振幅やオフセット量を決定
し、キャリー信号を発生する。濃度信号発生部101か
らの濃度信号およびキャリー信号発生部102からのキ
ャリー信号は、加算部105で加算された後、彫刻信号
として彫刻ヘッド21に印加される。副走査モータ10
7は、彫刻ヘッド21を副走査方向に移動させるための
モータである。主走査モータ108は、グラビアシリン
ダ14を回転させるためのモータである。副走査モータ
制御部103は、線数や1度彫り,2度彫り等の違いに
応じて、彫刻ヘッド21の副走査方向の送り量を変える
ため、データ作成装置201からの副走査指令信号に基
づいて、副走査モータ107を制御する。主走査モータ
制御部104は、セルパターンや線数の違いに応じて、
グラビアシリンダ14の回転速度を変えるため、データ
作成装置201からの主走査指令信号に基づいて、主走
査モータ108を制御する。
【0033】上述した第1の実施形態の詳細な動作を説
明する前に、上記第1の実施形態の原理について説明す
る。図7は、第1の実施形態において、最大濃度セル
(最大濃度を表現するためのセル)の彫刻時における彫
刻信号の波形を示している。従来は、図40(c)に示
すように、彫刻信号の全振幅をaに設定し、当該全振幅
aを用いて、最大濃度セルを彫刻するようにしていた。
これに対し、第1の実施形態では、図7に示すように、
彫刻信号の全振幅を従来の2倍の2aに設定し、当該全
振幅2aの半分、すなわち振幅aに相当する部分を用い
て、最大濃度セルを彫刻するようにしている。また、第
1の実施形態では、グラビアシリンダ14の主走査方向
への彫刻を、2回繰り返すようにしている。すなわち、
まず図7の実線の彫刻信号g1によって、グラビアシリ
ンダ14の主走査方向に1度目のセルが彫刻される。そ
の後、1度目の彫刻g1から所定角度シフトされた点線
の彫刻信号g2によって、グラビアシリンダ14に対し
て2度目の彫刻が行われる。したがって、1つのセル
は、2度彫りによって形成され、図7の斜線ハッチング
で示す部分が各セルに対応している。
【0034】図8は、最大濃度セル彫刻時における、第
1の実施形態の彫刻信号波形と、従来の彫刻信号波形と
を比較して示した図である。図8において、実線で示す
信号波形g1,g2が第1の実施形態の彫刻信号波形を
表しており、点線で示す信号波形hが従来の彫刻信号波
形を表している。図8から明らかなように、セルの最深
部の深さは、第1の実施形態および従来共にaであり変
わらないが、セルの壁面の角度が第1の実施形態と従来
とで異なっている。すなわち、セルの前端壁面の角度
は、第1の実施形態がα1で従来がβ1である。また、
セルの後端壁面の角度は、第1の実施形態がα2で従来
がβ2である。そして、α1>β1であり、α2>β2
であるので、第1の実施形態の彫刻機で彫られたセルの
方が、従来の彫刻機で彫られたセルよりも切り立った壁
面形状をしている。これによって、第1の実施形態のセ
ルは、そのボリュームが従来のセルよりも大きくなって
いる。
【0035】図9は、従来のグラビア彫刻機により彫ら
れたセルの上面形状および配置を示す図である。図9に
示すように配置された従来のセルは、それぞれの形状
が、図10に示すように縦長の菱形に近似している。
【0036】図11は、第1の実施形態のグラビア彫刻
機により彫られたセルの上面形状および配置を示す図で
ある。図11に示すように配置された第1の実施形態の
セルは、それぞれの形状が、図12に示すように六角形
に近似している。
【0037】図13は、第1の実施形態のグラビア彫刻
機により彫られたセルの配置と、従来のグラビア彫刻機
により彫られたセルの配置とを比較して示す図である。
図13において、実線は第1の実施形態による疑似六角
形セルを示し、点線は従来の疑似菱形セルを示してい
る。図13に示すように、第1の実施形態の疑似六角形
セルは、従来の疑似菱形セルと同様に、予め定められた
セルの縦横ピッチ比(エロンゲートの場合は3対2、コ
ンプレストの場合は2対3、図13はエロンゲートの場
合を示している)に従って、規則的に配置が可能である
ことが分かる。
【0038】前述したように、第1の実施形態のグラビ
ア彫刻機により彫られたセルは、従来のセルに比べて、
その壁面形状が切り立っている。これによって、第1の
実施形態のセルは、従来のセルよりもボリュームが大き
くなっているが、このことを数式を用いて以下に証明す
る。
【0039】図14は、第1の実施形態のグラビア彫刻
機により形成されたセル列の隣接部分において、各セル
列の開口部の輪郭が変位する様子を、彫刻信号と同じ正
弦波で示した図である。図14では、正弦波状に駆動さ
れるスタイラスのストロークの半分を使って、まず第1
のセル列が形成され、次にセルの位置を主走査方向に距
離2dだけシフトさせて、第1のセル列と部分的に重な
る位置に第2のセル列が形成される。そして、副走査送
りが行われ、正弦波の位相を180°変えて同様の2度
彫りが行われる。
【0040】まず、上記のような彫刻を行う場合の適正
なシフト量2dの値を求める。図14において、y=p
/2での第2のセル列の、yのプラス方向の輪郭(−g
2)を次式(1)で表す。 y=−a・sin{π(x−d)/k}+(p/2) …(1) また、y=−p/2での第1のセル列の、yのマイナス
方向の輪郭(g1’)を次式(2)で表す。 y=−a・sin{π(x+d)/k}−(p/2) …(2)
【0041】次に、上式(1),(2)からyを消去す
ると、次式(3)が得られる。 cos(πx/k)=−p/{2a・sin(πd/k)} …(3) ここで、式(1),(2)の2つの曲線が接していると
すると、上式(3)から、次式(4)が成り立つ。 ABS[−p/{2a・sin(πd/k)}]=1 …(4) ここで、a,p,k,d>0であるから、上式(4)か
ら、次式(5)が得られる。 a=p/{2sin(πd/k)} …(5)
【0042】セルの幅をできるだけ大きくとるため、a
=pとすると、上式(5)から、次式(6)が得られ
る。 2sin(πd/k)=1 …(6) 上式(6)を変形すると、 sin(πd/k)=1/2 πd/k=π/6 d=k/6 となる。したがって、第1のセル列と第2のセル列との
位置のシフト量2dは、 2d=2×k/6 =k/3 となる。ここで、kは、位相角で言うと180°である
から、シフト量2dは、 2d=180°/3 =60° となる。
【0043】すなわち、全振幅を従来の2倍の2aにし
て、印刷濃度が最大のセルを彫刻する際に、半分の振幅
aで彫刻を実行する場合には、第1のセル列から主走査
方向に60°シフトされて第2のセル列が形成されたと
きに、副走査方向に隣接する2セル列間の隙間が最も少
なくなる。したがって、セルのボリュームも最大にな
る。
【0044】次に、第1の実施形態で彫られたセルのボ
リュームVを計算する。なお、以下の計算では、一例と
してエロンゲートの場合のセルボリュームを求めてい
る。セルの深さと幅の比をcとし、2k=k’とする
と、第1の実施形態のセルのボリュームVは、次式
(7)で与えられる。
【0045】
【数1】
【0046】次に、同じ線数の条件下で彫られた従来の
セルのボリュームVsを計算する。この従来のセルのボ
リュームVsは、次式(8)で与えられる。
【0047】
【数2】
【0048】上式(7),(8)から、従来のセルのボ
リュームVsに対する第1の実施形態のセルボリューム
Vの増加率Zを計算すると、 Z={(V−Vs)/Vs}×100 ={(0.402−0.375)/0.375}×100 =7.2(%) となる。したがって、第1の実施形態によるセルのボリ
ュームVは、従来のセルのボリュームVsに比べて、
7.2%増加することが分かる。
【0049】本願発明者は、実際に第1の実施形態のグ
ラビア彫刻機でセルを彫った場合の印刷濃度と、従来の
グラビア彫刻機でセルを彫った場合の印刷濃度とを比較
する実験を行った。この実験は、エロンゲートセルを対
象として行われた。また、この実験は、第1の実施形態
で2度彫りを行う際のセル間の位相差が60°であり、
ダイヤモンドバイトの頂角が130°であり、線数が1
75線/インチの条件下で行われた。なお、線数は、図
13の幅uを基準として定められる。
【0050】上記実験により、第1の実施形態のグラビ
ア彫刻機でセルを彫った場合の印刷濃度は2.87であ
るのに対し、従来のグラビア彫刻機でセルを彫った場合
の印刷濃度は2.40であるという結果が得られた。し
たがって、従来に対する第1の実施形態の濃度増加率
は、 {(2.87−2.4)/2.4}×100=19.6
(%) となる。すなわち、第1の実施形態では、20%近い濃
度の増加が認められる。
【0051】計算されたセルのボリュームの増加に対し
て実測の濃度値の増加の方がはるかに大きいのは、ボリ
ュームだけではなくその形状も濃度値に影響を及ぼして
いるためと考えられる。第1の実施形態による疑似六角
形セルは、従来のセル形状と比較した場合、その壁面が
切り立った形状になる。これにより、同じボリュームで
あっても、第1の実施形態の疑似六角形セルの方が、従
来のセルよりも、セル内の壁面面積が小さくなる。そし
て、印刷時にインキが転写されずにセル内に残る量がこ
の壁面面積に依存すると考えると、この結果が理解され
る。
【0052】図15は、第1の実施形態の動作を示すフ
ローチャートである。また、図16は、第1の実施形態
のグラビア彫刻機によって彫られたセルの配置およびそ
の位相関係を示す図である。以下、これら図15および
図16を参照して、第1の実施形態の動作をより詳細に
説明する。
【0053】まず、所定の初期動作が行われる(ステッ
プS401)。この初期動作では、データ作成装置20
1は、操作部205から入力された指令に基づいて、キ
ャリー指令データ,副走査指令信号および主走査指令信
号を発生する。応じて、キャリー信号発生部102は、
予め定められた周波数および振幅のキャリー信号を発生
する。このキャリー信号は、加算部105を介して、彫
刻ヘッド21に与えられる。応じて、彫刻ヘッド21の
スタイラス30は、図3の矢印B方向に往復回動運動す
る。このとき、データ作成装置201から画像データが
出力されていないため、スタイラス30の先端に設けら
れたダイヤモンドバイト32はグラビアシリンダ14に
当接していない。したがって、彫刻は行われていない。
また、主走査モータ制御部104は、データ作成装置2
01からの主走査指令信号に基づいて、主走査モータ1
08を回転させる。応じて、グラビアシリンダ14が、
操作部205で設定されたセルパターンや線数に応じた
速度で回転される。また、副走査モータ制御部103
は、データ作成装置201からの副走査指令信号に基づ
いて、副走査モータ107を駆動する。応じて、彫刻ヘ
ッド21が副走査方向のスタート位置(最初のセル列を
彫刻すべき位置)に移動される。
【0054】次に、データ作成装置201は、図示しな
い内部カウンタiをクリアした後(ステップS40
2)、当該カウンタiを1だけインクリメントする(ス
テップS403)。次に、データ作成装置201は、カ
ウンタiの計数値が奇数か否かを判断する(ステップS
404)。カウンタiの計数値が奇数の場合、データ作
成装置201は、キャリー信号の位相を基準位相に設定
するためのキャリー指令データを、キャリー信号発生部
102に出力する。応じて、キャリー信号発生部102
は、基準位相0°に設定されたキャリー信号を発生する
(ステップS405)。次に、データ作成装置201
は、カウンタiの計数値で指定される列番号のセル列
(i列目のセル列)の奇数番目のセルのための画像デー
タを出力する。この画像データは、濃度信号発生部10
1で濃度信号に変換され、加算部105でキャリー信号
に加算される。これによって、加算部105から彫刻信
号が出力され、彫刻ヘッド21に与えられる。応じて、
彫刻ヘッド21は、i列目のセル列の奇数番目のセル
(図16のE11、E13)を彫刻する(ステップS40
6)。
【0055】次に、データ作成装置201は、キャリー
信号の位相を所定角度(ここでは、60°)だけ進める
ためのキャリー指令データを、キャリー信号発生部10
2に出力する。応じて、キャリー信号発生部102は、
基準位相に対して60°だけ位相が進んだキャリー信号
を発生する(ステップS407)。次に、データ作成装
置201は、i列目のセル列の偶数番目のセルのための
画像データを出力する。この画像データは、濃度信号発
生部101で濃度信号に変換された後、加算部105で
キャリー信号に加算され、彫刻信号に変換される。彫刻
ヘッド21は、この彫刻信号に応じて、i列目のセル列
の偶数番目のセル(図16のE12、E14)を彫刻する
(ステップS408)。
【0056】次に、データ作成装置201は、全てのセ
ル列を彫り終わったか否かを判断する(ステップS40
9)。もし、彫刻が済んでいないセル列が存在する場
合、データ作成装置201は、彫刻ヘッド21を1ピッ
チだけ送るための副走査指令信号を出力し、副走査モー
タ制御部103に与える。副走査モータ制御部103
は、与えられた副走査指令信号に応答して、副走査モー
タ107を駆動する。これによって、彫刻ヘッド103
が図16に示す1ピッチP分、副走査方向に送られる
(ステップS410)。その後、前述のステップS40
3の動作に戻り、次のセル列の彫刻が行われる。
【0057】次に彫刻すべきセル列が偶数列目のセル列
の場合、データ作成装置201は、前述のステップS4
04において、カウンタiの計数値が偶数であることを
検出し、ステップS411に進む。ステップS411に
おいて、データ作成装置201は、キャリー信号の位相
を基準位相に対して180°進めるためのキャリー指令
データを、キャリー信号発生部102に出力する。応じ
て、キャリー信号発生部102は、基準位相に対して1
80°位相が進んだキャリー信号を発生する。これによ
って、グラビアシリンダ14には、奇数列目のセル列か
ら180°位相のずれた位置に、偶数列目のセル列(図
16のE21,E22)が彫刻される(ステップS406〜
S408)。
【0058】上記の動作が繰り返され、全てのセル列の
彫刻が終了すると、データ作成装置201は、ステップ
S412において、所定の終了動作を実行する。この終
了動作では、例えば、グラビアシリンダ14の回転が停
止され、彫刻ヘッド21がホームポジションに復帰され
る。
【0059】なお、上記第1の実施形態では、彫刻信号
の全振幅の半分に相当する部分、すなわち、振幅に相当
する部分で最大濃度セルを彫刻するようにしているが、
本発明はこれに限定されることなく、彫刻信号の全振幅
の一部で最大濃度セルを彫刻するものであっても良い。
【0060】また、上記第1の実施形態では、エロンゲ
ートで配置されたセルについて示されているが、本発明
は、その他のピッチ比(コンプレスト、ノーマル等)で
配置されたセルについても勿論適用が可能である。
【0061】ところで、上記第1の実施形態では、主走
査方向に重なり合う2つのセルを、異なる画像データ
(階調データ)を用いて彫刻している。この場合、これ
ら2つのセルは、異なる階調値を表現することとなるた
め、主走査方向の解像度が従来の2倍になる。しかも、
セルボリュームについては、主走査方向に重なり合う2
つのセルは、互いに連通しているため、1つのセルとし
て扱うことができる。従って、印刷濃度が従来に比べて
下がることがない。一方、これら2つのセルを同一の画
像データを用いて彫刻してもよい。この場合、図15に
おけるステップS406及びS408では、奇数、偶数
番目によらず同一の画像データを繰り返し彫刻すること
になり、重なり合うセルは1つの階調値を表現する実質
的に1つのセルを構成することになる。
【0062】なお、上記のように、主走査方向に重なり
合う2つのセルを、異なる画像データを用いて彫刻する
場合、セルの面積について問題が生じる。この問題を図
17を参照して、以下に説明する。例えば図17(a)
に示すように、面積A1 のセルと面積A2 のセルとを彫
刻しようとする場合、画像データで表現された階調すな
わち印刷濃度を忠実に再現するためには、2つのセルを
併せた面積として、A 1 +A2 が必要となる。しかしな
がら、図17(b)に示すように、2つのセルの一部が
重なる場合、2つのセルの併合面積は、A1 +A2 から
重なり部分の面積β分だけ減少し、A1 +A2 −βとな
る。これでは、画像データで表現された階調を正確に表
現できないことになる。
【0063】そこで、後述する第2の実施形態では、2
つのセルが重なる場合、図17(c)に示すように各セ
ルの面積を広げるように画像データの階調を補正するこ
とにより、彫刻後のセルの併合面積が当初予定していた
セルの面積とほぼ一致するようにしている。すなわち、
補正後の各セルの面積をA1 ’およびA2 ’、それらの
重なり部分の面積をβ’とすると、後述する第2の実施
形態では、 A1 ’+A2 ’−β’≒A1 +A2 を満足するような補正を、画像データに対して行ってい
る。なお、主走査方向に隣接する2つのセルのいずれか
一方または両方が小さい場合は、セル同士が重ならない
ので、上記のような補正は行われない。
【0064】また、上記第1の実施形態では、画像デー
タが示す階調、つまり印刷濃度は、セルの横幅(副走査
方向の幅)になって現れる。このように、画像データ上
での階調変化はセルの横幅に対応しており、しかもセル
面積はセルの横幅のほぼ2乗に比例しているので、画像
データ上の階調変化とセル面積との関係は、図18に実
線g3で示すように非線形な関係、より具体的には2次
関数的な関係になる。このように、上記第1の実施形態
では、画像データ上での階調変化がセル面積に対して直
線的に比例していないので、印刷物の濃度を正確に制御
できないという問題点がある。そこで、後述する第2の
実施形態では、画像データの階調表現を補正することに
より、画像データ上での階調変化とセル面積との関係
が、図18の点線g4で示すような線形な関係になるよ
うにしている。
【0065】(2)第2の実施形態 本発明の第2の実施形態に係るグラビア彫刻システム
は、上述した2つの問題点を解決することを目的として
構成されているが、その基本的な構成は、第1の実施形
態のグラビア彫刻システム(図1〜図6参照)と同様で
あるので、構成については第1の実施形態を援用するこ
ととし、その詳細な説明は省略する。
【0066】第2の実施形態において、図6のデータ作
成装置201は、濃度信号発生部101に与える画像デ
ータの階調に対して所定の補正を行う。これによって、
読取装置202または他の画像システム203から取り
込んだ元の画像データで表現される階調が忠実に再現さ
れる。補正後の画像データに基づくグラビア彫刻機10
0の動作は、前述の第1の実施形態と同様であって良
い。すなわち、主走査方向へ沿って配置される1列分の
セルは、2回のインターリーブ走査によって形成され
る。ただし、主走査方向に隣り合う2つのセル(一方の
セルは1回目のインターリーブ走査によって形成され、
他方のセルは2回目のインターリーブ走査によって形成
される)は、それぞれが異なる画像データによって形成
される。これによって、主走査方向の解像度が従来の2
倍となる。
【0067】なお、第2の実施形態では、図19に示す
ように、8ビットで表現可能な値0〜256の内、値2
9〜228を用いて階調を表現している。ここで、値2
9は最小濃度階調に対応し、値228は最大濃度階調に
対応している。従って、最小濃度階調,最大濃度階調お
よび中間濃度階調は、199段階の階調値で表現され
る。
【0068】図20は、本発明の第2の実施形態に係る
グラビア彫刻システムの動作を示すフローチャートであ
る。この図20の動作は、主として図6のデータ作成装
置201によって実行される。以下、この図20を参照
して、第2の実施形態の動作を説明する。
【0069】まず、データ作成装置201は、予め設定
された各種パラメータの中から、補正に必要なパラメー
タを選択し入力する(ステップS501)。このとき入
力されるパラメータは、最大セル幅WMAX と、最小セル
幅WMIN と、主走査方向へのセルピッチP3 (図16参
照)と、副走査方向へのセルピッチP4 (図16参照)
とである。ここで、最大セル幅WMAX は、最大濃度階調
228に対応するセルつまり最大濃度セルの副走査方向
への幅である(図19参照)。また、最小セル幅WMIN
は、最低濃度階調29に対応するセルつまり最小濃度セ
ルの副走査方向への幅である(図19参照)。
【0070】次に、データ作成装置201は、上記ステ
ップS501で入力した各種パラメータに基づき、後述
する面積補正に必要な所定値を演算する(ステップS5
02)。以下、この所定値について詳細に説明する。
【0071】1.キャリー信号の正弦波振幅aの演算 最大セル幅WMAX は、キャリー信号の全振幅2a(図7
参照)と等しい。従って、キャリー信号の正弦波振幅a
は、最大セル幅WMAX を、1/2することによって求め
られる。すなわち、当該正弦波振幅aは、次式(9)に
よって求められる。 a=0.5×WMAX …(9)
【0072】2.所定の値ωの演算 この所定の値ωは、後に行う面積補正の演算に多用され
る。そこで、予め値ωを求めておくことにより、後の補
正演算を簡素化するようにしている。ωは、次式(1
0)によって求められる。 ω=2×P3 ×a/π …(10)
【0073】3.セル面積Aの演算式 今、セル幅W(=2f)を有するセルの面積を考える
と、当該セル面積Aは、図22の斜線部の4倍の面積と
なる。図22において、セルの外形曲線φの方程式は、
次式(11)で表される。
【数3】
【0074】なお、図22における点x0 の座標は、上
式(11)でy=0と置いたときのxの値として求めら
れ、次式(12)で表される。
【数4】
【0075】従って、セル面積Aは、次式(13)で求
められる。
【数5】
【0076】上式(13)により所定のセル幅W(=2
f)のセル面積Aが求まる。なお、階調γによってセル
幅Wが決まるので、セル面積Aは、階調γによって決定
できる。
【0077】4.単位階調当たりの面積の増分ΔAの演
算 最大セル面積をAMAX 、最小セル面積をAMIN とする
と、単位階調当たりの面積の増分ΔAは、次式(14)
で求められる。
【数6】
【0078】なお、上式(14)において、最大セル面
積AMAX は、前述の式(13)のfに、f=fMAX =2
aを代入することにより、次式(15)で求められる。 AMAX =2×P3 ×a/π=ω …(15)
【0079】また、最小セル面積AMIN は、前述の式
(13)のfに、f=fMIN を代入することにより、次
式(16)で求められる。
【数7】
【0080】なお、上式(16)において、fMIN /a
は、次式(17)で求められる。 fMIN /a=WMIN /WMAX …(17)
【0081】以上のように、ステップS502では、キ
ャリー信号の正弦波振幅aと、所定の値ωと、セル面積
Aの演算式と、単位階調当たりの面積の増分ΔAとが求
められる。
【0082】次に、データ作成装置201は、元データ
の階調とセルの面積とを直線的な関係にするためのデー
タ変換テーブルを作成する(ステップS503)。この
データ変換テーブル作成動作について、まず具体的数値
を挙げながら説明する。なお、以下に示す各数値は、一
例であり、本発明はこれらの数値に限定されないことを
予め指摘しておく。
【0083】図23に示すように、元データ(読取装置
202または他の画像システム203から取り込んだデ
ータ)の階調は、29〜228の199段階に変化す
る。それに伴って、セルの面積は、841(=292
〜51984(=2282 )の範囲で変化する。従っ
て、セルの面積が、単位階調当たり (51984−841)/199=257 ずつ増減すれば、図24に示すように、元データの階調
に対してセル面積が理想的に変化、すなわち直線的に比
例することになる。例えば、元データの階調が100で
あれば、理想的なセル面積は、 841+257(100−29)=19088 となる。この理想的な面積19088に対する元データ
の階調は、図25に示すように、138となる。上記ス
テップS503では、このような変換を行うためのテー
ブルを作成する。
【0084】ステップS503において、データ作成装
置201は、まず前述のステップS502で求めた式
(13)を用いて、元データの階調γ=29〜228に
対するセル面積A(29)〜A(228)を演算し、図
26(a)に示すような第1リストを作成する。次に、
データ作成装置201は、次式(18)を用いて、元デ
ータの階調γ=29〜228に対する理想的なセル面積
A’(29)〜A’(228)を演算し、図26(b)
に示すような第2リストを作成する。 A’=ΔA(γ−29)+AMIN …(18) 次に、データ作成装置201は、第2リスト上の理想的
な各セル面積に対応する元データの階調値を第1リスト
上から検索し、図26(c)に示すような階調データの
変換テーブルを作成する。
【0085】次に、データ作成装置201は、上記ステ
ップS503で作成したデータ変換テーブル(図26
(c)参照)を用いて、元データの階調を変換する(ス
テップS504)。変換後の階調データは、一時的にデ
ータ作成装置201の内部メモリに記憶される。
【0086】次に、データ作成装置201は、これから
彫刻すべき各セルの面積を補正する(ステップS50
5)。このステップS505のサブルーチンの詳細は、
図21に示されている。図21において、データ作成装
置201は、まず主走査方向に並ぶ複数のセルの中か
ら、補正の対象とするいずれか1つのセル(以下、注目
セルと称す)を選択し、当該注目セルと、当該注目セル
に対して主走査方向に隣接するセル(以下、隣接セルと
称す)との重なり位置(x2 ,y2 )を演算する(ステ
ップS601)。今、この重なり位置(x2 ,y2 )を
演算するために、図34に示すような図形モデルを想定
する。
【0087】図34において、注目セルの外形曲線φ1
の方程式は、次式(19)で表され、隣接セルの外形曲
線φ2 の方程式は、次式(20)で表されるものとす
る。ただし、両外形曲線φ1 およびφ2 は、第1の実施
形態において図14を用いて求めたように、好ましい位
相差60°を有しているものとする。
【数8】
【0088】上式(19)および(20)を連立方程式
と考え、その解(x2 ,y2 )を求めると、次式(2
1)および(22)のようになる。
【数9】
【0089】ただし、f1 は、注目セルのセル幅の1/
2であり、次式(23)によって求められる。 f1 ={ΔW(γ1 −29)+WMIN }/2 …(23) また、f2 は、隣接セルのセル幅の1/2であり、次式
(24)によって求められる。 f2 ={ΔW(γ2 −29)+WMIN }/2 …(24) また、ΔWは、次式(25)によって求められる。 ΔW=(WMAX −WMIN )/199 …(25)
【0090】次に、データ作成装置201は、上記ステ
ップS601で求めた重なり位置のy座標y2 が正であ
るか否かを判断し(ステップS602)、y2 が正でな
い場合は、さらにx座標x2 の値に基づいて所定の判断
を行う(ステップS603)。これらステップS602
およびS603の判断によって、注目セルと隣接セルの
関係は、以下のように分かれる。 (ケース1)図27に示すように、y2 >0の場合、注
目セルと隣接セルは重なっている(図31(a)参
照)。 (ケース2)図28に示すように、y2 ≦0であり、か
つ −P3 /12<x2 <P3 /12 のとき、注目セルと隣接セルは重なっていない(図31
(b)参照)。 (ケース3)図29に示すように、y2 ≦0であり、か
つ x2 >P3 /12 のとき、注目セルは、隣接セルを内包している(図31
(c)参照)。 (ケース4)図30に示すように、y2 ≦0であり、か
つ x2 <−P3 /12 のとき、注目セルは、隣接セルに内包されている(図3
1(d)参照)。
【0091】まず、注目セルと隣接セルとが重なってい
ないと判断された場合(上記ケース2の場合)の動作に
ついて説明する。この場合、データ作成装置201は、
前述の式(13)を用いて注目セルの面積Aを演算し、
この演算で求めたセル面積Aと、注目セルについての理
想的な面積の目標値qとの誤差Errを演算する(ステ
ップS604)。 Err=q−A なお、誤差Errを求める際、式(13)におけるfと
しては、式(23)で求められるf1 が代入される。そ
して、この式(23)におけるγ1 としては、前述のス
テップS504(図20参照)で変換された階調データ
(データ作成装置201の内部メモリに記憶されてい
る)が用いられる。
【0092】ここで、図32および図33を参照して、
階調γのセルに対する面積目標値qの求め方について説
明する。図16の土手300’を確保するために、すな
わち異なるセルペア間の連接を防止するために、各セル
の最大面積は所定値以下に規制される。もし、この最大
面積を、隣接セルと重ならないセルについての最大面積
を基準にして設定すると、以下のような問題が生じる。
今、図32(a)に示すように、隣接セルと重ならない
場合に彫刻可能なセルの最大面積をAMAX とする。そし
て、隣接セルと重なる場合について、図32(a)と同
一サイズのセルを彫刻すると、その実効面積(ドットが
付された領域)は、重なりによって減少する(図32
(b)参照)。そのため、隣接セルと重なる場合と重な
らない場合とで実効面積に差が生じる。これでは、隣接
セルと重なる場合と重ならない場合とで実質的な階調が
変化し、元の画像データが有する階調を忠実に再現でき
ないという問題を生じる。そこで、第2の実施形態で
は、面積AMAX のセルを2つ重ねて彫刻した場合の片側
のセルの実効面積BMAX を、隣接セルと重ならないセル
についての最大面積となるようにしている(図33参
照)。従って、階調γのセルに対する面積目標値qは、
次式(26)によって求められる。
【数10】
【0093】次に、データ作成装置201は、Err/
ΔA分だけ注目セルの階調データを補正する(ステップ
S605)。なお、ΔAは、前述のステップS502で
求めた単位階調当たりの面積の増分ΔAであり、式(1
4)を用いて演算される。これによって、注目セルの面
積は、階調γ1 についての面積目標値qとほぼ等しくな
る。次に、データ作成装置201は、注目セルを主走査
方向に隣接するセルに切り換え、この切り換えた注目セ
ルについて上記ステップS604およびS605と同様
の面積補正を行う(ステップS606およびS60
7)。
【0094】次に、データ作成装置201は、補正が行
われていないセルのデータが存在するか否かを判断し
(ステップS608)、存在する場合は、次データ(主
走査方向に並ぶ次のセルペアのデータ)をセットし(ス
テップS609)、その後、前述のステップS601の
動作に戻る。
【0095】次に、注目セルと隣接セルとが重なってい
ると判断された場合(前述のケース1の場合)の動作に
ついて説明する。この場合、データ作成装置201は、
注目セルについて、隣接セルとの重なりによって生じる
面積誤差を演算する(ステップS610)。この面積誤
差を演算するために、データ作成装置201は、まず重
なりによって減少する面積Agを演算する。この減少面
積Agは、図35における斜線部(x2 からx3 の範囲
の部分)の2倍の面積である。図34の図形モデルにお
いて、x2 は、前述の式(21)によって表される。ま
た、x3 は、次式(27)によって表される。
【数11】 そして、図34の図形モデルから、上記減少面積Agを
求めると、次式(28)となる。
【数12】
【0096】面積補正前のセルの面積をAとすると、実
際の面積Azは、次式(29)で求められる。 Az=A−Ag …(29)
【0097】次に、データ作成装置201は、注目セル
について、理想的な面積目標値qと、上式(29)によ
って求められる重ね合わせたときの実際の面積Azとの
誤差Err’を演算する。なお、面積目標値qは、前述
の式(26)を用いて演算される。 Err’=q−Az
【0098】次に、データ作成装置201は、上記ステ
ップS610で求めた面積誤差Err’が、ΔAよりも
小さいか否かを判断する(ステップS611)。なお、
ΔAは、前述のステップS502で求めた単位階調当た
りの面積の増分ΔAであり、式(14)を用いて演算さ
れる。
【0099】上記ステップS611の判断の結果、面積
誤差Err’が単位階調当たりの面積の増分ΔA以上の
場合(Err’≧ΔAの場合)、データ作成装置201
は、Err’/ΔA分だけ注目セルの階調データを補正
する(ステップS612)。これによって、注目セルの
面積は、階調γ1 についての面積目標値qとほぼ等しく
なる。その後、データ作成装置201は、ステップS6
13の動作に進む。一方、上記ステップS611におい
て、面積誤差Err’が単位階調当たりの面積の増分Δ
Aよりも小さいと判断された場合(Err’≦ΔAの場
合)、データ作成装置201は、ステップS612の補
正処理を行わず、直接ステップS613の動作に進む。
【0100】ステップS613において、データ作成装
置201は、注目セルを主走査方向に隣接するセルに切
り換え、この切り換えた注目セルについて上記ステップ
S610と同様に、重なりによる生じる面積誤差Er
r’の演算を行う。次に、データ作成装置201は、上
記ステップS613で求めた面積誤差Err’が、ΔA
よりも小さいか否かを判断する(ステップS614)。
このステップS614の判断の結果、面積誤差Err’
が単位階調当たりの面積の増分ΔA以上の場合、データ
作成装置201は、Err’/ΔA分だけ注目セルの階
調データを補正し(ステップS615)、再びステップ
S613以下の補正動作を繰り返す。これは、セルペア
を構成する一方のセルの面積を補正すると、他方のセル
の重なり部分の面積が変化するため、他方のセルの実質
面積が変化して、再度の補正を必要とする場合があるか
らである。
【0101】一方、上記ステップS614において、面
積誤差Err’が単位階調当たりの面積の増分ΔAより
も小さいと判断された場合(Err’<ΔAの場合)、
データ作成装置201は、現在の注目セルと隣接する他
のセルの面積誤差Err’がΔAよりも小さいか否かを
判断する(ステップS616)。当該他のセルの面積誤
差Err’がΔA以上の場合、データ作成装置201
は、再びステップS613以下の動作を繰り返す。
【0102】一方、上記ステップS616において、注
目セルと他のセルの面積誤差Err’がΔAよりも小さ
いと判断された場合、すなわちセルペアを構成する2つ
のセルのいずれの面積誤差Err’もΔAよりも小さい
場合、データ作成装置201は、当該セルペアについて
の補正を終了し、前述のステップS608の動作に進
む。そして、データ作成装置201は、補正処理が終了
していないセルのデータが存在している場合は、補正の
対象となる次のセルペアのデータをセットし(ステップ
S609)、再びステップS601の動作に戻る。
【0103】次に、一方のセルが他方のセルを内包して
いると判断された場合(ケース3または4の場合)の動
作を、図36を参照しつつ説明する。この場合、データ
作成装置201は、内包されている側のセルJ2の面積
を0とみなす。
【0104】今、注目セルが内包している側のセルJ1
であるとすると(ケース3の場合)、データ作成装置2
01は、前述のステップS604およびS605と同様
に、注目セルJ1について、理想的な面積の目標値qと
の誤差Errを演算し(ステップS617)、この誤差
Err分(Err/ΔA)だけ、注目セルJ1の階調デ
ータを補正する(ステップS618)。その結果、注目
セルJ1と隣接セルJ2との関係が、図36(a)に示
すようになったとする。
【0105】次に、データ作成装置201は、注目セル
を主走査方向に隣接するセルJ2に切り換え、この切り
換えた注目セルJ2について、目標値qとの面積誤差E
rrを演算する(ステップS619)。ここで、現在の
注目セルJ2の面積は、0とみなされているため、上記
面積誤差Errは、 Err=q となる。次に、データ作成装置201は、面積誤差Er
r分(Err/ΔA)だけ、注目セルJ2の階調データ
を補正する(ステップS620)。これによって、注目
セルJ2の面積は、当初の面積(図36(a)のときの
面積)のほぼ2倍となる(図36(b)参照)。なお、
図36の例では、セルJ2は、依然としてセルJ1に内
包されているものとする。その後、データ作成装置20
1は、ステップS601の動作に戻る。
【0106】このとき、補正の対象となっているセルペ
アは、依然として、J1およびJ2であり、注目セルは
J2である。従って、この場合、前述のケース4に該当
し、データ作成装置201は、ステップS602および
S603において、注目セルJ2が隣接セルJ1に内包
されていると判断する。その結果、データ作成装置20
1は、ステップS621に進み、注目セルJ2につい
て、目標値qとの面積誤差Errを演算する。このと
き、図36の例では、注目セルJ2は、依然として隣接
セルJ1に内包されているため、その面積は0とみなさ
れている。従って、面積誤差Errは、 Err=q である。次に、データ作成装置201は、面積誤差Er
r分(Err/ΔA)だけ、注目セルJ2の階調データ
を補正する(ステップS622)。これによって、注目
セルJ2の面積は、当初の面積(図36(a)のときの
面積)のほぼ3倍となる(図36(c)参照)。なお、
図36の例では、この時点でセルJ2がセルJ1からは
み出すものとする。
【0107】次に、データ作成装置201は、注目セル
を主走査方向に隣接するセルJ1に切り換え、この切り
換えた注目セルJ1について、目標値qとの面積誤差E
rrを演算し(ステップS623)、この面積誤差Er
r分だけ注目セルJ1の階調データを補正する(ステッ
プS624)。しかしながら、注目セルJ1の面積は、
すでにステップS618において目標値qになっている
ため、面積誤差Errが0となり、実質的な補正は行わ
れない。
【0108】次に、データ作成装置201は、ステップ
S601の動作に戻る。このとき、セルJ2がセルJ1
からはみ出しているため、前述のケース2に該当する。
従って、データ作成装置201は、前述したケース2の
場合の補正と同様、ステップS610〜S616におい
て、セルJ1およびセルJ2の面積を補正する。このと
き、セルJ1については、重なりによって減少する面積
Agが発生するので、再度補正される。同様に、セルJ
2についても、重なりによって減少する面積Agが発生
するので、再度補正される。その結果、セルJ1および
J2は、図36(d)のようになる。
【0109】全てのセルについての補正処理が終了した
と判断すると(ステップS608)、データ作成装置2
01は、その動作を終了する。
【0110】なお、セルJ2は、1回の補正によってセ
ルJ1からはみ出す場合もある。いずれにしても、一方
のセルが他方のセルに内包されている場合は、当該一方
のセルの面積を徐々に大きくして、他方のセルから強制
的にはみ出させ、最終的には、全てケース2の場合とし
て処理される。また、セルJ2が最初の注目セルであっ
た場合は、ステップS621から補正処理がスタートす
るだけであり、実質的には、上記の場合と同様である。
【0111】セルJ2は、階調データとしては存在して
いるが、セルJ1に内包されているため、そのままで
は、セルJ1に吸収されて、グラビアシリンダ14の表
面上では意味のない存在となる。そこで、上記実施形態
では、セルJ2をセルJ1から強制的にはみ出させるこ
とにより、セルJ2にも階調データとしての意味を持た
せ、実質的に主走査方向の解像度を上げるようにしてい
る。 (3)第3の実施形態 上記第1および第2の実施形態では、主走査方向に2つ
重ねてセルを彫るときに、図37に示すように、主走査
方向に並ぶ順番で、すなわちセルJ1およびJ2の順番
で彫刻を行うようにしている。そのため、図38に示す
ように、セルJ2については、ダイヤモンドバイト32
がセルJ1のすでに彫られた部分(何もない空間)を通
過した後、彫刻が行われるため、2度目の彫刻開始時の
抵抗力が少なくなり、セルJ2がオーバー気味に彫られ
てしまう。
【0112】そこで、第3の実施形態では、主走査方向
に2つ重ねてセルを彫るときに、彫刻の順序を、上記第
1および第2の実施形態とは逆転させるようにしてい
る。すなわち、第3の実施形態では、図39に示すよう
に、セルJ2およびJ1の順番でグラビアシリンダ14
の表面の彫刻が行われる。これによって、彫刻開始時に
ダイヤモンドバイト32に加わる抵抗力が、セルJ1お
よびJ2で同じになり、両セルを同条件で彫ることが可
能となる。
【0113】上記第3の実施形態の具体的な構成例とし
ては、第1の実施形態において、図15のステップS4
07におけるキャリー信号の位相シフト量を、+60°
から−60°に変えること等が考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るグラビア彫刻シ
ステムで用いられるグラビア彫刻機の正面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るグラビア彫刻シ
ステムで用いられるグラビア彫刻機の平面図である。
【図3】図1の彫刻ヘッド21に設けられたスタイラス
およびその駆動機構を示す斜視図である。
【図4】図3のダイヤモンドバイト32の外観図であ
る。
【図5】グラビアシリンダに対する主走査方向および副
走査方向を説明するための図である。
【図6】図1および図2に示すグラビア彫刻機を用いた
グラビア彫刻システムの電気的な構成を示すブロック図
である。
【図7】第1の実施形態において、最大濃度セル(最大
濃度を表現するためのセル)の彫刻時における彫刻信号
の波形を示す図である。
【図8】最大濃度セル彫刻時における、第1の実施形態
の彫刻信号波形と、従来の彫刻信号波形とを比較して示
した図である。
【図9】従来のグラビア彫刻機により彫られたセルの上
面形状および配置を示す図である。
【図10】従来のグラビア彫刻機により彫られたセルの
上面形状を疑似的に他の幾何学図形に等価させた図であ
る。
【図11】第1の実施形態のグラビア彫刻機により彫ら
れたセルの上面形状および配置を示す図である。
【図12】第1の実施形態のグラビア彫刻機により彫ら
れたセルの上面形状を疑似的に他の幾何学図形に等価さ
せた図である。
【図13】第1の実施形態のグラビア彫刻機により彫ら
れたセルの配置と、従来のグラビア彫刻機により彫られ
たセルの配置とを比較して示す図である。
【図14】第1の実施形態のグラビア彫刻機により形成
されたセル列の隣接部分において、各セル列の開口部の
輪郭が変位する様子を、彫刻信号と同じ正弦波で示した
図である。
【図15】第1の実施形態の動作を示すフローチャート
である。
【図16】第1の実施形態のグラビア彫刻機によって彫
られたセルの配置およびその位相関係を示す図である。
【図17】セルを重ねて彫刻する際の問題点を説明する
ための図である。
【図18】画像データの階調とセルの面積とが非直線的
な関係にあることを示す図である。
【図19】本発明の第2の実施形態のグラビア彫刻シス
テムにおける画像データの階調表現を示す図である。
【図20】第2の実施形態のグラビア彫刻システムの動
作を示すフローチャートである。
【図21】図20のサブルーチンステップS505の詳
細を示すフローチャートである。
【図22】セルの面積の求め方を説明するための図であ
る。
【図23】補正前の画像データの階調に対してセル面積
が非直線的に変化する状態を示す図である。
【図24】補正後の画像データの階調に対してセル面積
が直線的に変化する状態を示す図である。
【図25】補正前の画像データの階調とセル面積との関
係から、補正後の画像データの階調を求める方法を示し
た図である。
【図26】第2の実施形態形態において、階調データの
変換テーブルを作成する手順を示す図である。
【図27】主走査方向に隣接するセル同士が重なる場合
について示した彫刻信号の波形図である。
【図28】主走査方向に隣り合うセル同士が重ならない
場合について示した彫刻信号の波形図である。
【図29】主走査方向に並ぶセルペアの一方のセルが他
方のセルを内包する場合について示した彫刻信号の波形
図である。
【図30】主走査方向に並ぶセルペアの一方のセルが他
方のセルに内包される場合について示した彫刻信号の波
形図である。
【図31】主走査方向に並ぶセルペアの様々な関係を示
した図である。
【図32】或セルが、主走査方向に隣接するセルと重な
らない場合と、重なる場合とで実質的なセル面積が異な
ることを説明するための図である。
【図33】第2の実施形態において、画像データの階調
に対するセル面積の変化直線の傾きを示す図である。
【図34】主走査方向に隣り合うセルの重なり位置(x
2 ,y2 )を演算するために、想定された図形モデルを
示す図である。
【図35】注目セルについて、隣接セルとの重なりによ
る減少する面積を示すための図である。
【図36】セルペアにおける一方のセルが他方のセルを
包含する場合に、両セルの面積が補正されていく状態を
示す図である。
【図37】第1および第2の実施形態において、主走査
方向に2つのセルを重ねて彫る場合の順番を説明するた
めの図である。
【図38】第1および第2の実施形態において、主走査
方向に2つのセルを重ねて彫る場合に、2番目のセルを
彫る際の断面構造を示す図である。
【図39】第3の実施形態において、主走査方向に2つ
のセルを重ねて彫る場合に、2番目のセルを彫る際の断
面構造を示す図である。
【図40】従来のグラビア彫刻機で用いられている各種
信号の波形図である。
【符号の説明】
14…グラビアシリンダ 21…彫刻ヘッド 30…スタイラス 32…ダイヤモンドバイト 100…グラビア彫刻機 101…濃度信号発生部 102…キャリー信号発生部 103…副走査モータ制御部 104…主走査モータ制御部 105…加算部 107…副走査モータ 108…主走査モータ 201…データ作成装置

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グラビアシリンダの表面に複数のセルを
    彫刻することにより、グラビア印刷のための凹版を製造
    するグラビア彫刻システムであって、 前記グラビアシリンダを主走査方向に回転させる回転手
    段と、 一定周波数および一定振幅を有する正弦波状のキャリー
    信号を発生するキャリー信号発生手段と、 与えられる画像データの階調に応じてレベルが変化する
    濃度信号を発生する濃度信号発生手段と、 前記キャリー信号に前記濃度信号を重畳することによ
    り、彫刻信号を発生する彫刻信号発生手段と、 前記彫刻信号に応じて往復振動することにより、主走査
    方向に回転するグラビアシリンダに対して、セルを彫刻
    するスタイラスと、 前記グラビアシリンダに対して主走査方向への1列分の
    セルの彫刻が終了する毎に、前記スタイラスを主走査方
    向と直交する副走査方向に送るスタイラス送り手段とを
    備え、 前記スタイラスが前記彫刻信号の全振幅の一部に相当す
    る部分で前記グラビアシリンダに対する彫刻を実行する
    ように、前記キャリー信号の振幅および前記濃度信号の
    レベルが所定の関係に調整されており、 前記スタイラスに基準位相に設定された第1の彫刻信号
    を印加することにより前記グラビアシリンダの主走査方
    向へ第1のセル群を形成させ、その後前記スタイラスに
    当該基準位相から所定位相量ずれた第2の彫刻信号を印
    加することにより当該第1のセル群と所定の関係を有す
    る第2のセル群を主走査方向の同一ライン上に形成させ
    る2度彫り制御手段をさらに備え、それによって主走査
    方向へ配置される1列分のセルを、2回のインターリー
    ブ走査によって形成することを特徴とするグラビア彫刻
    システム。
  2. 【請求項2】 前記第1および第2のセル群において、
    主走査方向に隣り合う2つのセルは、それぞれが同一の
    画像データに基づいて彫刻されていることを特徴とする
    請求項1に記載のグラビア彫刻システム。
  3. 【請求項3】 前記第1のセル群と前記第2のセル群と
    の間の所定の関係は、 主走査方向に隣り合う2つのセルの内、一方のセルと他
    方のセルとが重なり合わない第1の関係と、 主走査方向に隣り合う2つのセルの内、一方のセルと他
    方のセルとが一部重なり合う第2の関係とを含む請求項
    2に記載のグラビア彫刻システム。
  4. 【請求項4】 前記第1および第2のセル群において、
    主走査方向に隣り合う2つのセルは、それぞれが異なる
    画像データに基づいて彫刻されていることを特徴とする
    請求項1に記載のグラビア彫刻システム。
  5. 【請求項5】 前記第1のセル群と前記第2のセル群と
    の間の所定の関係は、 主走査方向に隣り合う2つのセルの内、一方のセルと他
    方のセルとが重なり合わない第1の関係と、 主走査方向に隣り合う2つのセルの内、一方のセルと他
    方のセルとが一部重なり合う第2の関係と、 主走査方向に隣り合う2つのセルの内、一方のセルが他
    方のセルを内包する第3の関係とを含む請求項4に記載
    のグラビア彫刻システム。
  6. 【請求項6】 前記第2または第3の関係にある2つの
    セルを彫刻する際、重なり合いまたは内包によって減少
    する面積に応じて、当該2つのセルに対応する前記画像
    データの階調を補正する補正手段をさらに備える請求項
    5に記載のグラビア彫刻システム。
  7. 【請求項7】 前記補正手段は、前記第3の関係にある
    2つのセルを補正する際、前記他方のセルを前記一方の
    セルから強制的にはみ出させて、前記第2の関係になる
    ようにする請求項6に記載のグラビア彫刻システム。
  8. 【請求項8】 印刷濃度が最大のセルを彫刻する際に、
    前記スタイラスが前記彫刻信号の振幅に相当する部分で
    前記グラビアシリンダに対する彫刻を実行するように、
    前記キャリー信号の振幅および前記濃度信号の最大濃度
    時のレベルが所定の関係に調整されており、前記第2の
    彫刻信号は、前記第1の彫刻信号から+60°位相がず
    れていることを特徴とする請求項1に記載のグラビア彫
    刻システム。
  9. 【請求項9】 印刷濃度が最大のセルを彫刻する際に、
    前記スタイラスが前記彫刻信号の振幅に相当する部分で
    前記グラビアシリンダに対する彫刻を実行するように、
    前記キャリー信号の振幅および前記濃度信号の最大濃度
    時のレベルが所定の関係に調整されており、前記第2の
    彫刻信号は、前記第1の彫刻信号から−60°位相がず
    れていることを特徴とする請求項1に記載のグラビア彫
    刻システム。
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DE19603080A DE19603080C2 (de) 1995-01-19 1996-01-19 Tiefdruck-Graviersystem und -verfahren
US08/868,105 US5847837A (en) 1995-01-19 1997-06-03 Gravure engraving system and method including engraving overlapping cells

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