JPH08256701A - 牛肉鮮度保持方法及び該方法に用いる舐食固形物 - Google Patents

牛肉鮮度保持方法及び該方法に用いる舐食固形物

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JPH08256701A
JPH08256701A JP7091499A JP9149995A JPH08256701A JP H08256701 A JPH08256701 A JP H08256701A JP 7091499 A JP7091499 A JP 7091499A JP 9149995 A JP9149995 A JP 9149995A JP H08256701 A JPH08256701 A JP H08256701A
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beef
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成紘 岩淵
Akira Saito
亮 斉藤
Yasuyuki Suzuta
靖幸 鈴田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 牛肉中のビタミンEの蓄積量を増加し、TB
A値を低く抑え、肉表面の赤色の黒変を遅らせ、見た目
の鮮度を2〜4日間延長させ枝肉の格付を有意に向上さ
せる。 【構成】 出荷日の30〜90日前より、肥育牛にセレ
ン入り固形塩又は固形飼料(セレンとして1kg中10
〜30mgを含む)を自由舐食により給与すると共に、
ビタミンEを1日量として0.5〜1.2g配合した配
合飼料を給与して肥育する。又は、出荷日の30〜90
日前より、セレン及びビタミンE入り固形塩又は固形飼
料(セレンとして1kg中10〜30mg、ビタミンE
として17〜40gを含む)を自由舐食により給与して
肥育する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、牛肉の鮮度保持方法に
関し、牛肉の赤色の黒変を遅らせ、枝肉の格付を向上さ
せて肉質の鮮度を長持ちさせるようにした牛肉鮮度保持
方法及び該方法に用いる舐食固形物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】国内の肥育牛農家では、肉質の向上(霜
降り肉の生産)を企図して、ビタミンA含量の低い飼料
を給与して肥育する傾向があるが、その為に肥育牛にお
けるビタミンA欠乏症の発生が増加しているきらいがあ
る。
【0003】一方、牛肉の流通、貯蔵、店頭陳列時等に
鮮度を長期間に亘って保持できるようにするための技術
についても種々研究されるようになってきている。
【0004】牛肉は時間が経過すると鮮紅色より黒色に
変色し、酸化臭を生じる。新鮮肉の断面は暗色であり肉
色素(ミオグロビン)の3形態の1つである還元型ミオ
グロビン(デオキシミオグロビン)で占められている。
この断面が空気に触れると、デオキシミオグロビンが酸
素と結合して酸素型ミオグロビン(オキシミオグロビ
ン)に変わり、鮮紅色となる。しかし、その後次第にオ
キシミオグロビンが酸化されて酸化型ミオグロビン(メ
トミオグロビン)に変わるため、肉色は茶色になり、又
筋肉中の脂質も時間の経過と共に酸化されていく。この
時、肉色素と脂質の酸化は相互に作用して進行すると考
えられる。貯蔵中に細菌が増殖すると腐敗していくが、
その際に肉表面層の酸素が細菌に消費され、メトミオグ
ロビンが形成される。
【0005】そこで抗酸化作用を持つビタミンEあるい
はビタミンCを肥育牛に用いると、貯蔵中における牛肉
色の退色や脂質の酸化の防止に効果があるという報告が
なされている。この場合のビタミンE或いはビタミンC
の給与量は、ビタミンEが肥育牛1日当たり0.5〜
1.2g、ビタミンCが肥育牛1日当たり500g程度
を給与するようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記したよう
に、肥育牛1日当たり0.5〜1.2g程度の僅かな量
のビタミンEを与えても、満足した牛肉の鮮度保持効果
は得られず、またビタミンCを肥育牛1日当たり500
gと多量に給与しても分解されてしまって殆ど吸収され
ないために、牛肉中のビタミンCの量を増加させること
は困難であり、やはり満足した効果を発揮していないの
が現状である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、出荷日の
30〜90日前より、飼育牛にセレンを給与すると同時
に、高単位のビタミンEを給与することによって、牛肉
の赤色の黒変化を遅らせ、枝肉の格付を向上させて鮮度
を長持ちさせることを見出し、本発明を完成した。
【0008】セレンは牛にとって必須ミネラルの一つで
あり、欠乏すると白筋症、突然死、子牛の成長阻害、子
牛の虚弱症侯群、卵子の受精率低下、卵胞細嚢腫、子宮
炎、胎盤停滞、乳房炎、免疫機能低下、好中球の殺菌機
能低下があるといわれている。これを解明するキーワー
ドは活性酸素(フリーラジカル)である。酸素を呼吸に
利用している生物は細胞内における酸素の利用過程で活
性酸素と呼ばれる有毒物質を生じ、このものは極めて不
安定で他の物質と速やかに反応して連鎖反応的に次々に
有害物質(H22、過酸化脂質等)をつくる。しかし、
これらの生物は長い進化の過程で細胞内に生じた活性酸
素を消去する系を確立し、有害物質を除去し効率的に生
命を維持する機能を備えてきた。グルタチオンペルオキ
シダーゼは活性酸素の消去に働く酵素の一つでセレンは
この酵素に不可欠の構成要素であり、従ってセレンはこ
れらの細胞、生物にとって不可欠のいわゆる必須ミネラ
ルであり、上記のようなセレン欠乏中に病気が発現する
といわれている。
【0009】又、ビタミンEはラットの抗不妊因子とし
て発見されて以来、その抗酸化作用、生体膜の安定化作
用、免疫賦活作用等が注目されているが、家畜でも前掲
の諸疾患にビタミンEの欠乏が関与しているといわれて
いる。
【0010】セレンを含むグルタチオンペルオキシダー
ゼの抗酸化作用は過酸化脂質を分解するのに対し、ビタ
ミンEの抗酸化作用は細胞膜における過酸化反応を阻止
する作用があり、両者は別々の役割を持ちながら共同的
に作用すると考えられる。
【0011】ビタミンEは牛肉の鮮度を保持させるとい
われる。この作用機作は、給与されたビタミンEが筋肉
中の細胞膜に取り込まれ、細胞膜中の活性酸素を補足
し、肉色素(ミオグロビン)や脂質の酸化を直接的に阻
止し、メトミオグロビン還元活性を間接的に維持すると
考えられ、これにより肉色と脂質が安定化されるものと
考えられている。しかし、最近の研究によると、ビタミ
ンEの抗酸化作用は細胞膜中にグルタチオンが共存する
と相乗的に高まることが分かってきた。即ち、活性酸素
を補捉したビタミンEは通常分解されるが、グルタチオ
ン等(及び触媒として、セレンを含むグルタチオンペル
オキシダーゼ)の抗酸化剤が存在するとそれらとラジカ
ルを交換するためビタミンEは再生し、更に抗酸化作用
が持続する。セレンはビタミンEの担体として、ビタミ
ンEの吸収、貯蔵、分解の阻止、そしておそらくは細胞
膜の授受にも関係しているともいわれている。
【0012】本発明者はこれらの事実に基づき、より効
果的な牛肉の鮮度保持並びに肉質の向上を意図して家畜
へのセレンとビタミンEの給与方法を検討した結果、固
形塩又は固形飼料にセレンとしてセレン酸、亜セレン酸
等の無機物、セレン酵母等の有機セレンを配合して肥育
牛に舐食させながら、ビタミンEを配合飼料に配合して
出荷前の1〜3ヶ月間肥育する、或いは、固形塩又は固
形飼料にセレンとしてセレン酸、亜セレン酸等の無機
物、セレン酵母等の有機セレンを配合すると共に、ビタ
ミンEを配合して肥育牛に舐食させて出荷前の1〜3ケ
月間肥育することにより、牛肉の表面の赤色の黒変を遅
らせ、牛肉の鮮度を長持ちさせ得ることを見出した。
【0013】
【作用】本発明の作用を明らかにするための以下のよう
な調査を行った。
【0014】調査1 ビタミンEとセレン入り固形塩
(商品名:鉱塩セレニクス)の給与と牛肉の鮮度保持と
の関係
【0015】1.調査目的 高単位のビタミンEとセレンを一定期間給与することに
より、牛肉の鮮度保持能が向上し、商品として陳列でき
る期間が延長できるかどうかについて確認する。
【0016】2.試験材料 供試牛:ホルスタイン種去勢牛 飼育場:H牧場 飼育方法:供試牛20頭を、以下のように4群に分け
て一定期間飼育後、屠殺し、分析に供した。 I群.ビタミンE+鉱塩セレニクス、1ヵ月間給与群 II群.ビタミンE+鉱塩セレニクス、3ヵ月間給与群 III群.ビタミンE、1ヵ月間給与群 IV群.無添加対照群(ビタミンE及び鉱塩セレニクス
を給与せず) 給与飼料 H牧場の標準飼育法による。
【0017】飼料添加物内容 (1)ビタミンE:ビタミンE10倍散(1000mg
/10g)12gをふすまで10倍量とし1頭1日分と
して給与した。 (2)セレン:鉱塩セレニクス(20kg *注1)を
試験開始と同時に自由舐食させた。1日舐食量は30〜
50g(セレンとして0.45〜0.75mg)であ
る。
【0018】*注1:鉱塩セレニクスの成分及び分量 1kg中 ・黄色酸化鉄 1,742mg (鉄として 1,095mg) ・三二酸化鉄 196mg (鉄として 137mg) ・硫酸銅(乾燥) 377mg (銅として 150mg) ・硫酸コバルト(乾燥) 66mg (コバルトとして 25mg) ・硫酸亜鉛(乾燥) 1,235mg (亜鉛として 500mg) ・炭酸マンガン 1,046mg (マンガンとして 500mg) ・ヨウ素酸カルシウムFコート 77mg (ヨードとして 50mg) ・亜セレン酸ナトリウム 33mg (セレンとして 15mg) ・食塩 971g
【0019】牛肉の処理方法 通常の流通・販売方法に従い、屠殺し、枝肉を熟成(約
2週間)後、肩ロース部分約2kgを真空パックし、冷
蔵状態(4℃)で出願人会社研究所まで搬入し、搬入後
直ちに冷蔵室(5℃)に移し、測定開始まで同室で保存
した。ビタミンE1ヵ月給与群(III群)、無添加対
照群(IV群)は、冷蔵室に搬入後、試験開始まで真空
パックのまま1日保存し、ビタミンE+鉱塩セレニクス
1ヵ月給与群(I群)、ビタミンE+鉱塩セレニクス3
ヵ月給与群(II群)は3日保存後、分析に供した。
【0020】3.分析方法 検体のパッケージング 保存された牛肉を、ステーキ用に市販されている大きさ
(概要:縦13cm、横7cm、厚さ1cm)に切断
し、ポリ容器に入れて、酸素透過性伸縮ラップ(三菱ダ
イアラップ・G250)でフィルムパックし、それぞれ
に群、測定日、検体番号を記入した。尚、なるべく雑菌
による汚染を防ぐためにまな板、包丁は消毒用アルコー
ルで検体毎に消毒しながら操作を行った。
【0021】検体の保存 切断されパッケージされた牛肉は、低温室(約5℃)で
保存した。保存に当っては、0日目(真空パックを開封
・試験開始日)用が一番上に、13日目用が一番下にな
るように重ね、パックとパックの間に、ポリスチレン製
の網を入れて空気が透過しやすいようにした。
【0022】ビタミンEの測定法 1日保存した各検体から試料を約1g量り取り、10m
l共栓付き試験管に入れ、生理食塩水(0.9%)を
9.0ml加えた。氷中で冷却しながらホモジナイザー
で粉砕し10%(w/v)摩砕液にした。摩砕液、2.
0mlを正確に量り取り、2mlのエタノールを加え
て、攪拌した。n−ヘキサン3.0mlを正確に加えて
5分間振とう後、遠心分離(3000rpm、5mi
n)した。ヘキサン層を2.0ml正確に量り取り、1
0mlの試験管に入れ、40℃の水浴中で窒素ガスを吹
きつけ、ヘキサンを蒸発させて除き、イソプロピルアル
コール1.0mlを正確に加え試料溶液とし、この液5
0μlをHPLCに注入し、ピークの面積を求め、標準
曲線から試料中のビタミンEの濃度を算出した。
【0023】チオバルビツール酸値(TBA値)の測
定法 試料を約1g量り取り、10ml共栓付き試験管に入
れ、生理食塩水を9.0ml加えた。氷中で冷却しなが
らホモジナイザーで粉砕し、10%(w/v)摩砕液に
した。この摩砕液0.1mlを正確に10mlメスフラ
スコに量り取った。これに8.1%SDS(Sodiu
m dodecylsulfate)0.2ml、20
%酢酸緩衝液(pH4.5)1.5ml、0.8%チオ
バルビツール酸1.5ml、蒸留水0.7mlをそれぞ
れ加えて、ブロックヒーターで95℃に加熱し、1時間
反応させた。反応終了後、水道水で冷却し、蒸留水で1
0mlにメスアップした。この試料を10ml共栓試験
管に正確に5.0ml量り取った。更に、n−ブタノー
ル:ピリジン(15:1)を5.0ml正確に加え、5
分間攪拌後、遠心分離(3000rpm、5min)し
た。分離後、その上層について分光蛍光光度計を用い5
15nmの波長で励起し、553nmの波長で測定し
た。標準物質としては、0から12ngのテトラメトキ
シプロパン(マロンジアルデヒドとして反応)を、試料
液の代わりに加え、同様に反応、測定を行い、標準曲線
を作成して、試料のTBA値を算出した。
【0024】色調の観察 保存開始後13日間に渡り、各群の同一検体について肉
表面の色調変化を観察した。なお、検体は各群から無作
為に1検体を選んで用い、冷蔵保存する際には他の検体
とは、重ならないように保存した。
【0025】4.結果及び考察 ビタミンEの濃度 図1に各試験群の牛肉中のビタミンE濃度を示した。無
添加対照群(IV群)のビタミンE平均濃度は、1.7
9(μg/g)、ビタミンE単独1ヵ月給与群(III
群)は、3.53(μg/g)、ビタミンE+鉱塩セレ
ニクス1ヵ月給与群(I群)は、4.58(μg/
g)、ビタミンE+鉱塩セレニクス3ヵ月給与群(II
群)は、5.51(μg/g)となった。検定の結果、
4つの群のビタミンEの濃度には、各群相互間それぞれ
に有意差(p<0.01)がみられた。このことは、ビ
タミンEの飼料添加期間は、牛肉中のビタミンE濃度に
影響を及ぼし得ることを示すだけでなく、さらに、同一
期間(1ヵ月)ビタミンEを給与するならば、鉱塩セレ
ニクスを自由舐食させた場合の方がビタミンEの蓄積量
を増加させ得ることを示すものである。ビタミンE単独
1ヵ月給与群(III群)では、無添加対照群(IV
群)に対して、ビタミンE濃度は約2倍となるが、ビタ
ミンE+鉱塩セレニクス1ヵ月給与群(I群)では、ビ
タミンE濃度はIV群の約2.6倍、ビタミンE単独1
ヵ月給与群(III群)の約1.3倍、3ヵ月給与群
(II群)ではIV群の約3倍になった。
【0026】TBA値の経時変化 表1に各群、各検体(各群5検体ずつ、計20検体)の
TBA値の経時変化を示し、図2、図3、図4、図5に
各群ごとのTBA値の経時変化のグラフを示し、更に図
6に各群のそれらの平均値の経時変化のグラフを示し
た。
【0027】
【表1】 統計処理の結果、ビタミンE+鉱塩セレニクス給与群
(I及びII群)と無添加対照群(IV群)との間で、
3日目以降有意差(p<0.01)が認められ、ビタミ
ンE単独給与群(III群)と無添加対照群(IV群)
との間でも4日目以降有意差(p<0.005)が認め
られた。つまり、ビタミンE給与群(I、II及びII
I群)は無添加対照群(IV群)に比べて保存期間中、
脂質の酸化が抑制され、鮮度保持能が向上したといえ
る。ところで、図2が示すように、無添加対照群でもそ
れぞれの検体でTBA値が減少したものが存在する。T
BA値は、脂質の酸化物の1つであるマロンジアルデヒ
ドと、チオバルビツール酸との反応物の量を示す値であ
る。従ってTBA値が減少するということは、脂質の酸
化物が還元されていることになる。しかし、この実験系
では、酸化物が目にみえて還元されたとは考えられず、
採材のばらつきによるものと思われる。以上の理由か
ら、TBA値における意味のある推移は、7日目辺りま
でであり、以降のデータは信頼性に乏しいと考えられ
る。
【0028】ビタミンEの濃度とTBA値との関係 図7に、ビタミンE濃度と、I群、II群の各検体のT
BA値の5日目の経時変化と、III群及び対照のIV
群の各検体についてTBA値の6日目の経時変化の関係
を示した。図7が示すように、無添加対照群(IV群)
では、ビタミンEの濃度が増加するに連れてTBA値が
減少しているのに対し、ビタミンE給与群(I、II及
びIII群)ではTBA値は略一定の低い値を示し、と
くにビタミンE+鉱塩セレニクス給与群(I及びII
群)ではTBA値が1.0程度さらに低い値に抑えられ
ていた。このことは、ビタミンEが脂質の酸化防止に有
効であること、さらに鉱塩セレニクスを与えることによ
りその酸化防止能が促進されることを示唆している。
【0029】色調の経時変化の観察 前記各群の見た目の鮮度について、0日目、1日目、2
日目、3日目、5日目、7日目に観察を行った。その結
果、ビタミンE単独1ヵ月間給与群(III群)と、無
添加対照群(IV群)の間には、とくに差が見られず、
これらの両群では、3日目から肉表面に黒変が観察され
た。これに対して、ビタミンE+鉱塩セレニクス給与群
(I及びII群)では、黒変の発現が約4日間遅れ、7
日目から観察され始めた。
【0030】5.まとめ ビタミンE添加飼料の長期間給与により、牛肉中のビ
タミンE蓄積量は増加し、ビタミンEを1200mg/
頭/日、1ヵ月間の給与で牛肉中のビタミンE濃度は無
添加対照群の約2倍になった。 ビタミンEを鉱塩セレニクスと同時に給与することに
より、その蓄積量はビタミンE単独の給与よりも1ヵ月
給与で約1.3倍、3ヵ月給与で約1.6倍増加した。 ビタミンE単独給与群でも無添加対照群に対しTBA
値が低く抑えられた(TBA値2.5mg/kg程度)
が、ビタミンEと鉱塩セレニクスを同時に給与した群で
は、TBA値がさらに低く抑えられた(TBA値1.0
mg/kg程度)。 ビタミンEと鉱塩セレニクスを同時に給与した群で
は、陳列開始後、肉表面に生ずる黒片の発現を遅らせ、
見た目の鮮度を約3日間延長させ得た。
【0031】調査2 ビタミンEとセレン入固形塩(鉱
塩セレニクスA)の給与と牛肉の鮮度保持並びに枝肉の
格付との関係
【0032】1.調査目的 高単位のビタミンEと鉱塩セレニクスAを一定期間給与
することにより、牛肉の鮮度保持能が向上し、商品とし
て陳列できる期間が延長できるかどうか確認する。 2.試験材料 供試牛:ホルスタイン種去勢牛 飼育場:H牧場 飼育方法:供試牛10頭を下記のように2群に分けて
1ヵ月飼育し、同一日に屠殺し、分析に供した。 I群.ビタミンE+鉱塩セレニクスA給与群 II群.無添加対照群(鉱塩セレニクスA及びビタミン
Eを給与せず) 給与飼料 H牧場の標準飼育法による。
【0033】飼料添加物内容 (1)ビタミンE:ビタミンE10倍散(1000mg
/10g)12gをふすまで10倍量として1頭1日分
として給与した。 (2)鉱塩セレニクスA:鉱塩セレニクスA(20kg
*注2)を試験開始と同時に自由舐食させた。1日舐
食量は30〜50g(セレンとして0.9〜1.5m
g)である。
【0034】*注2 セレン入り固形塩(鉱塩セレニク
スA)の成分及び分量 1Kg中 ・黄色酸化鉄 1,742mg (鉄として 1,095mg) ・三二酸化鉄 196mg (鉄として 137mg) ・硫酸銅(乾燥) 377mg (銅として 150mg) ・硫酸コバルト(乾燥) 66mg (コバルトとして 12.25mg) ・硫酸亜鉛(乾燥) 1,235mg (亜鉛として 500mg) ・炭酸マンガン 1,046mg (マンガンとして 500mg) ・ヨウ素酸カルシウムFコート 77mg (ヨードとして 50mg) ・亜セレン酸ナトリウム 66mg (セレンとして 30mg) ・食塩 971g
【0035】牛肉の処理方法 通常の流通・販売方法に従い、屠殺し、枝肉を熟成(1
0日間)後、肩ロース部分約300gを真空パックし、
冷蔵状態(4℃)で出願人会社研究所まで搬入した後、
直ちに冷蔵室(5℃)に移し、測定開始までの2日間を
同室で保存した。
【0036】3.分析方法 検体のパッケージング 保存された牛肉を、低温室(約5℃)の中で、縦4c
m、横4cm、厚さ1cmに切断し、秤量用ポリ容器に
入れて、酸素透過性伸縮ラップ(三菱ダイアラップG2
50)でフィルムパックし、それぞれに群、測定日、枝
肉番号を記入した。なお、できるだけ雑菌による汚染を
防ぐために、まな板、包丁は消毒用アルコールで検体毎
に消毒しながら操作を行った。
【0037】検体の保存 切断されパッケージされた牛肉は前述の低温室(約5
℃)で保存した。保存に当たっては、保存条件が均一に
なるようにそれぞれの検体を机の上に一列に並べ、又、
室内灯は点けたままで保存した(実際に精肉が販売時に
入れられるショーケースと同じ状態にするため)。
【0038】ビタミンEの測定方法 低温室(約5℃)の中で、各検体ごとに試料約lgを正
確に量り取り、10ml 供栓付き試験管に入れ、生理
食塩液(0.9%)を試料重量の10倍になるように量
りながら加え、ホモジナイザーで粉砕し10%(W/
V)摩砕液にした。摩砕液2.0mlを正確に量り取
り、2mlのエタノールを加えて攪拌した。n−ヘキサ
ン3.0mlを正確に加えて5分間振とう後、遠心分離
(3000rpm、5min)した。ヘキサン層2.0
mlを正確に量り、10mlの試験管に入れ、40℃の
水浴中で窒素ガスを吹き付け、ヘキサンを蒸発させて除
き、イソプロピルアルコール1.0mlを正確に加え試
料溶液とした。この液50μlをHPLCに注入し、ピ
ークの面積を求め、標準曲線から試料中のビタミンEの
濃度を検出した。
【0039】チオバルビツール酸値(TBA値)の測
定方法 低温室(約5℃)の中で、試料約1gを量り取り、10
ml共栓付き試験管に入れ、20%酢酸緩衝液を5.0
ml加えた。低温室(約5℃)の中で、ホモジナイザー
で粉砕した後に、遠心分離(3000rpm5分)し、
上清を10mlメスフラスコに入れ、水で定容とし、
0.20mlを10mlの共栓付き試験管に量り入れ
た。これに8.1%SDS(Sodium dodec
ylsulfate)0.2ml、20%酢酸緩衝液
(pH4.5)1.5ml、0.8%チオバルビツール
酸1.5ml、蒸留水0.6mlをそれぞれ加えて、恒
温器で95℃に加熱し、1時間反応させた。反応終了
後、水道水で冷却し、水1.0mlを加えて液量を5m
lとし、更に、n−ブタノール:ピリジン(15:1)
5.0mlを正確に加え、5分間振とう後、遠心分離
(3000rpm、5min)した。分離後、その上層
について蛍光分光光度計を用い515nmの波長で励起
し、553nmの波長で測定した。標準物質としては、
0から12ngのテトラメトキシプロパン(マロンジア
ルデヒドとして反応)を、試料液の代わりに加え、同様
に反応、測定を行う、標準曲線を作成して、試料のTB
A値を算出した。
【0040】色調の観察 保存開始後12日間に渡り、各群の同一検体について肉
表面の色調変化を観察した。
【0041】枝肉の格付 調査1のI群(ビタミンE+鉱塩セレニクス1ヵ月給与
群)及び調査2のI群(ビタミンE+鉱塩セレニクスA
1ヵ月給与群)の合計10頭の枝肉格付成績を調査1の
III群(ビタミンE1ヵ月給与群)5頭及び調査1と
2の無添加対照群の合計10頭の成績と比較した。格付
成績は等級が数値化されていない格付の場合はC1〜C
5を1〜5、B1〜B5を6〜10、A1〜A5を11
〜15とし、枝肉に付けられた成績を数値化して平均値
を算出した。有意差検定は各数値を15(15等級)で
除したものについて行い、等級が数値化されているBM
S No.(脂肪交雑標準番号)については枝肉に付け
られた成績をBMS No.の総等級数の12で除した
ものについて有意差を検定した。以下同様にBCS N
o.(肉色標準番号)は枝肉に付けられた成績をBCS
No.総等級数7で除したもの、肉の光沢と質は5でそ
れぞれ除したものについて有意差検定を行った。
【0042】4.結果および考察 ビタミンEの濃度 図8に各検体ごとの結果を、図9には両群の平均値の結
果を示した。無添加対照群の精肉中のビタミンE平均濃
度は、1.86(μg/g)、標準偏差は0.365、
ビタミンE+鉱塩セレニクスA給与群では、平均濃度は
4.17(μg/g)標準偏差は0.416となった。
検定の結果2つの群のビタミンEの濃度には、有意差
(p<0.01)がみられた。このことは、一定期間
(1ヵ月間)ビタミンEと鉱塩セレニクスAを給与する
ことにより、ビタミンEの蓄積量を増加させ得ることを
示すものである。無添加対照群に対して、ビタミンE+
鉱塩セレニクスA給与群では、ビタミンE濃度は約2.
2倍になった。
【0043】TBA値の経時変化 表2に両群、各検体のTBA値の経時変化の数値を、図
10に無添加対照群の各検体ごとのTBA値の経時変化
のグラフを、図11にビタミンE+鉱塩セレニクスA給
与群の各検体ごとのTBA値の経時変化のグラフを、図
12に両群のTBA値の平均値の経時変化のグラフを示
した。
【0044】
【表2】 VE:ビタミンE1200mg/頭/日 給与 #:搬入2日後 Se:鉱塩セレニクスA 自由舐食 統計処理の結果、無添加対照群とビタミンE+鉱塩セレ
ニクスA給与群との間で、3日目以降有意差が認められ
た(3日目、5日目は有意差p<0.05、7日目、1
2日目は有意差p<0.01)。つまりビタミンE+鉱
塩セレニクスA給与群は無添加対照群に比べて保存期間
中、脂質の酸化が抑制され、鮮度保持能は向上したとい
える。
【0045】ビタミンEの濃度とTBA値との関係 図13に、ビタミンE濃度と、ビタミンE+鉱塩セレニ
クスA給与群、無添加対照群、の各検体の7日目のTB
A値との関係を示した。図13が示すように、無添加対
照群では、ビタミンEの濃度が増加するにつれてTBA
値が減少しているのに対し、ビタミンE+鉱塩セレニク
スA給与群ではTBA値はほぼ一定の低い値(0.50
以下)に抑えられている。このことからビタミンE+鉱
塩セレニクスA給与群により脂質の酸化は確実に抑制さ
れることを示している。
【0046】色調の経時変化の観察 ビタミンE+鉱塩セレニクスA給与群は無添加対照群の
表面の赤色が2日目頃から黒変していくのに対し、約2
日程度黒変を遅らせた。
【0047】枝肉の格付 表3及び図14、図15にビタミンE+鉱塩セレニクス
A給与群とビタミンE給与群及び無添加対照群の枝肉の
格付成績を示した。
【0048】
【表3】 ビタミンE+鉱塩セレニクスA給与群は、無添加対照群
に対し、BMSNo.、肉の光沢、締まり及びきめにつ
いて有意な差がみられ、全体の格付も向上していた。ま
た、ビタミンE+鉱塩セレニクスA給与群は、ビタミン
E給与群に対し、BCS No.及び肉の締まりで有意
差を認め、格付、BMS No.、光沢、きめにおいて
もビタミンE給与群の平均値より高かった。これらの結
果から、ビタミンE+鉱塩セレニクスAを肥育末期に給
与することにより、枝肉の締まりときめを有意に向上さ
せ、それによって枝肉の商品価値を決める格付をも向上
させ得たといえる。
【0049】5.まとめ ビタミンE+鉱塩セレニクスA給与群は無添加対照群
に比べてビタミンE蓄積量を有意に増加した(約2.2
倍程度)。 ビタミンE+鉱塩セレニクスA給与群は無添加対照群
に比べてTBA値を有意に低く抑えた(TBA値 0.
5mg/kg程度)。 ビタミンE+鉱塩セレニクスA給与群は無添加対照群
に比べて肉表面の赤色の黒変を遅らせ、見た目の鮮度を
約2日間延長させた。 ビタミンE+鉱塩セレニクスA給与群は無添加対照群
に比べて枝肉の格付を有意に向上させた。
【0050】調査3 ビタミンE及びセレン入り固形飼
料の給与と牛肉の鮮度保持との関係
【0051】1.調査目的 高単位のビタミンEとセレンを一定期間給与することに
より牛肉の鮮度保持能力が向上し、商品として陳列でき
る期間が延長できるかどうか確認する。 2.試験材料 供試牛:ホルスタイン種去勢牛 飼育場:当社臨床牧場 飼育方法:当牧場で飼育されている肥育牛のうち供試
牛10頭を2群に分け、それぞれ同一日に屠殺し、分析
に供した。 I群.ビタミンE+セレン入り固形飼料1ヵ月給与群 II群.無添加対照群(ビタミンE及びセレン入り固形
飼料を給与せず、1ヵ月飼育群) 給与飼料 当社臨床牧場の標準飼育方法による。
【0052】飼料内容 ビタミンE及びセレン入り固形飼料の成分及び分量 1kg中 ・黄色酸化鉄 2,000mg (鉄として 1,257mg) ・硫酸銅(乾燥) 400mg (銅として 159mg) ・硫酸コバルト(乾燥) 70mg (コバルトとして 26.5mg) ・硫酸亜鉛(乾燥) 1,500mg (亜鉛として 607mg) ・炭酸マンガン 1,100mg (マンガンとして 526mg) ・ヨウ素酸カルシウムFコート 100mg (ヨードとして 65mg) ・亜セレン酸ナトリウム 44mg (セレンとして 20mg) ・ビタミンE 17g ・第三リン酸カルシウム 450g ・糖蜜 50g ・食塩 残量 試験開始と同時に自由摂取させる1日の舐食量を30〜
50gとすると、セレンの摂取量は0.6〜1mg/
日、ビタミンEの摂取量は0.5〜0.85g/日とな
る。
【0053】牛肉の処理方法 調査1と同じ処理を行う。
【0054】3.分析方法 検体のパッケージング 調査1と同じ。 検体の保存 調査1と同じ。 ビタミンEの測定法 調査1と同じ。 色調の観察 調査1と同じ。
【0055】4.結果及び考察 ビタミンEの濃度 ビタミンE及びセレン入り固形飼料を舐食させた群は、
表4に示すように無添加群に比べて筋肉中のビタミン蓄
積量を有意(約2.5倍)に増加させた。
【0056】
【表4】
【0057】色調の経時変化の観察 無添加対照群は、4日目から肉表面に黒変が観察された
が、ビタミンE及びセレン入り固形飼料群では黒変の発
現が4日遅れ8日目以降で観察された。従って商品とし
ての陳列期間が長くなり得たものと考えられた。
【0058】5.まとめ ビタミンE及びセレン入り固形飼料を1ヵ月自由舐食
させることによりビタミンE蓄積量は約2.5倍となっ
た。 ビタミンE及びセレン入り固形飼料群では陳列開始
後、肉表面に生ずる黒変の発現を遅らせ、見た目の鮮度
を約4日間延長させ得た。 以上の調査より、肥育牛にセレン入り固形塩又は固形飼
料を自由舐食させながら高単位ビタミンEを給与する
か、或いは、セレン及びビタミンE入り固形塩又は固形
飼料を自由舐食させて30〜90日間肥育することによ
り、牛肉の表面の赤色の黒変を遅らせ、枝肉の格付を向
上させ鮮度を長持ちさせることができることが判明し
た。
【0059】
【実施例】以下本発明による実施例をあげて詳述する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0060】実施例1 1kg中三二酸化鉄715mg、硫酸銅(乾燥)377
mg、硫酸コバルト(乾燥)6.6mg、硫酸亜鉛(乾
燥)1,235mg、塩化マンガン1,146mg、ヨ
ウ化カリウム66.5mg、亜セレン酸ナトリウム22
mg(セレンとして10mg)、食塩995.5gを混
合して固化した固形塩を、黒毛和種の肥育牛に1日の摂
取量が30〜50gになるように舐食させると共に、配
合飼料に1頭1日分としてビタミンE0.5gを配合し
て給与し、60日肥育した。この結果得られた牛肉は、
無添加対照群に比べてビタミンE蓄積量は約2.4倍に
増加し、肉表面の赤色の黒変を遅らせ、見た目の鮮度を
約3日延長させた。
【0061】実施例2 1kg中黄色酸化鉄2,000mg、硫酸銅(乾燥)3
77mg、硫酸コバルト(乾燥)6.6mg、硫酸亜鉛
(乾燥)1,235mg、塩化マンガン1,146m
g、ヨウ化カリウム65.5mg、亜セレン酸ナトリウ
ム66mg(セレンとして30mg)、食塩994.2
gを混合して固化した固形塩を、ホルスタイン種去勢牛
に1日の摂取量が30〜50gになるように舐食させる
と共に、配合飼料に1頭1日分としてビタミンE0.8
gを配合して給与し、90日肥育した。この結果得られ
た牛肉は、無添加対照群に比べてビタミンE蓄積量は約
2.5倍に増加し、TBA値を有意に低く抑え(TBA
値0.5mg/kg程度)枝肉の格付を有意に向上させ
た。
【0062】実施例3 1kg中糖蜜0.27kg、食塩0.3kg、コーンス
テープリカ10g、変性アルコール30g、硫酸鉄(乾
燥)0.33g、硫酸マンガン0.23g、硫酸亜鉛
0.33g、硫酸コバルト0.15g、第一リン酸カル
シウム160g、ゼオライト80g、第三リン酸カルシ
ウム60g、硫酸マグネシウム5g、亜セレン酸ナトリ
ウム44mg(セレンとして20mg)、水適量を混合
して固化した固形飼料を、黒毛和種の肥育牛に1日の摂
取量が30〜50gになるように舐食させると共に、配
合飼料に1頭1日分としてビタミンE0.8gを配合し
て給与し、90日間肥育した。この結果得られた牛肉
は、無添加対照群に比べてビタミンE蓄積量は約2.5
倍に増加し、牛肉の表面の赤色の黒変を遅らせ、TBA
値を有意に低く抑え(TBA値0.45mg/kg)、
見た目の鮮度を約3日間延長させた。
【0063】実施例4 1kg中三二酸化鉄715mg(鉄として500m
g)、硫酸銅(乾燥)377mg(銅として150m
g)、硫酸コバルト(乾燥)6.6mg(コバルトとし
て2.5mg)、硫酸亜鉛(乾燥)1,235mg(亜
鉛として500mg)、塩化マンガン1,146mg
(マンガンとして500mg)、ヨウ化カリウム66.
5mg(ヨードとして50mg)、セレン酸ナトリウム
22mg(セレンとして10mg)、塩化ナトリウム9
95.5gを混合して固化した固形塩を、黒毛和種の肥
育牛に1日の摂取量が30〜50gになるように舐食さ
せると共に、配合飼料に1頭1日分としてビタミンE
1.2gを配合して給与し、60日間肥育した。この結
果得られた牛肉は、無添加対照群に比べてビタミンE蓄
積量は約2.5倍に増加し、見た目の鮮度を3日間延長
させた。
【0064】実施例5 1kg中三二酸化鉄715mg(鉄として500m
g)、硫酸銅(乾燥)377mg(銅として150m
g)、硫酸コバルト(乾燥)6.6mg(コバルトとし
て2.5mg)、硫酸亜鉛(乾燥)1,235mg(亜
鉛として500mg)、塩化マンガン1,146mg
(マンガンとして500mg)、ヨウ化カリウム66.
5mg(ヨードとして50mg)、酸化マグネシウム6
0g(マグネシウムとして36.2g)、亜セレン酸ナ
トリウム66mg(セレンとして30mg)、ビタミン
E17g、食塩918gを混合し、舐食によって1日の
摂取量が30〜50gになるように固化することによ
り、固形塩(舐食固形物)とした。
【0065】実施例6 実施例5の固形塩を、ホルスタイン種去勢牛に1日30
〜50g舐食させて60日間肥育した結果、無添加対照
群に比べてビタミンE蓄積量は約2.6倍に増加し、見
た目の鮮度を約4日間延長させ、格付を向上させた。
【0066】実施例7 1kg中ビタミンA油30万単位、ビタミンD3油6万
単位、アセトメナフトン150mg、硝酸チアミン30
0mg、硫酸鉄(乾燥)5.45g(鉄として2g)、
硫酸銅(乾燥)1.28g(銅として509mg)硫酸
コバルト(乾燥)52.7mg(コバルトとして20m
g)、硫酸亜鉛(乾燥)2.47g(亜鉛として1g)
炭酸マンガン2.1g(マンガンとして1g)、酸化マ
グネシウム34g(マグネシウムとして20.5g)、
第三リン酸カルシウム100g、食塩50g、ビール酵
母20g、亜セレン酸ナトリウム22mg(セレンとし
て10mg)、ビタミンE40g、糖蜜300g、炭酸
カルシウム200g、水適量を混合し、舐食によって1
日の摂取量が30〜50gになるように固化することに
より、固形飼料(舐食固形物)とした。
【0067】実施例8 実施例7の固形飼料を、黒毛和種肥育牛に1日の摂取量
が30〜50gになるように舐食させて45日間肥育し
た結果、無添加対照群に比べてビタミンE蓄積量は約
2.7倍に増加し、牛肉の表面の赤色の黒変を遅らせ、
見た目の鮮度を約4日間延長させた。
【0068】実施例9 1Kg中ビタミンA油30万単位、ビタミンD3油6万
単位、アセトメナフトン150mg、硝酸チアミン30
0mg、硫酸鉄(乾燥)5.45g、硫酸銅(乾燥)
1.28g、硫酸コバルト(乾燥)52.7mg、硫酸
亜鉛(乾燥)2.47g、炭酸マンガン2.1g、酸化
マグネシウム34g、炭酸カルシウム200g、第三り
ん酸カルシウム100g、ビール酵母20g、海藻粉末
50g、ビタミンE40g、セレン酵母10g(セレン
として10mg)、糖蜜300g、水適量を混合し、舐
食によって1日の摂取量が30〜50gになるように固
化することにより、固形飼料(舐食固形物)とした。
【0069】実施例10 実施例9の固形飼料を、黒毛和種肥育牛に1日の摂取量
が30〜50gになるように舐食させて45日間肥育し
た結果、無添加対照群に比べてビタミンE蓄積量は約
2.4倍に増加し、牛肉の表面の赤色の黒変を遅らせ、
見た目の鮮度を約3日間延長させた。
【0070】
【発明の効果】本発明の牛肉鮮度保持方法では、出荷日
の30〜90日前より、肥育牛にセレン入り固形塩又は
固形飼料を自由舐食させて給与すると共に、高単位ビタ
ミンEを配合した配合飼料を給与して肥育する、或い
は、出荷日の30〜90日前より、肥育牛にセレン及び
高単位ビタミンE入り固形塩又は固形飼料を自由舐食さ
せて肥育するようにしたことにより、牛肉中のビタミン
Eの蓄積量を増加し、TBA値を低く抑え、肉表面の赤
色の黒変を遅らせ、見た目の鮮度を2〜4日間延長さ
せ、枝肉の格付を有意に向上させることができる優れた
効果を奏し得る。
【0071】また、本発明の牛肉鮮度保持用舐食固形物
では、固形塩又は固形飼料にセレンを添加すると共に高
単位ビタミンEを添加しているので、これを肥育牛に舐
食させることにより肥育牛に対するセレン及びビタミン
Eの給与を容易に行うことができる。また、前記牛肉鮮
度保持用舐食固形物では、ミネラル類等を添加しておく
ことによって、容易にそれを肥育牛に給与することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】無添加対照群(IV群)、ビタミンE1ヵ月給
与群(III群)、ビタミンE+鉱塩セレニクス1ヵ月
給与群(I群)、ビタミンE+鉱塩セレニクス3ヵ月給
与群(II群)の各試験群の牛肉中のビタミンE濃度を
示したグラフである。
【図2】図1のIV群のTBA値の経時変化を示すグラ
フである。
【図3】図1のIII群のTBA値の経時変化を示すグ
ラフである。
【図4】図1のI群のTBA値の経時変化を示すグラフ
である。
【図5】図1のII群のTBA値の経時変化を示すグラ
フである。
【図6】各試験群のTBA値の平均値の経時変化を示す
グラフである。
【図7】ビタミンE濃度と、I群、II群の各検体のT
BA値の5日目の経時変化と、III群及びIV群の各
検体のTBA値の6日目の経時変化を示すグラフであ
る。
【図8】無添加対照群とビタミンE+鉱塩セレニクスA
給与群の各検体ごとの牛肉中のビタミンE蓄積量を示す
グラフである。
【図9】図8の両群の平均値を示すグラフである。
【図10】無添加対照群の各検体ごとのTBA値の経時
変化を示すグラフである。
【図11】ビタミンE+鉱塩セレニクスA給与群の各検
体ごとのTBA値の経時変化を示すグラフである。
【図12】図10と図11の両群のTBA値の平均値の
経時変化を示すグラフである。
【図13】ビタミンE濃度と、ビタミンE+鉱塩セレニ
クスA給与群、無添加対照群、の各検体の7日目のTB
A値との関係を示すグラフである。
【図14】ビタミンE+鉱塩セレニクスA給与群とビタ
ミンE給与群及び無添加対照群の枝肉の格付成績を示し
たグラフである。
【図15】ビタミンE+鉱塩セレニクスA給与群とビタ
ミンE給与群及び無添加対照群の枝肉の格付成績を示し
たグラフである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 出荷日の30〜90日前より、肥育牛に
    セレン入り固形塩又は固形飼料(セレンとして1kg中
    10〜30mgを含む)を自由舐食により給与すると共
    に、ビタミンEを1日量として0.5〜1.2g配合し
    た配合飼料を給与して肥育することを特徴とする牛肉鮮
    度保持方法。
  2. 【請求項2】 出荷日の30〜90日前より、肥育牛に
    セレン及びビタミンE入り固形塩又は固形飼料(1kg
    中セレンとして10〜30mg、ビタミンE17〜40
    gを含む)を自由舐食させて肥育することを特徴とする
    牛肉鮮度保持方法。
  3. 【請求項3】 固形塩又は固形飼料に、鉄、銅、コバル
    ト、亜鉛、マンガン、ヨウ素等のミネラル類、糖蜜、リ
    ン、カルシウム、ビタミン類を含むことを特徴とする請
    求項1及び2に記載の牛肉鮮度保持方法。
  4. 【請求項4】 固形塩又は固形飼料1kg中に、セレン
    として10〜30mg、ビタミンE17〜40gを含有
    していることを特徴とする牛肉鮮度保持用舐食固形物。
  5. 【請求項5】 固形塩又は固形飼料に、鉄、銅、コバル
    ト、亜鉛、マンガン、ヨウ素等のミネラル類、糖蜜、リ
    ン、カルシウム、ビタミン類を含むことを特徴とする請
    求項4に記載の牛肉鮮度保持用舐食固形物。
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