JPH08258325A - イオンフロー静電記録ヘッド及びその製造方法 - Google Patents

イオンフロー静電記録ヘッド及びその製造方法

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JPH08258325A
JPH08258325A JP9193895A JP9193895A JPH08258325A JP H08258325 A JPH08258325 A JP H08258325A JP 9193895 A JP9193895 A JP 9193895A JP 9193895 A JP9193895 A JP 9193895A JP H08258325 A JPH08258325 A JP H08258325A
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JP
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electrode
electrodes
thin film
matrix
dielectric layer
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JP9193895A
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Naohito Shiga
直仁 志賀
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Olympus Corp
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高温下で長時間曝されても誘電体層が劣化せ
ず、マイカを用いたのと同程度以上の高精細な画像形成
が可能なイオンフロー静電記録ヘッド及びその製造方法
を提供する。 【構成】 絶縁基板11上に複数の第1電極12を設けて、
その上に窒化珪素薄膜13aとその表面に形成したプラズ
マCVD法による窒化珪素薄膜からなる表面層13bとか
らなる誘電体層13を設ける。そして誘電体層13上に第2
電極14を第1電極12とマトリクスを構成するように設
け、誘電体層13の第2電極14の配置面側に、第2電極14
を埋設するように絶縁体層15を設け、更に絶縁体層15の
表面に第3電極16を接着し、そして第2電極の開口部14
aと絶縁体層の開口部15aと第3電極の開口部16aとを
連通してイオン流通過口17を形成し、イオンフロー静電
記録ヘッドを構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、静電式の印刷や複写
に利用されるイオンフロー静電記録ヘッド及びその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、例えば静電印刷などにおいて、
高電流密度のイオンを発生させ、これを抽出して選択的
に被帯電部材に付与して、この被帯電部材を画像状に帯
電させる静電記録装置が知られている。
【0003】この静電記録装置に用いられるイオンフロ
ー静電記録ヘッドには、図4の(A),(B)に示すよ
うな構成のものが知られている。図において、1は絶縁
基板で、該絶縁基板1上には同方向に略直線状に延設さ
れ、略平行に並設された複数の第1電極2が設けられて
いる。これらの第1電極2は、誘電体層3の一方の面に
固着されている。また、誘電体層3の他方の面には、第
1電極2の延設方向と異なる方向に延設された複数の第
2電極4が接着剤8で固着されている。そして、複数の
第1電極2・・・と複数の第2電極4・・・とでマトリ
クスを構成している。更に、この第2電極4のマトリク
スと対応する部分には、イオン発生用の開口部4aが形
成されている。また、第2電極4の第1電極2と反対側
には、絶縁体層5を介して第3電極6が配設されてい
る。これらの絶縁体層5及び第3電極6には、第2電極
4の開口部4aと対応する開口部5a,6aが形成され
ており、これらの開口部5a,6aによってイオン流通
過口7が構成されている。
【0004】このように構成されたイオンフロー静電記
録ヘッドにおいては、第1電極2と第2電極4との間の
マトリクスの、選択された部分に対応する第1電極2と
第2電極4との間に、交互に高電圧を印加することによ
り、その部分に対向する第2電極4の開口部4a近傍
に、正・負のイオンが発生する。また、第2電極4と第
3電極6との間にはバイアス電圧が印加され、その極性
によって決まるイオンのみが発生したイオンから選択的
に抽出され、イオン流通過口7を通過し、第3電極6と
対向して配置される被帯電部材を部分的に帯電させるこ
とができる。したがって、マトリクス構造の第1及び第
2の電極を選択的に駆動することにより、ドットによる
静電記録を行うことができる。
【0005】このような構成のイオンフロー静電記録ヘ
ッドで使用される誘電体層3を形成する誘電物質は、イ
オン発生のために印加される高電圧でも絶縁破壊しない
ことが要求される。また、この誘電体層3はイオンを効
率良く発生させ、絶縁破壊にも耐えられる程度の厚さを
必要とするため、高誘電率を有するものが適している。
例えば、特開平2−153760号公報開示のものでは
誘電体層3の材料として、シリコーン変性ポリエステル
アルキド樹脂中に酸化チタン粉を混在させたものが用い
られている。また、同公報開示のものでは第2電極4を
形成する材料としては、ステンレス鋼のシートが用いら
れると共に、その第2電極4を誘電体層3に固着する接
着剤8には、シリコーン系の感圧接着剤が用いられてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、イオンフロ
ー静電記録ヘッドの駆動時には、第1電極2と第2電極
4との間の高電圧下での放電により、第1電極2と第2
電極4の周辺の部材、特に両電極2,4間に存在する誘
電体層3は高温に曝される。特開平2−153760号
公報に開示されているもののように、その誘電体層3の
バインダーに有機高分子系樹脂を用いている場合には、
比較的短時間で誘電体層3のバインダーが熱酸化劣化を
生じ、高分子鎖がバラバラに切断され、誘電体層3の表
面から次第に粉を吹く現象が見られる。
【0007】したがって、経時的には第2電極4の各開
口部4a内での電気特性が変化し、均一にイオンを発生
できない部分が存在したり、あるいは漏電及び短絡現象
が生じることにより、静電記録される画像の画質も劣化
し、高精細な画像が得られなくなるという問題点があ
る。
【0008】また、従来用いられてきた誘電体層を構成
する誘電体材料としてのマイカは、電気特性や耐久性は
他の誘電体材料より優れているが、マイカは天然物であ
るため、均一な厚さ、均一な電気特性、ピンホール等の
欠陥のない均質性等の特性を満足するものを選定、選別
することが非常に困難である。そのため、コスト高にな
り、マイカ製の誘電体層を使用したイオンフロー静電記
録ヘッドは高価なものとなってしまうという問題点があ
る。
【0009】本発明は、従来のイオンフロー静電記録ヘ
ッドにおける上記問題点を解消するためになされたもの
で、請求項1記載の発明は、高温度下で長時間曝されて
も誘電体層が劣化せず、マイカを用いた場合と同程度か
それ以上の高精細な画像形成が可能で、安価に製造する
ことができるイオンフロー静電記録ヘッドを提供するこ
とを目的とする。請求項2記載の発明は、より安価な材
料と設備を用いて誘電体層を成膜することが可能なイオ
ンフロー静電記録ヘッドの製造方法を提供することを目
的とする。
【0010】請求項3記載の発明は、ガラス系基板など
の安価な基板上にクラックや剥離の発生のない誘電体層
を備えたイオンフロー静電記録ヘッドを提供することを
目的とする。また請求項4記載の発明は、ガラス系基板
などの安価な基板上に大量の窒素ガスを必要とせず、よ
り安価な材料と設備を用いて誘電体層を成膜できるよう
にしたイオンフロー静電記録ヘッドの製造方法を提供す
ることを目的とする。また請求項5記載の発明は、ピン
ホールやクラック等の欠陥がごく少なく均質で、コロナ
放電による熱酸化劣化等の影響を受けにくい、高耐久性
の薄膜の誘電体層を成膜できるようにしたイオンフロー
静電記録ヘッドの製造方法を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段及び作用】上記問題点を解
決するため、請求項1記載の発明は、絶縁基板上に一方
向に且つ平行に延設された複数の第1電極と、該第1電
極と交差する方向に延設され、前記第1電極と共にマト
リクスを形成し、該マトリクスと対応する部分に開口部
が形成されている第2電極と、該第2電極に対し前記第
1電極とは反対側に配置され、前記マトリクスと対応す
る部分に開口部が形成されている第3電極と、前記第1
電極と第2電極との間に設けられた誘電体層と、前記第
2電極と第3電極との間に設けられ、前記マトリクスに
対応する部分に開口部が形成されている絶縁体層とを備
えたイオンフロー静電記録ヘッドにおいて、前記誘電体
層は、少なくともその表面を厚さ0.5 μm以上のプラズ
マCVD法による窒化珪素薄膜で構成するものである。
【0012】このように、誘電体層の表面をプラズマC
VD法による窒化珪素薄膜で構成しているので、少なく
とも表面が緻密で硬質な誘電体層を形成することがで
き、長期間に亘って劣化が生ぜず高精細な画像を形成す
ることが可能なイオンフロー静電記録ヘッドを実現する
ことができる。
【0013】請求項2記載の発明は、絶縁基板上に一方
向に且つ平行に延設された複数の第1電極と、該第1電
極と交差する方向に延設され、前記第1電極と共にマト
リクスを形成し、該マトリクスと対応する部分に開口部
が形成されている第2電極と、該第2電極に対し前記第
1電極とは反対側に配置され、前記マトリクスと対応す
る部分に開口部が形成されている第3電極と、前記第1
電極と第2電極との間に設けられた誘電体層と、前記第
2電極と第3電極との間に設けられ、前記マトリクスに
対応する部分に開口部が形成されている絶縁体層とを備
えたイオンフロー静電記録ヘッドの製造方法において、
前記絶縁基板と第1電極の表面にシラザン系化合物を塗
布し、窒素雰囲気中で焼成することにより、少なくとも
厚さ2.5μm以上の窒化珪素薄膜を成膜させる工程と、
該窒化珪素薄膜上に、SiH4 ガスと窒素ガスとアンモニ
アガスとを混合し反応させるプラズマCVD法により窒
化珪素薄膜からなる表面層を厚さ0.5 μm以上成膜する
工程とを備えているものである。このような工程を用い
ることにより、緻密で硬質の表面層をもつ誘電体層を容
易に形成することができる。
【0014】請求項3記載の発明は、絶縁基板上に一方
向に且つ平行に延設された複数の第1電極と、該第1電
極と交差する方向に延設され、前記第1電極と共にマト
リクスを形成し、該マトリクスと対応する部分に開口部
が形成されている第2電極と、該第2電極に対し前記第
1電極とは反対側に配置され、前記マトリクスと対応す
る部分に開口部が形成されている第3電極と、前記第1
電極と第2電極との間に設けられた誘電体層と、前記第
2電極と第3電極との間に設けられ、前記マトリクスに
対応する部分に開口部が形成されている絶縁体層とを備
えたイオンフロー静電記録ヘッドにおいて、前記誘電体
層を、厚さ2.5 μm以上に成膜した酸窒化珪素薄膜と、
該酸窒化珪素薄膜の表面に形成された厚さ0.5 μm以上
のプラズマCVD法による窒化珪素薄膜からなる表面層
とで構成するものである。これにより、請求項1記載の
発明と同様に、緻密で硬質の表面層をもつ誘電体層が得
られると共に、酸窒化珪素薄膜が絶縁基板と窒化珪素薄
膜からなる表面層との熱膨脹係数差による熱応力や残留
応力を緩和する機能をもつため、誘電体層の剥がれや、
絶縁基板のクラック・破損等を防止することができる。
【0015】請求項4記載の発明は、絶縁基板上に一方
向に且つ平行に延設された複数の第1電極と、該第1電
極と交差する方向に延設され、前記第1電極と共にマト
リクスを形成し、該マトリクスと対応する部分に開口部
が形成されている第2電極と、該第2電極に対し前記第
1電極とは反対側に配置され、前記マトリクスと対応す
る部分に開口部が形成されている第3電極と、前記第1
電極と第2電極との間に設けられた誘電体層と、前記第
2電極と第3電極との間に設けられ、前記マトリクスに
対応する部分に開口部が形成されている絶縁体層とを備
えたイオンフロー静電記録ヘッドの製造方法において、
前記絶縁基板と第1電極の表面にシラザン系化合物を塗
布し、空気中で焼成することにより、少なくとも厚さ2.
5 μm以上の酸窒化珪素薄膜を成膜させる工程と、該酸
窒化珪素薄膜上に、SiH4 ガスと窒素ガスとアンモニア
ガスとを混合し反応させるプラズマCVD法により窒化
珪素薄膜からなる表面層を厚さ0.5 μm以上成膜する工
程とを備えているものである。このような工程を用いる
ことにより、酸窒化珪素薄膜と窒化珪素薄膜からなる表
面層とで形成される誘電体層を容易に製造することがで
きる。
【0016】請求項5記載の発明は、請求項2又は4記
載のイオンフロー静電記録ヘッドの製造方法において、
プラズマCVD法を、温度300 ℃〜350 ℃,圧力0.45To
rr〜0.5 Torr,高周波出力40W〜80W,成膜速度110 Å
/min 〜180 Å/min の条件で、成膜のH2 含有量が22
×1021H atoms/cm3 未満となるように実行するもので
ある。これにより、ピンホールやクラック等の欠陥の殆
どない表面層をもつ誘電体層を容易に製造することがで
きる。
【0017】
【実施例】次に、実施例について説明する。図1は本発
明に係るイオンフロー静電記録ヘッドの第1実施例を示
す概略断面図である。図1において、11はイオンフロー
静電記録ヘッドの絶縁基板である。この絶縁基板11上に
は、イオン発生用の誘電電極である複数の第1電極12・
・・が設けられている。これらの複数の第1電極12・・
・は、一方向に向けて略平行に並設されている。そして
絶縁基板11及び第1電極12・・・上には、窒化珪素薄膜
13aが設けられ、その表面にプラズマCVD法による窒
化珪素薄膜からなる表面層13bが形成されており、窒化
珪素薄膜13aと表面層13bとで誘電体層13を構成してい
る。
【0018】この誘電体層13の表面、すなわち誘電体層
13における絶縁基板11とは反対側の面には、放電電極で
ある複数の第2電極14・・・が第1電極12・・・と交差
する方向に並設されており、第1電極12・・・と第2電
極14・・・とによってマトリクスを構成している。そし
て、第2電極14・・・には、このマトリクスと対応する
部分に、それぞれイオン発生用の開口部14a・・・が形
成されている。
【0019】また誘電体層13における第2電極14・・・
の並設面側には、第2電極14・・・を埋設する状態で絶
縁体層15が設けられている。更に、絶縁体層15の表面に
は帯状の第3電極16が接着されている。この第3電極16
には、第1電極12・・・と第2電極14・・・とのマトリ
クスと対応する部分に、開口部16a・・・が形成されて
いる。また、絶縁体層15には第2電極14・・・の各開口
部14a・・・と第3電極16の各開口部16a・・・との間
を連通する開口部15a・・・が形成されている。そし
て、第3電極16の開口部16a・・・は、絶縁体層15の開
口部15a・・・を介して第2電極14・・・の開口部14a
・・・と連通されていて、イオンフロー静電記録ヘッド
のイオン流通過口17・・・を構成している。
【0020】次に、このように構成されたイオンフロー
静電記録ヘッドの動作について説明する。イオンフロー
静電記録ヘッドの動作時には、印字信号に基づいて第1
電極12・・・と第2電極14・・・との間のマトリクスが
適宜選択され、選択されたマトリクス部分に対応する第
1電極12・・・と第2電極14・・・との間に、交流電圧
が印加される。これにより、選択されたマトリクス部分
に対応する第2電極14・・・の開口部14a・・・内の近
傍部分に、正・負イオンが発生する。このとき、第2電
極14・・・と第3電極16との間にはバイアス電圧が印加
され、その極性によって決まるイオンのみが、第2電極
14・・・の開口部14a・・・内の近傍部分に発生したイ
オンから抽出される。そして、抽出されたイオンは絶縁
体層15の開口部15a・・・及び第3電極16の開口部16a
・・・を通過し、イオン流通過口17に対向して設けられ
ている図示しない誘電体ドラムを局部的に帯電させる。
これにより、第1電極12・・・及び第2電極14・・・の
選択的駆動によって、誘電体ドラム上にドット潜像を形
成することができる。
【0021】次に、上記イオンフロー静電記録ヘッドの
製造方法の第1実施例について、図2の(A)〜(F)
に示す製造工程図を参照しながら具体的に説明する。本
実施例では、絶縁基板11として、厚さ0.6 mmで表面を研
磨処理した石英基板を用いる。そして、この絶縁基板11
の板面には、その表面を洗浄した後、スパッタリングに
よって厚さ1μmのチタン薄膜を全面に成膜し、続い
て、絶縁基板11上のチタン薄膜層をフォトエッチング処
理することにより、図2の(A)に示すように、絶縁基
板11上に第1電極12を形成する。
【0022】次に、絶縁基板11における第1電極12のパ
ターン形成面側に、シラザン系化合物を溶剤に溶解させ
たもの、例えば濃度40 VOL/%のポリユリアシラザンの
キシレン溶液をディッピングで塗布する。続いて70℃で
溶剤を乾燥した後、窒素雰囲気下におけるプログラム昇
温で、5℃/min の昇温速度で900 ℃まで昇温する。更
に、窒素雰囲気下において900 ℃で10分間保持した後、
50℃/min で室温まで徐冷して成膜する。その後、ディ
ッピングから成膜までの工程が繰り返され、図2の
(B)に示すように、絶縁基板11及び第1電極12の上
に、厚さ3μmの窒化珪素薄膜13aを成膜する。
【0023】次に、図2の(C)に示すように、窒化珪
素薄膜13aの上にプラズマCVD法により、厚さ0.6 μ
mの窒化珪素薄膜からなる表面層13bを成膜して、合計
厚さ3.6 μmの誘電体層13を形成する。誘電体層13の合
計厚さが3μmに満たないと、数千Vもの駆動電圧に耐
えられず、絶縁破壊を起こしてしまう。但し、薄膜が十
数μmを越えると薄膜中に応力が溜まり易くなり、クラ
ックの発生を誘発し易くなってしまうので、注意が必要
である。また、誘電体層13の表面層13bは、駆動時は常
時コロナ放電に曝され、同時に熱もかかるため、表面が
次第に劣化変質して侵食されていく。窒化珪素は、他の
材料よりは前記侵食には比較的強い材料ではあるが、経
時的には侵食が生じ、0.5 μm位侵食されると、それ以
上の侵食は進行し難くなることが判明した。
【0024】また、プラズマCVDの条件によっては、
成膜した窒化珪素の膜質が緻密で硬質になり、前記侵食
に対して耐久性が向上することも判明した。したがっ
て、本実施例のプラズマCVDでの表面層13bの成膜条
件は、SiH4 ガスと窒素ガスとアンモニアガスとを用い
て、温度は300 ℃以上350 ℃以下、圧力は0.45Torr以上
0.5 Torr以下、高周波(RF)出力は40W以上80W以
下、成膜速度は110 Å/min 以上180 Å/min 以下、と
なるよな条件で成膜し、結果として表面層13bを形成す
る窒化珪素薄膜のH2 含有量が22×1021H atoms/cm3
未満となるように制御した。
【0025】更に、成膜した誘電体層13の上に、図2の
(D)に示すように、スパッタリングによりアルミニウ
ム膜24を厚さ1μm成膜し、次いで図2の(E)に示す
ように、フォトエッチングで第2電極のパターンにパタ
ーニングし、第2電極14を積層形成する。この第2電極
14には、複数の第2電極14の開口部14a・・・がパター
ン形成されている。
【0026】続いて、図2の(F)に示すように、誘電
体層13と第2電極14の表面に厚さ50μmの感光性のフィ
ルム状絶縁体層15を真空ラミネートしたのち、通常の感
光性フィルムと同様に、露光・現象等のフォトリソグラ
フィー処理を施して開口部15aを形成する。
【0027】次に、第2電極14・・・の開口部14a・・
・と対応した開口部16a・・・を予め形成した第3電極
16を、絶縁体層15の開口部15aと第3電極16の開口部16
aとを位置合わせさせた状態で、絶縁体層15上に重ね合
わせることにより、図1に示すイオンフロー静電記録ヘ
ッドが完成する。なお、第3電極16はニッケル箔を電鋳
により作製し、絶縁体層15と第3電極16とは、粘着剤や
両面テープで貼り合わせる他、第3電極16上から片面テ
ープで、絶縁体層15に貼り付けてもよい。
【0028】上記構成のイオンフロー静電記録ヘッドの
製造方法によれば、次に示すような効果が得られる。す
なわち、イオンフロー静電記録ヘッドを構成する誘電体
層13の製造時に、絶縁基板11及び第1電極12・・・の上
に、濃度40 VOL/%のポリユリアシラザンのキシレン溶
液をディッピングで塗布し、続いて70℃で溶剤を乾燥さ
せることにより、まず溶剤が揮発し、更に窒素雰囲気下
のプログラム昇温で5℃/min の昇温速度で900 ℃まで
昇温させて、高温で塗布材料の加熱焼成を行うことによ
り、塗布材料が次第にセラミック材料に変化し、窒化珪
素薄膜13aが形成され、更にこの上に所定の条件に制御
したプラズマCVD法により窒化珪素薄膜からなる表面
層13bを堆積させたので、酸化珪素薄膜よりも高誘電率
で、硬質で緻密な表面層を有する誘電体層13を形成する
ことができる。これにより、耐熱性が高く、放電による
劣化を受けにくくすることができる。
【0029】その結果、高分子樹脂中に高誘電率粉末を
分散させて誘電体層を成型させた場合のように、高電圧
印加状態という激しい使用環境下で、誘電体層の樹脂成
分が短時間で熱酸化して劣化し、ぼろぼろになり、初期
の電気特性を維持できなくなるというような恐れがなく
なる。したがって、本実施例のセラミック状の窒化珪素
薄膜からなる誘電体層13によれば、イオンフロー静電記
録ヘッドの製造時に誘電体層13が高温状態に加熱された
り、イオンフロー静電記録ヘッドの駆動時に第1電極12
と第2電極14との間の高電圧下での放電により、この放
電部分の周辺材料、特に第1及び第2電極12,14間に存
在する誘電体層13が高温下で長時間保持される場合で
も、誘電体層13が劣化せず、初期の電気特性を長時間維
持することができる。
【0030】また、従来のように、破壊し易い天然マイ
カを選別したり、接着したりする手間が不要になるの
で、天然マイカを使用する場合に比べて誘電体層の歩溜
まりが向上する。そのため、マイカと同程度かそれ以上
の高精細で耐久性のあるイオンフロー静電記録ヘッドを
安価に製造することができる。
【0031】なお、本実施例では、シラザン系化合物を
塗布し焼成することによって誘電体層の一部を(窒化珪
素薄膜13a)を形成するものを示したが、その代わり
に、スパッタリングによって窒化珪素薄膜を成膜しても
よいし、各種CVD法によって成膜してもよい。但し、
成膜用設備が別途必要になる場合もある。また誘電体層
13の表面層13bと同様の条件・方法で、窒化珪素薄膜13
aを成膜し、窒化珪素薄膜13aと表面層13bを連続して
成膜を行って誘電体層を形成しても勿論よい。
【0032】次に第2実施例について説明する。上記第
1実施例では、絶縁基板11として石英基板を用い、シラ
ザン系化合物の溶液をディッピングで塗布し、溶剤乾燥
後、窒素雰囲気下で焼成して窒化珪素薄膜13aを成膜し
たが、本実施例においては、図3に示すように、絶縁基
板21として無アルカリガラスを用い、別のシラザン系化
合物の溶液をディッピングで塗布し、溶剤乾燥後、空気
中で焼成して酸窒化珪素薄膜23aを成膜するものであ
り、それ以外の構成は第1実施例と同様である。
【0033】本実施例で用いるシラザン系化合物は、分
子量2000のペルヒドロポリシラザンを20wt%溶解したキ
シレン溶液で、この中にディッピングして、乾燥したの
ち焼成させて、誘電体層23の一部(酸窒化珪素薄膜23
a)を成膜して構成するものである。なお、ディッピン
グ塗布後の乾燥は70℃で行われる。更にその後の塗布材
料の高温焼成は、大気中でプログラム昇温で、5℃/mi
n の昇温速度で500 ℃まで上げ、更に500 ℃で10分間保
持した後、50℃/min で室温まで徐冷する。そして、こ
れらの一連の成膜工程が、再度繰り返されて、厚さ2.7
μmの酸窒化珪素薄膜23aが形成される。
【0034】本実施例によれば、第1実施例と同様に、
誘電体層23の表面層13bが酸化珪素よりも高誘電率で、
緻密で、凝集力の高いセラミック状の窒化珪素薄膜で形
成されているため、耐熱性が高く、コロナ放電による熱
酸化劣化等を受け難く、初期の電気特性を長時間維持す
ることができる。また、本実施例では、誘電体層23を構
成する酸窒化珪素薄膜23aが第1実施例の窒化珪素薄膜
13aよりもかなり低温で成膜できるため、絶縁基板とし
て安価な無アルカリガラスを用いることができるほか、
加工過程での熱歪みが残留し難く、誘電体層23の破損が
一層少なくなる。そのため、誘電体層23の周囲の他の構
成部品の材料の制約も少なくなり、より安価な材料や製
造工程が採用できる。更に、誘電体層23を構成する酸窒
化珪素薄膜23aは無アルカリガラス製の絶縁基板21と上
部の窒化珪素薄膜の表面層13bとの熱膨脹係数差による
熱応力や残留応力を緩和する働きを有するので、誘電体
層23の剥がれや、絶縁基板21のクラック・破損といった
不具合も防止できる。
【0035】なお、本実施例では、シラザン系化合物を
塗布し焼成することによって誘電体層の一部(酸窒化珪
素薄膜23a)を形成するものを示したが、その代わり
に、スパッタリングによって酸窒化珪素薄膜を成膜して
もよいし、各種CVD法によって成膜してもよい。但
し、成膜用設備が別途必要になる場合もある。
【0036】
【発明の効果】以上実施例に基づいて説明したように、
請求項1記載の発明によれば、緻密で硬質の誘電体層を
形成することができ、長期間の高温下でも劣化せず、マ
イカと同程度以上の高精細な画像を形成することが可能
なイオンフロー静電記録ヘッドを実現することができ
る。また請求項2記載の発明によれば、緻密で硬質の誘
電体層を備えたイオンフロー静電記録ヘッドを安価な材
料と設備を用いて容易に製造することができる。また請
求項3記載の発明によれば、絶縁基板としてより安価な
ガラス系基板を用いることができ、且つ緻密で硬質の誘
電体層を剥がれや絶縁基板へのクラックや破損を与えず
に形成することの可能なイオンフロー静電記録ヘッドを
実現することができる。また請求項4記載の発明によれ
ば、ガラス系基板などのより安価な絶縁基板に、大量の
窒化ガスを必要とせずに、より安価な材料と設備を用い
て緻密で硬質の誘電体層を形成することの可能なイオン
フロー静電記録ヘッドの製造方法を提供することができ
る。また請求項5記載の発明によれば、ピンホールやク
ラック等の欠陥が極く少なく均質で、コロナ放電による
熱酸化劣化等の影響を受けにくく、高耐久性の誘電体層
を備えたイオンフロー静電記録ヘッドを容易に製造する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るイオンフロー静電記録ヘッドの第
1実施例を示す概略断面図である。
【図2】本発明に係るイオンフロー静電記録ヘッドの製
造方法の第1実施例を説明するための製造工程図であ
る。
【図3】本発明に係るイオンフロー静電記録ヘッドの第
2実施例を示す一部省略断面図である。
【図4】従来のイオンフロー静電記録ヘッドの構成例を
示す断面図及び破断斜視図である。
【符号の説明】
11 絶縁基板 12 第1電極 13 誘電体層 13a 窒化珪素薄膜 13b 表面層 14 第2電極 15 絶縁体層 16 第3電極 17 イオン流通過口 21 絶縁基板 23 誘電体層 23a 酸窒化珪素薄膜 24 アルミニウム膜

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁基板上に一方向に且つ平行に延設さ
    れた複数の第1電極と、該第1電極と交差する方向に延
    設され、前記第1電極と共にマトリクスを形成し、該マ
    トリクスと対応する部分に開口部が形成されている第2
    電極と、該第2電極に対し前記第1電極とは反対側に配
    置され、前記マトリクスと対応する部分に開口部が形成
    されている第3電極と、前記第1電極と第2電極との間
    に設けられた誘電体層と、前記第2電極と第3電極との
    間に設けられ、前記マトリクスに対応する部分に開口部
    が形成されている絶縁体層とを備えたイオンフロー静電
    記録ヘッドにおいて、前記誘電体層は、少なくともその
    表面を厚さ0.5 μm以上のプラズマCVD法による窒化
    珪素薄膜で構成していることを特徴とするイオンフロー
    静電記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 絶縁基板上に一方向に且つ平行に延設さ
    れた複数の第1電極と、該第1電極と交差する方向に延
    設され、前記第1電極と共にマトリクスを形成し、該マ
    トリクスと対応する部分に開口部が形成されている第2
    電極と、該第2電極に対し前記第1電極とは反対側に配
    置され、前記マトリクスと対応する部分に開口部が形成
    されている第3電極と、前記第1電極と第2電極との間
    に設けられた誘電体層と、前記第2電極と第3電極との
    間に設けられ、前記マトリクスに対応する部分に開口部
    が形成されている絶縁体層とを備えたイオンフロー静電
    記録ヘッドの製造方法において、前記絶縁基板と第1電
    極の表面にシラザン系化合物を塗布し、窒素雰囲気中で
    焼成することにより、少なくとも厚さ2.5 μm以上の窒
    化珪素薄膜を成膜させる工程と、該窒化珪素薄膜上に、
    SiH4 ガスと窒素ガスとアンモニアガスとを混合し反応
    させるプラズマCVD法により窒化珪素薄膜からなる表
    面層を厚さ0.5 μm以上成膜する工程とを備えているこ
    とを特徴とするイオンフロー静電記録ヘッドの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 絶縁基板上に一方向に且つ平行に延設さ
    れた複数の第1電極と、該第1電極と交差する方向に延
    設され、前記第1電極と共にマトリクスを形成し、該マ
    トリクスと対応する部分に開口部が形成されている第2
    電極と、該第2電極に対し前記第1電極とは反対側に配
    置され、前記マトリクスと対応する部分に開口部が形成
    されている第3電極と、前記第1電極と第2電極との間
    に設けられた誘電体層と、前記第2電極と第3電極との
    間に設けられ、前記マトリクスに対応する部分に開口部
    が形成されている絶縁体層とを備えたイオンフロー静電
    記録ヘッドにおいて、前記誘電体層を、厚さ2.5 μm以
    上に成膜した酸窒化珪素薄膜と、該酸窒化珪素薄膜の表
    面に形成された厚さ0.5 μm以上のプラズマCVD法に
    よる窒化珪素薄膜からなる表面層とで構成したことを特
    徴とするイオンフロー静電記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 絶縁基板上に一方向に且つ平行に延設さ
    れた複数の第1電極と、該第1電極と交差する方向に延
    設され、前記第1電極と共にマトリクスを形成し、該マ
    トリクスと対応する部分に開口部が形成されている第2
    電極と、該第2電極に対し前記第1電極とは反対側に配
    置され、前記マトリクスと対応する部分に開口部が形成
    されている第3電極と、前記第1電極と第2電極との間
    に設けられた誘電体層と、前記第2電極と第3電極との
    間に設けられ、前記マトリクスに対応する部分に開口部
    が形成されている絶縁体層とを備えたイオンフロー静電
    記録ヘッドの製造方法において、前記絶縁基板と第1電
    極の表面にシラザン系化合物を塗布し、空気中で焼成す
    ることにより、少なくとも厚さ2.5 μm以上の酸窒化珪
    素薄膜を成膜させる工程と、該酸窒化珪素薄膜上に、Si
    4 ガスと窒素ガスとアンモニアガスとを混合し反応さ
    せるプラズマCVD法により窒化珪素薄膜からなる表面
    層を厚さ0.5 μm以上成膜する工程とを備えていること
    を特徴とするイオンフロー静電記録ヘッドの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記窒化珪素薄膜からなる表面層を成膜
    する前記プラズマCVD法は、温度300 ℃〜350 ℃,圧
    力0.45Torr〜0.5 Torr,高周波出力40W〜80W,成膜速
    度110 Å/min 〜180 Å/min の条件で、成膜のH2
    有量が22×1021H atoms/cm3 未満となるように実行さ
    れることを特徴とする請求項2又は4記載のイオンフロ
    ー静電記録ヘッドの製造方法。
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