JPH1016282A - イオンフロー静電記録ヘッドの製造方法 - Google Patents

イオンフロー静電記録ヘッドの製造方法

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JPH1016282A
JPH1016282A JP18536596A JP18536596A JPH1016282A JP H1016282 A JPH1016282 A JP H1016282A JP 18536596 A JP18536596 A JP 18536596A JP 18536596 A JP18536596 A JP 18536596A JP H1016282 A JPH1016282 A JP H1016282A
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layer
insulator
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JP18536596A
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Naohito Shiga
直仁 志賀
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面粗さが微小で且つ厚さムラのない絶縁体
層を形成して、高精細な画像形成の可能なイオンフロー
静電記録ヘッドの製造方法を提供する。 【解決手段】 絶縁基板11上にチタン薄膜よりなる第1
電極12を形成した後、絶縁基板11の第1電極12の形成面
側に誘電体層13を形成し、次いで、誘電体層13上に開口
部14aを有する第2電極14をパターン形成する。次い
で、それらの上に粘度20000cpsの付加型耐熱ポリイミド
樹脂製絶縁体ペーストをスクリーン印刷で塗布して絶縁
体ペースト層15aを形成し、溶剤乾燥後、表面粗さ 0.2
μm以下の高剛性平面型16により硬化点よりも高温域に
加熱しながら押圧する。その後硬化させ平面型16を除去
した後、パターニングして厚さ50μmの開口部17aを有
する絶縁体層17を形成する。次いで開口部18aを予め形
成した第3電極18を絶縁体層17上に重ね合わせて設け、
イオンフロー静電記録ヘッドを作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、静電式の印刷や
複写に利用されるイオンフロー静電記録ヘッドの製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、例えば静電印刷などにおいて、
高電流密度のイオンを発生させ、これを抽出して選択的
に被帯電部材に付与して、この被帯電部材を画像状に帯
電させる静電記録装置が知られている。
【0003】この静電記録装置に用いられるイオンフロ
ー静電記録ヘッドには、図3の(A),(B)に示すよ
うな構成のものが知られている。図において、1は絶縁
基板で、該絶縁基板1上には同方向に略直線状に延設さ
れ、略平行に並設された複数の第1電極2が設けられて
いる。これらの第1電極2は、誘電体層3の一方の面に
固着されている。また、誘電体層3の他方の面には、第
1電極2の延設方向と異なる方向に延設された複数の第
2電極4が接着剤8で固着されている。そして、複数の
第1電極2・・・と複数の第2電極4・・・とでマトリ
ックスを構成している。更に、この第2電極4のマトリ
ックスの交差部と対応する部分には、イオン発生用の開
口部4aが形成されている。また、第2電極4の第1電
極2と反対側には、絶縁体層5を介して第3電極6が配
設されている。これらの絶縁体層5及び第3電極6に
は、第2電極4の開口部4aと対応する開口部5a,6
aが形成されており、これらの開口部5a,6aによっ
てイオン流通過口7が形成されている。
【0004】そして、このように構成されたイオンフロ
ー静電記録ヘッドにおいては、第1電極2と第2電極4
とのマトリックスの、選択された部分に対応する第1電
極2と第2電極4との間に、交互に高電圧を印加するこ
とにより、その部分に対向する第2電極4の開口部4a
近傍に、正・負のイオンが発生する。また、第2電極4
と第3電極6との間にはバイアス電圧が印加され、その
極性によって決まるイオンのみが、発生したイオンから
選択的に抽出され、イオン流通過口7を通過し、第3電
極6と対向して配置される被帯電部材を部分的に帯電さ
せることができる。したがって、マトリックス構造の第
1及び第2の電極を選択的に駆動することにより、ドッ
トによる静電記録を行うことができるようになってい
る。
【0005】このように構成されたイオンフロー静電記
録ヘッドの誘電体層3を形成する誘電物質には、イオン
発生のために印加される高電圧でも絶縁破壊しないこと
が要求される。また、この誘電体層3はイオンを効率よ
く発生させ、絶縁破壊にも耐えられる程度の厚さを必要
とするため、高誘電率を有するものが適している。例え
ば、特開平2−153760号公報では、誘電体層の材
料として、シリコーン変性ポリエステルアルキド樹脂中
に酸化チタン粉を混在させたものを用いたものを開示し
ている。また、上記開示のものでは、第1電極の材料と
しては銅箔,第2電極及び第3電極の材料としてはステ
ンレス鋼のシートが用いられていると共に、この第2電
極を誘電体層に固着する接着剤や第3電極を絶縁体層に
固着する接着剤として、シリコーン系の感圧接着剤が用
いられている。更に、絶縁体層の材料としては、ドライ
フィルムソルダマスクが用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、イオンフロ
ー静電記録ヘッドの駆動時には、第1電極2と第2電極
4との間の高電圧下での放電により、この周辺の部材、
特に第2電極4と第3電極6の間に存在する絶縁体層5
は活性化した多量のイオンに曝される。前記特開平2−
153760号公報に開示されているように、この絶縁
体層5にドライフィルムソルダマスクを用いた場合に
は、ソルダマスクの素材がアクリル樹脂であるために、
比較的短時間でこの絶縁体層を構成しているアクリル樹
脂が活性イオンに侵され、高分子鎖がバラバラに切断さ
れて、絶縁体層5の開口部5aの表面から次第に粉を吹
く現象が見られる。この粉は経時的に第3電極6の開口
部6aの周辺に付着し、開口部6aを徐々に塞いでい
く。また、第2電極4が設けられておらず、第1電極2
と第3電極6とが誘電体層3と絶縁体層5を挟んで相対
しているような非イオン発生部では、誘電体層3と絶縁
体層5の界面や、第3電極6の端面近傍の絶縁体層5の
表面においても放電が起きやすくなっており、前記特開
平2−153760号公報に開示されているようなドラ
イフィルムソルダマスクを絶縁体層として用いた場合に
は、素材のアクリル樹脂が第1電極2と第3電極6間の
高電圧に耐えられず、徐々に放電が発生して侵食され、
ついには絶縁破壊に至る現象が見られる。
【0007】したがって、第3電極6の開口部6aの開
口径が経時的に縮小し、発生したイオンが制御されにく
くなると同時に、イオン発生部以外の場所で放電が発生
することで、経時的に第2電極4の各開口部4a内での
電気特性が変化し、均一にイオンを発生できない部分が
存在したり、漏電及び短絡現象が起きることにより、静
電記録される画像の画質も劣化し、高精細な画像が得ら
れなくなるという問題がある。
【0008】また、我々の鋭意検討の結果、絶縁体層5
の厚みムラが、各開口部からのイオン発生量のバラツキ
を引き起こす最も重要な要因であることが判明した。
【0009】本発明は、従来のイオンフロー静電記録ヘ
ッドにおける上記問題点を解消するためになされたもの
で、各請求項記載の発明毎の目的を述べると次の通りで
ある。まず請求項1記載の発明は、絶縁体層表面の粗さ
を微小にし、且つ絶縁体層の厚さムラを除去して、高精
細な画像形成が可能なイオンフロー静電記録ヘッドの製
造方法を提供することを目的とする。請求項2記載の発
明は、請求項1記載のイオンフロー静電記録ヘッドの製
造方法において、更に、長時間の放電下でも絶縁体層が
劣化せず、またイオン発生部以外の部分での放電による
漏電や短絡現象を発生させることなく、高耐久性で高精
細な画像形成が可能なイオンフロー静電記録ヘッドの製
造方法を提供することを目的とする。請求項3記載の発
明は、少ない工数で請求項2記載のイオンフロー静電記
録ヘッドの製造方法を実施できるようにすることを目的
とする。請求項4記載の発明は、請求項2又は3記載の
イオンフロー静電記録ヘッドの製造方法において、更
に、高温硬化時に収縮して変形を起こしたり、他の樹脂
材料がダメージを受けたりすることがないような、低温
度域で硬化・成膜でき、且つ耐コロナ放電性の高い絶縁
体層を有するイオンフロー静電記録ヘッドの製造方法を
提供することを目的とする。請求項5記載の発明は、請
求項1記載のイオンフロー静電記録ヘッドの製造方法に
おいて、長時間の放電下でも絶縁体層が劣化せず、また
イオン発生部以外の部分での放電による漏電や短絡現象
を発生させることなく、高耐久性で高精細な画像形成が
可能なイオンフロー静電記録ヘッドの製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め、請求項1記載の発明は、絶縁基板上に一方向に且つ
平行に延設された複数の第1電極と、該第1電極と交差
する方向に延設され、前記第1電極と共にマトリックス
を形成し、該マトリックスの交差部と対応する部分に開
口部が形成されている複数の第2電極と、該第2電極に
対し前記第1電極とは反対側に配置され、前記マトリッ
クスの交差部と対応する部分に開口部が形成されている
第3電極と、前記第1電極と第2電極との間に設けられ
た誘電体層と、前記第2電極と第3電極との間に設けら
れ、前記マトリックスの交差部に対応する部分に開口部
が形成されている絶縁体層とを備えたイオンフロー静電
記録ヘッドの製造方法において、前記第2電極上に、厚
さ30μm以上 150μm以下で未硬化の絶縁体ペーストを
塗布して絶縁体ペースト層を形成し、硬化終了前に表面
粗さが 0.2μm以下の平面型により、加熱下で前記絶縁
体ペースト層を押圧し、前記平面型を離型してから硬化
終了させることにより、膜厚バラツキが 0.2μm以下の
前記絶縁体層を形成する工程を備えていることを特徴と
するものである。
【0011】このように絶縁体ペーストによって成膜し
硬化する前の流動・変形可能な状態で、絶縁体ペースト
層を平滑な平面型で加熱下において押圧して絶縁体層を
形成することにより、表面粗さが微小で且つ表面のうね
り等の厚さムラのない絶縁体層を形成することができ、
これにより高精細な画像形成の可能なイオンフロー静電
記録ヘッドが得られる。
【0012】請求項2記載の発明は、請求項1記載のイ
オンフロー静電記録ヘッドの製造方法において、絶縁体
ペーストとして、ポリイミド樹脂を主成分とするペース
トを用いるものである。このようにポリイミド樹脂を主
成分とするペーストを用いて絶縁体層を形成することに
より、表面粗さが微小で且つ厚さムラのない絶縁体層で
あって、更に、長時間の放電下で劣化せず、第3電極の
開口部の開口径を変化させず、またイオン発生部以外の
部分での放電による漏電や短絡現象を発生させることの
ない絶縁体層を形成することができ、したがって、高耐
久性で高精細な画像形成の可能なイオンフロー静電記録
ヘッドが得られる。
【0013】請求項3記載の発明は、請求項2記載のイ
オンフロー静電記録ヘッドの製造方法において、絶縁体
ペーストとして用いるポリイミド樹脂を主成分とするペ
ーストとして、5000cps 以上150000cps 以下の粘度のも
のを用いることを特徴とするものである。このような粘
度のポリイミド樹脂ペーストを用いることにより、数百
cps 程度の低粘度溶液を、スピンコートやディッピング
等によって数十回も塗布・乾燥・硬化の各工程を繰り返
して行う厚膜均一成膜手法に比べて、少ない工数で厚膜
領域において平滑で、膜厚バラツキの殆どないポリイミ
ド樹脂製の絶縁体層を容易に形成することができる。
【0014】請求項4記載の発明は、請求項2又は3記
載のイオンフロー静電記録ヘッドの製造方法において、
絶縁体層を形成するポリイミド樹脂として溶剤可溶型ポ
リイミド樹脂を用いることを特徴とするものである。こ
れにより、低温度域で硬化・成膜ができるため、高温硬
化時において生じる収縮や変形が発生せず、また他の樹
脂材料がダメージを受けたりすることがなく、高耐久性
の絶縁体膜を形成することができる。
【0015】請求項5記載の発明は、請求項1記載のイ
オンフロー静電記録ヘッドの製造方法において、絶縁体
ペーストとして、セラミック材料を主成分とするペース
トを用いることを特徴とするものである。このようにセ
ラミック材料を主成分とするペーストを用いて絶縁体層
を形成することにより、ポリイミド樹脂ペーストを用い
る場合よりも、更に長時間の放電下でも絶縁体層が劣化
せず、またイオン発生部以外の部分での放電による漏電
や短絡現象を発生させることのない高耐久性の絶縁体層
を形成することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、実施の形態について説明す
る。図1及び図2は、本発明に係るイオンフロー静電記
録ヘッドの製造方法の第1の実施の形態を説明するため
の製造工程を示す断面図である。まず、図1の(A)に
示すように、絶縁基板11として厚さ0.6 mmで表面を研磨
処理した石英基板を用意し、該絶縁基板11の板面には、
その表面が洗浄されたあと、スパッタリングによって厚
さ1μmのチタンが全面に成膜される。続いて、絶縁基
板11上のチタン薄膜層をフォトエッチング処理すること
により、絶縁基板11上に第1電極12を形成する。次に、
図1の(B)に示すように、絶縁基板11における第1電
極12のパターン形成面側に、プラズマCVD法により窒
化珪素を4μm厚に成膜し、誘電体層13を形成する。更
に、成膜した誘電体層13の上に、スパッタリングにより
モリブデン膜を厚さ1μm成膜し、図1の(C)に示す
ように、フォトエッチングで第2電極のパターンにパタ
ーニングして、第2電極14を積層形成する。この第2電
極14には、複数の第2電極14の開口部14a・・・のパタ
ーンが形成されている。
【0017】続いて、図1の(D)に示すように、絶縁
基板11,誘電体層13及び第2電極14の表面に、粘度 200
00cps の付加型耐熱ポリイミド樹脂製絶縁体ペースト
を、スクリーン印刷により塗布して硬化前の絶縁体ペー
スト層15aを成膜する。次いで、絶縁体ペースト層15a
の溶剤乾燥後、絶縁基板11並びに誘電体層13に平行に、
表面粗さが 0.2μm以下でその表面を離型処理した高剛
性の平面型16により、絶縁体ペースト層15aの軟化点よ
りも高温域に加熱しながら、乾燥させた絶縁体ペースト
層15aの表面を押圧する。これにより、図2の(A)に
示すように、膜厚バラツキが 0.2μm以下に抑えられた
平滑な乾燥した絶縁体ペースト層15となり、その後、所
定の硬化条件で硬化させ、その後徐冷し、平面型16を除
去した後、フォトエッチングによりパターニングを行
い、図2の(B)に示すような、厚さ50μmの開口部17
aを有する絶縁体層17が形成される。なお、ポリイミド
樹脂製絶縁体ペーストの材料として、縮合型ポリイミド
樹脂を用いた場合は、硬化反応中に副生成物が生じ、形
成された絶縁体層に欠陥ができ易いため、硬化前に平面
型16は除去しておく。
【0018】絶縁体層17は、イオンフロー静電記録ヘッ
ドのイオン発生及び制御の電気仕様から、厚さ30μm以
上 150μm以下が適切である。すなわち厚さが30μm未
満であると、発生したイオンが漏れ易く制御できなくな
り、また、 150μmを超えると、各開口部14a,17a及
び次に述べる第3電極の開口部内の電界が弱まり、発生
したイオンを第3電極の開口部から外に放出したり止め
たりする制御が難しくなる。また、絶縁体層17を形成す
る際に用いるポリイミド樹脂製絶縁体ペーストは、粘度
が5000cps 以上150000cps 以下のものが好ましい。これ
は、5000cps 未満では、30μm以上の厚膜の形成が難し
くなり、一方150000cps を越えると、付与されているチ
クソトロピック性の度合いにもよるが、前述の平面型16
による平滑化操作によっても平滑化しきれなくなりやす
いからである。
【0019】次に、図2の(C)に示すように、第2電
極14・・・の開口部14a・・・と対応した開口部18a・
・・を予め形成した第3電極18を、絶縁体層17の開口部
17aと第3電極18の開口部18aとを位置合わせした状態
で、絶縁体層17上に重ね合わせることにより、イオンフ
ロー静電記録ヘッドが完成する。なお、第3電極18はニ
ッケル箔を電鋳により作製し、絶縁体層17と第3電極18
とは粘着剤や両面テープで貼り合わせる他、第3電極18
を絶縁体層17に重ね合わせた後、第3電極18上と絶縁体
層17とに跨がって片面テープを貼り付け、両者を固着し
てもよい。また、第3電極18は、直接絶縁体層17上に、
スパッタリング等の薄膜技術で形成してパターニングし
てもよい。
【0020】以上のようにしてイオンフロー静電記録ヘ
ッドを製造することにより、次のような効果が得られ
る。すなわち、イオンフロー静電記録ヘッドの絶縁体層
17の製造時に、誘電体層13及び第2電極14の上に、粘度
5000cps 以上150000cps 以下のポリイミド樹脂製絶縁体
ペーストを塗布し、溶剤乾燥後に平滑な平面型16で加熱
下で押圧してから硬化させて、絶縁体層17を形成するこ
とにより、膜厚バラツキを 0.2μm以下にした30μm以
上 150μm以下の厚膜の平滑な絶縁体層を容易に形成で
き、且つ耐コロナ放電性も高いので絶縁体層の開口部17
aが活性化されたイオンにより劣化し難く、また非イオ
ン発生部においても放電により劣化し難く、初期の電気
特性を長時間維持できる。その結果、初期の高画質を長
期間維持できる高耐久性のイオンフロー静電記録ヘッド
を実現することができる。
【0021】なお、本実施の形態においては、絶縁体層
の形成材料として付加型ポリイミド樹脂を用いたものを
示したが、後工程のフォトエッチングでのパターニング
をより容易にするために、膜質としては堅めではあるが
耐コロナ放電性は非常に高いネガ型感光性ポリイミド樹
脂、例えば、「TBb−1150N(s)」(商品名、
日東電工製)にポリイミド樹脂フィラーを添加して、数
万cps に高粘度化したものを用いることによっても、耐
久性の向上した絶縁体層を形成することができる。
【0022】次に、第2の実施の形態について説明す
る。この実施の形態は、第1の実施の形態において絶縁
体層の形成材料として付加型ポリイミド樹脂を用いてい
る代わりに、溶剤可溶型ポリイミド樹脂を用いるもので
ある。本実施の形態において用いる溶剤可溶型ポリイミ
ド樹脂としては、例えば、「CRI−100」(商品
名、新日本製鉄製)があり、m−クレゾール中に35wt%
溶解させた、粘度約 50000cps のものを絶縁体ペースト
として、第1の実施の形態の製造方法と同様にスクリー
ン印刷で塗布し、溶剤を揮発除去して乾燥絶縁体ペース
ト層を形成する。その後、第1の実施の形態の製造方法
と同様に、平滑な平面型を用いて 200℃以上の加熱下で
押圧し、厚みバラツキが 0.2μm以下で厚さ50μmの絶
縁体層を形成する。
【0023】本実施の形態によれば、第1の実施の形態
と同様に、厚みバラツキの小さい、厚膜の絶縁体層を形
成でき、且つ耐コロナ放電性も高いので、絶縁体層の開
口部が活性化されたイオンにより劣化し難く、また非イ
オン発生部でも放電により劣化し難く、初期の電気特性
を長時間維持でき、その結果、初期の高画質を長期間維
持できる高耐久性のイオンフロー静電記録ヘッドが得ら
れる。
【0024】また、比較的低温下で絶縁体層を成膜でき
るため、短時間での成膜が実現できる上、絶縁体層より
下の層に対する熱的ダメージがなく、高温硬化しなくて
はならない通常のポリイミド樹脂では、高温硬化したも
のを常温付近まで冷却することによって生じる、絶縁体
層の歪みや変形といった不具合が回避できる。更に、絶
縁体層周辺の他の構成材料の制約も少なくなり、より安
価な材料・製造工程が採用できる。
【0025】次に、第3の実施の形態について説明す
る。この実施の形態は、第1の実施の形態において、絶
縁体層を形成する絶縁体ペーストとして付加型ポリイミ
ド樹脂製絶縁体ペーストを用いている代わりに、耐熱無
機バインダー、例えば、「レッドプルーフMR−10
0」〔(株)熱研製〕を絶縁体ペーストとして用いてセ
ラミック絶縁膜を成膜し、これをフォトエッチングして
パターニングすることにより、厚さ50μmの絶縁体層を
形成するものである。
【0026】本実施の形態で用いる耐熱無機バインダー
は、水に珪素化合物を主成分として溶解させ、これにア
ルミナ,ジルコニア,溶融シリカ,ムライト,マイカ等
のセラミックフィラーを各種配合させたものであり、塗
布後常温で30分間乾燥し、その後、第1の実施の形態と
同様に、 100℃の加熱下で平面型で押圧し、平滑化す
る。その後常温に徐冷後2日放置して、硬化を終了し絶
縁体層を形成する。この絶縁体層の形成方法は常温近辺
での成膜であるため、大きな膜内の残留応力や周辺構成
材料への熱的負荷のない厚膜形成ができる。
【0027】以上のように、本実施の形態によれば、第
1の実施の形態と同様に、反り等の変形がなく厚膜絶縁
体層を形成でき、且つセラミック材料であるため、有機
材料であるポリイミド樹脂に比べて、熱やコロナ放電に
も強く、耐コロナ放電性も高いので、絶縁体層の開口部
が活性化されたイオンにより劣化し難く、また非イオン
発生部でも放電により劣化し難く、初期の電気特性を長
時間維持でき、その結果、初期の高画質を長期間維持で
きる高耐久性のイオンフロー静電記録ヘッドが得られ
る。
【0028】また、常温付近のかなり低温下で絶縁体層
を成膜できるため、熱的ダメージがなく、熱膨張係数も
絶縁基板や誘電体層の材料に近い。このため、高温硬化
しなくてはならない通常のポリイミド樹脂では、高温硬
化したものを常温付近まで冷却することによって生じ
る、絶縁体層表層及び絶縁体層の歪みや変形といった不
具合が回避でき、絶縁体層周辺の他の構成材料の制約も
少なくなり、より安価な材料・製造工程が採用できる。
【0029】
【発明の効果】以上実施の形態に基づいて説明したよう
に、請求項1記載の発明によれば、表面粗さが微小で且
つ表面のうねり等の厚さのムラのない絶縁体層を形成す
ることができ、これにより高精細な画像形成の可能なイ
オンフロー静電記録ヘッドが得られる。請求項2記載の
発明によれば、ポリイミド樹脂製絶縁体ペーストを用い
て絶縁体層を形成するようにしているので、長時間の放
電下で劣化せず、高耐久性で高精細な画像形成の可能な
イオンフロー静電記録ヘッドが得られる。請求項3記載
の発明によれば、5000〜150000cps の粘度のポリイミド
樹脂製絶縁体ペーストを用いて絶縁体層を形成するよう
にしているので、少ない工数で平滑で膜厚バラツキの殆
どないポリイミド樹脂製の絶縁体層を形成することがで
きる。請求項4記載の発明によれば、低温度域で硬化・
成膜できるため、高温硬化時に生じる収縮や変形が発生
せず、また他の樹脂材料がダメージを受けたりすること
がなく、高耐久性の絶縁体層を形成することができる。
請求項5記載の発明によれば、更に長時間の放電下でも
劣化せず、高耐久性の絶縁体層を形成することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るイオンフロー静電記録ヘッドの製
造方法の第1の実施の形態を説明するための製造工程を
示す図である。
【図2】図1に示した製造工程に続く製造工程を示す図
である。
【図3】従来のイオンフロー静電記録ヘッドの構成例を
示す図である。
【符号の説明】
11 絶縁基板 12 第1電極 13 誘電体層 14 第2電極 14a 開口部 15 平滑絶縁体ペースト層 15a 絶縁体ペースト層 16 平面型 17 絶縁体層 17a 開口部 18 第3電極 18a 開口部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁基板上に一方向に且つ平行に延設さ
    れた複数の第1電極と、該第1電極と交差する方向に延
    設され、前記第1電極と共にマトリックスを形成し、該
    マトリックスの交差部と対応する部分に開口部が形成さ
    れている複数の第2電極と、該第2電極に対し前記第1
    電極とは反対側に配置され、前記マトリックスの交差部
    と対応する部分に開口部が形成されている第3電極と、
    前記第1電極と第2電極との間に設けられた誘電体層
    と、前記第2電極と第3電極との間に設けられ、前記マ
    トリックスの交差部に対応する部分に開口部が形成され
    ている絶縁体層とを備えたイオンフロー静電記録ヘッド
    の製造方法において、前記第2電極上に、厚さ30μm以
    上 150μm以下で未硬化の絶縁体ペーストを塗布して絶
    縁体ペースト層を形成し、硬化終了前に表面粗さが 0.2
    μm以下の平面型により、加熱下で前記絶縁体ペースト
    層を押圧し、前記平面型を離型してから硬化終了させる
    ことにより、膜厚バラツキが 0.2μm以下の前記絶縁体
    層を形成する工程を備えていることを特徴とするイオン
    フロー静電記録ヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記絶縁体ペーストとして、ポリイミド
    樹脂を主成分とするペーストを用いることを特徴とする
    請求項1記載のイオンフロー静電記録ヘッドの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記ポリイミド樹脂を主成分とする絶縁
    体ペーストは、5000cps 以上150000cps 以下の粘度を有
    していることを特徴とする請求項2記載のイオンフロー
    静電記録ヘッドの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記ポリイミド樹脂は、溶剤可溶型ポリ
    イミド樹脂であることを特徴とする請求項2又は3記載
    のイオンフロー静電記録ヘッドの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記絶縁体ペーストとして、セラミック
    材料を主成分とするペーストを用いることを特徴とする
    請求項1記載のイオンフロー静電記録ヘッドの製造方
    法。
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