JPH08259226A - 合成炭酸カルシウムの製造方法 - Google Patents
合成炭酸カルシウムの製造方法Info
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Abstract
スラリーを生成させ、次いで該スラリーにリン酸及びリ
ン酸化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を炭
酸カルシウム固形分に対して0.01〜5重量%添加し
て攪拌することを特徴とする合成炭酸カルシウムの製造
方法。 【効果】 炭酸カルシウムの一次粒子を成長させること
なく分散させることができる。
Description
ことなく粒子を分散させることができる合成炭酸カルシ
ウムの製造方法に関するものである。
方法としては、水酸化カルシウムの水スラリーにCO2
ガスを導入して炭酸カルシウムを析出させる方法が主流
である。このようにして製造される合成炭酸カルシウム
は、塗料、ゴム、プラスチックス、製紙、シーリング
材、食品、医薬等の分野で工業用原料として広く使用さ
れている。これらの使用分野においては、ほとんどの場
合が使用目的から判断して合成炭酸カルシウムができる
だけ一次粒子に近い状態まで分散していることが好まし
い。
にCO2 ガスをを導入して微細なCaCO3 粒子を生成
させるこの方法は、生成直後のCaCO3 粒子は非常に
強い粒子間凝集をしており、このままの状態では使用分
野はごく一部に限定されてしまう。このため、この粒子
の凝集をほぐすために、製造工程に分散工程を導入して
いるのが一般的である。
ウムスラリーの攪拌、加温、pH制御等による方法、
(2)炭酸カルシウムスラリーをガラスビーズ等の媒体
を使用して湿式粉砕する方法、(3)炭酸カルシウムス
ラリーを水洗等によって、凝集のバインダーとなってい
るアルカリを除去する方法、等が検討又は実施されてき
た(特開昭57−145030、特開昭58−2603
1、特開昭64−69513等)。
シウム粒子を分散させる時に同時並行的に一次粒子が成
長してもとの粒子より1.5〜2.0倍以上大きくなっ
てしまう。しかし乍ら、前記の如く、各分野の使用目的
から考えて、一次粒子はできるだけ小さくして分散して
いる方が好ましいのである。従って、従来から一次粒子
を成長させることなく炭酸カルシウムを分散させる方法
が研究されてきたが、十分な成果が得られていないのが
実情である。
ルシウムの一次粒子を成長させることなく炭酸カルシウ
ム粒子の分散だけを従来よりもより効率的に行う、合成
炭酸カルシウムの製造方法を提供するものである。
解決するべく鋭意研究の結果、合成炭酸カルシウムの一
次粒子を成長させることなく、粒子の分散だけをより効
果的に行う方法を確立するに至った。即ち、本発明は石
灰乳に炭酸ガスを導入して炭酸カルシウムスラリーを生
成させ、次いで該スラリーにリン酸及びリン酸化合物か
らなる群より選ばれる少なくとも1種を炭酸カルシウム
固形分に対して0.01〜5重量%添加して攪拌するこ
とを特徴とする合成炭酸カルシウムの製造方法を内容と
するものである。
合成炭酸カルシウムは、一般的な製法として石灰石を1
000℃前後で焼成し、出来たCaOに水を加えてCa
(OH)2 の水スラリーを作る。このスラリーに上記の
石灰石を焼成させた時に得られるCO2 ガスを導入して
CaCO3 を析出させる。この時のCa(OH)2 スラ
リーとCO2 ガスを反応させる場合の各々の反応条件、
具体的には、Ca(OH)2 スラリーの温度、濃度、C
O2 ガスの単位時間における導入量等の主として反応速
度に起因する各要因を制御することによって、析出する
CaCO3 粒子の大きさ、形状等を決定することができ
る。
径が0.03〜0.04μmの炭酸カルシウム粒子を生
成させたとしても、生成させた反応直後の炭酸カルシウ
ム粒子は互いの粒子が非常に強く凝集した状態にある。
この凝集体は電子顕微鏡で観察すると数μmにおよぶ。
させることなく分散させるために反応直後の炭酸カルシ
ウムスラリーに可溶性のリン酸又はリン酸化合物を添加
する。具体的にはリン酸(H3 PO4 )の他に、リン酸
化合物としては、K3 PO4、 KH2 PO4 、 K2
HPO4 、Na2 HPO4 ・12H2 O、(NH4)3P
O4 ・3H2 O等が挙げられ、これらは単独又は2種以
上組み合わせて用いられる。リン酸又はリン酸化合物の
添加は、炭酸カルシウムスラリーに一度に投入してもよ
く、また徐々に投入してもよい。また、炭酸カルシウム
の分散状況に応じて時間を置いて投入してもよい。
物以外の酸を添加しても本発明の目的とする分散効果は
得られない。例えば、代表的な無機酸であるH2 S
O4 、HCl、HNO3 等についてテストしたが、これ
らの酸はバインダーとなっているアルカリと反応する前
にCaCO3 自体と反応し、それぞれCaSO4 、Ca
Cl2 、Ca(NO3)2 の物質を生成するためと考え
る。一方、スルホン酸等の有機酸についてもテストした
が、分散効果は認められなかった。酸の中でもリン酸又
はリン酸化合物だけが優れた分散効果を示すのは、リン
酸又はリン酸化合物自体が可逆反応により少量で順次バ
インダーであるアルカリと反応し、反応生成物であるリ
ン酸カルシウムは再分解して再びリン酸又はリン酸化合
物を生成させるものと考えられる。
類、炭酸カルシウムの形状、粒子径、炭酸カルシウムス
ラリーの分散条件等によってそれぞれ異なるが、スラリ
ー中の炭酸カルシウム固形分に対して0.01〜5.0
重量%、より好ましくは0.05〜1.0重量%、更に
好ましくは0.08〜0.5重量%程度である。、0.
01重量%より少ないと粒子成長を制御する効果がほと
んどなく、また5.0重量%より多いと炭酸カルシウム
がリン酸又はリン酸化合物と反応して炭酸カルシウム表
面が多孔質の状態となり、もとの炭酸カルシウムの粒子
形状が変化してしまう。また、粒子の分散状態も十分と
は言えない。このようにして炭酸カルシウムスラリーに
可溶性リン酸又はリン酸化合物を添加した後、このスラ
リーを均一に攪拌する。
は、好ましくは25〜80℃、より好ましくは35〜6
5℃、更に好ましくは40〜60℃である。温度が25
℃未満では炭酸カルシウム粒子の分散が進行し難く、ま
た80℃を越えると昇温に多大のエネルギーを必要とす
るため経済的でない。また、この場合のpHは、炭酸カ
ルシウムスラリーの温度とも関連するので一概には規定
し難いが、好ましくは9.0〜11.5、より好ましく
は9.5〜11.0、更に好ましくは9.8〜10.8
である。pHが9.0未満又は11.5を越えると、炭
酸カルシウム粒子の分散が進行し難い。
なく炭酸カルシウム粒子を分散させることができる理由
については、下記の如く推定される。即ち、反応直後の
一次粒子の凝集体は、Ca(OH)2 等のアルカリ化合
物をバインダーとして互いに凝集しており、このアルカ
リ物質を溶出、中和等の方法で除去することによって粒
子が徐々に分散していく。この過程で、微細な炭酸カル
シウム粒子はより大きな炭酸カルシウム粒子にデポジッ
ト(deposit)し、各々の分散していく一次粒子
は成長して、より大きくなる。これが従来の分散方法に
おける粒子成長のメカニズムと考えられる。
可溶性リン酸又はリン酸化合物を添加することによっ
て、このリン酸又はリン酸化合物はバインダーとなって
いるアルカリと優先的に反応し分散を促進させるものと
考えられる。より大事なことは、このリン酸又はリン酸
化合物は炭酸カルシウムの水への溶出を制御する働きが
あると考えられることである。そのために、前述のよう
な微細な炭酸カルシウムが水に溶けて再度大きい粒子に
デポジットして成長するということが防止されるものと
考えられる。
としては、電子顕微鏡写真でもよいし、またBET法に
よる比表面積の確認方法でもよい。従来の炭酸カルシウ
ム粒子分散方法では、粒子の分散と並行してBET比表
面積は大幅に低下していた(粒子径が大きい程BET比
表面積値は低い)。本発明法によれば、分散前のBET
比表面積値に比べて分散後の値を25%以上低下させな
いことも可能である。前記した分散条件等をより厳密に
設定すれば、BET比表面積の低下率をより小さくする
ことができ、更に条件によってはほとんど低下すること
がない。また、逆に分散後のBET比表面積値が分散前
のBET比表面積値を上回ることがある。これはBET
法の原理から考え、一次粒子が変化しなくても凝集体が
分散することで窒素ガスが分散前の凝集の接点にも吸着
することに因るものと考える。
あれば全て適用できるが、効果が顕著であるのは反応直
後の一次粒子径が1.0μm以下、より厳密には一次粒
子径が0.1μm以下の粒子径のものである。
らゴム、プラスチック、塗料、シーリング材、PVCペ
ースト等に広く使用されている。従来から一次粒子径が
小さいものはあったが、これらは全て凝集体であった。
本発明品のように一次粒子の成長を抑えた微細な分散品
は、従来品に比べて各分野で次のような特性がより一層
期待できる。第1は、ゴムの分野で、引張強度等の補強
効果が期待できる。第2は、プラスチックの分野で、各
プラスチックで衝撃強度等の強度物性が向上する。ま
た、フィルムの分野では、ブロッキング材としての利
用、透明性の付与等がある。第3は、塗料の分野で、増
粘剤、タレ防止、顔料沈降防止の用途に使用できる。第
4は、シーリング材の分野で、施工時のスランプ防止、
シーラント自体の強度物性向上が期待できる。第5は、
PVCペーストの分野で、施工時のスランプ、スリップ
防止、PVCペースト自体の強度物性向上、PVCペー
スト自体の軽量化(少量で従来品と同等以上のチキソ
性、強度物性を発揮するため)が期待できる。第6は、
この他の分野で、食品用添加剤、農薬、製紙等がある。
以上各分野での使用に際しては、必要に応じて、有機
物、無機物で当炭酸カルシウムをコーティングして、そ
の特性をより一層効果的に引出すことができることは言
うまでもないことである。
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
H)2 の水スラリーを得た。このスラリーのCa(O
H)2 固形分濃度は120g/Lであった。このスラリ
ー20Lに、前記の石灰石を焼成した時に得られたCO
2 ガスをCO2 濃度30%にして15000L/hrの
流速で導入した。このようにして生成させたCaCO3
を電子顕微鏡で確認すると、一次粒子径が0.03μm
で強く凝集したコロイド炭酸カルシウムであった。また
BET比表面積は25m2/gであり、光透過法による粒
度分布測定値はD50が2.50μmであった。スラリー
の粘度は50cpであった。この炭酸カルシウムスラリ
ーにH3 PO4 を炭酸カルシウム固形分に対して0.3
重量%添加し、スラリーを50℃に加温し、pH10.
5に設定して2日間タンクの中で攪拌した。得られた炭
酸カルシウムの電子顕微鏡による粒子径、BET比表面
積、光透過法による粒度分布(D50)、及びスラリー粘
度(BH型粘度計値)の各値を表1に示す。
て実施例1と同様に操作し、得られた炭酸カルシウムの
特性を実施例1と同様の方法で測定した。結果を表1に
示す。
以外は全て実施例1と同様に操作し、得られた炭酸カル
シウムの特性を実施例1と同様の方法で測定した。結果
を表1に示す。
と以外は全て実施例1と同様に操作し、得られた炭酸カ
ルシウムの特性を実施例1と同様の方法で測定した。結
果を表1に示す。
以外は全て実施例1と同様に操作し、得られた炭酸カル
シウムの特性を実施例1と同様の方法で測定した。結果
を表1に示す。
様に操作し、得られた炭酸カルシウムの特性を実施例1
と同様の方法で測定した。結果を表1に示す。
は全て実施例1と同様に操作し、得られた炭酸カルシウ
ムの特性を実施例1と同様の方法で測定した。結果を表
1に示す。
全て実施例1と同様に操作し、得られた炭酸カルシウム
の特性を実施例1と同様の方法で測定した。結果を表1
に示す。
ン酸又はリン酸化合物を添加して分散させることによ
り、一次粒子を成長させることなく分散させることがで
きる。また、リン酸又はリン酸化合物を添加するととも
に、温度及び/又はpHを特定の範囲に調整することに
より、一層良好な分散効果が得られる。尚、比較例3で
BET比表面積が大きくなっているのは、炭酸カルシウ
ムとリン酸とが反応して表面が多孔質になったためと考
えられる。
シウムの一次粒子を成長させることなく分散させること
ができ、ゴム、プラスチック、製紙、塗料、顔料、シー
ラント、PVCペースト、食品用添加剤、医薬、農薬等
の広い分野で利用可能である。
Claims (4)
- 【請求項1】 石灰乳に炭酸ガスを導入して炭酸カルシ
ウムスラリーを生成させ、次いで該スラリーにリン酸及
びリン酸化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種
を炭酸カルシウム固形分に対して0.01〜5重量%添
加して攪拌することを特徴とする合成炭酸カルシウムの
製造方法。 - 【請求項2】 炭酸カルシウムスラリーの温度を25〜
80℃の範囲に調整する請求項1記載の製造方法。 - 【請求項3】 炭酸カルシウムスラリーのpHを9.0
〜11.5の範囲に調整する請求項1又は2記載の製造
方法。 - 【請求項4】 リン酸化合物が、K3 PO4 、 KH2
PO4 、 K2 HPO4 、Na2 HPO4 ・12H2 O
又は(NH4)3 PO4 ・3H2 Oである請求項1記載の
製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP09461695A JP3167261B2 (ja) | 1995-03-27 | 1995-03-27 | 沈降性合成炭酸カルシウムの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP09461695A JP3167261B2 (ja) | 1995-03-27 | 1995-03-27 | 沈降性合成炭酸カルシウムの製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08259226A true JPH08259226A (ja) | 1996-10-08 |
| JP3167261B2 JP3167261B2 (ja) | 2001-05-21 |
Family
ID=14115192
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP09461695A Expired - Fee Related JP3167261B2 (ja) | 1995-03-27 | 1995-03-27 | 沈降性合成炭酸カルシウムの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3167261B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN100418885C (zh) * | 2004-07-09 | 2008-09-17 | 胡志彤 | 高纯度药用碳酸钙及其制造方法 |
-
1995
- 1995-03-27 JP JP09461695A patent/JP3167261B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| CN100418885C (zh) * | 2004-07-09 | 2008-09-17 | 胡志彤 | 高纯度药用碳酸钙及其制造方法 |
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| JP3167261B2 (ja) | 2001-05-21 |
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