JPH08262797A - 電子写真用トナーのバインダー樹脂およびトナー - Google Patents

電子写真用トナーのバインダー樹脂およびトナー

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JPH08262797A
JPH08262797A JP7070117A JP7011795A JPH08262797A JP H08262797 A JPH08262797 A JP H08262797A JP 7070117 A JP7070117 A JP 7070117A JP 7011795 A JP7011795 A JP 7011795A JP H08262797 A JPH08262797 A JP H08262797A
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JP
Japan
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resin
styrene
toner
acrylic
binder resin
Prior art date
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Pending
Application number
JP7070117A
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English (en)
Inventor
Nobuhiro Hirano
暢宏 平野
Akihiro Shimoyama
昭広 下山
Akiyoshi Uchizono
明美 内園
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Mita Industrial Co Ltd
Original Assignee
Mita Industrial Co Ltd
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Publication date
Application filed by Mita Industrial Co Ltd filed Critical Mita Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明の電子写真用トナーのバインダー樹脂
は、架橋構造を有するスチレン−アクリル系樹脂および
ポリエステル系樹脂を含有し、該スチレン−アクリル系
樹脂はTHF不溶分を1〜50重量%含み、そして、該
ポリエステルは該スチレン−アクリル系樹脂中に1μm
以下の分散系を形成している。 【効果】 低軟化点で溶融時には広い温度範囲で粘弾性
を有し、粉砕性、耐衝撃性、耐熱性、耐久性に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真用トナーに関
し、より詳しくは、静電式複写機やレーザービームプリ
ンタなどの電子写真法を応用した画像形成装置において
好適に用いられる電子写真用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法は、一般には光導電性物質を
利用して種々の手段により感光体上に電気的潜像を形成
し、次いでこの電気的潜像を電子写真用トナーを用いて
現像してトナー像として顕像化させ、そしてトナー像を
感光体表面から紙のような転写材に転写した後、加熱、
圧力、加熱加圧、あるいは溶剤蒸気により定着し、複写
物を得る方法である。
【0003】上記画像形成に使用される電子写真用トナ
一としては、定着用樹脂中に、カーボンブラックなどの
着色剤や電荷制御剤などを配合し、これを所定の粒径に
造粒したものが用いられる。
【0004】上記定着工程においては、熱ローラを用い
た加熱加圧定着が一般的に用いられている。この方法
は、熱ローラによって転写材上のトナー画像を溶融・圧
着するため定着効率が良く、定着性に優れる。
【0005】しかし、上記方法は、トナー像と熱ローラ
とが溶融状態で直接接触する。そのため、定着温度が低
いか、または非常に高い時、トナー像の一部が転写材に
定着せずに熱ローラ表面に付着し、そしてこれが転写材
に再定着する、いわゆるオフセット現象が発生しやす
い。そしてオフセット現象が発生すると転写材が汚染さ
れる。特に、近年の高速複写機においては、定着の高速
化、複写機の省エネルギー化の要請などにより実質的な
定着温度が低下している。したがって、低い温度から高
い温度に至る広い温度範囲においてオフセット現象を発
生することなくトナーを定着する方法が望まれている。
【0006】オフセット現象を防止する方法として、熱
ローラ表面をトナーに対して離型性のよい材料で形成
し、さらにシリコーンオイルなどのオフセット防止用液
体をローラ表面に供給してトナーの熱ローラ表面への付
着を防止する方法が知られている。この方法はオフセッ
ト防止には極めて有効であるが、オフセット防止用液体
を供給する装置が必要なため、定着装置が複雑になると
いう問題点がある。他方で、トナーに低分子量ポリエチ
レンなどのワックスを添加してオフセットを防止するこ
とが行われている。しかし、ワックスを含むトナーは、
耐熱性が弱く、凝集性が増すため耐久性に劣るという問
題点があり、低温定着化も困難である。
【0007】特開昭60−260062号公報には、樹
脂中に特定の粒子径を有するポリエステル樹脂が不連続
相を形成するバインダー樹脂を用いたトナーが開示され
ている。ポリエステル樹脂を用いることで上記ワックス
を用いた場合の問題点は改善され、低温定着性が向上す
る。しかし、バインダー樹脂は非架橋ポリマーであるた
め、トナー溶融時の弾性が低く、高温オフセットが比較
的低温から発生しやすい問題がある。また、ポリエステ
ル樹脂は一般にバインダー樹脂に対して極性が高いた
め、電荷制御剤などが選択的にポリエステル樹脂に分散
しやすい。さらに、ポリエステル樹脂は0.5μm以上
の比較的大きな粒子を形成しているため、トナー粒子表
面へ露出しやすく、かつ粒子は長時間の使用によりトナ
ー粒子から脱落しやすい。その結果、トナーは保存安定
性、帯電安定性および耐久性に劣り、キャリア汚染によ
るトナー飛散やカブリも発生するという問題が生じる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような従
来技術の課題を解決すべくなされたものであり、低温定
着性、粉砕性および耐オフセット性に優れたバインダー
樹脂を提供すること、およびこのバインダー樹脂を用い
た低温定着性、帯電安定性、耐オフセット性および耐久
性に優れたトナーを提供することを目的とする。
【0009】本発明の他の目的は、耐ブロッキング性に
優れ、トナーの流通、または貯蔵において凝集を起こす
ことがない保存安定牲の良いトナーを提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、電子写真用ト
ナーのバインダー樹脂であって、架橋構造を有するスチ
レン−アクリル系樹脂およびポリエステル系樹脂を含有
し、該スチレン−アクリル系樹脂はTHF不溶分を1〜
50重量%含み、そして、該ポリエステルは該スチレン
−アクリル系樹脂中に1μm以下の分散系を形成してい
る。そのことにより上記目的が達成される。
【0011】本発明の好ましい実施態様に於いては、上
記スチレン−アクリル系樹脂が上記バインダー樹脂に対
して20〜80重量%含有される。
【0012】本発明の好ましい実施態様に於いては、上
記スチレン−アクリル系樹脂を構成するアクリル成分
が、ホモポリマーのTgが20℃以下であるアクリル酸
またはメタクリル酸エステルモノマーから構成される。
【0013】本発明の好ましい実施態様に於いては、上
記スチレン−アクリル系樹脂のTHF可溶分のゲルパー
ミエーションクロマトグラフィーにより測定された分子
量が50000以上である。
【0014】本発明の好ましい実施態様に於いては、上
記ポリエステル系樹脂のゲルパーミエーションクロマト
グラフィーにより測定された分子量が50000以下で
ある。
【0015】本発明の好ましい実施態様に於いては、上
記スチレン−アクリル系樹脂の架橋構造が以下の式のモ
ノマーに由来する構造を含む:
【0016】
【化2】
【0017】ここで、Xは(CHn−Oまたは(C
2CH2O)mであり、nおよびmはそれぞれ1〜15
の整数であり、R1はそれぞれ独立して水素原子または
低級アルキル基である。
【0018】さらに本発明は、バインダー樹脂として上
記バインダー樹脂を用いたトナーである。
【0019】本発明のバインダー樹脂は、ポリエステル
系樹脂の分散系を有するスチレン−アクリル系樹脂を含
むことにより、低軟化点で溶融時には広い温度範囲で粘
弾性を有し、粉砕性、耐衝撃性、耐熱性、耐久性に優れ
る。さらに、この樹脂を用いた本発明のトナーは、低温
定着性および耐久性に優れ、耐オフセット温度領域が広
いため、定着温度の低温化を可能とする。このことによ
り上記目的が達成される。
【0020】以下、本発明についてさらに詳細に説明す
る。
【0021】本明細書において、「トナー成分」とは、
バインダー樹脂や着色剤などのトナーを構成する成分の
ことをいう。
【0022】本明細書において、「低級アルキル」と
は、炭素数1〜20のアルキルをいう。
【0023】(分子量分布の測定)本発明において、樹
脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以後、
GPCと表記する)による分子量分布は以下のようにし
て測定される。
【0024】1)測定試料の作製 試料100mgとTHF20mlとを混合し、樹脂成分
を均一に溶解するまでボールミルなどで攪拌させる。そ
の後、処理フィルター(ポアサイズ1μm以下、たとえ
ば0.5μmなどが好ましく利用できる)を通過させ、
通過液をGPCの試料とする。試料中の樹脂濃度は、1
〜10mg/mlが好ましい。
【0025】本発明のトナーに含まれるバインダー樹脂
のTHF不溶分は、上記フィルター処理において不溶分
として残留する樹脂成分である。
【0026】2)分子量の測定 測定においてはTHFを溶媒として、GPC装置のカラ
ムを40℃で安定化させた後、この温度でカラムに毎分
1mlの流速で流し、THF試料溶液を約100μl注
入して測定する。試料の有する分子量分布は、数種の単
分散ポリスチレン標準試料を用いて作成された検量線の
対数値とカウント数との関係から算出される。検量線作
成用の標準ポリスチレン試料としては、たとえば、分子
量500〜1000000のポリスチレンなどを用い得
る。カラムとしては、スチレン−ジビニルベンゼン系の
ポリマー系カラムなどを挙げることができる。
【0027】(バインダー樹脂)本発明に用いられる架
橋構造を有するスチレン−アクリル系樹脂は、スチレン
系モノマー、アクリル系モノマーおよび架橋剤を含むモ
ノマー混合物の重合体、スチレン系モノマーおよびアク
リル系モノマーを含むモノマー混合物の重合体とスチレ
ン系モノマー、アクリル系モノマーおよび架橋剤を含む
モノマー混合物の重合体との混合物、スチレン系モノマ
ーおよびアクリル系モノマーを含むモノマー混合物の重
合体と架橋構造を有する他の樹脂との混合物、スチレン
系モノマーを含むモノマー混合物の重合体、アクリル系
モノマーを含むモノマー混合物の重合体および架橋構造
を有する他の樹脂との混合物、スチレン系モノマーおよ
び架橋剤を含むモノマー混合物の重合体とアクリル系モ
ノマーおよび架橋剤を含むモノマー混合物の重合体との
混合物、またはこれらと他の樹脂との混合物であり得
る。好適にはスチレン系モノマー、アクリル系モノマー
および架橋剤を含むモノマー混合物の重合体である。重
合体はランダム共重合体、ブロック共重合体またはグラ
フト共重合体であり得、さらに、必要に応じてモノマー
混合物にはスチレン系モノマーおよびアクリル系モノマ
ーなどの他に、これらと共重合可能な他のモノマーが含
まれ得る。
【0028】スチレン系モノマーは、次の一般式(I)
で示される:
【0029】
【化3】
【0030】ここで、R2は水素原子、低級アルキル基
またはハロゲン原子であり、R3は水素原子、低級アル
キル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基、ニト
ロ基などであり、Φはフェニレン基である。
【0031】スチレン系モノマーとしては、スチレン、
α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチル
スチレン、p−メチルスチレン、α−クロロスチレン、
o−、m−、またはp−クロロスチレン、3,4−ジク
ロロスチレン、p−エチルスチレン、p−メトキシスチ
レン、p−フェニルスチレン、2,4−ジメチルスチレ
ン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルス
チレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチル
スチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルス
チレン、p−n−ドデシルスチレンなどが用いられ得
る。これらのモノマーは単独または2種以上組み合わせ
て用いられ得る。
【0032】アクリル系モノマーは、次の一般式(II)
で示される:
【0033】
【化4】
【0034】ここで、R4は水素原子または低級アルキ
ル基、R5は炭素数12以下のアルキル基または炭素数
12以下のヒドロキシアルキル基である。
【0035】アクリル系モノマーとしては、アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、ア
クリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸
n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エ
チルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−
クロルエチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸
フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、
メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタ
クリル酸イソブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メ
タクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタ
クリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリ
ル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミ
ノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、β−ヒ
ドロキシアクリル酸エチル、γ−ヒドロキシアクリル酸
プロピル、δ−ヒドロキシアクリル酸ブチル、β−ヒド
ロキシメタクリル酸エチルなどが用いられ得る。これら
のモノマーは単独または2種以上組み合わせて用いられ
得る。
【0036】架橋剤としては、例えば、ジビニルベンゼ
ン、ジビニルナフタレンなどの芳香族ジビニル化合物;
および次の一般式(III)で表されるジアクリレート化合
物が用いられ得る:
【0037】
【化5】
【0038】ここで、Xは(CH2n−Oまたは(CH
2CH2O)mであり、nおよびmは、それぞれ独立して
1〜20、好ましくは4〜15の整数であり、R6はそ
れぞれ独立して水素原子または低級アルキル基である 架橋剤としては、例えば、エチレングリコールジアクリ
レート、1,3−プロピレングリコールジアクリレー
ト、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−
ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジ
オールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアク
リレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、
1,10−デカンジオールジアクリレート、またはこれ
らのアクリレートをメタクリレートに代えたもの;ジエ
チレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコ
ールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアク
リレート、ヘキサエチレングリコールジアクリレート、
ナノエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレン
グリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリ
コール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコー
ルジアクリレート、またはこれらのアクリレートをメタ
アクリレートに代えたもの;が用いられ得る。
【0039】さらに、例えば、ペンタエリスリトールト
リアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレー
ト、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラ
メチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステル
アクリレート、またはこれらのアクリレートをメタクリ
レートに代えたもの;トリアリルシアヌレート、トリア
リルトリメリテートなどの多官能性架橋剤も用いられ得
る。これらの架橋剤は単独または2種以上組み合わせて
用いられ得る。
【0040】必要に応じて共重合される他のモノマー
は、得られる重合体がトナーに要求される低温定着性、
帯電性、粉砕性および耐オフセット性を有するように選
択され、エチレン性不飽和結合を有するモノマーの1種
またはそれ以上の組み合わせが使用される。このような
モノマーとしては、エチレン、プロピレン、ブチレン、
イソブチレンなどのエチレン不飽和モノオレフィン類;
ブタジエンなどの不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化
ビニルデン、臭化ビニル、フッ化ビニルなどのハロゲン
化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香
酸ビニルなどのビニルエステル類;ビニルメチルエーテ
ル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル
などのビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニル
ヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンなどのビ
ニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバ
ゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン
などのN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリ
ロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなど
のアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体;が用いられ
得る。これらのモノマーは単独もしくは2つ以上組み合
わせて用いられ得る。
【0041】上記スチレン系モノマー、アクリル系モノ
マー、架橋剤、および必要に応じて共重合される他のモ
ノマーのそれぞれの種類およびそれらの共重合割合は、
重合によって得られるスチレン−アクリル系樹脂のTH
F不溶分が1〜50重量%、そしてTgが50℃〜75
℃になるように選択される。樹脂のTHF不溶分が1重
量%より少ないと高温オフセットが発生する。50重量
%より多いと充分な定着が得られない。また、樹脂のT
gが50℃より低いとトナーの保存安定性が劣る。75
℃より高いとトナーの低温熱定着性が劣る。
【0042】上記樹脂に要求される条件を達成する各モ
ノマーの種類および共重合の割合において、スチレン系
モノマーの共重合割合を高めることによりトナー成分混
練物の粉砕性を高め得る。その際、上記アクリル系モノ
マーのうち、単独重合体としたときのTgが20℃以下
となるアクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アク
リル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n
−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチ
ルヘキシル、アクリル酸ステアリルなどをスチレン系モ
ノマーと共重合することにより、スチレン系モノマーの
共重合割合をより高め得る。
【0043】スチレン系モノマーの共重合割合は、共重
合するアクリル系モノマーなどの他のモノマーの種類に
よって異なるが、通常、モノマー混合物の40〜90重
量%である。40重量%より少ないとトナー成分混練物
の粉砕性が劣る。90重量%より多いとトナーの低温定
着性が低下する。好ましくは、50〜80重量%であ
る。
【0044】本発明で用いられる架橋成分を有するスチ
レン−アクリル系樹脂において、THF可溶分のGPC
法による分子量が50000〜1000000であるこ
とが好ましい。より好ましくは50000〜50000
0である。分子量が50000より小さいとオフセット
現象およびトナーの融着が発生する。分子量が1000
000より大きいと充分な定着が得られない。
【0045】上記架橋成分を有するスチレン−アクリル
系樹脂は、通常、バインダー樹脂の20〜80重量%、
好ましくは20〜50重量%含有される。20重量%よ
り少ないとトナーの融着およびブロッキングが発生す
る。80重量%より多いと充分な定着が得られない。
【0046】本発明に用いられるポリエステル系樹脂
は、好適には少なくとも1種のジオールと少なくとも1
種のジカルボン酸とから合成される飽和または不飽和ポ
リエステルである。ポリエステルは、単独重合体、共重
合体、2種以上の単独重合体の混合物、2種以上の共重
合体の混合物、または少なくとも1種の単独重合体の混
合物と少なくとも1種の共重合体との混合物であり得
る。
【0047】ジオールとしては、エチレングリコール、
プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオ
ペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,
6−ヘキサンジオール、デカメチレングリコール、1,
4−ジヒドロキシヘキサン、1,4−ジヒドロキシメチ
ルシクロヘキサン、ヒドロキノン、p−キシリレングリ
コール、2,5−ジクロロ−p−キシリレングリコー
ル、1,3−ビス(ヒドロキシアルキル)ベンゾイミダ
ゾロン、1,1−メチレン−ビス〔3−(2’−ヒドロ
キシエチル)−5,5−ジメチルヒダントイン〕などが
用いられ得る。これらは単独または2種以上混合して用
いられ得る。ジカルボン酸としては、マロン酸、コハク
酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン
ジオン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,
3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキ
サンジカルボン酸、1−カルボキシメチル−4−シクロ
ヘキサンカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、
2,5−ジブロモテレフタル酸、2,6−ナフタレンジ
カルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、4,
4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニル
エーテルジカルボン酸、1,2−ビス(4’−カルボキ
シフェノキシ)エタン、ビス(p−カルボキシフェニ
ル)メタン、4,4’−スルホン−ジフェニルジカルボ
ン酸などが用いられ得る。これらは単独または2種以上
混合して用いられ得る。また、必要に応じて、ジオール
およびジカルボン酸に、グリセリン、トリメチロールプ
ロパン、ペンタエリスロトールなどの多官能性アルコー
ル、トリカルパリル酸、トリメシン酸、トリメリット酸
などの多官能性カルボン酸をさらに共重合し得る。
【0048】上記ジオールとジカルボン酸の組み合わせ
は特に限定されないが、得られる樹脂のTgが50℃〜
75℃になるように選択される。樹脂のTgが50℃よ
り低いとトナーの保存安定性が劣る。75℃より高いと
トナーの低温熱定着性が劣る。
【0049】本発明に用いられるポリエステル系樹脂
は、GPC法による分子量が2000〜50000、好
ましくは3000〜30000である。分子量が200
0より小さいとトナーの融着およびブロッキングが発生
する。分子量が50000より大きいと粉砕性、定着性
に劣る。
【0050】上記スチレン−アクリル系樹脂とポリエス
テル系樹脂との混合重量比は、20:80〜80:2
0、好ましくは、30:50〜50:30である。
【0051】本発明においては、上記スチレン−アクリ
ル系樹脂中に上記ポリエステル系樹脂が分散系を形成す
る。分散系の径は1μm以下である。1μmより大きい
と脱離、ドラムフィルミング、流動性不良などの不具合
が生じる。好ましくは0.05μm〜1μmである。
【0052】分散系の径は、ポリエステル系樹脂を構成
するジオール成分ならびにジカルボン酸成分の種類およ
びトナー成分を混練するときの混練条件によって調整さ
れ得る。1μm以下の分散系を達成するための好ましい
ジオール成分とジカルボン酸成分との組み合わせは、例
えばビスフェノールAとエタンジカルボン酸、ビスフェ
ノールA誘導体とエタンジカルボン酸、ブタンジオール
とエタンジカルボン酸などであるが、これらには限定さ
れない。また、好ましい混練条件はポリエステル系樹脂
の種類によって異なり、例えば、110℃〜150℃で
あるが、これらには限定されない。
【0053】分散系の径の測定は、トナー成分混練物を
ミクロトームによりカットし、薄片を透過型顕微鏡で観
察することにより行い得る。
【0054】本発明のバインダー樹脂には、上記スチレ
ン−アクリル系樹脂およびポリエステル系樹脂の他に、
必要に応じてビニル系樹脂、ポリエステル、ポリウレタ
ン、エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリオレフィン、炭化
水素樹脂、フェノール樹脂、芳香族系樹脂などの公知の
樹脂が含まれ得る。
【0055】(好適に用いられるバインダー樹脂の調製
方法)本発明で使用されるスチレン−アクリル系樹脂
は、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法または乳化重
合法のいずれの方法によっても製造され得るが、懸濁重
合法が好ましい。
【0056】懸濁重合法では、上記モノマー混合物を水
相に懸濁して重合することによって所望の重合体が得ら
れ得る。
【0057】懸濁重合は、水または水系溶媒100重量
部に対して、モノマー混合物100重量部以下、好まし
くは10〜90重量部で行うのが好ましい。分散剤とし
ては、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール部
分ケン化物、リン酸カルシウムなどが用いられ得る。分
散剤の量は、水系溶媒に分散するモノマー量で変わる
が、一般に水または水系溶媒l00重量部に対して、
0.05〜1重量部が添加される。
【0058】重合温度は、使用する開始剤、目的とする
ポリマーによって異なるが、通常、50〜95℃が好ま
しい。重合開始剤の種類は、水に不溶また難溶のもので
あれば用いられ得る。例えば、ベンゾイルパーオキサイ
ド、tert−ブチルパーオキシヘキサノエートなどが
使用され得る。重合開始剤は、モノマー混合物l00重
量部に対し0.5〜l0重量部で用いられ得る。
【0059】本発明で使用されるポリエステル系樹脂
は、従来の直接エステル化法またはエステル交換法によ
って製造され得、反応温度は、80〜280℃、好まし
くは150〜250℃である。反応時間は、反応温度に
よって異なり、通常、10分〜48時間の範囲で選択さ
れる。
【0060】バインダー樹脂は、ポリエステル系樹脂、
モノマー混合物および重合開始剤を含む混合物を懸濁重
合して得た重合物、ポリエステル樹脂およびモノマー混
合物の重合体を含む混合物、またはこれらの加熱混練物
から調製され得る。
【0061】(トナーの調製)トナーは、本発明のバイ
ンダー樹脂を必須成分として含有し、さらに必要に応じ
て配合剤、例えば着色剤、電荷制御剤、離型剤、磁性粉
などを含有し得る。
【0062】着色剤としては、以下にあげるものが好適
に使用される。
【0063】黒色顔料:ファーネスブラック、チャンネ
ルブラック、サーマル、ガスブラック、オイルブラッ
ク、アセチレンブラックなどのカーボンブラック、ラン
プブラック、アニリンブラック; 白色顔料:亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜
鉛; 赤色顔料:ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水
銀、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾ
ロンレッド、ウォッチングレッドカルシウム塩、レーキ
レッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレー
キ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリア
ントカーミン3B; 橙色顔料:赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネン
トオレンジGTR、ピラゾロオレンジ、バルカンオレン
ジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジ
ジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジ
GK; 黄色顔料:黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸
化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエ
ロー、ネープルスイエロー、ナフトールイエローS、ハ
ンザーイエローG、ハンザーイエロー10G、ベンジジ
ンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエ
ローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジ
ンレーキ; 緑色顔料:クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグ
リーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファナルイエロ
ーグリーンG; 青色顔料:紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレー
キ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー部
分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレン
ブルーBC; 紫色顔料:マンガン紫、ファーストバイオレットB、メ
チルバイオレットレーキ; 体質顔料:バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリ
カ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト; 導電性顔料:導電性カーボンブック、アルミニウム粉; 光導電性顔料:酸化亜鉛、セレン、硫化カドミウム、セ
レン化カドミウム。
【0064】着色剤は、バインダー樹脂100重量部に
対して1〜30重量部、好ましくは2〜20重量部の割
合で使用され得る。
【0065】電荷制御剤としては、トナーの極性に応じ
て、正電荷制御剤あるいは負電荷制御剤が用いられ得
る。
【0066】正電荷制御剤としては、塩基性窒素原子を
有する有機化合物、例えば塩基性染料、アミノピリジ
ン、ピリミジン化合物、多核ポリアミノ化合物、アミノ
シラン類あるいは、これらの化合物で表面処理された充
填剤などが使用され得る。
【0067】負電荷制御剤としては、カルボキシ基を含
有する化合物(例えばアルキルサリチル酸金属キレート
など)、金属錯塩染料、脂肪酸石鹸、ナフテン酸金属塩
などが使用され得る。
【0068】電荷制御剤は、バインダー樹脂100重量
部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜8
重量部の割合で使用され得る。
【0069】離型剤としては、脂肪族系炭化水素、脂肪
族金属塩類、高級脂肪酸類、脂肪酸エステル類もしくは
その部分ケン化物、シリコーンオイル、各種ワックスな
どがあげられる。中でも、重量平均分子量が1000〜
10000程度の脂肪族系炭化水素が好ましい。具体的
には、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレ
ン、パラフィンワックス、炭素原子数4以上のオレフィ
ン単位からなる低分子量のオレフィン重合体などの1種
または2種以上の組み合わせが好適である。
【0070】離型剤は、バインダー樹脂100重量部に
対して0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜8重量
部の割合で使用される。
【0071】磁性粉としては、各種フェライト、例え
ば、四三酸化鉄(Fe34)、三二酸化鉄(γ−Fe2
3)、酸化鉄亜鉛(ZnFe24)、酸化鉄イットリ
ウム(Y3Fe512)、酸化鉄カドミウム(CdFe2
4)、酸化鉄ガドリニウム(GdFe54)、酸化鉄
銅(CuFe24)、酸化鉄鉛(PbFe1219)、酸
化鉄ネオジム(NdFeO3)、酸化鉄バリウム(Ba
Fe1219)、酸化鉄マグネシウム(MgFe24)、
酸化鉄マンガン(MnFe24)、酸化鉄ランタン(L
aFeO3)、鉄粉、コバルト粉、ニッケル粉などが挙
げられる。
【0072】本発明のトナーは、以下の方法で調製され
得る。
【0073】本発明のトナーは、トナー製造のための周
知の方法により製造され得る。例えば、上記トナーを構
成する成分を乾式ブレンダ、ヘンシェルミキサー、ボー
ルミルなどによって均質に予備混練して混合物を得る。
得られた混合物を、例えばパンバリーミキサー、ロー
ル、一軸または二軸の押出混練機などの混練装置を用い
て均一に溶融混練する。得られた混練物を冷却して粉砕
し、必要に応じて分級してトナー原粉が製造され得る。
トナー原粉はまた、懸濁重合法などにより製造され得
る。トナーの粒径は、一般に体積基準平均粒径(コール
ターカウンターによるメジアン径)が、5〜25μm、
好ましくは5〜15μm、特に7〜12μmの範囲内に
あるのが好ましい。
【0074】上記トナー原粉は、必要に応じて外添剤を
添加してトナーとされる。外添剤はトナーの流動性や帯
電性を向上させ得る。
【0075】外添剤としては、無機微粒子、樹脂微粒
子、ステアリン酸金属塩などの、従来公知の種々の材料
が使用され得る。特に、疎水性または親水性のシリカ微
粒子を含むシリカ系表面処理剤、例えば超微粒子状無水
シリカやコロイダルシリカなどの疎水性または親水性の
シリカ微粒子が好適に使用される。外添剤は、トナーの
総重量、つまりトナー原粉と外添剤との合計重量あたり
0.1〜2.0重量%の量で添加される。
【0076】本発明のトナーは、フェライトや鉄粉など
の磁性キャリアと混合して、二成分系現像剤として、画
像形成装置に使用され得る。
【0077】磁性キャリアとしては、好適にはフェライ
ト系の磁性キャリアが用いられる。FeならびにCu、
Mg、Mn、およびNiからなる群から選ばれる金属成
分の少なくとも1種、好適には2種以上を含有するソフ
トフェライトが好適に使用され得る。例えば、銅−亜鉛
−マグネシウムフェライトの焼結フェライトでなる粒
子、特に球状粒子が、ソフトフェライトとして使用され
得る。磁性キャリアの表面は、コートされていなくても
よいが、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂、エポキシ樹
脂、アミノ樹脂、ウレタン系樹脂などでコートされてい
る方が好適である。磁性キャリアの粒径は30〜200
μm、特に50〜150μmの範囲にあることが望まし
い。キャリアの飽和磁化は30〜70emu/g、特に
45〜65emu/gの範囲にあるのが望ましい。
【0078】磁性キャリアとトナーとの混合比は、一般
に98:2〜90:10の重量比、特に97:3〜9
4:6の重量比であることが好ましい。
【0079】
【作用】本発明のバインダー樹脂は、架橋構造を有する
スチレン−アクリル系樹脂、およびこのスチレン−アク
リル系樹脂中に1μm以下の分散系を形成したポリエス
テル系樹脂を含有する。この特徴により以下のような効
果が達成される。
【0080】(1)本発明のバインダー樹脂は、比較的低
い温度で軟化しつつ、広い温度範囲にわたって粘弾性を
有する。
【0081】本発明のバインダー樹脂は、スチレン−ア
クリル系樹脂中の架橋構造により樹脂の溶融時の粘弾性
が高められる。しかし、通常、架橋構造を有するスチレ
ン−アクリル系樹脂は高軟化点を有し、低温では軟化し
にくい。ところが、上記架橋構造を有するスチレン−ア
クリル系樹脂中にポリエステル系樹脂の分散系を形成さ
せると、スチレン−アクリル系樹脂の軟化点が著しく低
下する。この理由は、以下の通りである。
【0082】シャープで低い軟化点を有するポリエステ
ル系樹脂は、比較的低温で溶解し、溶解時には低粘度で
あるため、周囲の他の樹脂に浸透し易い。その結果、ポ
リエステル系樹脂が浸透した他の樹脂は、可塑化された
ような状態になり、樹脂本来の軟化点よりも低い温度で
軟化する。ただし、ポリエステル樹脂を含む樹脂におい
て、上記のようなポリエステル系樹脂の効果を得るため
には、加熱時にまずポリエステル樹脂が溶解し始めるこ
とが重要である。したがって、ポリエステル樹脂は他の
樹脂と予め均一に相溶しているのではなく、他の樹脂中
に所定の粒子径を有する分散系を形成していることが好
ましい。
【0083】(2)分散系の粒子径を特定することによ
り、分散ポリエステル粒子の樹脂からの衝撃などによる
脱離が発生し難くなり、さらに樹脂の耐熱性が向上す
る。
【0084】(3)本発明のバインダー樹脂はスチレン成
分を含むため、架橋構造を有しているにもかかわらず粉
砕性に優れる。
【0085】上記のようなバインダー樹脂を含む本発明
のトナーは、以下のような効果を達成し得る。
【0086】(1)トナーは低温から軟化し得、かつ溶融
時にも所定の粘弾性を有するため、トナーの低温での定
着性が向上し、かつ広い温度範囲でトナーの耐オフセッ
ト性が向上する。
【0087】(2)トナーの機械的強度および耐熱性が向
上して、その結果、トナーの耐久性が向上する。
【0088】(3)トナーの帯電安定性が向上する。
【0089】トナーに通常含まれる電荷制御剤は極性物
質であるため、極性の低いスチレン−アクリル系樹脂に
は分散し難く、そのため樹脂中から脱離しやすい。他
方、ポリエステル樹脂は極性を有するため、分散しやす
く、脱離もしにくい。したがって、本発明のバインダー
樹脂に電荷制御剤を分散した場合、含まれるポリエステ
ル樹脂により電荷制御剤が樹脂中に分散されやすく、ま
た脱離もし難くなるため、トナーの帯電性能は長期間に
わたって安定化される。
【0090】
【実施例】以下、本発明を実施例によって詳細に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0091】本明細書中では、特に指示のない限り、部
数はすべて重量部であり、含有率は全て重量%で表され
る。
【0092】(実施例1) (バインダー樹脂の調製)2,2−ビス(4−オキシフ
ェニル)プロパン50重量部、1,4−ブタンジオール
20重量部、p−ベンゼンジカルボン酸70重量部、
1,2−エタンジカルボン酸15重量部および触媒とし
てジブチル錫を窒素導入管付きガラス製反応容器に入れ
た。容器を脱気し、窒素置換した後、反応容器を加熱し
て副生成物である水を除去しながら、180℃で5時間
重合した。脱気加熱によりモノマーを除去し、次いで乾
燥することによって、ポリエステルを得た。このポリエ
ステルのGPC法による重量平均分子量は7000であ
り、軟化温度は97℃であり、そしてガラス転移点Tg
は68℃であった。
【0093】次いで、上記工程により得られたポリエス
テル30重量部、スチレン70重量部、n−ブチルメタ
クリレート30重量部、テトラデカエチレングリコール
ジメタクリレート1重量部および2,2−アゾビスイソ
ブチロニトリル2.5重量部からなる混合物を、窒素気
流下、リン酸三カルシウムを12重量部含む水450重
量部にホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて懸濁し
た後、スターラーを用いて攪拌しながら、80℃で6時
間懸濁重合することにより、本発明のバインダー樹脂を
得た。
【0094】(トナーの調製)表1に記載の配合でトナ
ー原粉を調製した。
【0095】
【表1】
【0096】上記のトナー原粉を構成する各成分を混合
し、二軸押出機を用いて上記樹脂の軟化温度より5℃高
い130℃で溶融混練した後、冷却し、粉砕し、分級し
て、平均粒径10μmのトナー原粉を得た。得られたト
ナー原粉に流動性改良剤として平均粒径が0.015μ
mの疎水性シリカ微粒子をトナー原粉100重量部に対
して0.3重量部の割合で添加し、そしてヘンシェルミ
キサーで2分間混合して、トナーを得た。
【0097】(実施例2) (バインダー樹脂の調製およびトナーの調製)テトラデ
カエチレングリコールジメタクリレートの代わりにナノ
エチレングリコールジメタクリレートを0.7重量部用
いた以外は、実施例1と同様にしてバインダー樹脂を得
た。
【0098】次に、上記樹脂を用いた以外は、実施例1
と同様にしたトナーを得た。
【0099】(比較例1) (バインダー樹脂の調製およびトナーの調製)架橋剤と
してジビニルベンゼンを0.25重量部用いた以外は、
実施例1と同様にしてバインダー樹脂を得た。
【0100】次に、上記樹脂を用いた以外は、実施例1
と同様にしたトナーを得た。
【0101】(比較例2) (トナーの調製)溶融混練温度を実施例1の樹脂の軟化
温度より20℃高い145℃としたこと以外は、実施例
1と同様にしてトナーを得た。
【0102】(比較例3) (バインダー樹脂の調製およびトナーの調製)架橋剤を
一切使用せず、2,2−アゾビスイソブチロニトリルを
1.3重量部としたこと以外は、実施例1と同様にして
バインダー樹脂を得た。
【0103】次に、上記樹脂を用いた以外は、実施例1
と同様にしたトナーを得た。
【0104】表2に上記実施例1〜2および比較例1〜
3の樹脂組成を示す。
【0105】
【表2】
【0106】(バインダー樹脂およびトナーの評価)次
の項目につき、上記実施例および比較例で得られたバイ
ンダー樹脂およびトナーを評価した。なお、トナーの評
価は、上記実施例および比較例で得られたトナーを平均
粒径100μmのフェライトキャリアと混合してトナー
濃度3.5%の二成分系現像剤とし、これを電子写真複
写機(三田工業株式会社製、型番「DC−1755」、
加熱圧ロール定着方式、有機感光体ドラム使用)で評価
した。評価項目および評価方法は以下の通りである。
【0107】(a)軟化開始温度 フローテスタ(島津製作所(株)製、型番「CFT−5
00A」)を用いて、実施例および比較例で作製したス
チレン−アクリル系樹脂の軟化開始温度を測定した。
【0108】(b)軟化温度 上記フローテスタを用いて、実施例および比較例で作製
したスチレン−アクリル系樹脂の軟化温度を測定した。
【0109】(c)THF不溶分 実施例および比較例で作製したスチレン−アクリル系樹
脂の一部を取り、その重量W0を測定した。次いで、2
5℃にてTHFに溶解し、遠心分離し、残留物の重量W
1を測定し、下式により、THF不溶分の含有率を算出
した。
【0110】
【数1】
【0111】(d)ガラス転移点 示差走査熱量計(リガク製、型番「TAS−200」に
より、実施例および比較例で作製した樹脂のガラス転移
点を測定した。
【0112】(e)トナーの定着率 上記複写機の加熱ローラの温度を150℃および180
℃に設定し、それぞれの温度において、黒ベタ原稿に対
応するトナー像が形成された転写紙を転写ローラに通紙
して像を定着させ、得られた複写画像の画像濃度C0
反射濃度計(東京電色社製、型番「TC−6D」)を用
いて測定した。次いで、上記複写画像上に粘着テープを
圧着させて剥離を行い、再度画像濃度C1を測定し、下
式によりトナー定着率を算出した。
【0113】
【数2】
【0114】(f)オフセット現象発生温度 上記複写機の加熱ローラの温度を180℃から上下方向
にそれぞれ10℃ずつ変化させ、各温度において所定の
原稿を連続500枚複写を行った。各温度における50
0枚目の複写画像の非画像部のオフセット現象および汚
れを目視で判定し、低温側と高温側の両方においてオフ
セット現象の発生し始めた温度を記録した。
【0115】(g)ポリエステル系樹脂の分散 トナー成分混練物をミクロトームで切断し、薄片中のポ
リエステル系樹脂の分散状態を透過型顕微鏡を用いて調
べた。分散系が形成されている場合には、分散粒子の切
断面の長径を測定して分散系の粒子径とした。
【0116】(h)耐久性 所定の原稿を用いて連続複写を行い、画像品質が低下し
始めた複写枚数をもって耐久性とした。
【0117】(i)粉砕性 実施例および比較例で作製した所定量のトナー成分混練
物を、ジェット式粉砕機(日本ニューマチック社製、型
番「ID−2」)を用いて粉砕し、平均粒径が10μm
になるまでの粉砕速度(単位時間当たりの処理重量(g
/分))を測定した。ここで、実施例1で作製したトナ
ー成分混練物の粉砕速度を100として相対比較した。
【0118】(j)帯電量 実施例および比較例で作製したトナーを含む2成分系現
像剤200mgの帯電量を「ブローオフ粉体帯電量測定
装置」(東芝ケミカル社製)を用いて測定し、トナー1
gあたりの帯電量の平均値を算出した。評価結果を表3
に示す。
【0119】
【表3】
【0120】表3からわかるように、実施例1ならびに
2、および比較例1の架橋構造を有するスチレン−アク
リル系樹脂中にポリエステル樹脂の分散系を有するバイ
ンダー樹脂は、比較例2の架橋構造を有するスチレン−
アクリル系樹脂中にポリエステル樹脂が相溶したバイン
ダー樹脂に比べ、いずれも比較的低い温度から軟化し始
めた。また、実施例1ならびに2、および比較例1のト
ナーは、比較例2のトナーおよびポリエステル樹脂の分
散系を有さない比較例3のトナーよりも低温における定
着性が良好であり、かつ耐オフセット温度範囲が広かっ
た。
【0121】実施例1および2の1μm以下のポリエス
テル樹脂の分散系を有するバインダー樹脂を含むトナー
は、比較例1および2のポリエステル樹脂の分散系が1
μmより大きいかまたはポリエステル樹脂が相溶してい
るバインダー樹脂を含むトナーよりも、耐久性に優れて
いた。
【0122】
【発明の効果】本発明のバインダー樹脂は、ポリエステ
ル系樹脂の分散系を有するスチレン−アクリル系樹脂よ
りなることにより、低軟化点で溶融時には広い温度範囲
で粘弾性を有し、粉砕性、耐衝撃性、耐熱性、耐久性に
優れる。さらに、この樹脂を用いた本発明のトナーは、
低温定着性、耐久性に優れ、耐オフセット温度領域が広
いため、定着温度の低温化を可能とし、消費電力の低
減、定着オイルレス化、および長期間安定した高品質画
像形成を可能とする。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子写真用トナーのバインダー樹脂であ
    って、 架橋構造を有するスチレン−アクリル系樹脂およびポリ
    エステル系樹脂を含有し、 該スチレン−アクリル系樹脂はTHF不溶分を1〜50
    重量%含み、そして、 該ポリエステル系樹脂は該スチレン−アクリル系樹脂中
    に1μm以下の分散系を形成している、バインダー樹
    脂。
  2. 【請求項2】 前記スチレン−アクリル系樹脂が前記バ
    インダー樹脂に対して20〜80重量%含有される、請
    求項1に記載のバインダー樹脂。
  3. 【請求項3】 前記スチレン−アクリル系樹脂を構成す
    るアクリル成分が、ホモポリマーのTgが20℃以下で
    あるアクリル酸エステルモノマーまたはメタクリル酸エ
    ステルモノマーを少なくとも1種含むモノマー混合物か
    ら形成される、請求項1に記載のバインダー樹脂。
  4. 【請求項4】 前記スチレン−アクリル系樹脂のTHF
    可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィーによ
    り測定された分子量が50000以上である、請求項1
    に記載のバインダー樹脂。
  5. 【請求項5】 前記ポリエステル系樹脂のゲルパーミエ
    ーションクロマトグラフィーにより測定された分子量が
    50000以下である、請求項1に記載のバインダー樹
    脂。
  6. 【請求項6】 前記スチレン−アクリル系樹脂の架橋構
    造が以下の式の架橋剤に由来する構造を含む、請求項1
    に記載のバインダー樹脂: 【化1】 ここで、Xは(CHn−Oまたは(CH2CH2O)m
    であり、nおよびmは、それぞれ独立して1〜15の整
    数であり、R1はそれぞれ独立して水素原子または低級
    アルキル基である。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載のバインダー樹脂よりな
    るトナー。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7097898B2 (en) 2001-09-21 2006-08-29 Seiko Epson Corporation Printed article and production method of the same
JP2009103749A (ja) * 2007-10-19 2009-05-14 Ricoh Co Ltd トナー、並びに現像剤、画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジ

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US7097898B2 (en) 2001-09-21 2006-08-29 Seiko Epson Corporation Printed article and production method of the same
JP2009103749A (ja) * 2007-10-19 2009-05-14 Ricoh Co Ltd トナー、並びに現像剤、画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジ

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