JPH08263052A - ピアノの響板およびその製造方法 - Google Patents

ピアノの響板およびその製造方法

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JPH08263052A
JPH08263052A JP7090379A JP9037995A JPH08263052A JP H08263052 A JPH08263052 A JP H08263052A JP 7090379 A JP7090379 A JP 7090379A JP 9037995 A JP9037995 A JP 9037995A JP H08263052 A JPH08263052 A JP H08263052A
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piano
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heating
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JP7090379A
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Inventor
Riichi Kitajima
理一 北島
Makoto Kanemitsu
誠 金光
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Kawai Musical Instruments Manufacturing Co Ltd
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Kawai Musical Instruments Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 切削加工による欠点を排除し、合板製のもの
においても所望の厚さ分布を得ることができ、多様な音
響特性を実現することができる低コストのピアノの響板
を提供する。そのような響板を容易かつ安定的に製造す
ることができる製造方法を提供する。 【構成】 木質板で構成されたピアノの響板であって、
所定の部位に、他の部位よりも厚さが小さくかつ密度が
大きな圧縮部14が形成されている。平坦な木質板材6
を加湿して第1の所定含水率以上に調湿する調湿工程
と、調湿された木質板材6を加熱して軟化させる加熱・
軟化工程と、所定の表面形状を有する一対の成形型1
3、13の間に、軟化した木質板材6をその表裏方向に
挟み込み、圧締しながら第2の所定含水率以下に乾燥す
ることによって、木質板材6の所定の部位に、塑性圧縮
変形により、他の部位よりも厚さが小さくかつ密度が大
きな圧縮部14を形成する圧締・乾燥工程と、を備えて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アコースティックピア
ノにおいて、弦振動を空気振動すなわちピアノ音に変換
するのに用いられるピアノの響板およびその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】響板は、一般に、無垢板や合板などの木
質板で構成されている。無垢板製の響板は、スプルスな
どの柾目板材の中から欠点の少ないものを選び出し、こ
れらを多数、横はぎ接着することによって形成されてい
る。一方、合板製の響板は、例えば3層の台板の表裏面
に薄い化粧単板を積層・接着することによって形成され
ている。通常、無垢板製の響板は、材料コストおよび加
工コストがともに高いことから、比較的高級な機種に採
用され、これらのコストが低い合板製の響板は、普及機
種に採用されている。響板は、その表面に駒が接着・固
定されるとともに、アップライトピアノの場合には、支
柱の外周に取り付けられた打廻しに接着・固定されてい
る。そして、フレームに張った弦を駒で受け、この駒を
介して弦振動が響板に伝達されるようになっている。
【0003】また、無垢板製の響板については、厚さが
一定のものの他に、音響特性を向上させるために、厚さ
分布を変化させたものも知られている。例えば、低音
域から高音域に至る振動特性に合わせて、低音部から高
音部側に向かって順次高くなる剛性分布を得る目的か
ら、響板の低音部を薄く高音部を厚くしたものや、響
板全体としてより大きな振動面積を確保する目的から、
響板の周辺部を中央部よりも薄くしたものなどが知られ
ている。これらの加工は、従来、一定厚さの響板を切削
することによって行われており、直線的なテーパ状に形
成する場合にはベルトサンダーなどによる機械加工で、
曲面形状の場合にはカンナ掛けやサンダー掛けなどによ
る手作業で、それぞれ行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のように
厚さ分布を変化させた響板を切削加工で形成する場合に
は、次のような問題がある。 切削加工は、無垢板製の響板には適用可能である
が、合板製の響板には適用できない。合板製の響板は、
表裏面に薄い化粧単板を有するので、切削加工を行う
と、化粧単板が部分的に削られることにより、外観が損
われてしまうからである。このため、合板製の響板は、
低コストという利点を有する一方で、厚さ分布の変化に
よって音響特性の向上を図ることは不可能であった。 複雑な厚さ分布形状に加工することが困難であるた
め、最適な音響特性を得ることができない。すなわち、
機械加工では単純なテーパ加工しか行えず、手作業によ
る場合は、曲面加工は可能ではあるが、広い響板に所望
の厚さ分布の形状を得るのに、熟練を要し、作業も長時
間となる。また、曲面加工は、響板の各部分の厚さを測
定しながら削り込んでゆく作業となるため、得られる精
度は± 0.2mm程度で限界がある。このため、より複雑な
所望の厚さ分布形状の響板を曲面切削加工で得ること
は、コストおよび精度の制約から、実際上、不可能であ
り、響板の音響設計の自由度が狭められてしまう。 サンダー掛けの場合には、木粉がサンダーの目に詰
まるため、サンドペーパーを定期的に交換しなければな
らないとともに、大量に発生する木粉の集じん設備など
も必要になり、カンナ掛けの場合には、刃の摩耗により
これを定期的に研磨しなければならない。 切削によって木の繊維の一部が切断されて、剛性が
低下するため、特に、高い剛性が要求される高音部およ
び次高音部で剛性が不足してしまう。
【0005】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたものであり、切削加工による欠点を排除
し、合板製のものにおいても所望の厚さ分布を得ること
ができ、それにより多様な音響特性を実現することがで
きる低コストのピアノの響板を提供すること、およびそ
のような響板を容易かつ安定的に製造することができる
製造方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、駒を介して伝達された弦の振動を空気振
動に変換して、ピアノ音を発生させるための木質板で構
成されたピアノの響板であって、所定の部位に、他の部
位よりも厚さが小さくかつ密度が大きな圧縮部が形成さ
れていることを特徴としている。
【0007】この場合、圧縮部が、響板の周辺部に形成
されていること、響板の低音部側に形成されているこ
と、響板の駒取付け部に形成されていること、および/
または響板の響棒取付け部に形成されていることが好ま
しい。
【0008】また、本発明のピアノの響板の製造方法
は、平坦な木質板材を加湿してその含水率を第1の所定
含水率以上に調湿する調湿工程と、調湿された木質板材
を加熱して軟化させる加熱・軟化工程と、所定の表面形
状を有する一対の成形型の間に、軟化した木質板材をそ
の表裏方向に挟み込み、圧締しながら第2の所定含水率
以下に乾燥することによって、木質板材の所定の部位
に、塑性圧縮変形により、他の部位よりも厚さが小さく
かつ密度が大きな圧縮部を形成する圧締・乾燥工程と、
を備えていることを特徴としている。
【0009】この場合、第1の所定含水率が30%であ
ること、第2の所定含水率が10%であることや、木質
板材の加熱および乾燥を内部加熱および/または外部加
熱で行うことが好ましい。
【0010】
【作用】請求項1のピアノの響板は、所定の部位に、他
の部位よりも厚さが小さくかつ密度が大きな圧縮部が形
成されるので、肉薄の圧縮部と肉厚の他の部位によっ
て、厚さ分布が平面的に変化することになる。また、こ
のような肉薄かつ高密度の圧縮部を含む響板は、切削加
工では形成不可能であり、例えば成形型を用いたプレス
加工によって形成することが可能である。このため、こ
の響板では、切削加工による欠点が自動的に排除される
とともに、得ようとする厚さ分布に応じた成形型を用意
することによって、合板製の響板においても、複雑な厚
さ分布のものも含めて所望の厚さ分布を精度良く得るこ
とができ、それにより多様な音響特性を実現することが
できる。
【0011】請求項2の響板は、圧縮部が響板の周辺部
に形成されているので、固定端である周辺部が薄く、中
央部が厚くなるとともに、大きな板厚の部分が周辺部付
近の領域にまで及ぶことによって、より大きな振動モー
ドすなわち振動面積が得られ、低音域における音の響き
が確保される。
【0012】請求項3の響板では、圧縮部が響板の低音
部側に形成されている。圧縮部は、他の部位と比較し、
厚さの減少が大きく影響して剛性が低下しているので、
響板に必要とされる、低音部で低く高音部では高いとい
う良好な剛性分布が得られる。
【0013】請求項4の響板では、圧縮部が響板の駒取
付け部に形成されることによって、この部分の密度が増
加し、駒と響板の密度差が小さくなる。その結果、弦か
ら駒を介した響板への振動エネルギーの伝達効率が高め
られ、より豊かな音量が得られる。
【0014】請求項5の響板では、圧縮部が響板の響棒
取付け部に形成されることによって、この部分の響板の
剛性が低下し、響棒を取り付けたときのこの部分の響棒
を含む剛性と、響棒間の部分の響板の剛性との差が少な
くなる。その結果、響板全体にわたる剛性の均一性が高
められ、鍵盤間における発音のバランスが良くなる。ま
た、響棒取付け部が薄肉化されることによって、響板の
響棒間の部分に形成される振動モードがより大きくな
り、特に1000Hz前後の次中音域の発音が得やすくなる。
【0015】請求項6のピアノの響板の製造方法では、
平坦な木質板材を加湿してその含水率を第1の所定含水
率以上に調湿し、次いで、調湿された木質板材を加熱し
て軟化させた後、所定の表面形状を有する一対の成形型
の間に、軟化した木質板材をその表裏方向に挟み込み、
圧締しながら第2の所定含水率以下に乾燥することによ
って、木質板材の所定の部位に、塑性圧縮変形により圧
縮部が形成され、すなわち請求項1の響板が製造され
る。この製造方法によれば、木質板材をあらかじめ加湿
することにより、その後の加熱および軟化が促進される
とともに、これを圧締しながら乾燥することにより、木
質板材は、水分の排出に伴って圧密されながら、成形型
の表面形状に沿って、所定の厚さ分布となるように塑性
圧縮変形される。したがって、任意の厚さ分布を有し且
つ形状安定性に優れた響板が容易に得られる。
【0016】請求項7の製造方法では、調湿工程におい
て、木質板材があらかじめ含水率30%以上に調湿され
る。木質材に含まれる水分には、繊維に結合している結
合水と、繊維間に存在する自由水とがあり、一般に、含
水率28%程度以下では結合水として存在し、含水率が
それ以上になると、さらに自由水が存在するようにな
る。また、結合水は、木質材の強度に影響を及ぼすとと
もに、加熱による軟化に寄与する一方、自由水はこの軟
化をさらに促進する。したがって、含水率を30%以上
に調湿して、結合水が飽和しかつ自由水が存在する状態
を確保することにより、加熱による軟化が促進され、上
記塑性圧縮変形が効果的に行われる。
【0017】請求項8の製造方法では、圧締・乾燥工程
において、木質板材が含水率10%以下に乾燥される。
これにより、響板の含水率は、ピアノを使用する場合の
最も好ましい状態となる。
【0018】請求項9の製造方法では、加熱・軟化工程
における加熱および圧締・乾燥工程における乾燥を、内
部加熱すなわちマイクロ波加熱や高周波加熱などのよう
な木質板材内部の水分を利用した誘電加熱による加熱方
式、および/または外部加熱すなわち熱板加熱や水蒸気
加熱のような木質板材の外部に配置した発熱体の熱によ
る加熱方式で行うので、塑性圧縮変形が効率良く短時間
で行われる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の好ましい実施例を、図面を参
照しながら説明する。図3は、本発明を適用した響板を
組み込んだアップライトピアノのバックを示している。
このバックは、左右の支柱1、1と、支柱1、1間に渡
された土台2および桁3で構成された支持枠4と、支柱
1の外周に取り付けられた打廻し5と、打廻し5に外周
部が接着・固定された本発明に係る響板6と、支持枠4
の上部に取り付けられたピン板7と、このピン板7と土
台2の間に固定されたフレーム8(図4参照)とによっ
て構成されている。
【0020】響板6の表面には、長駒9および短駒10
が接着・固定され、裏面には多数の響棒11、11、…
…が取り付けられている。そして、図4に示すように、
フレーム8に張設した弦12を長駒9(または短駒1
0)で受けることにより、図示しないハンマーで打弦さ
れたときの弦12の振動が、長駒9(または短駒10)
を介して、響板6に伝達され、空気振動に変換されるこ
とによって、ピアノ音が発生する。
【0021】響板6は、一定厚さの合板をその表裏方向
に塑性圧縮変形することによって、図2に示すように、
周辺部が薄く中央部が厚い断面形状に形成されている。
この合板は、図1(a)に示すように、互いに積層・接
着された厚さ2mm程度の3枚の台板6a、6a、6a
と、その表裏面に接着された厚さ0.6 〜0.8 mmの化粧単
板6b、6bとによって構成され、全体として7〜8mm
程度の厚さを有している。
【0022】響板6の塑性圧縮変形は、例えば、次のよ
うにして行われる。 まず、この響板(合板)6を加湿して、第1の所定
含水率以上、例えば30%以上に調湿する(調湿工
程)。 次に、調湿された響板6を、マイクロ波や高周波な
どによる内部加熱、あるいは熱板などによる外部加熱、
またはこれらの併用により、加熱することによって、軟
化させる(加熱・軟化工程)。 次いで、図1(b)に示すように、軟化した響板6
を所定の表面形状を有する成形型13、13の間に挟み
込んで所定の圧締圧を加えながら、マイクロ波や高周波
などによる内部加熱、あるいは熱板などによる外部加
熱、またはこれらの併用によって、響板6を加熱し、第
2の所定含水率以下、例えば10%以下に乾燥する(圧
締・乾燥工程)。これにより、響板6は、内部の水分が
排出され、圧密されることによって、成形型13、13
の表面形状に沿って塑性圧縮変形され、周辺部に圧縮部
14が形成され(同図(c))、図2に示す断面形状の
響板6に形成される。
【0023】この響板6では、周辺部に圧縮部14が形
成され、すなわち打廻し5に固定される固定端に相当す
る周辺部が薄くかつ密度が大きい一方、中央部が厚くか
つ密度が小さくなるとともに、大きな板厚の部分が固定
端付近の領域にまで及ぶことによって、より大きな振動
モードすなわち振動面積が得られ、低音域における音の
響きを確保でき、広い周波数域に対してバランスの良い
響きを得ることができる。
【0024】また、この響板6は、成形型13、13に
よる圧縮変形によって成形されるので、本実施例のよう
な合板製のものについても、表面の化粧単板を削ること
なく、所望の不均一な厚さ分布が精度良く得られること
によって、その音響特性を向上させることができる。ま
た、圧縮変形が塑性変形によって行われるので、形状安
定性に優れた響板6を得ることができる。さらに、従来
の切削加工による場合の欠点を排除でき、すなわち加工
を容易かつ短時間で行うことができ、サンダー掛けの場
合のサンドペーパーの交換や集じん設備、およびカンナ
掛けの場合の刃の研磨が不要になるとともに、木の繊維
を切ることによる剛性の低下も生じないなどの利点を有
している。
【0025】また、本実施例の響板6は、あらかじめ含
水率30%以上に加湿した後、加熱・軟化した上で、圧
締状態で加熱・乾燥することによって、塑性圧縮変形を
行うので、飽和した結合水と自由水の存在によって軟化
を促進した後、形状安定性の高い塑性圧縮変形を、短時
間で行わせることができる。この場合、塑性圧縮変形を
より効率良く短時間で行うには、加熱方法として、マイ
クロ波による内部加熱を用いることが好ましい。また、
響板6を含水率10%以下まで乾燥させるので、その含
水率を、ピアノを使用する場合の最も好ましい状態とす
ることができる。
【0026】さらに、響板6の形状が成形型13、13
の表面形状によって定まるので、この成形型13、13
を種々、変えることによって、複雑な厚さ分布のものも
含めて所望の厚さ分布を容易に得ることができ、それに
より多様な音響特性を実現することができる。図5〜図
7はそのような響板の他の実施例を示している。
【0027】図5に示す第2実施例の響板16は、圧縮
部14を土台2側に形成することによって、ピン板7側
すなわち高音部側を厚く、土台2側すなわち低音部側を
薄くしたものであり、同図(a)ではテーパ状に、
(b)では曲線状に厚さが変化している。圧縮部14
は、他の部位と比較し、密度が増大している反面、厚さ
の減少が大きく影響して、剛性が低下しているので、本
実施例の響板16では、低音部で低く高音部では高いと
いう良好な剛性分布を得ることができる。
【0028】図6に示す第3実施例の響板26は、圧縮
部14を長駒9および短駒10の接着部(駒取付け部)
に形成したものである。圧縮部14の形成によってこの
部分の密度が増加し、長駒9および短駒10と響板6の
密度差が小さくなる結果、弦12から長駒9または短駒
10を介した響板6への振動エネルギーの伝達効率が高
められ、より豊かな音量を得ることができる。
【0029】図7に示す第4実施例の響板36は、圧縮
部14を響棒11の接着部(響棒取付け部)に形成した
ものである。これにより、この部分の響板6の剛性が低
下し、響棒11を取り付けたときのこの部分の響棒11
を含む剛性と、響棒11、11間の部分の響板6の剛性
との差が少なくなる結果、響板6全体にわたる剛性の均
一性およびバランスが良好になり、鍵盤間における発音
のアンバランス(音むら)を改善することができる。ま
た、響棒11の取付け部分が薄肉化されることによっ
て、響棒11、11間に形成される振動モードをより大
きくすることができるので、従来は発音しにくかった10
00Hz前後の周波数の発音を容易にして、次中音域の発音
を改善することができる。
【0030】響板の厚さ分布は、上記以外にも例えば、
図2および図5〜図7に示したものを2つ以上、組み合
わせて設定してもよく、この場合、図2、図5および図
6に示すものは響板6の表面に、図7に示すものは響板
6の裏面に、凹部をそれぞれ設けるようにしてもよい。
あるいは、2次モード以上の高次の振動モードに合致す
るように、より複雑な厚さ分布に設定してもよく、その
ような様々な厚さ分布の設定によって、多様な音響設計
を実現することが可能である。
【0031】なお、本発明は、説明した実施例に限定さ
れることなく、種々の態様で実施することができる。例
えば、実施例では、響板を合板で構成しているが、本発
明は、無垢板製の響板にも、もちろん適用できる。ま
た、実施例のアップライトピアノの響板に代えて、本発
明をグランドピアノの響板に適用することも勿論、可能
である。
【0032】また、実施例では、響板を加湿した後、加
熱・軟化しているが、例えば蒸気加熱によってこれらを
同時に行うようにしてもよい。その他、本発明の趣旨を
逸脱しない範囲で、細部の構成を適宜、変更することが
可能である。
【0033】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のピアノの
響板は、切削加工による欠点を排除し、合板製のものに
おいても所望の厚さ分布を得ることができ、それにより
多様な音響特性を実現することができるなどの効果を有
している。また、本発明の製造方法は、そのような響板
を容易かつ安定的に製造することができるなどの効果を
有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による響板の製造方法を示す図である。
【図2】図1の製造方法によって製造された第1実施例
によるアップライトピアノの響板の正面図および断面図
である。
【図3】本発明の響板を組み込んだアップライトピアノ
のバックの正面図および側面図である。
【図4】響板、駒および弦の取付け状態を示す断面図で
ある。
【図5】第2実施例の響板の正面図および断面図であ
る。
【図6】第3実施例の響板の正面図および断面図であ
る。
【図7】第4実施例の響板の背面図および断面図であ
る。
【符号の説明】
6 響板 9 長駒 10 短駒 11 響棒 12 弦 13 成形型 14 圧縮部

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弦の振動を空気振動に変換して、ピアノ
    音を発生させるための木質板で構成されたピアノの響板
    であって、所定の部位に、他の部位よりも厚さが小さく
    かつ密度が大きな圧縮部が形成されていることを特徴と
    するピアノの響板。
  2. 【請求項2】 前記圧縮部が、当該響板の周辺部に形成
    されていることを特徴とする、請求項1に記載のピアノ
    の響板。
  3. 【請求項3】 前記圧縮部が、当該響板の低音部側に形
    成されていることを特徴とする、請求項1または2に記
    載のピアノの響板。
  4. 【請求項4】 前記圧縮部が、駒を取り付けるための当
    該響板の駒取付け部に形成されていることを特徴とす
    る、請求項1ないし3のいずれかに記載のピアノの響
    板。
  5. 【請求項5】 前記圧縮部が、響棒を取り付けるための
    当該響板の響棒取付け部に形成されていることを特徴と
    する、請求項1ないし4のいずれかに記載のピアノの響
    板。
  6. 【請求項6】 平坦な木質板材を加湿してその含水率を
    第1の所定含水率以上に調湿する調湿工程と、 当該調湿された前記木質板材を加熱して軟化させる加熱
    ・軟化工程と、 所定の表面形状を有する一対の成形型の間に、前記軟化
    した木質板材をその表裏方向に挟み込み、圧締しながら
    第2の所定含水率以下に乾燥することによって、当該木
    質板材の所定の部位に、塑性圧縮変形により、他の部位
    よりも厚さが小さくかつ密度が大きな圧縮部を形成する
    圧締・乾燥工程と、 を備えていることを特徴とするピアノの響板の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 前記第1の所定含水率が30%であるこ
    とを特徴とする、請求項6に記載のピアノの響板の製造
    方法。
  8. 【請求項8】 前記第2の所定含水率が10%であるこ
    とを特徴とする、請求項6または7に記載のピアノの響
    板の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記木質板材の加熱および乾燥を、内部
    加熱および/または外部加熱で行うことを特徴とする、
    請求項6ないし8のいずれかに記載のピアノの響板の製
    造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007322606A (ja) * 2006-05-31 2007-12-13 Kawai Musical Instr Mfg Co Ltd 楽音装置及び楽音装置の生産方法
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